JP2002277465A - 化学的検査方法および検査標本 - Google Patents

化学的検査方法および検査標本

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JP2002277465A
JP2002277465A JP2001081119A JP2001081119A JP2002277465A JP 2002277465 A JP2002277465 A JP 2002277465A JP 2001081119 A JP2001081119 A JP 2001081119A JP 2001081119 A JP2001081119 A JP 2001081119A JP 2002277465 A JP2002277465 A JP 2002277465A
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Kaneyasu Ookawa
金保 大川
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Olympus Optical Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】検出対象物質の存在量に相当する信号を正確に
検出部へ導くことにより、反応担体内部での反応状態を
正確に検出することが可能な化学的検査方法および検査
標本を提供すること。 【解決手段】容器(106)内または反応担体(10
4)内に立体分布する検出対象物質(103)または該
検出対象物質(103)との結合体を前記容器(10
6)内または反応担体(104)内で移動せしめ、シー
ト状集合体となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学的反応の状
態を検査する化学的検査方法および検査標本に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、「ハイブリダイゼーションによる
配列決定」(SBH)のために、アレイドハイブリダイ
ゼーション(arrayed hybridizati
on)反応の幾つかの方法が開発されている。これに
は、例えば膜上に格子状配列された異なるオリゴヌクレ
オチドプローブとDNA試料のアレイとの段階的なハイ
ブリダイゼーションの方法を用いたSBHがある。
【0003】また、従来「ジェノセンサー(genos
ensor)」なる語は、その中で二次元アレイの表面
に標的核酸配列と相補配列の認識素子としてのオリゴヌ
クレオチドを結合する方式を称してきた。さらに、ジェ
ノセンサーの概念には、ハイブリダイゼーションを迅速
に検出することができ、各試験部位に微細電子部品が存
在する微細加工装置が含まれる。
【0004】このような二次元アレイに対して、近年以
下のような新規なフロースルージェノセンサーが提供さ
れている。そこでは、固形支持材料のウェハーにわたり
斑点状に配され密充填された孔またはチャンネル内に、
核酸認識素子が固定化されている。支持ウェハーとして
有用なマイクロチャンネルまたはナノチャンネルのガラ
ス及び多孔性シリコンの製造には、公知の微細加工技術
を利用できる。このフロースルージェノセンサーは、微
細加工された光学及び電子工学検出部品、フィルム、荷
電結合素子アレイ、カメラシステム及びりん光貯蔵技術
を包含する種々の公知の検出方法を利用している。この
フロースルー装置については、公知の平面表面設計に比
して以下の利点が得られる。
【0005】(1)表面積が膨大に増大したことによ
り、検出感度が改善される。
【0006】(2)ハイブリダイゼーション反応に要す
る時間が短縮し(平均標的分子が表面に結合したプロー
ブに出くわすのに要する時間が、数時間から数ミリ秒に
短縮され)、ハイブリダイゼーションがスピード化さ
れ、順反応及び逆反応の両方において誤対合識別ができ
る。
【0007】(3)多孔性ウェハーを通して溶液を徐々
に流動できるため、希薄な核酸溶液を分析することがで
きる。
【0008】(4)大気に曝される平面表面上のプロー
ブ溶液の小液滴が迅速に乾燥するのが避けられることに
より、各分離領域内の表面に対するプローブ分子の化学
結合が促進する。
【0009】以上の利点を有するこのフロースルー装置
を、以後三次元アレイと称する。このような三次元アレ
イに関する従来技術として、特表平9−504864号
公報を引用し、図16を用いて構成及び作用を簡単に説
明する。
【0010】図16は、三次元アレイをなすテーパ付き
試料ウェルアレイを示す図である。図16において、多
孔性のガラスウェハー201には、複数のテーパ孔20
2が配設されており、これら各孔202にテーパ付きウ
ェル203が埋設されている。テーパ付きウェル203
は、そこに固定した生体分子の結合領域を構成する0.
1−10μm直径のチャンネル204を底部に含む。各
チャンネル204は図示のように多くの微小の貫通孔2
05を有している。このウェルアレイを用い、以下のス
テップで検出を行なう。
【0011】(1)3−グリシドキシプロピル−トリメ
トキシシラン4ml、キシレン12ml、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(フーニッヒ(Hunig)塩
基)0.5mlの溶液をウェハーの孔に流入させ、次い
で、そのウェハーを80℃の該溶液に5時間浸漬し、次
いで、テトラヒドロフランでフラッシュし、80℃にて
乾燥することにより、ウェハーをエポキシシラン−誘導
体化ガラスとする。
【0012】(2)5′−または3′−アルキルアミン
(化学合成の間に導入した)を有する複数のオリゴヌク
レオチドプローブを、水に10μM−50μMにて溶解
し、それぞれ多孔性のシリカウェハーに微量分注する。
65℃にて一晩反応させた後、その表面を65℃の水、
次いで10mMトリエチルアミンで簡単に流し、表面上
の未反応エポキシ基を取り除き、次いで、65℃の水で
再度流し、風乾することにより、アミン−誘導化オリゴ
ヌクレオチドをエポキシシラン−誘導体化ガラスに結合
させる。
【0013】(3)増幅の間に産物に[32P]ヌクレオ
チドを取り込ませるポリメラーゼ連鎖反応によるか、ま
たはガンマ−32P[ATP]+ポリヌクレオチド・キナ
ーゼを用いて増幅産物を5′−標識することによって、
標的DNA(分析物)を調製する。取り込まれなかった
標識は、セントリコン(Centricon)濾過によ
って除去する。好ましくは、1のPCR断片を5′−ビ
チオン標識すれば、ストレプトアビジン・アフィニティ
ークロマトグラフィーによる一本鎖の調製ができる。少
なくとも5nM(5fmol/μl)の濃度であって、
少なくとも5,000cpm/fmolの特異活性のハ
イブリダイゼーション緩衝液(50mMトリス−HC
l、pH8、2mMEDTA、3.3M塩化テトラメチ
ルアンモニウム)中に標的DNAを溶解する。数百塩基
長のPCR断片が、少なくともオクタマー長の表面につ
なぎ留めたオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーシ
ョンに適している。
【0014】(4)標的DNA試料をチップの多孔性領
域に流し込み、6℃にて5〜15分間インキュベート
し、ハイブリダイゼーションを行なう。次いで、18℃
にて同様の時間、多孔性チップを通してハイブリダイゼ
ーション溶液を流動させることによって洗浄する。別法
として、塩化テトラメチルアンモニウムの代わりに、1
MKCLもしくはNaClまたは5.2Mベタインを含
有する緩衝液でハイブリダイゼーションを行なうことも
できる。
【0015】(5)CCDジェノセンサー装置を用いて
ハイブリダイゼーション強度の検出及び定量を行なう。
CCDジェノセンサー装置は、高解像度及び高感度のも
のを用い、化学ルミネセント、蛍光または放射能標識用
として用意される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来では、上述した従
来技術に限らず、反応担体内部で反応状態を検査する場
合、反応後の検出対象物質が前記反応担体内部にランダ
ムに立体分布することになる。このため、検出対象物質
が発する信号に対する検出値が不安定となり同一の反応
状態でも検出値が異なり易く、従って反応状態を正確に
検出することができないという欠点が有った。
