JP2002282276A - 医療用器具収納具 - Google Patents

医療用器具収納具

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JP2002282276A
JP2002282276A JP2001092596A JP2001092596A JP2002282276A JP 2002282276 A JP2002282276 A JP 2002282276A JP 2001092596 A JP2001092596 A JP 2001092596A JP 2001092596 A JP2001092596 A JP 2001092596A JP 2002282276 A JP2002282276 A JP 2002282276A
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Japan
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polyester resin
medical device
hydrophilic polyester
storage device
resin
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JP2001092596A
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Yuji Kumai
裕司 熊井
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長尺の医療用器具を収納する筒状の医療用器具
収納具であって、医療用器具を円滑に抜き出すことがで
きる医療用器具収納具を提供する。 【解決手段】医療用器具を収納する筒状の医療用器具収
納具であって、収納具の本体部が親水性ポリエステル樹
脂を配合した熱可塑性樹脂で形成されてなることを特徴
とする医療用器具収納具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用器具収納具
に関する。さらに詳しくは、本発明は、長尺の医療用器
具を収納する筒状の医療用器具収納具であって、医療用
器具を円滑に抜き出すことができる医療用器具収納具に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療技術の進歩とともに、リアル
タイム表示画像下に、カテーテルを介して治療や診断を
行うインターベンショナルラジオロジーが広く行われる
ようになった。インターベンショナルラジオロジーにお
いては、まず穿刺針を通じて体内にガイドワイヤを挿入
し、次いでカテーテルをガイドワイヤに被せるようにし
て目的の患部まで押し進めるが、体内におけるガイドワ
イヤやカテーテルなどの医療用器具の滑り性を改良する
ために、医療用器具に親水性のコーティングを施すこと
が一般的に行われている。親水性のコーティング材料と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、マレイン酸系ポリマー、ポリアクリルアミド
などが用いられている。これらの親水性のコーティング
を施した医療用器具に本来の滑り性を発揮させるために
は、その表面を十分に水に浸漬し、医療用器具の表面に
十分な水の膜をつくる必要がある。このために長尺の医
療用器具は、医療用器具収納具に収納され、使用に先立
って生理食塩水などに浸漬される。図1は、医療用器具
収納具の一例であるガイドワイヤ用ディスペンサーの平
面図である。本例のガイドワイヤ用ディスペンサーは、
ルーメンを有するチューブからなるディスペンサー本体
部1、ガイドワイヤ供給部2及びコネクター部3を備え
ている。ディスペンサーは、ポリプロピレン樹脂などの
滑りやすい材料で作製される。ガイドワイヤは、このよ
うなディスペンサーに収納され、使用に先立ってディス
ペンサーに生理食塩水が注入され、湿潤した状態で抜き
出される。しかし、ポリプロピレン樹脂などで作製され
たディスペンサーであっても、長尺のガイドワイヤとの
間に摩擦抵抗があり、円滑な抜き出しが容易ではないと
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長尺の医療
用器具を収納する筒状の医療用器具収納具であって、医
療用器具を円滑に抜き出すことができる医療用器具収納
具を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ガイドワイヤ用デ
ィスペンサーの本体部を親水性ポリエステル樹脂を配合
したポリプロピレン系樹脂で形成することにより、ガイ
