JP2002262898A - 水溶性セルロースエーテルを用いたセルロース生産菌のスクリーニング方法、バクテリアセルロース、及びバクテリアセルロースの製造方法 - Google Patents

水溶性セルロースエーテルを用いたセルロース生産菌のスクリーニング方法、バクテリアセルロース、及びバクテリアセルロースの製造方法

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JP2002262898A JP2001063632A JP2001063632A JP2002262898A JP 2002262898 A JP2002262898 A JP 2002262898A JP 2001063632 A JP2001063632 A JP 2001063632A JP 2001063632 A JP2001063632 A JP 2001063632A JP 2002262898 A JP2002262898 A JP 2002262898A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース生産速度の高い菌株又は分子量
の高いセルロースを生産する菌株を多検体中から簡便か
つ迅速にスクリーニングする方法を提供する。 【解決手段】 セルロースを生産しうる微生物を培養
する工程と、該培養された微生物の複数ロットにそれぞ
れ変異処理を施し複数の変異株を得る工程と、該得られ
た複数の変異株をそれぞれ別個に水溶性セルロースエー
テル及び単糖又は二糖類及び窒素源を含有する培地を用
いて固体培養する工程と、各々の変異株の増殖したコロ
ニーについて指標となる性状の差に基づいて選抜する工
程とを有することを特徴とするセルロース生産菌変異株
のスクリーニング方法。選抜された変異株を用いたバク
テリアセルロースの製造方法。及び得られたバクテリア
セルロース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子量バクテリ
アセルロース及びその製造方法、そのために用いられる
セルロース生産菌の変異株のスクリーニング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】微生物によって生産されるバクテリアセ
ルロースは可食性であり食品分野で利用される他、水系
分散性に優れているので食品、化粧品又は塗料等の粘度
の保持、食品原料生地の強化、水分の保持、食品安定性
向上、低カロリー添加物又は乳化安定化助剤としての産
業上利用価値がある。バクテリアセルロースは木材パル
プ等から製造されるセルロースに較べ、フィブリルの断
片幅が2ケタ程度も小さいことを特徴とする。従って、
バクテリアセルロースの離解物はミクロフィブリルのか
かる構造的物理的特徴に基づき高分子、特に水系高分子
用補強剤として各種の産業用用途がある。このようなセ
ルロース性離解物を紙状または固形状に固化した物質は
高い引張弾性率を示すのでミクロフィブリルの構造的特
徴に基づくすぐれた機械特性が期待され、各種産業用素
材としての応用がある。
【0003】従来、NTG等の変異剤を用いた化学的変
異処理方法や、紫外線、放射線照射等によって、セルロ
ース生産菌に変異処理を施すことにより、セルロース生
産速度及びセルロースの重合度等の点で改良された各種
変異株を創製する試みがなされている。このような変異
株の創製に際しては、変異処理後に行なわれる目的とす
る菌株のスクリーニングでは、副生物の質的・量的変化
を見て形態に変異のある菌株を選抜したり、又は、サル
ファ剤耐性株(特開平7-327669号公報)、ピリミ
ジンアナログ耐性株(特開平8-260号公報)、DHO-
DHase阻害剤耐性株(特開平8-9965号公報)並びに
糖アナログ及びアミノ酸アナログに耐性な菌株(WO9
7/40135号公報)等のように、各種薬剤に対する耐
性に着目し、かかる耐性を有する菌株を選抜していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のスクリーニング方法では、各種薬剤に対する耐性な
ど、菌株のある生理的性質に着目してスクリーニングし
ているため、他の性質に由来して能力の高まった菌を網
羅的にスクリーニングすることができないことや、ある
特性を有する変異株を選抜するために、変異処理によっ
て生じた変異株ひとつひとつにつき長時間慎重に液体培
養してバクテリアセルロースを生産し、そのセルロース
の生産性や特性を測定することが必要である。従ってス
クリーニングの効率が非常に低くなってしまう、といっ
た問題があった。
【0005】また、特開平11-187896号公報に
はセルラーゼを適度に培地に添加することにより、添加
セルラーゼによる分解速度以上にセルロースを生産でき
るようなセルロース生産速度の高い菌株や、添加セルラ
ーゼでは分解されにくい高重合度や高結晶度等の性質を
有するセルロースを生産する菌株を選抜するスクリーニ
