JP2002281967A - 印加によりその捕捉機能が制御できる捕捉手段を具備する生化学分析装置およびその装置を用いた生化学分析方法 - Google Patents
印加によりその捕捉機能が制御できる捕捉手段を具備する生化学分析装置およびその装置を用いた生化学分析方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多種類の物質、例えば、複数のDNAおよび
RNA等の核酸、並びに抗原および抗体等、を試料から
一度に検出することが可能であり、且つ検出した後に目
的とする物質のみを特異的に且つ容易に回収することが
可能な方法およびその方法を行うための装置を提供す
る。 【解決手段】 プローブを具備した粒子が捕捉手段によ
り、そこにおいて反応を行う反応部に維持される装置で
あって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によって制御さ
れることを特徴とする装置。
RNA等の核酸、並びに抗原および抗体等、を試料から
一度に検出することが可能であり、且つ検出した後に目
的とする物質のみを特異的に且つ容易に回収することが
可能な方法およびその方法を行うための装置を提供す
る。 【解決手段】 プローブを具備した粒子が捕捉手段によ
り、そこにおいて反応を行う反応部に維持される装置で
あって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によって制御さ
れることを特徴とする装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、標的物質、特に、
DNAおよびRNA等の核酸分子、並びに免疫関連物質
等を、試料から検出および/または回収する生化学分析
方法と、その方法を行うための装置に関する。
DNAおよびRNA等の核酸分子、並びに免疫関連物質
等を、試料から検出および/または回収する生化学分析
方法と、その方法を行うための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生化学分析分野において、DNAレベル
で生体を理解し、病気の診断や生命現象を解明しようと
する動きが活発化してきている。遺伝子の発現状況を調
べる有効な方法として、現在では、主にDNAチップや
DNAマイクロアレイが用いられている。
で生体を理解し、病気の診断や生命現象を解明しようと
する動きが活発化してきている。遺伝子の発現状況を調
べる有効な方法として、現在では、主にDNAチップや
DNAマイクロアレイが用いられている。
【0003】DNAチップは、例えば、フォーダーらに
より報告されている(Stephen.P.A.Fodor et. al.:Light
-Directed,Spatialy Addressable Parallel Chemical S
ynthesis.Science Vol.251,767-773(1991))。このDN
Aチップは、基板上に10万種以上のプローブDNAを
配列させたものである。該製造方法は、半導体工業で用
いられている光リソグラフィ技術を利用するものであ
り、基板上に区画された多数のセル上に、予め設計され
た配列のオリゴマーを1塩基ずつ合成していくことによ
り、多数のプローブを具備するDNAチップを完成する
ものである。
より報告されている(Stephen.P.A.Fodor et. al.:Light
-Directed,Spatialy Addressable Parallel Chemical S
ynthesis.Science Vol.251,767-773(1991))。このDN
Aチップは、基板上に10万種以上のプローブDNAを
配列させたものである。該製造方法は、半導体工業で用
いられている光リソグラフィ技術を利用するものであ
り、基板上に区画された多数のセル上に、予め設計され
た配列のオリゴマーを1塩基ずつ合成していくことによ
り、多数のプローブを具備するDNAチップを完成する
ものである。
【0004】一方、DNAマイクロアレイは、基板上
に、予め準備したプローブDNAをスポットし、これを
固定化して製造するものである。専用のスポット装置を
用いることで1万程度のプローブDNAを基板上に固定
することが可能である。
に、予め準備したプローブDNAをスポットし、これを
固定化して製造するものである。専用のスポット装置を
用いることで1万程度のプローブDNAを基板上に固定
することが可能である。
【0005】DNA発現の解析をする場合、DNAチッ
プおよびDNAマイクロアレイの何れの装置の場合も同
様に、試料中のDNAを予め蛍光色素で修飾してから該
装置に供する。次に、該装置に具備されるプローブDN
Aと、被検DNAとのハイブリダイゼーションを行い、
特異的に結合した被検DNAの蛍光標識を検出すること
によって、試料中のDNAを解析する。
プおよびDNAマイクロアレイの何れの装置の場合も同
様に、試料中のDNAを予め蛍光色素で修飾してから該
装置に供する。次に、該装置に具備されるプローブDN
Aと、被検DNAとのハイブリダイゼーションを行い、
特異的に結合した被検DNAの蛍光標識を検出すること
によって、試料中のDNAを解析する。
【0006】DNAチップは、極めて高密度にプローブ
DNAを配列できることが利点であるが、各プローブD
NAを20塩基程度の長さにしかできないことが欠点で
ある。更にまた、DNAチップの製作原理は、抗原抗体
反応等のDNA以外の他の生化学反応評価に用いる装
置、例えば、タンパク質アレイ(またはプロテインチッ
プとも称す)、抗体アレイおよび細胞アレイ等の製造に
は応用できるのものではない。
DNAを配列できることが利点であるが、各プローブD
NAを20塩基程度の長さにしかできないことが欠点で
ある。更にまた、DNAチップの製作原理は、抗原抗体
反応等のDNA以外の他の生化学反応評価に用いる装
置、例えば、タンパク質アレイ(またはプロテインチッ
プとも称す)、抗体アレイおよび細胞アレイ等の製造に
は応用できるのものではない。
【0007】一方、DNAマイクロアレイは、任意のD
NAをプローブとすることができ、その作製原理は他の
生化学反応評価装置、例えば、タンパク質アレイ(また
はプロテインチップとも称す)、抗体アレイおよび細胞
アレイ等の製造にも応用可能である。しかし、高密度に
プローブを形成するためには、高価な専用スポット装置
が必要である。
NAをプローブとすることができ、その作製原理は他の
生化学反応評価装置、例えば、タンパク質アレイ(また
はプロテインチップとも称す)、抗体アレイおよび細胞
アレイ等の製造にも応用可能である。しかし、高密度に
プローブを形成するためには、高価な専用スポット装置
が必要である。
【0008】また更に、このような従来の装置を用いた
場合では、当該装置でのハイブリダイゼーションの後
に、検出した膨大な種類のDNAから、所望するDNA
のみを特異的に回収することは非常に困難である。
場合では、当該装置でのハイブリダイゼーションの後
に、検出した膨大な種類のDNAから、所望するDNA
のみを特異的に回収することは非常に困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的の1つは、多種類の物質、例えば、複数のD
NAおよびRNA等の核酸、並びに抗原および抗体等、
を試料から一度に検出することが可能であり、且つ検出
した後に目的とする物質のみを特異的に且つ容易に回収
することが可能な方法およびその方法を行うための装置
を提供することである。
発明の目的の1つは、多種類の物質、例えば、複数のD
NAおよびRNA等の核酸、並びに抗原および抗体等、
を試料から一度に検出することが可能であり、且つ検出
した後に目的とする物質のみを特異的に且つ容易に回収
することが可能な方法およびその方法を行うための装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明は以下の装置を提供する。即ち、プローブ
を具備した粒子を捕捉手段でその反応部に維持する装置
であって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によって制御
されることを特徴とする装置である。
めに、本発明は以下の装置を提供する。即ち、プローブ
を具備した粒子を捕捉手段でその反応部に維持する装置
であって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によって制御
されることを特徴とする装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】1.装置 本発明の態様に従うと、プローブを具備した粒子を捕捉
手段でその反応部に維持する装置であって、前記捕捉手
段の捕捉機能が印加によって制御されることを特徴とす
る装置が提供される。
手段でその反応部に維持する装置であって、前記捕捉手
段の捕捉機能が印加によって制御されることを特徴とす
る装置が提供される。
