JP2002271390A - パケット通信音声シミュレーション装置および方法 - Google Patents

パケット通信音声シミュレーション装置および方法

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JP2002271390A JP2001063015A JP2001063015A JP2002271390A JP 2002271390 A JP2002271390 A JP 2002271390A JP 2001063015 A JP2001063015 A JP 2001063015A JP 2001063015 A JP2001063015 A JP 2001063015A JP 2002271390 A JP2002271390 A JP 2002271390A
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伊佐美 中島
Toshiaki Watanabe
俊朗 渡辺
Katsunori Ori
織  克典
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音声パケット通信における品質劣化を精度よ
くシミュレーションできるようにする。 【解決手段】 ネットワークシミュレーション部2でシ
ミュレーションされた、ネットワーク内でのパケットの
挙動を示すネットワーク性能情報2Aを元にして、揺ら
ぎ吸収シミュレーション部1で、受信側端末に設けられ
ている揺らぎ吸収バッファの影響を考慮した劣化処理情
報1Aをパケット単位で生成し、これら劣化処理情報1
Aに基づいて、音声劣化処理部3で、符号化音声データ
5Aをパケット単位で劣化処理し、劣化符号化音声デー
タ3Aとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パケット通信音声
シミュレーション方法および装置に関し、特に音声情報
をパケット化して伝送し再生する際に生じる音声品質の
劣化をシミュレーションするパケット通信音声シミュレ
ーション方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音声情報を送信側でパケット化して伝送
し、受信側で再生するような、VoIP(Voice over I
nternet Protocol)をはじめとする音声パケット通信
が、最近、実用に供され始めている。このような音声パ
ケット通信では、ネットワークの輻輳等によってパケッ
トの遅延や損失が発生した場合、音声情報を運ぶパケッ
トが受信側に正しく到着せず、そして正しく再生されな
いために、音声品質の劣化が生じる。したがって、その
品質劣化の度合いを精度よく推定することは、ネットワ
ークの設計や運用において重要である。
【0003】このような音声パケット通信における音声
品質劣化の推定を行うためには、まずパケットレベルで
のネットワーク内での、遅延や損失に関する挙動を明ら
かにする作業、すなわちネットワークレベルでのシミュ
レーションを行う必要がある。そして、このようなネッ
トワークレベルでのシミュレーションで得られたパケッ
トの挙動の下で、音声が現実にどのように劣化するかを
明らかにする作業、すなわち音声レベルでのシミュレー
ションを行えばよい。
【0004】従来より、ネットワークレベルでのシミュ
レーションを行うネットワークシミュレーション装置は
既に存在する。例えば、OPNET Technologies,Inc.製の
OPNETと呼ばれるネットワークシミュレーション装
置は、ネットワーク内の各装置で起るパケットの競合を
個々のパケットごとに模擬して挙動をシミュレーション
するものである。この装置によれば、最終的に、ネット
ワークの所定箇所からのパケット出力に関して、 1.パケットがネットワーク内で失われていないかどう
かを示す損失情報(損失の有無) 2.失われていない場合にはそのパケットの到着時刻を
示す到着時刻情報 からなる、パケットレベルでのネットワーク性能情報を
得ることができる。
【0005】また、従来、シミュレーションや実測によ
って、ネットワーク部分のパケットの挙動(パケット損
失率等)が明らかになった場合に、それと同じネットワ
ーク品質を再現するエミュレータ装置も存在する。この
エミュレータ装置によれば、実際の音声端末をそのエミ
ュレータ装置に接続することにより、ネットワークによ
る音声劣化を再現できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のような
従来のネットワークシミュレーション装置で得られる、
パケットレベルでのネットワーク性能情報に基づき、エ
ミュレータ装置を動作させることにより、音声パケット
通信における音声品質劣化を推定することが考えられ
る。一方、このような音声パケット通信で用いられるリ
アルタイム系の端末アプリケーションでは、受信側端末
に設けられている揺らぎ吸収バッファを利用して、ネッ
トワーク側の要因で発生するパケット到着タイミングの
揺らぎを低減し、音声の途切れなどを救済している。ま
た、揺らぎ吸収バッファによる許容時間を超えて到着し
たパケットについては、ネットワーク側でのパケット損
失と同様な影響を生じるものとなる。
【0007】したがって、ネットワークシミュレーショ
ン装置とエミュレータ装置とを単に組み合わせただけで
は、上記のような揺らぎ吸収バッファによる影響が考慮
されてないため、実際とは異なるシミュレーション結果
しか得られず、ネットワークの設計や運用の検討・評価
に用いることができる程度まで精度よくシミュレーショ
ンすることができないという問題点があった。本発明は
このような課題を解決するためのものであり、音声パケ
ット通信における品質劣化を精度よくシミュレーション
できるパケット通信音声シミュレーション装置および方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかるパケット通信音声シミュレー
ション装置は、送信側端末から送出された各パケットに
ついてネットワーク内でのパケットの挙動をシミュレー
ションし、各パケットごとにネットワーク内での損失有
無と受信側端末に到着する到着時刻とからなるネットワ
ーク性能情報を出力するネットワークシミュレーション
部と、このネットワークシミュレーション部で得られた
ネットワーク性能情報を元にして、受信側端末の有する
揺らぎ吸収機能の動作をシミュレーションし、その揺ら
ぎ吸収機能による各パケットへの影響を考慮した、当該
パケットに対する劣化処理の内容を示す劣化処理情報を
各パケットごとに生成する揺らぎ吸収シミュレーション
部と、送信側端末からのものとして入力された音声情報
について、揺らぎ吸収シミュレーション部からの劣化処
理情報に基づき、各パケット単位で劣化処理を行い、受
信側端末で再生される劣化後の音声情報として出力する
音声劣化処理部とを設けたものである。
【0009】劣化処理情報を生成する際、揺らぎ吸収シ
ミュレーション部で、受信側端末の揺らぎ吸収機能で用
いる揺らぎ吸収バッファの揺らぎ吸収許容時間を示す最
小バッファサイズと、その揺らぎ吸収バッファで蓄積可
能な容量を示す最大バッファサイズとに基づいて、ネッ
トワーク性能情報ごとに当該パケットの損失判定を行
い、その損失判定結果を示す損失情報と当該ネットワー
