JP2002283002A - 鋳型の造型方法 - Google Patents

鋳型の造型方法

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JP2002283002A JP2001089585A JP2001089585A JP2002283002A JP 2002283002 A JP2002283002 A JP 2002283002A JP 2001089585 A JP2001089585 A JP 2001089585A JP 2001089585 A JP2001089585 A JP 2001089585A JP 2002283002 A JP2002283002 A JP 2002283002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な3次元形状を有する鋳型を容易に効率
的に造型できる鋳型の造型方法を提供する。 【解決手段】 鋳型の造型方法を、下型の型砂の上面に
鋳物の下面形成部を造型し、下面形成部上に鋳物を形作
る肉泥を形成し、下型および肉泥の上に上型の型砂を盛
りつけて鋳物の上面形成部を上型に造型し、しかる後に
肉泥を取除く鋳型の造型方法において、鋳物の断面木型
の下縁を所定の位置において所定の高さ位置に垂下し固
定する垂直位置固定装置によって固定し、複数の前記断
面木型の下縁に合わせて下型の型砂の上面に鋳物の下面
形成部を造型するように構成し、鋳型の造型作業が容
易、効率的、高精度になるほか、多様な形状に対応した
鋳型の造型を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舶用プロペラ翼等
の複雑な3次元形状を有する鋳型の造型方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の舶用プロペラのプロペラ翼の鋳造
用鋳型の造型方法を図2から図5に基づき説明する。図
2(a)は舶用のプロペラとそのプロペラ翼の断面を模
式的に示す説明図であり、同図(b)は(a)中に断面
で示されたプロペラ翼の鋳型の説明図である。また、図
3は、プロペラ翼の鋳型の従来の造型方法の説明図であ
り、下型の造型工程を示し、図4は同じく上型の造型工
程を示す説明図である。図5は、下型造型時の断面説明
図である。
【0003】舶用のプロペラ1は、図2(a)に示すよ
うにボス部2の周囲に一体的に複数のプロペラ翼3が鋳
造で形成されている。プロペラ翼3は鋳造後、機械加工
等により整形されて(以下、同整形代は省略して鋳型の
造型につき説明する)、船舶に装備されるが、図1
(a)中、矢印Aの方向に回転することによって、船体
4が図1(a)中、矢印Bの方向に推進される。
【0004】そのためには、プロペラ翼3は回転によっ
て、回転方向Aを向いた前進面3bから、回転方向Aの
逆を向いた後進面3aへの推力を受けるための翼断面形
状とピッチ、捩じり等を備えた3次元の複雑な形状を有
している。
【0005】上記のような、プロペラ1を鋳造する場
合、鋳物である各プロペラ翼3は、図2(b)に同図
(a)中のプロペラ翼3断面の位置の断面で示すような
鋳型10によって鋳造される。
【0006】そして、プロペラ翼3の鋳型10をプロペ
ラ1の完成時の配置に合わせ放射状に複数設け、その中
央に図示しないボス部2の鋳型を設け、ボス部2の鋳型
の下側からプロペラ1の溶湯を流し込み、ボス部2の鋳
型とプロペラ翼3の鋳型10とに同時に注湯して一体の
プロペラ1を鋳造するのが一般的である。
【0007】各プロペラ翼3の鋳型10は、図2(b)
に示すように、プロペラ翼3の前進面3bを形成する前
進面形成部13bを造型した下型上面12aを備える下
型12と、プロペラ翼3の後進面3aを形成する後進面
形成部13aを造型した上型11とからなり、前進面形
成部13bと後進面形成部13aとの間にプロペラ翼3
の断面をなす空洞部13が形成されるようになってい
る。
【0008】空洞部13は、下型上面12aの型砂に後
進面形成部13aが造型された後、後進面形成部13a
上に、プロペラ翼3の断面をなすように肉泥19が盛り
つけられ、肉泥19の上面をプロペラ翼3の後進面3a
に合わせて整形した後、上型11の型砂が盛りつけら
