JP2002272840A - 少量の薬液投与に適した薬液注入器 - Google Patents

少量の薬液投与に適した薬液注入器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作が簡単で、薬液投与の途中で少量の別の
薬液を連続的に投与することが出来る薬液注入器を提供
する。 【解決手段】 薬液注入器は、筒状体1と、この筒状体
1に挿着された2つのガスケット2、3を含んでなる。
筒状体1には、長手軸に関して反対側の側壁に薬液の入
口13と出口14が設けられており、2つのガスケット
2、3の間は薬液室4になっている。第1のガスケット
2は、中央部分に薬液通路22が設けられており、薬液
通路22が薬液の入口13と出口14を連通する第1の
位置から先端11まで移動可能である。薬液の入口13
は出口14より先端側で筒状体1の内腔に開口してお
り、第1のガスケット2は、薬液室4が薬液の出口14
と連通し入口13とは連通しない第2の位置で停止する
ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プライミング操作
から連続した操作で少量の薬液を投与するのに好適な薬
液注入器に関する。本発明の薬液注入記は、薬液投与の
途中で別の薬液を投与する場合や、抗癌剤など混注操作
に際して操作者が汚染される虞のある薬剤の投与に好適
である。
【0002】
【従来の技術】輸液セットやカテーテルを使用して行う
薬液投与に際して、薬液投与の途中で別の薬液の投与を
必要とすることがよくある。例えば、造影剤や、ホルモ
ン製剤、ペプチド製剤、抗癌剤、ビタミン剤等の場合で
あり、薬液が予め充填された注射器、所謂プレフィルド
シリンジを使用して行われることが多い。従来、このよ
うな混注を必要とする場合、三方活栓やY字管を使用し
て流路を切り換えることにより行っていた。
【0003】しかしながら、このような三方活栓やY字
管を使用した混注の場合、プレフィルドシリンジの接続
操作やプライミングの際に、中に収容された薬液が外部
に漏れる虞があり、特に抗癌剤など発ガン性の高い製剤
を混注する場合には、操作者の健康上問題がある。ま
た、高価な薬液を少量投与する場合、操作が煩雑であ
り、他の薬液と混合して濃度が希薄になり効果的な投与
が出来なかったり、残液があるなどの問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、如上の事情
に鑑みてなされたもので、操作が簡単で、薬液投与の途
中で少量の別の薬液を連続的に投与することが出来る薬
液注入器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために、鋭意検討の結果、押し子を押し続けると
いう単一の操作で投薬モードを変更できるプレフィルド
シリンジを採用することにより上記課題を解決できるこ
とに想到し、本発明を完成した。すなわち本発明は、両
端が開放された筒状体と、この筒状体の内腔に所定距離
隔てて液密かつ内壁に沿って摺動可能に挿着された、先
端側の第1のガスケットと基端側の第2のガスケットを
含んでなり、筒状体には、長手軸に関して反対側の側壁
に薬液の入口と出口が設けられており、第1のガスケッ
トと第2のガスケットの間は薬液が充填された薬液室に
なっており、前記第1のガスケットは、両端にシール部
を有するとともに中央部分に薬液通路が設けられ、該薬
液通路が前記薬液の入口と出口を連通する第1の位置か
ら前記筒状体の先端まで移動可能であり、前記薬液の入
口は出口より先端側で前記筒状体の内腔に開口してお
り、前記薬液室が前記薬液の出口と連通し入口とは連通
しない第2の位置で第1のガスケットが停止するよう
に、前記筒状体の先端部に停止手段が設けられてなる薬
液注入器に関する。
【0006】ここで、第2のガスケットは、薬液室の薬
液投与後、薬液の入口からの薬液を投与することが出来
るように、両端にシール部を有するとともに中央部分に
薬液通路が設けられてなるものであってもよい。但し、
この時には、第2のガスケットと接触した状態で第1の
ガスケットが筒状体の先端まで移動したときに、第2の
ガスケットの薬液通路を介して薬液の入口と出口が連通
する必要がある。また、薬液通路は、シール部の間に形
成された環状溝であっても、ガスケットを横断する貫通
孔であってもよい。筒状体の基端には第2のガスケット
を先端方向に移動させる押し子を設けてもよい。停止手
段としては、例えば、筒状体の内壁に設けられた、第1
のガスケットの先端と衝合する位置から先端方向に延び
る複数の縦リブ等が採用される。
【0007】本発明の薬液注入器は、シリンジと接続し
て、心筋シンチグラフィーのために行う造影剤の血管注
入や、腎性貧血の治療のために行う透析回路へのホルモ
ン製剤の混注、骨粗鬆症の治療のためのペプチド製剤の
混注、抗癌剤の混注などに使用できるほか、輸液バック