【0012】このような本発明の態様に従うと、前記プ
ローブに結合することによって、試料に含まれる標的物
質を検出および回収することが可能である。
ローブに結合することによって、試料に含まれる標的物
質を検出および回収することが可能である。
【0013】ここで使用される「プローブ」の語は、検
出対象である標的物質に対して特異的且つ高親和性に結
合することが可能な物質を示す。
出対象である標的物質に対して特異的且つ高親和性に結
合することが可能な物質を示す。
【0014】例えば、標的物質が核酸である場合、当該
プローブは、標的核酸の配列に相補的な配列を有する核
酸であってよい。標的核酸および核酸プローブは、任意
の単純ヌクレオチド及び/又は修飾ヌクレオチドからな
るポリヌクレオチドであってよい。標的核酸は、使用者
が自由に選択することができる。標的核酸は、典型的に
は、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNA等のDN
A、並びにmRNA、全RNA、hnRNA、及び合成
RNA等のRNAである。
プローブは、標的核酸の配列に相補的な配列を有する核
酸であってよい。標的核酸および核酸プローブは、任意
の単純ヌクレオチド及び/又は修飾ヌクレオチドからな
るポリヌクレオチドであってよい。標的核酸は、使用者
が自由に選択することができる。標的核酸は、典型的に
は、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNA等のDN
A、並びにmRNA、全RNA、hnRNA、及び合成
RNA等のRNAである。
【0015】また、標的物質が免疫関連物質である場
合、標的物質とプローブの組合せは、互いに特異的且つ
高親和性に結合し得る組合せであり得る。即ち、標的物
質に応じて種々の抗原(若しくは抗原決定基)または抗
体をプローブとして使用することが可能である。
合、標的物質とプローブの組合せは、互いに特異的且つ
高親和性に結合し得る組合せであり得る。即ち、標的物
質に応じて種々の抗原(若しくは抗原決定基)または抗
体をプローブとして使用することが可能である。
【0016】更に、標的物質とプローブの組合せは、糖
類とレクチン等であってもよく、この場合も、標的物質
に応じてプローブが選択される。
類とレクチン等であってもよく、この場合も、標的物質
に応じてプローブが選択される。
【0017】本発明の態様に従うと、上述の装置は、少
なくともその一部に、前記プローブと標的物質との反応
が行えるような反応部を有するものであればよい。この
ような装置は、基本的に、例えば、ガラス、プラスチッ
ク、石英およびシリコン等から形成されてもよい。当該
装置は、凹凸により形成された溝状、凹部により構成さ
れる容器状および管状等であってよい。当該装置は、そ
の中へ試薬等の流体を添加できるような開口部を少なく
とも1つ有する。また、当該装置はその内部に流路とし
て反応部を有していてもよい。反応部が流路である場
合、導入口から容器内に流体が導入され、該装置の内部
の流路を経て、排出口から排出されるよう構成すること
によって、より扱い易く、閉鎖系で汚染に強い装置が提
供される。
なくともその一部に、前記プローブと標的物質との反応
が行えるような反応部を有するものであればよい。この
ような装置は、基本的に、例えば、ガラス、プラスチッ
ク、石英およびシリコン等から形成されてもよい。当該
装置は、凹凸により形成された溝状、凹部により構成さ
れる容器状および管状等であってよい。当該装置は、そ
の中へ試薬等の流体を添加できるような開口部を少なく
とも1つ有する。また、当該装置はその内部に流路とし
て反応部を有していてもよい。反応部が流路である場
合、導入口から容器内に流体が導入され、該装置の内部
の流路を経て、排出口から排出されるよう構成すること
によって、より扱い易く、閉鎖系で汚染に強い装置が提
供される。
【0018】本発明の態様における捕捉手段とは、粒子
を捕捉するための手段であり、且つその機能が印加によ
ってオンまたはオフの状態に制御できる手段である。言
い換えれば、印加により捕捉機能が生じ、印加を止める
と捕捉機能が消失するような捕捉手段であればよい。例
えば、複数の電極を配置することにより誘電泳動効果を
得られる手段、および電磁石等を使用することが可能で
ある。例えば、本発明の態様において使用することが可
能な捕捉手段は、電極および電磁石等であってよい。
を捕捉するための手段であり、且つその機能が印加によ
ってオンまたはオフの状態に制御できる手段である。言
い換えれば、印加により捕捉機能が生じ、印加を止める
と捕捉機能が消失するような捕捉手段であればよい。例
えば、複数の電極を配置することにより誘電泳動効果を
得られる手段、および電磁石等を使用することが可能で
ある。例えば、本発明の態様において使用することが可
能な捕捉手段は、電極および電磁石等であってよい。
【0019】電極を用いる場合、粒子をそこにおいて捕
捉しようと意図する捕捉部を取り囲む、または挟み込む
ように配置する。捕捉する際には、隣り合う電極に対し
て、互いに相反する極性を持たせるように印可すればよ
い。印加により生じる誘電泳動効果によって、目的とす
る粒子を捕捉することが可能である。更なる詳細は実施
例において説明する。
捉しようと意図する捕捉部を取り囲む、または挟み込む
ように配置する。捕捉する際には、隣り合う電極に対し
て、互いに相反する極性を持たせるように印可すればよ
い。印加により生じる誘電泳動効果によって、目的とす
る粒子を捕捉することが可能である。更なる詳細は実施
例において説明する。
【0020】電磁石を用いる場合、粒子をそこにおいて
捕捉しようと意図する捕捉部に磁場が生じるように電磁
石を形成する。
捕捉しようと意図する捕捉部に磁場が生じるように電磁
石を形成する。
【0021】捕捉手段は、捕捉部が当該装置の反応部内
に位置するように配置される。従って、捕捉手段自身が
必ずしも当該装置の反応部内に配置される必要はない。
即ち、電極を使用した場合には誘電誘導効果が、電磁石
を使用した場合には磁場が、装置の反応部内の目的とす
る位置に得られるように配置すればよい。即ち、捕捉手
段は装置の反応部内に配置しても、装置を構成するため
の壁に埋め込まれても、装置の外部に当該装置と一体化
して、また、一体化されずに使用時に装着できる別の部
品として提供されてもよい。
に位置するように配置される。従って、捕捉手段自身が
必ずしも当該装置の反応部内に配置される必要はない。
即ち、電極を使用した場合には誘電誘導効果が、電磁石
を使用した場合には磁場が、装置の反応部内の目的とす
る位置に得られるように配置すればよい。即ち、捕捉手
段は装置の反応部内に配置しても、装置を構成するため
の壁に埋め込まれても、装置の外部に当該装置と一体化
して、また、一体化されずに使用時に装着できる別の部
品として提供されてもよい。
【0022】また、選択された捕捉手段に応じて、使用
する粒子の性質が選択される。即ち、電極を使用する場
合には該粒子は絶縁体であり、電磁石を使用する場合に
は磁性体であればよい。
する粒子の性質が選択される。即ち、電極を使用する場
合には該粒子は絶縁体であり、電磁石を使用する場合に
は磁性体であればよい。
【0023】本発明の態様に従うと、複数の捕捉手段を
有した装置が反応部に配置された装置が提供される。当
該装置は、複数種類のプローブを具備した粒子を、種類
別に反応部の所望する位置の捕捉手段に配置することが
できる。即ち、捕捉手段の印加を制御するだけで、使用
者は所望に応じた反応部の位置にプローブを配置するこ
とができる。
有した装置が反応部に配置された装置が提供される。当
該装置は、複数種類のプローブを具備した粒子を、種類
別に反応部の所望する位置の捕捉手段に配置することが
できる。即ち、捕捉手段の印加を制御するだけで、使用
者は所望に応じた反応部の位置にプローブを配置するこ
とができる。
【0024】図1を用いて、複数種類のプローブを具備
した粒子をセットした装置の製造方法を説明する。先
ず、粒子にプローブを固定化する。プローブの固定は、
プローブの種類および特性に応じて、それ自身公知の方
法を用いて行ってよい。
した粒子をセットした装置の製造方法を説明する。先
ず、粒子にプローブを固定化する。プローブの固定は、
プローブの種類および特性に応じて、それ自身公知の方
法を用いて行ってよい。
【0025】第1から第nまでの種類のプローブを、夫
々、粒子に固相化した場合には、図1aに示す通り、第
1のプローブ試薬から第nのプローブ試薬までが得られ
る(ここで、「n」は整数)。ここで、「プローブ試
薬」とは、当該粒子の表面に必要なプローブを固定する
ことにより調製した試薬をいう。
々、粒子に固相化した場合には、図1aに示す通り、第
1のプローブ試薬から第nのプローブ試薬までが得られ
る(ここで、「n」は整数)。ここで、「プローブ試
薬」とは、当該粒子の表面に必要なプローブを固定する
ことにより調製した試薬をいう。
【0026】本発明の態様に従うと、図1bに示すよう
