JP2002280530A - 宇宙線ソフトエラー率の計算方法 - Google Patents
宇宙線ソフトエラー率の計算方法Info
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Abstract
度の高い電荷収集計算の実行を可能にする。 【解決手段】 三次元のデバイスシミュレーションから
得られた結果を基に、電荷収集計算が再現できる収集モ
デルを構築し、そのモデルをモンテカルロシミュレーシ
ョンの電荷収集計算部に組込む。
Description
体記憶装置のソフトエラー抑制の基礎となる、中性子や
陽子やπ中間子などの宇宙線ソフトエラー率の計算方法
に関する。
フトエラーは、充填材中のウラン・トリチウム等の放射
性元素の原子が崩壊して発生するα線が、pn接合を通
過した際に生じる電子・正孔対が記憶素子部分に流入
し、ビット反転、つまり「0」を「1」、或いは、
「1」を「0」にすることに起因する。このα線ソフト
エラー対策としては、放射性元素による汚染を防ぐこと
で解決が図られていた。
因によるソフトエラー現象も問題になってきている。こ
の現象がα線ソフトエラー並かそれ以上の重大事である
と認識されたのは、T. J. O'Gorman,"The Effect of Co
smic Rays on the Soft Error Rate of a DRAM at grou
ndlevel", IEEE Electron Dev., vol. ED-41, p.533,
1994 以降である。地上に降り注ぐ宇宙線の中性子が半
導体をなす原子(例えば、シリコン)と衝突し、原子核
が壊れて高エネルギーの二次粒子を発生し、それが走行
することでα線同様に電子・正孔対を発生させるため、
ソフトエラーに繋がる。このソフトエラーは、原因が宇
宙から降り注ぐ透過力の強い中性子のために、放射性元
素による汚染を防ぐ手法では対応できない。更に航空機
の飛行する高高度では、中性子数は増加し、同じく宇宙
線である陽子やπ中間子によるソフトエラーも生じる。
は不純物分布・電位分布、記憶素子の配置をソフトエラ
ーに強くなるように設定しなければならない。そのため
には、前もってこのような半導体記憶装置の構造におけ
るソフトエラー率が予測できなければならない。
モンテカルロシミュレーションを用いて、宇宙線起因の
イオン化した二次粒子が有感度領域体積を横切る際の電
荷を収集して、臨界電荷量以上の発生電荷が生じた時を
ソフトエラーとして判定して、そのイベントを平均し
て、エラー率を判定する方法がある。文献としては、P.
C. Murley and G. R. Srinivasan,"Soft-error Monte C
arlo modering program, SEMM",IBM J. Res. Develop.
Vol. 40, No. 1, p.109, 1996や、Y. Tosaka etal.,"Im
pact of Cosmic Ray Neutron Induced Soft Errors on
Advanced Submicron CMOS circuits",1996 Symp. VLSI
Technology Dig. Tech. Papers, p.148が上げられる。
ミュレーションにおける電荷収集は、本来なら拡散領域
に発生した、二次粒子の飛跡付近に発生した電荷をその
まま収集するものであるが、電荷収集はドリフト拡散に
よるものとファンネリング効果による組み合わせであ
り、拡散領域のみで発生した電荷量では、そのまま収集
電荷量と見なせないため、有感度領域を拡散領域の外に
広げ、且つ、収集自体は小さくなるように電荷収集補正
係数、つまりフィッティング・パラメータをつけて、数
値整合させている。
は、ファネリング効果の存在による。なぜなら、ファン
ネリング効果は、pn接合付近において、イオン粒子の
飛跡に数百万組の電子正孔対が発生した場合において、
正孔がn+型拡散領域からp型ウェル領域に移動するこ
とは、npnトランジスタにおいて、ベースに正孔が注
入されるようなもので、ドリフト拡散よりも短時間で広
域に渡って、p型ウェル領域中の電子をn+型拡散領域
に収集させる効果であるためである(実際には、正孔が
