JP2002283060A - 非晶質合金材料のパルス通電接合法と接合部材 - Google Patents

非晶質合金材料のパルス通電接合法と接合部材

Info

Publication number
JP2002283060A
JP2002283060A JP2001081754A JP2001081754A JP2002283060A JP 2002283060 A JP2002283060 A JP 2002283060A JP 2001081754 A JP2001081754 A JP 2001081754A JP 2001081754 A JP2001081754 A JP 2001081754A JP 2002283060 A JP2002283060 A JP 2002283060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amorphous alloy
alloy material
joint
pulse current
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001081754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3857535B2 (ja
Inventor
Yoshihito Kawamura
能人 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2001081754A priority Critical patent/JP3857535B2/ja
Publication of JP2002283060A publication Critical patent/JP2002283060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3857535B2 publication Critical patent/JP3857535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非晶質合金同士や非晶質合金材料と他の結晶
材料との良好な接合ができる非晶質材料の接合方法と接
合材料を提供する。 【解決手段】 非晶質合金材料同士、または非晶質合金
材料と結晶材料を加圧しながら付き合わせ、その材料間
にパルス電流を流すことにより、非晶質合金の接合部の
一部あるいは全てが溶融状態まで急速加熱されると共に
接合部の流動変形を伴って接合されることを特徴とする
非晶質合金同士、または、非晶質合金と結晶材料の接合
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質合金材料同
士あるいは非晶質合金材料と結晶質合金材料の接合を可
能とするパルス通電接合法に関するものであり、非晶質
合金材料の応用範囲を拡げるものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】最近、結晶化の前でガラス遷
移が見られ、広い過冷却液体領域を有すると共に、大き
い非晶質形成能を示す各種非晶質合金材料が開発され
た。これら非晶質合金材料は、従来の非晶質合金材料に
比較して大きな非晶質形成能を有しているために、単ロ
ール式液体急冷法などのような大きな冷却速度が得られ
る特殊な方法のみならず、Cu鋳型鋳造や水焼き入れ法な
どのような比較的冷却速度の遅い一般的な鋳造法によっ
てでも非晶質化し、バルク状の非晶質合金材料を比較的
容易に作製することができるようになってきており、種
々の実用化の検討が実施されてきている。
【0003】非晶質合金材料は、溶接すると、溶接部が
結晶化するのみならず、その熱影響部まで結晶化してし
まうために、一般的な金属材料のように溶接ができなか
った。また、高温での原子拡散を利用する固相拡散接合
法でも、原子拡散が活発に生じる高温まで加熱すると結
晶化してしまい、非晶質相を保持したままでの接合はで
きなかった。
【0004】約15年ほど前に超音波接合により非晶質薄
帯の固相接合が試みられているが、非晶質合金材料は高
強度であるために、接合が不十分であり、また、結晶化
してしまうという問題があった。これ以外に、非晶質合
金材料の接合に成功したという学術雑誌や学会での報告
はない。
【0005】一方、非晶質合金材料粉末を、加圧した状
態で、パルス電流を流すことによって、非晶質状態を保
ったままで、粉末同士が接合して高密度に固化する方法
が学会などで報告されている。このパルス電流を流す焼
結法は、放電プラズマ焼結法とかパルス通電焼結法と呼
ばれており、装置も市販されている。しかしながら、非
晶質合金材料粉末のパルス通電焼結では、粉末同士の接
合が不十分であったり、密度が低かったり、また、結晶
化が生じてしまうという問題があった。
【0006】また、特開平8-192278では、加圧下で交流
電流を流すことにより非晶質合金材料薄帯を接合する方
法が報告されている。これらのパルスや交流電流を用い
る方法は、温度が結晶化温度以下に抑さえられており、
結晶化温度以下までの加熱、さらに急激な加熱による表
面酸化皮膜の破壊による活性面の出現によって、非晶質
合金材料同士を接合する方法である。
【0007】しかし、これらの方法では、粉末あるいは
薄帯の酸化皮膜が接合界面に残留してしまうと言う問題
がある。さらに、接合時の温度が結晶化温度以下という
融点の約半分の低い温度であるため、強固な接合を得る