れ、上型11と下型12の型砂が共に乾燥固化した後、
上型11と下型12を一旦開き、肉泥19を取り除いて
形成される。 空洞部13には、上述のように溶湯が注
湯されて、ボス部2と一体のプロペラ翼3が形成され
る。
【0009】従来は一般に、プロペラ翼3はピッチ、捩
じり等を有していても、回転中心か各半径位置での各展
開断面において前進面3bは略直線であり、よって鋳型
10の下型12の前進面形成部13bも略直線なので、
下型12は下記のような方法で造型されていた。
【0010】すなわち、図3に示されるように、ボス部
2の中心位置に合わせて設けられた垂直支柱14の周り
に各鋳型10の下型12の下型素材12’が設置され
る。
【0011】垂直支柱14には上下摺動可能、回動可能
なようにブラケット15が設けられ、ブラケット15に
は垂直支柱14に直角な下縁を有し横方向に延びるひき
板16が取り付けられており、ひき板16の先端側の下
縁は下型12の外周側に設置された度板17の上縁に当
接して摺動するように配設される。
【0012】ひき板16を図3中矢印Cのように回動す
ると、度板17に従い矢印Dのように上下摺動しつつ、
ひき板16が下型素材12’の型砂を掻き均して、下型
12の下型上面12aにプロペラ翼3の前進面3bに合
わせた前進面形成部13bが造型される。
【0013】なお、度板17の上縁傾きは、ボス部2中
心回りのプロペラ翼3の各半径位置に従う前進面3bの
ボス部2中心軸方向の傾きに合わせてあり、各半径位置
で順次対応する度板17に交換され、望む前進面形成部
13bが造型される。
【0014】しかる後、図4に示されるように、下型1
2の前進面形成部13b上に、ボス部2中心からの半径
位置毎のプロペラ翼断面をあらわす翼断面木型18を置
き、適宜なピン等で仮固定される。
【0015】図5(a)に示すように、ひき板16によ
り造型された前進面形成部13bは翼断面木型18の下
縁18bと略一致するが、翼断面木型前端18c近傍は
曲線で持ち上がることが多く、その場合、下型上面12
a上に同じ型砂で下型盛上げ部12bを形成して前進面
形成部13bを補正造型する。
【0016】以上のように鋳物の下面形成部となる前進
面形成部13bが完成し下型の造型が行なわれると、次
に前進面形成部13b上に、下型12の型砂と材質の異
なる肉泥19を盛りつけ、その上面を各翼断面木型18
の上縁18aに合わせるように整形する。
【0017】肉泥19は、プロペラ翼3を形作る翼部の
型となり、また、プロペラ翼3が鋳込まれる空洞部13
を形成するものであり、整形された肉泥19の上面は、
上型11に後進面形成部13aを造型する型となる。
【0018】しかる後、肉泥19の周囲の下型上面12
aに剥離処理を施して、肉泥19および下型12の上に
型砂を盛りつけることによって鋳物の上面形成部となる
上型11の後進面形成部13aが造型される。上型11
の型砂は肉泥19と異なる材質であるが、下型12と同
じ材質でもよい。
【0019】上型11と下型12がともに乾燥固化した
ら、上型11と下型12を一旦図4中矢印Eのように離
し、肉泥19と翼断面木型18を取り除き再び上型11
と下型12を合わせて、プロペラ翼3が鋳込まれる空洞
部13を有する鋳型10の造型が完成する。
【0020】したがって肉泥19は、剥離除去し易い材
質が選ばれる。また、翼断面木型18は上型11を盛り
つける前に除去する場合もある。
【0021】ちなみに、プロペラ翼3の複数の鋳型10
は同じ垂直支柱14、ひき板16、度板17等を用いて
ボス部2中心周りに順次造型され、それらの中央にボス
部2の鋳型が接続するように造型されて、プロペラ1全
体の鋳型が完成し、その後上述のように一体のプロペラ
1が鋳造される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来のプロペラ翼の鋳
型の造型は上述のように行なわれていたが、近年プロペ
ラ翼の形状は、3次元的な複雑さを増してきており、そ
の鋳型もその多様な形態に合わせて造型する必要が生
じ、上述のような従来の造型方法では造型が困難となっ
たり、また段取り、補正造型等の作業の工数、コストが
増大することとなってきた。
【0023】例えば、プロペラ翼3断面において、従来
のように前進面3bが略直線をなすものに限らず、図5