に、流路からなる反応部1に任意の個数の捕捉手段2が
行列をなすように配置されている。各行毎に異なるプロ
ーブ試薬を捕捉させる場合を以下に説明する。一番右の
行を第1の組とし、第1のプローブ試薬をセットする。
まず、第1の組に具備される捕捉手段2のみへの印加を
開始する。その状態で、導入口から第1のプローブ試薬
3を導入する。第1のプローブ試薬に含まれる粒子は、
捕捉機能が働いている最も右の行に含まれる捕捉手段に
捕捉される(図1b)。
に、流路からなる反応部1に任意の個数の捕捉手段2が
行列をなすように配置されている。各行毎に異なるプロ
ーブ試薬を捕捉させる場合を以下に説明する。一番右の
行を第1の組とし、第1のプローブ試薬をセットする。
まず、第1の組に具備される捕捉手段2のみへの印加を
開始する。その状態で、導入口から第1のプローブ試薬
3を導入する。第1のプローブ試薬に含まれる粒子は、
捕捉機能が働いている最も右の行に含まれる捕捉手段に
捕捉される(図1b)。
【0027】次に、捕捉されなかった第1のプローブ試
薬を排除し、必要ならば該反応部を洗浄する(図1
c)。
薬を排除し、必要ならば該反応部を洗浄する(図1
c)。
【0028】続いて、第2のプローブ試薬の粒子をセッ
トする。第2の組に含まれる捕捉手段への印加を開始
し、反応部1に第2のプローブ試薬4を添加する(図1
d)。
トする。第2の組に含まれる捕捉手段への印加を開始
し、反応部1に第2のプローブ試薬4を添加する(図1
d)。
【0029】次に、捕捉されなかった第2のプローブ試
薬を排除し、必要に応じて該反応部を洗浄する(図1
e)。
薬を排除し、必要に応じて該反応部を洗浄する(図1
e)。
【0030】この操作を第nのプローブ試薬まで繰り返
す(図1f)。こうすることにより、所望する種類およ
び数のプローブ試薬を該装置にセットすることが可能で
ある。
す(図1f)。こうすることにより、所望する種類およ
び数のプローブ試薬を該装置にセットすることが可能で
ある。
【0031】また、夫々のプローブ試薬を回収する場合
は、所望する位置の捕捉手段の印加を中止すれば、捕捉
されている粒子のみが遊離できるので、これを回収すれ
ばよい。
は、所望する位置の捕捉手段の印加を中止すれば、捕捉
されている粒子のみが遊離できるので、これを回収すれ
ばよい。
【0032】本発明のもう1つの側面に従うと、そこに
おいて反応を行うための反応部に、印加によりその捕捉
機能が制御される捕捉手段を具備する装置が提供され
る。
おいて反応を行うための反応部に、印加によりその捕捉
機能が制御される捕捉手段を具備する装置が提供され
る。
【0033】2.生化学分析方法 本発明の態様に従うと、プローブを具備した粒子が捕捉
手段により、そこにおいて反応を行う反応部内に維持さ
れる装置であって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によ
って制御されることを特徴とする装置を用いた生化学分
析方法が提供される。
手段により、そこにおいて反応を行う反応部内に維持さ
れる装置であって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によ
って制御されることを特徴とする装置を用いた生化学分
析方法が提供される。
【0034】このような生化学分析方法に供される「試
料」は、生物から採取した未処置の試料、例えば、ゲノ
ムDNA、mRNA若しくはプラスミドを含む生物試料
であってもよい。また、標的核酸を含む試料であっても
よく、その場合、前記未処置の試料に対して様々な操作
又は処理を行った試料であってもよい。このような操作
又は処理は、核酸抽出操作、増幅操作、制限酵素、リガ
ーゼ、ポリメラーゼ、ヌクレアーゼを含む酵素による処
理、及び遺伝子工学の領域において周知であるその他の
処理、並びにこれらの組み合わせであってもよい。ま
た、「試料」は、抗原および抗体等の免疫関連物質を含
有する何らかの生物試料であってもよい。例えば、血
液、リンパ液、血球および各種体細胞および組織等の生
物由来の試料であってもよい。
料」は、生物から採取した未処置の試料、例えば、ゲノ
ムDNA、mRNA若しくはプラスミドを含む生物試料
であってもよい。また、標的核酸を含む試料であっても
よく、その場合、前記未処置の試料に対して様々な操作
又は処理を行った試料であってもよい。このような操作
又は処理は、核酸抽出操作、増幅操作、制限酵素、リガ
ーゼ、ポリメラーゼ、ヌクレアーゼを含む酵素による処
理、及び遺伝子工学の領域において周知であるその他の
処理、並びにこれらの組み合わせであってもよい。ま
た、「試料」は、抗原および抗体等の免疫関連物質を含
有する何らかの生物試料であってもよい。例えば、血
液、リンパ液、血球および各種体細胞および組織等の生
物由来の試料であってもよい。
【0035】本発明の態様に従うと、当該粒子を具備す
る上述の装置を用いて、以下のように生化学分析を行う
ことが可能である。例えば、本発明の態様に従うと、標
的物質の検出および/または回収を行うことが可能であ
る。
る上述の装置を用いて、以下のように生化学分析を行う
ことが可能である。例えば、本発明の態様に従うと、標
的物質の検出および/または回収を行うことが可能であ
る。
【0036】標的物質の検出を行う場合、検出対象であ
る標的物質に特異的且つ高親和性で結合するプローブを
粒子に固定化し、これを捕捉手段によって捕捉して装置
を製造する。一方、試料に含まれる標的物質には、標識
物質により標識を行う。続いて、前記装置の反応部に該
試料を添加する。その後、適切な温度条件下において、
反応を行って、プローブと標的物質との結合を行う。次
に標識物質を指標として標的物質の検出を行う。
る標的物質に特異的且つ高親和性で結合するプローブを
粒子に固定化し、これを捕捉手段によって捕捉して装置
を製造する。一方、試料に含まれる標的物質には、標識
物質により標識を行う。続いて、前記装置の反応部に該
試料を添加する。その後、適切な温度条件下において、
反応を行って、プローブと標的物質との結合を行う。次
に標識物質を指標として標的物質の検出を行う。
【0037】検出された標的物質を回収する場合には、
上記で検出された標識物質が結合しているプローブを具
備する粒子を、捕捉手段の印加を中止することによって
遊離させ、これを回収すればよい。
上記で検出された標識物質が結合しているプローブを具
備する粒子を、捕捉手段の印加を中止することによって
遊離させ、これを回収すればよい。
【0038】ここでは、試料を反応部に添加する前に標
識したが、標識の時期はこれに限るものではなく、反応
部における反応の後に行ってもよい。標識は、一般的に
使用される何れかの方法によって行えばよい。また、標
識物質の選択も、一般的に使用される何れかの標識物質
を使用すればよい。或いは、標的物質をプローブに結合
した後で、標的物質に対して特異的に結合する抗体等の
物質を、該標的物質に対して結合させることによって検
出してもよい。
識したが、標識の時期はこれに限るものではなく、反応
部における反応の後に行ってもよい。標識は、一般的に
使用される何れかの方法によって行えばよい。また、標
識物質の選択も、一般的に使用される何れかの標識物質
を使用すればよい。或いは、標的物質をプローブに結合
した後で、標的物質に対して特異的に結合する抗体等の
物質を、該標的物質に対して結合させることによって検
出してもよい。
【0039】以下に、本発明の好ましい態様の例を示
す。
す。
【0040】
【実施例】例1 本発明の第1の例を図2AおよびBを用いて説明する
(図2)。本例の装置は、第1の基板21と第2の基板
24から形成される(図2B)。第1の基板には流路2
2が具備され、前記流路22には複数の捕捉手段23が
配置される。前記捕捉手段23は、夫々、独立して制御
される。また、第2の基板24は、実質的に当該装置の
蓋のような役割をする。前記基板24には、流路22に
繋がる導入口25と排出口26が形成されている。
(図2)。本例の装置は、第1の基板21と第2の基板
24から形成される(図2B)。第1の基板には流路2
2が具備され、前記流路22には複数の捕捉手段23が
配置される。前記捕捉手段23は、夫々、独立して制御
される。また、第2の基板24は、実質的に当該装置の
蓋のような役割をする。前記基板24には、流路22に
繋がる導入口25と排出口26が形成されている。
【0041】基板21および基板24は、ガラス、シリ
コン、プラスチック類およびポリマー類等の絶縁性物質
を用いて形成することが可能であり、また、流す流体に
浸食されない物質を用いることが好ましい。
コン、プラスチック類およびポリマー類等の絶縁性物質
を用いて形成することが可能であり、また、流す流体に
浸食されない物質を用いることが好ましい。
【0042】本例では、捕捉手段23は電極を用いて形
成される。本例における捕捉手段23とは、誘電誘導効
果により捕捉を行う手段である。具体的には、例えば、
ガンターらの文献に記載されるような電極を使用するこ