ク性能情報に含まれる到着時刻とから、劣化処理情報を
生成して出力するようにしてもよい。
【0010】劣化処理情報を生成する際の具体例とし
て、揺らぎ吸収シミュレーション部で、ネットワーク性
能情報ごとに算出した当該パケットの到着間隔と最小バ
ッファサイズと比較し、その到着間隔が最小バッファサ
イズより大きい場合には、ネットワーク内で遅延した遅
着パケットと判断して、当該パケットの直前に音声の途
切れを生じるさせるように指示する損失情報を生成する
ようにしてもよい。
【0011】また、劣化処理情報を生成する際の他の具
体例として、揺らぎ吸収シミュレーション部で、ネット
ワーク性能情報ごとに当該パケットを蓄積する揺らぎ吸
収バッファのパケット蓄積量を算出し、そのパケット蓄
積量が最大バッファサイズを超えた場合は、受信側端末
の揺らぎ吸収バッファで欠落した欠落パケットと判断し
て、当該パケットの破棄を指示する損失情報を生成する
ようにしてもよい。
【0012】最小バッファサイズが未知の場合について
は、最小バッファサイズとして予想される仮定最小バッ
ファサイズを選択し、送信側端末と受信側端末との間の
様々なネットワーク負荷のもとで、送信側端末から送出
された各パケットのうち受信側端末へ到着しなかった損
失パケットと、直前到着パケットとの到着間隔が仮定最
小バッファサイズを越えた遅着パケットとを無効パケッ
トと判定してこれら無効パケット数を計数し、送信側端
末から送出された全パケット数に対する無効パケット数
の割合を無効パケット率として算出し、被験者による実
際の主観品質評価により得られた主観品質評価値とその
ときの無効パケット率とから、主観品質評価と無効パケ
ット率との対応関係を示す回帰曲線を導出するととも
に、その回帰曲線の寄与率を算出し、異なる仮定最小バ
ッファサイズごとに得られた複数の回帰曲線のうち、そ
の寄与率が最も高い回帰曲線が得られた仮定最小バッフ
ァサイズを最小バッファサイズとして用いるようにして
もよい。
【0013】さらに、主観品質評価を並列的に行う場合
は、揺らぎ吸収シミュレーション部は、ネットワーク性
能情報に対応する各パケットのうち、受信側端末へ到着
しなかった損失パケットと、直前到着パケットとの到着
間隔が仮定最小バッファサイズを越えた遅着パケットと
を無効パケットと判定するものとし、この揺らぎ吸収シ
ミュレーション部で無効パケットと判定された無効パケ
ット数の全パケット数に対する割合を示す無効パケット
率を算出し、無効パケット率と主観品質評価値との関係
を示す所定の推定モデルに基づいて、無効パケット率に
対応する主観品質評価値を出力する主観品質評価推定部
をさらに設けてもよい。
【0014】また、本発明にかかるパケット通信音声シ
ミュレーション方法は、送信側端末から送出された各パ
ケットについてネットワーク内でのパケットの挙動をシ
ミュレーションし、各パケットごとにネットワーク内で
の損失有無と受信側端末に到着する到着時刻とからなる
ネットワーク性能情報を出力し、これらネットワーク性
能情報を元にして、受信側端末の有する揺らぎ吸収機能
の動作をシミュレーションし、その揺らぎ吸収機能によ
る各パケットへの影響を考慮した、当該パケットに対す
る劣化処理の内容を示す劣化処理情報を各パケットごと
に生成し、送信側端末からのものとして入力された音声
情報について、劣化処理情報に基づき、各パケット単位
で劣化処理を行い、受信側端末で再生される劣化後の音
声情報として出力するようにしたものである。
【0015】劣化処理情報を生成する際、受信側端末の
揺らぎ吸収機能で用いる揺らぎ吸収バッファの揺らぎ吸
収許容時間を示す最小バッファサイズと、その揺らぎ吸
収バッファで蓄積可能な容量を示す最大バッファサイズ
とに基づいて、ネットワーク性能情報ごとに当該パケッ
トの損失判定を行い、その損失判定結果を示す損失情報
と当該ネットワーク性能情報に含まれる到着時刻とか
ら、劣化処理情報を生成するようにしてもよい。
【0016】劣化処理情報を生成する際の具体例とし
て、ネットワーク性能情報ごとに算出した当該パケット
の到着間隔と最小バッファサイズと比較し、その到着間
隔が最小バッファサイズより大きい場合には、ネットワ
ーク内で遅延した遅着パケットと判断して、当該パケッ
トの直前に音声の途切れを生じるさせるように指示する
損失情報を生成するようにしてもよい。
【0017】また、劣化処理情報を生成する際の他の具
体例として、ネットワーク性能情報ごとに当該パケット
を蓄積する揺らぎ吸収バッファのパケット蓄積量を算出
し、そのパケット蓄積量が最大バッファサイズを超えた
場合は、受信側端末の揺らぎ吸収バッファで欠落した欠
落パケットと判断して、当該パケットの破棄を指示する
損失情報を生成するようにしてもよい。
【0018】最小バッファサイズが未知の場合について
は、最小バッファサイズとして予想される仮定最小バッ
ファサイズを選択し、送信側端末と受信側端末との間の
様々なネットワーク負荷のもとで、送信側端末から送出
された各パケットのうち受信側端末へ到着しなかった損
失パケットと、直前到着パケットとの到着間隔が仮定最
小バッファサイズを越えた遅着パケットとを無効パケッ
トと判定してこれら無効パケット数を計数し、送信側か
ら送信された全試験用パケット数に対する無効パケット
数の割合を無効パケット率として算出し、被験者による
実際の主観品質評価により得られた主観品質評価値とそ
のときの無効パケット率とから、主観品質評価と無効パ
ケット率との対応関係を示す回帰曲線を導出するととも
に、その回帰曲線の寄与率を算出し、異なる仮定最小バ
ッファサイズごとに得られた複数の回帰曲線のうち、そ
の寄与率が最も高い回帰曲線が得られた仮定最小バッフ
ァサイズを最小バッファサイズとして用いるようにして
もよい。
【0019】さらに、主観品質評価を並列的に行う場合
は、ネットワーク性能情報に対応する各パケットのう
ち、受信側端末へ到着しなかった損失パケットと、直前
到着パケットとの到着間隔が仮定最小バッファサイズを
越えた遅着パケットとを無効パケットと判定し、無効パ
ケットと判定された無効パケット数の全パケット数に対
する割合を示す無効パケット率を算出し、無効パケット
率と主観品質評価値との関係を示す所定の推定モデルに
基づいて、無効パケット率に対応する主観品質評価値を
出力するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態にかかるパケット通信音声シミュレーション装置
を示すブロック図である。このパケット通信音声シミュ
レーション装置10は、揺らぎ吸収シミュレーション部
1、ネットワークシミュレーション部2、および音声劣
化処理部3から構成されている。また、パケット通信音
声シミュレーション装置10でのシミュレーションに用
いる音声データを入力する構成として、多言語DB4お
よび圧縮符号化部5が設けられている。さらに、パケッ
ト通信音声シミュレーション装置10で劣化処理された
音声データを出力しさらには蓄積する構成として、圧縮
復号部6および劣化音声DB7が設けられている。
【0021】多言語DB4は、シミュレーションに用い
るサンプル音声データ4Aを予め蓄積している。ここで
は、通信による音声の劣化は、その言語や文章内容によ
って異なるため、広く音声品質評価に用いることを目的
として、日本語のほか、英語やフランス語などの各種言