ドワイヤを円滑に抜き出すことが可能となることを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)医療用器具を収納する筒状
の医療用器具収納具であって、収納具の本体部が親水性
ポリエステル樹脂を配合した熱可塑性樹脂で形成されて
なることを特徴とする医療用器具収納具、(2)親水性
ポリエステル樹脂が、アルキルテトラヒドロフタル酸又
はその誘導体と多価アルコールを重縮合して得られるポ
リエステル樹脂である第1項記載の医療用器具収納具、
及び、(3)医療用器具収納具が、ガイドワイヤ用ディ
スペンサーである第1項記載の医療用器具収納具、を提
供するものである。さらに、本発明の好ましい態様とし
て、(4)親水性ポリエステル樹脂を配合した熱可塑性
樹脂が、親水性ポリエステル樹脂5〜20重量%と熱可
塑性樹脂80〜95重量部%の配合物である第1項記載
の医療用器具収納具、(5)熱可塑性樹脂が、ポリエチ
レン樹脂又はポリプロピレン樹脂である第1項記載の医
療用器具収納具、(6)親水性ポリエステル樹脂の重量
平均分子量が、10,000〜200,000である第1
項記載の医療用器具収納具、(7)親水性ポリエステル
樹脂のヒドロキシル価が、20〜200mgKOH/gであ
る第1項記載の医療用器具収納具、(8)親水性ポリエ
ステル樹脂の酸価が、50mgKOH/g以下である第1項
記載の医療用器具収納具、(9)親水性ポリエステル樹
脂のガラス転移温度が、20〜60℃である第1項記載
の医療用器具収納具、(10)親水性ポリエステル樹脂
の環球法軟化点が、10℃以上である第1項記載の医療
用器具収納具、及び、(11)アルキルテトラヒドロフ
タル酸が、3−アルキルテトラヒドロフタル酸又はその
誘導体60〜100重量%と4−アルキルテトラヒドロ
フタル酸又はその誘導体0〜40重量%からなり、cis
−3−アルキルテトラヒドロフタル酸/trans−3−ア
ルキルテトラヒドロフタル酸の重量比が1/4〜1/2
である第2項記載の医療用器具収納具、を挙げることが
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の医療用器具収納具は、長
尺の医療用器具を収納する筒状の医療用器具収納具であ
って、収納具の本体部が親水性ポリエステル樹脂を配合
した熱可塑性樹脂で形成されてなる医療用器具収納具で
ある。長尺の医療用器具としては、例えば、ガイドワイ
ヤ、シースイントロデューサ、ステント、導尿のための
膀胱カテーテル、腹腔・胸腔穿刺用カテーテル、脳室ド
レナージカテーテル、心・血管疾患診断用のX線不透過
性の血管内カテーテル、輸液用及び静脈圧測定用の中心
静脈カテーテル、バルーンカテーテルなどを挙げること
ができる。これらの長尺の医療用器具を収納する筒状の
収納具としては、例えば、ガイドワイヤ用ディスペンサ
ー、カテーテルホルダー等が挙げられる。本発明に用い
る親水性ポリエステル樹脂は、アルキルテトラヒドロフ
タル酸又はその誘導体と多価アルコールを重縮合して得
られるポリエステル樹脂であって、好ましくは、アルキ
ルテトラヒドロフタル酸が3−アルキルテトラヒドロフ
タル酸又はその誘導体60〜100重量%と4−アルキ
ルテトラヒドロフタル酸又はその誘導体0〜40重量%
からなり、cis−3−アルキルテトラヒドロフタル酸/t
rans−3−アルキルテトラヒドロフタル酸の重量比が1
/4〜1/2であり、重量平均分子量が10,000〜
200,000であり、ヒドロキシル価が20〜200m
gKOH/gであるポリエステル樹脂であることが好まし
い。
【0006】前記cis−3−アルキルテトラヒドロフタ
ル酸及びその誘導体としては、例えば、cis−3−メチ
ル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン酸、
cis−3−エチル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−
ジカルボン酸、cis−3−プロピル−4−シクロヘキセ
ン−cis−1,2−ジカルボン酸、cis−3−ヘキシル−
4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン酸、cis
−3−オクチル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジ
カルボン酸、cis−3−メチル−4−シクロヘキセン−t
rans−1,2−ジカルボン酸、cis−3−エチル−4−シ
クロヘキセン−trans−1,2−ジカルボン酸、cis−3
−プロピル−4−シクロヘキセン−trans−1,2−ジカ
ルボン酸、cis−3−ヘキシル−4−シクロヘキセン−t
rans−1,2−ジカルボン酸、cis−3−オクチル−4−
シクロヘキセン−trans−1,2−ジカルボン酸など及び
