JP2002274891A - 高性能熱線反射膜付き基板およびその成膜方法 - Google Patents
高性能熱線反射膜付き基板およびその成膜方法Info
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Abstract
久性と高い熱線反射性能を有するとともに高可視光線透
過率を有する高性能熱線反射膜を得ること。 【解決手段】 透明基板表面に、窒化チタン(TiN)
膜、酸化物膜が順次積層された多層膜において、該窒化
チタン膜は、(111)面の面間隔が2.439Å〜
2.464Åである面心立方構造を有することを特徴と
する高性能熱線反射膜付き基板。
Description
外装用窓ガラス表面に被覆され、太陽輻射エネルギーを
遮蔽する高断熱性、高耐久性の高性能熱線反射膜付き基
板およびその成膜方法に関する。
れている熱線反射ガラスは、ガラス基板表面に金属、窒
化物などの導電性の有色膜や、錫をドープした酸化イン
ジウム膜などの透明導電性膜を被覆することにより、太
陽エネルギーを室外へ反射させ、室内への入射エネルギ
ー量を抑制している。
は、スパッタリング法により金属、炭化物、窒化物など
の導電性の有色膜をガラス基板表面に被覆したものが主
流であり、該膜の材料としては、Ti、Cr、ステンレ
ス、NiCr、Ta、TiC、TiN、CrN、NiC
rNなどを用いることが出来、その内特に、窒化チタン
(以下、場合によっては「TiN」と略す)は、DC反
応性スパッタリング法により比較的容易に成膜可能であ
る上に、耐久性とともに導電性が高く熱線反射膜として
早くから量産化技術が進んでいる材料である。また、こ
のTiN膜は、金属チタン(fcc)の格子中に窒素原子
が侵入して岩塩型構造をとる侵入型化合物であり、Ti
Nxの組成領域は0.8<x<1.16と広く選択する
ことが可能であり、さらに可視光域での光学定数が小さ
く、金属膜と比較して透視性に優れた熱線反射膜を成膜
できる利点も有している。
Å以下を有する高度に配向された多結晶窒化チタン被膜
組成物および被覆方法が特開平8−170168号公報
に開示されている。
窒化チタン(TiN)膜を反応性スパッタリング法によ
り安定して成膜を行なう生産性の点から、スパッタリン
グ室に導入されるスパッタガスとしては、アルゴン/窒
素の混合ガス(混合ガス中の窒素流量比(N2/Ar+N
2)≧約0.2以上)が用いられ、この方法により成膜さ
れたTiN膜はほとんどが非晶質から構成され、比較的
容易に熱線反射膜が得られるものの、建築物等の外装用
窓ガラスなどに用いる場合には断熱性が不十分であっ
た。
の窒化チタン組成物および被覆方法は、本発明のTiN
膜の上層に酸化物膜を被覆すること及び低抵抗を有する
熱線反射膜およびスパッタガス導入量を分圧で制御し
て、Tiターゲット表面が金属/窒化物遷移領域の状態
で成膜することについて何ら記載されていない。
課題に鑑みてなされたものであって、窒化チタン(Ti
N)膜を特定の結晶構造を有する膜構造とし、その上層
に酸化物膜を被覆することにより、また、スパッタリン
グの成膜条件を特定な条件でスパッタリングすることに
より、得られる熱線反射膜は、高い可視光線透過率、優
れた熱線反射性能および高耐久性を有することを見出し
た。
基板は、透明基板表面に、窒化チタン(TiN)膜、酸
化物膜が順次積層された多層膜において、該窒化チタン
膜は、(111)面の面間隔が2.439Å〜2.46
4Åである面心立方構造を有することを特徴とする。
は、前記酸化物膜は、Sn、Ta、Ti、Si、Znま
たはAlの内の少なくとも1種の酸化物であることを特
徴とする。
板は、前記窒化チタン膜の膜厚は10〜30nm、前記
酸化物膜の膜厚は10〜80nmであることを特徴とす
る。
板は、可視光線透過率が50%以上、遮蔽係数(S.