ング方法が示されている。この方法によれば、簡便かつ
一度に多検体をスクリーニングできるが、 Biosci.Bi
otech.Biochem.59(5),805(1995)には、培地にセル
ラーゼを添加した場合、セルロース生産菌の代表種であ
る酢酸菌のセルロース生産量が増加するということが記
載されており、本先行例が示すようにセルラーゼを添加
した培地で生産されるセルロースの量を指標にしてセル
ロース生産速度の高い菌株や、高重合度、高結晶度等の
性質を有するセルロース生産菌株を選抜することは実際
には困難である。
【0006】以上の点から、セルロース生産速度の高い
菌株又は分子量の高いセルロースを生産する菌株を多検
体中から簡便かつ迅速にスクリーニングする方法が依然
必要とされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、セルロース
生産速度の高い菌株や高分子量のセルロースを生産する
菌株等、セルロースの生産性や生産されるセルロースに
特徴を有する菌株が水溶性セルロースエーテルを含有し
た寒天培地上でコロニー形成速度が速い等の特徴を示す
ことに着目し、変異処理によって得られた変異株につき
簡便にかつ一度に多検体をスクリーニングし、その中か
ら上記の特性を有するような所望の菌株を選抜できる方
法を見出し、本発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明は、セルロースを生産しうる
微生物を培養する工程と、該培養された微生物の複数ロ
ットにそれぞれ変異処理を施し複数の変異株を得る工程
と、該得られた複数の変異株をそれぞれ別個に水溶性セ
ルロースエーテル及び単糖又は二糖類及び窒素源を含有
する培地を用いて固体培養する工程と、各々の変異株の
増殖したコロニーについて選抜の指標となる性状を調
べ、各々の変異株をその指標となる性状の差に基づいて
選抜する工程とを有することを特徴とするセルロース生
産菌変異株のスクリーニング方法に関するものであり、
好ましくは、形成されたコロニーの形成速度、セルロー
ス球晶の形成、セルラーゼ活性によって、セルロース生
産速度の高い変異株や高分子量のセルロースを生産する
変異株、セルロース球晶の生産性の高い変異株等、特定
の性質を有するセルロース生産変異株を選抜することを
特徴とする。
【0009】また、セルロースを生産しうる微生物から
変異操作により得られ、かつ該変異した株の選抜の指標
となる性状の差に基づいて選抜された変異株を、セルロ
ース及び水溶性セルロースエーテルの少なくとも一方を
炭素源として含み、更に窒素源を含む培地で培養する工
程を有し、かつ、得られたバクテリアセルロースが、分
子量が100万以上のものであることを特徴とするバク
テリアセルロースの製造方法に関するものである。
【0010】さらに、本発明は、前記記載の方法でスク
リーニングされたセルロースを生産しうる微生物の変異
株により製造され、かつ、分子量が100万以上である
ことを特徴とするバクテリアセルロースに関するもので
ある。
【0011】[作用]液体培養においてカルボキシメチル
セルロース(CMC)等の水溶性セルロースエーテルを添
加することでセルロース生産菌の生産したバクテリアセ
ルロースと水溶性セルロースエーテルが複合化し、セル
ロースの生産量が増加することが知られている(バイオ
サイエンスとインダストリー vol.57,No.6,1999)。
その理由としては、水溶性セルロースエーテルがセルロ
ース生産菌の生産したバクテリアセルロースと水素結合
を形成し、バクテリアセルロースどうしのミクロフィブ
リルの形成を阻害すること等が挙げられている。また、
結晶構造も水溶性セルロースエーテルとの複合化により
本来のバクテリアセルロースのIα型からIβ型に変化す
ることが記述されている。
【0012】固体培養、即ち寒天培地に水溶性セルロー
スエーテルを添加して培養を行なったときの菌の生育や
セルロース生産に関しては研究例を見ないが、発明者が
CMCを用いて実際に検討を行なったところ、CMCを
添加していない培地よりもCMCを添加した培地の方が
コロニー形成速度が増加することが示された。このコロ
ニー形成速度の違いは、コロニー面積あたり3〜7倍以
上に及んだ。
【0013】このコロニー形成速度が増加した理由とし
ては次のようなことを考える。水溶性セルロースエーテ
ルを添加していない寒天培地では、菌が寒天培地上にお
いてコロニーを形成する際、生産するセルロースがコロ
ニー拡張にとって“たが”になってしまい、コロニー形
成速度を抑制しているが、水溶性セルロースエーテルを
添加するすると、菌自身のセルロース生産能力が高まる
ことに加え、水溶性セルロースエーテルが菌の生産する
セルロースのレールのような役割を担い、生産したセル
ロース及びそれに付着した菌の寒天培地上での拡散を促
進することが考えられる。
【0014】実際にCMCを添加した寒天培地上のコロ