これらの無水物、エステルなどを挙げることができる。
これらのcis−3−アルキルテトラヒドロフタル酸及び
その誘導体は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0007】前記trans−3−アルキルテトラヒドロフ
タル酸及びその誘導体としては、例えば、trans−3−
メチル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン
酸、trans−3−エチル−4−シクロヘキセン−cis−
1,2−ジカルボン酸、trans−3−プロピル−4−シク
ロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン酸、trans−3−
ヘキシル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボ
ン酸、trans−3−オクチル−4−シクロヘキセン−cis
−1,2−ジカルボン酸、trans−3−メチル−4−シク
ロヘキセン−trans−1,2−ジカルボン酸、trans−3
−エチル−4−シクロヘキセン−trans−1,2−ジカル
ボン酸、trans−3−プロピル−4−シクロヘキセン−t
rans−1,2−ジカルボン酸、trans−3−ヘキシル−4
−シクロヘキセン−trans−1,2−ジカルボン酸、tran
s−3−オクチル−4−シクロヘキセン−trans−1,2
−ジカルボン酸など及びこれらの無水物、エステルなど
を挙げることができる。これらのtrans−3−アルキル
テトラヒドロフタル酸及びその誘導体は、1種を単独で
用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて
用いることもできる。
【0008】前記4−アルキルテトラヒドロフタル酸及
びその誘導体としては、例えば、4−メチル−1−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−2−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−
3−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン酸、4−
メチル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン
酸、4−エチル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−ジ
カルボン酸、4−プロピル−4−シクロヘキセン−cis
−1,2−ジカルボン酸、4−ヘキシル−4−シクロヘ
キセン−cis−1,2−ジカルボン酸、4−オクチル−4
−シクロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン酸、4−メ
チル−3−シクロヘキセン−trans−1,2−ジカルボン
酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−trans−1,2−
ジカルボン酸、4−プロピル−4−シクロヘキセン−tr
ans−1,2−ジカルボン酸、4−ヘキシル−4−シクロ
ヘキセン−trans−1,2−ジカルボン酸、4−オクチル
−4−シクロヘキセン−trans−1,2−ジカルボン酸な
ど及びこれらの無水物、エステルなどを挙げることがで
きる。これらの4−アルキルテトラヒドロフタル酸及び
その誘導体は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0009】本発明において、アルキルテトラヒドロフ
タル酸成分は、3−アルキルテトラヒドロフタル酸又は
その誘導体が60〜100重量%、4−アルキルテトラ
ヒドロフタル酸又はその誘導体が0〜40重量%である
ことが好ましく、3−アルキルテトラヒドロフタル酸又
はその誘導体が70〜90重量%、4−アルキルテトラ
ヒドロフタル酸又はその誘導体が10〜30重量%であ
ることがより好ましい。3−アルキルテトラヒドロフタ
ル酸又はその誘導体の割合が60重量%未満であると、
親水性ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性が低
下するおそれがある。本発明において、cis−3−アル
キルテトラヒドロフタル酸/trans−3−アルキルテト
ラヒドロフタル酸体の重量比は1/4〜1/2であるこ
とが好ましく、1/3〜2/5であることがより好まし
い。該重量比が1/4未満であってcis−3−アルキル
テトラヒドロフタル酸の割合が少ないと、親水性ポリエ
ステル樹脂と熱可塑性樹脂の配合物の低温における衝撃
強度が低下するおそれがある。該重量比が1/2を超え
てcis−3−アルキルテトラヒドロフタル酸の割合が多