語、および各種文章内容について音声サンプルがサンプ
ル音声データ4Aとして蓄積している。このサンプル音
声データ4Aは、16kHzでサンプリングされたリニ
アPCM音声データ、すなわち毎秒16000回サンプ
リングして得られた音声信号をそれぞれ16ビットで符
号化したもの(以下、フレームという)を、時系列的に
結合したデジタル音声データの形式で蓄積されている。
【0022】図2に、フレームとパケットとの関係を示
す。前述したように、圧縮符号化部5で生成される符号
化音声データ5Aは、例えば16ビット長のフレーム列
から構成され、実際の音声パケット通信では、これら複
数のフレームが1つのパケットに格納されて伝送され
る。図2では、1パケットに3つのフレームが格納され
る場合を例として示している。ここでは、フレームF1
〜F3がパケットP1に格納され、同様にしてフレーム
F4〜F6,F7〜F9,F10〜F12,…が、それ
ぞれパケットP2,P3,P4,…に格納される。な
お、パケット単位での劣化処理においては、実際のパケ
ットのようにヘッダ情報を付加する処理を行う必要がな
く、本発明の音声劣化処理部3では、単に所定数のフレ
ームを1つのパケットと認識して処理するだけである。
【0023】圧縮符号化部5は、多言語DB4から読み
出されたサンプル音声データ4Aを、所定の符号圧縮方
式に基づき圧縮し、符号化音声データ5Aとして出力す
る。音声パケット通信では、通常、音声情報を効率よく
伝送するため、送信側で元の音声データを所定の符号圧
縮方式で圧縮して送信し、受信側で復号して元の音声デ
ータを再生している。符号圧縮方式としては、例えばI
TU−T勧告G.729や同じくG.711等が用いら
れる。音声パケット通信における品質劣化をシミュレー
ションする場合は、実際の音声パケット通信で用いられ
ている符号圧縮方式に基づき、圧縮符号化部5で符号化
処理が行われる。
【0024】一方、ネットワークシミュレーション部2
は、シミュレーションの対象となるネットワーク内の各
装置で起るパケットの競合を、個々のパケットごとに模
擬してその挙動をシミュレーションする。そして、その
シミュレーション結果として、各パケットごとにネット
ワーク内でのパケット損失有無、およびパケットが損失
せず受信側へ到着したときの到着時刻を、ネットワーク
性能情報2Aとして出力する。なお、ネットワークシミ
ュレーション部2については、前述したOPNETな
ど、既存の装置をそのまま流用することができる。
【0025】揺らぎ吸収シミュレーション部1は、ネッ
トワークシミュレーション部2からのネットワーク性能
情報2Aに基づいて、揺らぎ吸収バッファによる影響を
考慮した、当該パケットに対する劣化処理の内容を示す
劣化処理情報1Aを、各パケットごとに出力する。この
揺らぎ吸収シミュレーション部1には、個々のパケット
について無効パケットの判定を行う無効パケット判定部
11と、無効パケット判定部11での判定結果に基づき
個々のパケットの損失情報を設定する損失情報設定部1
2とが設けられている。
【0026】音声劣化処理部3は、揺らぎ吸収シミュレ
ーション部1からの劣化処理情報1Aに基づいて、処理
対象の符号化音声データ5Aに対して、パケット単位で
劣化処理を行い、劣化符号化音声データ3Aとして出力
する。この音声劣化処理部3には、パケット単位で読み
込んだ符号化音声データ5Aに対応する劣化処理情報1
Aを認識する劣化処理情報認識部31と、この劣化処理
情報認識部31で取り込まれた劣化処理情報1Aに基づ
き、当該符号化音声データ5Aを劣化処理し、劣化符号
化音声データ3Aとして出力する劣化処理部32とが設
けられている。
【0027】図3に、パケット通信音声シミュレーショ
ン装置10の概略処理を示す。ネットワークシミュレー
ション部2では、対象となるネットワークでのパケット
の挙動をシミュレーションし、ネットワーク性能情報2
Aを生成する。図3では、各パケットP1〜P4,…ご
とに、当該パケットの到着時刻と損失有無を示すネット
ワーク性能情報N1〜N4,…が出力されている。揺ら
ぎ吸収シミュレーション部1では、これらネットワーク
性能情報N1〜N4,…ごとに、受信側端末の揺らぎ吸
収バッファを考慮した、到着時刻と損失情報とからなる
劣化処理情報Y1〜Y4,…を生成して出力する。音声
劣化処理部3では、これら劣化処理情報Y1〜Y4,…
に基づきパケットごとに符号化音声データ5Aの劣化処
理を行い、劣化符号化音声データ3Aとして出力する。
【0028】圧縮復号部6では、圧縮符号化部5で用い
た符号圧縮方式に基づき、音声劣化処理部3からの劣化
符号化音声データ3Aを復号処理し、劣化音声データ6
Aとして出力する。この劣化音声データ6Aは、サンプ
ル音声データ4Aと同一のデータ形式である。劣化音声
DB7は、圧縮復号部6からの劣化音声データを蓄積す
る。なお、圧縮符号化部5や圧縮復号部6で用いる符号
化方式については、シミュレーションを行う環境に応じ
て選択すればよい。
【0029】次に、本実施の形態にかかるパケット通信
音声シミュレーション装置10の動作について説明す
る。ネットワークシミュレーション部2では、対象とな
るネットワークでのパケットの挙動をシミュレーション
し、パケット単位でネットワーク性能情報2Aを生成す
る。揺らぎ吸収シミュレーション部1では、これらネッ
トワーク性能情報2Aを取り込んで、パケット単位で劣
化処理情報1Aを生成して出力する。
【0030】図4は、揺らぎ吸収シミュレーション部1
での揺らぎ吸収シミュレーション処理を示すフローチャ
ートである。揺らぎ吸収シミュレーション部1では、ま
ず無効パケット判定部11により、シミュレーションの
対象となる受信側端末の属性として、揺らぎ吸収バッフ
ァの最小バッファサイズを取り込むとともに(ステップ
100)、揺らぎ吸収バッファの最大バッファサイズを
取り込む(ステップ101)。受信側端末として用いら
れるVoIP機器の揺らぎ吸収バッファには、基準とな
る2つのサイズ、すなわち最小バッファサイズと最大バ
ッファサイズがある。
【0031】VoIP機器では、パケットを受け取って
も即座に音声化の処理をせず、揺らぎ吸収バッファへパ
ケットを一旦格納し、必ず一定時間だけ待ってから処理
を開始する機能を有している。この機能における一定時
間を、ここでは最小バッファサイズ(待ち受けバッファ
サイズ)と呼ぶ。通常、到着パケットは、VoIP機器
において音声の再生スピードに合わせて一定の速度で処
理されるため、到着の遅れたパケットすなわち遅着パケ
ットについては音声途切れの原因となる。この機能を用
いれば、ある程度遅着したパケットについても、スムー
ズな音声化処理が可能となる。最小バッファサイズは、
その遅着パケットの許容時間に相当する。
【0032】一方、ネットワークの輻輳状態によって
は、バースト的に集団でパケットが到着する場合があ
る。このような場合も、VoIP機器では、これらパケ
ットを音声の再生スピードに合わせて一定の速度で処理
する必要があり、処理速度を上回って到着したパケット
を揺らぎ吸収バッファへ一時的に保持する機能を有して
いる。この機能において保持できる容量の最大値を、こ
こでは最大バッファサイズ(最大収容バッファサイズ)
と呼ぶ。したがって、最大バッファサイズは、処理速度
を上回って到着したパケットを損失させずに保持し得る