p型ウェル領域に収集される効果も同時に存在している
ので、その相乗効果である)。
組み込むことは、同じ発生電荷量でも、二次粒子の飛跡
の入射位置や向きによって収集率が変化することを意味
する。
ェル領域の下にn型ウェル領域を形成し、且つ前記n型
ウェル領域−p型ウェル領域間に逆バイアスを印加した
場合には、n型ウェル領域にも電子が収集されるため
に、更に電荷収集問題は複雑となる。
カルロシミュレーションにおける電荷収集計算部分にお
いて、前述のように、有感度領域を固定し、電荷収集補
正係数を掛ける手法を用いれば、簡便で高速に計算でき
ることになる。しかし、精度に問題が生じ、デバイスの
製造プロセスや素子配置が異なる世代では、電荷収集補
正係数を検証し、場合によっては再度フィッティングに
よって値を改める必要がある。
とすれば、二次粒子一個につき三次元のデバイスシミュ
レーションによる過渡解析による電荷収集計算を一回行
わなけれならない。現段階のデバイスシミュレーション
では一回につき数時間は必要である。モンテカルロシミ
ュレーションの一イベントで一デバイスシミュレーショ
ンを行うということは、全体で数十万イベントであるの
で、数十年の計算になることを意味して現実的ではな
い。
を組み込んだ、宇宙線ソフトエラー率の計算方法を提供
することを目的とする。
達成するため、基本的には、以下に記載されたような技
術構成を採用するものである。
率の計算方法の第1態様は、半導体記憶装置における、
三次元デバイスシミュレーションにおいて、デバイスの
有感度領域の直交する三軸方向から入射する宇宙線起因
の二次粒子の電荷収集率を求め、該電荷収集率と、任意
の方向から来る宇宙線起因の二次粒子が該三軸となす角
度から、該二次粒子の発生電荷がある微小領域で収集さ
れる比率を決定する収集モデルを有することを特徴とす
るものであり、叉、第2態様は、電荷収集部周囲が、デ
バイスの深さ方向とデバイスの動径方向で表現できる円
筒型の半導体記憶装置における三次元デバイスシミュレ
ーションにおいて、デバイスの有感度領域のデバイスの
深さ方向と動径方向から入射する宇宙線起因の二次粒子
の電荷収集率を求め、該電荷収集率と、任意の方向から
来る宇宙線起因の二次粒子の深さ方向軸となす角度と、
該二次粒子が動径平面へ投影する線分の中心との最短距
離とから、該二次粒子の発生電荷がある微小領域で収集
される比率を決定する収集モデルを有することを特徴と
するものであり、叉、第3態様は、宇宙線起因の二次粒
子の飛程を、デバイス内の有感度領域に収まる最大線分
の10分の1以下の長さ以下の線分に分け、発生電荷量
を平均的に、それぞれの線分に振り分けることを特徴と
するものであり、叉、第4態様は、宇宙線起因の二次粒
子の飛程を、デバイス内の有感度領域に収まる最大線分
の10分の1以下の長さ以下の線分に分け、単位長さ当
りの発生電荷量を該二次粒子の起点から位置の関数とし
て求め、それぞれの線分に振り分けることを特徴とする
ものである。
計算方法は、三次元のデバイスシミュレーションから得
られた結果を基に、電荷収集が再現できる収集モデルを
構築し、そのモデルをモンテカルロシミュレーションの
電荷収集計算部に組込み、高速で現実に即した宇宙線ソ
フトエラー率を計算可能に構成したものである。
例を、図1〜図12を参照して詳細に説明する。
次粒子が通過したとして、その仮想飛程線上で、単位長
さ当り一定の電子・正孔対の電荷Qaveを発生させ、
三次元デバイスシミュレーションで収集電荷を求めるも
のとする。従って、総発生電荷量Qtotalは、シミ
ュレーションの有感度領域中の二次粒子の飛程Lに単位
長さ当りの電荷量Qaveを乗じたものとなる。つまり
次式である。
2(a)は、デバイスシミュレーション内部の有感度領
域を示す立体図面であり、図2(b)は、その断面図を
示す図面である。図2において、3のn型ウェル領域の
上に、4のp型ウェル領域が形成され、4に囲まれる形
で5のn+型拡散層が形成されている。このn+型拡散
層5が、電子を収集する部分となる。
領域の間、及び、3のn型ウェル領域と4のp型領域の
間には、逆バイアスとなる電圧が印加されている。
準は次のとおりである。まず、中心には電荷が収集され
る5のn+型拡散層の中心を重ね、周囲との境は、隣接
