JP2002277025A - 信号処理装置及びその冷却方法,並びに該信号処理装置を備えた無線受信機及びその冷却方法 - Google Patents

信号処理装置及びその冷却方法,並びに該信号処理装置を備えた無線受信機及びその冷却方法

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JP2002277025A
JP2002277025A JP2001365251A JP2001365251A JP2002277025A JP 2002277025 A JP2002277025 A JP 2002277025A JP 2001365251 A JP2001365251 A JP 2001365251A JP 2001365251 A JP2001365251 A JP 2001365251A JP 2002277025 A JP2002277025 A JP 2002277025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却機構が停止して真空断熱が劣化したこと
により、そのままでは冷却機構を起動しても冷却できな
い場合において、自動的に真空断熱を改善することによ
り冷却機構による冷却を可能とする。 【解決手段】 受信帯域通過濾波器2及び受信低雑音増
幅器3、あるいはそのいずれか含む信号処理部を有し、
信号処理部が真空断熱層6に覆われるとともに冷凍機7
で冷却される。また、活性化のためのヒータを内蔵する
ゲッター材12が、真空断熱層6内のガス圧力の増加を
抑制する機構として真空断熱層6内に設置されている。
そして、冷凍機7の起動時に、ゲーター材12をヒータ
13で加熱活性化することによって、停電等により冷凍
機7が停止した後等に冷凍機7を起動する際に、ゲッタ
ー材12の作用により真空断熱層6内のガス圧力を低下
させることにより、真空断熱の状態を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば移動体通
信や衛星通信等の基地局無線装置に適用され、高周波受
信部を冷却して所望の信号を受信する信号処理装置及び
その冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来の無線受信機の基本構成を
示すブロック図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0003】従来の無線受信機は、アンテナ端子1と、
アンテナ端子1から入力された受信信号から所望の帯域
の信号を選択する受信帯域通過濾波器2と、受信帯域通
過濾波器2の出力を所望のレベルまで低雑音で増幅する
受信低雑音増幅器3と、受信低雑音増幅器3で増幅され
た受信信号を出力するための受信信号出力端子4とを備
えている。また、受信帯域通過濾波器2及び受信低雑音
増幅器3は、真空容器5中に真空封入され、真空断熱層
6により外部に対して真空断熱されるとともに、冷凍機
7により冷却ステージ8上で冷却される。さらに、受信
低雑音増幅器3に動作電力を供給するための第一電源端
子9と、冷凍機7に動作電力を供給するための第二電源
端子10とがそれぞれ設けられている。真空容器5及び
冷凍機7は、筐体11に収容される。
【0004】真空容器5は、内部を真空状態に保持し、
真空断熱層6によって真空断熱することにより、外部か
らの熱侵入を遮断する構造となっている。真空容器5の
内部に封入された受信帯域通過濾波器2及び受信低雑音
増幅器3は、冷凍機7により、例えば70K程度の極め
て低い温度に冷却される。ここで、冷凍機7は、ヘリウ
ムガス等の圧縮・膨張による熱交換サイクルを利用する
ことにより、70K程度の極めて低い温度を長時間安定
して維持できるものであり、市販の製品を利用すること
ができる。
【0005】このように、受信帯域通過濾波器2及び受
信低雑音増幅器3を極低温に冷却することにより、これ
らで発生する熱雑音を低減することができる。その結
果、図2に示した無線受信機の雑音指数は大幅に改善さ
れ、受信感度が大幅に改善される。従って、図2に示し
た無線受信機を用いることにより、低いレベルの受信信
号に対しても例えば規定されたC/N(搬送波電力/雑
音電力)の受信出力を得ることができる、規定されたC
/Nの受信出力を得るのに必要な送信側の送信電力が小
さくて済む等の効果を得ることができる。無線受信機
は、受信信号がアンテナ端子1に入力されるまでの損失
を低減するために、屋外やアンテナ鉄塔の塔頂部近傍に
設置されることが多い。
【0006】真空容器5内は、真空断熱のため真空状態
に保持されることが必要となる。しかしながら、例えば
