JP2002273884A - 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよびその製造方法

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JP2002273884A
JP2002273884A JP2001079696A JP2001079696A JP2002273884A JP 2002273884 A JP2002273884 A JP 2002273884A JP 2001079696 A JP2001079696 A JP 2001079696A JP 2001079696 A JP2001079696 A JP 2001079696A JP 2002273884 A JP2002273884 A JP 2002273884A
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Junji Tatsumi
純二 巽
Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒーターボードウエハと天板ウエハの接合後
のダイシングに際して、液体供給孔の形成とともにエッ
チングしたスクライブラインに沿ってダイシングするこ
とにより、切削抵抗を小さくでき、欠陥が少なく、高品
質で歩留まりの良く、熱安定性に優れたヘッドチップを
生産することを可能にする。 【解決手段】 天板20を形成する材料として表面が<
110>面であるシリコンウエハを用い、シリコンウエ
ハに液体供給孔21を異方性エッチングにより形成する
と同時に液体供給孔21の供給口22と同一面にアライ
メントマークやスクライブライン25をエッチングして
天板ウエハ2を作成し、天板ウエハ2を複数のヒーター
11が形成されたヒーターボードウエハ1に接合し、接
合された2枚のウエハ1、2を同時にスクライブライン
25に沿ってダイシングブレード31でダイシングし、
個々のヘッドチップに切断分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液滴を吐出飛翔さ
せて記録媒体等に付着させる液体吐出ヘッドおよびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射方式(インクジェット方式)
は、いわゆるノンインパクト記録方式の一つであり、記
録時における騒音の発生が無視しうる程度に小さく、高
速記録と様々な記録媒体に対する記録が可能であり、い
わゆる普通紙に対しても特別な処理を必要とせずに定着
し、しかも高精細な画像が廉価に得られることなどの特
徴を有している。このような利点から、コンピュータの
周辺機器としてのプリンタばかりでなく、複写機、ファ
クシミリ、ワードプロセッサ等のプリンティングシステ
ムでここ数年急速に普及している。
【0003】この種の液体噴射装置における液体吐出ヘ
ッド用のノズルとしては様々な形態のものが従来から提
案されており、その一例を図7の(a)および(b)を
用いて説明する。
【0004】図7の(a)および(b)において、天板
120は上面が結晶の<100>面になるように切断さ
れ研磨されたシリコンウエハから形成されるものであ
り、インク等液体の液体供給孔121は天板102を貫
通するように形成されており、液室の一部を構成する。
ヒーターボード110には、液体を吐出するためのエネ
ルギー発生素子としてのヒーター(発熱体)111が多
数個配列され、さらに、ヒーター111に通電するため
の回路が形成され、これらの回路につながる各種のデー
タ信号を外部回路とやり取りするための電極パッド11
2が配設されている。また、天板120とヒーターボー
ド110のいずれか一方には、各ヒーター111を区分
するノズル壁114を形成し、天板120とヒーターボ
ード110を図示する向きで接合することにより、ノズ
ル壁114とヒーター111および天板表面またはヒー
ターボード表面で細長いノズル113を形成する。
【0005】インク等の液体は、液体タンク(不図示)
から供給されて液体供給孔121に導かれた後、ノズル
113内に達する。ヒーターボード110は制御回路
(不図示)によって制御され、印字データに応じてヒー
ター111の一つ一つに通電する。前記制御回路はヒー
ターボード110上にあっても別基板に構成されていて
もよい。
【0006】印字データに応じて通電されるヒーター1
11は発熱し、そのヒーター111に対応するノズル1
13内の液体を加熱する。加熱された液体はある臨界温
度を超えると沸騰し、泡を発生する。この発生した泡は
数マイクロ秒の短い時間で成長して液体に衝撃力を与
え、その衝撃で液体の一部がノズル113の先端の吐出
口から勢い良く押し出され、用紙等の記録媒体の上に着
弾する。これが繰り返されて、印刷画像が完成する。
【0007】次に、前述した天板の作製方法の一例とし
て、異方性エッチングを用いた場合について説明する
と、天板の材料となるシリコンウエハは、結晶の面方位
が<100>のものであり、このシリコンウエハの両面
に、熱酸化法あるいはCVD(化学的気相成長)法など
の成膜方法によって、二酸化ケイ素あるいは窒化ケイ素
