JP2002263121A - 歯根用ポスト - Google Patents

歯根用ポスト

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 歯根破折の原因となる歯根用ポストの装着に
より生じる歯質への応力集中を回避することができ、根
管部に二次感染が発生した場合にも支台構造を破壊する
ことなく治療を行うことができる歯根用ポストの提供。 【解決手段】 シェル1とコア2から形成された歯根用
ポストにおいて、該コアを構成する物質をシェルの歯根
側先端部から突出するように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シェル(A)とコ
ア(B)から形成された歯根用ポストに関する。さらに
詳しくは、シェル(A)とコア(B)から形成された歯
根用ポストであって、該コアを構成する物質はシェルの
歯根側先端部から突出するように形成された歯根用ポス
トに関する。本発明のポストによれば、歯根破折が少な
く、また、ポストを除去せずに二次感染部の治療を容易
に行うことができるため、歯冠欠損部の修復用材料、特
に支台築造用の歯根用ポストとして好適である。
【0002】
【従来の技術】歯冠の崩壊が大きな虫歯を被覆冠で修復
するには、まず歯冠欠損部を築盛することが行われる
が、かかる築盛のための支台築造体としては、従来金属
鋳造体が多用されていた。最近、これに代わり、根管窩
洞の形成と支台築造を一回の診療で行えるコンポジット
レジンなどの錬成物を用いる歯冠修復方法が取り上げら
れるようになってきた。しかし、コンポジットレジンそ
のものの強度は前記金属鋳造体よりも劣るので、近年で
は、支台築造体の強度増強や支台築造体の歯質への維持
などを目的として支台歯に根管用支柱(歯根用ポスト)
を併用することが定法となっている。
【0003】歯根用ポストの材質としては、例えば実公
昭6−30475号、実公昭51−29675号、特開
昭56−152642号、特開昭56−136542号
公報などに示されるように、強度あるいは歯質への保持
の観点から、ステンレスやチタンなどの金属が一般的に
使用されている。そして、さらには形成された根管への
適合性を高めるためにテーパーを付与したもの、歯質へ
の維持を高めるために溝を持つもの、スクリュー状のも
のなど各種形状のものが工夫され、今日では、これらが
広く使用されている。
【0004】しかしながら、これらの支台築造体におい
ても、築造体の脱離、築造体破折が皆無ではなく、さら
なる開発が望まれている。近年、歯質と強固な接着性を
有する材料が開発されており、かかる材料を合着材とし
て用いて歯質とポストとの間を充填すれば、歯根用ポス
トは歯質に強固に固定され、築造体の保持の観点から、
より一層効果的な修復を行うことができるようになって
きており、これらの問題は少なくなってきている。
【0005】一方、築造体の強度が大きくなるにつれ、
築造体が歯根部へ及ぼす応力の集中が生じやすくなり、
歯根破折の問題が高まりを見せているのも事実であり、
この歯根破折は支台築造修復において最も深刻なトラブ
ルとなっている。と言うのも、破折した歯は抜歯につな
がるのみならず、ブリッジなど連結した補綴処置全体に
も影響を及ぼすためである。
【0006】歯根破折にいたるメカニズムを考えてみる
と以下のとおりである。健全な生活歯に咬合力が作用す
ると、中空構造(中味は歯髄)をもつ歯は合理的に変形
して咬合力を分散させ、咬合応力は歯根膜、歯槽骨に伝
播していく。この力学的刺激(咀嚼による力)が歯周組
織を変形させ、骨のメインテナンスに貢献している。こ
のように、歯髄がある場合は外部(咬合面)から力が加
わり、歯全体が変形するが、歯が齲蝕進行により大きく
崩壊し、歯髄を除去してポストを固定して、歯冠修復を
行うと、咬合応力は咬合面だけからではなくポストを通
して内部(ポスト先端部など)からも応力が生じる。歯
はこのような内部から生じる大きな力に対して構造的に
弱く、加えて失活歯は象牙質の粘弾性が低下して脆くな
っているので疲労によるマイクロクラックも蓄積し易
く、歯根部分の破折が起こりやすくなっている。
【0007】この歯根破折の問題は、すでに歯科治療に
おける深刻な問題の一つとして取り上げられており、こ
れまで、局所的な応力集中を避けることにより、歯根破
折を回避する方法として2種類の方法が提案されてい
る。第一の方法は、例えば、日本接着歯学会誌Vol1
3,No.1、51−62頁に報告されているように、
根管に形成されたポスト孔よりも一回り細い直径の歯科
用金属製ポストを使用し、接着性レジンセメントをポス
ト孔との間に介在させ、ポストの先端をポスト孔の底部
