JP2002254064A - 排水処理場の運転管理装置及び運転管理サービス方法並びに入力データ生成方法 - Google Patents

排水処理場の運転管理装置及び運転管理サービス方法並びに入力データ生成方法

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JP2002254064A
JP2002254064A JP2001054369A JP2001054369A JP2002254064A JP 2002254064 A JP2002254064 A JP 2002254064A JP 2001054369 A JP2001054369 A JP 2001054369A JP 2001054369 A JP2001054369 A JP 2001054369A JP 2002254064 A JP2002254064 A JP 2002254064A
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wastewater treatment
treatment plant
wastewater
operation management
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JP2001054369A
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Ken Amano
研 天野
Koji Kageyama
晃治 陰山
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備負担や作業負担をかけない排水処理場の
運転管理装置及び運転管理サ−ビス方法並びに入力デー
タ生成方法を提供する。 【解決手段】 下水処理場(排水処理場)111の制御
プロセスを模擬する数理モデルに基づいた排水水質予測
プログラム108を備えた運転管理装置106と双方向
通信網103とを用いて、コンソール101から入力さ
れた計測器109で計測されたデータを受信して、この
計測データを排水水質予測プログラム108に入力し
て、下水処理場111の状態量及び/又は制御量を計算
して、その計算結果をコンソール101に通知する。ま
た、入力データ生成プログラム107によって、下水処
理場111の構成と個別入力項目とを模擬した入力画面
をコンソール101に表示して、入力データが自動的に
生成されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理事業者な
どの複数の排水処理事業者から所定の入力データを取得
して排水処理事業者における運転管理業務を支援する運
転管理装置及び運転管理サービス方法並びにその入力デ
ータの生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の浄水処理、下水処理などの排水処
理場は、一般的に長年の経験や専門知識を持った運転員
による状況の監視と判断とによって常時運転管理されて
いる。このような専門知識を有する運転員の需要は多い
が、人口の高齢化に伴い、将来的にこれらの専門技術者
が不足してくる傾向にある。これに対処するため、個々
に存在する複数の排水処理場における運転制御方法を共
通化して、自動化による人手業務の省力化を図ることが
検討されている。
【0003】ところが、排水処理場は次のような点で個
々に事情が異なっており、画一的な運転制御を行うこと
は難しい。 (1)日当たりの処理水量が相違するため、排水処理槽
の数、容積、処理槽間の流路構成が異なる。 (2)ポンプ、ブロア、弁などの構成、容量が異なる。 (3)上流側の地理環境により、流入水の水質が異な
る。 (4)下水処理場では、微生物が関与する処理システム
のため、気象条件、気候風土、季節等により処理槽内の
性質が異なる。 逆に、これらの点について任意の条件を設定できる運転
制御手法があれば、複数の排水処理場を統一的に管理
し、運転できる可能性がある。
【0004】これらの問題に対する解決策の一つとし
て、数理モデルに基づいた排水シミュレータを用いた自
動運転制御あるいは運転支援が提案されている。例えば
特開平10−235333号公報に記載された「下水処
理プロセスシミュレータ」は、それぞれの処理水に含ま
れる物質が微生物や酸化剤によって変化する状態を模擬