【0017】本発明の目的は、検出対象物質の存在量に
相当する信号を正確に検出部へ導くことにより、反応担
体内部での反応状態を正確に検出することが可能な化学
的検査方法および検査標本を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の化学的検査方法および検査標
本は以下の如く構成されている。
【0019】(1)本発明の化学的検査方法は、容器内
または反応担体内に立体分布する検出対象物質または該
検出対象物質との結合体を前記容器内または前記反応担
体内で移動せしめ、シート状集合体となす。
【0020】(2)本発明の化学的検査方法は、容器内
または反応担体内に立体分布する検出対象物質または該
検出対象物質との結合体を前記容器または前記反応担体
の開口軸に対して直角な略平面状に移動せしめ、開口部
側から検査する。
【0021】(3)本発明の化学的検査方法は、容器内
または反応担体内に立体分布する検出対象物質または該
検出対象物質との結合体を前記容器または前記反応担体
の開口端付近に移動せしめ、開口部側から検査する。
【0022】(4)本発明の化学的検査方法は、容器内
または反応担体内に立体分布する検出対象物質または該
検出対象物質との結合体を前記容器または前記反応担体
内の液体の表面付近に平面的に移動せしめる。
【0023】(5)本発明の化学的検査方法は上記
(1)乃至(4)のいずれかに記載の方法であり、かつ
移動せしめる工程は、電気的誘導、超音波による誘導、
遠心力による誘導、磁気的誘導のうちのいずれか、また
はそれらの組み合わせによって行なう。
【0024】(6)本発明の検査標本は、多孔質または
繊維質の物質または成形物より成る立体構造の反応担体
の表面の異なる位置に複数のプローブの各溶液を供給し
該各溶液中に含まれるプローブを前記物質または成形物
の内部に結合することにより成る生化学検査用アレイ
に、標識物質で標識された生化学的検被体の溶液を供給
し、該検被体と前記複数のプローブとの化学結合反応を
生じさせ、未反応の検被体を除去した後、転写支持体に
反応担体を密着して、この密着面に標識物質を誘導し、
該標識物質を前記転写支持体に結合して成る。
【0025】(7)本発明の検査標本は上記(6)に記
載の検査標本であり、かつ複数の異なる反応担体に存在
する標識物質を前記転写支持体の異なる場所に結合す
る。
【0026】(8)本発明の検査標本は上記(6)また
は(7)に記載の検査標本であり、かつ前記標識物質が
蛍光分子である。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1の
(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る生
化学的検査方法を示す図である。図1の(a)〜(c)
において、溶液101は標識分子102が結合した生化
学的被検体103の溶液であり、反応担体104は立体
構造をなし、その表面に生化学的被検体103に特異的
に反応する生化学的物質105が保持されている。これ
らは反応容器106に収容されている。検出器107
は、標識分子102が発する信号を検出する。反応体1
08は、生化学的被検体103と生化学的物質105と
の反応体である。なお、反応担体104の形状は本形状
に限るものではなく、また反応担体104は複数であっ
てもよい。
【0028】次に、本第1の実施の形態の作用を図1の
(a)〜(c)を基に説明する。図1の(a)は反応直
後の状態を示す図であり、標識分子102を伴う生化学
的被検体103が生化学的物質105に結合し、その結
果図示の通り反応体108が反応担体104の表面に形
成される。
【0029】図1の(b)は、反応後に反応容器106
から未結合の標識分子102が結合した生化学的被検体
103を溶液101ごと除去した後に、標識分子102
を含まない電解液109を加えた状態を示す図であり、
この溶液中での標識分子102の数量が検出されるベき
量となる。
【0030】図1の(c)は、図1の(b)の状態で立
体分布する標識分子102を含む反応体108を電気的
手段により反応担体104から遊離し、遊離した反応体
108を同じく電気的手段により電解液109の表面上
に誘導した状態を示す図である。この状態で、標識分子
102が発する信号を反応容器106や溶液101で減
衰することなく、安定した信号を検出部107ヘ導くこ
とができる。電気的手段としては、透明な正の電極11
0を電解液109の表面に浮かし、反応容器106の底
部を負の電極として、電解液109に電圧を印加する方
法を用いる。ここで、電極110の大きさを適切に設定
することにより、検出領域を検出部107の検出サイズ
に合わせて最適化することができる。
【0031】なお、未結合の標識分子102が結合した
生化学的被検体103を溶液101ごと除去せずに、予
め標識分子102を含まない電解液109が入っている
別の容器に反応体108と共に反応担体104を移動
し、電解液109の表面上に誘導しても良い。
【0032】本第1の実施の形態によれば、標識分子が
発する信号を溶液などによる吸収で減衰することなく検
出部ヘ導き、その存在量を正確に検出することができ
る。
【0033】(第2の実施の形態)図2〜図4は、本発
明の第2の実施の形態に係る生化学的検査方法を示す図
である。本第2の実施の形態は、特異的反応プロセス、
蛍光分子再配置プロセスおよび蛍光強度読取プロセスの
3つのプロセスから成るものである。
【0034】図2は、本第2の実施の形態に使用される
多孔質(または繊維質)の物質(または成形物)から成
る立体構造の反応担体の異なる位置に複数のプローブの
各溶液を供給し、該各溶液中に含まれるプローブを前記
多孔質(または繊維質)の物質(または成形物)の内部
に結合することにより成るプローブアレイ111を示す
図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。図
において、112はプローブアレイ要素、112aはプ
ローブアレイ要素112の輪郭部である。
【0035】図3は、プローブアレイ111内のプロー
ブアレイ要素112の輪郭部112aと多孔質の導管部
113との関係を示す図であり、(a)は上面図、
(b)は(a)の断面A−Bに沿った断面図である。
【0036】図4は、本発明における根幹部である蛍光
分子再配置プロセスとして使用する装置の構成図であ
り、(a)は再配置処理前および再配置処理後の側面
図、(b)は再配置処理時の側面図である。図におい
て、第1の導電体114は、電解液120が漏れないよ
うに本体フレ−ム117に固定されている。第2の導電
体115は、本体蓋部118の内側に図示しない複数の
圧縮バネを介して結合されており、さらに図示しない装
置によりニトロセルロースシート116を着脱自在に固
定している。本体蓋部118は、開閉軸119により本
体フレ−ム117に対して開閉自在に支持されている。
第1の導電体114には、電解液120を導入および排
出するための図示しないコックを備えるとさらに良い。
【0037】以下、この装置を使用した蛍光分子再配置
プロセスをその作用と共に説明する。まず、本体蓋部1
18を開き、内側に所要量の電解液120を入れた後
に、プローブアレイ111を図4に示すように電解液1
20中に沈める。電解液120としては特に限定しない
が、好ましくはトリスホウ酸緩衝液やトリス酢酸緩衝液
などの緩衝液を用いるのが良い。その後、本体蓋部11
8の内側に図示しない圧縮バネを介して結合されている
第2の導電体115に図示しない着脱装置を用いてニト
ロセルロースシート116を取り付ける(後述する図9
の(a)の状態)。次に、本体蓋部118を閉じ、本体
蓋部118および本体フレーム117に設けられた図示
しないスイッチ用の接点を接触させてスイッチオンとす
る。このスイッチオンにより、図示しない直流電源から
第1の導電体114と第2の導電体115との間に所定
の直流電圧が印加される。
【0038】図5は、この直流電圧の印加前後の作用を
説明する図である。図5の(a)は特異的反応プロセス
を終了した直後の導管部113の内部を示す図である。
導管部113の内部では生化学的被検体の溶液121が
流動しており、導管部113の内壁表面には生化学的プ
ローブ122が結合している。生化学的被検体の溶液1
21には、生化学的被検体123が含まれている。生化
学的被検体123には、蛍光分子124が標識として結