の薄膜を1μm程度形成し、この二酸化ケイ素あるいは
窒化ケイ素をマスク層としてシリコンウエハを異方性エ
ッチングする。異方性エッチングには、例えば、TMA
H(水酸化テトラメチルアンモニウム)22%溶液やK
OH(水酸化カリウム)30%溶液のようなエッチング
液を使う。すると、これらのエッチング液に対してシリ
コンの結晶面はエッチング選択性をもち、<111>面
で囲まれた形にエッチングされ、液体供給孔が形成され
る。また、ノズルを天板側に形成する場合は、液体供給
孔と同時にノズルも異方性エッチングで形成することが
できる。このように作製された天板をヒーターボードと
接合し、各ヘッドに分離するためのダイシング加工する
ことで、図7の(a)に示すようなヘッドチップを形成
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したような従来の
ヘッドチップ形成方法によれば、ノズルを構成する材料
は、天板とヒーターボードともに主材料がシリコンであ
るので、環境温度の変化あるいはヘッド駆動によるヘッ
ドの昇温が生じた場合であっても、ノズルの形状がひず
むことがなく、広い温度範囲において適正な印字結果が
得られる。
【0009】しかしながら、前述した従来の方法では、
天板とヒーターボードを同時にダイシングしているの
で、切削抵抗が大きく、ヘッドチップの欠陥が発生する
可能性があった。
【0010】また、特開平7−276649号公報に
は、切削抵抗を小さくするために多段階でダイシングを
行う方法が開示されているが、この多段ダイシング方法
では、ダイシングラインの位置精度に対応するずれやタ
クトタイムが増加してしまうという問題点もあった。
【0011】そこで、本発明は、前述した従来技術の有
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、天板
ウエハとヒーターボードウエハとの接合後のダイシング
に際して、液体供給孔の形成とともにエッチングしたス
クライブラインに沿ってダイシングすることにより、切
削抵抗を小さくすることができ、欠陥が少なく、高品質
で歩留まりが良く熱安定性に優れたヘッドチップを生産
することを可能にした液体吐出ヘッドおよびその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体吐出ヘッドは、画像データに応じて液
体を加熱する複数のヒーターを備えたヒーターボードと
液体を蓄える液体供給孔を備えた天板を対向させて接合
し、前記液体供給孔に連通して液体を吐出するノズルを
備えてなる液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルは前記
天板または前記ヒーターボードに形成され、前記天板に
液体供給孔を形成するとともに該液体供給孔の供給口と
同一面にスクライブラインの一部もしくは全部をエッチ
ングして形成してなることを特徴とする。
【0013】本発明の液体吐出ヘッドにおいては、前記
天板は表面が<110>面であることが好ましい。
【0014】また、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法
は、画像データに応じて液体を加熱する複数のヒーター
を備えたヒーターボードと液体を蓄える液体供給孔を備
えた天板を対向させて接合し、前記液体供給孔に連通し
て液体を吐出するノズルを備えてなる液体吐出ヘッドの
製造方法において、前記天板を形成する材料として表面
が<110>面であるシリコンウエハを用い、該シリコ
ンウエハに液体供給孔を異方性エッチングにより形成す
ると同時に前記液体供給孔の供給口と同一面にスクライ
ブラインの一部もしくは全部をエッチングして天板ウエ
ハを作製し、該天板ウエハを複数のヒーターが形成され
たヒーターボードウエハに接合し、接合された2枚のウ
エハを同時に前記スクライブラインに沿ってダイシング
し、個々のヘッドチップに切断分離することを特徴とす
る。
【0015】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法におい
て、前記ノズルを構成する壁部または溝部は、前記天板
ウエハまたは前記ヒーターボードウエハに形成されてい
ることが好ましく、また、前記ノズルの先端部にも壁部
が形成され、個々のヘッドチップに切断分離された後
に、前記ノズルの先端部の壁部が切断され液吐出口が開
口されることが好ましい。
【0016】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法におい
て、前記ヒーターボードウエハに形成される電極パッド
に対向する前記天板ウエハの部分は、前記液体供給孔の
異方性エッチングと同時にエッチング除去されることが
好ましい。
【0017】
【作用】本発明の液体吐出ヘッドおよびその製造方法に
よれば、液体吐出ヘッドの天板を形成する材料として表
面が<110>面をもつシリコンウエハを用い、シリコ
ンの異方性を利用して液体供給孔や液室をエッチングし
て形成するとともに、液体供給孔の供給口と同一面(ヒ
ーターと対向する面の反対の面)にアライメントマーク
やスクライブラインの一部または全部をエッチングして
