JP2002256416A - 光触媒薄膜材料およびその応用品 - Google Patents

光触媒薄膜材料およびその応用品

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JP2002256416A JP2001057059A JP2001057059A JP2002256416A JP 2002256416 A JP2002256416 A JP 2002256416A JP 2001057059 A JP2001057059 A JP 2001057059A JP 2001057059 A JP2001057059 A JP 2001057059A JP 2002256416 A JP2002256416 A JP 2002256416A
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武志 工藤
Kazuto Kudo
一人 工藤
Azuma Ruike
東 類家
Tomonari Tomizawa
知成 富沢
Masaji Sasaki
正司 佐々木
Takeshi Tenma
毅 天間
Masahiko Chiba
昌彦 千葉
Akira Hasegawa
章 長谷川
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HACHINOHE NAT COLLEGE OF TECHN
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Andes Electric Co Ltd
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    • C03C17/22Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with other inorganic material
    • C03C17/23Oxides
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化学的または物理的蒸着技術で作製する光触媒
薄膜を有し、高活性な光触媒機能を発現する光触媒薄膜
材料を提供する。 【解決手段】CVD法またはPVD法で基板1上に島状膜2a
を形成させ、その島状膜2aを核として、CVD法またはP
VD法で板状の結晶2dを成長させることにより、高活性
な光触媒機能を発現する光触媒薄膜材料を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学的または物理
的蒸着技術により作製した薄膜において、高活性な光触
媒機能を示す光触媒薄膜材料に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンなどの酸化物半導体薄膜は、
そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を
照射すると、光励起により光触媒機能を発現することが
従来から知られている。その発現機構は、光励起により
伝導帯に電子を生じ、価電子帯に正孔を生じることに起
因し、電子の強い還元作用、正孔の強い酸化作用によ
り、光触媒に接触してくる有機物や窒素酸化物を水や炭
酸ガスなどに分解するものであり、防臭、抗菌機能等を
有している。
【0003】光触媒機能は、光が照射される光触媒体表
面で起こるものである。このため有害物質の分解効果向
上を目的に、光触媒体の表面状態を制御する技術、ある
いは光触媒体表層部の結晶を制御する技術が従来から知
られている。例えば、光触媒体の表面状態を制御する技
術として特開平9-57912号公報、特開平10-36144号公
報、特開平10-57817号公報および特開平10-231146号公
報が開示されている。これら先行技術に開示される基本
構成は、ガラス基板の表面に、直接あるいはアルカリ遮
断用の下地膜を介して光触媒としての酸化チタン層が形
成され、この酸化チタン層の表面に酸化ケイ素を形成し
たものである。
【0004】上記の先行技術は酸化ケイ素膜を多孔質に