するn+型拡散層との中点の位置とする。図2(c)に
示すように、計算領域を前記で決定した有感度領域の周
囲へ拡張し、シミュレーション結果を変動させる電極な
どを6の拡張領域に設置して、デバイスの三次元構築を
行う。二次粒子は、1の有感度領域のみを走るものとす
る。
イスの表面から拡散領域の中心を貫いて垂直に入射した
場合(Z方向)の収集電荷を計算し、その収集電荷量が
設定した深さに依存しなくなる深さ以上のDZとする。
量:Qcollの総発生電荷量:Qtotalに対する
比率とし、前記構築したデバイスの有感度領域に三次元
にメッシュを切って、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向そ
れぞれから二次粒子を入射して電荷収集率を求める。そ
れぞれの収集率は、原点を拡散領域中心の表面部とすれ
ば、それぞれの入射した二次元座標(Y1,Z1)、
(X1,Z1)、(X1,Y1)の関数、Cx(Y1,
Z1)、Cy(X1,Z1)、Cz(X1,Y1)とな
る。以下に、その詳細を述べる。
した場合を示す。図3(a)は上から見たもので、図3
(b)のB、B'の深さの横断面図である。図3(b)
は横から見たもので、図3(a)のA、A'の位置での
断面図である。2の二次粒子が走ることで、7の電子・
8の正孔対が発生する。二次粒子の走行後を、図4
(a)、図4(b)に示す。図4(a)、図4(b)の
断面の位置は、図3(a)、図3(b)と同じである。
100psecから1nsecほど経つと電荷移動は終
了し、図4のように、7の電子は、5のn+型拡散層に
収集され、8の正孔は、4のp型ウェル領域に収集され
る。
向での電荷収集率Cxを示す(電荷は電子)。この場
合、電荷収集率Cxは、入射位置の(Y,Z)に依存す
る。図5の交点がシミュレーション結果であるが、交点
以外での電荷収集率は、周囲四交点から線形補間で求め
られる。
した場合を示す。図6(a)は上から見たもので、図6
(b)のB、B'の深さの横断面図である。図6(b)
は横から見たもので、図6(a)のA、A'の位置での
断面図である。2の二次粒子が走ることで、7の電子・
8の正孔対が発生する。二次粒子の走行後を、図7
(a)、図7(b)に示す。図7(a)、図7(b)の
断面の位置は、図6(a)、図6(b)と同じである。
図7のように、100psecから1nsecほど経つ
と電荷移動は終了し、7の電子は5のn+型拡散層に収
集され、8の正孔は4のp型ウェル領域に収集される。
向での電荷収集率Cyを示す(電荷は電子)。この場
合、電荷収集率Cyは、入射位置の(X,Z)に依存す
る。図8の交点がシミュレーション結果であるが、交点
以外での電荷収集率は、周囲四交点から線形補間で求め
られる。
した場合を示す。図9(a)は上から見たもので、図9
(b)のB、B'の深さの横断面図である。図9(b)
は横から見たもので、図9(a)のA、A'の位置での
断面図である。2の二次粒子が走ることで、7の電子・
8の正孔対が発生する。二次粒子の走行後を、図10
(a)、図10(b)に示す。図10(a)、図10
(b)の断面の位置は、図9(a)、図9(b)と同じ
である。図10のように、100psecから1nse
cほど経つと電荷移動は終了し、7の電子は5のn+型
拡散層と3のn型ウェル領域に収集され、8の正孔は4
のp型ウェル領域に収集される。
方向での電荷収集率Czを示す(電荷は電子)。この場
合、電荷収集率Czは、入射位置の(X,Y)に依存す
る。図11の交点がシミュレーション結果であるが、交
点以外での電荷収集率は、周囲四交点から線形補間で求
められる。
高いZ方向での電荷収集率であるが、1よりも小さな値
になる。なぜなら、二次粒子によって発生した電子の一
部は、ファンネル効果のために、3のn型領域にも収集
されてしまうからである。この現象の意味は、ある深さ
を境に電子はn+拡散層かn型ウェル領域に振り分けら
れるということであり、その深さは、Cz(X,Y)*
DZで求められる。
集率Cz’(X,Y,Z)を作る。
深さCz(X1,Y1)*DZまでの電荷は、5のn+
型拡散層に収集されるが、それ以外は、3のn型ウェル
領域に収集されてしまうということを表している。
Z軸と二次粒子のなす入射角度をθ、二次粒子のXY平