合している。特異的反応プロセスが終了すると、図に示
すように幾つかの生化学的被検体123がこれと結合し
ている蛍光分子124と共に幾つかの生化学的プローブ
122に結合して特異的反応体125を形成する。
【0039】図5の(b)は、特異的反応プロセスを終
了した後に電解液120を導管部113の内部に強制導
入して洗浄した後の導管部113の内部を示す図であ
る。図に示すように、生化学的プローブ122に結合し
ていない幾つかの生化学的被検体123がこれと結合し
ている蛍光分子124と共に導管部113から除去され
る。
【0040】図5の(c)は、図5の(b)の状態で前
述のように第1の導電体114と第2の導電体115と
の間に所定の直流電圧を印加した時の作用を示す図であ
る。この場合、第1の導電体114が負の電極、第2の
導電体115が正の電極として作用する。この結果、図
に示すように特異的反応体125から生化学的プローブ
122と蛍光分子付き生化学的被検体123とが分離す
ることにより、導管部113の内壁から遊離した生化学
的被検体123が、蛍光分子124と共に正の電極であ
る第2の導電体115に向かい誘導され、生化学的被検
体123は第2の導電体115の直前にあるニトロセル
ロースシート116に吸着する。
【0041】ここで、生化学的プローブ122と蛍光分
子付き生化学的被検体123とが遊離し易くなるように
電解液120に適度な発熱抵抗を持たせて電解液120
の温度を90℃程度に加熱することが有効である。ま
た、予め加熱した電解液120を供給しておくことも同
様に有効である。この場合、前述のような電解液120
を導入および排出するための図示しないコックを用いる
と便利である。さらに電解液120の中に電熱装置を配
置することも同様に有効である。
【0042】なお、本第2の実施の形態では電気あるい
は熱変性を用いた遊離法を採用しているが、他の遊離法
として超音波振動による遊離法、NaOHなどのアルカ
リ性溶媒を用いて化学変性させる遊離法、DNA分解酵
素を供給する遊離法なども有効である。このようにして
遊離した蛍光分子付き生化学的被検体123を第2の導
電体115に向かい誘導し易くするためには、印加電圧
を高くすることが有効である。
【0043】なお、本第2の実施の形態では電気的な誘
導法を採用しているが、他の誘導法として超音波による
誘導法、反応担体を液体を保持し得るものとし遠心分離
法を用いる誘導法、磁気を用いる誘導法なども有効であ
る。磁気誘導法を用いる場合には、多数の微粒子状の磁
性粒子および蛍光分子を標識として併用する必要があ
り、磁界をかけることにより蛍光分子が誘導されること
になる。また、これら種類の異なる誘導法を適宜組み合
わせることによって、検出対象物または該検出対象物と
の結合体のみを特定の方向に移動させ、他の混在成分を
別な方向に移動させるようにして、S/N比を向上させ
ることができる。望ましくは、生化学的被検体123が
吸着したニトロセルロースシート116に加温処理およ
び紫外線照射をして、生化学的被検体123をニトロセ
ルロースシート116に確実に固定するのが良い。ま
た、ニトロセルロースシート116に吸着した蛍光分子
124の数を検出し易くするために、ニトロセルロース
シート116の透明度を高めることが有効である。ま
た、ニトロセルロースシート116の代わりに、非吸水
性導電シートの片面に固相化剤を塗布した支持体を用い
ても良い。この場合、導管部113側に塗布面を配置す
ることにより、生化学的被検体123が蛍光分子124
と共に前記転写支持体に結合することになる。以後、こ
のような支持体とニトロセルロースシートを一括して転
写支持体と呼ぶ。転写支持体ヘの結合が終了した段階で
本体蓋部118を開けば、図示しないスイッチ用の接点
が離れてスイッチオフとなり、直流電圧の印加が停止す
る。この後、転写支持体を取り外して乾燥する。
【0044】このようにして、プローブアレイ111内
での反応状態を転写支持体に記録し保存することができ
る。なお、蛍光分子再配置プロセスとして使用する装置
の構成を変えることにより、一つだけでなく複数のプロ
ーブアレイ111内での反応状態を同一の転写支持体に
記録し保存することができる。取り外した転写支持体
は、保有する蛍光分子を保護するために透明または不透
明な保護膜でシールドされることが望ましい。
【0045】以上が蛍光分子再配置プロセスの説明であ
る。後は、出来上がった転写支持体を公知の画像読み取
り装置により蛍光画像として読み込み、この蛍光画像か
ら各アレイ要素ごとの蛍光強度を求めて対応する各プロ
ーブとの反応の強さを検出すれば良い。もちろん、転写
支持体を取り外さないで、そのまま該転写支持体に励起
照明を与え、各アレイ要素ごとの蛍光強度を検出しても
良いことは当然である。
【0046】また、転写支持体を使わずに、プローブア
レイ111の表面にポリ−L−リシンなどの透明の核酸
結合性ポリマー化合物を薄く塗布して、重合により密閉
してから塗布面に蛍光分子を誘導し、蛍光分子を前記核
酸結合性ポリマー化合物に結合させることにより、転写
支持体と同様に保存性のあるアレイ化された生化学的検
査標本を得ることができる。この場合、乾燥後に核酸結
合性ポリマー化合物が塗布されていない面から光硬化型
充填材を供給し、光エネルギにより硬化することによ
り、保存性を高めることができる。
【0047】次に、前記転写支持体から読み取った蛍光
画像の解析方法の一例を示す。今、m個のプローブアレ
イ要素内の標識M(Mはローダミン、FITC等の蛍光
分子を識別するためのパラメータ)の転写支持体に結合
する蛍光分子数をnM とし、これを次式で定義する。
【0048】
【数1】
【0049】ここで、nMkはプローブアレイ要素kに存
在する標識Mの蛍光分子数、mはプローブアレイ要素の
数である。また1プローブアレイ要素に供給した生化学
的被検体の溶液に存在するn個の対象物質の数をVM
し、これを次式で定義する。
【0050】
【数2】
【0051】ここで、VMlは標識Mについて存在する対
象物質lの数である。
【0052】今、プローブと対象物質との結合率をαと
すれば、このαを次式の如く、m×nの矩形行列で定義
することができる。
【0053】
【数3】
【0054】すなわち、(3)式における行列要素αij
はプローブと対象物質jとの結合率を表す。この結合率
αを用いて蛍光分子数nM と対象物質の数VM との関係
を表現すると次のようになる。
【0055】 αVM =nM (4) この結合率αは各アレイ要素kに結合しているプローブ
の構造と対象物質lの組み合わせで定まる定数であり、
理論的または実験的に定めることができる。また、
(4)式により対象物質の数VM が定まる条件としてm
≧nが必要である。
【0056】今、(4)式に最小二乗法を適用するため
に次のように関数SM を定義する。
【0057】
【数4】
【0058】(5)式で示される関数SM が最小となる
ようにVMjを決定すれば、このVMjの値が連立一次方程
式(4)式の最小二乗解となる。関数SM が最小となる
条件として次式が与えられる。
【0059】
【数5】
【0060】ここで、j=1,2,…,nであるので、
(6)式はn個の式から成ることになる。(5)式およ
び(6)式により次式が得られる。
【0061】 α′VM =n′M (7) ここでα′およびn′Mは次式で与えられる。
【0062】
【数6】
【0063】
【数7】
【0064】(8)式で明らかなようにα′はn次の対
称行列となるので、逆行列α′-1を定義することができ
る。(7)式により次式が得られる。
【0065】 VM =α′-1n′M (10) (10)式により、対象物質の数VM を求めることがで
きる。
【0066】なお、本第2の実施の形態では標識物質を
蛍光分子としているが、これに限定するものではない。
【0067】本第2の実施の形態によれば、プローブア
レイ111の各プローブアレイ要素112内で反応した
標識分子が発する信号を導管部113の内部吸収により
減衰することなく検出部ヘ導き、標識分子の存在量を正
確に検出することができる。また、管理しやすい生化学
的検査標本を得て保存することができる。
【0068】(第1,第2の実施の形態の作用)(1).図
6は、第1,第2の実施の形態の作用を説明する図であ
り、(a)は立体分布する検出対象物質をそのまま検出
する場合を示す図、(b)は立体分布する検出対象物質
を略平面上に分布せしめてから検出する場合を示す図で