移動体通信の基地局として使用するために無線受信機を
上記のように屋外やアンテナ鉄塔の塔頂部近傍に設置す
る場合、施工を容易にするため、小型・軽量である必要
がある。従って、真空容器5内を常時真空排気するため
の真空ポンプを無線受信機に付加することは望ましくな
い。また、定期的に保守の必要な真空ポンプを外付けし
て用いることは、保守の間隔が短くなることにより、通
信サービスを提供するための運用コストを押し上げるこ
とになるので、望ましくない。
【0007】従って、真空容器5内を真空状態に保持す
る手段としては、真空断熱層6内のガス圧力の増加を抑
制するゲッター材12を真空容器5内に設けることが一
般的である。ゲッター材12は、水素ガスを吸着できる
ものを使用することが多い。その理由は、一般に、表面
処理を行ったステンレス材で真空容器5が作製されてい
ることにより、真空断熱層6内に排出されるガスとして
水素ガスを多く含むためである。また、ゲッター材12
は、その材質に応じて決まっている温度によって、真空
中で加熱処理される。これにより、多量のガスを吸着す
ることのできる清浄な活性化した合金表面が露出するの
で、ガス吸着を始めることができる。そのため、ゲッタ
ー材12は、活性化のためのヒータ13を内蔵するとと
もに、通電用のヒータ用端子14,15を有する。この
ようなゲッター材として、例えば、Zr(ジルコニウム)
を主成分とする合金からなるHS404やHS405
(日本ゲッターズ株式会社の商品名)等、市販のゲッタ
ー材を使用できる。なお、このようなZrを主成分とす
る合金に代えて、Ba(バリウム)、Ti(チタニウム)、
又はV(バナジウム)を主成分とする合金をゲッター材と
して使用しても良い。
【0008】さらに、ゲッター材12は、ガス吸着する
表面が吸着したガスにより飽和しても、再び加熱活性化
処理を行うことにより、引き続きガスを吸着できるよう
になる。加熱活性化処理は、ゲッター材12表面に吸着
したガスの一部を真空中に放出させるだけではなく、一
部のガスを表面層からゲッター材12内部に取り込ませ
るためである。従って、ゲッター材12内部に取り込ん
だガス量の分だけ、さらに表面にガスを吸着できるよう
になる。
【0009】これに加え、例えば70K程度の極めて低
い温度に、真空容器5内を冷却することも一般に行われ
ている。つまり、活性炭等のガス吸着材16を冷却ステ
ージ8に取り付け、低温で顕著となるガスの擬集捕獲作
用を利用して、真空断熱層6内のガス圧力の増加を抑制
する機構として動作させる。これらの処置により、冷凍
機7が低温を保持したまま連続的に運転していれば、1
0年程度の長期にわたって真空断熱層6内のガス圧力を
充分問題ない範囲内で低く保てることが分かっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ゲッター材12の活性
化は、真空断熱層6を真空封止する前に行われる。その
後、二箇月以上の長期にわたって冷凍機7が運転されず
に室温で保管されることにより、真空断熱層6内部のガ
ス圧力が高まってしまう場合がある。また、停電等によ
り冷凍機7が停止して温度が上昇することにより、ガス
吸着材16に捕獲されていたガスが真空断熱層6内に放
出される場合もある。しかしながら、これらの場合に
は、真空断熱が劣化していることにより、外部からの熱
流入が多いため、冷凍機7を起動しても冷却できない場
合があった。
【0011】 この発明は、上述した事情を鑑みてなさ
れたもので、冷却機構が停止して真空断熱が劣化したこ
とにより、そのままでは冷却機構を起動しても冷却でき
ない場合において、自動的に真空断熱を改善することに
より冷却機構による冷却を可能とする冷却方法と、その
冷却方法を実現する機構を有している信号処理装置とを
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、真空断熱層に覆われ、冷却
機構で冷却され、入力信号を処理する信号処理部と、上
記真空断熱層内のガス圧力の増加を抑制する熱活性化型
のゲッター材と、このゲッター材を加熱して活性化する
ヒータとを備えた信号処理装置に係り、冷却開始時に上
記ヒータへ通電する通電制御部をさらに備えていること
を特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の発明は、真空断熱層
に覆われ、冷却機構で冷却され、入力信号を処理する信
号処理部と、上記真空断熱層内のガス圧力の増加を抑制
する熱活性化型のゲッター材と、このゲッター材を加熱
して活性化するヒータとを備えた信号処理装置に係り、