とが可能である(Gunter R.Fuhr and Christoph Reichl
e,Micro Total Analysis Systems,261-264,(2000))。
成される。本例における捕捉手段23とは、誘電誘導効
果により捕捉を行う手段である。具体的には、例えば、
ガンターらの文献に記載されるような電極を使用するこ
とが可能である(Gunter R.Fuhr and Christoph Reichl
e,Micro Total Analysis Systems,261-264,(2000))。
【0043】本例における捕捉手段23を形成する場合
の電極の配置例を図3に示す。4つの電極27a〜27
dを目的とする捕捉部28の周りに配置する。ここで、
捕捉部8は粒子を捕捉する部位である。図には示されて
いないが、各捕捉手段23に具備される電極27aから
27dは、夫々に、配線が施されており、夫々に印加条
件が制御される。印加の制御は、一般的に使用される印
加を行う印加手段と、印加の制御を行う制御手段により
行われてもよい。
の電極の配置例を図3に示す。4つの電極27a〜27
dを目的とする捕捉部28の周りに配置する。ここで、
捕捉部8は粒子を捕捉する部位である。図には示されて
いないが、各捕捉手段23に具備される電極27aから
27dは、夫々に、配線が施されており、夫々に印加条
件が制御される。印加の制御は、一般的に使用される印
加を行う印加手段と、印加の制御を行う制御手段により
行われてもよい。
【0044】ここで、「誘電泳動」とは、不平等電界下
である粒子に誘導される分極電荷と電界との相互作用に
より電気的に中性な粒子に力が働く現象のことをいう。
一般に電界中に媒質よりも分極しやすい中性粒子をおく
と、誘電分極により電気力線の上流側に−q、下流側に
+qの電荷が現れる。更に、図4を用いて説明する。基
板29に形成された正電極30aおよび負電極30b
は、中間に存在する粒子31に対して誘電効果を及ぼ
す。図4に示すように、1つの平面上に電極が存在する
場合には、粒子31に働く電気力線は湾曲しており、そ
れによって−qと+qの各電荷に働く力の向きが異な
る。その結果、合力が生じ、粒子は基板側へと引き寄せ
られる。また、電極に印加する電圧の極性を反転して
も、粒子に誘起される電荷の極性も反転するので、粒子
の作用する力の向きは変わらない。従って、誘電分極が
追随できる周波数範囲内では、交流電界下においても誘
電泳動が生ずる。
である粒子に誘導される分極電荷と電界との相互作用に
より電気的に中性な粒子に力が働く現象のことをいう。
一般に電界中に媒質よりも分極しやすい中性粒子をおく
と、誘電分極により電気力線の上流側に−q、下流側に
+qの電荷が現れる。更に、図4を用いて説明する。基
板29に形成された正電極30aおよび負電極30b
は、中間に存在する粒子31に対して誘電効果を及ぼ
す。図4に示すように、1つの平面上に電極が存在する
場合には、粒子31に働く電気力線は湾曲しており、そ
れによって−qと+qの各電荷に働く力の向きが異な
る。その結果、合力が生じ、粒子は基板側へと引き寄せ
られる。また、電極に印加する電圧の極性を反転して
も、粒子に誘起される電荷の極性も反転するので、粒子
の作用する力の向きは変わらない。従って、誘電分極が
追随できる周波数範囲内では、交流電界下においても誘
電泳動が生ずる。
【0045】各電極の材料には、金、白金およびチタニ
ウム等を使用してよく、半導体形成に用いられる通常の
フォトリソグラフィ法やリフトオフ法およびメッキ法
等、一般的に電極を形成するのに使用される他の方法を
使用して形成することができる。
ウム等を使用してよく、半導体形成に用いられる通常の
フォトリソグラフィ法やリフトオフ法およびメッキ法
等、一般的に電極を形成するのに使用される他の方法を
使用して形成することができる。
【0046】一方、本例において上記の装置と共に使用
される粒子は、誘電体となり得るものであれば何れの材
質で何れの形状を有していてもよい。ここでいう「誘電
体」とは、電界を加えると誘電分極を生ずる物質をい
い、一般的には絶縁体とも称される物質である。本例に
おいて好ましい粒子は、例えば、粒径が0.25μmか
ら1mm、一般的には10μm以下の誘電体ビーズであ
る。その材質は、ガラス、ラテックス、ポリスチレン等
のプラスチック等でよい。
される粒子は、誘電体となり得るものであれば何れの材
質で何れの形状を有していてもよい。ここでいう「誘電
体」とは、電界を加えると誘電分極を生ずる物質をい
い、一般的には絶縁体とも称される物質である。本例に
おいて好ましい粒子は、例えば、粒径が0.25μmか
ら1mm、一般的には10μm以下の誘電体ビーズであ
る。その材質は、ガラス、ラテックス、ポリスチレン等
のプラスチック等でよい。
【0047】粒子を捕捉する際には、隣り合う電極の極
性が異なるように、反転した高周波の交流電圧を加え
る。これによって誘電泳動効果が得られる。これによっ
て、前記4つの電極27aから27dに囲まれたその中
央に、電界の極小部が形成され、捕捉部28が形成され
る。ここで、印加される交流電圧周波数は、数百kHz
から数十MHzであるが、一般的には1MHz程度を用
いる。粒子を捕捉するための印加電圧は、電極間隔、捕
捉する粒子の大きさや誘電率、媒質溶液の導電率、流速
等に依存するが、一般的には、10V以下の電圧を用い
てよい。しかし、これに限られるものではなく、前記条
件等に応じて変更してもよい。
性が異なるように、反転した高周波の交流電圧を加え
る。これによって誘電泳動効果が得られる。これによっ
て、前記4つの電極27aから27dに囲まれたその中
央に、電界の極小部が形成され、捕捉部28が形成され
る。ここで、印加される交流電圧周波数は、数百kHz
から数十MHzであるが、一般的には1MHz程度を用
いる。粒子を捕捉するための印加電圧は、電極間隔、捕
捉する粒子の大きさや誘電率、媒質溶液の導電率、流速
等に依存するが、一般的には、10V以下の電圧を用い
てよい。しかし、これに限られるものではなく、前記条
件等に応じて変更してもよい。
【0048】使用の際は、その表面に目的とする物質と
高親和性に結合できるプローブを固定した粒子を、該捕
捉部28に捕捉した状態で目的の物質の検出を行う。次
に、上述した装置に対して粒子をセットし、プローブア
レイ領域を形成する方法について説明する。
高親和性に結合できるプローブを固定した粒子を、該捕
捉部28に捕捉した状態で目的の物質の検出を行う。次
に、上述した装置に対して粒子をセットし、プローブア
レイ領域を形成する方法について説明する。
【0049】図5aに示すように、まず、第1のプロー
ブ試薬、第2のプローブ試薬および第3のプローブを準
備する。例えば、分析の対象がDNAである場合、粒子
の表面にアビジンを結合させ、このアビジンに対して、
ビオチンを具備した目的のDNAの相補鎖を結合すれば
よい。また、直接に、当該粒子の表面にDNAを結合さ
せてもよい。第1のプローブ試薬、第2のプローブ試薬
および第3のプローブ試薬は、異なるプローブを具備す
る粒子31である。これらを用いることによって、非常
に多くの種類の目的物質について一度に分析することが
可能である。
ブ試薬、第2のプローブ試薬および第3のプローブを準
備する。例えば、分析の対象がDNAである場合、粒子
の表面にアビジンを結合させ、このアビジンに対して、
ビオチンを具備した目的のDNAの相補鎖を結合すれば
よい。また、直接に、当該粒子の表面にDNAを結合さ
せてもよい。第1のプローブ試薬、第2のプローブ試薬
および第3のプローブ試薬は、異なるプローブを具備す
る粒子31である。これらを用いることによって、非常
に多くの種類の目的物質について一度に分析することが
可能である。
【0050】次に、上述した図2に示す装置の捕捉手段
23に該プローブ試薬31aをセットする。図5bに示
すように、本例においては、捕捉手段23は、3行3列
で配置され、各行は右から第1組、第2組および第3組
であり、各組は3つの捕捉手段23を具備する。まず、
第1組に対して第1のプローブ試薬31aをセットす
る。その場合、第1組以外の捕捉手段3の印加は行わ
ず、第1組の捕捉手段23aの印加のみを行う。この状
態で、第1のプローブ試薬31aを表面に形成した粒子
を流路22に導入する(図5b)。その結果、第1組に
具備される捕捉手段23aにのみ、第1のプローブ試薬
31aが捕捉される。
23に該プローブ試薬31aをセットする。図5bに示
すように、本例においては、捕捉手段23は、3行3列
で配置され、各行は右から第1組、第2組および第3組
であり、各組は3つの捕捉手段23を具備する。まず、
第1組に対して第1のプローブ試薬31aをセットす
る。その場合、第1組以外の捕捉手段3の印加は行わ
ず、第1組の捕捉手段23aの印加のみを行う。この状
態で、第1のプローブ試薬31aを表面に形成した粒子
を流路22に導入する(図5b)。その結果、第1組に
具備される捕捉手段23aにのみ、第1のプローブ試薬
31aが捕捉される。