ある。
【0069】図6の(a)および(b)において、それ
ぞれ5個の点は検出対象物質4であり、3は検出部、3
aは検出部中心である。図6の(a)において、前記5
個の点のうち1は近点の検出対象物質、2は遠点の検出
対象物質を示す。l1 およびl2 は、それぞれ近点の検
出対象物質1および遠点の検出対象物質2の検出部中心
3aからの距離を示し、θ1 およびθ2 は、それぞれ近
点の検出対象物質1および遠点の検出対象物質2の検出
部3を見込む立体角である。
【0070】この場合、検出対象物質4が立体分布して
いるためその存在位置により立体角θが異なり、検出部
3での受信強度も異なる。また、信号の媒質での吸収作
用により距離lが異なることも、受信強度が異なる要因
となる。一方、図6の(b)のように、立体分布する検
出対象物質4を平面5上に分布させ、該平面5と直角を
なす方向から検出することにより前記l1 ,l2 および
θ1 ,θ2 がいずれもほぼ一定値l3 およびθ3 となる
ため、反応後の検出対象物質4の存在位置にかかわらず
に安定した信号を検出部3で受信することができる。
【0071】(2).図7は、第1,第2の実施の形態の作
用を説明する図であり、(a)は立体分布する検出対象
物質をそのまま検出する場合を示す図、(b)は立体分
布する検出対象物質を反応担体の開口軸に直角な略平面
上に分布せしめてから検出する場合を示す図である。
【0072】図7の(a)および(b)において、6は
反応担体、7は開口軸である。図7の(a)において、
θ4 およびθ5 はそれぞれ近点の検出対象物質1および
遠点の検出対象物質2の開口部を見込む立体角である。
【0073】この場合、検出対象物質4が立体分布して
いるためその存在位置により立体角θが異なり、エネル
ギ吸収率の高い反応担体の場合には検出部3で受信し得
る信号強度(すなわち媒体に伝播する信号強度)も異な
る。一方、図7の(b)のように、立体分布する検出対
象物質4を反応担体6内で開口軸7に直角な平面5上に
分布させ該平面5と直角をなす方向から検出することに
より、前記θ4 およびθ5がほぼ一定値θ6 となるた
め、反応後の検出対象物質4の存在位置にかかわらずに
安定した信号を検出部3で受信することができる。
【0074】(3).図8は、第1,第2の実施の形態の
作用を説明する図であり、(a)は立体分布する検出対
象物質をそのまま検出する場合を示す図、(b)は立体
分布する検出対象物質を反応担体の開口端付近で開口軸
に直角な略平面上に分布せしめてから検出する場合を示
す図である。
【0075】この場合、θ4 およびθ5 がほぼ一定値θ
として示されるように最大値である180度が得ら
れるため、反応後の検出対象物質4の存在位置にかかわ
らずに安定した信号を検出部3で高感度で受信すること
ができる。
【0076】(4).図9は、第1,第2の実施の形態の
作用を説明する図であり、(a)は立体分布する検出対
象物質をそのまま検出する場合を示す図、(b)は立体
分布する検出対象物質を反応担体内の液体の表面付近に
分布せしめてから検出する場合を示す図である。図9の
(a)および(b)において、8は液体、9は液体の表
面、10は該液体の表面9に直角な軸である。この場
合、上記(1)と同様の作用により、反応後の検出対象物
質4の存在位置にかかわらずに安定した信号を検出部3
で受信することができる。
【0077】(5). 図10の(a)〜(d)は、第1,
第2の実施の形態の作用を説明する図であり、第1の溶
液11は標識物質12が結合した生化学的被検体13を
含み、反応担体14は立体構造をなし、その表面に生化
学的被検体13に特異的に反応する生化学的物質である
プローブ15が保持されている。これらは反応容器16
に収容されている。検出部17は、標識物質12が発す
る信号を検出する。反応体18は、生化学的被検体13
とプローブ15との反応体である。第2の溶液19は、
生化学的被検体13を含まない。
【0078】図10の(a)は反応前の状態を示す図で
ある。図10の(b)は反応後の状態を示す図であり、
標識物質12を伴う生化学的被検体13の一部がプロー
ブ15の一部に結合し、その結果図示の通り標識物質1
2を伴う反応体18が反応担体14の表面に形成され
る。
【0079】図10の(c)は、反応後に反応容器16
から未結合の生化学的被検体13をこれに結合している
標識物質12と共に第1の溶液11ごと除去した後に、
標識物質12を含まない第2の溶液19を加えた状態を
示す図であり、第2の溶液19の中での標識物質12の
量が検出されるべき量となる。
【0080】図10の(d)は、図10の(c)の状態
で立体分布する標識物質12を含む反応体18を第2の
溶液19の表面付近に誘導した状態を示す図である。こ
の状態で、標識物質12が発する信号を反応容器16や
第2の溶液19で減衰することなく、安定した信号を検
出部17へ導くことができる。
【0081】(第3の実施の形態)本第3の実施の形態
は、未反応の生化学的被検体の量を検出することにより
洗浄プロセスおよび遊離プロセスを不要とするものであ
り、特異的反応プロセス、未反応物質結合プロセスおよ
び蛍光強度読取プロセスの3つのプロセスで形成され
る。
【0082】図11は、本第3の実施の形態を実現する
ための装置例を示す図であり、(a)は上面図、(b)
は正面図である。図において、プローブアレイ装着ユニ
ット126は、導入ストッカー127により本検査装置
に導入される。第1の搬送ベルト128はプローブアレ
イ装着ユニット126を搬送するものであり、回転軸1
29または130により断続的に駆動される。
【0083】被検体溶液槽131には蛍光分子が結合し
た生化学的被検体の溶液132が収容されている。溶液
槽保持部133は該被検体溶液槽131を保持してい
る。長尺の転写支持体134は、回転自在の該転写支持
体取り付け軸135によりロール状態で取り付けられて
いる。転写支持体巻き取り駆動軸136は転写支持体1
34を巻き取るためのものであり、断続的に駆動され
る。
【0084】ローラ137〜143は、転写支持体13
4を滑らかに送るためのものである。第2の搬送ベルト
144は使用済みのプローブアレイ装着ユニット126
を排出経路に載せるためのものであり、回転軸145ま
たは146により断続的に駆動される。排出ストッカー
147は、使用済みのプローブアレイ装着ユニット12
6を排出する。画像読み取り装置148は転写支持体1
34の蛍光強度画像を出力する。支持部149は画像読
み取り装置148を支持している。画像解析部150は
画像読み取り装置148からの出力画像を解析する。収
容体151は、以上の各装置を固定収容している。
【0085】図12は、プローブアレイ装着ユニット1
26の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は
側面図、(c)は正面図である。図において126aは
4個の矩形開口126bを有するホルダーで、矩形開口
126bの周辺部に下側から、第2の実施の形態に使用
されるプローブアレイ111を4個接着して保持するも
のである。なお、ホルダー126aは導入ストッカー1
27に収容されるときに、プローブアレイ111内のプ
ローブアレイ要素112が他の部材に触れないように配
慮されている。
【0086】図13は、導入ストッカー127の構成を
示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、
(c)は正面図である。図において、導入ストッカー本
体127aの中で、移動板127bが上下移動可能とな
っている。固定板127cは、導入ストッカー本体12
7a下部に固定されている。複数の圧縮ばね127d
は、移動板127bと固定板127cに固定または接触
しており、移動板127bを上方に押し上げる作用をす
る。プローブアレイ装着ユニット126は、4個のプロ
ーブアレイ111をホルダーに保持しており、ローラー
機構やクランク機構を用いた板部材の往復運動(図示せ
ず)により、第1の搬送ベルト128の上に順次移送さ
れるようになっている。
【0087】次に、全体の作用を説明する。導入ストッ
カー127から図示しない移送装置によりプローブアレ
イ装着ユット126が矢印A方向に移送され、停止して
いる第1の搬送ベルト128の上に載せられる。第1の
搬送ベルト128が矢印Bの方向に回転し、プローブア