形成したり、酸化チタン膜やガラス基板に微細加工を施
すことにより表面上に凹凸を設けることで、光触媒機能
を高める工夫をしている。すなわち、表面に微細な凹凸
を形成することで光触媒体が露出する表面の面積が増大
するので、光触媒機能が向上するというものであるが、
必ずしも顕著な向上は見られない。また基板の加工、膜
の加工、下地層の挿入などコスト面でも問題がある。
【0005】また、光触媒体表層部を構成する結晶を制
御する技術として特開平2000-288403号公報が開示され
ている。この先行技術に開示される基本構成は、酸化チ
タンがアナターゼ型の結晶であり、その表層部に存在す
る酸化チタンの結晶粒のうち、30%以上の結晶粒の形状
が、楕円形又は半楕円形であることを特徴としたもので
ある。そして楕円形又は半楕円形の酸化チタンの結晶を
形成することで高活性な光触媒機能が得られるというも
のである。この先行技術は、結晶粒を楕円形又は半楕円
形にすることで、光触媒体の露出する表面の面積が増加
し、光触媒機能が向上するというものであるが、必ずし
も顕著な向上は見られない。
【0006】一方、薄膜の作製技術として、化学的蒸着
法(Chemical Vapar Deposition:以下「CVD法」と称す)
及び物理的蒸着法(Pysical Vapar Deposition:以下「P
VD法」と称す)が知られている。これらの方法は、薄膜
を各種基板に直接成膜でき、膜厚や薄膜の結晶構造を制
御できることから、光触媒機能を示す光触媒薄膜を作製
するために適した方法である。特にスパッタリング法は
薄膜を比較的低温で成膜でき、膜厚や薄膜の結晶構造を
制御できる薄膜作製技術として知られている。このスパ
ッタリング法により光触媒薄膜の結晶を制御する先行技
術として特開平11-130434号公報が開示されている。こ
の先行技術に開示される基本構成は、対向ターゲット式
スパッタリング法でアナターゼ型柱状結晶を持つ酸化チ
タン膜を形成する方法であり、アナターゼ型リッチの柱
状結晶の集合体を形成することにより高活性な光触媒機
能が得られるというものである。しかし、この先行技術
はアナターゼ型柱状結晶を形成することである程度の光
触媒機能が発現されてはいるものの、顕著な向上は見ら
れていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
いては、光触媒体表面状態の制御および光触媒体の表面
層部を構成する結晶を制御することで形成した光触媒薄
膜は良好な光触媒機能を示しているが、更に高活性な光
触媒機能を有する光触媒薄膜が求められている。本願発
明者等はこのような従来事情に鑑み、更に高活性な光触
媒機能を有する光触媒薄膜を作製するため、薄膜を各種
基板に直接成膜でき、膜厚や薄膜の結晶構造を制御でき
るCVD法、PVD法により光触媒薄膜作製について鋭意検討
した。その結果、CVD法またはPVD法で基板上に島状膜を
形成し、その島状膜を核として、CVD法またはPVD法で前
記島状膜上に板状の結晶を成長させることにより、極め
て高活性な光触媒機能が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明に係る光
触媒薄膜材料は請求項1記載のように、基板上に形成さ
れた島状膜を核とし、その島状膜上に結晶を成長させて
光触媒薄膜としてなる高活性な光触媒機能を発揮する光
触媒薄膜材料であることを要旨とする。請求項2では、
CVD法またはPVD法により基板上に形成された島状膜を核
として、CVD法またはPVD法によりその島状膜上に結晶を
成長させて光触媒薄膜としてなる高活性な光触媒機能を
発揮する光触媒薄膜材料であることを要旨とする。
【0009】また本願の請求項3に係る発明は、請求項
2における上記島状膜上に成長させた結晶の形状が板状
であることを特徴とする。このような板状結晶が光触媒
薄膜表面に露出することにより、光触媒機能に有効であ
る表面の面積が増大し、光触媒反応が効率良く行われる
ようになり、高活性な光触媒機能を得ることができる。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項3における