いと、親水性ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂の配合物
の曲げ弾性率が低下するおそれがある。
【0010】本発明に用いる多価アルコールに特に制限
はないが、全多価アルコール成分中の2価アルコールの
割合が50〜100重量%であることが好ましく、60
〜98重量%であることがより好ましく、70〜95重
量%であることがさらに好ましい。全多価アルコール成
分中の2価アルコールの割合が50重量%未満である
と、重縮合に際してゲル化を生ずるおそれがある。本発
明に用いる2価アルコールに特に制限はなく、例えば、
直鎖状のアルカンジオール、分岐を有するアルカンジオ
ール、ヒンダードグリコール、シクロアルカンジオー
ル、芳香族系ジオールなどを挙げることができる。本発
明においては、多価アルコールが、分岐を有するアルカ
ンジオール又はヒンダードグリコールを含有することが
好ましい。直鎖状のアルカンジオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジール、1,9
−ノナンジオールなどを挙げることができる。分岐を有
するアルカンジオールとしては、例えば、プロピレング
リコール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオールなどを挙げることができる。ヒンダ
ードグリコールとしては、例えば、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2,2−ジプロピル−1,3
−プロパンジオール、2,2−ジイソプロピル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジイソブチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−プロピル−2−ペンチル−1,3−プロパン
ジオールなどの2−位に2個の置換基を有する1,3−
プロパンジオールなどを挙げることができる。
【0011】シクロアルカンジオールとしては、例え
ば、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロオクタ
ン−1,4−ジオール、2,5−ノルボルナンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、アダマンタンジ
オールなどを挙げることができる。芳香族系ジオールと
しては、例えば、p−キシリレンジオール、4,4'−ジ
ヒドロキシビフェニル、4,4'−メチレンジフェノー
ル、2,5−ナフタレンジオールなどを挙げることがで
きる。本発明に用いる3価以上のアルコールに特に制限
はなく、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリト
ール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリト
ールなどのヒンダード型アルコール、グリセロール、ジ
グリセロール、ポリグリセロールなどのグリセロール化
合物、ソルビトール、グルコース、マンニトール、ショ
糖、ブドウ糖などの糖類などを挙げることができる。
【0012】本発明に用いる親水性ポリエステル樹脂の
重量平均分子量は、10,000〜200,000である
ことが好ましく、15,000〜100,000であるこ
とがより好ましく、20,000〜50,000であるこ
とがさらに好ましい。親水性ポリエステル樹脂の重量平
均分子量が10,000未満であると、親水性ポリエス
テル樹脂と熱可塑性樹脂の配合物の機械的強度が低下す
るおそれがある。親水性ポリエステル樹脂の重量平均分
子量が200,000を超えると、親水性ポリエステル
樹脂と熱可塑性樹脂の配合物の成形性が低下するおそれ
がある。親水性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分子量分布
曲線を求め、ポリスチレン標準試料に基づいて換算した
重量平均分子量として算出することができる。本発明に
用いる親水性ポリエステル樹脂のヒドロキシル価は、2
0〜200mgKOH/gであることが好ましく、30〜1
50mgKOH/gであることがより好ましく、40〜12
0mgKOH/gであることがさらに好ましい。親水性ポリ
エステル樹脂のヒドロキシル価が20mgKOH/g未満で
あると、医療用器具収納具から医療用器具を円滑に抜き
出すことが困難になるおそれがある。親水性ポリエステ
ル樹脂のヒドロキシル価が200mgKOH/gを超える
と、親水性ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性