面への投影線分とX軸とのなす角度をφとすれば、次の
ような座標(X,Y,Z)での電荷収集率モデルが定義
できる。
た、2の二次粒子の全飛程Lを十分に短いdlの長さに
区切った部分では、dlの起点の座標(X,Y,Z)で
の電荷収集量dqは、単純に次のようになる。このdl
の長さは、少なくとも有感度領域に収まる最大の線分の
10分の1以下、なるだけ短いほうが計算誤差が小さく
なる。
であるかという問題があるが、妥当であることを以下に
説明する。
Cz(X,Y)は、有感度領域の大きさを数割変動させ
てもほとんど変化せず、Qaveの値を変動させても変
化はない。
Z軸方向から入射場合(θ=0)を考えてみると、入射
座標が(X1,Y1)として、この時の電荷量は、
(2)〜(5)式から次のようになる。
った。
らの入射を考えてみると、入射した二次元座標を(Y
1,Z1)とすれば、θ=90deg、φ=0で、全飛
程はLであるので、(1)、(3)〜(5)式から次の
ようになる。
Y軸方向からの入射も同様に、三次元シミュレーション
の結果を再現することは自明である。
散層中心付近(X0,Y0,Z0)での電荷収集率C
(X0,Y0,Z0)を考えると、Cx(Y0,Z0)
=Cy(X0,Z0)=Cz’(X0,Y0,Z0)=
1となる。この場合、(3)式より、次のことが自明で
ある。
ョン結果を再現できることが分かる。更に、この計算
は、三次元デバイスシミュレーションに比べれば一瞬の
うちに行える。
の運動エネルギーによって、必ずしも単位長さ当りの発
生電荷量は一定と見なせないが、飛程線上に起点を原点
とした座標を取れば、単位長さ当りの発生電荷量は、そ
の座標位置の関数として得ることができるので、予めd
l毎に発生電荷量を求めることで、より正確な電荷収集
計算が行える。 (第2の実施例)次に、本発明の第2の実施例を、図
1、図13〜図20を参照して、詳細に説明する。
れる、つまり不純物分布とポテンシャル分布が中心のZ
軸からの距離Rと深さZだけに依存する場合について示
す。
の有感度領域に、2の二次粒子が通過したとして、その
仮想飛程線上で、単位長さ当り一定の電子・正孔対の電
荷Qaveを発生させ、三次元デバイスシミュレーショ
ンで収集電荷を求めるものとする。従って、総発生電荷
量Qtotalは、シミュレーションの有感度領域中の
二次粒子の飛程Lに単位長さ当りの電荷量Qaveを乗
じたものであり、(1)となる。
構築する。図13(a)は、デバイスシミュレーション
内部の有感度領域を示す立体図面であり、図13(b)
はその断面図を示す図面である。図13において、3の
n型ウェル領域の上に、4のp型ウェル領域が形成さ
れ、4に囲まれる形で5のn+型拡散層が形成されてい
る。このn+型拡散層5が、電子を収集する部分とな
る。
領域の間、及び、3のn型ウェル領域と4のp型領域の
間には逆バイアスとなる電圧が印加されている。第1の
実施例と異なるのは、不純物分布とポテンシャル分布が
中心のZ軸からの距離Rと深さZだけに依存する構造で
あることである。
基準は、次のとおりである。まず、中心には電荷が収集
される5のn+型拡散層の中心を重ね、周囲との境は、
隣接するn+型拡散層との中点の位置とする。図13
(c)に示すように、計算領域を前記で決定した有感度
領域の周囲に拡張、シミュレーション結果を変動させる
電極などを6の拡張領域に設置して、デバイスの三次元
構築を行う。二次粒子は1の有感度領域のみを走るもの
とする。
イスの表面から拡散領域の中心を貫いて垂直に入射した
場合(Z方向)の収集電荷を計算し、その収集電荷量が
設定した深さに依存しなくなる深さ以上のDZとする。
量:Qcollの総発生電荷量:Qtotalに対する
比率とし、前記構築したデバイスの有感度領域に三次元
にメッシュを切って、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向そ
れぞれから二次粒子を入射して電荷収集率を求める。そ
れぞれの収集率は、原点を拡散領域中心の表面部とすれ
ば、それぞれの入射した二次元座標(Y1,Z1)、
(X1,Z1)、(X1,Y1)の関数、Cx(Y1,
Z1)、Cy(X1,Z1)、Cz(X1,Y1)とな
る。
が円筒座標で表せられるなら、二次粒子の飛跡のXY平