上記板状の結晶が、縦方向に成長した棒状結晶の集合体
であることを特徴とする。このように、板状の結晶が縦
方向に成長した棒状結晶の集合体である場合、光触媒機
能に有効である光触媒薄膜表面の面積が更に増加し、光
触媒反応がより効率良く行われるようになり、極めて高
活性な光触媒機能を得ることができる。
【0011】請求項5に係る発明は、請求項3または4
における上記板状結晶において、その終端部が膜表面に
露出し、膜表面を観察すると板が重なり合った様に見え
る結晶の集合体を成すことを特徴とする。
【0012】請求項6に係る発明は、請求項5における
上記板状結晶の集合体において、板状結晶の巾が5nm
〜60nmであり、且つ上記板状結晶集合体が10nm
〜200nmのサイズから成ることを特徴とする。
【0013】請求項7に係る発明は、請求項2〜6の何
れかにおける上記光触媒薄膜において、その結晶が(10
1)、(103)、(200)、(211)、(204)、(220)、(215)のいず
れかに配向していることを特徴とする。
【0014】請求項8に係る発明は、請求項1〜7記載
の光触媒薄膜材料を使用して清浄機能、抗菌機能、脱臭
機能、防汚機能等を発揮することを特徴とする光触媒薄
膜材料応用品である。光触媒薄膜材料応用品の具体例と
しては、例えば空気清浄器,脱臭機,冷暖房機等の各種
空調機器あるいは清水器や水質浄化機器などの環境浄化
装置をあげることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を具体的に説明する。本発明に係る光触媒薄膜材料は、
光触媒薄膜を、ガラス、金属または網目状構造を有する
繊維等の各種の基板に直接成膜できると共にその膜厚や
光触媒薄膜の結晶構造を制御できるCVD法、PVD法により
作製したものであり、詳しくは、CVD法またはPVD法で基
板上に島状膜を形成させ、その島状膜を核として、CVD
法またはPVD法で板状の結晶を形成させることで高活性
な光触媒機能を示すものである。
【0016】図1〜図3に、本発明に係る光触媒薄膜材
料の実施形態の一例の模式図を示す。図中、1は基板、
2は光触媒薄膜を示し、光触媒薄膜2は島状層(島状
膜)2a、遷移層2b、板状層2cからなる。光薄膜形
成過程の初期段階において、基板1上に3次元的な島状
膜2aが形成されることは、ごく一般的に見られること
である。このような成長様式はVolmer‐Weberの成長様
式(VW様式)と呼ばれ、広く知れ渡っている。本発明の光
触媒薄膜2は図1(a)の正面断面図に示すように、CVD法
またはPVD法で島状膜2aを形成させ、その島状膜2a
を核として板状の結晶2dを形成させることを特徴とし
ている。成長過程の詳細な説明を以下に記す。
【0017】図1(a)に示すように、基板1上へ形成され
た島状膜2a上部からは多くの極めて細い結晶の成長が
始まる。しかし、蒸着分子の熱エネルギーと基板1から
伝わる熱エネルギーで相互に融合成長し、板状層2cに
至るまでに板状の大きな結晶に成長する。板状層2cで
はこれ以上の結晶成長は進まず、膜表面へと成長する。
このような板状結晶2dが光触媒薄膜2表面に露出する
ことにより、光触媒機能に有効である表面の面積が増大
し、高活性な光触媒機能を得ることができる。
【0018】図1(a)の断面模式図に示す遷移層2bで結
晶の成長を止めたとき、即ち光触媒薄膜2の膜厚が非常
に薄いときは、上述の島状膜2aからの結晶成長の初期
段階に見られる極めて細い結晶が表面に露出する。この
極めて細い結晶が表面に露出することにより、光触媒薄
膜2の表面状態が微結晶構造を成し、光触媒機能に有効
な表面の面積が増加し高活性な光触媒機能が得られるこ
とが予想される。しかし、膜厚を非常に薄くしたときに
は微結晶構造が得られるが、光触媒機能の向上は見られ
ないことは実験により確認済みである。この膜厚と光触
媒機能の相関については必ずしも明らかではない。
【0019】また、数多く存在する板状結晶2dの中
で、図2(a)に示すように、棒状の結晶2eの集合体を
成しているものも存在する。棒状結晶2eの集合体が存
在しているものとそうではないものとの光触媒機能を比
較すると、棒状結晶2eの集合体が存在している方が優