レイ装着ユニット126が所定の位置に到達したとき、
第1の搬送ベルト128が停止する。プローブアレイ装
着ユニット126は、この位置から図示しない移送装置
により矢印C方向に移送され、被検体溶液槽131内の
蛍光分子が結合した生化学的被検体の溶液132に着水
する。
【0088】なお、生化学的被検体の溶液132はロー
ダミン、FITC等の蛍光波長の異なる蛍光分子が結合
した複数の生化学的被検体の溶液を混合したものでも良
い。プローブアレイ装着ユニット126が生化学的被検
体の溶液132に着水すると、毛管現象により生化学的
被検体の溶液132の一部が導管部113の内部に供給
される。
【0089】図14は、毛管現象の原理を示す図であ
る。図においてσは溶液の表面張力、ρおよびρ′はそ
れぞれ溶液および大気の密度、θは接触角、rは導管の
半径である。この場合、導管の長さを無限とした場合の
溶液を吸い上げる高さhは次式で求められることが知ら
れている。
【0090】
【数8】
【0091】ここで、gは重力の加速度である。本第3
の実施の形態の場合、導管の長さは溶液を吸い上げる高
さhよりもはるかに小さい。このような場合、hを導管
の長さで置き換えた時に(11)式を満たす接触角θの
状態で、溶液が導管内を満たすことになり、決して導管
の上面の開口端から溶液があふれ出ることはない。
【0092】このようにして、生化学的被検体の溶液1
32の一部がすベての導管部113の内部に均一に供給
される。すなわち、4個のブローブアレイ111に生化
学的被検体の溶液132の一部が均一に供給される。こ
の後、プローブアレイ装着ユニット126は、被検体溶
液槽131内の生化学的被検体の溶液132から離水
し、前記図示しない移送装置により矢印D方向に移送さ
れ、停止している第1の搬送べルト128の上に載る。
第1の搬送べルト128は再び回転を開始し、プローブ
アレイ装着ユニット126は同一速度で矢印Eの方向に
送られている長尺の転写支持体134の上に載せられ
る。
【0093】ここで、プローブアレイ装着ユニット12
6に生化学的被検体の溶液132が供給されてからプロ
ーブアレイ装着ユニット126が転写支持体134の上
に載せられるまでの間に、各プローブと生化学的被検体
との特異的反応が十分に進行していることが望ましい。
【0094】この特異的反応プロセスで特異的反応を促
進する方法として、電位差撹拌や超音波撹拌が有効であ
る(いずれも図示なし)。電位差撹拌は生化学的被検体
の溶液132に極性を交互に変えながら直流電界を与え
ることにより、また超音波撹拌は生化学的被検体の溶液
132に超音波を与えることにより、溶液中で生化学的
被検体を往復移動させてプローブとの接触確率を高める
方法である。
【0095】プローブアレイ装着ユニット126が4個
のプローブアレイ111の下面を転写支持体134に圧
着した状態(圧着機構は図示なし)で所定の位置に到達
した後、プローブアレイ装着ユニット126と転写支持
体134とが分離する。ここで、プローブアレイ111
の下面が転写支持体134に圧着している間に、転写支
持体134にプローブと未反応の生化学的被検体が効率
的に結合することが望ましい。
【0096】この未反応物質結合プロセスで転写支持体
と生化学的被検体との結合を促進する方法として、電位
差誘導、超音波誘導あるいは磁気誘導が有効である。電
位差誘導は、生化学的被検体の溶液132に直流電界を
与える(下面を正、上面を負)ことにより、また超音波
誘導は生化学的被検体の溶液132に下面が節となるよ
うに超音波を与えることにより、また磁気誘導は生化学
的被検体に磁性物質を結合しておくことにより、溶液中
で生化学的被検体を下面に移動させて転写支持体134
との接触確率を高める方法である。ここで、転写支持体
に接触した生化学的被検体を転写支持体に確実に結合さ
せるために、転写支持体に結合剤を塗布することも有効
である。さらに、転写支持体に多孔質シートを用いて反
応担体側から陽圧を与えたり、多孔質シート側(反応担
体に対して反対側)から陰圧を与えることで、生化学的
被検体を転写支持体上に誘導することも有効である。
【0097】プローブアレイ装着ユニット126は、分
離した後に停止している第2の搬送べルト144の上に
載せられる。第2の搬送ベルト144は、矢印Fの方向
に回転を開始してプローブアレイ装着ユニット126を
所定の位置に運ぶ。プローブアレイ装着ユニット126
が所定の位置に到達した後、第2の搬送ベルト144が
停止する。プローブアレイ装着ユニット126は、この
位置から図示しない移送装置により矢印Gの方向に移送
され、排出ストッカー147に収容される。
【0098】転写支持体134は、分離した後にローラ
138〜143を介して転写支持体巻き取り駆動軸13
6に巻き取られるが、その前に画像読み取り装置148
により蛍光像が読み取られる。本第3の実施の形態では
蛍光標識を使っているので、この蛍光強度読み取りプロ
セスは励起照明をしながら行なう必要がある。この結
果、画像読み取り装置148から蛍光強度画像が出力さ
れ、画像解析部150により解析結果が出力される。
【0099】以下に解析方法の一例を示す。今、m個の
プローブアレイ要素内の標識M(Mはローダミン、FI
TC等の蛍光分子を識別するためのパラメータ)の転写
支持体に結合する蛍光分子数をnM とし、これを次式で
定義する。
【0100】
【数9】
【0101】ここで、nMkはプローブアレイ要素kに存
在する標識Mの蛍光分子数、mはプローブアレイ要素の
数である。また、1プローブアレイ要素に供給した生化
学的被検体の溶液に存在するn個の対象物質の数をVM
とし、これを次式で定義する。
【0102】
【数10】
【0103】ここで、VMlは標識Mについて供給した生
化学的被検体の溶液に存在する対象物質lの数である。
【0104】さらに、m個のプローブとn個の対象物質
との未結合率をγとすれば、このγを次式の如く、m×
nの矩形行列で定義することができる。
【0105】
【数11】
【0106】すなわち、(14)式における行列要素γ
klはプローブアレイ要素k内のプローブと溶液に存在す
る対象物質lとの未結合率を表すもので、各結合率をα
klとすれば、次のようになる。
【0107】 γkl=1−αkl (15) ここで、結合率αklはプローブと対象物質の組み合わせ
により定まる定数であり、理論的または実験的に定める
ことができる。また、転写支持体とn個の対象物質との
結合率をαc とし、これを次式で定義する。
【0108】
【数12】
【0109】ここで、αclは転写支持体と対象物質lと
の結合率であり、αklと同様に理論的または実験的に定
めることができる。未結合率γおよび転写支持体と対象
物質との結合率αc を用いて、転写支持体に結合する蛍
光分子nM と対象物質の数VMとの関係を表すと次のよ
うになる。
【0110】 nM =γαc M (17) (17)式を解くことにより、対象物質の数VM を求め
ることができるのである。
【0111】本第3の実施の形態によれば、洗浄プロセ
スおよび遊離プロセスが不要となるので、簡便に検査を
することができる。なお、本第3の実施の形態では標識
物質を蛍光分子としているが、これに限定するものでは
ない。
【0112】(第3の実施の形態の作用)図15の
(a)〜(d)は、第3の実施の形態の作用を説明する
図であり、溶液20は標識物質12が結合した生化学的
被検体13を含む。
【0113】図15の(a)は反応前の状態を示す図で
ある。図15の(b)は反応後の状態を示す図であり、
標識物質12を伴う生化学的被検体13の一部がプロー
ブ15の一部に結合し、その結果図示の通り標識物質1
2を伴う反応体18が反応担体14の表面に形成させ
る。
【0114】図15の(c)は、反応後に標識物質12
を含む反応体18を反応担体14と共に除去した状態を
示す図であり、溶液20に存在する標識物質12の量が
検出されるべき量となる。図15の(d)は、図15の
(c)の状態で立体分布する標識物質12と未反応の生
化学的被検体13との結合体を溶液20の表面付近に誘
導した状態を示す図である。この状態で、標識物質12
が発する信号を反応容器16や第2の溶液20で減衰す
ることなく、安定した信号を検出部17へ導くことがで
きる。
【0115】本発明の化学的検査方法および検査標本は
以下の如く構成されている。
【0116】(1)本発明の化学的検査方法は、反応担