(b)に示すように前進面3bが曲線をなし、下型上面
12aに対して翼断面木型下縁18b合わせ全長にわた
る下型削取り部12cを削って前進面形成部13bを補
正造型する必要があるものがあり、最早ひき板16によ
る前進面形成部13bの造型が適合しないものがある。
【0024】また度板17を多種用いなければならない
場合もあり、かかる多様な工程を経ることにより複数の
プロペラ翼3の鋳型10の造型に差異を生ずるおそれも
生じた。
【0025】したがって、舶用プロペラの鋳造において
は多様なプロペラ翼形状に容易に対応できる鋳型の造型
方法が求められており、本発明はかかる要請を踏まえ、
複雑な3次元形状を有する鋳造品の鋳造のための容易か
つ効率的な鋳型の造型方法を提供することを課題とする
ものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、上記の
課題を解決するためになされたものであって、その第1
の手段として、下型の型砂の上面に鋳物の下面形成部を
造型し、同下面形成部上に同鋳物を形作る肉泥を形成
し、同下型および肉泥の上に上型の型砂を盛りつけて前
記鋳物の上面形成部を上型に造型し、しかる後に上記肉
泥を取除く鋳型の造型方法において、前記鋳物の断面木
型の下縁を所定の位置において所定の高さ位置に垂下し
固定する垂直位置固定装置によって固定し、複数の前記
断面木型の下縁に合わせて前記下型の型砂の上面に鋳物
の前記下面形成部を造型することを特徴とする鋳型の造
型方法を提供する。
【0027】上記のように構成されることにより、第1
の手段の鋳型の造型方法によれば、従来方法のように各
半径位置に応じて度板を交換しつつ度板に沿わせてひき
板を回動させて型砂を掻き均し、さらに、断面木型の下
縁の形状に沿って下型盛上げ部や下型削取り部を設ける
補正造型作業等を行なうことが不要となり、鋳型の造型
作業が容易かつ効率的になるほか、断面木型の下縁の位
置を自由に設定できるので、多様な形状に対応した下型
の造型が可能である。
【0028】また鋳型を複数造型する場合には垂直位置
固定装置で設定される断面木型の位置に基づき容易に全
て均一に造型することができ、従来例のような、度板の
設置、交換、ひき板の回動、下型盛上げ部や下型削取り
部の補正造型作業等の複数の作業工程に起因する鋳型の
造型のバラツキを回避することができ、鋳造の効率化、
のみならず精度向上が図られる。 (2)第2の手段としては、第1の手段において、前記
鋳物が舶用プロペラのプロペラ翼であって、前記鋳型が
同プロペラ翼の鋳型であり、前記下面形成部は同プロペ
ラ翼の前進面形成部であり、前記上面形成部は同プロペ
ラ翼の後進面形成部であり、前記断面木型は前記プロペ
ラ翼の翼断面木型であることを特徴とする鋳型の造型方
法を提供する。
【0029】第2の手段によれば、第1の手段の作用が
プロペラ翼の鋳型の造型において有効に奏することにな
り、従来方法では鋳型の造型の困難と効率の低下をもた
らした多様な複雑なプロペラ翼面形状に容易に対応で
き、また均一な複数のプロペラ翼をボス部の周囲に一体
に鋳造することができる。
【0030】(3)また、第3の手段として、第2の手
段の鋳型の造型方法において、前記翼断面木型は前記プ
ロペラ翼の後進面を表す上縁を備え、同上縁に合わせて
前記肉泥の上面を形成することにより、前記上型の後進
面形成部を造型することを特徴とする鋳型の造型方法を
提供する。
【0031】第3の手段によれば、第2の手段の作用に
加え、プロペラ翼を形作る肉泥の形成が精度良くかつ容
易となり、プロペラ翼の後進面を形成する上型の後進面
形成部が多様な複雑な形状であっても容易に対応でき
る。
【0032】(4)第4の手段として、第1の手段ない
し第3の手段のいずれかの鋳型の造型方法において、前
記断面木型を前記垂直位置固定装置の垂下されたシリン
ダのシリンダロッドに固定することを特徴とする鋳型の
造型方法。
【0033】第4の手段によれば、第1の手段ないし第
3の手段のいずれかの作用に加え、断面木型の高さ位置
の設定が容易となり、多様な鋳物形状に対し一つの垂直
位置固定装置で鋳型の造型を行なえる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1に基づき、本発明の実施の一
形態にかかる鋳型の造型方法を説明する。図1は、本実