れた分解性能を示す。これは、棒状結晶2eを成すこと
により、光触媒機能に有効である光触媒薄膜表面の面積
が更に増加することに起因すると考えられる。従って、
板状結晶2dが棒状結晶2eの集合体から構成されてい
るほうが望ましい。
【0020】本発明において、上記板状結晶2dは光触
媒薄膜2表面を観察すると、その終端部が光触媒薄膜2
表面に露出し、板が重なり合った様に見える結晶の集合
体を形成することを特徴としている。この集合体は図2
(b)に示すような構造を形成している。すなわち、板状
の結晶2dの表面部2fから成る下位構造が複数箇所集
まってグレイン状の構造を形成している。
【0021】この下位構造である板状結晶2dの表面部
2fは図3に拡大して示すように、その巾を5nm〜6
0nmとすることが好ましい。
【0022】すなわち、下位構造である板状結晶2dの
表面部2fの巾が5nm未満になると、結晶の微細化に
伴い光触媒機能に有効である板状結晶2dを形成できな
いことが考えられる。そのため、光触媒機能が低下する
と思われる。しかし、板状結晶2dの巾が5nmでも板
状結晶を形成するのであれば、光触媒機能に有効である
表面の面積が増加することから、さらに高活性な光触媒
機能が得られることは十分考えられる。
【0023】また、板状結晶2dの表面部2fの巾が6
0nmより大きくなると、板状結晶2dが構成するグレ
イン状構造のサイズが増大すると供に、板状結晶2dの
数が減少する。そのため光触媒機能に有効である表面の
面積が減少することから、光触媒機能が低下することが
考えられる。
【0024】また、下位構造の集合体であるグレイン状
構造のサイズは図3に示すように、10nm〜200n
mであることが好ましい。グレイン状構造のサイズが1
0nmより小さくなると、このグレイン状構造を構成す
る板状結晶2dが微細化し、板状結晶2dの集合体とし
てのグレイン状構造が形成されないことが理由として考
えられる。また、グレイン状構造のサイズが200nm
より大きくなると、光触媒機能に有効である板状結晶2
dの数が減少するとともに表面の面積が減少することか
ら、光触媒機能が低下することが考えられる。
【0025】光触媒機能と結晶配向の関連性については
明らかではない。しかし、光触媒機能が結晶自体に大き
く影響されることから、本発明で得られた光触媒薄膜の
結晶が(101)、(103)、(200)、(211)、(204)、(215)面に
配向していることは、光触媒機能に関与していることは
十分考えられる。
【0026】上述のような結晶の形状、即ち板状結晶を
形成することにより高活性な光触媒機能を発現する光触
媒薄膜材料を得ることができる。そして、本発明の光触
媒薄膜材料は紫外線光源と共に筺体に組み込み空気を循
環することにより臭い成分、有害成分を分解し、空気の
清浄を効率的に行い得ることは実験により確認済みであ
る。また、その他にも水の浄化、脱臭、抗菌、殺菌を目
的とする環境浄化装置に応用ができることも実験により
確認済みである。
【0027】
【実施例】以下、実施例について説明する。中性洗剤、
イソプロピルアルコール、純水で洗浄処理を施した無ア
ルカリガラスを基板1とし、その基板1の表面に、DCマ
グネトロンスパッタリング法にて光触媒薄膜(酸化チタ
ン薄膜)2を作製した。
【0028】酸化チタン薄膜の成膜方法および条件は次
の通りである。成膜装置はDCマグネトロンスパッタリン
グ装置を用い、基板の無アルカリガラス板の寸法は75
mm×75mm、ターゲットは純度99.995%以上の金属
チタン、導入ガスは純度99.999%のアルゴンガスおよび
純度99.9999%の酸素ガスである。
【0029】成膜手順は以下の通りである。まず、成膜
室内に基板をターゲットに対向させて設置し、油回転ポ
ンプにより室内を10Paまで排気する。その後、ター
ボ分子ポンプで排気して成膜室内を所定の真空度にす
る。次いで、基板を所定温度にまで加熱し、アルゴンガ
スおよび酸素ガスを導入して成膜室内をアルゴンと酸素
の混合雰囲気とする。このとき所定のアルゴンガスと酸
素の混合ガス圧力(スパッタ圧力)になるように導入ガス
流量とメインバルブの開閉度を調節する。そうして、直