C.値)が0.65以下であることを特徴とする。
き基板は、前記窒化チタン膜の比抵抗が2.3×10-4
Ω・cm以下であることを特徴とする。
の成膜方法は、透明基板表面に、スパッタリング法によ
り窒化チタン(TiN)膜、酸化物膜よりなる多層膜を
積層する方法において、窒化チタン膜を成膜する際のス
パッタガス導入量を分圧で制御し、Tiターゲット表面
を金属/窒化物遷移領域の状態で成膜することにより、
(111)面の面間隔が2.439Å〜2.464Åで
ある面心立方構造の窒化チタン膜を形成することを特徴
とする。
板の成膜方法は、前記窒化チタン膜をスパッタリング成
膜する際の窒素ガス分圧が、4.0×10-4Pa〜1.
2×10-2Paであることを特徴とし、さらに、前記窒
化チタン膜をスパッタリング成膜する際の総ガス圧力
が、4.0×10-2Pa〜1.3×10-1Paであるこ
とを特徴とする。
き基板の成膜方法は、前記窒化チタン膜をスパッタリン
グ成膜する際の電力密度(単位スパッタリング面積当た
りの投入電力)が、3.0W/cm2以上であることを
特徴とする。
チタン(TiN)膜、酸化物膜が順次積層された多層膜
において、該窒化チタン膜は、(111)面の面間隔が
2.439Å〜2.464Åである面心立方構造を有す
ることを特徴とするものである。
の面間隔が2.439Å〜2.464Åの範囲にある面
心立方構造を有するので、歪みが少なく導電性に優れる
とともに、機械的・化学的耐久性にも優れ、さらに熱線
を効率よく反射させ、冷房負荷を軽減する熱線反射機能
を有するものとなる。また、窒化チタン膜の比抵抗は、
2.3×10-4Ω・cm以下であると高断熱性(高熱線
反射性)となるのでより好ましい。なお、TiN(11
1)面の面間隔が2.439Åより小さい場合には、窒
素分圧が低くなりすぎるため、膜構造がTiNからTi
に変化し始め、この時に膜はアモルファスになり、比抵
抗は増加すると同時に膜強度は低下してしまう。一方、
該面間隔が2.439Åを越える場合には。格子間の歪
みが増大するため、比抵抗は増加してしまい好ましくな
い。
ン膜をTiNxとして表した時に、x=1に限定される
ものではなく、(111)面の面間隔が2.439Å〜
2.464Åの範囲にある面心立方構造を有する窒化チ
タンは全て含むものである。さらに、該窒化チタン膜
は、結晶方位を(200)面ではなく(111)面をよ
り選択的に配向させることにより、稠密構造となり、電
子の移動度が増し導電性が増大する。この様に優れた導
電性を有する構造とすることにより、優れた熱線反射性
能をも有するようにしたものであり、(111)面の面
間隔が2.439Å〜2.464Åの範囲にある面心立方
構造を有する結晶質の窒化チタンから大部分は構成され
るが、該膜中に非晶質の窒化チタン或いはその他の不純
物等が一部含まれることは差し支えない。
としては、Sn、Ta、Ti、Si、ZnまたはAlの
内の少なくとも1種の酸化物を用いることができる。こ
れらの酸化物を窒化チタン膜の上層に被覆させることに
より、それらの干渉作用により可視光線透過率をより高
透過率に、また、反射率をより低反射率とすることが可
能となり、可視光線透過率としては50%以上が好まし
く、膜面の可視光線反射率は15%以下とすることが好
ましい。なお、酸化ケイ素、酸化アルミについては色調
の面よりやや好ましくなく、酸化亜鉛については耐化学
性の面よりやや好ましくない。
30nm程度の膜厚のものを用いることができるが、1
5〜25nmの膜厚とすることがより好ましい。また、
酸化物の膜厚については、約10〜80nm程度の膜厚
のものを用いることができるが、15〜60nmの膜厚
とすることがより好ましい。なお、第1層目の膜厚が1
0nm未満で、第2層目の膜厚が10nm未満であれ
ば、60%以上の高い可視光透過性を有するものの熱的
性能である日射透過率が45%を超えてしまい、断熱性
が乏しくなり、めざす高性能熱線反射膜付き基板が得ら
れない。また、第1層目の膜厚が30nmを超え、第2
層目の膜厚が80nmを越えるものであると、日射透過
率は20%未満となり、断熱性は優れるものの、可視光
透過率が30%未満と低くなるという問題がある。
は、例えば、可視光線透過率が50%以上、日射透過率
が45%以下、遮蔽係数(S.C.値)が0.65以下
の光学特性を有するので、高い可視光透過性と優れた断
熱性(熱線反射性)を有する。なお、前記の遮蔽係数
は、JIS R 3106に基づいて日射熱取得率を求
め、3mmの厚さのフロート板ガラス(透明)の日射熱
取得率(=0.88)を1とした場合の日射熱取得率の
相対値を求め、遮蔽係数(Shading Coefficient:S.