施の形態の鋳型の造型方法による、プロペラ翼の下型お
よび上型の造型工程の説明図である。
【0035】図1に示すように、従来例の図3に示す垂
直支柱14と同様に、図示しないボス部の中心位置に合
わせて垂直支柱20が立設され、垂直支柱20の周りに
各鋳型10の下型12の下型素材12’が設置される。
【0036】垂直支柱20には上下位置、回動位置を任
意に設定して固定できるようにブラケット21が設けら
れ、ブラケット21には垂直支柱20に直角に横方向
(ボス部中心から半径方向)に延びるアーム22が取り
付けられており、アーム22には直角(ボス部周りの接
線方向)に横桁23が設けられている。
【0037】各横桁23にはアーム22の左右両側にシ
リンダ24が垂直下方に向けて垂下して取り付けられ、
各シリンダ24の下方に延びるシリンダロッド24aの
下端は、その横桁23のボス部中心からの半径位置にお
けるプロペラ翼3の断面をあらわす翼断面木型18が取
り付けられている。
【0038】各横桁23の2つのシリンダ24はそれぞ
れ、下端に取り付けられた翼断面木型18の下縁18b
が、鋳造されるプロペラ翼3のその半径位置での前進面
3bの傾き(ピッチ)と高さ(レーキ)に合うように設
定されている。
【0039】横桁23とシリンダ24と翼断面木型18
の組み合わせは、図1において2組が図示されている
が、実際には鋳造されるプロペラ翼3の3次元的形状を
特定するために必要な複数組が設けられ、垂直支柱20
からシリンダ24のシリンダロッド24aまでが翼断面
木型18の垂直位置固定装置30を形成し、翼断面木型
18はシリンダ24の操作によってその傾きと高さ位置
を自由に調整、設定できる。
【0040】複数の翼断面木型18の傾きと高さ位置
は、それぞれプロペラ設計データから各横桁23のシリ
ンダ24の半径位置に基づき容易に算出することがで
き、かかる数値データに基づき設定されたものである。
【0041】以上のような本実施の形態においては、ま
ず、所定の半径方向位置でプロペラ設計データから高さ
位置が設定された各翼断面木型18の下縁18bの形状
に沿って、且つ複数の翼断面木型18の下縁18bの形
状が連続するように下型12の下型上面12aの型砂を
掻き均し、プロペラ翼3の下面形成部である所定の前進
面形成部13bを造型し下型12の造型を完成する。
【0042】したがって、前進面形成部13bの造型に
おいて、前述の従来例のように度板17に沿わせてひき
板16を回動させて型砂を掻き均し、回動位置に応じて
度板17を交換する必要はなく、ひき板16による下型
上面12aの造型に加え、さらに翼断面木型18の下縁
18bの形状に沿って下型盛上げ部12bを設けたり、
下型削取り部12cを設けたりする補正造型作業を行な
うことが不要となる。
【0043】また、プロペラ設計の数値データから各翼
断面木型18の下縁18bの位置を自由に設定できるの
で、プロペラ翼3の多様な形状に対応した下型12の造
型が可能となる。
【0044】その後、造型された下型12の前進面形成
部13bの上に、下型12の型砂と材質の異なる剥離性
の良い肉泥19を盛りつけ、その上面を各翼断面木型1
8の上縁18aに合わせるように整形する。
【0045】肉泥19は、プロペラ翼3を形作る翼部の
型となり、また、プロペラ翼3が鋳込まれる空洞部13
を形成するものであり、整形された肉泥19の上面は、
上型11にプロペラ翼3の上面形成部である所定の後進
面形成部13aを造型する型となる。
【0046】しかる後、上記の垂直位置固定装置30の
シリンダロッド24aを翼断面木型18から外し、肉泥
19の周囲の下型上面12aに剥離処理を施して、肉泥
19および下型12の上に型砂を盛りつけることによっ
て上型11が造型される。上型11の型砂は肉泥19と
異なる材質であるが、下型12と同じ材質でもよい。
【0047】それ以降の工程は前述の従来例と基本的に
は同じであり、上型11と下型12がともに乾燥固化し
たら、上型11と下型12を一旦離し、肉泥19と翼断
面木型18を取り除き再び上型11と下型12を合わせ
て、プロペラ翼3が鋳込まれる空洞部13を有する鋳型
10の造型が完成する。
【0048】なお、本実施の形態においても翼断面木型
18は、上型11を盛りつける前に除去してもよい。