形成することで、天板ウエハとヒーターボードウエハと
の接合後のダイシングに際して、予めエッチングしたス
クライブラインに沿ってダイシングすることにより、切
削抵抗を小さくすることができ、欠陥が少なく、高品質
で歩留まりの良いヘッドチップを生産することが可能に
なり、高密度、高精細でかつ高画質の印字品位の液体吐
出ヘッドを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方
法の一実施例に基づいてヒーターボードウエハと天板ウ
エハを接合しそしてダイシングする工程を概略的に示す
工程図であり、図2は、本発明の液体吐出ヘッドの製造
方法の一実施例に基づいて天板ウエハとヒーターボード
ウエハを接合する状態を示す概略的な斜視図であり、図
3は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一実施例に
おける製造工程でのヒーターボードを示す模式図であ
り、図4の(a)および(b)は、それぞれ、図3にお
ける線A−Aおよび線B−Bに沿ったヒーターボードの
断面図である。
【0020】本発明の液体吐出ヘッドは、図1および図
2に図示するように、複数個のヒーター(発熱体)、配
線回路と電極パッド等を既存の半導体プロセスを用いて
形成したヒーターボード(10)となる各チップを複数
形成したヒーターボードウエハ1と、液体供給孔を既存
の半導体プロセスを用いて形成した天板(20)となる
各チップを複数形成した天板ウエハ2を接合した後に、
各チップにダイシングブレードで切断分離することによ
り作製するものであり、以下にそれぞれのウエハについ
て詳細に説明する。
【0021】ヒーターボードウエハ1としてシリコンウ
エハが用いられ、その上には、図3に示すようなヒータ
ーボード10が多数個作成される。なお、図3にはヒー
ターボードの1チップ分のみを示す。ヒーターボード1
0上には、液体を吐出するためのエネルギー発生素子と
してのヒーター(発熱体)11が多数個配列され、さら
に、ヒーター11に通電するための配線回路(不図示)
が形成され、また、ヒーター列と反対側には電極パッド
12が配置されており、電極パッド12は外部回路とつ
ながってヒーター11の通電を制御する。電極パッド1
2は、外部回路との配線方法により、通常の薄膜プロセ
スで作ったアルミニウムなどの導電体膜で作成して天板
接合後にワイヤボンディングしてもよいし、電極パッド
12上に金等のスタッドバンプ12a(図4参照)を設
けておいてTABボンディングにしてもよい。ヒーター
ボード10上には電極パッド12とヒーター11を直接
結ぶ配線や制御回路などを通して信号処理した後にヒー
ター11に通電する回路を作り込んでいるが、これらの
回路構成については本発明の主旨に関係しないので詳細
な説明は省略する。
【0022】ヒーターボード10上には、さらに、ノズ
ル13を構成するノズル壁14および液室15を構成す
る液室枠16が設けられている(図4も参照のこと)。
ノズル壁14は各ヒーター11の両側にそれぞれ位置す
るように形成されており、ヒーターボード10上に天板
20を接合することで、ノズル13が構成される。
【0023】一方、天板ウエハ2は、表面の結晶方位が
<110>面であるシリコンウエハを用いる。そして、
ノズル並び方向(すなわち、チップの長手方向)を<1
11>面とすることで、天板ウエハ2の各チップに形成
される液体供給孔21はその長手方向のエッチング面
は、天板表面に垂直な面とすることができる。天板20
の作製は、天板ウエハ(シリコンウエハ)2の両面に、
熱酸化法あるいはCVD(化学的気相成長)法などの成
膜方法によって、二酸化ケイ素あるいは窒化ケイ素の薄
膜を1μm程度形成し、この二酸化ケイ素あるいは窒化
ケイ素をマスク層とし、両面からマスク層のパターニン
グを行い、両面から異方性エッチングを行う。異方性エ
ッチングには、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニ
ウム)22%溶液を用い、5時間ほどで貫通した液体供
給孔21を形成することができた。このように、ウエハ
の両面からマスク層のパターニングを行い、両面から異
方性エッチングを行うことで、両面での穴位置の自由度
をもたせることができるとともに異方性エッチングに要
する時間をほぼ半減することができる。例えば、図1の
(a)に示すように、天板ウエハ2の接合面側の穴形状
はノズルの長さに合わせた形にし、反対側の面は液体の
供給系を装着し易いように液体供給口となる穴を小さめ
にすることができる。
【0024】また、貫通した液体供給孔21を異方性エ
ッチングにより形成するのと同時に、あるいは液体供給
孔21を形成した後に、図1の(a)に示すように、天
板ウエハ2の接合面と反対側の面(液体供給孔21の供
給口22と同一面)に、アライメントマークやダイシン
グ時のスクライブラインの一部あるいは全部となる部分
25をエッチングし、そして、接合面側で電極パッド1
2やスタッドバンプ12aに対応する部分をエッチング
してパッド逃げ部分26を形成する。エッチングした部
分25はこれをダイシング時のアライメントマークやス
クライブラインとして利用することができ、特に、スク