C.値)として示される値である。
膜構成部分である窒化チタン膜は、次の方法により成膜
することができる。すなわち、スパッタリング法により
窒化チタン膜を成膜する際のスパッタガス導入量を分圧
で制御し、Tiターゲット表面を金属/窒化物遷移領域
の状態で成膜することにより、(111)面の面間隔が
2.439Å〜2.464Åである面心立方構造の窒化
チタン膜を形成することが可能となる。この分圧の制御
は、スパッタリング室内に導入するスパッタガス中の窒
素ガス量を特定の分圧で制御することが重要であり、該
窒素ガス分圧を4.0×10-4Pa〜1.2×10-2P
aの範囲で制御することが好ましい。窒素ガス分圧を
4.0×10-4Pa〜1.2×10-2Paの範囲で制御
するとしたのは、窒素ガス分圧が4.0×10-4Pa未
満では、TiNが生成せず、窒素ガス分圧が1.2×1
0-2Paをこえる場合には、TiNは生成するものの、
TiN(111)面の配向が弱くなる。よって、窒素ガ
ス分圧の範囲は、4.0×10-4Pa〜1.2×10-2
Paが好ましい。なお、4.0×10-4Pa〜5.3×
10-3Paの範囲であればより好ましい。
合、Tiターゲット表面は遷移モードにあり成膜が不安
定になるが、一定分圧になるように窒素ガス導入量を制
御してやることで、流量制御では不可能であった遷移モ
ードでも安定した成膜が可能となる。また、スパッタリ
ングを行う時の総ガス圧力を4.0×10-2Pa〜1.
3×10-1Paに制御して成膜することが好ましく、総
ガス圧力が4.0×10 -2Pa未満では、放電が持続せ
ず、総ガス圧力が1.3×10-1Paを越える場合に
は、スパッタ粒子同士の粒子間衝突が増大し、結晶方位
の配向性が弱まり好ましくない。なお、4.0×10-2
Pa〜8.0×10-2Paの範囲であればより好まし
い。
パッタリング面積当たりの投入電力である電力密度を
3.0W/cm2以上に制御して成膜することが好まし
く、電力密度が3.0W/cm2未満では、スパッタ粒
子のエネルギーが低下し、結晶方位の配向性が弱まるた
めである。なお、3.0W/cm2〜5.0W/cm2の
範囲であればより好ましい。
タガス導入量を分圧で制御することにより、Tiターゲ
ット表面が金属/窒化物遷移領域の状態で成膜されるた
め、窒化チタンの堆積速度が速く、生産性に優れる。ま
た、特に、成膜時の窒素分圧、総ガス圧力、電力密度を
制御することにより、得られた窒化チタン膜は、TiN
(111)面の面間隔が2.439Å〜2.464Åの
範囲にある面心立方構造を有し、歪みが少なく導電性に
優れるとともに、機械的・化学的耐久性にも優れ、さら
に熱線を効率よく反射させ、冷房負荷を軽減する熱線反
射機能を有するものとなる。得られた窒化チタン膜の比
抵抗は、2.3×10-4Ω・cm以下であると高断熱性
となるのでより好ましい。
機質はもちろん有機質でも差し支えなく、透明基板であ
ればよく、無色あるいは着色ガラス等でもよい。また単
板で使用できることはもとより、例えば、ガラス基板の
場合には、複層ガラスあるいは合せガラス、強化ガラス
等各種板ガラス製品として使用できることは言うまでも
ない。
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
ダライムガラスを中性洗剤、水すすぎ、純水、で順次洗
浄し、乾燥した後、DCマグネトロンスパッタリング装
置の真空槽内にセットしてあるTiとSnターゲットに
対向して上方を往復できるようセットし、つぎに前記槽
内を真空ポンプで約2.7×10-4Pa以下までに脱気
した後、該真空槽内にインフィコン社(旧ライボルト・
インフィコン社)製の分圧コントローラOGC−1によ
り、Arガスを4.0×10-2Pa、N2ガスを2.7×
10-3Pa導入して、前記Tiタ−ゲットに約4.3W
/cm2の電力を印加し、DCマグネトロン反応スパッ
タの中を、前記Tiタ−ゲット上方において前記板ガラ
スをスピード約1828mm/minで搬送することに
よって16nm厚さのTiNx 薄膜を成膜した。なお、
成膜が完了した後、Tiタ−ゲットへの印加を停止し
た。
たまま、前記槽内を真空ポンプで約2.7×10-4Pa