流電源によりターゲットに電力を印加して、反応性スパ
ッタリングにより基板の表面に酸化チタンを成膜する。
このとき、基板を回転速度3rpmで回転させる。
【0030】このようにして得られる光触媒薄膜材料を
試料とし、光触媒機能の評価として、有害物質であるア
セトアルデヒドの分解試験を実施した。試験方法は、先
ず光触媒薄膜を20リットルのガラス製の容器に入れ、
容器内を人工空気で置換したのち、アセトアルデヒドガ
スを20ppmとなるように容器内に注入する。次に、
ブラックライトで光触媒薄膜を照射し、アセトアルデヒ
ドが1時間に減少する濃度をガスモニターにて測定し
た。
【0031】また、上記光触媒薄膜材料における光触媒
薄膜の結晶構造解析をX線回折により行った。光触媒薄
膜の表面観察を走査型電子顕微鏡(SEM)にて行った。ま
た、光触媒薄膜の微視的表面、断面観察を透過型電子顕
微鏡(TEM)および電子線回折により行った。
【0032】光薄膜の成膜条件を表1記載のようにする
ことで得られた実施例と比較例について、上記測定及び
解析、観察を行った。結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】各例において、アルゴンと酸素の流量比は
20sccm対20sccm、基板温度は200〜350℃、印加電力とス
パッタ圧力は表中記載の通りである。
【0036】このような成膜条件で、比較例1は230nm
の膜厚の光触媒薄膜を作製したものである。この条件で
作製した光触媒薄膜は、光触媒機能に有効であるアナタ
ーゼ型の結晶構造を示しているものの、結晶形状が板状
結晶を成していない。そして分解性能は3ppm/hrであ
り、分解効果が非常に小さい。
【0037】これに対して実施例1は、上記比較例1と印
加電力、アルゴンと酸素の流量比、膜厚を同条件とし、
スパッタ圧力、基板温度を適宜に設定して光触媒薄膜を
作製したものである。この条件で作製した光触媒薄膜
は、光触媒機能に有効であるアナターゼ型の結晶構造を
有しており、なお且つ結晶形状は板状の結晶を形成して
いた。分解性能も15ppm/hrであり高活性な分解効果を
示した。板状結晶を成している事は、SEMによる膜の表
面観察で確認された。また、TEMによる膜の断面観察の
結果から、図1(a)に示すような基板に島状膜が形成さ
れ、その島状膜から板状の結晶が成長していることも確
認された。
【0038】比較例2は表中記載の条件で500nmの膜厚の
光触媒薄膜を作製したものである。この条件で作製した
光触媒薄膜は、光触媒機能に有効であるアナターゼ型の
結晶構造を示しているものの、結晶形状が板状結晶を成
していない。そして分解性能は1ppm/hrであり、分解効
果が非常に小さい。
【0039】これに対して実施例2は、上記比較例2と印
加電力、アルゴンと酸素の流量比、膜厚を同条件とし、
スパッタ圧力、基板温度を適宜に設定して光触媒薄膜を
作製したものである。この条件で作製した光触媒薄膜
は、光触媒機能に有効であるアナターゼ型の結晶構造を
有していた。結晶形状は板状を形成しており、なお且つ
板状結晶が棒状結晶の集合体を成しているものも数多く
存在していた。分解性能も20ppm/hrであり高活性な分
解効果を示した。板状結晶および棒状結晶の集合体を成
していた事は、SEMによる膜の表面観察で確認された。
また、TEMによる膜の断面観察の結果から、図1(a)に示
すような基板に島状膜が形成され、その島状膜から板状
の結晶が成長していることも確認された。
【0040】比較例3は表中記載の条件で260nmの膜厚の
光触媒薄膜を作製したものである。この条件で作製した
光触媒薄膜は、光触媒機能に有効であるアナターゼ型の
結晶構造を示しているものの、結晶形状が板状結晶を成
していない。そして分解性能は1ppm/hrであり、分解効
果が非常に小さい。
【0041】これに対して実施例3は、上記比較例3と印
加電力、アルゴンと酸素の流量比、膜厚を同条件とし、
スパッタ圧力、基板温度をそれぞれ適宜に設定して光触
媒薄膜を作製したものである。この条件で作製した光触
媒薄膜は、光触媒機能に有効であるアナターゼ型の結晶
構造を有していた。結晶形状は板状を形成しており、な