した微生物反応モデルと、流入・流出による物質収支を
計算する流動モデルとからなる数理モデルを用いて、下
水処理場の水質予測及び制御を実施するものである。
【0005】前記の発明では、各下水処理槽の結合状態
やポンプ、ブロア、弁の配置、流入流量・水質条件、制
御方式などは画面上で容易に設定できるものとしてい
る。下水処理槽内の微生物反応モデルとしては、IAW
Q(国際水質会議:International As
sociation on Water Qualit
y)が提案しているIAWQモデルを用いている。この
モデルでは、気象条件、気候風土、季節等による微生物
反応特性の相違を考慮するために、微生物反応モデル中
に多数のモデル定数を含み、これらのモデル定数を下水
処理場ごとにチューニングするものとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の発明のように、
数理モデルに基づく水質予測プログラムを計算機に内蔵
したシミュレータを個々の下水処理場に配備すれば、運
転員の経験に頼るというこれまでの運転からは脱却でき
ようが、一方で、数理モデルや運転管理装置を運用する
ためには別の新たな専門知識が必要となり、専門技術者
の不足は解消されない。また、個々の下水処理場ごとに
シミュレータという新たな計算機設備を設置しなければ
ならないので、経済的な負担も大きい。
【0007】本発明は、個々の排水処理場に新たな設備
を設置することなく、また、運転員に対する負担増なし
に、排水処理場における運転業務或いは管理業務を支援
することができる運転管理装置及び運転管理サービス方
法を提供することを目的としている。また、その運転管
理サービスの実施に必要な入力データを簡単に生成する
方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために創案されたものであり、その請求項1に
係る発明は、排水の状態量を入力する手段と、排水処理
の制御プロセスをモデル化した数理モデルと、入力され
た排水の該状態量と前記数理モデルに基づいて該排水の
状態量を予測する手段と、を備えた排水処理場の運転管
理装置である。
【0009】本発明は、排水処理に係る数理モデルを用
いて排水処理に関する状態量を予測するものである。排
水の状態量をこの数理モデルに入力すると、その排水処
理場における状態量の予測計算が行われる。数理モデル
は、排水処理場の制御プロセスをモデル化したもので、
複数の排水処理場における制御プロセスに対応してい
る。このような数理モデルを有する運転管理装置を用い
て状態量を予測すれば、運転経験が比較的浅い運転員で
あっても、排水処理場の運転に必要な状態量の適正予測
データを得ることが可能となる。
【0010】また、請求項2に係る発明は、排水の状態
量を入力する手段と、排水処理の制御プロセスをモデル
化した数理モデルと、入力された排水の該状態量と前記
数理モデルとに基づいて該排水の制御量を計算する手段
と、を備えた排水処理場の運転管理装置である。
【0011】本発明は、排水処理に係る数理モデルを用
いて排水処理に関する制御量を計算するものである。排
水の状態量をこの数理モデルに入力すると、その排水処
理場における制御量の計算が行われる。数理モデルは、
排水処理場の制御プロセスをモデル化したもので、複数
の排水処理場における制御プロセスに対応している。こ
のような数理モデルを有する運転管理装置を用いて制御
量を計算すれば、運転経験が比較的浅い運転員であって
も、排水処理場の運転に必要な制御量の適正データを得
ることが可能となる。
【0012】また、請求項3に係る発明は、排水の状態
量を運転管理装置に入力する工程と、排水処理の制御プ
ロセスをモデル化した数理モデルと入力された排水の該
状態量とに基づいて該排水の状態量を予測する工程と、
を備えた排水処理場の運転管理サービス方法である。
【0013】本発明は、排水処理場における排水の状態
量を予測する運転管理サービス方法を提供するものであ
る。この運転管理サービスの提供には運転管理装置を用
いる。運転管理装置は、排水処理場の制御プロセスをモ
デル化した数理モデルを有している。排水の状態量をこ
の数理モデルに入力すると、その排水処理場における状
態量の予測計算が行われる。数理モデルは、排水処理場
の制御プロセスをモデル化したもので、複数の排水処理
場における制御プロセスに対応している。この数理モデ