【0051】次に、図5cに示すように、第1組の捕捉
手段22aの印加を行ったまま、流路内に含まれる捕捉
されていない過剰な第1のプローブ31aを洗い流す。
手段22aの印加を行ったまま、流路内に含まれる捕捉
されていない過剰な第1のプローブ31aを洗い流す。
【0052】続いて、図5dに示すように、第1組の捕
捉手段23aの印加を行ったままで第2組の捕捉手段2
3bの印加を行う。その状態で第2のプローブ31bを
該流路22に導入し、第2組の捕捉手段23bに第2の
プローブ31bを捕捉させる。その後、第1組と第2組
の印加を行ったままで、該流路内の第2のプローブ31
bを洗い流す。
捉手段23aの印加を行ったままで第2組の捕捉手段2
3bの印加を行う。その状態で第2のプローブ31bを
該流路22に導入し、第2組の捕捉手段23bに第2の
プローブ31bを捕捉させる。その後、第1組と第2組
の印加を行ったままで、該流路内の第2のプローブ31
bを洗い流す。
【0053】更に、同様の操作を行って、第3のプロー
ブ31cを第3組の捕捉手段23cに捕捉させ、洗浄す
る(図5fおよびg)。
ブ31cを第3組の捕捉手段23cに捕捉させ、洗浄す
る(図5fおよびg)。
【0054】本例では、3種類のプローブ試薬を用いて
いるが、これに限定するものではなく、1以上の所望す
る種類のプローブ試薬を用いてよい。また、捕捉手段2
3の配列も3行3列に限るものではなく、所望する配列
で具備させることが可能である。また、各組に含まれる
捕捉手段23の数を等しくする必要も、および組毎に纏
めて配置する必要は必ずしもなく、所望に応じて変更す
ることが可能である。
いるが、これに限定するものではなく、1以上の所望す
る種類のプローブ試薬を用いてよい。また、捕捉手段2
3の配列も3行3列に限るものではなく、所望する配列
で具備させることが可能である。また、各組に含まれる
捕捉手段23の数を等しくする必要も、および組毎に纏
めて配置する必要は必ずしもなく、所望に応じて変更す
ることが可能である。
【0055】また、プローブ試薬の種類が変更された場
合には、その数に応じて上述の操作の回数を増減するこ
とによって目的の装置が製造できる。
合には、その数に応じて上述の操作の回数を増減するこ
とによって目的の装置が製造できる。
【0056】上述の例では、1つの捕捉手段23に対し
て、プローブ試薬31である1粒子が捕捉される。しか
しながら、必要であれば1捕捉手段23に対して複数の
粒子31が捕捉されてもよい。
て、プローブ試薬31である1粒子が捕捉される。しか
しながら、必要であれば1捕捉手段23に対して複数の
粒子31が捕捉されてもよい。
【0057】更に、使用するプローブは、DNAプロー
ブに限るものではなく、その他の核酸分子プローブ、抗
原若しくは抗体、またはその他の免疫関連物質等を用い
てもよい。
ブに限るものではなく、その他の核酸分子プローブ、抗
原若しくは抗体、またはその他の免疫関連物質等を用い
てもよい。
【0058】次に、このようなプローブアレイ領域を具
備する装置を用いての生化学的分析を行う方法を説明す
る。当該流路22に試料を導入し、温度制御した状態
で、プローブと標的物質との結合反応を行う。
備する装置を用いての生化学的分析を行う方法を説明す
る。当該流路22に試料を導入し、温度制御した状態
で、プローブと標的物質との結合反応を行う。
【0059】例えば、標的物質として特定の配列を有す
るDNAを検出する場合、その配列に相補的な配列のプ
ローブが該粒子に固定されている。まず、試料に含まれ
る被検DNAに対して蛍光標識を行う。この蛍光標識は
一般的に使用される何れの方法によっても行ってよい。
るDNAを検出する場合、その配列に相補的な配列のプ
ローブが該粒子に固定されている。まず、試料に含まれ
る被検DNAに対して蛍光標識を行う。この蛍光標識は
一般的に使用される何れの方法によっても行ってよい。
【0060】標識化の後、標識化被検DNAを含む試薬
を流路22に導入する。15℃から25℃程度の低温に
おいてハイブリダイゼーション反応を行う。反応処理
後、未反応の被検試薬を洗い流す。次に、標識物質の蛍
光を検出することによって、捕捉手段23に捕捉された
プローブ試薬に結合した物質があるか否かを検出する。
を流路22に導入する。15℃から25℃程度の低温に
おいてハイブリダイゼーション反応を行う。反応処理
後、未反応の被検試薬を洗い流す。次に、標識物質の蛍
光を検出することによって、捕捉手段23に捕捉された
プローブ試薬に結合した物質があるか否かを検出する。
【0061】蛍光物質の検出は、一般的に蛍光を検出す
ることが可能な手段を用いることが可能であり、例え
ば、共焦点顕微鏡、光電子増倍管およびCCDカメラ等
を用いて検出することが可能である。
ることが可能な手段を用いることが可能であり、例え
ば、共焦点顕微鏡、光電子増倍管およびCCDカメラ等
を用いて検出することが可能である。
【0062】各プローブ試薬に具備されるプローブは既
知物質であるので、蛍光を検出することによって、試料
に含まれる物質を分析することが可能となる。
知物質であるので、蛍光を検出することによって、試料
に含まれる物質を分析することが可能となる。
【0063】このような分析を行った後、特定のプロー
ブ試薬に結合した被検物質を回収することが可能であ
る。即ち、目的とするプローブ試薬の捕捉された捕捉手
段23の印加を中止すれば、該プローブ試薬のみが遊離
するので、これを回収すればよい。
ブ試薬に結合した被検物質を回収することが可能であ
る。即ち、目的とするプローブ試薬の捕捉された捕捉手
段23の印加を中止すれば、該プローブ試薬のみが遊離
するので、これを回収すればよい。
【0064】この例では、標識物質として蛍光物質を使
用した例を説明したが、これに限るものではなく、化学
発光物質、ラジオアイソトープおよび色素等、一般的に
標識物質として使用される何れの標識物質を使用しても
よい。
用した例を説明したが、これに限るものではなく、化学
発光物質、ラジオアイソトープおよび色素等、一般的に
標識物質として使用される何れの標識物質を使用しても
よい。
【0065】また、本例では、プローブアレイ領域を形
成するための捕捉手段にプローブ試薬を捕捉した状態
で、試料との反応および検出を行った例を示したが、所
望の組の捕捉を解除してから反応および/または検出を
行ってもよい。
成するための捕捉手段にプローブ試薬を捕捉した状態
で、試料との反応および検出を行った例を示したが、所
望の組の捕捉を解除してから反応および/または検出を
行ってもよい。
【0066】本例では、流路に接する基板21の表面に
電極を配置したが、このように流路22に直接的に接し
ておらず、基板21の内部に電極を配置してもよい。ま
た、電極の配置は、基板24の表面または内部であって
もよい。また、電極の配置する位置は、流路22の内部
の所望する部位に誘電泳動効果を生じ得る何れの位置で
もよい。
電極を配置したが、このように流路22に直接的に接し
ておらず、基板21の内部に電極を配置してもよい。ま
た、電極の配置は、基板24の表面または内部であって
もよい。また、電極の配置する位置は、流路22の内部
の所望する部位に誘電泳動効果を生じ得る何れの位置で
もよい。
【0067】また、上述した装置に加えて、捕捉手段の
近くに温度を制御する手段や、発光および/または受光
素子等のセンサ(即ち、反応の有無を検出するためのセ
ンサである)を配置してもよい。このような構成を取る
ことによって、装置を小型化することが可能である。
近くに温度を制御する手段や、発光および/または受光
素子等のセンサ(即ち、反応の有無を検出するためのセ
ンサである)を配置してもよい。このような構成を取る
ことによって、装置を小型化することが可能である。
【0068】また、上述した本例の装置では、導入口2
5と排出口26を設けたが、これらを1つの開口部によ
って代用することも可能である。また、プローブ試薬と
試料の導入口を夫々に設けてもよい。
5と排出口26を設けたが、これらを1つの開口部によ
って代用することも可能である。また、プローブ試薬と
試料の導入口を夫々に設けてもよい。
【0069】また、本例では、同性質の粒子を用いて、
捕捉手段23への印加の有無で捕捉の制御を行った例を
示したが、予めプローブ試薬の種類毎に粒子の性質を変
更し、且つ夫々の捕捉手段による誘電誘導効果にも該特
性に応じて差別化を行っておくことにより、複数のプロ
ーブ試薬を一度に捕捉手段にセットすることが可能であ
る。例えば、そのような粒子の特性は、大きさおよび誘
電率等である。捕捉手段23の誘電誘導効果を変更する
ためには、該捕捉手段23に具備される電極の周波数お
よび/または電圧を変更すればよい。
捕捉手段23への印加の有無で捕捉の制御を行った例を
示したが、予めプローブ試薬の種類毎に粒子の性質を変
更し、且つ夫々の捕捉手段による誘電誘導効果にも該特
性に応じて差別化を行っておくことにより、複数のプロ
ーブ試薬を一度に捕捉手段にセットすることが可能であ