以下までに脱気した後、該真空槽内にO2ガスを導入し
て真空度を2.7×10-1Paに保持し、前記Snター
ゲットに1.0kW (電力密度 約1.4W/c
m2)の電力を印加し、DCマグネトロン反応性スパッ
タの中を、前記Snターゲット上方においてスピード約
194mm/minで前記板ガラスを搬送することによ
って前記TiNx膜表面上に約40nm厚さのSnOx
(1<x≦2)薄膜を第2層として積層し高性能熱線反
射膜付きガラス基板を得た。なお、成膜が完了した後、
Snタ−ゲットへの印加を停止した。
SnOx(40nm)の膜構成でなる膜付ガラス基板の
膜構成、代表的光学特性を表1に示す。この表1に示さ
れるように、可視光線透過率は55.4%、日射透過率
が39.6%、遮蔽係数が0.59であり、高可視光線
透過率、高断熱性を有する優れた熱線反射ガラスが得ら
れた。
評価した。 膜厚:sloan社製の段差測定器dektak3に
よって測定 可視光線透過率(Tv)、可視光線反射率(Rv)、
日射透過率(Ts)、日射反射率(Rs):JIS R
3106に規定する透過率測定方法に基づき、分光光
度計(U4000型、日立製作所製スペクトロフォトメ
ーター)で波長300〜2100nmの間の日射透過
率、日射反射率(ガラス面、膜面)、及び380〜78
0nmの間の可視光線透過率、可視光線反射率(ガラス
面、膜面)を測定した。 遮蔽係数(S.C.値):JIS R 3106に基
づいて日射熱取得率を求め、3mmの厚さのフロート板
ガラス(透明)の日射熱取得率(=0.88)を1とし
た場合の日射熱取得率の相対値を求め、遮蔽係数(Shad
ing Coefficient:S.C.値)として示した。
を約172mm/minとし、膜厚45nmのSnOx
膜を成膜した以外は、実施例1と同様に行った。得られ
た膜付きガラスについて性能を評価した結果、表1に示
すように可視光線透過率は55.0%、日射透過率が3
9.8%、遮蔽係数が0.59であり実施例1と同様に
高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが
得られた。
を約155mm/minとし、膜厚50nmのSnOx
膜を成膜した以外は、実施例1と同様に行った。得られ
た膜付きガラスについて性能を評価した結果、表1に示
すように可視光線透過率は54.6%、日射透過率が4
2.1%、遮蔽係数が0.60であり実施例1と同様に
高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが
得られた。
を約1625mm/minとし、膜厚18nmのTiN
x膜を成膜した以外は、実施例1と同様に行った。得ら
れた膜付きガラスについて性能を評価した結果、表1に
示すように可視光線透過率は53.3%、日射透過率が
37.1%、遮蔽係数が0.56であり実施例1と同様
に高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラス
が得られた。
を約1625mm/minとし、膜厚18nmのTiN
x膜を成膜した以外は、実施例2と同様に行った。得ら
れた膜付きガラスについて性能を評価した結果、表1に
示すように可視光線透過率は52.8%、日射透過率が
37.2%、遮蔽係数が0.56であり実施例1と同様
に高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラス
が得られた。
を約1625mm/minとし、膜厚18nmのTiN
x膜を成膜した以外は、実施例2と同様に行った。得ら
れた膜付きガラスについて性能を評価した結果、表1に
示すように可視光線透過率は53.0%、日射透過率が
38.0%、遮蔽係数が0.56であり実施例1と同様
に高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラス
が得られた。
とし、ガラスの搬送速度を約69mm/min、該Ta
ターゲットに2.0kW(電力密度 約2.9W/cm
2)の電力を印加し、膜厚35nmのTaOx(1<x≦
5/2)膜を成膜した以外は、実施例4と同様に行っ
た。得られた膜付きガラスについて性能を評価した結