【0049】そして、複数のプロペラ翼3の鋳型10
は、図1に図示しないボス部2(図2参照)の中心位置
に合わせて立設された垂直支柱20等で構成される垂直
位置固定装置30と翼断面木型18を用いてボス部2の
中心周りに順次造型され、それらの中央にボス部2の鋳
型が接続するように造型されて、プロペラ1全体の鋳型
が完成し、その後一体のプロペラ1が鋳造される。
【0050】したがって、本実施の形態の鋳型の造型方
法によれば、複数のプロペラ翼3の鋳型10は垂直位置
固定装置30で設定される翼断面木型18の位置に基づ
き容易に全て均一に造型することができ、従来方法のよ
うに、度板17の設置、交換、ひき板16の回動、下型
盛上げ部12bや下型削取り部12cの補正造型作業等
の複数の作業工程に起因する鋳型10の造型のバラツキ
が生ずることを回避でき、プロペラ1の鋳造の効率化、
のみならずプロペラ1の精度向上を図ることができる。
【0051】なお、本実施の形態の鋳型の造型方法は特
に下型12の造型方法に特徴があるが、本実施の形態の
鋳型の造型方法の他の応用形態として、翼断面木型18
を図1中に2点鎖線で示すように下縁18bのみを用い
る前進面専用翼断面木型18’として、前進面形成部1
3bの造型のみに実施して、その後の工程は垂直位置固
定装置30を用いず従来の方法によることもできる。し
かし、プロペラ翼3の後進面3aを表す上縁18aを備
えれば、肉泥19の上面の整形を同時に容易に行なえ、
上型の後進面形成部13aが多様な複雑な形状であって
も容易に対応できるようになり、より好ましい。
【0052】また、垂直位置固定装置30のシリンダ2
4およびシリンダロッド24aは、翼断面木型18の傾
きと高さ位置を特定して実施する場合は、そのデータに
基づく固定ロッドに代えてもよく、垂直位置固定装置3
0の構成を簡素化しつつ、本発明の鋳型の造型方法を実
施できる。しかし、シリンダ24およびシリンダロッド
24aによれば、翼断面木型18の高さ位置の設定が容
易となり、一つの垂直位置固定装置30で多様なプロペ
ラ翼3の鋳型10の造型に容易に対応できるものとな
り、より好ましい。
【0053】なお、本発明の鋳型の造型方法は、プロペ
ラ翼3の鋳型に限らず、一般の3次元的な複雑な形状を
有する鋳物を鋳造するための鋳型の造型方法として実施
でき、その効果を同様に奏することができる。
【0054】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範
囲内でその具体的構成、構造に種々の変更を加えてよい
ことは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、鋳型の
造型方法を、下型の型砂の上面に鋳物の下面形成部を造
型し、同下面形成部上に同鋳物を形作る肉泥を形成し、
同下型および肉泥の上に上型の型砂を盛りつけて前記鋳
物の上面形成部を上型に造型し、しかる後に上記肉泥を
取除く鋳型の造型方法において、前記鋳物の断面木型の
下縁を所定の位置において所定の高さ位置に垂下し固定
する垂直位置固定装置によって固定し、複数の前記断面
木型の下縁に合わせて前記下型の型砂の上面に鋳物の前
記下面形成部を造型するように構成したので、鋳型の造
型作業が容易かつ効率的になるほか、断面木型の下縁の
位置を自由に設定でき、多様な形状に対応した下型の造
型が可能となる。
【0056】また鋳型を複数造型する場合には垂直位置
固定装置で設定される断面木型の位置に基づき容易に全
て均一に造型することができ、従来方法のような複数の
作業工程に起因する鋳型の造型のバラツキが生じること
を回避することができ、鋳造の効率化、のみならず精度
向上を図ることができる。
【0057】(2)請求項2の発明によれば、請求項1
に記載の鋳型の造型方法において、前記鋳物が舶用プロ
ペラのプロペラ翼であって、前記鋳型が同プロペラ翼の
鋳型であり、前記下面形成部は同プロペラ翼の前進面形
成部であり、前記上面形成部は同プロペラ翼の後進面形
成部であり、前記断面木型は前記プロペラ翼の翼断面木
型であるように構成したので、請求項1の発明の効果が
プロペラ翼の鋳型の造型において有効に奏することにな
り、従来方法では鋳型の造型の困難と効率の低下をもた
らした多様な複雑なプロペラ翼面形状に容易に対応で
き、また均一な複数のプロペラ翼をボス部の周囲に一体