ための原子の拡散が不十分である。これらが原因で、パ
ルスや交流電流を用いた方法では強固な接合は得られな
い。
【0008】このように、非晶質合金材料同士や非晶質
合金材料と他の結晶材料との接合ができなかったため
に、非晶質合金材料の応用範囲がかなり制約されてお
り、非晶質合金材料の接合手法の開発が切望されてい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した非晶
質合金材料の大きい非晶質形成能と熱的に安定な過冷却
液体状態を利用して、非晶質合金材料同士または非晶質
合金材料と結晶質合金材料とを強固に接合できる非晶質
合金材料の接合方法とこの方法によって接合された接合
部材を提供することを目的としている。
【0010】すなわち、本発明は、非晶質合金材料材料
同士、または非晶質合金材料材料と結晶材料を加圧しな
がら付き合わせ、その材料間にパルス電流を流すことに
より、非晶質合金材料の接合部の一部あるいは全てが溶
融状態まで急速加熱されると共に接合部の流動変形を伴
って接合されることを特徴とする非晶質合金材料同士、
または、非晶質合金材料と結晶材料の接合方法である。
【0011】また、本発明は、パルス電流のピーク値が
0.15kA/mm2 以上であり、パルス電流の立ち上がりから
ピークの半減までの時間が0.1 秒以下であることを特徴
とする上記の接合方法である。また、本発明は、加圧力
が5MPa以上であることを特徴とする上記の接合方法であ
る。
【0012】また、本発明は、加熱速度0.67K/s の場合
に、ガラス遷移を示し、ガラス遷移温度と結晶化温度の
差が30K 以上である非晶質合金材料を接合することを特
徴とする上記の接合方法である。
【0013】さらに、本発明は、上記の接合方法によっ
て接合された非晶質合金材料同士または非晶質合金材料
と結晶材料とからなる接合部材である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、ガラス遷移を示すと共
に、高い非晶質形成能を持つ非晶質合金材料の接合に関
するもので、加圧した状態で接合材料間に極めて短時間
にパルス状の大電流を流し、接合界面を融点以上の温度
まで急速上昇させると共に、母材への熱伝導や外気への
放熱により溶融および熱影響部を急冷すること、さら
に、溶接時に加圧することにより図2に示すように、長
さXの張り出し部Cを形成すること、また、接合部のみ
を加熱すること、を特徴としており、結晶化を避けて非
晶質状態を保持した状態で、非晶質合金材料同士あるい
は非晶質合金材料と結晶質合金材料の溶接を可能にする
方法である。
【0015】図1は、パルス通電による接合装置の構成
を概念的に示すものであり、電極1および電極2に接合
材料Aと接合材料Bを取り付け、コンデンサ3に接続し
た変圧器4に電極1と電極2を接続する。まず、電圧調
整によりコンデンサー3に所定の電気を貯め、電極Bを
軸方向に油圧プレス7で押圧することによる接合材料間
に加わる圧力が所定の圧力に達した瞬間に、コンデンサ
ーに蓄えられた電気を一気に放電させる。トロイダルコ
ア5は溶接電流を検出するものであり、このトロイダル
コア5で関知した電流を電流記録計6で記録する。これ
によって、接合材AB間に流れた電流波形、電流の最大
値、電流が流れた時間を計測できる。
【0016】本発明の方法では、接合部のみを融点以上
の温度まで加熱して、結晶化を避けて非晶質状態を保持
した状態で、短時間で強固に溶接する必要があり、その
ためには、(1)接合部のみの溶融化、(2)接合材料
間の接合溶融面の密着、(3)接合界面の酸化皮膜の除
去、(4)溶接部の非晶質保持、(5)熱影響部の非晶
質保持、を実現する必要がある。
【0017】これを解決する手段として、通常の熱分析
で行われている0.67K/S の加熱速度で熱分析した場合、
結晶化温度とガラス遷移温度の差が30K 以上である非晶
質合金材料を相手材料と接合する。
【0018】また、接合条件として、パルス電流の時間
とピーク電流密度を制御して、パルス電流のピーク値を
0.15kA/mm2 以上0.3kA/mm2 以下、パルス電流の立ち上
がりからピーク電流の半分に減少するまでの時間(半減
時間)を0.1 秒以下にし、溶接時の材料間に加える加圧
力を5MPa以上500MPa以下としている。電流値が低すぎる
と、接合面全体に亘って溶融しない。高すぎると、接合
面の温度が高くなりすぎ、また、溶融部の体積が大きく
なり、さらに、熱影響部の温度も高くなり、結晶化の危
険性が大きくなる。半減時間が長すぎると、結晶化す
る。
【0019】加圧力は、小さすぎると、張り出し形成が
少なくなり、結晶化し易くなる。高すぎると、母材の熱
影響部まで変形してしまう。張り出し部Cの長さXは
0.2mm以上が望ましい。張り出し部Cの長さXが
0.2mm未満では、酸化物の排出が不十分であるため
に、接合界面に酸化物が残留してしまい、高い接合強度
が得られない。また、接合部における高温体積の残留が
多くなって接合部の冷却が遅くなり、その結果、接合部
が結晶化しやすくなる。
【0020】
【作用】この方法では下記の作用により、非晶質を保持
した状態で強固な接合が得られる。 (1)放電初期に発生するプラズマによる接合面の清浄
作用、(2)溶接界面が融点以上の温度まで加熱される
ことによる溶融状態での接合、(3)ガラス遷移温度以
上に加熱された溶接部の一部が加圧力で流動変形を起こ
して張り出し部を形成することによる接合面の密着およ