果、表1に示すように可視光線透過率は55.2%、日
射透過率が39.2%、遮蔽係数が0.59であり実施
例1と同様に高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線
反射ガラスが得られた。
minとし、膜厚40nmのTaOx膜を成膜した以外
は、実施例7と同様に行った。得られた膜付きガラスに
ついて性能を評価した結果、表1に示すように可視光線
透過率は55.1%、日射透過率が40.1%、遮蔽係
数が0.59であり実施例1と同様に高い可視光透過
性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られた。
minとし、膜厚45nmのTaOx膜を成膜した以外
は、実施例7と同様に行った。得られた膜付きガラスに
ついて性能を評価した結果、表1に示すように可視光線
透過率は55.3%、日射透過率が40.7%、遮蔽係
数が0.59であり実施例1と同様に高い可視光透過
性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られた。
minとし、膜厚50nmのTaOx膜を成膜した以外
は、実施例7と同様に行った。得られた膜付きガラスに
ついて性能を評価した結果、表1に示すように可視光線
透過率は54.2%、日射透過率が40.5%、遮蔽係
数が0.59であり実施例1と同様に高い可視光透過
性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られた。
mm/minとし、膜厚20nmのTiNx膜を成膜し
た以外は、実施例10と同様に行った。得られた膜付き
ガラスについて性能を評価した結果、表1に示すように
可視光線透過率は52.5%、日射透過率が38.7
%、遮蔽係数が0.56であり実施例1と同様に高い可
視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られ
た。
とし、ガラスの搬送速度を約114mm/min、該T
iターゲットに3.0kW(電力密度 約4.3W/c
m2)の電力を印加し、膜厚20nmのTiOx(1<x
≦2)膜を成膜した以外は、実施例1と同様に行った。
得られた膜付きガラスについて性能を評価した結果、表
1に示すように可視光線透過率は54.7%、日射透過
率が39.5%、遮蔽係数が0.60であり実施例1と
同様に高い可視光透過性、高断熱性の優れた熱線反射ガ
ラスが得られた。
/minとし、膜厚30nmのTiOx膜を成膜した以
外は、実施例12と同様に行った。得られた膜付きガラ
スについて性能を評価した結果、表1に示すように可視
光線透過率は53.1%、日射透過率が39.7%、遮
蔽係数が0.58であり実施例1と同様に高い可視光透
過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られた。
/minとし、膜厚40nmのTiOx膜を成膜した以
外は、実施例12と同様に行った。得られた膜付きガラ
スについて性能を評価した結果、表1に示すように可視
光線透過率は50.5%、日射透過率が40.5%、遮
蔽係数が0.58であり実施例1と同様に高い可視光透
過性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られた。
とし、ガラスの搬送速度を約76mm/min、該Ti
ターゲットに3.0kW(約4.3W/cm2)の電力
を印加し、膜厚30nmのTiOx膜を成膜した以外
は、実施例4と同様に行った。得られた膜付きガラスに
ついて性能を評価した結果、表1に示すように可視光線
透過率は51.7%、日射透過率が37.8%、遮蔽係
数が0.56であり実施例1と同様に高い可視光透過
性、高断熱性の優れた熱線反射ガラスが得られた。
てTiターゲットのみセットし、スピード約1950m
m/minで前記板ガラスを搬送することによって約1
5nm 厚さのTiNx薄膜を成膜した。成膜が完了し
た後、Tiターゲットへの印加を停止した。その他は実
施例1と同様に行った。得られた膜付き基板は、表2に
示すように、日射透過率は34.7%、遮蔽係数は0.