る。例えば、そのような粒子の特性は、大きさおよび誘
電率等である。捕捉手段23の誘電誘導効果を変更する
ためには、該捕捉手段23に具備される電極の周波数お
よび/または電圧を変更すればよい。
【0070】また、当該装置を構成する基板21と24
の形状は、このような矩形に限るものではなく、管状で
あっても、円筒状であってもよい、また他の形状であっ
てもよい。また、基板は、一体化されていても、2以上
のパーツからなってもよい。
の形状は、このような矩形に限るものではなく、管状で
あっても、円筒状であってもよい、また他の形状であっ
てもよい。また、基板は、一体化されていても、2以上
のパーツからなってもよい。
【0071】例2 第1の例の装置は、捕捉手段を形成する電極の数を増減
することも可能である。本例は、第1の例の装置の電極
を増加した例である。本例を図6AおよびB、並びに図
7に示す。
することも可能である。本例は、第1の例の装置の電極
を増加した例である。本例を図6AおよびB、並びに図
7に示す。
【0072】この例の装置における捕捉手段43は、流
路42を挟んた上下の面に、電極43aと電極43bを
向かい合って配置することにより形成される。このよう
に電極を配置した場合、粒子は夫々の1組の電極の中間
点に捕捉される。電極の配置以外には、本例は第1の例
の装置と同様であり、第1の例に準じて製造および変更
することが可能である。
路42を挟んた上下の面に、電極43aと電極43bを
向かい合って配置することにより形成される。このよう
に電極を配置した場合、粒子は夫々の1組の電極の中間
点に捕捉される。電極の配置以外には、本例は第1の例
の装置と同様であり、第1の例に準じて製造および変更
することが可能である。
【0073】例3 第3の例を図8AおよびBを用いて説明する。第3の例
は、捕捉手段53を電磁石を用いて構成することと、粒
子の少なくとも1部が磁性体を有すること以外は、例1
および2と同様に製造すること、および変更を施すこと
が可能である(図8AおよびB)。
は、捕捉手段53を電磁石を用いて構成することと、粒
子の少なくとも1部が磁性体を有すること以外は、例1
および2と同様に製造すること、および変更を施すこと
が可能である(図8AおよびB)。
【0074】基板50および/または54に多数の捕捉
手段53を配置するためには、捕捉手段53を構成する
電磁石をある程度微小なものにする必要がある。微小な
電磁石の製造方法の例を図9AからFに示す。ここで、
製造工程は、図9A、9Bおよび9Cの順に進行する。
図9Bは図9Aの断面図、図9Dは図9Cの断面図、図
9Fは図9Eの断面図である。
手段53を配置するためには、捕捉手段53を構成する
電磁石をある程度微小なものにする必要がある。微小な
電磁石の製造方法の例を図9AからFに示す。ここで、
製造工程は、図9A、9Bおよび9Cの順に進行する。
図9Bは図9Aの断面図、図9Dは図9Cの断面図、図
9Fは図9Eの断面図である。
【0075】まず、図9AおよびBに示すように、基板
60にコアとなるFe−Ne合金等による支柱状パター
ン61をメッキ法等を用いて形成する(図9Aおよび
B)。続いて前記コア部61を中心にして、銅および金
等によるコイル状パターン62を同様にメッキ法等によ
り形成する(図9CおよびD)。次に、当該パターンを
覆うように酸化シリコン膜またはポリイミド等による絶
縁膜63を形成する(図9CおよびD)。更に、前記絶
縁膜63を通過してコイル状パターン62の始点64と
終点65のコンタクトホール66を形成する(図9Cお
よびD)。最後に、金、白金、銅またはアルミ等による
配線パターン67を、前記コンタクトホール66から基
板60の周辺部へと伸びるように形成する(図9Eおよ
びF)。
60にコアとなるFe−Ne合金等による支柱状パター
ン61をメッキ法等を用いて形成する(図9Aおよび
B)。続いて前記コア部61を中心にして、銅および金
等によるコイル状パターン62を同様にメッキ法等によ
り形成する(図9CおよびD)。次に、当該パターンを
覆うように酸化シリコン膜またはポリイミド等による絶
縁膜63を形成する(図9CおよびD)。更に、前記絶
縁膜63を通過してコイル状パターン62の始点64と
終点65のコンタクトホール66を形成する(図9Cお
よびD)。最後に、金、白金、銅またはアルミ等による
配線パターン67を、前記コンタクトホール66から基
板60の周辺部へと伸びるように形成する(図9Eおよ
びF)。
【0076】磁力は、ガラス、シリコン、プラスチック
類およびポリマー類を貫いて作用する。従って、本実施
の形態に示す装置は、捕捉手段を形成した基板と、流路
を形成した基板とを一体化した装置である必要は必ずし
もない。従って、捕捉手段を有する第1の基板と、流路
を形成した第2の基板を重ね合わせることにより構成し
てもよい。第1の基板は、使用後に第2の基板と分離さ
れ、再度使用され得る。このように流路を形成する基板
を交換すれば、流路の洗浄不備による試料の混合により
生じる問題や、コストパフォーマンスを改善することが
できる。
類およびポリマー類を貫いて作用する。従って、本実施
の形態に示す装置は、捕捉手段を形成した基板と、流路
を形成した基板とを一体化した装置である必要は必ずし
もない。従って、捕捉手段を有する第1の基板と、流路
を形成した第2の基板を重ね合わせることにより構成し
てもよい。第1の基板は、使用後に第2の基板と分離さ
れ、再度使用され得る。このように流路を形成する基板
を交換すれば、流路の洗浄不備による試料の混合により
生じる問題や、コストパフォーマンスを改善することが
できる。
【0077】例4 第4の態様は、上述の例1から例3の何れかの構成に、
更に、流体噴出口を加えた装置である。第4の例を図1
0を用いて説明する。
更に、流体噴出口を加えた装置である。第4の例を図1
0を用いて説明する。
【0078】図10に示す装置は、当該流体噴出口77
を具備する以外は、上述の例1から例3に準じて製造す
ること、および変更を加えることが可能である。流体噴
出口77は、そこから気体または液体等の流体を噴出す
るための開口部である。流体噴出口77からの流体の噴
出によって、流路72に含まれる液体を撹拌することが
可能である。流体噴出口77は、捕捉手段73の近傍に
配置される。図10に示す通り、本例の装置は、流路7
2内の底面に、各捕捉手段73の近傍に、各捕捉手段7
3毎に流体噴出口77が配置されている。また、流体噴
出口77は、各捕捉手段73の導入口75側に配置され
る。
を具備する以外は、上述の例1から例3に準じて製造す
ること、および変更を加えることが可能である。流体噴
出口77は、そこから気体または液体等の流体を噴出す
るための開口部である。流体噴出口77からの流体の噴
出によって、流路72に含まれる液体を撹拌することが
可能である。流体噴出口77は、捕捉手段73の近傍に
配置される。図10に示す通り、本例の装置は、流路7
2内の底面に、各捕捉手段73の近傍に、各捕捉手段7
3毎に流体噴出口77が配置されている。また、流体噴
出口77は、各捕捉手段73の導入口75側に配置され
る。
【0079】このような流体噴出口77の設置により、
流路72内の流体は首尾よく撹拌される。従って、プロ
ーブ試薬である粒子を、捕捉手段73に捕捉する場合に
有用である。例えば、余分な粒子が、流路72内に滞っ
ていたとしても、その滞留を改善することが可能であ
る。
流路72内の流体は首尾よく撹拌される。従って、プロ
ーブ試薬である粒子を、捕捉手段73に捕捉する場合に
有用である。例えば、余分な粒子が、流路72内に滞っ
ていたとしても、その滞留を改善することが可能であ
る。
【0080】各流体噴出口77は、流体送達手段により
送達される流体を流路72に噴出する。流体送達手段
は、流体噴出口77に流体を送達するための手段であ
り、図10に示した態様では、流体の噴出量を制御する
ことが可能なバルブ79を具備した送達路78により流
体送達手段が形成される。
送達される流体を流路72に噴出する。流体送達手段
は、流体噴出口77に流体を送達するための手段であ
り、図10に示した態様では、流体の噴出量を制御する
ことが可能なバルブ79を具備した送達路78により流
体送達手段が形成される。
【0081】しかしながら、流体送達手段は、流体噴出
口77に流体を送達することが可能な手段であれば他の
どのような手段であってもよい。送達路78は、合成樹
脂製の各種チューブであっても、金属製の管状構造物で
あっても、またはガラス管で構成されてもよい。前記バ
ルブ79は、一般的に使用される流路の中を流れる流体
の流量を制御することが可能なバルブ手段であればよ
い。また、流体噴出口77からの流体の噴出量および速
度は目的に応じて調節されてよい。当該調節は、それ自
体公知の流体噴出を制御する手段を使用することが可能
である。
口77に流体を送達することが可能な手段であれば他の
どのような手段であってもよい。送達路78は、合成樹
脂製の各種チューブであっても、金属製の管状構造物で
あっても、またはガラス管で構成されてもよい。前記バ