び表面酸化皮膜の破壊・分散・排出、により強固な接合
が得られる。
【0021】また、非晶質性の保持に関しては、(1)
接合材料間に流れる電流の短時間での急上昇によって、
結晶化の時間- 温度- 遷移曲線(TTT 曲線)を横切らな
いように溶接部が融点以上まで加熱されること、(2)
接合材料間に流れる電流の急減により、溶接部の熱が母
材への熱伝達と外気への放熱により効果的に急冷される
こと、(3)溶接時の加圧により溶接部に張り出しが形
成され、それに伴い高温溶接部の体積が減少することに
よって、溶接部が効果的に急冷されること、により結晶
化せずに非晶質性を保って強固に溶接することができ
る。
【0022】
【実施例】実施例1 (1)0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶
化温度の差が約82K であるZr55Al10Ni5Cu30 非晶質合金
材料の板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm に加工して接合試
験片を作製した。この試験片を、図1に示すように、電
極に取り付け、50MPa の荷重を付加した状態で、最大パ
ルス電流2kA、パルス電流半減時間0.02秒のパルス電流
を流して、非晶質合金材料を接合した。
【0023】図2に示すように、接合部材の接合部には
長さXの張り出しCが形成されていた。接合試験片の引
張試験を行った結果、引張強度が1500MPa であり、Zr55
Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料自身の引張強度が得られ、
強固に接合していることが明らかになった。
【0024】また、図3に示すように、接合試験片の接
合部の断面には欠陥が観察されず、接合面全体に亘って
強固に接合していることが分かった。また、この断面の
マイクロエリアX線回折実験の結果、図4に示すよう
に、回折図形には、結晶相に対応する回折ピークは見ら
れず、非晶質合金に特有のハロー図形のみが見られ、非
晶質相を保持して接合していることが明らかになった。
【0025】実施例2 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約82K であるZr55Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料の
板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm に加工して接合試験片を
作製した。この試験片を実施例1と同様に、電極に取り
付け、50MPa の荷重を付加した状態で、最大パルス電流
40kA、パルス電流の半減時間0.04秒のパルス電流を流し
て、非晶質合金材料を接合した。
【0026】接合試験片の接合部の断面には欠陥が観察
されず、接合面全体に亘って強固に接合していることが
分かった。また、この断面のマイクロエリアX線回折実
験の結果、回折図形には、結晶相に対応する回折ピーク
が観察され、結晶化していることが明らかになった。
【0027】実施例3 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約82K であるZr55Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料の
板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm に加工して接合試験片を
作製した。この試験片を、電極に取り付け、50MPa の荷
重を付加した状態で、最大パルス電流2kA、パルス電流
の半減時間0.2 秒のパルス電流を流して、非晶質合金材
料を接合した。
【0028】接合試験片の接合部の断面には欠陥が観察
されず、接合面全体に亘って強固に接合していることが
分かった。また、この断面のマイクロエリアX線回折実
験の結果、回折図形には、結晶相に対応する回折ピーク
が観察され、一部結晶化していることが明らかになっ
た。
【0029】実施例4 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約73K であるPd40Ni40P20 非晶質合金材料の丸棒
材を加工して直径4mm の接合試験片を作製した。この試
験片を、電極に取り付け、30MPa の荷重を付加した状態
で、最大パルス電流2kA、パルス電流の半減時間0.02秒
のパルス電流を流して、非晶質合金材料を接合した。
【0030】接合試験片の引張試験を行った結果、引張
強度が1600MPa であり、Pd40Ni40P20 非晶質合金材料自
身の引張強度が得られ、強固に接合していることが明ら
かになった。また、接合試験片の接合部の断面には、欠
陥が観察されず、接合面全体に亘って強固に接合してい
ることが分かった。
【0031】また、この断面のマイクロエリアX線回折
を行った結果、その回折図形には結晶相に対応する回折
ピークは見られず、非晶質合金に特有のハロー図形のみ
が見られ、非晶質相を保持して接合していることが明ら
かになった。
【0032】実施例5 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約85K であるPd40Cu30Ni10P20 非晶質合金材料の
丸棒材を加工して直径4mm の接合試験片を作製した。こ
の試験片を、電極に取り付け、30MPa の荷重を付加した