56と低い値を示し高断熱性を示しているが、可視光線
透過率が48.9%と低かった。
てTiターゲットのみセットし、スピード約1463m
m/minで前記板ガラスを搬送することによって約2
0nm 厚さのTiNx薄膜を成膜した。成膜が完了し
た後、Tiターゲットへの印加を停止した得られた膜付
き基板は、日射透過率は28.1%、遮蔽係数は0.4
9と低い値を示し高断熱性を示しているが、可視光線透
過率が41.5%と低かった。(なお、各表において、
化学量論的には例えばSnOxはSnO2を、TaOxは
Ta2O5を、TiOxはTiO2をそれぞれ示すが、スパ
ッタリングにおいては必ずしも上記のような厳密な結合
形態をとらないので、表示のごとくした)
(111)面の面間隔が2.439Å〜2.464Åの
範囲にある面心立方構造の窒化チタン膜の上層に酸化物
膜が積層されているので、歪みの少なく、導電性に優
れ、且つ優れた耐久性と高い熱線反射性能を有するとと
もに高可視光線透過率を有するものであり、特に建築物
の外層用窓ガラスに好適である。
Claims (9)
- 【請求項1】透明基板表面に、窒化チタン(TiN)
膜、酸化物膜が順次積層された多層膜において、該窒化
チタン膜は、(111)面の面間隔が2.439Å〜
2.464Åである面心立方構造を有することを特徴と
する高性能熱線反射膜付き基板。 - 【請求項2】前記酸化物膜は、Sn、Ta、Ti、S
i、ZnまたはAlの内の少なくとも1種の酸化物であ
ることを特徴とする請求項1記載の高性能熱線反射膜付
き基板。 - 【請求項3】前記窒化チタン膜の膜厚は10〜30n
m、前記酸化物膜の膜厚は10〜80nmであることを
特徴とする請求項1または2記載の高性能熱線反射膜付
き基板。 - 【請求項4】可視光線透過率が50%以上、遮蔽係数
(S.C.値)が0.65以下であることを特徴とする
請求項1乃至3のいずれかに記載の高性能熱線反射膜付
き基板。 - 【請求項5】前記窒化チタン膜の比抵抗が2.3×10
-4Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4
のいずれかに記載の高性能熱線反射膜付き基板。 - 【請求項6】透明基板表面に、スパッタリング法により
窒化チタン(TiN)膜、酸化物膜よりなる多層膜を積
層する方法において、窒化チタン膜を成膜する際のスパ
ッタガス導入量を分圧で制御し、Tiターゲット表面を
金属/窒化物遷移領域の状態で成膜することにより、
(111)面の面間隔が2.439Å〜2.464Åで
ある面心立方構造の窒化チタン膜を形成することを特徴
とする高性能熱線反射膜付き基板の成膜方法。 - 【請求項7】前記窒化チタン膜をスパッタリング成膜す
る際の窒素ガス分圧が、4.0×10-4Pa〜1.2×
10-2Paであることを特徴とする請求項6記載の高性
能熱線反射膜付き基板の成膜方法。 - 【請求項8】前記窒化チタン膜をスパッタリング成膜す
る際の総ガス圧力が、4.0×10 -2Pa〜1.3×1
0-1Paであることを特徴とする請求項6または7記載
の熱線反射膜付き基板の成膜方法。 - 【請求項9】前記窒化チタン膜をスパッタリング成膜す
る際の電力密度(単位スパッタリング面積当たりの投入
電力)が、3.0W/cm2以上であることを特徴とす
る請求項6乃至8のいずれかに記載の高性能熱線反射膜
付き基板の成膜方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001069300A JP2002274891A (ja) | 2001-03-12 | 2001-03-12 | 高性能熱線反射膜付き基板およびその成膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001069300A JP2002274891A (ja) | 2001-03-12 | 2001-03-12 | 高性能熱線反射膜付き基板およびその成膜方法 |
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JP (1) | JP2002274891A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007319731A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Ykk Ap株式会社 | 光触媒活性被膜物 |
-
2001
- 2001-03-12 JP JP2001069300A patent/JP2002274891A/ja active Pending
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JP2007319731A (ja) * | 2006-05-30 | 2007-12-13 | Ykk Ap株式会社 | 光触媒活性被膜物 |
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