やボトルにチューブを介して接続して、メイラード反応
を防止するために高カロリー輸液の開始直前にビタミン
剤を注入する場合などに使用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示す縦断面
図であり、図2〜図5は本発明の薬液注入器の使用状態
を説明するための図である。図1に示すように、本発明
の薬液注入器は、筒状体1と、この筒状体1に挿着され
た2つのガスケット2、3を含んでなる。筒状体1に
は、長手軸に関して反対側の側壁に薬液の入口13と出
口14が設けられており、2つのガスケット2、3の間
は薬液室4になっている。第1のガスケット2は、中央
部分に薬液通路22が設けられており、薬液通路22が
薬液の入口13と出口14を連通する第1の位置から先
端11まで移動可能である。薬液の入口13は出口14
より先端側で筒状体1の内腔に開口しており、第1のガ
スケット2は、薬液室4が薬液の出口14と連通し入口
13とは連通しない第2の位置で停止するようになって
いる。
【0009】筒状体1は、両端11,12が開放されて
おり、その長手軸に関して反対側の側壁には薬液の入口
13と出口14が設けられ、薬液の入口13は出口14
より先端11側で筒状体1の内腔に開口している。筒状
体1の内腔には所定距離隔てて2つのガスケット2、3
が液密かつ内壁に沿って摺動可能に挿着されており、2
つののガスケット2、3の間は薬液室4になっている。
薬液室4には薬液(省略されている)が充填されてい
る。
【0010】先端11側の第1のガスケット2は、両端
にシール部21を有しており、中央部分には薬液通路2
2が設けられている。薬液通路22は、シール部21の
間に形成された環状溝22であっても、ガスケットを横
断する貫通孔(図示していない)であってもよい。第1
のガスケット2は、その薬液通路22を介して筒状体1
の薬液の入口13と出口14が連通する第1の位置から
筒状体1の先端11まで摺動可能であり、筒状体1の先
端11には、先端11を越えて第1のガスケット2が移
動しないように、環状突起16が設けられている。第1
のガスケット2は、これを先端11方向に移動させた
時、薬液室4が薬液の出口14と連通し入口13とは連
通しない第2の位置で停止するようになっており、その
ために先端部には停止手段が設けられている。停止手段
としては、例えば、図1に示すような、筒状体1の内壁
に設けられた、第1のガスケット2の先端と衝合する位
置から先端方向に延びる複数の縦リブ15や、図示して
いないが、先端11方向から内腔に着脱自在に挿着され
た衝合部材(例えば、後述の押し子5と同様のキャップ
状部材、但し、押圧部の外径は環状突起16の内径より
小さくする必要がある)等が採用可能である。
【0011】基端12側の第2のガスケット3は、薬液
通路の無い通常のものであってもよいが、薬液室4の薬
液投与後、薬液の入口13からの薬液を投与することが
出来るように、両端にシール部31を有するとともに中
央部分に薬液通路32が設けられてなるものであっても
よい。但し、この時には、第2のガスケット3と接触し
た状態で第1のガスケット2が筒状体1の先端11まで
移動したときに、第2のガスケット3の薬液通路32を
介して薬液の入口13と出口14が連通するようにする
必要がある。筒状体1の基端には第2のガスケット3を
先端11方向に移動させる押し子5を設けてもよい。押
し子5としては、特に限定するものではないが、例えば
図1に示すような、筒状体1の外壁と係合し、容易に先
端11方向に移動させることが出来るキャップ状のもの
が好ましく採用される。図中、51は係合部、52は押
圧部であり、押し子5は、筒状体1の環状溝17と係合
部51の環状リブ511が係合する位置から、筒状体1
の段部18と環状リブ511が係合する位置まで移動可
能になっている。
【0012】次に、本発明の薬液注入器の使用について
図面を用いて説明する。図2〜図5は血管に造影剤を注
入する場合の使用例である。先ず、薬液室4に造影剤
(図示していない)の充填された薬液注入器Iを用意
し、その薬液の出口14に例えば翼状針(図示していな
い)を接続する。この時、第1のガスケット2は薬液通
路22が薬液の入口13と出口14を連通する第1の位
置ある。次に、図2に示すように、薬液注入器Iの薬液
の入口13に、生理食塩水(図示していない、以下、生
食という)を充填したシリンジSのチップ6を挿着し、
プランジャ7を押すと、シリンジSの生食は薬液の入口
13、薬液通路22、出口14および翼状針を通って流
れ、造影剤の流路が洗浄される(プライミングとい
う)。
【0013】プライミングが終了したら、翼状針の針を
患者の血管に刺入して血管を確保する。次に、薬液注入
器Iの押し子5を押すと、第2のガスケット3と薬液室
4および第1のガスケット2が先端方向に移動し、薬液
室4が薬液の出口14と連通し入口13とは連通しない
第2の位置で停止する。押し子5を押し続けると、薬液