から少し浮き上がらせて、象牙質への応力集中を回避す
る方法である。そして、第二の方法は、例えば、特表平
5−505316号公報に開示されているように、歯根
用ポストとして、その弾性率が歯牙特に象牙質の弾性率
に近似したものを選択することで、歯牙への応力集中を
回避する方法である。このような歯根用ポストの材質と
して繊維強化型樹脂が提案されている。
【0008】一方、築造体の強度の向上、歯質への保持
性の向上に伴い、再根管治療に関わる新たな問題も発生
してきている。すなわち、一旦治療が完成した後に根管
部の清掃、殺菌が不十分であったり、あるいは辺縁漏洩
により歯根部の根管の一部に二次感染が発生した場合、
歯根用ポストを含む支台築造体全体を支台歯から除去
し、再治療しなければならない。しかるに、ポストとし
て、高強度の金属材料が使用されている場合、ポストと
歯質との接合が強固であるため、該ポストの除去は非常
に困難と言うよりは、むしろ不可能である。よって、や
むなく抜歯しなければならないケースがほとんどであ
り、せっかくの歯冠修復の努力が全く無に帰してしま
う。
【0009】この問題を回避するのに現在二つの方法が
提案されている。すなわち、第一の方法は、ポスト全体
あるいはポストを貫通する軸芯部を易切削性材料とし、
易切削性部分を切削除去することで根尖部などの二次感
染部を露呈させ、支台築造体全体を撤去せずとも二次感
染部の治療が行えるようにする考えである。この第一の
方法は、特公平6−75582号公報及び特表平11−
500325号公報に提案されており、ポストの軸芯部
に軸芯方向に貫通する中空部を形成し、該中空部に易除
去性充填材料を充填しておくものである。このようにす
れば、ポストを除去しなくても二次感染部の治療が容易
に行うことができる。
【0010】第二の方法は、ポストを固定する接着材と
して、歯質との高い接着性を発現する接着材を使用し、
シーリング性を高めることで辺縁漏洩による細菌の侵入
を阻み、二次感染そのものを抑制しようとする考えであ
る。
【0011】さらに、第一及び第二の考えを組み合わ
せ、辺縁漏洩による二次感染の予防を目的として接着性
の根管充填剤を使用し、また、二次感染した場合でも歯
科用切削具にて除去しやすい軟性材料を歯根用ポストと
して用いた歯科用根管治療キットも特開平11−262
494号公報に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】先述したように、現在
の支台築造修復が抱える歯根破折と再根管治療の問題に
関し、前者に対しては、根管に形成されたポスト孔より
も一回り細い直径の歯科用金属製ポストを使用し、接着
性レジンセメントをポスト孔との間に介在させ、ポスト
の先端をポスト孔の底部から少し浮き上がらせ根管壁に
接触させない方法、あるいは、歯根用ポストとして、そ
の弾性率が歯牙特に象牙質の弾性率に近似したものを選
択する方法で回避が試みられ、一方、後者に対しては、
ポスト全体あるいはポストを貫通する軸芯部を易切削性
材料とし、易切削性部分を切削除去することで根尖部な
どの二次感染部を露呈させ、支台築造体全体を撤去せず
とも二次感染部の治療が行えるようにする方法、及び/
または、ポストを固定する接着材として歯質との高い接
着性を発現する接着材を使用し、シーリング性を高める
ことで辺縁漏洩による細菌の侵入を阻み二次感染そのも
のを抑制する方法が試みられているのが現状である。
【0013】しかしながら、支台築造修復の完成度を高
めるには、まずは上記の要件を総合的に満足する必要が
ある一方で、再根管治療における二次感染部の露呈とい
う観点から、歯根用ポストの尖端部と根管底部との間隙
に存在する接着材層についてもさらに考慮する必要があ
る。すなわち、近年の接着材の強度の向上に伴い、歯根
用ポストの尖端部と根管底部との間隙に存在する接着材
層は、通常歯科治療で使用される根管治療時に使用され
る器具では穿孔することが非常に困難であることは、歯
科臨床に携わる者であれば共通に認識するところであ
る。
【0014】以上の観点から従来技術を解析すると、さ
らに以下の問題点が見出せる。日本接着歯学会誌Vol
13,No.1、51−62頁に示される技法は、歯根
破折予防に対する効果は期待されるが、従来の金属製歯
根用ポストを使用しているため、再根管治療は困難であ
る。
【0015】一方、特表平5−505316号公報に開
示された歯根用ポストは、歯質との弾性率の考慮によ
り、咬合応力の集中を回避でき、歯根破折に関しては予
防効果が期待される。しかしながら、歯科用切削器具に
よる該ポスト自体の切削除去の可能性については言及さ
れていない。該ポストの材質は、一般的観点に基づく
と、従来の歯根用ポストに使用される金属、セラミック
スよりは軟性材料であるので、該ポストを歯科用ドリル
などで、仮に切削除去できたとしても、ポスト先端部と
根管底部の間に存在する合着材層を、通常歯科で使用さ
れる器具で穿孔することは非常に困難であり、再根管治
療を解決するものではない。
【0016】また、特公平6−75582号公報に開示
されたポストは、再根管治療を行いやすくするための技
術ではあるものの、歯質より弾性率のはるかに高い金属
製あるいはセラミックス製のポストであるため、歯根破
折の問題は依然として解決されない。もし、歯根部への
接触を回避するため、根管部からやや浮かせて固定しよ
うとすると、ポストの先端部と根管の隙間に、固定する
ための歯科用(接着性)レジンセメントが介在し、再治
療時の切削を大きく妨げることになる。
【0017】さらに、特表平11−500325号公報
に開示されたポストは、歯根破折予防の観点から、象牙
質に近い弾性係数を有する材料の採用、及び再根管治療
の容易性を考えて除去性の高い軸芯部を有する構造を有
すべきことを提案したもので、従来技術の中ではさらに
進歩したものではあるが、根管底部の間に存在する合着
材層を、通常歯科で使用される器具で穿孔することは非
常に困難である。
【0018】また、特開平11−262494号公報に
開示された歯科用根管キットは、辺縁漏洩による二次感
染の抑制を追及すると同時に、再根管治療が必要となっ
た場合を配慮して、歯根用ポスト自身の切削除去性を考
慮したものではあるが、これもやはり根管底部の間に存
在する合着材層の穿孔に関する問題を解決するものでは
ない。以上述べたように、これまでのポストに係る従来
技術は、現在支台築造修復において深刻な問題とされる
歯根破折及び再根管治療の問題に対して、いずれも個々
の課題に対して解決を見出そうとするにとどまるもので
あり、上記した問題点を総合的に解決するものではな
い。したがって、本発明の目的は、支台築造修復におけ
る種々の課題点、すなわち、歯根破折予防と、ポストを
除去しなくても二次感染部の治療を容易に行うことので
きる歯根用ポストを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討し、本発明に至った。すなわち、
本発明は、シェル(A)とコア(B)から形成された歯
根用ポストであって、該コアを構成する物質はシェルの
歯根側先端部から突出するように形成されたことを特徴
とする歯根用ポストである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の歯根用ポストは、シェル
(A)とコア(B)から形成されたコア−シェル型のポ
ストであるが、シェル(A)は本来の歯根用ポストとし
て必要とされる、レジンの強度、特に脆性を改善するた
めの補強効果を担う。一方、コア(B)はシェル(A)
が根管に直接接触し、応力が集中することを防ぐ機能を
有することが必要であり、該コアを構成する物質として
は、再根管治療の必要が生じた場合、歯科用のドリルや
ヤスリによって容易に除去できるような材質を使用する
必要がある。上記のように、コアの直径は再根管治療の
操作を行いやすくすることと、シェル材料の強度を保つ
観点から、0.2〜1.5mmが好ましい。本発明のコ
ア−シェルからなるポスト全体のサイズは、通常、太さ
0.5〜3mm、長さ7〜25mmである。使用に際し
ては、症例の根管に適切な太さを選択し、必要に応じて
切断して長さを調節することができる。
【0021】本発明のコア−シェル型のポストを形成す
る方法はとくに限定されないが、例えば、コア部にコア
を構成する物質を充填する方法、コアを構成する物質を
芯としてそれにシェルを構成する物質を被覆する方法な
どによることができる。本発明の歯根用ポストにおいて
は、特にシェルの先端からコア(B)が突出しているこ
とが重要であるが、突出部の長さは、あまり長いとシェ
ルが歯根内に十分挿入されず維持安定性が低下する原因
となり、またあまり短いとシェル材が根管壁に接触して
しまい応力の集中を招き根管破折の危険性を高めてしま
ったり、ポストと根管部との隙間に合着用セメントが入
り込んで再根管治療時の妨げとなるので、0.5mm〜
3mmとするのが好ましい。
【0022】根管に歯根用ポストを固定する際、根管内
にポストを挿入していくと、本発明の歯根用ポストにお
いては、コアを構成する物質がシェルの歯根側先端部か
ら突出するように構成されているので、シェルの先端部
から突出した弾性率の低いコア(B)が歯質に接触し、
弾性率の高いシェル(A)は歯質に接触せず、歯根破折
の原因となる応力の集中を回避することができる。ま
た、コア(B)は根管充填材に密着しているため、該ポ
ストと根管充填剤との間に歯科用(接着性)レジンセメ
ントなどポストを固定するための材料が入り込むのを防
ぐことができる。
【0023】すなわち、ポストと根管充填剤との間に歯
科用のドリルやヤスリで除去しにくい歯科用(接着性)
レジンセメントが介在しないので、二次感染などによ
り、再根管治療が必要となった場合であっても、歯根用
ポストを固定したままでコア(B)を歯科用のドリルや
ヤスリで容易に取り除くことができ、根管内部(根尖
部)を治療することができる。コア(B)は必ずしもシ
ェル(A)の中空部全てに装備されている必要はなく、
中間部分は中空のままであっても良い。
【0024】シェル(A)の形状としては、先端部まで
太さが不変のパラレル状のもの、先端部の径が小さくな
るようなテーパー状のものなどが可能である。また、歯
冠部分の適合性を向上するためにステップを設けて、歯
冠に相当する箇所の外径を大きくすることも可能であ
る。また、歯根用ポストを根管に固定する際に使用する
歯科用(接着性)レジンセメントなどの余剰ペーストを
容易に排出させるため、及び該ポストの維持力を高める
ため、ポスト表面に鋸歯状、らせん状種々の溝を形成し
てもよい。
【0025】シェル(A)の材質としては、公知の材料
を広く使用することができ、例えば、ステンレス、スチ
ール、銀銅合金、アルミニウム合金、チタン合金、金銀
パラジウム合金、コバルトクロム合金などの金属材料が
挙げられる。シリカ、セラミックス、アルミナなどの無
機材料を使用してもよい。また、繊維補強材料も使用可
能である。繊維補強材料としては、EガラスやSガラス
などのシリカを基材とするガラス繊維、カーボン繊維、
セラミックスなどの無機繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン
カーバイド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊
維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維な
どの繊維を例示することができる。繊維は、直径1〜1
00μmの単繊維が数十〜数十万本単位で収束したロー
ビングをはじめ、それらを短く切断した短繊維やストラ
ンド、よりをかけたヤーンの他に織物、あみものなど種
々の繊維形状を使用することができる。
【0026】繊維補強剤のマトリックス成分としては、
エポキシ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)
アクリルなどの樹脂を挙げることができる。繊維補強材
料は従来から使用されているステンレス製の歯根用ポス
トなどと比較して、弾性率が小さく、歯質に類似してお
り、応力集中をさらに低減することができるので好まし
い。また、金属製の歯根用ポストを歯根に固定した治療
では、場合によって金属色が透けて暗く見え、審美的な
点で劣る場合があるのに対して、ガラス繊維などを採用
した繊維補強材料による歯根用ポストでは、審美的な観
点でより優れており、好ましい。これらは根管に固定す
る歯科用(接着性)レジンセメントなどとの接着性を高
めるために、シェル(A)に予めサンドブラスト処理
や、シランカップリング処理などの表面処理を行うこと
もできる。
【0027】コア(B)を構成する物質としては、公知
の樹脂を広く使用することができる。すなわち、ポリエ
チレン、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、
ポリ乳酸、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ガ
ッタパーチャ、トランスポリイソプレン、スチレン−ブ
タジエンゴム、水素添加スチレン−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン
−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ア
クリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性
エラストマー、ポリアミイド系熱可塑性エラストマー、
1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチ
レン−酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビ
ニル系熱可塑性エラストマー、ポリεカプロラクタム、
アルギン酸、寒天、デンプン、ペクチン、セルロース、
変成セルロース、コラーゲンなどを挙げることができ
る。
【0028】コアを構成する物質としては、シェルを構
成する物質の弾性率以下の弾性率を有するものを使用す
るのが好ましい。なかでも、軟化温度が80℃以下のも
のは、口腔内で該ポストを使用するにあたり、根管内部
に装着する前に軟化させることにより、根管内部への密
着性をより高めることができる点で優れており、好まし
い。一方、口腔内の温度で変形してしまうと適合性に影
響を及ぼすため、40℃以下では軟化しないものを使用
するのがより望ましい。これらの要件、すなわち軟化温
度が40℃以上80℃以下の材料がコア(B)を構成す
る物質として好ましく、具体的には、トランスポリイソ
プレン、ポリエチレン、ポリε−カプロラクタムなどが
挙げられる。特に、トランスポリイソプレンは従来より
根管充填材として広く使用されており、同種材料の使用
により親和性が高まるためより好ましい。また、X線不
透過性を付与するために、公知のX線不透過性のフィラ
ーや成分をシェル(A)やコア(B)中に配合してもよ
い。
【0029】
【実施例】実施例1 シェルを構成する物質としてステンレス鋼からなる三金
工業製チューブポスト(以下、チューブポストと略称す
る。)、コアを構成する物質としてガッタパーチャから
なる株式会社モリタ製JMガッタパーチャポイント(以
下、JMポイントと略称する。)を使用した場合の本発
明の歯根用ポストを図面により具体的に説明する。図1
は本発明の歯根用ポストの実施形態を示す例である。チ
ューブポストの内径約0.5mmの中空部にJMポイン
トを充填した。なお、先端部はJMポイントを2mm突
出させた。1はシェル(A)、2はコア(B)である。
ポストは、歯科用の接着性レジンセメント(株式会社ク
ラレ製パナビアフルオロセメント)を用いて根管3に固
定した。コア(B)はシェル(A)の先端部よりも突出
しているため、硬度の高いシェルが根管に直接接触する
ことを回避することができる。
【0030】次いで、歯科用コンポジットレジン(株式
会社クラレ製クリアフィルDCコア)を用いて支台歯4
を形成し、人工歯冠5を装着する。6は人工支台歯、7
は歯槽である。歯根部に二次感染が発生した場合には、
人工歯冠5を取り外した後、歯科用ドリルやファイルな
どを用いて、コア(B)を除去し、二次感染部を除去し
たり、直接薬物を投与するなどして再治療を行うことが
できる。再治療の終了後、コア(B)を装着して、再度
人工歯冠物を装着する。
【0031】実施例2 シェル(A)として、ガラスファイバーをエポキシ樹脂
で硬化した繊維強化材料、その内径0.5mmの中空部
分にコア(B)を構成する物質として、トランスポリイ
ソプレンを使用し、図2のように、先端部を細くしたテ
ーパー状の歯根用ポストを形成した。硬化は実施例1と
同様であった。
【0032】
【発明の効果】本発明により、コア−シェル型の歯根用
ポストを提供することができる。本発明の歯根用ポスト
によれば、歯根部へのポストの接触を確実にふせぐこと
ができるので、歯根用ポストの装着により生じる歯質へ
の応力集中を回避することができるので、歯根破折の危
険性を大幅に低減することができる。また、ポスト先端
部と根管充填材の隙間に歯科用(接着性)レジンセメン
トを介在しないので、根管部に二次感染が発生した場合
でも、支台構造を破壊することなく治療を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯根用ポストの一実施態様である。
【図2】本発明の歯根用ポストの別の実施態様である。
【符号の説明】
1…シェル(A) 2…コア(B) 3…根管 4…支台歯 5…人工歯冠 6…人工支台歯 7…歯槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル(A)とコア(B)から形成され
    た歯根用ポストであって、該コアを構成する物質はシェ
    ルの歯根側先端部から突出するように形成されたことを
    特徴とする歯根用ポスト。
  2. 【請求項2】 該シェルを構成する物質が繊維補強材料
    である請求項1記載の歯根用ポスト。
  3. 【請求項3】 該コアを構成する物質の弾性率が、該シ
    ェルを構成する物質の弾性率以下である請求項1又は2
    記載の歯根用ポスト。
  4. 【請求項4】 該コアを構成する物質の軟化温度が40
    ℃以上80℃以下である請求項1〜3いずれかに記載の
    歯根用ポスト。
  5. 【請求項5】 該コアを構成する物質の主成分がトラン
    スポリイソプレンである請求項1〜4いずれかに記載の
    歯根用ポスト。
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