ルブ79は、一般的に使用される流路の中を流れる流体
の流量を制御することが可能なバルブ手段であればよ
い。また、流体噴出口77からの流体の噴出量および速
度は目的に応じて調節されてよい。当該調節は、それ自
体公知の流体噴出を制御する手段を使用することが可能
である。
【0082】また、図10では、流体噴出口77は、流
路72の底面に形成されているが、これに限るものでは
なく、流体噴出口77は、基板74に形成しても、基板
71の壁部に形成してもよい。また、配置する流体噴出
口77の数は、上述したように、1つの捕捉手段73に
対して1つとする必要は必ずしもなく、所望に応じて配
置することが可能である。
路72の底面に形成されているが、これに限るものでは
なく、流体噴出口77は、基板74に形成しても、基板
71の壁部に形成してもよい。また、配置する流体噴出
口77の数は、上述したように、1つの捕捉手段73に
対して1つとする必要は必ずしもなく、所望に応じて配
置することが可能である。
【0083】例5 本例は、図11に示すように、捕捉手段73の周囲の4
箇所に流体噴出口77を具備する装置である。
箇所に流体噴出口77を具備する装置である。
【0084】本例の装置は、当該流体噴出口77を具備
する以外は、上述の例1から例4に準じて製造および変
更することが可能である。流体噴出口77は、そこから
気体または液体等の流体を噴出するための開口部であ
る。
する以外は、上述の例1から例4に準じて製造および変
更することが可能である。流体噴出口77は、そこから
気体または液体等の流体を噴出するための開口部であ
る。
【0085】本例では、捕捉手段73の近傍にこれを取
り囲むように流体噴出口77が配置されている。1つの
捕捉手段73に具備される4つの流体噴出口77に具備
される送達路78は、バルブ79の手前で合流される。
従って、流体噴出口77の噴出量および噴出速度は、捕
捉手段73毎に調節することが可能である。
り囲むように流体噴出口77が配置されている。1つの
捕捉手段73に具備される4つの流体噴出口77に具備
される送達路78は、バルブ79の手前で合流される。
従って、流体噴出口77の噴出量および噴出速度は、捕
捉手段73毎に調節することが可能である。
【0086】このような構成の装置は、複数のプローブ
試薬をその種類毎に特定の捕捉手段73に確実に捕捉す
るために有効である。本例は、例えば、次のように使用
することが可能である。
試薬をその種類毎に特定の捕捉手段73に確実に捕捉す
るために有効である。本例は、例えば、次のように使用
することが可能である。
【0087】図1と図11を参照されたい。本例を用い
て図1に示す操作を行う場合について説明する。先ず、
工程aで調製したプローブ試薬を、工程bにおいて第1
組の捕捉手段で捕捉する。工程cで該流路を洗浄する。
この後に、第1組の捕捉手段73に具備される流体噴出
口77から、流体を噴出させる。該噴出を維持したまま
の状態で、工程dの第2組の捕捉手段73へのプローブ
試薬の捕捉を行う。工程eの洗浄を、該噴出を維持した
ままで行う。続いて、第2組の捕捉手段73に具備され
る流体噴出口77から、流体を噴出させる。以下の工程
を同様に繰り返して所望する組数の捕捉を行う。
て図1に示す操作を行う場合について説明する。先ず、
工程aで調製したプローブ試薬を、工程bにおいて第1
組の捕捉手段で捕捉する。工程cで該流路を洗浄する。
この後に、第1組の捕捉手段73に具備される流体噴出
口77から、流体を噴出させる。該噴出を維持したまま
の状態で、工程dの第2組の捕捉手段73へのプローブ
試薬の捕捉を行う。工程eの洗浄を、該噴出を維持した
ままで行う。続いて、第2組の捕捉手段73に具備され
る流体噴出口77から、流体を噴出させる。以下の工程
を同様に繰り返して所望する組数の捕捉を行う。
【0088】このように捕捉を行うことにより、既に粒
子を捕捉した捕捉手段73に本来目的としないプローブ
試薬が更に捕捉されるのが防げる。即ち、噴出口77か
ら噴出される流体の流れが、捕捉手段73の周囲にバリ
アを提供する。それにより該バリアよりも内側へは、余
計な粒子は入り込まない。従ってこの場合、噴出口77
は、バリア手段として機能すると言える。
子を捕捉した捕捉手段73に本来目的としないプローブ
試薬が更に捕捉されるのが防げる。即ち、噴出口77か
ら噴出される流体の流れが、捕捉手段73の周囲にバリ
アを提供する。それにより該バリアよりも内側へは、余
計な粒子は入り込まない。従ってこの場合、噴出口77
は、バリア手段として機能すると言える。
【0089】本例では、捕捉手段73毎に流体噴出口7
7の制御を行える構成としたが、流体噴出口77毎に制
御できるようにしても、該組毎に制御できるようにして
もよい。
7の制御を行える構成としたが、流体噴出口77毎に制
御できるようにしても、該組毎に制御できるようにして
もよい。
【0090】また、撹拌手段としての流体噴出口77と
バリア手段としての流体噴出口77を、1つの装置内に
同時に配置してもよく、その場合、1つの流体噴出口7
7で両方の役割を担っても、役割毎に別途配置してもよ
い。
バリア手段としての流体噴出口77を、1つの装置内に
同時に配置してもよく、その場合、1つの流体噴出口7
7で両方の役割を担っても、役割毎に別途配置してもよ
い。
【0091】以上、本発明の態様について記載したが、
これらの例は例示の目的で開示するのであり、本発明を
何ら制限するものではない。また、本発明の構成は、本
発明の範囲を超えない限り、どのように変更してもよ
い。
これらの例は例示の目的で開示するのであり、本発明を
何ら制限するものではない。また、本発明の構成は、本
発明の範囲を超えない限り、どのように変更してもよ
い。
【0092】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、多
種類の物質、例えば、複数のDNAおよびRNA等の核
酸、並びに抗原および抗体等、を試料から一度に検出す
ることが可能であり、且つ検出した後に目的とする物質
のみを特異的に且つ容易に回収することができる方法お
よびその方法を行うための装置が提供される。また、本
発明の装置は、従来の装置に比べて容易に製造すること
が可能である。また、使用者の設計に応じて自由に且つ
容易に装置を構成および変更することが可能である。
種類の物質、例えば、複数のDNAおよびRNA等の核
酸、並びに抗原および抗体等、を試料から一度に検出す
ることが可能であり、且つ検出した後に目的とする物質
のみを特異的に且つ容易に回収することができる方法お
よびその方法を行うための装置が提供される。また、本
発明の装置は、従来の装置に比べて容易に製造すること
が可能である。また、使用者の設計に応じて自由に且つ
容易に装置を構成および変更することが可能である。
【図1】本発明の態様に従う生化学分析方法を示すスキ
ーム図。
ーム図。
【図2】本発明の態様に従う装置を示す図であって、A
は平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
は平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
【図3】本発明の態様に従う電極を用いた捕捉手段を示
す図。
す図。
【図4】誘電誘導効果の模式図。
【図5】本発明の態様に従う生化学分析方法を示すスキ
ーム図。
ーム図。
【図6】本発明の態様に従う装置を示す図であって、A
は平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
は平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
【図7】本発明の態様に従う電極を用いた捕捉手段を示
す図。
す図。
【図8】本発明の態様に従う装置を示す図であって、A
は平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
は平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
【図9】本発明の態様に従う電磁石の製造方法の1例を
示す図であって、A、CおよびEは平面図、並びにB、
DおよびFは、夫々線B−B、線D−Dおよび線F−F
に沿った断面図。
示す図であって、A、CおよびEは平面図、並びにB、
DおよびFは、夫々線B−B、線D−Dおよび線F−F
に沿った断面図。
【図10】本発明の態様に従う装置を示す図であって、
Aは平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
Aは平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
【図11】本発明の態様に従う装置を示す図であって、
Aは平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
Aは平面図、Bは線B−Bに沿った断面図。
1.反応部 2.捕捉手段 3.第1のプローブ試