お且つ板状結晶が棒状結晶の集合体を成しているものも
数多く存在していた。分解性能も18ppm/hrであり高活
性な分解効果を示した。板状結晶および棒状結晶の集合
体を成していた事は、SEMによる膜の表面観察で確認さ
れた。また、TEMによる膜の断面観察の結果から、図1
(a)に示すような基板に島状膜が形成され、その島状膜
から板状の結晶が成長していることも確認された。
【0042】比較例4は表中記載の条件により520nmの膜
厚の光触媒薄膜を作製したものである。この条件で作製
した光触媒薄膜は、光触媒機能に有効であるアナターゼ
型の結晶構造を示しているものの、結晶形状が板状結晶
を成していない。そして分解性能は0ppm/hrであり、分
解効果が認められない。
【0043】これに対して実施例4は、上記比較例4と印
加電力、アルゴンと酸素の流量比、膜厚を同条件とし、
スパッタ圧力、基板温度をそれぞれ適宜に設定して光触
媒薄膜を作製したものである。この条件で作製した光触
媒薄膜は、光触媒機能に有効であるアナターゼ型の結晶
構造を有していた。結晶形状は板状を形成しており、な
お且つ板状結晶が棒状結晶の集合体を成しているものも
数多く存在していた。分解性能も20ppm/hrであり高活
性な分解効果を示した。板状結晶および棒状結晶の集合
体を成していた事は、SEMによる膜の表面観察で確認さ
れた。また、TEMによる膜の断面観察の結果から、図1
(a)に示すような基板に島状膜が形成され、その島状膜
から板状の結晶が成長していることも確認された。
【0044】以上の実施例より、高活性な光触媒機能を
発現する為には光触媒薄膜の結晶形状が板状結晶を成
し、なお且つその板状結晶が棒状結晶の集合体から構成
されていることが有効であることが明らかとなった。ま
た、実施例ではCVD法、PVD法の代表としてスパッタリン
グ法のみを記したが、例えば通常の気相化学的蒸着法、
すなわち狭義のCVD法を用いても、PVD法として蒸着法、
イオンプレーティング法などの方式を用いても全く同様
の結果が得られることは実証済みである。さらに本発明
の光触媒薄膜材料は、紫外線光源と共に筺体に組み込み
空気を循環することにより臭い成分、有害成分を分解
し、空気の清浄を効率的に行い得ることも確認済みであ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、化学的ま
たは物理的蒸着技術で作製した光触媒薄膜であって、CV
D法またはPVD法で基板上に島状膜を形成させ、その島状
膜を核としてCVD法またはPVD法で島状膜上に板状の結晶
を形成させることを特徴とし、このような板状の結晶を
形成することにより、高活性な光触媒機能を発現する光
触媒薄膜材料を得ることができる。また本発明の光触媒
薄膜材料は、清浄機能、抗菌機能、脱臭機能、防汚機能
等において顕著な効果を有し、空気清浄機,脱臭機,冷
暖房機等の各種空調機器あるいは清水器や水質浄化機器
などの環境浄化装置に応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光触媒薄膜材料における光触媒薄
膜の板状結晶の模式図で、(a)は薄膜の正面断面図を示
し、(b)は(a)の平面図で板状結晶単体の模式図を示す。
【図2】本発明に係る光触媒薄膜材料における光触媒薄
膜の板状結晶の模式図で、(a)は図1の(X)-(X)線に沿
う断面図、(b)は(a)の平面図を示す。
【図3】本発明に係る板状結晶における膜の表面模式図
の拡大図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 C02F 1/32 ZAB 4G069 37/02 301 1/72 101 4K029 C02F 1/32 ZAB C23C 14/06 Z 4K030 1/72 101 16/40 C23C 14/06 C03C 17/245 A 16/40 B01D 53/36 H // C03C 17/245 G ZABJ (71)出願人 501085533 佐々木 正司 青森県八戸市大字市川町字田ノ沢頭3番22 号 青森県機械金属技術研究所内 (71)出願人 501085544 