が低下するおそれがある。親水性ポリエステル樹脂のヒ
ドロキシル価は、基準油脂分析試験法(日本油化学協
会)2.4.9−83にしたがって測定することができ
る。
【0013】本発明に用いる親水性ポリエステル樹脂の
酸価は、50mgKOH/g以下であることが好ましく、4
0mgKOH/g以下であることがより好ましく、30mgKOH
/g以下であることがさらに好ましい。親水性ポリエス
テル樹脂の酸価が50mgKOH/gを超えると、熱可塑性
樹脂と混練する際に混練機を腐蝕させるおそれがある。
親水性ポリエステル樹脂の酸価は、基準油脂分析試験法
(日本油化学協会)2.4.1−87.88にしたがって
測定することができる。本発明に用いる親水性ポリエス
テル樹脂のガラス転移温度は、20〜60℃であること
が好ましく、25〜55℃であることがより好ましく、
30〜50℃であることがさらに好ましい。親水性ポリ
エステル樹脂のガラス転移温度が20℃未満であると、
親水性ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂の均一な配合物
を得ることが困難となるおそれがある。親水性ポリエス
テル樹脂のガラス転移温度が60℃を超えると、親水性
ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂の配合物の衝撃強度が
低下するおそれがある。本発明に用いる親水性ポリエス
テル樹脂の環球法軟化点は、10℃以上であることが好
ましく、30〜200℃であることがより好ましく、5
0〜120℃であることがさらに好ましく、70〜10
0℃であることが特に好ましい。親水性ポリエステル樹
脂の環球法軟化点が10℃未満であると、親水性ポリエ
ステル樹脂と熱可塑性樹脂の均一な配合物を得ることが
困難となるおそれがある。親水性ポリエステル樹脂の環
球法軟化点は、JIS K 2207にしたがって測定す
ることができる。
【0014】本発明に用いる熱可塑性樹脂に特に制限は
なく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオ
キシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂などを挙げることができる。これらの中で、ポ
リオレフィン樹脂を好適に用いることができる。ポリオ
レフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チルペンテン−1、オクテン−1などのα−オレフィン
の単独重合体、共重合体などを挙げることができる。こ
れらの中で、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレ
ンとプロピレンの共重合体を好適に用いることができ
る。本発明において、親水性ポリエステル樹脂と熱可塑
性樹脂の配合比に特に制限はないが、親水性ポリエステ
ル樹脂5〜20重量%と熱可塑性樹脂80〜95重量%
の配合物であることが好ましく、親水性ポリエステル樹
脂7〜15重量%と熱可塑性樹脂85〜93重量%の配
合物であることがより好ましい。親水性ポリエステル樹
脂の配合量が5重量%未満であると、医療用器具収納具
から医療用器具を円滑に抜き出すことが困難になるおそ
れがある。親水性ポリエステル樹脂の配合量が20重量
%を超えると、親水性ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂
の配合物の機械的強度が低下するおそれがある。
【0015】本発明の医療用器具収納具の製造方法に特
に制限はないが、親水性ポリエステル樹脂のペレットと
熱可塑性樹脂のペレットを混合したのち、押出成形機を
用いて混練し、押し出すことによりチューブ状の材料と
し、チューブ状の材料をさらに加工することにより、医
療用器具収納具を製造することができる。チューブ状の
材料の寸法に特に制限はなく、収納する医療用器具の形
状に応じて適宜選択することができる。本発明に用い親
水性ポリエステル樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂との相溶性が良好
であり、押出成形により美観に優れたチューブ状の材料
を得ることができる。親水性ポリエステル樹脂と熱可塑
性樹脂を配合して成形すると、成形品の表面に親水性ポ
リエステル樹脂のヒドロキシル基が露出し、成形品の表
面が親水性となる。このために、医療用器具を収納した
本発明の医療用器具収納具に生理食塩水を注入すると、
医療用器具収納具の内面と生理食塩水のなじみがよく、
医療用器具収納具の内面が瞬時に濡らされるので、生理
食塩水を注入した直後に医療用器具を抵抗なく抜き出す
ことができる。従来のポリエチレン樹脂製、ポリプロピ
レン樹脂製などの医療用器具収納具は、表面が疎水性で