ニーを観察すると、コロニー周縁からセルロース繊維と
見られる白色、針状の構造が突発的に伸びているのが確
認されている。これは寒天培地中のCMCの微視的・局
所的な存在形態が菌の生産したバクテリアセルロースの
複合化にとって偶然親和性の高い状態に置かれていたた
めだと考えられる。さらに水溶性セルロースエーテルと
バクテリアセルロースが複合化することで結晶構造がI
β型に変化することや、結晶化度が低下すること等か
ら、菌の生産するセルロースがコロニーの拡張にとって
“たが”としての剛直性を失うことが原因だと考えられ
る。
【0015】以上のようにCMC等の水溶性セルロース
エーテルを培地に添加することで寒天培地上でのコロニ
ー形成速度が高まることがわかったが、さらに変異処理
を行なった変異株を固体培養した場合、CMCを添加し
た培地では変異株の種類によってコロニー形成速度に大
きな差が見られた。一方、CMCを添加していない培地
では、形成されるコロニーサイズが小さいこともあり、
コロニー形成速度の違いを見分けられる変異株の種類は
はるかに減少した。これは、CMCを添加して各変異株
が総じてコロニー形成速度を高めることによって、もと
もと各変異株が有するコロニー形成速度の違いがより明
確にされたことによると考えられる。
【0016】次に、CMCを添加した寒天培地上でコロ
ニー形成速度に違いの見られた数種類の変異株をCMC
を添加していない培地で液体培養してセルロースを生産
させたところ、親株よりコロニー形成速度の高い変異株
はセルロース生産速度や生産するセルロースの分子量が
高いことがわかった。
【0017】これらの実験結果についてさらに検討を進
め、第一の発明に至った。すなわち、セルロース生産菌
に変異処理を施すことで得られた変異株を水溶性セルロ
ースエーテル及び単糖又は二糖類及び窒素源を含有する
培地を用いて固体培養し、得られた変異株のコロニー形
成速度が親株のコロニー形成速度より高い変異株を選抜
することで分子量の高いセルロースを生産する変異株も
しくはセルロース生産速度の高い変異株を取得する、簡
便かつ迅速なスクリーニング方法である。
【0018】ここで、通常セルロース生産菌によって生
産されるセルロースの分子量は数万から数十万である
が、例えば分子量が 10〜20万のセルロースを生産する
親株を用いた場合、本方法によって取得した分子量の高
いセルロースを生産する変異株が生産するセルロースの
分子量は 100万以上である。
【0019】第二の発明は第一の発明と同様に変異株を
固体培養し、得られたコロニーがセルロース球晶を示す
変異株を選抜することでセルロース球晶の生産性の高い
変異株を取得するスクリーニング方法である。
【0020】球晶とは、多数の微結晶が一点から放射状
に配列した球状の多結晶をいい、構成する微結晶の結晶
化度の高さや異方性または比対称性から特異な光学的性
質を有する。球晶は材料の機械的強度を劣化させるもの
として問題視されてきたが、最近では液晶表示素子のよ
うな光学材料、耐熱性・耐光性材料としての用途や、成
形性向上のために材料中に球晶を形成させることが行な
われている。
【0021】球晶を形成する結晶化度の高い有機材料は
ナイロン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピ
レン、イソタクチックポリスチレン、結晶化しやすいポ
リアミドやポリイミド樹脂等がある。セルロースの球晶
に関してはセルロース生産菌の作るバクテリアセルロー
スの中に球晶が形成されることが報告されている(Cell
ulose Chemistry andTechnology,15,153(1981))。
セルロースの球晶は現在までのところ実用的にはあまり
利用されていないが、セルロースのキラルネマチック液
晶の光学材料としての研究(Journal of Pulp and Paper
Science,24(5),146(1998))等が盛んになってきてい
ることから、今後光学材料等の応用が期待されている。
【0022】水溶性セルロースエーテルを添加した培地
で固体培養する本発明の方法により、セルロースの球晶
を形成しやすい性質を有する菌株が変異株中から多数取
得された。これは寒天培地上のコロニーが球晶そのもの
となることで識別され、他の培地においても球晶を形成
しやすい菌株であることが分かった。球晶はセルロース
の分子量や結晶性によって形成が左右されるので、これ
らの菌株は球晶の形成にとって好適な性質を有するセル
ロースを生産する菌株であると考えられる。
【0023】一方、水溶性セルロースエーテルを添加し
ていない固体培養では球晶形成菌の取得率は非常に低
い。このことから、理由は定かではないが、水溶性セル
ロースエーテルを添加した寒天培地は水溶性セルロース
エーテルとの複合化の点も含めて球晶の形成にとって有
利な環境であり、またコロニー形成速度も高くなること
から球晶の形成が促進され、視認されやすくなったこと
が原因ではないかと考えられる。
【0024】第三の発明は第一の発明と同様に変異株を
固体培養し、培地中の水溶性セルロースエーテルの減少
によって評価されるセルラーゼ活性が親株のセルラーゼ
活性より高い変異株を選抜することで、水溶性セルロー
スエーテル及び単糖又は二糖類及び窒素源を含有する培
地を用いて液体培養した場合に変異株の生産するバクテ
リアセルロースと水溶性セルロースエーテルとのセルロ
ース複合体の生産速度の高い変異株を取得するスクリー
ニング方法である。さらにこの方法によって取得された
セルラーゼ活性の高い変異株を用いて、セルロースや水
溶性セルロースエーテルを炭素源とし、それに窒素源を
含有した培地によってバクテリアセルロースを生産する
方法である。
【0025】セルロース生産菌、特に酢酸菌はセルロー
スを生産するとともにある条件においてセルロースを分
解する酵素であるセルラーゼを発現すること、さらにセ
ルロース誘導体(水溶性セルロースエーテル)はセルラー
ゼの発現を誘導することが知られている(セルロース学
会第5回年次大会要旨集、p48(1998))。酢酸菌がセル
ラーゼを生産する理由としては、菌が生産するセルロー
スの分子量を制御するためや、炭素源が豊富なときに備
蓄したセルロースを炭素源が不足したときに分解して利
用するためのものだという推測がなされている。
【0026】そこで第一、第二の発明と同様、培地に水
溶性セルロースエーテルを添加すれば、セルロース分解
菌がセルラーゼを発現した場合、水溶性セルロースエー
テルがセルラーゼによって分解作用を受けるため、試薬
等の添加によって水溶性セルロースエーテルの分解の程
度を検査すれば、菌株の有するセルラーゼ活性を検出す
ることができる。
【0027】セルラーゼ活性の高いセルロース生産菌を
スクリーニングすることは以下のような有用性がある。
例えば、セルラーゼ活性はセルロース生産菌の生産する
バクテリアセルロースと水溶性セルロースエーテルとの
セルロース複合体の生産量を増加させることができるた
め(セルロース学会第5回年次大会要旨集、p48(199
8))、本スクリーニング方法によりセルラーゼ活性の高
い変異株等を選抜することで、セルロース複合体の生産
速度を高めることができる。また、培地に添加したセル
ロースや水溶性セルロースエーテルをセルラーゼ活性の
高い菌株によって分解させ、分解産物である糖を原料と
してバクテリアセルロースを生産することが可能とな
る。これによって添加したセルロースやセルロース誘導
体より物性の優れたバクテリアセルロースを生産でき
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以上の第一、第二、第三の発明で
はいずれも固体培養の方法は同じであるため、培養後に
複数の検出方法を組み合わせることによって、変異株を
複数の特性に関して同時に選抜することが可能である。
例えば、分子量の高いセルロースを生産する変異株と、
球晶を形成する変異株を同時に選抜することが可能であ
る。さらに、分子量の高いセルロースを生産し、かつ球
晶を形成する変異株といった複数の特性を同時に有する
変異株をスクリーニングすることも可能である。
【0029】本発明の変異処理に供する親株としてのセ
ルロース生産菌としてはいかなるものでもよく、例え
ば、アセトバクター・パスツーリアヌス、アセトバクタ
ー・アセチ、アセトバクター・キシリナム等の酢酸菌
(アセトバクター属)、アグロバクテリウム属、リゾビウ
ム属、サルシナ属、シュードモナス属、アクロモバクタ
ー属、アルカリゲネス属、アエロバクター属、アゾトバ
クター属、ズーグレア属等であり、すでに一度変異処理
を受けた株であってもよい。
【0030】NTG等の変異剤を用いての化学的変異処
理方法には、例えば、Bio Factors,Vol.1,p.297-30
2(1988)及び J.Gen.Microbiol,Vol.135,p.2917-
2929(1989)等に記載されているものがある。従って、当
業者であればこれら公知の方法に基づき本発明で用いる
変異株を得ることができる。また、本発明で用いる変異
株は他の変異方法、例えば紫外線照射や放射線照射等に
よっても得ることができる。
【0031】固体培養に用いる寒天培地は液体培養にお
いてセルロース生産菌を培養してセルロースを生産させ
るときに通常用いる培地成分に、CMC等の水溶性セル
ロースエーテルを適当量添加し、それに培地を固化させ
て固体培養を行なうための寒天を適当量添加したものを
用いる。
【0032】通常用いる培地成分としては、炭素源とし
てシュクロース、グルコース、フラクトース、マンニト
ール、ソルビトール、ガラクトース、マルトース等の単
糖類または二糖類を使用することができる。 また、窒
素源としては硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素等
有機或いは無機の窒素源を使用することができ、或いは
酵母エキス、ポリペプトンなどの含窒素天然栄養源を使