冷却開始時に上記ヒータへ通電し、所定条件成立後に冷
却機構へ通電を切り替える通電制御部をさらに備えてい
ることを特徴としている。
【0014】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の信号処理装置に係り、上記所定条件成立後とは一定
時間経過後であることを特徴としている。
【0015】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3記載信号処理装置に係り、上記通電制御部は、上記
冷却機構又は上記ヒータのどちらか一方へ通電を切り替
えるリレーと、このリレーを制御するシーケンサとから
なることを特徴としている。
【0016】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか1に記載の信号処理装置に係り、上記信
号処理部の主たる部分が超伝導材料で構成されているこ
とを特徴としている。
【0017】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の信号処理装置に係り、上記超伝導材料が高温超伝導
体であることを特徴としている。
【0018】また、請求項7記載の発明は、請求項1乃
至6のいずれか1に記載の信号処理装置を備えた無線受
信機である。
【0019】また、請求項8記載の発明は、真空断熱層
に覆われ、冷却機構で冷却され、入力信号を処理する信
号処理部と、上記真空断熱層内のガス圧力の増加を抑制
する熱活性化型のゲッター材と、このゲッター材を加熱
して活性化するヒータとを備えた信号処理装置の冷却方
法に係り、冷却開始時に上記ヒータへ通電することを特
徴としている。
【0020】また、請求項9記載の発明は、真空断熱層
に覆われ、冷却機構で冷却され、入力信号を処理する信
号処理部と、上記真空断熱層内のガス圧力の増加を抑制
する熱活性化型のゲッター材と、このゲッター材を加熱
して活性化するヒータとを備えた信号処理装置の冷却方
法に係り、冷却開始時に上記ヒータへ通電し、所定条件
成立後に上記冷却機構へ通電を切り替えることを特徴と
している。
【0021】また、請求項10記載の発明は、請求項9
記載の信号処理装置の冷却方法に係り、上記所定条件成
立後とは一定時間経過後であることを特徴としている。
【0022】また、請求項11記載の発明は、請求項9
又は10記載の信号処理装置の冷却方法に係り、上記ヒ
ータから上記冷却機構への通電切替を予め設定した条件
あるいはシーケンスプログラムを用いて自動的に実現す
ることを特徴としている。
【0023】また、請求項12記載の発明は、請求項8
乃至11のいずれか1に記載の信号処理装置の冷却方法
に係り、上記信号処理部の主たる部分を超伝導材料で構
成することを特徴としている。
【0024】また、請求項13記載の発明は、請求項1
2記載の信号処理装置の冷却方法に係り、上記超伝導材
料が高温超伝導体であることを特徴としている。
【0025】また、請求項14記載の発明は、請求項8
乃至13のいずれか1に記載の信号処理装置の冷却方法
を含む無線受信機の冷却方法である。
【0026】 上記構成により、信号処理部は、冷却機
構によって冷却されることによって、熱雑音が大幅に低
下する。また、信号処理部は、真空断熱層で覆われてい
るので、熱が入りにくい。そのため、冷却機構は、信号
処理部を効率よく冷却できるので、消費電力が低く抑え
られる。ここで、停電等により冷却機構が停止した後に
冷却機構を起動する場合、又は、真空封止後に長期間室
温で保管された後に冷却機構を起動する場合は、真空断
熱層内のガス圧力が増大しているので、真空断熱がかな
り劣化している。従って、このままでは熱流入量が大き
すぎるために、冷却機構を起動しても信号処理部の温度
が十分に下がらない。そこで、この発明では、冷却機構
を起動する際に、予めゲッター材を加熱して活性化する
ことにより真空断熱層内のガス圧力を低下させる。これ
により、真空断熱が改善されるので、冷却機構による冷
却が可能となる。さらに、ヒータの通電と冷却機構の起
動時の通電とが重ならないため、無線受信機に供給され
る電力が小容量で済む。
【0027】また、信号処理部の配線の主たる部分が超
伝導材料からなり、この超伝導材料が超伝導状態になる
まで信号処理部を冷却する能力を冷却機構が有する、と
してもよい。超伝導材料は、例えば、高音超伝導体であ
る。このように、冷却機構で冷却された温度で超伝導状
態になる超伝導材料で信号処理部を構成することによ
り、通過信号の低損失性や周波数特性のシャープカット
特性が得られる。また、超伝導材料が特に高音超伝導体