あるために、注入した生理食塩水が表面ではじかれて均
一に広がりにくいために、医療用器具を抜き出すとき
に、引っかかって抜きにくいとか、少し時間をおかない
抜き出しづらいという不具合が生じていた。医療用器具
収納具の内面を低コストで親水化処理することは困難で
あったが、本発明の医療用器具収納具は、親水性ポリエ
ステル樹脂と熱可塑性樹脂を混練して押し出すだけの操
作で製造することができるので、表面が親水性の医療用
器具収納具を安価に製造することができる。
【0016】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1 三つ口フラスコに、cis−3−メチル−4−シクロヘキ
セン−cis−1,2−ジカルボン酸無水物80重量部、tr
ans−3−メチル−4−シクロヘキセン−cis−1,2−
ジカルボン酸無水物200重量部、4−メチル−4−シ
クロヘキセン−cis−1,2−ジカルボン酸無水物120
重量部、プロピレングリコール173.3重量部及びペ
ンタエリスリトール34.4重量部を仕込んだ。窒素ガ
ス雰囲気下に撹拌し、生成する水を除去しながら、18
0℃で5時間反応させた。次いで、テトラブトキシチタ
ン0.13重量部を添加し、反応温度を220℃に上昇
し、フラスコの圧力を徐々に減じて反応し、3時間後に
1.3kPaとして、親水性ポリエステル樹脂を得た。得ら
れた親水性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量28,
230、ヒドロキシル価46mgKOH/g、酸価2.2mgKO
H/g、ガラス転移温度42.1℃、環球法軟化点94℃
であった。 実施例1 ポリプロピレン樹脂[三菱化学(株)、PB222A]9
0重量部と製造例1で得られた親水性ポリエステル樹脂
10重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合し、押出
機を用いて混練して押し出すことにより、外径3.8m
m、内径2.5mmのチューブを作製した。このチューブを
用いて、図1に示す形状で、本体部1の直径が200mm
のガイドワイヤ用ディスペンサーを組み立てた。このガ
イドワイヤ用ディスペンサーに、外径0.8mm、長さ1
20cmの表面をポリウレタン樹脂で被覆したガイドワイ
ヤを収納した。次に、ガイドワイヤを収納したガイドワ
イヤ用ディスペンサーに、生理食塩水を注入して直ちに
ガイドワイヤを抜き出したところ、抵抗なく円滑に抜き
出すことができた。 比較例1 実施例1と同じポリプロピレン樹脂を原料として、親水
性ポリエステル樹脂を配合することなく、押出機を用い
て押し出すことにより、外径3.8mm、内径2.5mmのチ
ューブを作製した。このチューブを用いて、実施例1と
同じ形状のガイドワイヤ用ディスペンサーを組み立て、
実施例1と同じガイドワイヤを収納した。ガイドワイヤ
を収納したガイドワイヤ用ディスペンサーに、生理食塩
水を注入して直ちにガイドワイヤを抜き出すことを試み
たが、抵抗があって円滑に抜き出すことができず、生理
食塩水を注入してから30秒後にようやく抜き出すこと
ができた。実施例1と比較例1の結果から、収納具の本
体が親水性ポリエステル樹脂を配合したポリプロピレン
樹脂で形成された本発明のガイドワイヤ用ディスペンサ
ーは、内面の生理食塩水とのなじみがよく、潤滑性に優
れ、収納されたガイドワイヤの抜き出しが容易であるこ
とが分かる。
【0017】
【発明の効果】本発明の医療用器具収納具は、表面に親
水性ポリエステル樹脂のヒドロキシル基が露出している
ので、収納具内面と生理食塩水のなじみがよく、生理食
塩水を注入したのち直ちに医療用器具を円滑に抜き出す
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ガイドワイヤ用ディスペンサーの平面
図である。
【符号の説明】
1 ディスペンサー本体部 2 ガイドワイヤ供給部 3 コネクター部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医療用器具を収納する筒状の医療用器具収
    納具であって、収納具の本体部が親水性ポリエステル樹
    脂を配合した熱可塑性樹脂で形成されてなることを特徴
    とする医療用器具収納具。
  2. 【請求項2】親水性ポリエステル樹脂が、アルキルテト
    ラヒドロフタル酸又はその誘導体と多価アルコールを重
    縮合して得られるポリエステル樹脂である請求項1記載
    の医療用器具収納具。
  3. 【請求項3】医療用器具収納具が、ガイドワイヤ用ディ
    スペンサーである請求項1記載の医療用器具収納具。
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