天間 毅 青森県青森市大字八ツ役字芦谷202番4号 青森県産業技術開発センター内 (71)出願人 501084732 千葉 昌彦 青森県青森市大字八ツ役字芦谷202番4号 青森県産業技術開発センター内 (71)出願人 501085566 八戸工業高等専門学校長 青森県八戸市大字田面木字上野平16番地1 号 (72)発明者 工藤 武志 青森県八戸市大字市川町字長七谷地2番 672号 アンデス電気株式会社内 (72)発明者 工藤 一人 青森県八戸市大字市川町字長七谷地2番 672号 アンデス電気株式会社内 (72)発明者 類家 東 青森県八戸市大字市川町字長七谷地2番 672号 アンデス電気株式会社内 (72)発明者 富沢 知成 青森県八戸市大字市川町字田ノ沢頭3番22 号 株式会社八戸インテリジェントプラザ 内 (72)発明者 佐々木 正司 青森県八戸市大字市川町字田ノ沢頭3番22 号 青森県機械金属技術研究所内 (72)発明者 天間 毅 青森県青森市大字八ツ役字芦谷202番4号 青森県産業技術開発センター内 (72)発明者 千葉 昌彦 青森県青森市大字八ツ役字芦谷202番4号 青森県産業技術開発センター内 (72)発明者 長谷川 章 青森県八戸市田面木字上野平16番1号 八 戸工業高等専門学校内 Fターム(参考) 4C080 AA09 BB02 CC01 JJ06 JJ09 KK08 MM02 4D037 AA11 BA18 CA11 4D048 AA19 AA22 BA07X BA41X BB03 EA01 4D050 AA12 AB11 BC04 BC09 4G059 AA01 AC22 AC30 EA04 EB01 EB02 EB04 4G069 AA03 AA08 BA04B BA48A CA01 CA17 CD10 DA05 EA08 EB18X EB18Y EC22Y EC27 EC30 ED04 EE06 FA01 FA03 FB02 4K029 AA09 BA48 BB08 BC00 BD00 CA06 DC03 DC34 DC39 FA04 4K030 BA46 BB03 CA06 LA01 LA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された島状膜を核とし、そ
    の島状膜上に結晶を成長させて光触媒薄膜としてなる高
    活性な光触媒機能を発揮する光触媒薄膜材料。
  2. 【請求項2】 CVD法またはPVD法により基板上に形成さ
    れた島状膜を核として、CVD法またはPVD法によりその島
    状膜上に結晶を成長させて光触媒薄膜としてなる高活性
    な光触媒機能を発揮する光触媒薄膜材料。
  3. 【請求項3】 上記島状膜上に成長させた結晶の形状が
    板状であることを特徴とする請求項2記載の光触媒薄膜
    材料。
  4. 【請求項4】 上記板状の結晶が、縦方向に成長した棒
    状結晶の集合体であることを特徴とする請求項3記載の
    光触媒薄膜材料。
  5. 【請求項5】 上記板状結晶において、その終端部が膜
    表面に露出し、膜表面を観察すると板が重なり合った様
    に見える結晶の集合体を成すことを特徴とする請求項3
    または4記載の光触媒薄膜材料。
  6. 【請求項6】 上記板状結晶の集合体において、板状結
    晶の巾が5nm〜60nmであり、且つ上記板状結晶集
    合体が10nm〜200nmのサイズから成ることを特
    徴とする請求項5記載の光触媒薄膜材料。
  7. 【請求項7】 上記光触媒薄膜において、その結晶が(1
    01)、(103)、(200)、(211)、(204)、(220)、(215)のい
    ずれかに配向していることを特徴とする請求項2〜6の
    何れか1項記載の光触媒薄膜材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の光触媒薄膜材料を使
    用して清浄機能、抗菌機能、脱臭機能、防汚機能等を発
    揮することを特徴とする光触媒薄膜材料応用品。
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