最大値に相当する。
【0033】無効パケット判定部11では、予め与えら
れた最小バッファサイズおよび最大バッファサイズの値
をそれぞれ取り込んだ後、ネットワーク性能情報2Aを
個々のパケットに対応して1つずつ取り込み、そのパケ
ットを揺らぎ吸収バッファへ蓄積したものとして、その
蓄積状態を更新する(ステップ102)。次に、紛失パ
ケット判定処理として、取り込んだネットワーク性能情
報の損失有無を確認し、当該パケットがネットワークで
損失したものかどうか判定する(ステップ103)。
【0034】ここで損失有りの場合は(ステップ10
3:YES)、パケット紛失と判定し、損失情報設定部
12で、当該パケットに対応する劣化処理情報1Aの損
失情報として「損失」を設定する(ステップ104)。
そして、すべてのネットワーク性能情報の処理が終了し
ていない場合は(ステップ112:NO)、ステップ1
02へ戻って次のネットワーク性能情報に対する処理へ
移行する。
【0035】一方、ステップ103において、損失無し
の場合は(ステップ103:NO)、遅着パケット判定
処理として、直前パケットに対応するネットワーク性能
情報の到着時刻と当該ネットワーク性能情報の到着時刻
との差からパケット到着間隔を算出し(ステップ10
5)、その到着間隔と最小バッファサイズとを比較する
(ステップ106)。ここで、到着間隔が最小バッファ
サイズより大きい場合は(ステップ106:YES)、
パケット処理の待ち時間すなわち許容時間を過ぎてパケ
ットが到着したことになるため、直前パケットとの間で
途切れが発生すると判断し、損失情報設定部12で、当
該パケットに対応する劣化処理情報1Aの損失情報とし
て「途切れ」を設定し(ステップ107)、ステップ1
12へ移行する。
【0036】ステップ106において、到着間隔が最小
バッファサイズ以下の場合は(ステップ106:N
O)、欠落パケット判定処理として、その時点における
揺らぎ吸収バッファでのパケット蓄積量を算出し(ステ
ップ108)、そのパケット蓄積量と最大バッファサイ
ズとを比較する(ステップ109)。ここで、パケット
蓄積量が最大バッファサイズを上回っている場合は(ス
テップ109:YES)、到着パケットが揺らぎ吸収バ
ッファから溢れて損失し、後続パケットが次に処理され
る詰まりが発生すると判断して、損失情報設定部12
で、当該パケットに対応する劣化処理情報1Aの損失情
報として「詰まり」を設定し(ステップ110)、ステ
ップ112へ移行する。
【0037】また、ステップ109において、パケット
蓄積量が最大バッファサイズ以下の場合は(ステップ1
09:NO)、当該パケットがネットワークにより正常
に転送され受信処理されると判断して、損失情報設定部
12で、当該パケットに対応する劣化処理情報1Aの損
失情報として「正常」を設定し(ステップ111)、ス
テップ112へ移行する。ステップ112において、す
べてのネットワーク性能情報の処理が終了した場合は
(ステップ112:YES)、一連の揺らぎ吸収シミュ
レーション処理を終了する。
【0038】揺らぎ吸収シミュレーション部1では、こ
のようにして、パケット単位で各ネットワーク性能情報
2Aごとに劣化処理情報1Aの損失情報を設定し、さら
に各ネットワーク性能情報2Aの到着時刻をそれぞれ対
応する劣化処理情報1Aへ付加し、音声劣化処理部3へ
出力する。音声劣化処理部3では、これら劣化処理情報
1Aに基づき、符号化音声データ5Aについてパケット
単位で劣化処理を行う、
【0039】図5は、音声劣化処理部3での劣化処理を
示すフローチャートである。音声劣化処理部3では、ま
ず、劣化処理情報認識部31で、新たなパケットに対応
する劣化処理情報1Aを取り込み(ステップ120)、
劣化処理部32で、符号化音声データ5Aから新たなパ
ケットに相当する所定数のフレームを取り込む(ステッ
プ121)。次に、その劣化処理情報1Aの損失情報が
「正常」を示す場合は(ステップ122:YES)、符
号化音声データ5Aから取り込んだ各当該フレームを劣
化させずにそのまま出力する(ステップ123)。そし
て、すべてのパケットの処理が終了していない場合は
(ステップ129:NO)、ステップ120へ戻って次
のパケットに対する処理へ移行する。
【0040】また、損失情報が「正常」ではなく(ステ
ップ122:NO)、「途切れ」を示す場合は(ステッ
プ124:YES)、直前パケットに相当する劣化処理
情報1Aの到着時刻と当該パケットの劣化処理情報1A
の到着時刻から、パケットの到着間隔を算出する(ステ
ップ125)。そして、その到着間隔に応じた途切れ相
当分のフレーム(例えば、無音:ビット値0)を出力し
(ステップ126)、その後、符号化音声データ5Aか
ら取り込んだ各当該フレームを劣化させずにそのまま出
力する(ステップ127)。そして、ステップ129へ
移行する。
【0041】また、損失情報が「途切れ」ではない場合
は(ステップ124:NO)、「詰まり」または「損
失」であると判断して、各当該フレームを出力せずに破
棄する(ステップ128)。そして、ステップ129へ
移行する。ステップ129において、すべてのパケット
に対する処理が終了した場合は(ステップ129:YE
S)、一連の劣化処理を終了する。このようにして、音
声劣化処理部3では、劣化処理情報1Aに基づいて、パ
ケット単位で符号化音声データ5Aの劣化処理を行い、
劣化符号化音声データ3Aとして出力する。
【0042】図6に音声劣化処理部3での劣化処理の様
子を示す。図6(a)は符号化音声データ5Aを示して
おり、各フレームが各パケットP1〜P6,…ごとに劣
化処理される。図6(b)は劣化処理情報1Aを示して
おり、各パケットP1〜P6,…に対応する劣化処理情
報Y1〜Y6,…が揺らぎ吸収シミュレーション部1か
ら出力される。図6(c)に音声劣化処理部3での劣化
処理の様子、また図6(d)に劣化符号化音声データ3
Aを示す。
【0043】音声劣化処理部3では、例えば、劣化処理
情報Y1のとき、その損失情報が「正常」を示している
ことから、パケットP1に相当する各フレームがそのま
ま劣化させずに劣化符号化音声データ3Aとして出力さ
れる。また、劣化処理情報Y2では、その損失情報が
「途切れ」を示していることから、パケットP2の直前
に途切れ相当分のフレームが出力され、その後でパケッ
トP2相当分の各フレームがそのまま劣化させずに劣化
符号化音声データ3Aとして出力される。
【0044】劣化処理情報Y3では、その損失情報が
「詰まり」を示していることから、パケットP3相当分
の各フレームが出力されず破棄される。そして、その次
の劣化処理情報Y4の損失情報が「正常」を示している
ことから、先のパケットP2相当分のフレームに続け
て、パケットP4相当分の各フレームが出力される。さ
らに、劣化処理情報Y5の損失情報が「損失」を示して
いることから、パケットP5相当分の各フレームが出力
されず破棄される。そして、その次の劣化処理情報Y6
の損失情報が「正常」を示していることから、先のパケ
ットP4相当分のフレームに続けて、パケットP6相当
分の各フレームが出力される。
【0045】このように、ネットワークシミュレーショ
ン部2でシミュレーションされた、ネットワーク内での
パケットの挙動を示すネットワーク性能情報2Aを元に