ルを用いて排水処理場の状態量を予測して排水事業者に
通知すれば、排水事業者ではシミュレータなどの新たな
計算機設備を設置せずとも、排水処理場の運転に必要な
状態量の予測データを得ることが可能となる。
【0014】また、請求項4に係る発明は、排水の状態
量を運転管理装置に入力する工程と、排水処理の制御プ
ロセスをモデル化した数理モデルと入力された排水の該
状態量とに基づいて該排水の制御量を計算する工程と、
を備えた排水処理場の運転管理サービス方法である。
【0015】本発明は、排水処理場における排水の制御
量を計算する運転管理サービス方法を提供するものであ
る。この運転管理サービスの提供には運転管理装置を用
いる。運転管理装置は、排水処理場の制御プロセスをモ
デル化した数理モデルを有している。排水の状態量をこ
の数理モデルに入力すると、その排水処理場における制
御量の計算が行われる。数理モデルは、排水処理場の制
御プロセスをモデル化したもので、複数の排水処理場に
おける制御プロセスに対応している。この数理モデルを
用いて排水処理場の制御量を計算して排水事業者に通知
すれば、排水事業者ではシミュレータなどの新たな計算
機設備を設置せずとも、排水処理場の運転に必要な制御
量の計算データを得ることが可能となる。
【0016】また、請求項5に係る発明は、常時運転さ
れ制御されるべき排水処理場と、前記排水処理場におけ
る排水の状態量を計測する計測器と、前記排水処理場を
制御する制御盤と、所定の運転管理装置との間でデータ
通信を行うコンソールとを配備して前記排水処理場の運
転を行う複数の排水処理事業者に対して、サービス事業
者が前記運転管理装置と双方向通信網とを用いて前記複
数の排水処理場の運転に係る運転管理サービスを提供す
る方法であって、前記運転管理装置が前記排水処理場の
制御プロセスを模擬する数理モデルに基づいた排水水質
予測プログラムを具備して、前記コンソールから入力さ
れた前記計測器で計測された状態量を受信して、該状態
量を前記排水水質予測プログラムに入力して、前記排水
処理場における排水の状態量及び/又は制御量を計算し
て、該計算結果を前記コンソールに通知する排水処理場
の運転管理サービス方法である。
【0017】本発明は、サービス事業者が複数の排水処
理場に対して、運転管理業務を統一的に支援するサービ
スを提供するものである。サービス事業者は運転管理装
置を用いて個々の排水処理場に応じた状態量及び/又は
制御量を計算して、その計算結果を通知する。運転管理
装置には複数の排水処理場に対して共通に適用できる数
理モデルを用いた排水水質予測プログラムが内蔵されて
いる。このプログラムの入力データは、各排水処理場で
共通に用いられるデータと、各排水処理場で個々に異な
って用いられるデータとに分けて取り扱うものとし、共
通な入力データについては運転管理装置の内部に保有す
る。排水処理事業者は、流入水量や水質状態の計測を行
い、これらの計測データをインターネットなどの双方向
通信網を用いてサービス事業者に通知する。サービス事
業者は、得られた入力データを基にして排水水質予測プ
ログラムを用いて、排水処理槽における水質などの状態
量予測、所定の制御目標値を満足するために必要なポン
プ流量、ブロワ風量、弁開度などの制御量の計算を行
う。計算結果は、再び排水処理事業者に通知される。こ
のようにして、排水処理事業者は状態量の予測データや
制御量の計算データを得ることができるので、運転管理
経験が比較的浅い運転員であっても、適切に排水処理場
を運転することが可能となる。また、排水処理事業者は
これらの計算に必要な設備を用意しなくてもよい。
【0018】また、請求項6に係る発明は、請求項3な
いし5のいずれか1項に記載の排水処理場の運転管理サ
ービス方法において、前記運転管理装置に入力される状
態量が模擬データであって、この模擬データが前回の計
算結果を確認しながら作成されたデータであることを特
徴とする
【0019】本発明は、排水水質予測プログラムを利用
して排水処理場の運転員を教育・訓練するための運転制
御シミュレーションサービスを提供するものである。訓
練を受けようとする排水処理場の運転員は、手元にある
コンソールからサービス事業者が保有する運転管理装置
にアクセスする。模擬データを入力すると排水処理場の
仮想的な状態量予測や制御量計算が行われる。計算され
た状態量予測値や制御量を基に仮想環境での運転を行