室4の造影剤は薬液の出口14から翼状針を介して血管
に注入される(図3参照)。薬剤室4の造影剤が空にな
ると、図4に示すように、2つのガスケット2、3が接
触して、第1のガスケット2が環状突起16により前進
を阻止される位置まで一体的に移動する。この時、第2
のガスケット3の薬液通路32を介して薬液の入口13
と出口14が連通する。次に、シリンジSのプランジャ
7を押すと、生食が薬液の入口13、薬液通路22、出
口14および翼状針を通って流れ、薬液の出口14およ
び翼状針の中に残っている造影剤が血管内に流し込まれ
る(図5参照)。
【0014】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明によれば、以下のような効果が期待できる。押し子
を押し続けるだけの単純な操作で投薬モードを変更でき
るので、操作が簡単である。また、投薬の途中で別の薬
液を連続して投与できるので、高価な薬液を少量投与す
る場合に便利であり、この場合、他の薬液と混合するよ
うに投与するものではないので濃度が希薄になることも
無く、効果的な投与が出来る。高価な薬液の投与後再び
安価な薬液を投与することにより、高価な薬液の残液を
流し込むことが出来るので、高価な薬液を無駄にしない
で済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の薬液注入器の使用状態を説明するため
の図である。
【図3】本発明の薬液注入器の使用状態を説明するため
の図である。
【図4】本発明の薬液注入器の使用状態を説明するため
の図である。
【図5】本発明の薬液注入器の使用状態を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 筒状体 11 先端 12 基端 13 薬液の入口 14 薬液の出口 15 縦リブ 16 環状突起 17 環状溝 18 段部 2 第1のガスケット 21 シール部 22 薬液通路 3 第2のガスケット 31 シール部 32 薬液通路 4 薬液室 5 押し子 51 係合部 511 環状リブ 52 押圧部 6 チップ 7 プランジャ S シリンジ I 薬液注入器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が開放された筒状体と、該筒状体の
    内腔に所定距離隔てて液密かつ内壁に沿って摺動可能に
    挿着された、先端側の第1のガスケットと基端側の第2
    のガスケットを含んでなり、前記筒状体には、長手軸に
    関して反対側の側壁に薬液の入口と出口が設けられてお
    り、第1のガスケットと第2のガスケットの間は薬液が
    充填された薬液室になっており、前記第1のガスケット
    は、両端にシール部を有するとともに中央部分に薬液通
    路が設けられ、該薬液通路が前記薬液の入口と出口を連
    通する第1の位置から前記筒状体の先端まで移動可能で
    あり、前記薬液の入口は出口より先端側で前記筒状体の
    内腔に開口しており、前記薬液室が前記薬液の出口と連
    通し入口とは連通しない第2の位置で第1のガスケット
    が停止するように、前記筒状体の先端部に停止手段が設
    けられてなる薬液注入器。
  2. 【請求項2】 第2のガスケットが、両端にシール部を
    有するとともに該シール部の間に薬液通路が設けられて
    なり、第2のガスケットと接触した状態で第1のガスケ
    ットが筒状体の先端まで移動したときに、該薬液通路に
    より薬液の入口と出口が連通する請求項1に記載の薬液
    注入器。
  3. 【請求項3】 薬液通路がシール部の間に形成された環
    状溝である請求項1または2に記載の薬液注入器。
  4. 【請求項4】 薬液通路がシール部の間に形成されたガ
    スケットを横断する貫通孔である請求項1または2に記
    載の薬液注入器。
  5. 【請求項5】 筒状体の基端に第2のガスケットを先端
    方向に移動させる押し子を設けてなる請求項1〜4のい
    ずれかに記載の薬液注入器。
  6. 【請求項6】 停止手段が、筒状体の内壁に設けられ
    た、第1のガスケットの先端と衝合する位置から先端方
    向に延びる複数の縦リブである請求項1〜5のいずれか
    に記載の薬液注入器。
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JP2015531287A (ja) * 2012-10-10 2015-11-02 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング ロッキング機構を備えたリザーバアセンブリを有する、注射デバイスに取り付け可能なニードルアセンブリ

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