して、揺らぎ吸収シミュレーション部1で、受信側端末
に設けられている揺らぎ吸収バッファの影響を考慮した
劣化処理情報1Aをパケット単位で生成し、これら劣化
処理情報1Aに基づいて、音声劣化処理部3で、符号化
音声データ5Aをパケット単位で劣化処理し、劣化符号
化音声データ3Aとして出力するようにしたので、従来
のように、ネットワークシミュレーション装置とエミュ
レータ装置とを単に組み合わせたものと比較して、揺ら
ぎ吸収バッファによる影響が考慮されているため、実際
とほぼ同様のシミュレーション結果が得られ、ネットワ
ークの設計や運用の検討・評価に用いることができる程
度まで精度よくシミュレーションすることができる。
【0046】例えば、ネットワークシミュレーション装
置とエミュレータ装置とを単に組み合わせた場合、前述
した図6の例では、ネットワークシミュレーション装置
からパケットP5に対して損失有りだけがネットワーク
性能情報として出力されるとになる。したがって、パケ
ットP2での途切れ、パケットP3の詰まりについては
再現されず、これらパケットP2,P3が正常なパケッ
トとして出力される。これに対して、本実施の形態によ
れば、パケットP2での途切れ、パケットP3の詰まり
が再現でき、音声パケット通信が精度よくシミュレーシ
ョンされていることがわかる。
【0047】また、パケット通信音声シミュレーション
装置10では、シミュレーションを行う環境やVoIP
機器に依存する圧縮符号化部5や圧縮復号部6とは分離
して、符号化音声データ5Aに対する劣化処理を行うよ
うにしたので、汎用性を得ることができ、広い範囲で柔
軟に適用できる。さらに、揺らぎ吸収シミュレーション
部1では、無効パケット判定部11で、揺らぎ吸収バッ
ファの最小バッファサイズと最大バッファサイズに基づ
き、個々のパケットに関する劣化処理の要否およびその
劣化処理内容を判断するようにしたので、個々のパケッ
トに対して揺らぎ吸収バッファの影響を詳細にチェック
することができる。
【0048】次に、図7を参照して、本発明の第2の実
施の形態について説明する。図7は第2の実施の形態に
かかるパケット通信音声シミュレーション装置を示すブ
ロック図である。本実施の形態にかかるパケット通信音
声シミュレーション装置10Aには、前述した第1の実
施の形態にかかるパケット通信音声シミュレーション装
置10と比較して、主観品質推定部8が追加されてお
り、その他の構成は第1の実施の形態と同一である。
【0049】主観品質評価とは、最終的にアプリケーシ
ョンを利用する形態で、利用者たる人間がその品質を評
価するものである。この主観品質推定部8では、電話系
の総合品質評価に用いられるオピニオン評価法に準じて
主観品質評価を推定する。オピニオン評価法は、系列範
疇法(Method of Successive Categories)と呼ばれる
心理測定法の一種である。被験者は被試験音声の品質
を、日常使用している電話の品質に照らして「非常によ
い」〜「非常に悪い」まで5段階で評価する。そして、
その評価に4〜0点(あるいは5〜1点)の評点を与
え、多数の被験者による投票率にしだがって加重平均値
を求めたものをMOS値(Mean Opinion Source:平均
オピニオン値)として用いる(例えば、浅谷,「通信ネ
ットワークの品質設計」,社団法人電子情報通信学会,
1993,Marなど参照)。
【0050】主観品質推定部8では、揺らぎ吸収シミュ
レーション部1の無効パケット判定部11での判定結果
に基づき、ネットワーク性能情報2Aに対応する全パケ
ットのうちVoIP機器で音声再生されない無効パケッ
トの割合を示す無効パケット率を算出し、その無効パケ
ット率からMOS値を推定している。このとき、予め無
効パケット率とMOS値との関係をモデル化しておき、
その推定モデルを用いて無効パケット率からMOS値を
推定している。この推定モデルとして本実施の形態では
回帰曲線を用いているがこれに限定されるものではな
い。また、主観品質評価値については、MOS値に限定
されるものではなく他の評価値を用いてもよい。
【0051】次に、図7を参照して、主観品質の推定動
作について説明する。図7は主観品質推定部を示すブロ
ック図である。この主観品質推定部8には、無効パケッ
ト判定部11での判定結果に基づき無効パケット率を算
出する無効パケット率算出部81、この無効パケット率
算出部81で算出された無効パケット率に基づき、無効
パケット率とMOS値との対応関係を示す推定モデル8
3を参照して、主観品質の推定結果を示すMOS値84
を出力する評価推定部82とから構成されている。
【0052】無効パケット率算出部81では、無効パケ
ット判定部11の判定結果うち、損失パケットまたは遅
着パケットと判定された無効パケットの発生する割合、
すなわち無効パケット率を算出している。ここでは、V
oIP機器で正常に機能せず、主観品質の低下要因とな
る無効パケットとして、損失パケットと遅着パケットを
想定している。損失パケットとは何らかの原因でネット
ワーク上で損失したパケット、すなわち損失情報として
「損失」が設定されたパケットを指す。また遅着パケッ
トとは何らかの原因で通常より遅れて到着したためVo
IP機器で正常に音声再生されなかったパケット、すな
わち損失情報として「詰まり」が設定されたパケットを
指す。
【0053】図8に損失パケットと遅着パケットの判定
方法を示す。前述した無効パケット判定部11の紛失パ
ケット判定(図4のステップ103)では、各パケット
のネットワーク性能情報2Aのうち、損失有無が損失有
りを示すものを紛失パケットと判定している。例えば、
送信パケットの送信順に付与されたパケットシーケンス
番号などから未到着と判断されたパケットが損失ありと
される。図8ではパケットP3,P7が損失パケットと判
定される。
【0054】また、無効パケット判定部11の遅着パケ
ット判定処理(図4のステップ105,106)では、
ネットワーク性能情報2Aの到着時刻から各パケットの
到着間隔を算出し、その到着間隔と最小バッファサイズ
(許容時間)と比較して遅着パケットを判定し、遅着パ
ケットに該当するものを紛失パケットと判定している。
図8では、到着間隔t1〜t7が算出されて揺らぎ吸収許
容時間tBS(例えば30ms)と比較される。この場合
はt6>tBSであることからパケットP9が遅着パケット
として判定される。なお、紛失パケットして、無効パケ
ット判定部11の欠落パケット判定(図4のステップ1
08,109)で、欠落パケットと判定されたものを含
めてもよい。
【0055】図9は、主観品質推定部8での主観品質推
定処理を示すフローチャートである。無効パケット率算
出部81では、無効パケット判定部11の紛失パケット
判定で判定された紛失パケット数PL、および遅着パケ
ット判定で判定された遅着パケット数PDにを計数し
(ステップ140)、次のようにして無効パケット率R
Pを算出する(ステップ141)。 RP=(PL+PD)/全送信パケット数 評価推定部82では、無効パケット率算出部81で算出
された無効パケット率に基づき推定モデル83を参照し
てMOS値84を推定し(ステップ142)、一連の主
観品質推定処理を終了する。
【0056】ここでの推定モデル83は、実際の計測な
どにより得られた無効パケット率を説明変数とし、その
ときのMOS値を目的変数として、両者の関係を予め回