ライブライン25は、図1の(c)に示すように、ダイ
シングブレード31、31aの幅の1.5〜2倍程度に
パターニングをしているが、天板接合時の強度を確保す
るために、ダイシングブレード31、31aの幅より小
さくても差し支えない。
【0025】次に、以上のようにそれぞれ作製されたヒ
ーターボードウエハ1と天板ウエハ2は、図1の(b)
に示すように、アライメントマークやスクライブライン
25を用いてアライメントして接合する。この両ウエハ
の接合には、接着剤を用いることもできるし、無機材料
の表面活性化接合等の方法を用いることもできる。
【0026】ヒーターボードウエハ1と天板ウエハ2を
接合した後に、図1の(c)に示すように、ダイシング
ブレード31でスクライブライン25に沿って切断す
る。先ず、アライメントマークやスクライブライン25
をもとにアライメントし、このスクライブライン25を
もとに接合されたヒーターボードウエハ1と天板ウエハ
2をダイシングブレード31で2枚同時にダイシングす
る。このとき、スクライブライン25はエッチングが施
されているので、切削体積が、従来の方法より少なくな
っているため、切削抵抗が減少し、吐出口周りの欠陥も
減少する。そして、このダイシングにより、ノズル13
の先端部分を開口させて液吐出口を形成する。
【0027】その後に、天板ウエハ2のパッド逃げ部分
26を同様のダイシングブレード31aでハーフカット
することで不要な部分を削除して、電極パッド12(1
2a)を露出させる。
【0028】以上のような工程を経て、図1の(d)に
示すように、個々に分離されたヘッドチップを形成する
ことができる。
【0029】本実施例に基づいて作製したヘッドの吐出
面を観察したところ、吐出口周りのチッピングが、従来
の製造方法では5μm程度であったが、2μm程度にな
っており、ノズル壁の損傷も見られなかった。
【0030】以上説明したように、本実施例に基づいて
チップヘッドを作製することにより、天板ウエハやヒー
ターボードウエハともに主材料がシリコンであるので、
環境温度の変化あるいはヘッド駆動によるヘッドの昇温
が生じた場合であってもノズルの形状がひずむことがな
く、広い温度範囲において適正な印字結果が得られると
ともに、ダイシングに際しての切削抵抗を小さくするこ
とができ、欠陥の少ない歩留まりの良いヘッドチップを
形成でき、今後要求される高密度、高精細、高画質の印
字品位の液体吐出ヘッドにも適用できる。
【0031】次に、本発明の第2の実施例について、図
5および図6を用いて説明する。本実施例は、インク等
の液体を吐出するノズルの先端を加工することによって
液体の吐出を安定させるものである。
【0032】図5は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方
法の他の実施例に基づいて作製された液体吐出ヘッドの
概略的な斜視図であり、図6は、本発明の液体吐出ヘッ
ドの製造方法の他の実施例における製造工程でのヒータ
ーボードを示す模式図である。なお、本実施例において
は、前述した実施例と同様の部材には同一符号を付して
ある。
【0033】本実施例に用いるヒーターボード10は、
図6に示すように、ノズル壁14が吐出口側の壁枠17
でつながっている。このヒーターボード10をウエハ状
態で前述した実施例と同様の天板ウエハ(図1の(a)
参照)に接合すると、ノズル13の先端部の吐出口が塞
がれた形になる。ヒーターボードウエハと天板ウエハを
接合した後に、前述した実施例と同様に、ダイシングブ
レードでスクライブラインに沿って切断して、各ヘッド
チップに分離した後に、ノズル13の先端部の壁枠17
をレーザー加工やエッチング技術を利用して切削し、各
ノズル13の先端部に吐出口を開けてやると、図5に示
すようなヘッドチップを形成することができる。
【0034】本実施例に基づいて作製したヘッドの吐出
面を観察したところ、従来は切削抵抗の変動によりびび
りが発生していたが、びびりもなく、一様なソーマーク
ができており、ブレードが無理なくダイシングできてい
ることがわかった。
【0035】以上のように、本実施例に基づいてチップ
ヘッドを作製することにより、ヒーターボードにおいて
は図6に示すようにノズル先端部が壁枠でつながってい
るノズルをダイシングする場合でも、切削抵抗を十分に
減少させることが可能で、安定した精度と平面度を確保
できる。このことにより、歩留まりのよい高品質なヘッ
ドチップを生産することが可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体吐出ヘッドの天板を形成する材料として表面が<1
10>面をもつシリコンウエハを用い、シリコンの異方
性を利用して液体供給孔をエッチングして形成するとと
もに、ノズル形成面と反対の面(液体供給孔の供給口と
同一面)にアライメントマークやスクライブラインの一
部または全部をエッチングして形成することで、天板ウ
エハとヒーターボードウエハとの接合後のダイシングに
際して、エッチングしたスクライブラインに沿ってダイ
シングすることにより、切削抵抗を小さくすることがで
き、欠陥が少なく、高品質で歩留まりの良いヘッドチッ