体内に立体分布する検出対象物質または該検出対象物質
との結合体を特定の略平面上に分布せしめ、該平面と直
角をなす方向から反応状態を検査する。
【0117】(2)本発明の化学的検査方法は、反応担
体内に立体分布する検出対象物質または該検出対象物質
との結合体を前記反応担体の開口軸に対して直角な特定
の略平面上に分布せしめ、該平面と直角をなす方向から
反応状態を検査する。
【0118】(3)本発明の化学的検査方法は、反応担
体内に立体分布する検出対象物質または該検出対象物質
との結合体を前記反応担体の開口端付近で開口軸に対し
て直角な略平面上に分布せしめ、該平面と直角をなす方
向から反応状態を検査する。
【0119】(4)本発明の化学的検査方法は、反応担
体内に立体分布する検出対象物質または該検出対象物質
との結合体を前記反応担体内の液体の表面付近に分布せ
しめ、該表面と直角をなす方向から反応状態を検査す
る。
【0120】(5)本発明の化学的検査方法は上記
(1)乃至(4)のいずれかに記載の方方であり、かつ
前記検出対象物質が反応体または基質である。
【0121】(6)本発明の化学的検査方法は上記
(1)乃至(4)のいずれかに記載の方方であり、かつ
前記検出対象物質が標識物質である。
【0122】(7)本発明の化学的検査方法は、反応を
認識するための標識物質が結合した生化学的被検体の溶
液を、表面に該生化学的被検体に特異的に反応するプロ
ーブが保持されている立体構造の反応担体に供給し、前
記標識物質が結合された生化学的被検体と前記プローブ
とで特異的反応を生じさせ、前記標識物質の量を検出す
ることにより前記生化学的被検体と前記プローブとの反
応状態を検査する生化学的検査方法において、反応後に
未反応の前記標識物質が結合された生化学的被検体を除
去した後に、前記反応担体を前記標識物質を含まない溶
液に浸し、前記標識物質または該標識物質を含む反応体
を該溶液の表面付近に誘導し、該表面と直角をなす方向
から検査する。
【0123】(8)本発明の化学的検査方法は、多孔質
または繊維質の物質または成形物から成る立体構造の反
応担体の表面の異なる位置に生化学的被検体に特異的に
反応する物質の複数の異なるプローブ溶液を供給し各該
溶液中に含まれる前記生化学的被検体に特異的に反応す
る物質を前記反応担体の内部に結合することにより成る
生化学検査用アレイに、標識物質で標識された前記生化
学的被検体の溶液を供給し、各プローブ領域内で該生化
学的被検体と前記複数の特異的に反応する物質との反応
を生じさせ、各プローブ領域内の前記標識物質の量を各
プローブ領域ごとに検出することにより前記生化学的被
検体と該生化学的被検体に特異的に反応する物質との反
応状態を各プローブ領域ごとに検査する生化学的検査方
法において、反応後に未反応の前記標識物質が結合され
た生化学的被検体を除去した後に、反応担体に前記標識
物質を含まない溶液を供給し、前記標識物質を前記反応
担体内部から遊離して前記標識物質またはこれを含む遊
離体を前記多孔質または繊維質の開口端付近に誘導す
る。
【0124】(9)本発明の化学的検査方法は上記
(8)に記載の方法であり、かつ前記遊離体を電圧によ
り誘導する。
【0125】(10)本発明の化学的検査方法は上記
(8)に記載の方法であり、かつ前記遊離体を超音波振
動により誘導する。
【0126】(11)本発明の化学的検査方法は上記
(8)に記載の方法であり、かつ前記遊離体を磁界によ
り誘導する。
【0127】(12)本発明の化学的検査方法は上記
(8)に記載の方法であり、かつ反応担体を液体を保持
し得るものとし、前記遊離体を遠心分離法により誘導す
る。
【0128】(13)本発明の化学的検査方法は上記
(9)乃至(12)のいずれかに記載の方法であり、か
つ前記標識物質を電圧により前記反応担体から遊離す
る。
【0129】(14)本発明の化学的検査方法は上記
(9)乃至(12)のいずれかに記載の方法であり、か
つ前記標識物質を加熱により前記反応担体から遊離す
る。
【0130】(15)本発明の化学的検査方法は上記
(9)乃至(12)のいずれかに記載の方法であり、か
つ前記標識物質を超音波振動により前記反応担体から遊
離する。
【0131】(16)本発明の化学的検査方法は上記
(9)乃至(12)のいずれかに記載の方法であり、か
つ前記標識物質をアルカリ性溶媒を用いることにより前
記反応担体から遊離する。
【0132】(17)本発明の化学的検査方法は上記
(9)乃至(12)のいずれかに記載の方法であり、か
つ分解酵素を供給することにより前記プローブを前記反
応担体から遊離する。
【0133】(18)本発明の化学的検査方法は上記
(13)乃至(17)のいずれかに記載の方法であり、
かつ未反応の検被体を除去した後に、反応担体を転写支
持体に密着して、この密着面に標識物質を誘導し、該標
識物質を前記転写支持体に結合する。
【0134】(19)本発明の化学的検査方法は上記
(18)に記載の方法であり、かつ複数の異なる反応担
体に同一の転写支持体の異なる場所で標識物質を結合す
る。
【0135】(20)本発明の化学的検査方法は上記
(13)乃至(17)のいずれかに記載の方法であり、
かつ未反応の検被体を除去した後に、反応担体を透明な
重合剤により密閉してからその塗布面に標識物質を誘導
し、該標識物質を前記重合剤により結合する。
【0136】(21)本発明の検査標本は、多孔質また
は繊維質の物質または成形物より成る立体構造の反応担
体の表面の異なる位置に複数のプローブの各溶液を供給
し該各溶液中に含まれるプローブを前記物質または成形
物の内部に結合することにより成る生化学検査用アレイ
に、標識物質で標識された生化学的検被体の溶液を供給
し、該検被体と前記複数のプローブとの化学結合反応を
生じさせ、未反応の検被体を除去した後、転写支持体に
反応担体を密着して、この密着面に標識物質を誘導し、
該標識物質を前記転写支持体に結合して成る。
【0137】(22)本発明の検査標本は上記(21)
に記載の標本であり、かつ複数の異なる反応担体に存在
する標識物質を前記転写支持体の異なる場所に結合す
る。
【0138】(23)本発明の化学的検査方法は上記
(9)乃至(20)のいずれかに記載の方法であり、か
つ前記標識物質が蛍光分子である。
【0139】(24)本発明の検査標本は上記(21)
または(22)に記載の標本であり、かつ前記標識物質
が蛍光分子である。
【0140】(25)本発明の化学的検査方法は、反応
を認識するための標識物質が結合した生化学的被検体の
溶液を、表面に該生化学的被検体に特異的に反応するプ
ローブが保持されている立体構造の反応担体に供給し、
前記標識物質が結合された生化学的被検体と前記プロー
ブとで特異的反応を生じさせ、前記標識物質の量を検出
することにより前記生化学的被検体と前記プローブとの
反応状態を検査する生化学的検査方法において、反応後
に前記標識物質を含む反応体を前記反応担体と共に除去
した後に、未反応の前記標識物質が結合された生化学的
被検体を前記溶液の表面付近に誘導し、該表面と直角な
る方向から検査する。
【0141】(26)本発明の化学的検査方法は、反応
を認識するための標識物質が結合した生化学的被検体の
溶液を、表面に該生化学的被検体に特異的に反応するプ
ローブが保持されている立体構造の反応担体に供給し、
前記標識物質が結合された生化学的被検体と前記プロー
ブとで特異的反応を生じさせ、前記標識物質の量を検出
することにより前記生化学的被検体と前記プローブとの
反応状態を検査する生化学的検査方法において、前記反
応担体の開口端に転写支持体を密着配置し、該転写支持
体に結合未反応の生化学的被検体を結合し、前記転写支
持体を前記反応担体から分離し、前記標識物質の量を検
出する。
【0142】(27)本発明の化学的検査方法は、多孔
質または繊維質の物質または成形物より成る立体構造の
反応担体の表面の異なる位置に生化学的被検体に特異的
に反応する物質の複数の異なるプローブ溶液を供給し各
該溶液中に含まれる前記生化学的被検体に特異的に反応
する物質を前記反応担体の内部に結合することにより成
る生化学検査用アレイに、標識物質で標識された前記生
化学的被検体の溶液を供給し、各プローブ領域内で該生
化学的被検体と前記複数の特異的に反応する物質との反
応を生じさせ、各プローブ領域内の前記標識物質の量を
各プローブ領域ごとに検出することにより前記生化学的
被検体と該生化学的被検体に特異的に反応する物質との
反応状態を各プローブ領域ごとに検査する生化学的検査