面に投影した線分において、中心からの最短距離をRと
すると、|X1|=|Y1|=Rなら、Cx(Y1,Z
1)=Cy(X1,Z1)となる。従って、X軸方向か
らの二次粒子の電荷収集率を求めるだけで良い。Cr
(R1,Z1)と中心からの距離と深さの関数として扱
える。以下にその詳細を述べる。
射した場合を示す。図14(a)は上から見たもので、
図14(b)のB、B'の深さの横断面図である。図1
4(b)は横から見たもので、図14(a)のA、A'
の位置での断面図である。二次粒子が走ることで、7の
電子・8の正孔対が発生する。二次粒子の走行後を、図
15(a)、図15(b)に示す。図15(a)、図1
5(b)の断面の位置は、図14(a)、図14(b)
と同じである。100psecから1nsecほど経つ
と電荷移動は終了し、図15のように、7の電子は5の
n+型拡散層に収集され、8の正孔は4のp型ウェル領
域に収集される。
向(=X方向)での電荷収集率Crを示す(電荷は電
子)。この場合、電荷収集率Crは、入射位置の(R,
Z)に依存する。図16の交点がシミュレーション結果
であるが、交点以外での電荷収集率は、周囲四交点から
線形補間で求められる。
に、X12+Y12=X22+Y2 2=R2なら、Cz
(X1,Y1)=Cz(X2,Y2)となる。従って、
この場合も、Cz(R)の関数として扱える。
射した場合を示す。図17(a)は上から見たもので、
図17(b)のB、B'の深さの横断面図である。図1
7(b)は横から見たもので、図17(a)のA、A'
の位置での断面図である。二次粒子が走ることで、7の
電子・8の正孔対が発生する。二次粒子の走行後を、図
18(a)、図18(b)に示す。図18(a)、図1
8(b)の断面の位置は、図17(a)、図17(b)
と同じである。図18のように100psecから1n
seccほど経つと電荷移動は終了し、7の電子は5の
n+型拡散層と3のn型ウェル領域に収集され、8の正
孔は、4のp型ウェル領域に収集される。
方向での電荷収集率Czを示す(電荷は電子)。この場
合、電荷収集率Czは、入射位置の(R)に依存する。
図19では、XとYを振ってCzを表しているが、実際
はXだけ振ってシミュレーションを行えば済む。シミュ
レーションは点毎であるが、シミュレーションを行って
いない点での電荷収集率は前後の点の線形補間で求めら
れる。
z’(R,Z)を作る。
2+Y12=R2で、深さCz(R)*DZまでの電荷
は、5のn+型拡散層に収集されるが、それ以外は、3
のn型ウェル領域に収集されてしまうということを表し
ている。
Z軸と二次粒子のなす入射角度をθとすれば、次のよう
にある座標(R,Z)での電荷収集率モデルが定義でき
る。 C(R,Z)=Cr(R,Z)sin2θ+Cz’(R,Z)cos2θ …………(10) (10)式によって、図20のように、感度領域に入っ
た、2の二次粒子の全飛程Lを十分に短いdlの長さに
区切った部分では、dlの起点の座標(R,Z)での電
荷収集量dqは、単純に次のようになる。このdlの長
さは、なくとも有感度領域に収まる最大の線分の10分
の1以下、なるだけ短いほうが計算誤差が小さくなる。
ミュレーション結果を再現できることを以下に説明す
る。
感度領域の大きさを数割変動させてもほとんど変化せ
ず、Qaveの値を変動させても変化はない。
Z軸方向から入射場合(θ=0)を考えてみると、入射
座標が(R1)として、この時の電荷量は、(9)〜
(12)式から次のようになる。
った。次に、R方向からの入射を考えてみると、図20
(c)のように、入射した二次元座標を(R)とすれ
ば、θ=90deg、飛程は定義からLであるので、
(1)、(10)〜(12)式から次のようになる。
(R0,Z0)での電荷収集率C(R0,Z0)を考え
ると、Cr(R0,Z0)=Cz’(R0,Z0)=1
となる。この場合、(10)式より、次のことが自明で
ある。
ション結果を再現できることが分かる。更に、この計算
は、三次元デバイスシミュレーションに比べれば一瞬の
うちに行える。
粒子の飛程線上に起点を原点とした座標を取れば、単位
長さ当りの発生電荷量は、その座標位置の関数として得
ることができるので、予めdl毎に発生電荷量を求める