う。その制御結果を確認しながら、次の模擬データを作
成して入力する。このようにすれば、運転員は、仮想体
験的に排水処理場の運転技術を取得することができる。
個々の排水処理場はそれぞれに異なった特性を持つが、
その特性を考慮した個別のデータを入力すると、その各
排水処理場の特性に応じた状態量予測値や制御量が計算
される。このように、運転員は実際の環境に応じた運転
制御シミュレーションを体験することができるので、運
転技術を取得する上で効果が大きい。
【0020】また、請求項7に係る発明は、請求項3な
いし5のいずれか1項に記載の排水処理場の運転管理サ
ービス方法において、前記運転管理装置が前記排水処理
場の運転実績データを時系列的に編集して保存する機能
を具備して、前記コンソールから入力された前記運転実
績データを受信して、この運転実績データを保存して、
前記排水事業者からの要求に応じて保存している運転実
績データを編集して出力することを特徴とする。
【0021】本発明は、サービス事業者が各排水事業者
に代わって排水処理場の運転実績データを管理して、要
求に応じてこれを出力する代行管理サービスを提供する
ものである。運転実績データとしては、排水処理場にお
ける流入水量や排水処理槽の水質値、ポンプやブロワな
どの機械類の状態値、コントローラなどの制御データな
どがある。サービス事業者は各排水処理事業者からこれ
らのデータを受け取って運転管理装置内部に保存する。
排水処理事業者からの求めに応じて、これらのデータを
運転管理装置で編集して排水処理事業者に提供する。排
水処理事業者では運転実績データの保管に係る設備を用
意しなくても、必要なデータを必要なときに引き出すこ
とができる。また、運転実績データの記録、整理、保管
などの人的負担を軽減することができる。
【0022】また、請求項8に係る発明は、請求項7に
記載の排水処理場の運転管理サービス方法において、前
記運転管理装置が前記運転実績データを時系列的に編集
し分析する機能を具備して、所定の時期に保存している
運転実績データを時系列的に編集し分析して、異常デー
タを示す機器を抽出して出力することを特徴とする。
【0023】本発明は、サービス事業者が保管している
排水処理場の運転実績データを分析して、排水処理場の
機械類や電気系統の異常を排水処理事業者に通知する異
常診断サービスを提供するものである。運転実績データ
はこれらの設備状態の健全性をチェックする基礎データ
であることから、この運転実績データを時系列に分析す
ることによって、設備の点検、補修等の必要性を判断す
る。このように、サービス事業者が自動的にメンテナン
ス情報を排水処理事業者に連絡すれば、排水処理事業者
では、設備故障の早期発見や未然防止を行うことができ
る。また、これに係る人的負担も軽減される。
【0024】また、請求項9に係る発明は、常時運転さ
れ制御されるべき排水処理場と、前記排水処理場の排水
の状態量を計測する計測器と、前記排水処理場を制御す
る制御盤と、所定の運転管理装置との間でデータ通信を
行うコンソールとを配備して前記排水処理場の運転を行
う複数の排水処理事業者に対して、サービス事業者が前
記運転管理装置と双方向通信網とを用いて、前記コンソ
ールからの入力データを基にして前記複数の排水処理場
の運転に係る運転管理サービスを提供するときの、前記
入力データの生成方法であって、前記運転管理装置が前
期排水処理事業者ごとに所定の入力画面を設定するプロ
グラムを具備して、前記コンソールに前記排水処理場の
設備を構成する設備要素を選択可能に表示して、この設
備要素を用いて当該排水処理場の構成をモデル設定でき
るようにし、該排水処理場の個別入力項目欄を表示し
て、この個別入力項目に所定のデータが入力されると該
排水処理場の設備構成に応じた前記入力データが自動的
に生成される入力データ生成方法である。
【0025】本発明は、個々の排水処理場ごとに異なる
個別のデータを入力するにあたり、その入力データを自
動的に生成するものである。サービス事業者に配備され
ている運転管理装置には、入力データ生成プログラムが
内蔵されている。このプログラムは、所定の手順に従っ
てコンソールの画面操作を行えば、そのコンソール上に
所定の入力画面を表示設定する。各排水処理場の設備構
成はそれぞれに異なっているが、一つひとつの設備要素
自体は共通である。入力データ生成プログラムには、こ
の設備要素が予め定型化されてプログラムされているの