状態で、最大パルス電流2kA、パルス電流の半減時間0.0
2秒のパルス電流を流して、非晶質合金材料を接合し
た。
【0033】接合試験片の引張試験を行った結果、引張
強度が1600MPa であり、Pd40Cu30Ni10P20 非晶質合金材
料自身の引張強度が得られ、強固に接合していることが
明らかになった。また、接合試験片の接合部の断面に
は、欠陥が観察されず、接合面全体に亘って強固に接合
していることが分かった。
【0034】また、この断面のマイクロエリアX線回折
を行った結果、その回折図形には結晶相に対応する回折
ピークは見られず、非晶質合金に特有のハロー図形のみ
が見られ、非晶質相を保持して接合していることが明ら
かになった。
【0035】実施例6 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約120KであるZr47Ti8Cu7.5Ni10Be27.5非晶質合金
材料の板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm に加工して接合試
験片を作製した。この試験片を、電極に取り付け、70MP
a の荷重を付加した状態で、最大パルス電流2kA、パル
ス電流の半減時間0.02秒のパルス電流を流して、非晶質
合金材料を接合した。
【0036】接合試験片の引張試験を行った結果、引張
強度が1900MPa であり、Zr47Ti8Cu7.5Ni10Be27.5非晶質
合金材料自身の引張強度が得られ、強固に接合している
ことが明らかになった。また、接合試験片の接合部の断
面には、欠陥が観察されず、接合面全体に亘って強固に
接合していることが分かった。
【0037】また、この断面のマイクロエリアX線回折
を行った結果、その回折図形には結晶相に対応する回折
ピークは見られず、非晶質合金に特有のハロー図形のみ
が見られ、非晶質相を保持して接合していることが明ら
かになった。
【0038】実施例7 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約82K であるZr55Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料と
通常のアルミニウム材の板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm
に加工して接合試験片を作製した。この試験片を、電極
に取り付け、30MPa の荷重を付加した状態で、最大パル
ス電流2kA、パルス電流の半減時間0.02秒のパルス電流
を流して、非晶質合金材料を接合した。
【0039】接合試験片の引張試験を行った結果、引張
強度が400MPaであり、アルミニウム材自身の引張強度が
得られ、強固に接合していることが明らかになった。ま
た、接合試験片の接合部の断面には、欠陥が観察され
ず、接合面全体に亘って強固に接合していることが分か
った。
【0040】また、この断面のマイクロエリアX線回折
実験の結果、非晶質合金材料の部分の回折図形には、結
晶相に対応する回折ピークは見られず、非晶質合金に特
有のハロー図形のみが見られ、非晶質相を保持して接合
していることが明らかになった。
【0041】実施例8 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約120KであるZr47Ti8Cu7.5Ni10Be27.5非晶質合金
材料と通常の軟鋼材の板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm に
加工して接合試験片を作製した。この試験片を、電極に
取り付け、100MPaの荷重を付加した状態で、最大パルス
電流2.5kA、パルス電流の半減時間0.03秒のパルス電流
を流して、非晶質合金材料を接合した。
【0042】接合試験片の引張試験を行った結果、引張
強度が800MPaであり、軟鋼材自身の引張強度が得られ、
強固に接合していることが明らかになった。また、接合
試験片の接合部の断面には、欠陥が観察されず、接合面
全体に亘って強固に接合していることが分かった。ま
た、この断面のマイクロエリアX線回折実験の結果、非
晶質合金材料の部分の回折図形には、結晶相に対応する
回折ピークは見られず、非晶質合金に特有のハロー図形
のみが見られ、非晶質相を保持して接合していることが
明らかになった。
【0043】比較例1 0.67K/s という加熱速度でガラス遷移温度と結晶化温度
の差が約82K であるZr55Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料の
板を、13mm×4.5mm で厚さ2mm に加工して接合試験片を
作製した。この試験片を、電極に取り付け、50MPa の荷
重を付加した状態で、最大パルス電流1kA 、パルス電流
の半減時間0.02秒のパルス電流を流して、非晶質合金材
料を接合した。しかし、電流が小さく溶融状態まで急速
加熱されなかったために、接合試験片の接合部の断面を
観察した結果、図5に示すように、元の接合界面が観察
され、一部接合はしているが、接合面の殆どは接合して
いないことが分かった。
【0044】
【発明の効果】本発明の非晶質を保持した状態で充分な
強度が得られる非晶質合金材料の接合方法により非晶質
合金材料の接合が容易になり非晶質合金材料の応用範囲
を拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のパルス通電による接合装置の概念図