である場合は、超伝導状態になる温度が比較的高いの
で、小型かつ軽量で安価な冷却機構を使用できる。
【0028】また、この発明の無線受信器は、冷却機構
の起動を冷却機構への通電開始により感知する機構を備
えていることにより、特に停電時には電源復帰とともに
自動的に冷却機構が起動し、無線受信器の故障時間を短
く抑えることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】 以下、図面を参照して、この発
明に係る信号処理装置の実施の形態について説明する。
説明は実施例を用いて具体的に説明する。図1は、この
発明の信号処理装置の一実施例である無線受信機の構成
を示すブロック図である。この例の無線受信機は、同図
に示すように、アンテナ端子1と、アンテナ端子1から
入力された受信信号から所望の帯域の信号を選択する受
信帯域通過濾波器2と、受信帯域通過濾波器2の出力を
所望のレベルまで低雑音で増幅する受信低雑音増幅器3
と、受信低雑音増幅器3で増幅された受信信号を出力す
るための受信信号出力端子4とを備えている。また、受
信帯域通過濾波器2及び受信低雑音増幅器3は、真空容
器5中に真空封入され、真空断熱層6により外部と真空
断熱されるとともに、冷凍機7により冷却ステージ8上
で冷却される。更に、受信低雑音増幅器3に動作電力を
供給するための第一電源端子9が設けられている。
【0030】また、冷凍機7と、ゲッター材12の活性
化のために用意された加熱用ヒータ13と、それらに電
力を供給する第二電源端子10とは、それぞれリレー1
7を介して接続されている。リレー17はシーケンサ1
8により制御される。真空容器5及び冷凍機7は筐体1
1に収容される。シーケンサ18は、第二電源端子10
から電力を供給されて動作するとともに、起動ごと、即
ち新たに通電されるごとに初期状態にリセットされ、プ
ログラムされたシーケンスを繰り返す。
【0031】即ち、通電が開始されると、シーケンサ1
8は、初期状態に戻り、まず、リレー17を操作してヒ
ータ13に一定時間通電する。この時間は、ヒータ13
からの加熱によりゲッター材12を活性化するのに必要
十分な時間に、予め設定しておく。この際、第二電源端
子10には、例えば直流で48Vといった規定電圧で電
力が供給されているため、ヒータ13の抵抗値もそれに
合わせて作製する。この時、冷凍機7はまだ起動してい
ないため、限られている電力供給量を消費しない。従っ
て、供給される電力量を抑制することができる。ゲッタ
ー材12が活性化されると、真空断熱層6内のガスを吸
着するため、真空断熱が改善される。
【0032】次に、シーケンサ18は、リレー17を操
作して冷凍機7に電力を供給する。これにより、冷凍機
7は、起動し、冷却ステージ8の冷却を開始する。この
際、真空断熱の状態が改善されているため、冷凍機7の
冷凍能力内での冷却が可能となり、さらに、冷却ステー
ジ8が冷却されることにより、冷却ステージ8に取り付
けられた活性炭16がさらに真空断熱層6内のガスを吸
着し、真空断熱が改善されていき、さらに冷却ステージ
8は冷却されていく。従って、シーケンサ18は、冷凍
機7の起動を冷凍機7への通電開始により感知する機構
となっている。
【0033】従って、特に停電時には、電源復帰ととも
に自動的に冷凍機7が起動し、無線受信機の故障時間を
短く抑えられる。従って、停電等により冷凍機7が停止
した後、あるいは真空封止後に二箇月以上の長期間に亘
って室温で保管された後に、冷凍機7を起動する際に、
そのままでは真空断熱の劣化により冷凍機7を起動して
も冷却できない場合において、自動的に真空断熱を改善
し、冷凍機7による冷却を可能とする冷却機構の起動方
法と、当該起動方法を実現する機構を有していることを
特徴とする無線受信機を提供できる。
【0034】ところで、受信帯域通過濾波器2は、冷凍
機7で冷却した温度で超伝導状態となる超伝導材料を用
いて構成してもよい。この場合、受信帯域通過濾波器2
は、例えばマイクロストリップライン(図示せず)で構
成され、そのマイクロストリップラインを構成するグラ
ンド層と信号線とがともに超伝導材料で構成される。受
信帯域通過濾波器2を超伝導材料より構成することによ
り、受信帯域通過濾波器2の損失を著しく小さくでき、
受信機の雑音指数を大幅に低減できる。その結果、無線
受信機の感度を大幅に改善することができる。
【0035】また、受信帯域通過濾波器2を構成する超
伝導材料として、高温超伝導体を用いてもよい。高温超
伝導体としては、例えばBi系、Tl系、Hg系、Y
系、Ag系等の銅酸化物超伝導体があり、これらはいず
れも使用可能である。高温超伝導体の中には、超伝導状