帰曲線でモデル化したものである。回帰曲線としては、
2次関数や指数関数など必要に応じて各種関数のいずれ
かを選択すればよい。
【0057】図10は無効パケット率とMOS値との関
係を示す回帰曲線、図11はパケット損失率とMOS値
との関係を示す回帰曲線である。これら回帰曲線は、種
々のネットワーク負荷を仮想的に発生させて実際に試験
して得られたものである。MOS値については、ネット
ワーク上で音声を流して録音した224条件の音声ファ
イル各々に対し、20人の被験者が5段階で評価を行
い、その平均値を音声ファイルに対するMOS値を算出
して用いた。また、このときの無効パケット率とパケッ
ト損失率とを算出し、これらの対応関係から回帰曲線を
求めた。なお、パケット損失率とは、全送信パケット数
に対する損失パケット数の割合であり、図11の回帰曲
線には揺らぎ吸収バッファに対する遅着パケットについ
ては考慮されていない。
【0058】図10と図11を比較すると、図11に比
較して図10のばらつきが小さいことがわかる。例え
ば、図10の無効パケット率=0%では、MOS値が
2.9〜4.3の範囲であるのに対して、図11のパケ
ット損失率=0%では、MOS値が1.7〜4.3の範
囲にあり、図10に比較して1.8倍以上のばらつきが
ある。また回帰曲線の寄与率(決定係数)についても、
図10では0.8215であるのに対して、図11では
0.6999であり、回帰曲線のデータへのあてはまり
の良さは図10のほうが優れていることがわかる。した
がって、揺らぎ吸収許容時間を越えた遅着パケットを考
慮したことにより、さらに精度よくMOS値を推定でき
る。
【0059】このように、無効パケット判定部11にお
いて、各パケットごとのネットワーク性能情報2Aか
ら、受信側端末へ到着しなかった損失パケット数と、パ
ケット到着間隔が揺らぎ吸収バッファの最小バッファサ
イズを越えた遅着パケットとを無効パケットとして判定
し、無効パケット率算出部81において、これら判定結
果から全送信パケット数に対する無効パケット数の割合
すなわち無効パケット率を算出し、評価推定部82おい
て、その無効パケット率に基づき、予め用意しておいた
無効パケット率とMOS値との関係を示す推定モデル8
3を参照して、対応するMOS値を推定出力するように
したので、実際の主観品質を行うことなく精度よく主観
品質を推定できる。
【0060】したがって、音声劣化処理部3で劣化処理
された劣化符号化音声データ3Aから得られた劣化音声
データ6Aと並列的に、同一のネットワーク性能情報2
Aから主観品質(例えば、MOS値)を得ることができ
る。これにより、ネットワークの設計や運用の検討・評
価に劣化音声データ6Aを用いる場合、その主観品質で
各劣化音声データ6Aを選択でき、あるいは任意の劣化
音声データ6Aを用いた場合に得られる他の評価結果と
主観品質を比較することができ、ネットワークの設計や
運用の検討・評価をより詳細かつ正確に行うことができ
る。
【0061】次に、最小バッファサイズが未知の場合に
ついて説明する。前述した第1の実施の形態および第2
の実施の形態では、VoIP機器が持つ揺らぎ吸収バッ
ファの最小バッファサイズが既知の場合について説明し
たが、最小バッファサイズについては未知の場合もあ
る。このような場合は、実際の最小バッファサイズに最
も近しい等価最小バッファサイズを決定して用いればよ
い。
【0062】図12は、最小バッファサイズ推定処理を
示すフローチャートである。まず、新たな最小バッファ
サイズを仮定する(ステップ150)。仮定最小バッフ
ァサイズと無効パケット率との関係は、図13に示すよ
うなグラフに表される。無効パケット率の最も低い値が
損失パケット率に相当する。このグラフの範囲の中で仮
定最小バッファサイズを選択する。そして、前述の最小
バッファサイズに代えて選択した仮定最小バッファサイ
ズを用い、被験者による実際の主観品質評価を行うとと
もに(ステップ151)、前述のようにして無効パケッ
ト数を計数する(ステップ152)。
【0063】続いて、無効パケット率を算出し(ステッ
プ153)、これらから仮定最小バッファサイズごとに
回帰曲線とその回帰曲線の寄与率を得る(ステップ15
4)。図14に仮定最小バッファサイズと寄与率との対
応例を示す。この寄与率とは回帰曲線のデータ(ここで
は無効パケット率とMOS値)へのあてはまりの良さを
示す評価指標であり、回帰分析において一般的には決定
係数R2とも呼ばれている。
【0064】このようにして、異なる仮定最小バッファ
サイズを順次選択して、ステップ150〜154を繰り
返し実行することにより(ステップ155)、各仮定最
小バッファサイズごとに回帰曲線を求める。そして、え
らられた各回帰曲線のうち、寄与率が最も高い回帰曲線
を推定モデルとして用いるとともに、そのときの仮定最
小バッファサイズを推定最小バッファサイズとして選択
し(ステップ156)、実際の最小バッファサイズの代
わりに用いればよい。図14では、寄与率=0.821
5が最も高くこのときの仮定最小バッファサイズが最小
バッファサイズとして用いられる。
【0065】これにより、VoIP機器の最小バッファ
サイズが未知の場合でも、実際の最小バッファサイズに
最も近しい最小バッファサイズを用いて精度よく揺らぎ
吸収バッファの影響を考慮した劣化処理や主観品質評価
の推定を行うことができる。なお、仮定最小バッファサ
イズの選択方法については、寄与率が低い状態ではある
程度大きな間隔で仮定最小バッファサイズを変化させ、
寄与率が高くなるにつれて間隔を小さくして仮定最小バ
ッファサイズを変化させるようにしてもよく、有効な仮
定最小バッファサイズを効率よく見つけることができ
る。
【0066】以上の各実施の形態では、VoIP機器が
用いられるIPネットワークを例として説明したが、こ
れに限定されるものではなく、パケットを用いてデータ
伝送する通信方式であれば、いずれの通信方式にも適用
でき、同様の作用効果が得られる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ネット
ワークシミュレーション部で、送信側端末から送出され
た各パケットについてネットワーク内でのパケットの挙
動をシミュレーションし、各パケットごとにネットワー
ク内での損失有無と受信側端末に到着する到着時刻とか
らなるネットワーク性能情報を出力し、このネットワー
ク性能情報を元にして、揺らぎ吸収シミュレーション部
で、受信側端末の有する揺らぎ吸収機能の動作をシミュ
レーションし、その揺らぎ吸収機能による各パケットへ
の影響を考慮した、当該パケットに対する劣化処理の内
容を示す劣化処理情報を各パケットごとに生成し、音声
劣化処理部で、送信側端末からのものとして入力された
音声情報について、揺らぎ吸収シミュレーション部から
の劣化処理情報に基づき、各パケット単位で劣化処理を
行い、受信側端末で再生される劣化後の音声情報として
出力するようにしたので、従来のように、ネットワーク
シミュレーション装置とエミュレータ装置とを単に組み
合わせたものと比較して、揺らぎ吸収バッファによる影
響が考慮されているため、実際とほぼ同様のシミュレー
ション結果が得られ、ネットワークの設計や運用の検討
・評価に用いることができる程度まで精度よくシミュレ
ーションすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態にかかるパケット通信音声
シミュレーション装置を示すブロック図である。
【図2】 フレームとパケットとの関係を示す説明図で
ある。
【図3】 パケット通信音声シミュレーション装置の概
略処理を示す説明図である。
【図4】 揺らぎ吸収シミュレーション処理を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 劣化処理を示すフローチャートである。
【図6】 音声劣化処理部での劣化処理の様子を示す説
明図である。
【図7】 第2の実施の形態にかかるパケット通信音声
シミュレーション装置を示すブロック図である。
【図8】 損失パケットと遅着パケットの判定方法を示
す説明図である。
【図9】 主観品質推定処理を示すフローチャートであ
る。
【図10】 無効パケット率とMOS値との関係を示す
回帰曲線である。
【図11】 パケット損失率とMOS値との関係を示す
回帰曲線である。
【図12】 最小バッファサイズ推定処理を示すフロー
チャートである。
【図13】 仮定許容時間と無効パケット率との関係を
示すグラフである。
【図14】 仮定最小バッファサイズと寄与率との対応
例である。
【符号の説明】
10,10A…パケット通信音声シミュレーション装
置、1…揺らぎ吸収シミュレーション部、11…無効パ
ケット判定部、12…損失情報設定部、1A…劣化処理
情報、2…ネットワークシミュレーション部、2A…ネ
ットワーク性能情報、3…音声劣化処理部、31…劣化
処理情報認識部、32…劣化処理部、3A…劣化符号化
音声データ、4…多言語DB、4A…サンプル音声デー
タ、5…圧縮符号化部、5A…符号化音声データ、6…
圧縮復号部、6A…劣化音声データ、7…劣化音声D
B、8…主観品質推定部、81…無効パケット率算出
部、82…評価推定部、83…推定モデル、84…MO
S値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 均 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 高土居 広幸 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 中島 伊佐美 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 渡辺 俊朗 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 織 克典 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5K030 GA14 HA08 HB01 HC01 JA10 KA03 KA19 MA13 5K035 AA03 BB03 DD03 EE01 GG02 JJ04 KK01 MM03 5K051 AA02 AA10 BB02 CC02 JJ13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットワークを介して接続された送信側
    端末と受信側端末との間で、音声情報をパケット化して
    伝送する際に生じる音声品質の劣化をシミュレーション
    し、前記受信側端末で再生される劣化後の音声情報を出
    力するパケット通信音声シミュレーション装置におい
    て、 前記送信側端末から送出された各パケットについて前記
    ネットワーク内でのパケットの挙動をシミュレーション
    し、前記各パケットごとに前記ネットワーク内での損失
    有無と前記受信側端末に到着する到着時刻とからなるネ
    ットワーク性能情報を出力するネットワークシミュレー
    ション部と、 このネットワークシミュレーション部で得られたネット
    ワーク性能情報を元にして、前記受信側端末の有する揺
    らぎ吸収機能の動作をシミュレーションし、その揺らぎ
    吸収機能による各パケットへの影響を考慮した、当該パ
    ケットに対する劣化処理の内容を示す劣化処理情報を各
    パケットごとに生成する揺らぎ吸収シミュレーション部
    と、 前記送信側端末からのものとして入力された音声情報に
    ついて、前記揺らぎ吸収シミュレーション部からの劣化
    処理情報に基づき、各パケット単位で劣化処理を行い、
    前記受信側端末で再生される劣化後の音声情報として出
    力する音声劣化処理部とを備えることを特徴とするパケ
    ット通信音声シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパケット通信音声シミュ
    レーション装置において、 前記揺らぎ吸収シミュレーション部は、前記受信側端末
    の揺らぎ吸収機能で用いる揺らぎ吸収バッファの揺らぎ
    吸収許容時間を示す最小バッファサイズと、その揺らぎ
    吸収バッファで蓄積可能な容量を示す最大バッファサイ
    ズとに基づいて、前記ネットワーク性能情報ごとに当該
    パケットの損失判定を行い、その損失判定結果を示す損
    失情報と当該ネットワーク性能情報に含まれる到着時刻
    とから、前記劣化処理情報を生成して出力することを特
    徴とするパケット通信音声シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のパケット通信音声シミュ
    レーション装置において、 前記揺らぎ吸収シミュレーション部は、前記ネットワー
    ク性能情報ごとに算出した当該パケットの到着間隔と前
    記最小バッファサイズと比較し、その到着間隔が最小バ
    ッファサイズより大きい場合には、前記ネットワーク内
    で遅延した遅着パケットと判断して、当該パケットの直
    前に音声の途切れを生じるさせるように指示する損失情
    報を生成することを特徴とするパケット通信音声シミュ
    レーション装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のパケット通信音声シミュ
    レーション装置において、 前記揺らぎ吸収シミュレーション部は、前記ネットワー
    ク性能情報ごとに当該パケットを蓄積する前記揺らぎ吸
    収バッファのパケット蓄積量を算出し、そのパケット蓄
    積量が前記最大バッファサイズを超えた場合は、前記受
    信側端末の揺らぎ吸収バッファで欠落した欠落パケット
    と判断して、当該パケットの破棄を指示する損失情報を
    生成することを特徴とするパケット通信音声シミュレー
    ション装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載のパケット通信音
    声シミュレーション装置において、 前記最小バッファサイズが未知の場合は、 前記最小バッファサイズとして予想される仮定最小バッ
    ファサイズを選択し、 前記送信側端末と受信側端末との間の様々なネットワー
    ク負荷のもとで、送信側端末から送出された各パケット
    のうち受信側端末へ到着しなかった損失パケットと、直
    前到着パケットとの到着間隔が前記仮定最小バッファサ
    イズを越えた遅着パケットとを無効パケットと判定して
    これら無効パケット数を計数し、 送信側端末から送出された全パケット数に対する前記無
    効パケット数の割合を無効パケット率として算出し、 被験者による実際の主観品質評価により得られた主観品
    質評価値とそのときの無効パケット率とから、主観品質
    評価と無効パケット率との対応関係を示す回帰曲線を導
    出するとともに、その回帰曲線の寄与率を算出し、 異なる仮定最小バッファサイズごとに得られた複数の回
    帰曲線のうち、その寄与率が最も高い回帰曲線が得られ
    た仮定最小バッファサイズを前記最小バッファサイズと
    して用いることを特徴とするパケット通信音声シミュレ
    ーション装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載のパケット通信音
    声シミュレーション装置において、 前記揺らぎ吸収シミュレーション部は、前記ネットワー
    ク性能情報に対応する各パケットのうち、受信側端末へ
    到着しなかった損失パケットと、直前到着パケットとの
    到着間隔が前記仮定最小バッファサイズを越えた遅着パ
    ケットとを無効パケットと判定し、 この揺らぎ吸収シミュレーション部で無効パケットと判
    定された無効パケット数の全パケット数に対する割合を
    示す無効パケット率を算出し、無効パケット率と主観品
    質評価値との関係を示す所定の推定モデルに基づいて、
    前記無効パケット率に対応する主観品質評価値を出力す
    る主観品質評価推定部をさらに備えることを特徴とする
    パケット通信音声シミュレーション装置。
  7. 【請求項7】 ネットワークを介して接続された送信側
    端末と受信側端末との間で、音声情報をパケット化して
    伝送する際に生じる音声品質の劣化をシミュレーション
    し、前記受信側端末で再生される劣化後の音声情報を出
    力するパケット通信音声シミュレーション方法におい
    て、 前記送信側端末から送出された各パケットについて前記
    ネットワーク内でのパケットの挙動をシミュレーション
    し、前記各パケットごとに前記ネットワーク内での損失
    有無と前記受信側端末に到着する到着時刻とからなるネ
    ットワーク性能情報を出力し、 これらネットワーク性能情報を元にして、前記受信側端
    末の有する揺らぎ吸収機能の動作をシミュレーション
    し、その揺らぎ吸収機能による各パケットへの影響を考
    慮した、当該パケットに対する劣化処理の内容を示す劣
    化処理情報を各パケットごとに生成し、 前記送信側端末からのものとして入力された音声情報に
    ついて、前記劣化処理情報に基づき、各パケット単位で
    劣化処理を行い、前記受信側端末で再生される劣化後の
    音声情報として出力することを特徴とするパケット通信
    音声シミュレーション方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のパケット通信音声シミュ
    レーション方法において、 前記劣化処理情報を生成する際、前記受信側端末の揺ら
    ぎ吸収機能で用いる揺らぎ吸収バッファの揺らぎ吸収許
    容時間を示す最小バッファサイズと、その揺らぎ吸収バ
    ッファで蓄積可能な容量を示す最大バッファサイズとに
    基づいて、前記ネットワーク性能情報ごとに当該パケッ
    トの損失判定を行い、その損失判定結果を示す損失情報
    と当該ネットワーク性能情報に含まれる到着時刻とか
    ら、前記劣化処理情報を生成することを特徴とするパケ
    ット通信音声シミュレーション方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のパケット通信音声シミュ
    レーション方法において、 前記劣化処理情報を生成する際、前記ネットワーク性能
    情報ごとに算出した当該パケットの到着間隔と前記最小
    バッファサイズと比較し、その到着間隔が最小バッファ
    サイズより大きい場合には、前記ネットワーク内で遅延
    した遅着パケットと判断して、当該パケットの直前に音
    声の途切れを生じるさせるように指示する損失情報を生
    成することを特徴とするパケット通信音声シミュレーシ
    ョン方法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のパケット通信音声シミ
    ュレーション方法において、 前記劣化処理情報を生成する際、前記ネットワーク性能
    情報ごとに当該パケットを蓄積する前記揺らぎ吸収バッ
    ファのパケット蓄積量を算出し、そのパケット蓄積量が
    前記最大バッファサイズを超えた場合は、前記受信側端
    末の揺らぎ吸収バッファで欠落した欠落パケットと判断
    して、当該パケットの破棄を指示する損失情報を生成す
    ることを特徴とするパケット通信音声シミュレーション
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項7または8記載のパケット通信
    音声シミュレーション方法において、 前記最小バッファサイズが未知の場合は、 前記最小バッファサイズとして予想される仮定最小バッ
    ファサイズを選択し、 前記送信側端末と受信側端末との間の様々なネットワー
    ク負荷のもとで、送信側端末から送出された各パケット
    のうち受信側端末へ到着しなかった損失パケットと、直
    前到着パケットとの到着間隔が前記仮定最小バッファサ
    イズを越えた遅着パケットとを無効パケットと判定して
    これら無効パケット数を計数し、 送信側から送信された全試験用パケット数に対する前記
    無効パケット数の割合を無効パケット率として算出し、 被験者による実際の主観品質評価により得られた主観品
    質評価値とそのときの無効パケット率とから、主観品質
    評価と無効パケット率との対応関係を示す回帰曲線を導
    出するとともに、その回帰曲線の寄与率を算出し、 異なる仮定最小バッファサイズごとに得られた複数の回
    帰曲線のうち、その寄与率が最も高い回帰曲線が得られ
    た仮定最小バッファサイズを前記最小バッファサイズと
    して用いることを特徴とするパケット通信音声シミュレ
    ーション方法。
  12. 【請求項12】 請求項7または8記載のパケット通信
    音声シミュレーション方法において、 前記ネットワーク性能情報に対応する各パケットのう
    ち、受信側端末へ到着しなかった損失パケットと、直前
    到着パケットとの到着間隔が前記仮定最小バッファサイ
    ズを越えた遅着パケットとを無効パケットと判定し、 無効パケットと判定された無効パケット数の全パケット
    数に対する割合を示す無効パケット率を算出し、無効パ
    ケット率と主観品質評価値との関係を示す所定の推定モ
    デルに基づいて、前記無効パケット率に対応する主観品
    質評価値を出力することを特徴とするパケット通信音声
    シミュレーション方法。
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