で、その排水処理場を構成する設備要素を選択指定すれ
ば、実際の構成を模擬した入力画面を作成することがで
きる。コンソール上に表示される入力画面には制御項
目、計測項目などの入力データ欄が用意されている。排
水事業者では数理モデルや運転管理装置に関する専門知
識がなくても、適切に入力データを生成することができ
る。また、サービス事業者では、適切な入力データが自
動的に収集できるので、例えば1人で複数の排水処理事
業者への運転管理サービスを担当することが可能とな
る。
【0026】また、請求項10に係る発明は、請求項9
に記載の入力データ生成方法において、前記コンソール
に前記排水処理場の制御系システムを構成する制御要素
を選択可能に表示して、この制御要素を用いて当該排水
処理場の制御系システムをモデル設定できるようにし、
該排水処理場の制御システムに応じた前記入力データが
自動的に生成されることを特徴とする。
【0027】本発明は、個々の排水処理場ごとに異なる
制御系システムをモデル化して、排水処理場の制御方式
に応じた入力データを自動的に生成するものである。各
排水処理場の制御系システムはそれぞれに異なっている
が、一つひとつの制御要素自体は共通である。入力デー
タ生成プログラムには、この制御要素が予め定型化され
てプログラムされているので、その排水処理場の制御系
システムを構成する制御要素を選択指定すれば、任意の
制御系システムを模擬した入力画面を作成することがで
きる。コンソール上に表示される入力画面には状態量や
制御量などの入力データ欄が用意されている。排水事業
者では数理モデルや運転管理装置に関する専門知識がな
くても、適切に入力データを生成することができる。
【0028】また、請求項11に係る発明は、請求項9
又は10に記載の入力データ生成方法において、前記入
力データの生成が前記運転管理装置と前期コンソールと
の間で対話形式によって行われることを特徴とする
【0029】本発明は、入力画面の設定を対話形式で行
うものである。入力データ生成プログラムは、運転管理
装置からの質問とコンソールからの応答とを繰り返すこ
とによって、所定の入力画面を自動的に設定する。した
がって、簡単に入力データを生成することができるの
で、さらに人的負担が軽減される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の排
水処理場の運転管理サービス方法及びこれに用いる入力
データ生成方法の実施の形態について説明する。本実施
の形態では、排水処理場として下水処理場を例に用いて
説明する。
【0031】図1は、本発明の運転管理サービス方法を
適用した下水処理システムの構成図である。この下水処
理システムは、下水処理事業者とサービス事業者とに各
々配備される設備によって構成されている。下水処理事
業者によって配備される設備は、下水処理場111、計
測器109、制御盤110、コンソール101、通信機
器102である。サービス事業者によって配備される設
備は、運転管理装置106、コンソール104、通信機
器105である。両者の間では双方向通信網103を介
してデータ通信が行われる。
【0032】下水処理場111は、汚水などの流入水1
15を受け入れ、微生物による有機物の分解や発酵のプ
ロセスにより、汚水中のBOD(生物学的酸素要求量)
や窒素、りんなどを法定の水質規制値以下の濃度にまで
除去して、処理水116として放流する施設である。下
水処理場111は、空気を吹き込まない嫌気槽112、
空気を吹き込む好気槽113、沈殿池114、これらの
下水処理槽に送水するポンプ117、好気槽113に空
気を送風するブロワ118、これらを開閉する電磁弁
(図示しない)などから構成される。
【0033】計測器109は、下水処理槽の水量や水質
等の状態量を観測する計器である。ポンプ117の流水
量、ブロワ118の送量などを常時観測している。ま
た、流入水115、処理水116、及び各下水処理槽内
の水質を計測している。なお、計測器109により直接
測定できない水質項目については、定期的に下水処理槽
の水をサンプリングし、化学分析により測定している。
制御盤110は、ポンプ117の送水量やブロワ118
の送風量を制御するものである。また、このほかにも図
示はしないが、この下水処理場111の付帯設備とし
て、受電・変電等の電源設備、制御用コントローラなど
の制御設備が配備されている。