薬に含まれる粒子 4.第2のプローブ試薬に含まれ
る粒子 5.第nのプローブ試薬に含まれる粒子
21.基板 22.流路 23.捕捉手段 2
4.基板 25.導入口 26.排出口 27.
電極 28.捕捉部 29.基板 30.電極
31.粒子 47.電極 53.捕捉手段 7
7.流体噴出口
薬に含まれる粒子 4.第2のプローブ試薬に含まれ
る粒子 5.第nのプローブ試薬に含まれる粒子
21.基板 22.流路 23.捕捉手段 2
4.基板 25.導入口 26.排出口 27.
電極 28.捕捉部 29.基板 30.電極
31.粒子 47.電極 53.捕捉手段 7
7.流体噴出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/553 33/553 33/566 33/566 37/00 102 37/00 102 C12N 15/00 F
Claims (9)
- 【請求項1】 プローブを具備した粒子が捕捉手段によ
り、そこにおいて反応を行う反応部に維持される装置で
あって、前記捕捉手段の捕捉機能が印加によって制御さ
れることを特徴とする装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、前記捕
捉手段が電極からなり、前記粒子が誘電体であり、且つ
前記捕捉が誘電泳動効果により得られることを特徴とす
る装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の装置であって、前記捕
捉手段が電磁石からなり、前記粒子が磁性体であること
を特徴とする装置。 - 【請求項4】 請求項1から3の何れか1項に記載の装
置を製造する方法であって、 (1) 粒子にプローブを固定化することと、 (2) (1)で得られた粒子を前記反応部に添加する
ことと、 (3) 前記反応部に具備される捕捉手段に印可して前
記粒子を捕捉し、それにより前記反応部に粒子を維持す
ることによって前記装置を製造することと、を具備する
方法。 - 【請求項5】 請求項1から3の何れか1項に記載の装
置を製造する方法であって、 (1) 第1から第nまでの粒子に第1から第nのプロ
ーブを、夫々種類毎に固定化することと(ここで、nは
整数である)、 (2) (1)で得られた第1の粒子を前記反応部に添
加することと、 (3) 前記反応部に具備される第1の捕捉手段に印加
して前記第1の粒子を捕捉することと、 (4) 反応部内の余分な第1の粒子を取り除くこと
と、 (5) (1)で得られた第2の粒子を前記反応部に添
加することと、 (6) 前記反応部に具備される第2の捕捉手段に印加
して前記第2の粒子を捕捉することと、 (7) 反応部内の余分な第2の粒子を取り除くこと
と、 (8) (1)で得られた第nの粒子を前記反応部に添
加することと、 (9) 前記反応部に具備される第nの捕捉手段に印加
して前記第nの粒子を捕捉することによって前記装置を
製造することと、を具備する方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の製造方法であって、前
記各粒子を前記各捕捉手段に維持した後に、洗浄する工
程が更に具備されることを特徴とする方法。 - 【請求項7】 請求項1から3の何れか1項に記載の装
置により標的物質を検出するための方法であって、前記
プローブは標的物質に特異的に結合するプローブであ
り、全ての捕捉手段への印加を維持したままで以下の操
作を行うことを特徴とする方法; (1) 前記標的物質に標識物質で標識することと、 (2) 前記粒子に具備されるプローブと前記標的物質
を結合させることと、 (3) 前記標識物質を検出することによって標的物質
を検出することと、を具備する方法。 - 【請求項8】 請求項1から3の何れか1項に記載の装
置により標的物質を回収するための方法であって、前記
プローブは標的物質に特異的に結合するプローブであ
り、且つ以下の操作を行うことを特徴とする方法; (1) 前記標的物質に標識物質で標識することと、 (2) 前記粒子に具備されるプローブと前記標的物質
を結合させることと、 (3) 前記標識物質を検出することによって標的物質
を検出することと、 (4) 回収しようとする標的物質が捕捉されている捕
捉手段のみの印加を中止して、標的物質を遊離すること
と、 (5) 遊離した標的物質を回収することと、を具備す
る方法。 - 【請求項9】 そこにおいて反応を行うための反応部
に、印加によりその捕捉機能が制御される捕捉手段を具
備する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001088381A JP2002281967A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 印加によりその捕捉機能が制御できる捕捉手段を具備する生化学分析装置およびその装置を用いた生化学分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001088381A JP2002281967A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 印加によりその捕捉機能が制御できる捕捉手段を具備する生化学分析装置およびその装置を用いた生化学分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002281967A true JP2002281967A (ja) | 2002-10-02 |
Family
ID=18943487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001088381A Withdrawn JP2002281967A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 印加によりその捕捉機能が制御できる捕捉手段を具備する生化学分析装置およびその装置を用いた生化学分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002281967A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006098169A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Fujitsu Ltd | 被検体定量デバイスおよび被検体定量方法 |
JP2007010566A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-01-18 | Sony Corp | 相互作用検出部、バイオアッセイ用基板、及びそれらに係わる方法 |
JP2007279048A (ja) * | 2006-04-10 | 2007-10-25 | Skc Co Ltd | マイクロ粒子計数用プラスチックマイクロチップとその製造方法 |
JP2010008096A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Kyoto Institute Of Technology | マイクロアレイ用基板及びその製造方法 |
JP2017142225A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 誘電泳動による被検物質の検出 |
-
2001
- 2001-03-26 JP JP2001088381A patent/JP2002281967A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006098169A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Fujitsu Ltd | 被検体定量デバイスおよび被検体定量方法 |
JP2007010566A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-01-18 | Sony Corp | 相互作用検出部、バイオアッセイ用基板、及びそれらに係わる方法 |
JP2007279048A (ja) * | 2006-04-10 | 2007-10-25 | Skc Co Ltd | マイクロ粒子計数用プラスチックマイクロチップとその製造方法 |
JP2010008096A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Kyoto Institute Of Technology | マイクロアレイ用基板及びその製造方法 |
JP2017142225A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 誘電泳動による被検物質の検出 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |