JP2002257499A - 弾丸及び装弾 - Google Patents

弾丸及び装弾

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JP2002257499A
JP2002257499A JP2001056208A JP2001056208A JP2002257499A JP 2002257499 A JP2002257499 A JP 2002257499A JP 2001056208 A JP2001056208 A JP 2001056208A JP 2001056208 A JP2001056208 A JP 2001056208A JP 2002257499 A JP2002257499 A JP 2002257499A
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JP2001056208A
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Kiichiro Aoki
喜一郎 青木
Katsuhiko Masuda
勝彦 増田
Noritake Arai
伯竹 新井
Katsuyuki Kitamura
勝之 北村
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Asahi SKB Co Ltd
Daisee Kogyo KK
Original Assignee
Asahi SKB Co Ltd
Daisee Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛を用いない弾丸であって、弾着が乱れるこ
とが少なく、適度の硬さを持ち、射出成型によって製造
容易な弾丸及び装弾を提供すること。 【解決手段】 弾丸をタングステン系の粉粒状重金属と
生分解性の樹脂との複合材を用いて成型し、比重を1
1.4〜13.8、ビッカ−ス硬度を10〜70とす
る。また、薬莢等も生分解性物質で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、狩猟用の散弾等の
弾丸、及び弾丸を装填した装弾に関するものであり、よ
り詳細には、弾丸として鉛を用いない無毒性の弾丸及び
この弾丸を装填した装弾に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水辺域の底泥中の鉛散弾を小石と
間違えて飲み込んだ水鳥が、鉛中毒で死亡するという事
故が相次いでいる。これは、水鳥が食物を消化するため
に小石などを飲み込み、砂嚢にためこむという習慣があ
るからである。また、北海道では、猛禽類が鉛弾で撃た
れたエゾシカを食べ、鉛中毒で死亡するという事故が年
々増えている。これは、エゾシカの体内に飛散した鉛
を、猛禽類が肉と一緒に食べてしまうために起ってしま
う事故である。このため、生態系の保護をはかり、自然
と調和のとれた狩猟を行うためには、鉛を用いない、無
毒性の弾丸及び装弾を提供することが望まれている。
【0003】弾丸の例である散弾について述べると、鉛
散弾に替わる散弾としては、鉛より硬い鉄系散弾と鉛と
ほぼ同じ硬さの非鉄系散弾が製造されまたは輸入されて
用いられている。従来の鉄系散弾は、鉛の3〜8倍程度
の硬さを有し、比重は鉛の約0.7倍である。従来の鉄
系散弾では、硬さが大きいために銃身を損傷する危惧が
ある。非鉄系散弾であるビスマス散弾及びスズ散弾は、
鉛の0.5〜2倍程度の硬さを有し、比重は鉛の約0.
7〜0.9倍である。また、非鉄系散弾であるタングス
テン・マトリック散弾は、鉛の2倍程度の硬さを有し、
比重は鉛の約0.9倍である。これらの散弾は、しばし
ば弾着が乱れるものであり、特に、弾丸の比重が鉛散弾
よりも小さいために、被射体に対する殺傷力が落ちるも
のである。また、鉛散弾と比較して、ハンターにとって
発射時の反動が必ずしも同じとは言えない。更に、それ
らの散弾は、製造にしばしば困難を伴うために高価であ
る。
【0004】以下では、鉛を含まない弾丸について記載
されている文献に基づいて従来技術を説明する。米国特
許明細書第4,949,645号には、タングステンを
多く含み、成型用樹脂からなる弾丸が記載されている。
この文献には、タングステン含有量は、50〜90wt
%が最も良いと記載されている。また、弾丸の比重とし
て、9.6及び14という数値が実施例等にあげられて
いるが弾丸の最適比重に関する記載はない。また、最適
硬さに関する記載もない。
【0005】特表平9−504358号公報には、鉛を
含有しない複合材弾丸として、タングステン、炭化タン
グステン、フェロタングステン等と、ポリマー等とから
なるものが記載されている。そして、この文献には、鉛
を含有しない弾丸として、発砲される瞬間の反動及び発
砲後の弾道を鉛のもたらす感覚に近くするには、弾丸が
鉛の比重とほぼ同じ11.3とすることが最も望ましい
こと及び鉛を含有しない弾丸として、過度に貫通力を持
たないように、変形し、又は破砕されやすいものがよい
ことが記載されている。しかし、この文献には弾丸の硬
さに関するより明確な記載はない。
【0006】特開2000−213897号公報には、
タングステンなどの高比重金属と、生分解性プラスチッ
ク樹脂とを混合して銃弾として構成したものが記載され
ている。しかし、この文献には、弾丸の最適比重に関す
る記載も最適硬さに関する記載もない。
【0007】特開2000−256569号公報には、
鉛を含まない散弾等を製造するのに適した組成物に関す
る技術として、生分解性樹脂に可塑剤を用いて形成した
ペレットにカップリング剤を添加して粉粒状のタングス
テン等の重金属と混合した組成物及びその製造方法並び
にこの組成物からなる成型品が開示されている。上記の
文献には、鉛を含まない弾丸の最適比重及び最適硬さに
ついては特に記載がない。比重の小さ過ぎる弾丸や比重
の大きすぎる弾丸は弾着が乱れやすい。そこで、実用的
な弾丸には一定の比重が必要である。また、この比重
は、弾丸の成型の難易を左右する要因でもある。例え
ば、散弾として真球のものを成形しようとしてプレス圧
縮成形を行うと、弾丸の表面にプレス圧縮金型の痕跡が
残り、真球とすることが困難である。射出成形によって
製造すれば、ほぼ真球のものが得られるが、硬化前の樹
脂に比重が19.3もあるタングステンの細かな粒子
を、比重を大きくするために多く混入したものは流動性
が非常に悪く、射出成形は、想像するよりも非常に困難
な作業となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有毒な鉛を
用いることなく、しかも弾着が乱れることが少なく、適
度の硬さを持ち、射出成型によって容易に製造ができる
弾丸及びこの弾丸を用いた装弾を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、自然環境
を保護し、また弾着が乱れることのない弾丸を提供する
ために、また、射出成形によって製造しやすい弾丸を提
供するために、さらに薬莢を備えた装弾を提供するため
に、鋭意研究した結果、安価で入手容易な材料であるタ
ングステン及びタングステン系の重金属と樹脂とを用い
て、弾丸の比重を鉛の比重よりもよりもわずかに大きく
すること及び弾丸の硬度を鉛のビッカース硬度よりもわ
ずかに大きくすることによって優れた弾丸及び装弾が得
られることを見出して本発明をなすに至った。
【0010】即ち、本発明は次の(1)〜(13)の態
様からなるものである。 (1)タングステン、炭化タングステン、フェロタング
ステン及び炭化タングステン・コバルト合金から選択し
た少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂との複合材よ
りなり、該複合材の比重が11.4〜13.8であるこ
とを特徴とする弾丸。 (2)タングステン、炭化タングステン、フェロタング
ステン及び炭化タングステン・コバルト合金から選択し
た少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂との複合材よ
りなり、該複合材のビッカ−ス硬度が10〜70である
ことを特徴とする弾丸。 (3)タングステン、炭化タングステン、フェロタング
ステン及び炭化タングステン・コバルト合金からから選
択した少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂との複合
材よりなり、該複合材の比重が11.4〜13.8であ
り、かつ、ビッカ−ス硬度が10〜70であることを特
徴とする弾丸。 (4)鉄、銅、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、亜
鉛、スズ、アルミニウム、タンタル、アンチモン及びビ
スマスから選択した少なくとも一つの粉粒状の金属及び
又は粉粒状のガラスを添加してなることを特徴とする上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾丸。 (5)樹脂が生分解性物質を含むことを特徴とする上記
(1)〜(4)のいずれかに記載の弾丸。 (6)射出成形によって製造されたことを特徴とする上
記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾丸。 (7)射撃用又は狩猟用の散弾であることを特徴とする
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の弾丸。 (8)スラッグ弾であることを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の弾丸。 (9)小銃弾であることを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の弾丸。 (10)空気銃弾であることを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の弾丸。 (11)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の弾丸
と、発射薬、雷管、詰物、薬莢とを備えたことを特徴と
する装弾。 (12) 薬莢及び詰物が生分解性物質を含むことを特
徴とする請求項11に記載の装弾。 (13) 上記(1)〜(6)、(9)のいずれかに記
載の弾丸と、発射薬、雷管、薬莢とを備えたことを特徴
とする装弾。
【0011】上記した本発明の各態様について以下説明
する。本発明は、タングステン、炭化タングステン、フ
ェロタングステン及び炭化タングステン・コバルト合金
から選択した少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂と
の複合材よりなり、該複合材の比重が11.4〜13.
8であることを特徴とする弾丸である〔上記態様
(1)〕。この比重は、11.6〜13.4であること
が更に好ましく、11.7〜13.0であることが更に
好ましく、11.8〜12.6であることが更に好まし
く、11.9〜12.2であることが更に好ましい。
【0012】タングステン等の重金属の細かな粒子は、
粒径が1〜20ミクロン程度の小粒の粒子と、30〜2
00ミクロン程度の大粒の粒子の少なくとも二つの異径
のものを含むことが好ましい。その理由は、前記特開2
000−256569号公報の段落[0021]に記載
されるように、小粒径の重金属粒子と大粒径の重金属粒
子とを混合することにより、硬化前の複合材としての混
練抵抗を著しく低下させることができるからである。硬
化前の複合材としての流動性を確保するためには、前記
小粒の重金属粒子の配合量は、重金属の総重量に対して
30〜45%とすることが好ましく、35〜40%とす
ることがより好ましい。
【0013】前記小径の重金属の粒子径は、1〜3ミク
ロンであることが硬化前の複合材としての流動性を確保
する上でより好ましい。又は、前記小粒の重金属の粒子
径は、1〜5ミクロンと10〜20ミクロンの異径のも
のの重量比2/1〜1/2の混合物としてもよい。一
方、前記大粒の重金属の粒子径は、60〜150ミクロ
ンとすることが硬化前の複合材としての流動性を確保す
る上でより好ましい。又は、前記大粒の重金属の粒子径
は、30〜60ミクロンと100〜200ミクロンの異
径のものの重量比2/1〜1/2の混合物としてもよ
い。
【0014】本発明者等は、また、弾着が乱れ難く、ま
た、ある程度の塑性を有するものとするために鋭意研究
した結果、複合材としての硬さがビッカ−ス硬度で10
〜70であるとき、好ましい結果が得られることを見出
して本発明をなすに至った。特に、複合材としての硬さ
が鉛のビッカース硬度37よりわずかに硬いとき、発射
時の反動及び弾道特性がよいことを見出した。すなわ
ち、本発明の他の態様の弾丸は、タングステン、炭化タ
ングステン、フェロタングステン及び炭化タングステン
・コバルト合金から選択した少なくとも一つの粉粒状の
重金属と樹脂との複合材よりなり、該複合材のビッカ−
ス硬度が10〜70であることを特徴とする弾丸である
〔上記態様(2)〕。
【0015】ビッカ−ス硬度が10より小さいと、弾丸
として柔らかすぎて、弾着が乱れ易い。また、ビッカ−
ス硬度が70より大きいと、弾丸として硬すぎて、これ
もまた弾着が乱れ易く、また、被射体を貫通してしまう
等の不都合が生じ易い。このビッカ−ス硬度は、20〜
60が更に好ましく、30〜55が更に好ましい。特に
鉛のビッカース硬度37よりわずかに硬い、硬度38〜
50が極めて好ましく、40〜45が最も好ましい。
【0016】また、本発明は、タングステン、炭化タン
グステン、フェロタングステン及び炭化タングステン・
コバルト合金から選択した少なくとも一つの粉粒状の重
金属と樹脂との複合材よりなり、該複合材の比重が1
1.4〜13.8であり、かつ、ビッカ−ス硬度が10
〜70であることを特徴とする弾丸である〔上記態様
(3)〕。このように、比重が11.4〜13.8であ
るという要件とビッカ−ス硬度が10〜70であるとい
う要件とを同時に満たすことにより、弾着の乱れがな
く、射出成形性がよいという本発明の弾丸の効果が顕著
なものとなる。
【0017】本発明の弾丸には、鉄、銅、ニッケル、ク
ロム、ステンレス鋼、亜鉛、スズ、アルミニウム、タン
タル、アンチモン及びビスマスから選択した少なくとも
一つの粉粒状の金属及び又は粉粒状のガラスを添加する
ことによって比重を調整し、または成型時の流動性を調
整することができる〔上記態様(4)〕。
【0018】本発明の弾丸は、発砲時に銃身を損傷せ
ず、また銃身によって損傷されることがより少なくなる
ように、金属又は樹脂又は二硫化モリブデンによって表
面がメッキされ又はコーティングされていてもよい。
【0019】散弾は、装弾としては直径約9mmのもの
を約6個装填したものから直径約1.75mmのものを
約1006個装填したものまで一般に広く用いられてい
る。散弾は真球の形状を有することが望ましく、また、
弾道を安定させるために真球の表面にゴルフボールの表
面のような多数のくぼみからなるディンプルを設けても
よい。スラッグ弾とは、一般に散弾銃を用いて発射され
る一粒弾のことである。本発明の弾丸である散弾は、直
径が2mm〜4mmのものが最も弾着が乱れ難く、製造
もしやすい。しかし、直径が1.75mmであっても、
直径が9mmであっても、従来のものと比較するとより
優れたものとなる。
【0020】本発明の弾丸に用いられる樹脂は、ポリカ
ーボネート、ポリオキシメチレン、ポリアクリレート、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、ポリエステル、ナイ
ロン6(6PA)及びポリウレタンのいずれかまたはこ
れらの組み合わせが適切である。
【0021】また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂も、射出成型に用いない限り本発明の弾丸
用の樹脂とすることは可能である。特に、樹脂が、熱可
塑性ポリマーに、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタ
ル酸ジブチル(DBP)等のフタル酸エステル系可塑
剤、エチレンビスステアロアマイド等の内部潤滑剤、ポ
リエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸
エステル系可塑剤等の可塑剤を添加したものであるとき
は、加工成型時の流動性を確保でき、環境中において分
解しやすいという利点がある。熱可塑性樹脂に対する可
塑剤の配合量は、4〜12%が適切である。
【0022】前記樹脂と前記重金属との界面接着性を向
上させるために、チタン系又はシラン系又はアルミニウ
ム系のカップリング剤を、重金属の総重量に対して0.
1〜1wt%添加することが好ましい。
【0023】本発明において、樹脂は生態系の調和のた
めに、生分解性物質を含むものとすることが好ましい
〔上記態様(5)〕。生分解性物質としては、バイオポ
リエステル、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、カード
ラン、プルラン、バクテリヤセルロース、ポリアミノ酸
等の微生物のつくる樹脂状物質、デンプン、キチンキト
サン、海産多糖類、セルロース等の天然高分子の樹脂状
物質、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクト
ン、脂肪族ポリエステル、ポリウレタン樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエーテル等の化
学合成の樹脂状物質等がある。生分解性物質の配合量
は、生分解を促すためには、全樹脂の5%以上であるこ
とが好ましく、10%以上であることが更に好ましく2
0%以上であることが更に好ましく、50%以上である
ことが更に好ましい。しかし、使用する樹脂が100%
生分解性物質である場合には、射出成型にしばしば困難
を伴う場合が多く、実用的範囲は10〜40%である。
【0024】本発明の弾丸又は装弾が生分解性の樹脂を
使用した場合は、森や川に放置された場合でも、自然界
の微生物によって分解され、最終的には土の有機物や二
酸化炭素と水となり、環境中に残留したり蓄積すること
がないものとなる。
【0025】本発明の弾丸は、射出成形によって、弾丸
の表面にプレス圧縮金型の痕跡を殆ど残さないで、弾丸
を成型することができるため、安価に製造される〔上記
態様(6)〕。更に、射出成型の後加工により表面の凹
凸を無くすことで更に理想的真球に近づけることもでき
る。
【0026】本発明の弾丸は、射撃用又は狩猟用の散弾
又はスラッグ弾又は小銃弾又は空気銃弾として実用性を
有する〔上記態様(7)〜(10)〕。特に、本発明の
弾丸は、狩猟用散弾等として用いられるとき、非常に数
多く用いられることが想定されるので、自然環境の保護
のために果たす役割は大きいと思われる。
【0027】本発明の装弾は、タングステン、炭化タン
グステン及びフェロタングステン及び炭化タングステン
・コバルト合金から選択した少なくとも一つの粉粒状の
重金属と樹脂との複合材よりなり、該複合材の比重が1
1.4〜13.8及び又はビッカース硬度が10〜70
であることを特徴とする弾丸と、発射薬、雷管、詰物、
薬莢とを備えてなる装弾又は前記弾丸と発射薬、雷管、
薬莢とを備えてなる装弾である〔上記態様(11)、
(13)〕。詰物とは、ショットカップ、ワッズ等をい
う。
【0028】この装弾は、前記生分解性物質を含むこと
が好ましい〔上記態様(12)〕。特にショットカッ
プ、ワッズ等は銃身より外部に逸散するものであり、生
分解性物質を含むことが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の弾丸及び装弾について更
に具体的に説明する。図1は、本発明に関わる弾丸を用
いた狩猟用装弾の断面を表す概念図である。図1におい
て、散弾1は、詰物の一種であるショットカップ2に収
められ、更に薬莢3に収められている。薬莢3は、外筒
を指す。散弾1は、例えばショットカップに収めるので
なく、他の詰物と共に薬莢3に直接収められる場合もあ
る。薬莢3は、更に無煙火薬より成る発射薬4及び詰物
の一種であるベースワッズ5を収容している。発射薬4
と散弾1とは、詰物の一種であるフェルト状のコロス、
樹脂から成るワッズ等によって仕切られる場合もある。
薬莢3の一底に装備され、爆薬を有する雷管6の周囲に
はベースメタル7が設けられている。また、薬莢の他底
は、散弾を封じるために外筒の端を内側に折り曲げた蓋
であるスタークリンプ8としてある。弾丸が散弾でなく
スラッグ弾である場合には、弾頭を露出させ、薬莢の端
部は内側に折り返してロールクリンプとする場合もあ
る。薬莢3の全長は59.0mmであり、外径は20.
0mm、また、ベースメタルの底部の外径は22.45
mmである。これらの寸法は、本発明の範囲を限定する
ものではない。
【0030】散弾1は、直径3.5mmのものが125
個ショットカップ2に収められている。散弾1は、射出
成型によって製造されたものである。粉粒状の重金属と
して最も入手し易いタングステンを用いてある。タング
ステンの粉粒は、平均直径2ミクロンのものと100ミ
クロンのものとを重量比で4:6の配合比で混合したも
のである。散弾1は、比重を12.0としてある。ま
た、散弾1のビッカ−ス硬度は40であり、鉛の硬さ3
7よりわずかに硬い。
【0031】散弾1に用いられる樹脂、薬莢及びショッ
トカップ、ベースワッズ等の詰物は、ポリプロピレン
(PP)を主成分とし、可塑剤としてフタル酸ジオクチ
ル(DOP)を8.0wt%添加し、また、樹脂とタン
グステンとの界面接着性を向上させるためにチタン系カ
ップリング剤を重金属の総重量に対して0.3wt%添
加し、かつ生分解を促すためにデンプンを主成分とする
生分解性物質を20wt%添加したものである。
【0032】散弾1は、射出成型によって容易に製造さ
れた。実射実験の結果、この散弾1は、実射実験時に銃
身を損傷したり、銃身によって損傷を受けることがなか
った。特に、散弾1は、鉛散弾と比較して発射時の反動
が同じであり、また弾道特性が優れており、弾着が乱れ
ないことが確認された。散弾1は、鉛を用いないので自
然環境を破壊することが極めて少ないものである。
【0033】
【発明の効果】本発明の弾丸及び装弾は、次の効果を奏
する。 (1)鉛を用いないので自然環境を破壊することが極めて
少ない。 (2)比重が適切であるので、弾着が乱れることが少ない。 (3)射出成型によって容易に製造することができる。 (4)適切な硬度を有しているので、被射体を貫通したり、
また、銃身を損傷したり、銃身によって損傷を受けるこ
とが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる弾丸を用いた狩猟用装弾の断面
を表す概念図。
【符号の説明】
1 散弾 2 ショットカップ 3 薬莢 4 発射薬 5 ベースワッズ 6 雷管 7 ベースメタル 8 スタークリンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 勝彦 茨城県西茨城郡友部町上市原2511−5 旭 エスケービー株式会社内 (72)発明者 新井 伯竹 千葉県船橋市海神町南1−1485−1 ダイ セー工業株式会社内 (72)発明者 北村 勝之 千葉県船橋市海神町南1−1485−1 ダイ セー工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステン、炭化タングステン、フェ
    ロタングステン及び炭化タングステン・コバルト合金か
    ら選択した少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂との
    複合材よりなり、該複合材の比重が11.4〜13.8
    であることを特徴とする弾丸。
  2. 【請求項2】 タングステン、炭化タングステン、フェ
    ロタングステン及び炭化タングステン・コバルト合金か
    ら選択した少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂との
    複合材よりなり、該複合材のビッカ−ス硬度が10〜7
    0であることを特徴とする弾丸。
  3. 【請求項3】 タングステン、炭化タングステン、フェ
    ロタングステン及び炭化タングステン・コバルト合金か
    ら選択した少なくとも一つの粉粒状の重金属と樹脂との
    複合材よりなり、該複合材の比重が11.4〜13.8
    であり、かつ、ビッカ−ス硬度が10〜70であること
    を特徴とする弾丸。
  4. 【請求項4】 鉄、銅、ニッケル、クロム、ステンレス
    鋼、亜鉛、スズ、アルミニウム、タンタル、アンチモン
    及びビスマスから選択した少なくとも一つの粉粒状の金
    属及び又は粉粒状のガラスを添加してなることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の弾丸。
  5. 【請求項5】 樹脂が生分解性物質を含む請求項1乃至
    請求項4のいずれかに記載の弾丸。
  6. 【請求項6】 射出成形によって製造されたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の弾丸。
  7. 【請求項7】 射撃用又は狩猟用の散弾であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の弾
    丸。
  8. 【請求項8】 スラッグ弾であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれかに記載の弾丸。
  9. 【請求項9】 小銃弾であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれかに記載の弾丸。
  10. 【請求項10】 空気銃弾であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれかに記載の弾丸。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記
    載の弾丸と、発射薬、雷管、詰物、薬莢とを備えたこと
    を特徴とする装弾。
  12. 【請求項12】 薬莢及び詰物が生分解性物質を含むこ
    とを特徴とする請求項11に記載の装弾。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項6、請求項9のい
    ずれかに記載の弾丸と、発射薬、雷管、薬莢とを備えた
    ことを特徴とする装弾。
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