用してもよい。
【0033】添加する水溶性セルロースエーテルはカル
ボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセ
ルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキ
シプロピルセルロース(HPC)等を用いることができる
が、特にCMCが好適である。
【0034】添加する水溶性セルロースエーテルはスク
リーニングの目的とする菌株の性質に応じて添加量を適
宜変化させてもよいが、溶解度や寒天培地の性状に対す
る影響から培地に対する重量濃度として 0.1〜5%とす
るのが望ましく、さらには 0.5〜1%とするのがより望
ましい。
【0035】プレート上に出現するコロニー数として
は、コロニー形成速度への影響を考え、20〜30個以下と
するのが望ましく、適当な希釈段階を用いる。また、特
にセルラーゼ活性を検出する場合には、後述するクリア
ゾーンの識別のしやすさから、10個程度とするのが望ま
しい。
【0036】その他の培養条件は、菌の種類並びに目的
に応じて適宜選択することができる。
【0037】固体培養の期間は3日間程度行なえば十分
に各菌株のコロニーの状態を識別できる状態になる。
【0038】プレート上での菌株の識別方法は、まずコ
ロニーの形成速度に関しては、形成されるコロニーの面
積を経時的に測定し、それによってコロニー形成速度を
実際に求めて親株のコロニー形成速度と比較してもよい
が、より正確には親株も同時に固体培養し、その形成さ
れるコロニーの大きさを比較することによって行なえ
る。
【0039】球晶の形成は偏光下で観察すれば明確であ
るが、本発明の方法であれば、通常の光源のもとで肉眼
で観察することによっても容易に識別可能である。
【0040】セルラーゼ活性に関しては、菌株の培養後
に水溶性セルロースエーテルと反応する試薬を培地に添
加し、コロニー周辺に水溶性セルロースエーテルの存在
しなくなった部位がクリアゾーンとして表現されること
を利用し、そのクリアゾーンの大小によって識別を行な
う。試薬としては1%濃度のセチルトリメチルアンモニ
ウムブロミドを用いるのが便利であり、適当量寒天培地
表面にかけ流すことで水溶性セルロースエーテルと反応
して白濁を生じる。この際、菌株の生産したセルロース
と試薬が反応し、それによってクリアゾーンにコンタミ
が生じることがあるが、寒天培地の下部にのみ試薬を浸
潤させたり、試薬を染み込ませたパット等を寒天培地の
表面に一定時間重層する等の方法によりコンタミを防止
しながらクリアゾーンを検出できる。コロニーと試薬が
直接接触すると菌株が死滅する可能性があるので、レプ
リカ等で別のプレートに菌株を移植してから検査するの
がよい。
【0041】以上が固体培養によるスクリーニング操作
であり、操作内容としては非常に簡便であり、かつ迅速
に多検体を処理することができる。
【0042】固体培養によって目的の性質を持つものと
してある程度の精度で選抜されるが、それらの菌株を水
溶性セルロースエーテルを含まない通常の培地で液体培
養し、培養液中に生産されたバクテリアセルロースの生
産速度、セルロースの分子量等の物性を測定すること
で、選抜した菌株の能力を確定することができる。
【0043】以下、実施例によって本発明を詳細に説明
する。
【0044】
【実施例】<実施例1>コロニー形成速度を指標とした
セルロース生産速度及び分子量の高いセルロースを生産
する変異株のスクリーニング (1)NTG変異処理 酢酸菌 Acetobacter pasteurianus NCIMB 5346株
を GLUCOSE YEAST 培地10mLに植菌して 30℃、12時間
培養したのち、培養液中に生成されたセルロースゲルを
取り出した。これにセルラーゼ溶液(セルラーゼオノズ
カをpH5のクエン酸緩衝液に5%濃度で溶解し、濾過
滅菌)10mLを添加し、30℃で2時間振とうしてセルロー
スゲルを溶解し、ゲルに内包された増殖菌体を脱離させ
た。
【0045】この菌懸濁液を 7000rpmで 10分間遠心
し、上清のセルラーゼ溶液を除いた後、菌体をクエン酸
緩衝液 10mLに懸濁した。これを再び遠心集菌したの
ち、クエン酸緩衝液2mLに懸濁した。これに 0.05%の
NTG溶液(クエン酸緩衝液)0.5mLを添加し、30℃で30
分間静置して変異処理を行なった。このときの生存率は
約2%であった。
【0046】変異処理した菌体を集菌し、前述のように
遠心集菌・再懸濁を繰り返して洗浄し、次に GLUCOSE Y
EAST 培地で 30℃、一夜培養し変異を固定化した。 <GLUCOSE YEAST 培地> Yeast extract 10g Glucose 50g 蒸留水 1L (寒天培地の場合、寒天 12g/L) (2)固体培養によるスクリーニング 変異株を培養して得られた菌液を滅菌水で数段階希釈
し、CMCを5%含有する GLUCOSE YEAST 寒天培地プ
レートに塗布し、30℃で3日間静置培養してコロニーを
形成させた。そして親株が同プレート培地で形成するコ
ロニーと比較観察して、より大きなコロニーを形成した
変異株を選んで、親株よりもセルロース生産速度の高い
もしくは分子量の高いセルロースを生産する可能性のあ
る変異株とした。選抜率は 7.5%であった。
【0047】また、CMCを含有しない GLUCOSE YEAST
寒天培地で同様に変異株を固体培養し、同様に親株と
比較してコロニー形成速度の高い変異株を選抜したとこ
ろ、選抜率は 2.4%であった。
【0048】《液体培養による変異株の評価》プレート
培養で選んだ変異株を 50mL容のグライナー遠心管(グ
ライナー社製)中の GLUCOSE YEAST 液体培地 10mLに植
菌し、容器を横にして静置培養し、30℃で3日間静置培
養した。生産されたセルロースゲルを取り出し、水洗し
て培地成分を除去した後、0.1N NaOH水溶液中で 30
℃、20分間処理し、さらにメタノールに1時間ずつ4回
浸してゲル中の水分を除き、減圧乾燥した後乾燥重量を
測定した。同様に液体培養した親株が生産するセルロー
スの乾燥重量を測定し、選抜した変異株の生産したセル
ロース重量と比較した。
【0049】その結果、固体培養での選抜株のうち親株
のセルロース生産量より多い、すなわち親株のセルロー
ス生産速度(1.6mg乾燥重量/mL/3day)より生産速度の
高い変異株は 65%であった。それらの変異株のうち、
最高の生産速度を示したものでは生産速度は 6.2mg/m
L/3dayであった。
【0050】また、CMCを含有しない固体培養で選抜
した変異株を同様に液体培養し、同様にセルロース生産
速度を親株と比較したところ、親株より生産速度の高い
変異株は選抜菌株中 38%で、最高の生産速度を示す変
異株でも 2.8mg/mL/3dayあった。
【0051】また、各変異株の生産したセルロースの分
子量を測定した。乾燥したセルロースを発煙硝酸-五酸
化リン溶液で W.J.Alexander,R.L.Mitchell,Anal
ytical chemistry 21,12,1497-1500(1949)の方法
によりニトロ化し、THFに 0.05%濃度で溶かしたの
ち、1.0μmポアサイズのフィルターで濾過した。 この
サンプルをGPC(Tosoh HLC-8020)、カラムはTS
Kgel GMH-HR(S)(7.5ID×300mm×2本)とガ
ードカラム(HHR(S))(Tosoh Co.,Ltd.)を用い
て、溶離液にTHF、流速 0.5mL/min、サンプル注入
量 100μL、温度 35℃で測定し、ポリスチレン換算で重
量平均分子量を計算した。
【0052】その結果、選抜変異株と親株の生産したセ
ルロースの分子量を比較したところ、固体培養での選抜
変異株のうち、親株の生産するセルロースの分子量(22
万)の高いセルロースを生産した変異株は 37%であっ
た。また、それらの変異株のうち最大の分子量を示した
ものでは分子量は 180万であった。
【0053】また、CMCを含有しない固体培養で選抜
した変異株を同様に液体培養し、同様に生産されるセル
ロースの分子量を親株と比較したところ、親株より分子
量の高いセルロースを生産する変異株は選抜変異株中 2
8%で、最高の分子量を示す菌変異でも 75万であった。
【0054】以上のことから、本発明のスクリーニング
方法によってコロニー形成速度の高い変異株を選抜する
ことで、セルロース生産速度の高い変異株及び分子量の
高いセルロースを生産する変異株を高い確率で選抜でき
ることがわかった。
【0055】<実施例2>コロニー形成速度を指標とし
たセルロース生産速度及び分子量の高いセルロースを生
産する変異株のスクリーニング 親株として酢酸菌 Acetobacter aceti NCIMB 8132
株を、水溶性セルロースエーテルとして5%濃度のヒド
ロキシエチルセルロース(HEC)を用いた他は実施例1
と同様の方法でセルロース生産速度の高い変異株及び分
子量の高いセルロースを生産する変異株をスクリーニン
グした。
【0056】その結果、固体培養で 1.8%で選抜された
変異株のうち親株のセルロース生産速度(1.2mg/mL/3
day)より生産速度の高い株は 43%であった。それらの
変異株のうち、最高の生産速度を示したものでは生産速
度は 4.5mg/mL/3dayであった。
【0057】また、親株の生産するセルロースの分子量
(15万)よりも高い分子量のセルロースを生産した変異株
は 37%であった。また、それらの株のうち最大の分子
量を示したものでは分子量は 120万であった。
【0058】以上のことから、本発明のスクリーニング
方法によって、コロニー形成速度の高い変異株を選抜す
ることで、セルロース生産速度の高い変異株及び分子量
の高いセルロースを生産する変異株を高い確率で選抜で
きることがわかった。
【0059】<実施例3>球晶の形成を指標としたセル
ロース球晶形成能を有する変異株のスクリーニング 実施例1と同様の親株及び条件によって変異処理を行な
い、水溶性セルロースエーテルとしてCMCを用いて固
体培養を行なった。そして通常の光源下、肉眼によって
寒天培地上に球晶の形成が認められたコロニーを選抜し
た。選抜率は 0.04%であった。また、水溶性セルロー
スエーテルの含まれていない培地で培養した場合、球晶
の認められたコロニーの選抜率は 0.002%であった。
【0060】次にこの選抜変異株のコロニーをかきと
り、滅菌水に懸濁したのち超音波処理によって分散し、
その懸濁液を通常の GLUCOSE YEAST 培地に少量接種
し、良く攪拌してから液体培養を行ない、経時的に観察
を行なった。その結果、セルロースを生産しはじめた菌
の周囲に微細な球晶が観察された。球晶の形成が認めら
れた株は選抜変異株中の 24%であった。また、親株及
び球晶を示さない他の変異株 10株につき、同様に液体
培養を行ない、観察を行なった結果、球晶を形成した株
はなかった。
【0061】以上のことから、本発明のスクリーニング
方法によりコロニー形状として球晶を示す変異株を選抜
することで、球晶形成能を有する変異株を選抜できるこ
とがわかった。
【0062】<実施例4>セルラーゼ活性を指標とした
セルロース複合体生産速度の高い変異株のスクリーニン
グ 実施例1と同様の親株及び条件によって変異処理を行な
い、水溶性セルロースエーテルとしてCMCを用いて固
体培養を行なった。培養後、形成されたコロニーをレプ
リカパッドで別のプレートに移植してから、1%濃度の
セチルトリメチルアンモニウムブロミドを染み込ませた
ポリウレタン製のパッドを寒天培地の表面に 10分間重
層し、培地表面のバクテリアセルロースを撹乱すること
なく培地内のCMCと試薬を反応させた。
【0063】そしてコロニー周辺のクリアゾーンを観察
し、親株が同プレート培地で形成するコロニー周辺のク
リアゾーンと比較して、より大きなクリアゾーンを形成
した変異株を選び、親株よりもセルラーゼ活性の高い変
異株とした。選抜率は 0.4%であった。
【0064】その選抜変異株を 50mL容のグライナー遠
心管(グライナー社製)中のCMCを5%含有する GLUCO
SE YEAST 培地で3日間液体培養し、菌が生産するセル
ロースと培地中に存在するCMCが複合することで形成
されるセルロース複合体の生産速度を測定したところ、
親株の生産速度(2.5mg乾燥重量/mL/3day )より生産
速度の高い変異株は 35%であった。それらの変異株の
うち最高の生産速度を示したものでは生産速度は 8.3m
g/mL/3dayであった。
【0065】以上のことから、本発明のスクリーニング
方法により、セルラーゼ活性の高い変異株を選抜するこ
とで、セルロース複合体生産速度の高い変異株を高い確
率で選抜できることがわかった。
【0066】<実施例5>セルラーゼ活性の高い菌を用
いたセルロースを炭素源としたバクテリアセルロースの
生産 実施例4で選抜した変異株のうち、セルラーゼ活性の最
も高い株を用いて、セルロースを単一炭素源としたバク
テリアセルロースの生産を行なった。
【0067】50mL容のグライナー遠心管(グライナー社
製)中のグルコースを除いた GLUCOSE YEAST 培地に超音
波処理によりさらに微細にしたセルロース微結晶粉末
(Aldrich Chemical Company Inc.製)を 0.1g添加
し、それに菌株を植菌して 30℃で3日間静置培養し
た。また、対照としてセルロース微結晶粉末を添加しな
い培地でも同様にして静置培養を行なった。
【0068】生産されたセルロースゲルを取り出し、乾
燥して重量を測定したところ、0.4mg/mLであった。こ
の中には最初に添加した微結晶粉末セルロースが生産さ
れたバクテリアセルロースによって包摂された分が含ま
れる可能性があるが、生産されたセルロースはグルコー
スを含んだ通常の培地で生産したものと同様のゲル状で
あった。一方、セルロース微結晶粉末を添加しないグル
コースを除いた GLUCOSE YEAST 培地で同様に培養した
場合、生産されたセルロースは 0.05mg/mLであり、ゲ
ル状のものは認められなかった。
【0069】以上のことから、本発明のスクリーニング
方法により選抜されたセルラーゼ活性の高い変異株を用
いて、炭素源にセルロースを用いてバクテリアセルロー
スを生産できることがわかった。
【0070】
【発明の効果】水溶性セルロースエーテルを含有する固
体培養を用いた本発明のスクリーニング方法によって、
分子量の高いセルロースを生産する変異株、セルロース
生産性の高い変異株、セルロース球晶の生産性の高い変
異株、バクテリアセルロースと水溶性セルロースエーテ
ルとの複合セルロースの生産速度の高い変異株の選抜を
迅速かつ簡便に行なうことが可能となった。
【0071】さらに、本方法によって取得したセルラー
ゼ活性の高い変異株を用いることで、セルロースもしく
は水溶性セルロース複合体からバクテリアセルロースを
生産することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 19/04 C12R 1:02) C12R 1:02) C12N 15/00 X

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースを生産しうる微生物を培養す
    る工程と、 該培養された微生物の複数ロットにそれぞれ変異処理を
    施し複数の変異株を得る工程と、 該得られた複数の変異株をそれぞれ別個に水溶性セルロ
    ースエーテル及び単糖又は二糖類及び窒素源を含有する
    培地を用いて固体培養する工程と、 各々の変異株の増殖したコロニーについて選抜の指標と
    なる性状を調べ、各々の変異株をその指標となる性状の
    差に基づいて選抜する工程とを有することを特徴とする
    セルロース生産菌変異株のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 該水溶性セルロースエーテルがカルボキ
    シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
    チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースからな
    る群から選ばれた少なくとも1つである請求項1に記載
    のセルロース生産菌変異株のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 前記変異株の選抜の指標となる性状が、
    各コロニーの形成速度であり、該選抜された変異株のコ
    ロニーの形成速度が親株のそれを上回る請求項1または
    2に記載のセルロース生産菌変異株のスクリーニング方
    法。
  4. 【請求項4】 前記変異株の選抜の指標となる性状が、
    セルロース球晶の生成能力であり、該選抜された変異株
    のセルロース球晶の生成能力が親株のそれを上回る請求
    項1または2に記載のセルロース生産菌変異株のスクリ
    ーニング方法。
  5. 【請求項5】 前記変異株の選抜の指標となる性状が、
    培地中の水溶性セルロースエーテルの減少によって評価
    されるセルラーゼ活性の強弱であり、該選抜された変異
    株のセルラーゼ活性が親株のそれより強いものである請
    求項1または2に記載のセルロース生産菌変異株のスク
    リーニング方法。
  6. 【請求項6】 セルロースを生産しうる微生物から変異
    操作により得られ、かつ該変異した株の選抜の指標とな
    る性状の差に基づいて選抜された変異株を、セルロース
    及び水溶性セルロースエーテルの少なくとも一方を炭素
    源として含み、更に窒素源を含む培地で培養する工程を
    有し、かつ、 得られたバクテリアセルロースが、分子量が100万以
    上のものであることを特徴とするバクテリアセルロース
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 該水溶性セルロースエーテルがカルボキ
    シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
    チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースからな
    る群から選ばれた少なくとも1つである請求項6に記載
    のバクテリアセルロースの製造方法。
  8. 【請求項8】 該変異株が、請求項1〜5のいずれかに
    記載の方法でスクリーニングされたものである請求項6
    または7に記載のバクテリアセルロースの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で
    スクリーニングされたセルロースを生産しうる微生物の
    変異株により製造され、かつ、分子量が100万以上で
    あることを特徴とするバクテリアセルロース。
  10. 【請求項10】 該変異株の培養時の炭素源がセルロー
    ス及び水溶性セルロースエーテルの少なくとも一方を含
    む請求項9に記載のバクテリアセルロース。
  11. 【請求項11】 該水溶性セルロースエーテルがカルボ
    キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
    メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースから
    なる群から選ばれた少なくとも1つである請求項10に
    記載のバクテリアセルロース。
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