方法において、前記反応担体の開口端に転写支持体を密
着配置し、該転写支持体に結合未反応の生化学的被検体
を結合し、前記転写支持体を前記反応担体から分離し、
前記標識物質の量を検出する。
【0143】(28)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(27)のいずれかに記載の方法であり、
かつ電位差攪拌により前記プローブと前記生化学的被検
体との結合を促進する。
【0144】(29)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(27)のいずれかに記載の方法であり、
かつ超音波攪拌により前記プローブと前記生化学的被検
体との結合を促進する。
【0145】(30)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(29)のいずれかに記載の方法であり、
かつ電位差誘導により前記転写支持体と前記生化学的被
検体との結合を促進する。
【0146】(31)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(29)のいずれかに記載の方法であり、
かつ超音波誘導により前記転写支持体と前記生化学的被
検体との結合を促進する。
【0147】(32)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(29)のいずれかに記載の方法であり、
かつ磁気誘導により前記転写支持体と前記生化学的被検
体との結合を促進する。
【0148】(33)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(29)のいずれかに記載の方法であり、
かつ前記転写支持体に多孔質シートを用いて、前記反応
担体に対して反対側から陰圧を与えて前記転写支持体上
に前記生化学的被検体を誘導する。
【0149】(34)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(29)のいずれかに記載の方法であり、
かつ前記転写支持体に多孔質シートを用いて、前記反応
担体側から陽圧を与えて前記転写支持体上に前記生化学
的被検体を誘導する。
【0150】(35)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(34)のいずれかに記載の方法であり、
かつ前記転写支持体に結合剤を塗布する。
【0151】(36)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(35)のいずれかに記載の方法であり、
かつmをプローブアレイ要素数、nを対象物質の種類数
として、転写支持体に結合するプローブアレイ要素kに
対応する標識Mの蛍光分子数nMkで構成されるベクトル
【0152】
【数13】
【0153】を検出し、検出された該ベクトルnM およ
び標識Mに対応するプローブアレイ要素k内のプローブ
と対象物質lとの未結合率γklで構成される既知なる行
【0154】
【数14】
【0155】および転写支持体と対象物質lとの結合率
αclで構成される既知なる行列
【0156】
【数15】
【0157】および未知数である1プローブアレイ要素
当たりの供給サンプル内の標識Mに対応する対象物質l
の対象物質数VMlで構成されるベクトル
【0158】
【数16】
【0159】で形成される連立方程式 nM =γαc M を解くことにより、前記1プローブアレイ要素当たりの
供給サンプル内の標識Mに対応する対象物質lの対象物
質数VMlで構成されるベクトルVM を導出する。
【0160】(37)本発明の検査標本は、多孔質また
は繊維質の物質または成形物より成る立体構造の反応担
体の表面の異なる位置に複数のプローブの各溶液を供給
し該各溶液中に含まれるプローブを前記物質または成形
物の内部に結合することにより成る生化学検査用アレイ
に、標識物質で標識された生化学的検被体の溶液を供給
し、該検被体と前記複数のプローブとの化学結合反応を
生じさせ、転写支持体に反応担体を密着して、この密着
面に未反応の検被体を標識物質と共に結合して成る。
【0161】(38)本発明の検査標本は上記(37)
に記載の標本であり、かつ複数の異なる反応担体内の未
反応の検被体に結合する標識物質を前記転写支持体の異
なる場所に結合する。
【0162】(39)本発明の化学的検査方法は、上記
(25)乃至(36)のいずれかに記載の方法であり、
かつ前記標識物質が蛍光分子である。
【0163】(40)本発明の検査標本は上記(37)
または(38)に記載の標本であり、かつ前記標識物質
が蛍光分子である。
【0164】上記手段を講じた結果、それぞれ以下のよ
うな作用を奏する。
【0165】(1)本発明の化学的検査方法によれば、
検出対象物質または該検出対象物質との結合体を正確に
検査することができる。
【0166】(2)本発明の化学的検査方法によれば、
エネルギ吸収率の高い反応担体でも対象物質または該検
出対象物質との結合体を正確に検査することができる。
【0167】(3)本発明の化学的検査方法によれば、
エネルギ吸収率の高い反応担体でも対象物質または該検
出対象物質との結合体を高感度で検査することができ
る。
【0168】(4)本発明の化学的検査方法によれば、
検出部に対する反応担体の姿勢に関する配置上の拘束条
件が緩和する。
【0169】(5)本発明の化学的検査方法によれば、
反応体がエネルギを放射する場合には、該反応体を検出
対象物質として直接検出することができる。また、反応
体が反応によりエネルギを放射する発色基質や蛍光基質
などの基質と反応する場合には、該基質を検出対象物質
として検出することができる。これにより、反応状態を
簡便に検査することができる。
【0170】(6)本発明の化学的検査方法によれば、
反応前の物質を標識しておく場合には、該標識物質を検
出対象物質として検出することができる。これにより、
反応状態を正確に検査することができる。
【0171】(7)本発明の化学的検査方法によれば、
標識物質が発する信号を減衰することなく検出部へ導
き、その存在量を正確に検出することができる。
【0172】(8)本発明の化学的検査方法によれば、
標識物質またはこれを含む遊離体を開口端付近に誘導す
ることによって、アレイ化された異なる物質のプローブ
領域ごとに反応状態を正確に検査することができる。
【0173】(9)本発明の化学的検査方法によれば、
遊離体を簡便に誘導することができる。
【0174】(10)本発明の化学的検査方法によれ
ば、遊離体を簡便に誘導することができる。
【0175】(11)本発明の化学的検査方法によれ
ば、遊離体を確実に誘導することができる。
【0176】(12)本発明の化学的検査方法によれ
ば、遊離体を確実に誘導することができる。
【0177】(13)本発明の化学的検査方法によれ
ば、標識物質を簡便に遊離することができる。
【0178】(14)本発明の化学的検査方法によれ
ば、標識物質を確実に遊離することができる。
【0179】(15)本発明の化学的検査方法によれ
ば、標識物質を簡便に遊離することができる。
【0180】(16)本発明の化学的検査方法によれ
ば、標識物質を確実に遊離することができる。
【0181】(17)本発明の化学的検査方法によれ
ば、プローブを確実に遊離することができる。
【0182】(18)本発明の化学的検査方法によれ
ば、測定結果を保存し易い検査標本として保存すること
ができる。
【0183】(19)本発明の化学的検査方法によれ
ば、大量の測定結果を保存し易いシート状の検査標本と
して保存することができる。
【0184】(20)本発明の化学的検査方法によれ
ば、測定結果を検査標本として保存することができる。
【0185】(21)本発明の検査標本によれば、測定
結果を保存し易い検査標本として保存することができ
る。
【0186】(22)本発明の検査標本によれば、大量
の測定結果を保存し易いシート状の検査標本として保存
することができる。
【0187】(23)本発明の化学的検査方法によれ
ば、正確に検査を行なえる。
【0188】(24)本発明の検査標本によれば、正確
な検査標本となる。
【0189】(25)本発明の化学的検査方法によれ
ば、標識物質と未反応の生化学的被検体との結合体が自
由運動しているので、これを容易に溶液の表面付近に誘
導することができる。