態に転移する温度が100Kを超える物質も存在する。
このような超伝導体では、例えば1気圧下での液体窒素
の沸点77.4K程度に冷却するだけで超伝導状態が得
られる。そのため、冷凍機7の冷却能力を緩和でき、よ
り小型で、かつ安価な極低温冷凍機7が使用可能とな
る。その結果、無線受信機を小型かつ安価に構成するこ
とができる。
【0036】なお、この発明は上記実施例に限定され
ず、この発明の技術思想の範囲内において、実施例は適
宜変更され得ることは明らかである。例えば、上述の実
施例においては、所定条件成立後とは、一定時間経過後
としたが、これに限定されず、一定圧力到達後としても
よい。
【0037】また、上述の実施例においては、冷却して
用いる信号処理装置として無線受信機の場合について説
明したが、これに限定されず、冷凍機で冷却している信
号処理装置にも適用できる。例えば、冷凍機冷却式の赤
外線受信機や、SQUID(superconducting quantum
interference device;超伝導量子干渉デバイス)等、
他の冷凍機冷却式のデバイスにおいても適用できること
はいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、冷却開始時にヒータへ通電する、又は冷却開始
時にヒータへ通電してから所定条件成立後に冷却機構へ
通電することにより、停電等により冷却機構が停止した
後に冷却機構を起動する場合、又は真空封止後に長期間
室温で保管された後に冷却機構を起動する場合でも、冷
却機構を起動開始時に真空断熱層内のガス圧力を低下で
きるので、冷却機構による冷却が可能となる。
【0039】また、信号処理部の配線を超伝導材料とす
ることにより、通過信号の低損失性や周波数特性のシャ
ープカット特性が得られるとともに、小型かつ軽量で安
価な冷却機構を使用することができる。
【0040】換言すると、この発明の構成によれば、信
号濾波器及び信号増幅器あるいはそのいずれかを含む信
号処理部を有し、その信号処理部を真空断熱層で覆い、
冷却機構で冷却する無線受信機であって、活性化のため
の加熱用ヒータを内蔵する熱活性化型ゲッター材を真空
断熱層内のガス圧力の増加を抑制する機構として真空断
熱層内に設置した無線受信機において、冷却機構の起動
時に、加熱用ヒータに通電し、ゲッター材を加熱活性化
することを特徴とする冷却機構の起動方法と、当該起動
方法を自動的に実現する機構を有する。これによって、
停電等により冷凍機が停止した後、あるいは、真空封止
後に長期間室温で保管された後に、冷凍機を起動する際
に、熱活性化型ゲッター材の作用により真空断熱層内の
ガス圧力を低下させ、真空断熱の状態を改善することが
できる。従って、冷凍機による冷却が可能となる。
【0041】また、この発明の構成によれば、信号濾波
器及び信号増幅器、あるいはそのいずれかを含む信号処
理部を有し、その信号処理部を真空断熱層で覆い、冷却
機構で冷却する無線受信機であって、活性化のための加
熱用ヒータを内蔵する熱活性化型ゲッター材を真空断熱
層内のガス圧力の増加を抑制する機構として真空断熱層
内に設置した無線受信機において、冷却機構を起動する
際に、予め当該加熱用ヒータに通電し、ゲッター材を加
熱活性化した後に冷却機構を起動することを特徴とする
冷却機構の起動方法と、当該起動方法を自動的に実現す
る機構を有することによって、停電等により冷凍機が停
止した後、あるいは、真空封止後に長期間室温で保管さ
れた後に、冷凍機を起動する際に、熱活性化型ゲッター
材の作用により真空断熱層内のガス圧力を低下させ、真
空断熱の状態を改善することができる。従って、冷凍機
による冷却が可能となる。さらに、ヒータの通電と冷却
機構の起動時の通電とが重ならないため、無線受信機に
供給される電力が小容量で済む。
【0042】以上のように、この発明によれば、冷却機
構の停止により真空断熱が劣化し、そのままでは冷却機
構を起動しても冷却できない場合において、自動的に真
空断熱を改善し、冷却機構による冷却を可能とする冷却
機構の起動方法と、当該起動方法を自動的に実現する機
構を有していることを特徴とする無線受信機とを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の無線受信機の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 この発明の一実施例である無線受信機の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ端子 2 受信帯域通過濾波器(信号処理部) 3 受信低雑音増幅器(信号処理部) 4 受信信号出力端子 5 真空容器 6 真空断熱層 7 冷凍機(冷却機構) 8 冷却ステージ 9 第一電源端子 10 第二電源端子 11 筐体 12 ゲッター材 13 加熱用ヒータ 14、15 ヒータ用端子 16 活性炭(ガス吸着材) 17 リレー(通電制御部) 18 シーケンサ(通電制御部)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空断熱層に覆われ、冷却機構で冷却さ