ことで、より正確な電荷収集計算が行える。
に比べて、デバイスシミュレーションの回数をn1/2
に少なく出来る。
トエラーの原因である中性子や陽子やπ中間子など宇宙
線起因の二次粒子の走行による、発生電荷の収集計算を
高速に精度良く計算できるため、半導体記憶装置のソフ
トエラー率が効率良く求められ、よりソフトエラー耐性
のある半導体記憶装置を製造できる。
ー率計算のみならずα線起因のソフトエラーにも対応で
きる。
子を示す図である。
バイスシミュレーション中におけるデバイス構造図、有
効感度領域拡張領域を示す図)である。
軸方向からの二次粒子による電荷発生を示す図)であ
る。
荷が収集された状態を示す図)である。
軸方向からの入射による電荷収集率を示す図)である。
軸方向からの二次粒子による電荷発生を示す図)であ
る。
荷が収集された状態を示す図)である。
軸方向からの入射による電荷収集率を示す図)である。
軸方向からの二次粒子による電荷発生を示す図)であ
る。
(電荷が収集された状態を示す図)である。
(Z軸方向からの入射による電荷収集率を示す図)であ
る。
(電荷収集モデルを説明する図)である。
(デバイスシミュレーション中におけるデバイス構造
図、有効感度領域拡張領域を示す図)である。
(座標Rへの二次粒子による電荷発生を示す図)であ
る。
(電荷が収集された状態を示す図)である。
(R方向からの入射による電荷収集率を示す図)であ
る。
(Z軸方向からの二次粒子による電荷発生を示す図)で
ある。
(電荷が収集された状態を示す図)である。
(Z軸方向からの入射による電荷収集率を示す図)であ
る。
(電荷収集モデルを説明する図)である。
Claims (4)
- 【請求項1】 半導体記憶装置における、三次元デバイ
スシミュレーションにおいて、デバイスの有感度領域の
直交する三軸方向から入射する宇宙線起因の二次粒子の
電荷収集率を求め、該電荷収集率と、任意の方向から来
る宇宙線起因の二次粒子が該三軸となす角度から、該二
次粒子の発生電荷がある微小領域で収集される比率を決
定する収集モデルを有することを特徴とする宇宙線ソフ
トエラー率の計算方法 - 【請求項2】 電荷収集部周囲が、デバイスの深さ方向
とデバイスの動径方向で表現できる円筒型の半導体記憶
装置における三次元デバイスシミュレーションにおい
て、デバイスの有感度領域のデバイスの深さ方向と動径
方向から入射する宇宙線起因の二次粒子の電荷収集率を
求め、該電荷収集率と、任意の方向から来る宇宙線起因
の二次粒子の深さ方向軸となす角度と、該二次粒子が動
径平面へ投影する線分の中心との最短距離とから、該二
次粒子の発生電荷がある微小領域で収集される比率を決
定する収集モデルを有することを特徴とする宇宙線ソフ
トエラー率の計算方法 - 【請求項3】 宇宙線起因の二次粒子の飛程を、デバイ
ス内の有感度領域に収まる最大線分の10分の1以下の
長さ以下の線分に分け、発生電荷量を平均的に、それぞ
れの線分に振り分けることを特徴とする請求項1又は2
記載の宇宙線ソフトエラー率の計算方法 - 【請求項4】 宇宙線起因の二次粒子の飛程を、デバイ
ス内の有感度領域に収まる最大線分の10分の1以下の
長さ以下の線分に分け、単位長さ当りの発生電荷量を該
二次粒子の起点から位置の関数として求め、それぞれの
線分に振り分けることを特徴とする請求項1又は2記載
の宇宙線ソフトエラー率の計算方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001079018A JP4374792B2 (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 宇宙線ソフトエラー率の計算方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001079018A JP4374792B2 (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 宇宙線ソフトエラー率の計算方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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