プを生産することが可能になり、高密度、高精細でかつ
高画質の印字品位の液体吐出ヘッドを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一実施例
に基づいてヒーターボードウエハと天板ウエハを接合し
そしてダイシングする工程を概略的に示す工程図であ
る。
【図2】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一実施例
に基づいて天板ウエハとヒーターボードウエハを接合す
る状態を示す概略的な斜視図である。
【図3】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一実施例
における製造工程でのヒーターボードを示す模式図であ
る。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ、図3におけ
る線A−Aおよび線B−Bに沿ったヒーターボードの断
面図である。
【図5】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の他の実施
例に基づいて作製された液体吐出ヘッドの概略的な斜視
図である。
【図6】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の他の実施
例における製造工程でのヒーターボードを示す模式図で
ある。
【図7】(a)は従来の液体吐出ヘッドの斜視図であ
り、(b)は従来の液体吐出ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1 ヒーターボードウエハ 2 天板ウエハ 10 ヒーターボード 11 ヒーター(発熱体) 12 電極パッド 12a スタッドバンプ 13 ノズル 14 ノズル壁 15 液室 16 液室枠 17 壁枠 20 天板 21 液体供給孔 22 供給口 25 スクライブライン 26 パッド逃げ部分 31、31a ダイシングブレード

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データに応じて液体を加熱する複数
    のヒーターを備えたヒーターボードと液体を蓄える液体
    供給孔を備えた天板を対向させて接合し、前記液体供給
    孔に連通して液体を吐出するノズルを備えてなる液体吐
    出ヘッドにおいて、 前記ノズルは前記天板または前記ヒーターボードに形成
    され、前記天板に液体供給孔を形成するとともに該液体
    供給孔の供給口と同一面にスクライブラインの一部もし
    くは全部をエッチングして形成してなることを特徴とす
    る液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記天板は、表面が<110>面である
    ことを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 画像データに応じて液体を加熱する複数
    のヒーターを備えたヒーターボードと液体を蓄える液体
    供給孔を備えた天板を対向させて接合し、前記液体供給
    孔に連通して液体を吐出するノズルを備えてなる液体吐
    出ヘッドの製造方法において、 前記天板を形成する材料として表面が<110>面であ
    るシリコンウエハを用い、該シリコンウエハに液体供給
    孔を異方性エッチングにより形成すると同時に前記液体
    供給孔の供給口と同一面にスクライブラインの一部もし
    くは全部をエッチングして天板ウエハを作製し、該天板
    ウエハを複数のヒーターが形成されたヒーターボードウ
    エハに接合し、接合された2枚のウエハを同時に前記ス
    クライブラインに沿ってダイシングし、個々のヘッドチ
    ップに切断分離することを特徴とする液体吐出ヘッドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ノズルを構成する壁部または溝部
    は、前記天板ウエハまたは前記ヒーターボードウエハに
    形成されていることを特徴とする請求項3記載の液体吐
    出ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ノズルの先端部にも壁部が形成さ
    れ、個々のヘッドチップに切断分離された後に、前記ノ
    ズルの先端部の壁部が切断され液吐出口が開口されるこ
    とを特徴とする請求項4記載の液体吐出ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ヒーターボードウエハに形成される
    電極パッドに対向する前記天板ウエハの部分は、前記液
    体供給孔の異方性エッチングと同時にエッチング除去さ
    れることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項
    に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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