    れ、入力信号を処理する信号処理部と、前記真空断熱層
    内のガス圧力の増加を抑制する熱活性化型のゲッター材
    と、このゲッター材を加熱して活性化するヒータとを備
    えた信号処理装置であって、 冷却開始時に前記ヒータへ通電する通電制御部をさらに
    備えていることを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 真空断熱層に覆われ、冷却機構で冷却さ
    れ、入力信号を処理する信号処理部と、前記真空断熱層
    内のガス圧力の増加を抑制する熱活性化型のゲッター材
    と、このゲッター材を加熱して活性化するヒータとを備
    えた信号処理装置であって、 冷却開始時に前記ヒータへ通電し、所定条件成立後に前
    記冷却機構へ通電を切り替える通電制御部をさらに備え
    ていることを特徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記所定条件成立後とは一定時間経過後
    であることを特徴とする請求項2記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記通電制御部は、前記冷却機構又は前
    記ヒータのどちらか一方へ通電を切り替えるリレーと、
    このリレーを制御するシーケンサとからなることを特徴
    とする請求項2又は3記載信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理部の主たる部分が超伝導材
    料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1に記載の信号処理装置。
  6. 【請求項6】 前記超伝導材料が高温超伝導体であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の信号処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1に記載の信
    号処理装置を備えた無線受信機。
  8. 【請求項8】 真空断熱層に覆われ、冷却機構で冷却さ
    れ、入力信号を処理する信号処理部と、前記真空断熱層
    内のガス圧力の増加を抑制する熱活性化型のゲッター材
    と、このゲッター材を加熱して活性化するヒータとを備
    えた信号処理装置の冷却方法であって、 冷却開始時に前記ヒータへ通電することを特徴とする信
    号処理装置の冷却方法。
  9. 【請求項9】 真空断熱層に覆われ、冷却機構で冷却さ
    れ、入力信号を処理する信号処理部と、前記真空断熱層
    内のガス圧力の増加を抑制する熱活性化型のゲッター材
    と、このゲッター材を加熱して活性化するヒータとを備
    えた信号処理装置の冷却方法であって、 冷却開始時に前記ヒータへ通電し、所定条件成立後に前
    記冷却機構へ通電を切り替えることを特徴とする信号処
    理装置の冷却方法。
  10. 【請求項10】 前記所定条件成立後とは一定時間経過
    後であることを特徴とする請求項9記載の信号処理装置
    の冷却方法。
  11. 【請求項11】 前記ヒータから前記冷却機構への通電
    切替を予め設定した条件あるいはシーケンスプログラム
    を用いて自動的に実現することを特徴とする請求項9又
    は10記載の信号処理装置の冷却方法。
  12. 【請求項12】 前記信号処理部の主たる部分を超伝導
    材料で構成することを特徴とする請求項8乃至11のい
    ずれか1に記載の信号処理装置の冷却方法。
  13. 【請求項13】 前記超伝導材料が高温超伝導体である
    ことを特徴とする請求項12記載の信号処理装置の冷却
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至13のいずれか1に記載
    の信号処理装置の冷却方法を含む無線受信機の冷却方
    法。
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