である。
【図2】実施例1で溶接した非晶質合金接合部材(Zr55
Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料/Zr55Al10Ni5Cu30 非晶質
合金材料)の形状を示す側面図である。
【図3】実施例1で溶接した非晶質合金接合部材の接合
部断面の図面代用光学顕微鏡写真である。
【図4】実施例1で溶接した非晶質合金接合部材の接合
部断面のマイクロエリアX線回折図形である。
【図5】比較例1で溶接した非晶質合金接合部材(Zr55
Al10Ni5Cu30 非晶質合金材料/Zr55Al10Ni5Cu30 非晶質
合金材料)の接合部断面の図面代用光学顕微鏡写真であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質合金材料同士、または非晶質合金
    材料と結晶材料を加圧しながら付き合わせ、その材料間
    にパルス電流を流すことにより、非晶質合金材料の接合
    部の一部あるいは全てが溶融状態まで急速加熱されると
    共に接合部の流動変形を伴って接合されることを特徴と
    する非晶質合金材料同士、または、非晶質合金材料と結
    晶材料の接合方法。
  2. 【請求項2】 パルス電流のピーク値が0.15kA/mm2
    上であり、パルス電流の立ち上がりからピークの半減ま
    での時間が0.1 秒以下であることを特徴とする請求項1
    記載の接合方法。
  3. 【請求項3】 加圧力が5MPa以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の接合方法。
  4. 【請求項4】 加熱速度0.67K/s の場合に、ガラス遷移
    を示し、ガラス遷移温度と結晶化温度の差が30K 以上で
    ある非晶質合金材料を接合することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の接合
    方法によって接合された非晶質合金材料同士または非晶
    質合金材料と結晶材料とからなる接合部材。
JP2001081754A 2001-03-21 2001-03-21 非晶質合金材料のパルス通電接合方法 Expired - Fee Related JP3857535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001081754A JP3857535B2 (ja) 2001-03-21 2001-03-21 非晶質合金材料のパルス通電接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001081754A JP3857535B2 (ja) 2001-03-21 2001-03-21 非晶質合金材料のパルス通電接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002283060A true JP2002283060A (ja) 2002-10-02
JP3857535B2 JP3857535B2 (ja) 2006-12-13

Family

ID=18937795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001081754A Expired - Fee Related JP3857535B2 (ja) 2001-03-21 2001-03-21 非晶質合金材料のパルス通電接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3857535B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100608534B1 (ko) 2005-06-29 2006-08-03 신형섭 벌크 비정질 금속재의 마찰 용접 방법 및 장치
JP2009078292A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Kumamoto Univ 金属ガラスと結晶金属との接合法
JP2010188373A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Olympus Corp 金属部材の接合方法及び複合部材
WO2010110405A1 (ja) * 2009-03-25 2010-09-30 国立大学法人 熊本大学 溶接方法の設計方法、溶接方法及び溶接接合体
JP2012179649A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Takako:Kk 摺動部材の製造方法
CN105344972A (zh) * 2015-12-01 2016-02-24 华中科技大学 一种非晶合金零件的快速成形方法
CN112590196A (zh) * 2020-12-11 2021-04-02 中国空间技术研究院 基于脉冲电流的3d打印方法及装置
CN113732478A (zh) * 2021-08-04 2021-12-03 广东工业大学 一种用于大尺寸非晶合金的电焊接成型方法和块体非晶合金

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104439677A (zh) * 2014-11-19 2015-03-25 东莞宜安科技股份有限公司 非晶合金构件与非金属构件结合的方法及制品