【0190】(26)本発明の化学的検査方法によれ
ば、検査プロセスが簡略化する。
【0191】(27)本発明の化学的検査方法によれ
ば、検査プロセスが簡略化された状態で、アレイ化され
た異なる物質のプローブ領域ごとに反応状態を検査する
ことができる。
【0192】(28)本発明の化学的検査方法によれ
ば、プローブと生化学的被検体とを短時間で結合するこ
とができる。
【0193】(29)本発明の化学的検査方法によれ
ば、プローブと生化学的被検体とを短時間で結合するこ
とができる。
【0194】(30)本発明の化学的検査方法によれ
ば、転写支持体と生化学的被検体とを短時間で結合する
ことができる。
【0195】(31)本発明の化学的検査方法によれ
ば、転写支持体と生化学的被検体とを短時間で結合する
ことができる。
【0196】(32)本発明の化学的検査方法によれ
ば、転写支持体と生化学的被検体とを短時間で結合する
ことができる。
【0197】(33)本発明の化学的検査方法によれ
ば、転写支持体と生化学的被検体とを短時間で結合する
ことができる。
【0198】(34)本発明の化学的検査方法によれ
ば、転写支持体と生化学的被検体とを短時間で結合する
ことができる。
【0199】(35)本発明の化学的検査方法によれ
ば、転写支持体と生化学的被検体とを短時間で結合する
ことができる。
【0200】(36)本発明の化学的検査方法によれ
ば、被検サンプルに含まれる生化学的物質の数を対象物
質ごとに知ることができる。
【0201】(37)本発明の検査標本によれば、測定
結果を保存し易い検査標本として保存することができ
る。
【0202】(38)本発明の検査標本によれば、大量
の測定結果を保存し易いシート状の検査標本として保存
することができる。
【0203】(39)本発明の化学的検査方法によれ
ば、正確に検査を行なえる。
【0204】(40)本発明の検査標本によれば、正確
な検査標本となる。
【0205】本発明は上記各実施の形態のみに限定され
ず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。
【0206】
【発明の効果】本発明によれば、検出対象物質の存在量
に相当する信号を正確に検出部へ導くことにより、反応
担体内部での反応状態を正確に検出することが可能な化
学的検査方法および検査標本を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る生化学的検査
方法を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る生化学的検査
方法を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る生化学的検査
方法を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る生化学的検査
方法を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る直流電圧の印
加前後の作用を説明する図。
【図6】本発明の第1,第2の実施の形態の作用を説明
する図。
【図7】本発明の第1,第2の実施の形態の作用を説明
する図。
【図8】本発明の第1,第2の実施の形態の作用を説明
する図。
【図9】本発明の第1,第2の実施の形態の作用を説明
する図。
【図10】本発明の第1,第2の実施の形態の作用を説
明する図。
【図11】本発明の第3の実施の形態を実現するための
装置例を示す図。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るプローブア
レイ装着ユニットの構成を示す図。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る導入ストッ
カーの構成を示す図。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る毛管現象の
原理を示す図。
【図15】本発明の第3の実施の形態の作用を説明する
図。
【図16】従来例に係る三次元アレイをなすテーパ付き
試料ウェルアレイを示す図。
【符号の説明】
101…溶液 102…標識分子 103…生化学的被検体 104…反応担体 105…生化学的物質 106…反応容器 107…検出器 108…反応体 109…電解液 110…電極 111…プローブアレイ 112…プローブアレイ要素 113…導管部 114…第1の導電体 115…第2の導電体 116…ニトロセルロースシート 117…本体フレ−ム 118…本体蓋部 119…開閉軸 120…電解液 121…溶液 122…生化学的プローブ 123…生化学的被検体 124…蛍光分子 125…特異的反応体 126…プローブアレイ装着ユニット 127…導入ストッカー 128…第1の搬送ベルト 129,130…回転軸 131…被検体溶液槽 132…溶液 133…溶液槽保持部 134…転写支持体 135…転写支持体取り付け軸 136…転写支持体巻き取り駆動軸 137〜143…ローラ 144…第2の搬送ベルト 145,146…回転軸 147…排出ストッカー 148…画像読み取り装置 149…支持部 150…画像解析部 151…収容体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 G01N 37/00 102

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内または反応担体内に立体分布する検
    出対象物質または該検出対象物質との結合体を前記容器
    内または前記反応担体内で移動せしめ、シート状集合体
    となすことを特徴とする化学的検査方法。
  2. 【請求項2】容器内または反応担体内に立体分布する検
    出対象物質または該検出対象物質との結合体を前記容器
    または前記反応担体の開口軸に対して直角な略平面状に
    移動せしめ、開口部側から検査することを特徴とする化
    学的検査方法。
  3. 【請求項3】容器内または反応担体内に立体分布する検
    出対象物質または該検出対象物質との結合体を前記容器
    または前記反応担体の開口端付近に移動せしめ、開口部
    側から検査することを特徴とする化学的検査方法。
  4. 【請求項4】容器内または反応担体内に立体分布する検
    出対象物質または該検出対象物質との結合体を前記容器
    または前記反応担体内の液体の表面付近に平面的に移動
    せしめることを特徴とする化学的検査方法。
  5. 【請求項5】移動せしめる工程は、電気的誘導、超音波
    による誘導、遠心力による誘導、磁気的誘導のうちのい
    ずれか、またはそれらの組み合わせによって行なうこと
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の化学的
    検査方法。
  6. 【請求項6】多孔質または繊維質の物質または成形物よ
    り成る立体構造の反応担体の表面の異なる位置に複数の
    プローブの各溶液を供給し該各溶液中に含まれるプロー
    ブを前記物質または成形物の内部に結合することにより
    成る生化学検査用アレイに、標識物質で標識された生化
    学的検被体の溶液を供給し、該検被体と前記複数のプロ
    ーブとの化学結合反応を生じさせ、未反応の検被体を除
    去した後、転写支持体に反応担体を密着して、この密着
    面に標識物質を誘導し、該標識物質を前記転写支持体に
    結合して成ることを特徴とする検査標本。
  7. 【請求項7】複数の異なる反応担体に存在する標識物質
    を前記転写支持体の異なる場所に結合することを特徴と
    する請求項6に記載の検査標本。
  8. 【請求項8】前記標識物質が蛍光分子であることを特徴
    とする請求項6または7に記載の検査標本。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011174857A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Fujifilm Corp 生体物質分析方法並びにそれに用いられる生体物質分析セル、チップおよび装置

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