に鋳造することができるので舶用プロペラの製造の効率
化と精度の向上が図られる。
【0058】(3)請求項3の発明によれば、請求項2
に記載の鋳型の造型方法において、前記翼断面木型は前
記プロペラ翼の後進面を表す上縁を備え、同上縁に合わ
せて前記肉泥の上面を形成することにより、前記上型の
後進面形成部を造型するように構成したので、請求項2
の発明の効果に加え、プロペラ翼の後進面を形成する上
型の後進面形成部が多様な複雑な形状であっても容易に
対応できるようになる。
【0059】(4)請求項4の発明によれば、請求項1
ないし請求項3のいずれかに記載の鋳型の造型方法にお
いて、前記断面木型を前記垂直位置固定装置の垂下され
たシリンダのシリンダロッドに固定するように構成した
ので、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明の効果
に加え、断面木型の高さ位置の設定が容易となり、ま
た、多様な鋳物形状に対し一つの垂直位置固定装置で鋳
型の造型を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる鋳型の造型方法
による、プロペラ翼の下型および上型の造型工程の説明
図である。
【図2】(a)は舶用のプロペラとそのプロペラ翼の断
面を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)中に断
面で示されたプロペラ翼の鋳型の説明図である。
【図3】プロペラ翼の鋳型の従来の造型方法の説明図で
あり、下型の造型工程を示す。
【図4】プロペラ翼の鋳型の従来の造型方法の説明図で
あり、上型の造型工程を示す。
【図5】従来方法の下型造型時の断面説明図である。
【符号の説明】
1 プロペラ 2 ボス部 3 プロペラ翼 4 船体 10 鋳型 11 上型 12 下型 12a 下型上面 12b 下型盛上げ部 12c 下型削取り部 12’ 下型素材 13 空洞部 13a 後進面形成部 13b 前進面形成部 18 翼断面木型 18a 上縁 18b 下縁 18’ 前進面専用翼断面木型 19 肉泥 20 垂直支柱 21 ブラケット 22 アーム 23 横桁 24 シリンダ 24a シリンダロッド 30 垂直位置固定装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下型の型砂の上面に鋳物の下面形成部を
    造型し、同下面形成部上に同鋳物を形作る肉泥を形成
    し、同下型および肉泥の上に上型の型砂を盛りつけて前
    記鋳物の上面形成部を上型に造型し、しかる後に上記肉
    泥を取除く鋳型の造型方法において、前記鋳物の断面木
    型の下縁を所定の位置において所定の高さ位置に垂下し
    固定する垂直位置固定装置によって固定し、複数の前記
    断面木型の下縁に合わせて前記下型の型砂の上面に鋳物
    の前記下面形成部を造型することを特徴とする鋳型の造
    型方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋳型の造型方法におい
    て、前記鋳物が舶用プロペラのプロペラ翼であって、前
    記鋳型が同プロペラ翼の鋳型であり、前記下面形成部は
    同プロペラ翼の前進面形成部であり、前記上面形成部は
    同プロペラ翼の後進面形成部であり、前記断面木型は前
    記プロペラ翼の翼断面木型であることを特徴とする鋳型
    の造型方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の鋳型の造型方法におい
    て、前記翼断面木型は前記プロペラ翼の後進面を表す上
    縁を備え、同上縁に合わせて前記肉泥の上面を形成する
    ことにより、前記上型の後進面形成部を造型することを
    特徴とする鋳型の造型方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の鋳型の造型方法において、前記断面木型を前記垂直
    位置固定装置の垂下されたシリンダのシリンダロッドに
    固定することを特徴とする鋳型の造型方法。
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