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100608534B1 (ko) 2005-06-29 2006-08-03 신형섭 벌크 비정질 금속재의 마찰 용접 방법 및 장치
JP2009078292A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Kumamoto Univ 金属ガラスと結晶金属との接合法
JP2010188373A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Olympus Corp 金属部材の接合方法及び複合部材
WO2010110405A1 (ja) * 2009-03-25 2010-09-30 国立大学法人 熊本大学 溶接方法の設計方法、溶接方法及び溶接接合体
CN102369078A (zh) * 2009-03-25 2012-03-07 国立大学法人熊本大学 焊接方法的设计方法、焊接方法以及焊接接合体
US8944307B2 (en) 2009-03-25 2015-02-03 National University Corporation Kumamoto University Method of welding method, welding method and welded joint body
JP2012179649A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Takako:Kk 摺動部材の製造方法
CN103402690A (zh) * 2011-03-02 2013-11-20 株式会社拓科浩 滑动构件的制造方法
CN105344972A (zh) * 2015-12-01 2016-02-24 华中科技大学 一种非晶合金零件的快速成形方法
CN112590196A (zh) * 2020-12-11 2021-04-02 中国空间技术研究院 基于脉冲电流的3d打印方法及装置
CN113732478A (zh) * 2021-08-04 2021-12-03 广东工业大学 一种用于大尺寸非晶合金的电焊接成型方法和块体非晶合金

Also Published As

Publication number Publication date
JP3857535B2 (ja) 2006-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5368661A (en) Method for joining parts of Ni-Ti alloys with different metals
US10065262B2 (en) Welding method and welding device
CN102369078B (zh) 焊接方法的设计方法、焊接方法以及焊接接合体
CN100408243C (zh) 铝合金及其复合材料非真空半固态振动流变连接方法
JP3857535B2 (ja) 非晶質合金材料のパルス通電接合方法
CN107931840A (zh) 一种钛镍异质接头激光诱导偏晶及匀晶反应焊接方法
JPH0481288A (ja) 鋼系材料とアルミニウム系材料との接合方法
Shi et al. Laser micro-welding technology for Cu–Al dissimilar metals and mechanisms of weld defect formation
US20080041922A1 (en) Hybrid Resistance/Ultrasonic Welding System and Method
Fujiwara et al. Weldability of Zr50Cu30Al10Ni10 bulk glassy alloy by small-scale resistance spot welding
JP4133094B2 (ja) 高密度エネルギービーム熱源を利用した金属材料の接合方法
JPH07164157A (ja) 固体銅部片の溶接方法
JPH0811302B2 (ja) 異種金属の接合方法
JP5382759B2 (ja) 金属ガラスと結晶金属との接合法
JPS60170907A (ja) 巻磁心及びその製造方法
JP7433663B2 (ja) 異材固相接合方法、異材固相接合構造物及び異材固相接合装置
JP3588137B2 (ja) 金属材料の表面被覆方法
JP2531052B2 (ja) 異種金属の抵抗溶接方法
Casalino et al. Microstructural analysis of AISI 304 bars welded with high speed pulsed discharges
US7150799B2 (en) Weld nugget inoculation
KR20170141031A (ko) 접종 에이전트들을 가진 금속 시트들 스폿 용접
JP5491560B2 (ja) 抵抗溶接方法と溶接装置
JP4021015B2 (ja) 温度ヒュ−ズにおける可溶合金エレメントとリ−ド線との接合方法
KR20180056029A (ko) 접종제를 이용한 금속 시트 스폿 용접
JPH05185245A (ja) 低電気抵抗性金属部材の抵抗溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees