JP2002270399A - ランダウキャビティのチューナーポジション調整装置 - Google Patents

ランダウキャビティのチューナーポジション調整装置

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JP2002270399A
JP2002270399A JP2001071772A JP2001071772A JP2002270399A JP 2002270399 A JP2002270399 A JP 2002270399A JP 2001071772 A JP2001071772 A JP 2001071772A JP 2001071772 A JP2001071772 A JP 2001071772A JP 2002270399 A JP2002270399 A JP 2002270399A
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electron beam
cavity
landau
electron
tuner
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JP2001071772A
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Daizo Amano
大三 天野
Hiroki Miyade
宏紀 宮出
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として、電子蓄積リングに蓄積している電
子ビームのバンチ長に即座に対応でき、しかも、高度な
熟練も不要としたランダウキャビティのチューナーポジ
ション調整装置を提供する。 【解決手段】 電子軌道を所望の偏向角で偏向する偏向
電磁石と、蓄積電子にエネルギーを供給する高周波加速
空胴と、ランダウキャビティ50と、電子蓄積リングに
蓄積される電子ビームのバンチ長を測定する電子ビーム
モニタ70とを備え、電子ビームを周回軌道内に所望の
エネルギーで蓄積するようにした電子蓄積リングにおい
て、電子ビームモニタ70による電子ビームのバンチ長
の検出情報、或いは、制御情報記録装置30に記録され
た制御情報に基づいてランダウキャビティ50のチュー
ナーのポジションを制御するポジション制御装置20
と、電子ビームのバンチ長の検出情報と、ポジション制
御装置20によるランダウキャビティ50のチューナー
のポジション制御情報を記録する制御情報記録装置30
とを備え、電子ビームの蓄積寿命を増大するように構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子蓄積リングに
用いられるランダウキャビティのチューナのポジション
を調整する調整装置と、その装置を用いたランダウキャ
ビティのチューナポジションの調整方法と、その装置を
備えた電子蓄積リング及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、本発明の理解の便を図るために、
電子蓄積リング、その電子蓄積リングに電子を入射させ
る方法、高周波加速空胴、高周波加速空胴による加速方
法、ランダウキャビティの特徴について、図14乃至図
18を用いて順次説明する。
【0003】先ず、電子蓄積リング100については、
特願2000−083715号に比較的詳細に説明され
ているので、ここでは、図14を用いて簡単に説明する
のに留める。図14はこの電子蓄積リングの一例とし
て、レーストラック型の電子蓄積リング100の平面図
である。このタイプの電子蓄積リング100では、図1
4に示すように180度偏向型の偏向電磁石110A、
110Bを対向配置し、高真空に保たれたビームダクト
130内の周回軌道に、入射器140からセプタム電磁
石120を介して入射された電子ビームを、磁場の偏向
作用により所望のエネルギーで、水平面内の周回軌道内
に蓄積する。
【0004】また、電子蓄積リング100の他の主要構
成としては、電子ビームを周回軌道内に収束する四重極
電磁石150A、150B、蓄積した電子ビームにエネ
ルギーを供給する高周波加速空胴40、電子を入射する
際の入射軌道を形成する入射用パルスマグネット16
0、高周波加速空胴40とは異なる周波数の高周波で電
子ビームを加速するランダウキャビティ50が挙げられ
る。
【0005】次に、電子蓄積リング100に電子ビーム
を入射させる方法について、図14を用いて説明する。
電子蓄積リング100では、電子ビームを安定して蓄積
するために、図14に示す入射器140により電子を一
定のエネルギーにまで加速して、電子蓄積リング100
に入射させるようにしている。
【0006】例えば、図14に示すタイプのものでは、
マイクロトロンと呼ばれる入射器140により電子のパ
ルスビームを150MeVまで加速する。一方、入射器1
40から入射させられる電子は、電子蓄積リング100
の周回軌道に対して一定の角度を有しているため、スム
ーズに電子を周回軌道にのせるために、電子ビームの方
向を転換するセプタム電磁石120を用い、このセプタ
ム電磁石120を介して、電子蓄積リング100に入射
させる。
【0007】次に、高周波加速空胴40について、図1
5を用い、図14を参照して説明する。図15は、高周
波加速空胴40を、電子ビームを蓄積するビームダクト
130に取り付けた状態を示す縦断側面図である。高周
波加速空胴40とは、簡単に説明すると、高周波電力を
投入し、電子が高周波加速空胴40の加速ギャップに差
し掛かった際に、丁度加速されるように高周波加速空胴
40に発生する高周波電圧の位相と電子の位置とをうま
く同期させて、蓄積電子にエネルギーを供給するように
した装置である。
【0008】電子が電子蓄積リング100内の周回軌道
を1周する間に、高周波加速空胴40に供給される高周
波電圧が何回振動するか、その回数のことをハーモニッ
クナンバーという。
【0009】このハーモニックナンバーが整数となるよ
うに、周回軌道の長さと高周波加速空胴40にかける高
周波の周波数を調節することにより、電子が高周波加速
空胴40を通過する毎にエネルギーを供給できるように
工夫できる。これにより、電子のエネルギーのロスを補
完したり、電子を入射後、所望のエネルギーにまで電子
を加速することが可能となる。
【0010】図15に示すように、高周波加速空胴40
は、増幅された高周波が供給されるカプラー46と、高
周波加速空胴40の共振周波数を調整するチューナー4
2、このチューナー42と高周波加速空胴40の側壁と
を電気的に接続させるため、高周波加速空胴40の側壁
に取り付けられたコンタクトフィンガー(図示せず)を
備えた構成である。
【0011】高周波加速空胴40は一種の共振回路であ
り、チューナー42のポジションを調整することによ
り、高周波加速空胴40のインダクタンスとキャパシタ
ンスとが変化し、その共振周波数を変えることができ
る。なお、同図において、41は高周波加速空胴40の
側壁に設けられたチューナーポート、45はカプラーポ
ート、BLは蓄積電子のビームラインで、電子ビームは
高真空に保たれたビームダクト130内及び高周波加速
空胴40内を矢印方向に進行する。また、カプラー46
は、ループ47により高周波加速空胴40にカップルさ
れている。
【0012】次に、高周波加速空胴40による電子ビー
ムを加速する方法と位相安定性について、図16を用い
て説明する。図16は、高周波加速空胴40に供給する
高周波電場の時間変化を示す特性図である。電子ビーム
は、電子蓄積リング100を電子群の塊或いは束として
周回しているが、この電子群をバンチという。電子ビー
ムのバンチ内の各電子は、同一のエネルギーで周回軌道
を周回しているのではなく、ある程度のエネルギーの分
布がある。
【0013】ところで、電子蓄積リング100では、電
子はほぼ光速度で周回しており、電子の速度はエネルギ
ーに分布があっても一定と見なして差し支えない。しか
し、エネルギーが大きな電子ほど相対性理論で示すよう
に質量が大きく、偏向電磁石110A、110Bの一様
磁場中で偏向されにくくなる。この結果、エネルギーが
大きな電子ほど曲率半径が大きくなり、周回軌道長が長
くなり、エネルギーの小さな電子よりも遅れて高周波加
速空胴40に入射することになる。
【0014】即ち、電子ビームの1バンチ内の各電子に
エネルギーの分布が存在するために、高周波加速空胴4
0に供給される高周波と各電子とが総て同期している訳
ではない。ここで、設計された周回軌道を周回し、高周
波加速空胴40の高周波と完全に同期している電子を想
定し、これを同期電子ということにする。
【0015】図16に、Aで示すように、電子蓄積リン
グ100の高周波加速空胴40では、高周波電場V
rf(t)が時間とともに減少する領域で電子を加速す
る。同期電子が高周波加速空胴40に入射する時刻をt
sとすると、同期電子よりもエネルギーが小さく、高周
波加速空胴40に、tsよりも早く入射した電子は同期
電子が得るエネルギーよりも大きいエネルギーで加速さ
れる。
【0016】一方、逆に、同期電子よりもエネルギーが
大きく、高周波加速空胴40に、t sよりも遅く入射し
た電子は同期電子が得るエネルギーよりも小さいエネル
ギーで加速される。この結果、各電子にエネルギーの分
布があっても、各電子は同期電子のエネルギーから離れ
ることなく安定に加速される。これは一般に位相安定性
と呼ばれている。
【0017】また、各電子は同期電子を中心に、周回軌
道方向に振動することになるが、これはシンクロトロン
振動と呼ばれている。一方、電子蓄積リング100で
は、電子ビームは周回軌道に垂直な平面内において、周
回軌道を中心に、ベータトロン振動といわれる振動をし
ながら蓄積されている。
【0018】ところで、電子蓄積リング100を光デバ
イスとした場合、光源は電子そのものであるので、電子
蓄積リング100に蓄積される電子ビームの蓄積寿命が
短くなると、光デバイスとしての利用効率が低下するの
で、電子蓄積リング100に蓄積される電子ビームの寿
命を増大させることは重要である。
【0019】この電子ビームの寿命は主に、タウシェッ
ク寿命とガス散乱寿命によって決定される。後者のガス
散乱寿命は、電子蓄積リング100のビームダクト13
0内の真空度を上げることによって長寿命化が可能であ
るので、ここではタウシェック寿命について考慮する。
【0020】電子ビームのバンチ内では、電子同士のク
ーロン散乱でエネルギー振動が励起され、電子はポテン
シャル井戸から飛び出して消失する。これをタウシェッ
ク効果といい、これで決定される電子ビームの寿命をタ
ウシェック寿命という。タウシェック寿命は電子蓄積リ
ング100に蓄積されているエネルギーに著しく依存
し、図14に示す電子蓄積リング100のような蓄積エ
ネルギー(700MeV)では、電子寿命を決める重要
な部分となる。
【0021】また、タウシェック寿命は、電子同士の相
互作用によって定められる関係上、電子密度が小さい方
が寿命が長くなり、バンチ内の電子数が一定ならば、電
子ビームのバンチの体積に比例するという性質を有して
いる。従って、電子蓄積リング100のように、一定の
蓄積エネルギーで電子ビームを蓄積する装置の場合、電
子の蓄積寿命を増大させるには、このバンチの体積をい
かに大きくすることができるかが重要となる。
【0022】ところで、電子蓄積リング100では、電
子ビームを入射器140により入射した後、設計した周
回軌道で電子ビームを蓄積していると、シンクロトロン
振動において、ダンピング(放射減衰)という現象が起
き、このダンピングにより、1バンチ内の各電子は徐々
に同期電子に収束しバンチ長が短くなり、バンチの体積
が小さくなって、電子ビームのタウシェック寿命が短く
なるという問題が発生する。なお、シンクロトロン振動
のダンピングについては、特願2000−083715
号の段落番号[0060]に比較的詳細に説明されてい
る。
【0023】この問題を解決し、電子蓄積リング100
において、電子ビームのバンチ長が短くなるのを防ぎ、
長寿命で電子ビームを蓄積するために用いられる装置
が、図17に示すランダウキャビティ50である。ラン
ダウキャビティ50は、基本的には高周波加速空胴40
の一種と考えてよい。
【0024】このランダウキャビティ50について、図
17及び図18を用いて簡単に説明する。先ず、ランダ
ウキャビティ50の構造について図17を用いて説明す
る。図17は、ランダウキャビティ50の構造示す図
で、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図である。
【0025】ランダウキャビティ50の主要構成及び加
速原理は、図15に示す高周波加速空胴40と同様であ
り、カプラー52とチューナー54とを備えた構成で、
高周波電場により電子ビームを加速し、チューナー54
の位置を調整して共振周波数を変化させる。
【0026】一方、ランダウキャビティ50が、図15
に示す高周波加速空胴40と相違する点については、図
18を用いて説明する。図18は、高周波加速空胴40
に供給される高周波電場、ランダウキャビティ50に供
給される高周波電場、及びその合成電場を示す特性図で
ある。図18に示すように、高周波加速空胴40に供給
する高周波電場をVKとすると、ランダウキャビティ5
0にはこの整数倍(図示のものでは3倍)の周波数の高
周波電場VRを、図18に示す位相で供給する。このよ
うにすると、図18に矢印で示すように、比較的平坦な
加速位相部分Fを有する高周波電場VGが合成される。
【0027】ところで、電子ビームは電子蓄積リング1
00の周回軌道を1回周回する間に高周波加速空胴40
及びランダウキャビティ50により加速される。即ち、
電子ビームは、高周波加速空胴40の高周波電場VK
びランダウキャビティ50の高周波電場VRとを合成し
た高周波電場VGで加速されることになる。
【0028】ここで、図18に示す比較的平坦な加速位
相Fで電子ビームを加速するように、高周波加速空胴4
0の高周波電場及びランダウキャビティ50の高周波電
場の位相を調整すると、電子ビームのバンチ長をある程
度長くしておくことができ、この結果、大電流の電子ビ
ームを安定に蓄積でき、電子ビームの蓄積寿命を増大さ
せることができる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ラン
ダウキャビティは、一般に、外部から高周波加速空胴に
供給する高周波の整数倍の周波数の高周波を供給して、
電子ビームのバンチ長を伸ばして、電子ビームを安定に
蓄積してその蓄積寿命を増大させるために用いられるも
のである。
【0030】しかし、発明者らのグループは、電子蓄積
リングに電子ビームを蓄積しているモードにおいて、ラ
ンダウキャビティに上記高周波を供給しない状況で、そ
のチューナーポジションを調整することにより、電子ビ
ームのバンチ長が伸びて、電子ビームの蓄積寿命が増大
するという現象を発見した。この現象は、蓄積電子ビー
ムがランダウキャビティに生成する高調波の高次モード
の影響により、電子ビームの集団的シンクロトロン振動
が励起され、この集団的シンクロトロン振動がバンチ長
を長くする効果を奏しているものと目されている。この
現象については後に詳細に説明する。
【0031】ところで、この現象を有効に活用するため
には、ランダウキャビティのチューナーポジションを調
整しながら、蓄積される電子ビームのバンチ長を制御し
なければならない。しかし、現状では、ランダウキャビ
ティのチューナーポジションを遠隔操作で手動で調整し
ているために、電子蓄積リングの運転状況や電子ビーム
のバンチ長に対応して、即座に、最適なランダウキャビ
ティのチューナーポジションを調整するのが困難であ
る。
【0032】また、現状では、電子ビームのバンチ長に
対応するランダウキャビティのチューナーポジションの
データを蓄積し、或いは、過去のデータを読みとって、
運転状況に応じてチューナーポジションを調整する好適
な手段がなく、ランダウキャビティのチューナーポジシ
ョンの調整には、電子ビームのバンチ長の測定データと
ランダウキャビティのチューナーポジションとの相関性
を熟知した高度な熟練を必要とする。
【0033】更に、一般に、高周波加速空胴やランダウ
キャビティに高周波を供給するシステムは大電力装置に
なる。従って、ランダウキャビティのチューナーポジシ
ョンを調整するだけで、電子ビーム寿命が増大するのな
らば、ランダウキャビティ用の大電力装置が不要にな
り、電子蓄積リングの設置面積が小さくなり、電子蓄積
リングの建設コストが削減できることになる。また、大
電力装置を用いなくて済めば、電子蓄積リングの初期の
設備コストや、電子蓄積リングの維持コストを大幅に低
減することができる。
【0034】本発明は、上記課題を解決し、電子蓄積リ
ングに蓄積している電子ビームのバンチ長に即座に対応
でき、しかも、高度な熟練も不要としたランダウキャビ
ティのチューナーポジション調整装置と、その装置を用
いた調整方法と、その装置を備えた電子蓄積リング及び
その運転方法を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明のランダウキャビ
ティのチューナーポジション調整装置は、請求項1に記
載のものでは、電子軌道を所望の偏向角で偏向する偏向
電磁石と、蓄積電子(陽電子を含む)にエネルギーを供
給する高周波加速空胴と、ランダウキャビティとを備
え、電子ビームを周回軌道内に所望のエネルギーで蓄積
するようにした電子蓄積リングにおいて、前記ランダウ
キャビティのチューナーのポジションを調整して、前記
電子ビームのバンチ長を制御し、電子ビームの蓄積寿命
を増大するように構成した。
【0036】このように構成すると、ランダウキャビテ
ィのチューナーのポジションを調整して、電子ビームの
バンチ長を制御し、電子蓄積リングに蓄積している電子
ビームの蓄積寿命を増大することができる。また、ラン
ダウキャビティ用大電流装置を用いないでも電子ビーム
の蓄積寿命を増大することができるので、設備コスト、
及び、維持コストを大幅に削減することができる。
【0037】請求項2に記載のランダウキャビティのチ
ューナーポジション調整装置は、電子軌道を所望の偏向
角で偏向する偏向電磁石と、蓄積電子(陽電子を含む)
にエネルギーを供給する高周波加速空胴と、ランダウキ
ャビティと、電子蓄積リングに蓄積される電子ビームの
バンチ長を測定する電子ビームモニタとを備え、電子ビ
ームを周回軌道内に所望のエネルギーで蓄積するように
した電子蓄積リングにおいて、前記電子ビームモニタに
よる電子ビームのバンチ長の検出情報、或いは、制御情
報記録装置に記録された制御情報に基づいて前記ランダ
ウキャビティのチューナーのポジションを制御するポジ
ション制御装置と、前記電子ビームのバンチ長の検出情
報と、ポジション制御装置による前記ランダウキャビテ
ィのチューナーのポジション制御情報を記録する制御情
報記録装置とを備え、電子ビームの蓄積寿命を増大する
ように構成した。
【0038】このように構成すると、上記効果があるほ
かに、電子ビームのバンチ長を測定しながらチューナー
ポジションを調整できるので、迅速で、かつ、的確なポ
ジション調整が可能となる。また、検出情報及びチュー
ナーポジションの制御情報が蓄積されて行くので、電子
ビームのバンチ長の測定データに、一層、迅速に対応で
きるようになる。更に、制御情報が累増してくると、制
御情報記録装置内に蓄積されたデータだけで、大抵の状
況には対応できるようになるので、高度の熟練がなくて
も、ランダウキャビティのチューナーポジションを容易
に調整できるようになる。
【0039】請求項3に記載のランダウキャビティのチ
ューナーポジション調整装置は、上記電子ビームモニタ
として、ピックアップ電極と、このピックアップ電極が
検出する電子ビームのシグナルをリアルタイムで計測す
るスペクトラアナライザーとを備えた電子ビームモニタ
を用いるように構成した。
【0040】このように構成すると、リアルタイムで電
子ビームのバンチ長を測定できる好適な電子ビームモニ
タを備えたランダウキャビティのチューナーポジション
調整装置とすることができる。
【0041】請求項4に記載のランダウキャビティのチ
ューナーポジション調整方法は、請求項2又は3に記載
のランダウキャビティのチューナーポジション調整装置
において、上記電子ビームモニタによる電子ビームのバ
ンチ長の検出情報、或いは、上記制御情報記録装置に記
録された制御情報に基づいて、上記ポジション制御装置
によりランダウキャビティのチューナーのポジションを
制御し、前記電子ビームのバンチ長の検出情報と、前記
ポジション制御装置によるランダウキャビティのチュー
ナーのポジション制御情報を前記制御情報記録装置に記
録し、電子ビームの蓄積寿命を増大するようにした。
【0042】このようにすると、電子ビームのバンチ長
を測定しながらチューナーポジションを調整できるの
で、迅速で、かつ、的確なポジション調整が可能とな
る。また、検出情報及びチューナーポジションの制御情
報が蓄積されて行くので、電子ビームのバンチ長の測定
データに、一層、迅速に対応できるようになる。更に、
制御情報が累増してくると、制御情報記録装置内に蓄積
されたデータだけで、大抵の状況には対応できるように
なるので、高度の熟練がなくても、ランダウキャビティ
のチューナーポジションを容易に調整できるようにな
る。
【0043】請求項5に記載の電子蓄積リングは、請求
項2又は3に記載のランダウキャビティのチューナーポ
ジション調整装置を備え、電子蓄積リングに蓄積される
電子ビームのバンチ長を制御することにより、電子ビー
ムの蓄積寿命を増大するように構成した。
【0044】このように構成すると、電子ビームのバン
チ長を測定しながらチューナーポジションを調整できる
ので、迅速で、かつ、的確なポジション調整が可能とな
る。また、検出情報及びチューナーポジションの制御情
報が蓄積されて行くので、電子ビームのバンチ長の測定
データに、一層、迅速に対応できるようになる。更に、
制御情報が累増してくると、制御情報記録装置内に蓄積
されたデータだけで、大抵の状況には対応できるように
なるので、高度の熟練がなくても、ランダウキャビティ
のチューナーポジションを容易に調整できるようにな
る。
【0045】請求項6に記載の電子蓄積リングの運転方
法は、電子軌道を所望の偏向角で偏向する偏向電磁石
と、蓄積電子(陽電子を含む)にエネルギーを供給する
高周波加速空胴と、ランダウキャビティとを備え、電子
ビームを周回軌道内に所望のエネルギーで蓄積するよう
にした電子蓄積リングにおいて、前記ランダウキャビテ
ィのチューナーのポジションを調整して、前記電子ビー
ムのバンチ長を制御し、電子ビームの蓄積寿命を増大す
るようにした。
【0046】このようにすると、ランダウキャビティの
チューナーのポジションを調整して、電子ビームのバン
チ長を制御し、電子蓄積リングに蓄積している電子ビー
ムの蓄積寿命を増大することができる。また、ランダウ
キャビティ用大電流装置を用いないでも電子ビームの蓄
積寿命を増大することができるので、設備コスト、及
び、維持コストを大幅に削減することができる。
【0047】請求項7に記載の電子蓄積リングの運転方
法は、請求項5に記載の電子蓄積リングにおいて、上記
電子ビームモニタにより電子ビームのバンチ長を測定
し、この電子蓄積リングに蓄積される電子ビームのバン
チ長を制御することにより、電子ビームの蓄積寿命を増
大するようにした。
【0048】このようにすると、上記効果があるほか
に、電子ビームのバンチ長を測定しながらチューナーポ
ジションを調整できるので、迅速で、かつ、的確なポジ
ション調整が可能となる。また、検出情報及びチューナ
ーポジションの制御情報が蓄積されて行くので、電子ビ
ームのバンチ長の測定データに、一層、迅速に対応でき
るようになる。更に、制御情報が累増してくると、制御
情報記録装置内に蓄積されたデータだけで、大抵の状況
には対応できるようになるので、高度の熟練がなくて
も、ランダウキャビティのチューナーポジションを容易
に調整できるようになる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、先ず、本発明が有効に活用
しようとしている、上述した現象について簡単に説明
し、次に、この現象を巧妙に活用している本発明のラン
ダウキャビティのチューナーポジション調整装置(以
下、簡単に「調整装置」という場合がある。)、その調
整装置を用いたランダウキャビティの調整方法(以下、
簡単に「調整方法」という場合がある。)と、そのラン
ダウキャビティのチューナーポジション調整装置を備え
た電子蓄積リング及びその運転方法について、順次説明
する。
【0050】また、本発明において、電子ビームのバン
チ長を検出することは重要であるので、この検出方法に
ついては、その後に、詳細に説明する。更に、電子ビー
ムがランダウキャビティに誘起する高調波について補足
説明するものとする。
【0051】先ず、本発明が活用しようとしている現象
について図2を参照して、詳細に説明する。上述したよ
うに、電子蓄積リング200に電子ビームを蓄積してい
るモードにおいて、ランダウキャビティ50のチューナ
ーポジションを調整すると、電子ビームの蓄積寿命が増
大するという現象が、本願発明者らのグループにより発
見された。
【0052】この現象は、電子蓄積リング200を周回
している電子ビームによりランダウキャビティ50に高
周波電場が誘起され、この高周波の高次モードの高調波
が、蓄積されている電子ビームの集団的シンクロトロン
振動を励起し、電子ビームのバンチ長を長く伸ばしてい
るためと目されている。なお、電子ビームのバンチ長が
伸びると、上述したように、電子ビームの体積が増加
し、バンチ内の電子密度が低下してタウシェック寿命が
増大する。
【0053】高周波加速空胴40やランダウキャビティ
50は、元来、電子ビームにエネルギーを供給する装置
であるが、これらの装置は一種の共振回路でもあり、荷
電粒子である電子が高速で入射すると、逆に、電場が誘
起されて、高エネルギーの電子ビームから、高周波の形
でエネルギーが供給される。
【0054】従って、この現象をうまく利用すれば、ラ
ンダウキャビティ50用の大電力装置を用いなくても、
電子ビームを蓄積している時にランダウキャビティ50
のチューナーポジションを調整することにより、電子蓄
積リング200に蓄積される電子ビームの蓄積寿命を増
大することができる。
【0055】しかし、従来の方法では、上述したよう
に、ランダウキャビティ50のチューナーポジションを
遠隔操作で、手動で行っているために、電子蓄積リング
200に蓄積されている電子ビームのバンチ長の測定デ
ータに即座に対応できるのが困難であった。
【0056】そこで、次に、この問題を解決する目的で
開発された、本発明のランダウキャビティのチューナー
ポジション調整装置、この調整装置を用いたランダウキ
ャビティのチューナーポジション調整方法について、図
1及び図2を用いて説明する。
【0057】図1は、本発明のランダウキャビティのチ
ューナーポジション調整装置10の一実施の形態を示す
ブロック図である。図2は、本発明のランダウキャビテ
ィのチューナーポジション調整装置10を電子蓄積リン
グ200に取り付けた状態を示す平面図である。なお、
図2において、図14に示したものと同一の構成につい
ては同一の符号を付しその説明は省略する。
【0058】先ず、本発明のランダウキャビティのチュ
ーナーポジション調整装置10の一実施の形態の基本構
成を図1を用い、図17を参照して説明する。図1に示
すように、本実施の形態の調整装置10は、ランダウキ
ャビティ50のチューナー54(図17参照)のポジシ
ョン(以下、単に「チューナーポジション」とのみいう
場合がある。)を制御するポジション制御装置20と、
制御情報を記録する制御情報記録装置30とを備えた構
成である。
【0059】ポジション制御装置20は、電子蓄積リン
グ200に取り付けられる電子ビームモニタ70による
電子ビームのバンチ長の検出情報、或いは、過去に同様
の状況で制御された場合に、制御情報記録装置30に記
録された制御情報に基づいて、ランダウキャビティ50
のチューナー54のポジションを制御する。また、制御
情報記録装置30は、チューナーポジションを制御した
場合、電子ビームのバンチ長の検出情報と、ポジション
制御装置によるランダウキャビティ50のチューナーポ
ジションの制御情報を記録する。
【0060】以上の構成において、次に、本実施の形態
のランダウキャビティのチューナーポジション調整装置
10の基本動作、及び、この装置を用いたランダウキャ
ビティのチューナーポジション調整方法の原理につい
て、図1及び図2を用いて説明する。
【0061】先ず、上述したように、電子蓄積リング2
00へ電子ビームを蓄積している状況で、この電子ビー
ムにより誘起された電場により、集団的シンクロトロン
振動を励起し、バンチ長を伸ばし、電子ビームの蓄積寿
命を増大させるのに好適な高次モードの高調波を誘起さ
せるために、ランダウキャビティ50のチューナーポジ
ョンを調整して、チューナー54を所定位置に制御する
必要がある。このとき、電子ビームの各パラメータか
ら、直接、ランダウキャビティ50のチューナーポジシ
ョンを算出できれば、即座に調整が可能であるが、その
算出は困難である。
【0062】そこで、本実施の形態では、図1或いは図
2に示すランダウキャビティのチューナーポジション調
整装置10でチューナーポジションを調整しながら、リ
アルタイムで電子ビームモニタ70で電子ビームのバン
チ長を計測し、この電子ビームのバンチ長を長くする最
適なチューナーポジションを検出するという方法で、ラ
ンダウキャビティ50のチューナーポジションを調整す
る手法を用いる。即ち、電子ビームモニタ70で電子ビ
ームのバンチ長が長くなっている特有のシグナルが得ら
れれば、そのチューナーポジションが、電子ビームを最
も安定に蓄積されるチューナーポジションであると判断
するというものである。
【0063】このように、電子蓄積リング200で、上
述した方法でランダウキャビティ50のチューナーポジ
ションを調整すると、電子ビームの各パラメータからラ
ンダウキャビティのチューナーポジションとの関係が直
接算出できない場合でも、チューナーポジションの調整
だけで、電子ビームのバンチ長を伸ばし、電子ビームの
蓄積寿命を増大することができる。
【0064】このとき、電子ビームの測定データ、電子
ビームのバンチ長、及び、チューナーポジションの制御
情報を制御情報記録装置30に記憶させておけば、将
来、同様の状況になったときに、電子ビームモニタ70
からの検出情報をポジション制御装置30に伝達するだ
けで、ある程度の精度で、即座に対応が可能になる。更
に、これらの情報が蓄積されてくると、特に、熟練のオ
ペレータ等を配置しなくても対応が可能になるので、電
子蓄積リング200を設置しても、初期投資コストや、
維持コストを大幅に低減することができる。
【0065】次に、この調整装置10を取り付けた電子
蓄積リング200及びこの電子蓄積リング200におい
て、電子ビームの蓄積時にランダウキャビティ50のチ
ューナーポジションを調整して、電子ビームの蓄積寿命
を増大させる運転方法について、図2を用いて説明す
る。
【0066】図2に示す電子蓄積リング200は、基本
構成は、図14に示す電子蓄積リング100と同様であ
るが、他の構成として、本発明のランダウキャビティの
チューナーポジション調整装置10と電子ビームのバン
チ長を計測する電子ビームモニタ70とを備え、上述し
たように、ランダウキャビティ50の大電力装置は不要
であるのでそれを省略した構成である。なお、電子ビー
ムモニタ70は、従来、電子ビームの位置検出モニタ1
70(図14参照)としていたものを兼用するようにし
ても良い。
【0067】この電子蓄積リング200では、電子ビー
ムの蓄積時に、調整装置10を用いて、電子ビームモニ
タ70により、電子ビームのバンチ長を測定しながら、
ランダウキャビティ50のチューナーポジションを調整
して、電子ビームの蓄積寿命が増大するランダウキャビ
ティ50のチューナーポジションで、電子蓄積リング2
00を運転するものである。
【0068】このような電子蓄積リング200で、上述
した方法でランダウキャビティ50のチューナーポジシ
ョンを調整すると、長寿命で電子ビームを蓄積できる。
この結果、ランダウキャビティ50用の大電力装置が不
要になり、電子蓄積リング200の設備コスト及び維持
コストを大幅に削減することができる。
【0069】上述したように、本発明のランダウキャビ
ティのチューナーポジション調整装置10では、電子ビ
ームのバンチ長を測定することは重要である。従って、
この電子ビームのバンチ長を測定する方法は、通常、当
業者により行われていることであるが、特に、電子蓄積
リング200で、電子ビームのバンチ長を、電子ビーム
モニタ70を用いてリアルタイムで測定する方法につい
て、図3乃至図13を用いて説明する。この電子ビーム
モニタ70には、当業者に良く知られたものとして、例
えばストリークカメラと電子蓄積リング200に取り付
けられたピックアップ電極からの信号をスペクトラアナ
ライザーを用いて検出するものとが上げられる。
【0070】ピックアップ電極は、通常、ベータトロン
振動数測定用にビームダクト130に取り付けられるも
のを用いるか、或いは、電子ビームの位置を検出するボ
タン型位置モニタのボタン型電極を用いる。なお、ベー
タトロン振動については、特願2000−83751号
に詳細に説明されている。また、ボタン型モニタについ
ては、特願平11−151339号の図6にその構造が
示されている。
【0071】先ず、ストリークカメラは、時間分解能に
優れ、電子ビームのバンチ長を直接測定できるというメ
リットがあるが、リアルタイムに電子ビームのバンチ長
を測定するのが困難であるという欠点を備えている。一
方、スペクトラアナライザーは、電子ビームのバンチ長
を直接測定することはできないが、バンチ長が相対的に
長くなっているのか、或いは、短くなっているのかが、
リアルタイムで判別できるという利点を備えている。従
って、実際の計測は、これらの利点を組み合わせて行わ
れる。
【0072】図3乃至図6に、このスペクトラアナライ
ザーを用いて検出した信号のサンプルを図示する。図3
及び図4は、本実施の形態のランダウキャビティのチュ
ーナーポジション調整装置10により、電子ビームのバ
ンチ長が長くなり、電子ビームの寿命が長くなり、調整
が良好な場合の、ピックアップ電極からの信号のスペク
トラムのサンプルである。図5及び図6は、調整がうま
く行えなかった場合の、ピックアップ電極からの信号の
スペクトラムのサンプルである。
【0073】調整装置10によるチューナーポジション
の調整が良好な場合は、電子の周回周波数の整数倍(図
示のものでは61倍の1666MHz)から、シンクロ
トロン振動数の整数倍、図3のものでは、2、3、4
倍、図4に示すものでは3、4倍、離れたところにピー
クが現れる。一方、調整がうまくいかなかった場合は、
周回周波数の整数倍(図示のものでは61倍の1666
MHz)から、図5に示すものでは、シンクロトロン振
動数の1、2倍、図6に示すものでは1倍、離れたとこ
ろにピークが現れる。
【0074】ここで、周回周波数とは、電子ビームが電
子蓄積リング200を単位時間に周回する回数で、上記
サンプル例では、27.3MHzである。なお、電子ビ
ームは、上述したように、高周波加速空胴40の加速の
原理により、高周波加速空胴40と丁度同期している同
期電子を中心に、位置及びエネルギーが軌道方向でシン
クロトロン振動しているが、その振動数をシンクロトロ
ン振動数という。
【0075】図4に示したピークは、電子ビームが集団
的シンクロトロン振動を起こしていることを示してお
り、これは、通常不安定性と呼ばれるものに属する。ラ
ンダウキャビティ50に誘起される高周波の、ある特定
の高次モードのシンクロトロン不安定性が、電子ビーム
のバンチ長を伸ばし、電子ビームの蓄積寿命を増大させ
るものと目されている。
【0076】従って、チューナーポジションの調整が良
好な場合と不良な場合とでは、そのスペクトラムが顕著
に相違するために、調整が良好な場合は、電子ビームの
周回周波数近傍にピークが現れるので、ランダウキャビ
ティ50のチューナーポジションを変更して、図3或い
は図4に示すようなスペクトラムが現れるように制御す
ると、リアルタイムで電子ビームのバンチ長を制御する
ことができる。
【0077】なお、チューナーポジションの調整が良好
な場合は、ピークは、周回周波数の整数倍からシンクロ
トロン振動数の整数倍に離れたところに現れる特徴があ
るのは上述したが、測定する周波数領域によっては、こ
のピークが大きい方(図3乃至図6では右側)に出現し
たり、或いは、小さい方(図3乃至図6では左側)に出
現したりすることを付記しておく。
【0078】また、異なる周波数領域で、ピックアップ
電極からの信号をスペクトラアナライザーで測定した特
性図を示す。図7は、チューナーポジションの調整が良
好で、電子ビームのバンチ長が伸びている場合のピーク
の形状を示す特性図である。図8は、チューナーポジシ
ョンの調整が悪く、電子ビームのバンチ長が短い場合の
ピークの形状を示す特性図である。
【0079】図7と図8を見比べると、チューナーポジ
ションの調整が良好なときは、高周波加速空胴40の高
周波の周波数の3倍の574MHz近傍に出現するピー
クが小さく、一方、チューナーポジションの調整が悪い
ときは、同じく、574MHzのピークが大きい。これ
は、バンチ長が短いと、電子密度が高く、ピックアップ
電極に誘起される電荷量のピークが鋭くなるためであ
る。
【0080】従って、以上の様々な、ピックアップ電極
からの信号を読みとることにより、電子ビームのバンチ
長の状況を把握できるので、スペクトラアナライザーを
用いれば、調整装置10でリアルタイムでランダウキャ
ビティのチューナーポジションを、良好な位置に調整す
ることができる。
【0081】以上のように、スペクトラアナライザーで
ピックアップ電極からの信号を測定すれば、電子ビーム
のバンチ長が相対的に長くなっているのか、或いは、短
くなっているのか、リアルタイムで測定できる。しか
し、一方で、上述したように、スペクトラアナライザー
では、電子ビームのバンチ長そのものを測定するのは困
難である。
【0082】従って、より精確を期すためには、ストリ
ークカメラにより、実際に、電子ビームのバンチ長を計
測する必要がある。この電子ビームのバンチ長をストリ
ークカメラを用いて測定した画像を図9と図10に示
す。図9は、チューナーポジションの調整が良好で、電
子ビームのバンチ長が伸びている場合を示している。図
10は、チューナーポジションの調整が悪く、電子ビー
ムのバンチ長が短い場合を示している。
【0083】図9と図10の縦軸は電子ビームのバンチ
長を時間(単位:nsec)で示している。図9と図1
0に示されるように、ランダウキャビティ50のチュー
ナーポジション調整が良好なときは、電子ビームのバン
チ長が伸びているが、不良な場合は、バンチ長が短いこ
とが確認される。また、電子ビームのバンチ長の時間幅
に電子ビームの速さ(光速度)を掛けることにより、直
接、バンチ長を算出することもできる。従って、電子ビ
ームモニタ70と調整装置10とを組み合わせれば、リ
アルタイムで好適なランダウキャビティ50のチューナ
ーポジションをサーチできるので、電子ビームのバンチ
長を伸ばし、電子ビームの蓄積寿命を増大することがで
きる。
【0084】次に、電子ビームのバンチ、バンチのフー
リエスペクトルについて、補足説明する。一般に、電子
蓄積リング200を周回している電子ビームの或る時刻
tにおける電子ビームの電流は式(1)のように表すこ
とができる。ここで、各バンチにおける電子がガウス分
布しているものとする。
【数1】 ここで、σは電子ビームのバンチ長である。
【0085】次に、式(1)をフーリエ級数で表すと、
式(2)のようになる。
【数2】 ここで、Tは、電子ビームの各バンチ間の時間、jは虚
数単位、ωは、ω=2π/Tである。また、フーリエ級
数Inは、式(3)で示される通りである。
【数3】
【0086】ここで、ピックアップ電極として、ボタン
型ビームモニタのボタン電極を用いた場合、この等価回
路は、図13に示す通りであり、このピックアップ電極
に比べて、電子ビームのバンチ長が十分に長いとすれ
ば、このピックアップ電極に誘起される電荷量は、式
(4)で与えられる。
【数4】 ここで、φは、電子ビームからピックアップ電極を見た
場合の円周方向の角度、cは電子ビームの速度で、光速
とする。
【0087】このとき、ピックアップ電極に発生する電
圧Veは、式(5)で与えられる。
【数5】
【0088】これにより、ボタン型電子ビームモニタを
ピックアップ電極としてした場合で、このピックアップ
電極の出力をスペクトラアナライザーで測定したときの
スペクトルは、図11と図12に示すとおりである。な
お、図11と図12において、横軸は周回周波数の倍数
で、高調波の次数を示し、縦軸は任意の値で規格化した
値(dB)で示している。
【0089】図11に示すように、バンチ長が短い場合
は、高調波の成分がほぼ一定であるが、図12に示すよ
うに、バンチ長が長い場合は、各高調波の成分が小さく
なる。従って、ピックアップ電極からの電圧出力をスペ
クトラアナライザーでリアルタイムで測定すれば、バン
チ長の制御状況が把握でき、ランダウキャビティのチュ
ーナーポジションをリアルタイムで調整できる。
【0090】ところで、上記説明では、バンチ内の各電
子の分布がガウス分布であるという仮定を行ったが、こ
のバンチ内における電子の分布がガウス分布ではない場
合は、高調波成分が、図12に示すように単調に減少し
ない場合がある。この場合は、どの周波数を中心にモニ
タするかは、ピックアップ電極のスペクトル全体を調べ
て、最適な周波数を決定するようにしているので、この
ような場合でも、十分に対応が可能である。
【0091】本発明のランダウキャビティのチューナー
ポジション調整装置及びその装置を備えた電子蓄積リン
グは、上記実施の形態に限定されず種々の変更が可能で
ある。上記実施の形態では、電子蓄積リングの運転方法
としては、本発明のランダウキャビティのチューナーポ
ジション調整装置を用いたもので説明したが、従来通
り、手動でチューナーポジションを遠隔操作する方法も
本願発明に含まれるのは勿論のことである。また、電子
蓄積リングに使用する電子ビームモニタとして、上記で
はストリークカメラと、スペクトラアナライザーを取り
上げて説明したが、他の電子ビームモニタを用いるよう
にしても良いのは勿論のことである。
【0092】
【発明の効果】本発明のランダウキャビティのチューナ
ーポジション調整装置及びその装置を用いた調整方法
と、その装置を備えた電子蓄積リング及びその運転方法
は、上述のように構成したために以下のような優れた効
果を有する。 (1)ランダウキャビティのチューナーポジション調整
装置は、請求項1に記載したように、ランダウキャビテ
ィのチューナーのポジションを調整して、電子ビームの
バンチ長を制御し、電子ビームの蓄積寿命を増大するよ
うにすると、ランダウキャビティのチューナーのポジシ
ョンを調整して、電子ビームのバンチ長を制御し、電子
蓄積リングに蓄積している電子ビームの蓄積寿命を増大
することができる。 (2)また、ランダウキャビティ用大電流装置を用いな
いでも電子ビームの蓄積寿命を増大することができるの
で、設備コスト、及び、維持コストを大幅に削減するこ
とができる。
【0093】(3)請求項2に記載したように、電子ビ
ームモニタによる電子ビームのバンチ長の検出情報、或
いは、制御情報記録装置に記録された制御情報に基づい
てランダウキャビティのチューナーのポジションを制御
するポジション制御装置と、電子ビームのバンチ長の検
出情報と、ポジション制御装置による前記ランダウキャ
ビティのチューナーのポジション制御情報を記録する制
御情報記録装置とを備え、電子ビームの蓄積寿命を増大
するようにすると、電子ビームのバンチ長を測定しなが
らチューナーポジションを調整できるので、迅速で、か
つ、的確なポジション調整が可能となる。 (4)また、検出情報及びチューナーポジションの制御
情報が蓄積されて行くので、電子ビームのバンチ長の測
定データに、一層、迅速に対応できるようになる。 (5)更に、制御情報が累増してくると、制御情報記録
装置内に蓄積されたデータだけで、大抵の状況には対応
できるようになるので、高度の熟練がなくても、ランダ
ウキャビティのチューナーポジションを容易に調整でき
るようになる。
【0094】(6)請求項3に記載したように、電子ビ
ームモニタとして、ピックアップ電極と、このピックア
ップ電極が検出する電子ビームのシグナルをリアルタイ
ムで計測するスペクトラアナライザーとを備えた電子ビ
ームモニタを用いるようにすると、リアルタイムで電子
ビームのバンチ長を測定できる好適な電子ビームモニタ
を備えたランダウキャビティのチューナーポジション調
整装置とすることができる。
【0095】(7)ランダウキャビティのチューナーポ
ジション調整方法は、請求項4に記載したように、電子
ビームモニタによる電子ビームのバンチ長の検出情報、
或いは、制御情報記録装置に記録された制御情報に基づ
いて、ポジション制御装置によりランダウキャビティの
チューナーのポジションを制御し、電子ビームのバンチ
長の検出情報と、ポジション制御装置によるランダウキ
ャビティのチューナーのポジション制御情報を制御情報
記録装置に記録し、電子ビームの蓄積寿命を増大するよ
うにすると、電子ビームのバンチ長を測定しながらチュ
ーナーポジションを調整できるので、迅速で、かつ、的
確なポジション調整が可能となる。 (8)また、検出情報及びチューナーポジションの制御
情報が蓄積されて行くので、電子ビームのバンチ長の測
定データに、一層、迅速に対応できるようになる。 (9)更に、制御情報が累増してくると、制御情報記録
装置内に蓄積されたデータだけで、大抵の状況には対応
できるようになるので、高度の熟練がなくても、ランダ
ウキャビティのチューナーポジションを容易に調整でき
るようになる。
【0096】(10)電子蓄積リングは、請求項5に記
載したように、ランダウキャビティのチューナーポジシ
ョン調整装置を備え、電子蓄積リングに蓄積される電子
ビームのバンチ長を制御することにより、電子ビームの
蓄積寿命を増大するようにすると、電子ビームのバンチ
長を測定しながらチューナーポジションを調整できるの
で、迅速で、かつ、的確なポジション調整が可能とな
る。 (11)また、検出情報及びチューナーポジションの制
御情報が蓄積されて行くので、電子ビームのバンチ長の
測定データに、一層、迅速に対応できるようになる。 (12)更に、制御情報が累増してくると、制御情報記
録装置内に蓄積されたデータだけで、大抵の状況には対
応できるようになるので、高度の熟練がなくても、ラン
ダウキャビティのチューナーポジションを容易に調整で
きるようになる。
【0097】(13)電子蓄積リングの運転方法は、請
求項6に記載したように、ランダウキャビティのチュー
ナーのポジションを調整して、電子ビームのバンチ長を
制御し、電子ビームの蓄積寿命を増大するようにする
と、ランダウキャビティのチューナーのポジションを調
整して、電子ビームのバンチ長を制御し、電子蓄積リン
グに蓄積している電子ビームの蓄積寿命を増大すること
ができる。 (14)また、ランダウキャビティ用大電流装置を用い
ないでも電子ビームの蓄積寿命を増大することができる
ので、設備コスト、及び、維持コストを大幅に削減する
ことができる。
【0098】(15)請求項7に記載したように、電子
ビームモニタにより電子ビームのバンチ長を測定し、こ
の電子蓄積リングに蓄積される電子ビームのバンチ長を
制御することにより、電子ビームの蓄積寿命を増大する
ようにすると、電子ビームのバンチ長を測定しながらチ
ューナーポジションを調整できるので、迅速で、かつ、
的確なポジション調整が可能となる。 (16)また、検出情報及びチューナーポジションの制
御情報が蓄積されて行くので、電子ビームのバンチ長の
測定データに、一層、迅速に対応できるようになる。 (17)更に、制御情報が累増してくると、制御情報記
録装置内に蓄積されたデータだけで、大抵の状況には対
応できるようになるので、高度の熟練がなくても、ラン
ダウキャビティのチューナーポジションを容易に調整で
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランダウキャビティのチューナーポジ
ション調整装置の一実施の形態を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の電子蓄積リングの主要構成の配置を示
す平面図である。
【図3】調整が良好な場合の、ピックアップ電極からの
信号のスペクトラムのサンプルである。
【図4】調整が良好な場合の、ピックアップ電極からの
信号のスペクトラムのサンプルである。
【図5】調整がうまく行えなかった場合の、ピックアッ
プ電極からの信号のスペクトラムのサンプルである。
【図6】調整がうまく行えなかった場合の、ピックアッ
プ電極からの信号のスペクトラムのサンプルである。
【図7】チューナーポジションの調整が良好で、電子ビ
ームのバンチ長が伸びている場合のピークの形状を示す
特性図である。
【図8】チューナーポジションの調整が悪く、電子ビー
ムのバンチ長が短い場合のピークの形状を示す特性図で
ある。
【図9】チューナーポジションの調整が良好で、電子ビ
ームのバンチ長が伸びている場合のストリークカメラに
よる画像である。
【図10】チューナーポジションの調整が悪く、電子ビ
ームのバンチ長が短い場合のストリークカメラによる画
像である。
【図11】電子ビームのバンチ長が短い場合の高調波成
分のスペクトルである。
【図12】電子ビームのバンチ長が長い場合の高調波成
分のスペクトルである。
【図13】ボタン型電子ビームモニタの等価回路図であ
る。
【図14】従来の電子蓄積リングの主要構成の配置を示
す平面図である。
【図15】高周波加速空胴の構造を示す縦断側面図であ
る。
【図16】高周波加速空胴に供給する高周波電場の特性
図である。
【図17】ランダウキャビティの構造を示す図で、
(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図18】高周波加速空胴に供給される高周波電場、ラ
ンダウキャビティに供給される高周波電場、及びその合
成電場を示す特性図である。
【符号の説明】
10:ランダウキャビティのチューナーポジション調整
装置 20:ポジション制御装置 30:制御情報記録装置 40:高周波加速空胴 50:ランダウキャビティ 54:チューナー 70:電子ビームモニタ 110A、110B:偏向電磁石 200:電子蓄積リング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子軌道を所望の偏向角で偏向する偏向
    電磁石と、蓄積電子(陽電子を含む)にエネルギーを供
    給する高周波加速空胴と、ランダウキャビティとを備
    え、電子ビームを周回軌道内に所望のエネルギーで蓄積
    するようにした電子蓄積リングにおいて、 前記ランダウキャビティのチューナーのポジションを調
    整して、前記電子ビームのバンチ長を制御し、電子ビー
    ムの蓄積寿命を増大するようにしたことを特徴とするラ
    ンダウキャビティのチューナーポジション調整装置。
  2. 【請求項2】 電子軌道を所望の偏向角で偏向する偏向
    電磁石と、蓄積電子(陽電子を含む)にエネルギーを供
    給する高周波加速空胴と、ランダウキャビティと、電子
    蓄積リングに蓄積される電子ビームのバンチ長を測定す
    る電子ビームモニタとを備え、電子ビームを周回軌道内
    に所望のエネルギーで蓄積するようにした電子蓄積リン
    グにおいて、 前記電子ビームモニタによる電子ビームのバンチ長の検
    出情報、或いは、制御情報記録装置に記録された制御情
    報に基づいて前記ランダウキャビティのチューナーのポ
    ジションを制御するポジション制御装置と、 前記電子ビームのバンチ長の検出情報と、ポジション制
    御装置による前記ランダウキャビティのチューナーのポ
    ジション制御情報を記録する制御情報記録装置とを備
    え、電子ビームの蓄積寿命を増大するようにしたことを
    特徴とするランダウキャビティのチューナーポジション
    調整装置。
  3. 【請求項3】 上記電子ビームモニタとして、 ピックアップ電極と、このピックアップ電極が検出する
    電子ビームのシグナルをリアルタイムで計測するスペク
    トラアナライザーとを備えた電子ビームモニタを用いる
    ようにしたことを特徴とするランダウキャビティのチュ
    ーナーポジション調整装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のランダウキャビ
    ティのチューナーポジション調整装置において、 上記電子ビームモニタによる電子ビームのバンチ長の検
    出情報、或いは、上記制御情報記録装置に記録された制
    御情報に基づいて、上記ポジション制御装置によりラン
    ダウキャビティのチューナーのポジションを制御し、 前記電子ビームのバンチ長の検出情報と、前記ポジショ
    ン制御装置によるランダウキャビティのチューナーのポ
    ジション制御情報を前記制御情報記録装置に記録し、電
    子ビームの蓄積寿命を増大するようにしたことを特徴と
    するランダウキャビティのチューナポジション調整方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3に記載のランダウキャビ
    ティのチューナーポジション調整装置を備え、電子蓄積
    リングに蓄積される電子ビームのバンチ長を制御するこ
    とにより、電子ビームの蓄積寿命を増大するようにした
    ことを特徴とする電子蓄積リング。
  6. 【請求項6】 電子軌道を所望の偏向角で偏向する偏向
    電磁石と、蓄積電子(陽電子を含む)にエネルギーを供
    給する高周波加速空胴と、ランダウキャビティとを備
    え、電子ビームを周回軌道内に所望のエネルギーで蓄積
    するようにした電子蓄積リングにおいて、 前記ランダウキャビティのチューナーのポジションを調
    整して、前記電子ビームのバンチ長を制御し、電子ビー
    ムの蓄積寿命を増大するようにしたことを特徴とする電
    子蓄積リングの運転方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の電子蓄積リングにおい
    て、 上記電子ビームモニタにより電子ビームのバンチ長を測
    定し、この電子蓄積リングに蓄積される電子ビームのバ
    ンチ長を制御することにより、電子ビームの蓄積寿命を
    増大するようにしたことを特徴とする電子蓄積リングの
    運転方法。
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