【0034】流路の構成は、上流側の流入水115から
下流側の処理水116への一系統の流れで導かれる構成
が基本であるが、大規模の下水処理場111では、この
系統が複数になるものがある。また、下流側の処理槽の
水を上流側の処理槽へ返送する構成をとるものもある。
このように、下水処理槽の数や容積、処理槽間の繋が
り、流路の構成などは下水処理事業者ごとに異なってい
る。
【0035】通信機器102、コンソール101は、双
方向通信網103に接続して、サービス事業者が配備す
る運転管理装置106との間でデータ通信を行うもので
ある。通信機器102はモデムやDSUなどを使用す
る。コンソール101は、運転管理装置106の端末機
能と制御盤110に対する指示機能とを有する操作卓で
あり、ワークステーションやパソコン等を使用する。双
方向通信網103は、例えばインターネット、双方向デ
ジタル放送網、下水送水管路に併設された光通信網など
を利用することができる。
【0036】運転管理装置106は、複数の下水処理事
業者に対して運転管理サービスを提供する装置である。
下水処理場111の状態量予測や最適制御量の計算、運
転制御シミュレーション、運転実績データの保存と編
集、運転実績データからの異常データの抽出などを行
う。運転管理装置106の内部には、入力データ生成プ
ログラム107と排水水質予測プログラム108とがイ
ンストールされている。運転管理装置106は、例えば
複数のワークステーションを並列に接続した高速演算処
理型のコンピュータで構成される。コンソール104
は、運転管理装置106の端末機能と下水処理事業者側
のコンソールとの連絡機能とを有する操作卓であり、ワ
ークステーションやパソコン等を使用する。サービス事
業者では1人の運用担当者がこのコンソール104を用
いて、複数の下水処理事業者の運転員に応対することが
できる。
【0037】図4から図8を参照して排水水質予測プロ
グラム108について説明する。排水水質予測プログラ
ム108は、数理モデルを用いて下水処理場の予測制御
を行うものである。例えば、図4に示すような溶存酸素
濃度一定制御系では、溶存酸素濃度を一定に保つフィー
ドバック制御が行われており、ここにいう予測制御とは
異なっている。しかし、一般的に、図1に示すような下
水処理場111の制御目標は、処理水116の窒素濃
度、りん濃度を一定値以下に抑えることであり、これを
ブロワ118の風量やポンプ117の流量で制御しよう
とする場合、状態量を示す処理水116の水質を予測し
て、制御量となる風量や流量などをどのように決めれば
よいのかは自明ではない。
【0038】或いは、この下水処理場111が、図4に
示す溶存酸素濃度一定制御系を備えており、この制御系
を取り除くといったシステムの変更が難しいとすれば、
処理水116の窒素、りん濃度を制御するためには、図
4における溶存酸素濃度目標値403を時間的に変化さ
せる制御が必要であり、溶存酸素濃度目標値403自身
が下水処理システムの制御量となるべきである。このと
き、この溶存酸素濃度目標値をどのように決めればよい
のかは自明ではない。
【0039】排水水質予測プログラム108は、これら
の状態量予測や制御量を数理モデルを用いて計算し、出
力するものである。ここにいう、数理モデルとは、微生
物による発酵や有機物分解プロセスを微分方程式で記述
した微生物反応モデル、流れによる物質の輸送モデル、
及び制御系の入力と応答プロセスを微分方程式で記述し
た制御回路モデルからなり、すべて時間についての連立
微分方程式となっている。
【0040】図6を参照して排水水質予測プログラム1
08の構成について説明する。図6は、排水水質予測プ
ログラム108の機能構成図である。図6において、状
態変数xは、溶存酸素濃度、アンモニア性窒素濃度、硝
酸性窒素濃度、脱窒菌濃度、硝化菌濃度、りん蓄積菌濃
度などの状態量を示す水質値を1列に並べたベクトルで
あり、微生物反応モデルを記述する変数となっている。
IAWQの微生物反応モデルに準拠すると、その変数は
19個ある。水質値は下水処理槽(タンク)ごとに異な
るので、タンクの総数をαとすると、xは19α個の要
素からなるベクトルである。モデル定数θは、微生物反
応モデルに含まれる経験定数で、その下水処理場111
の環境条件の違いによる微生物の特性の違いを表わすも
のである。IAWQのモデルによると、モデル定数は6
0個程度ある。θはこれを1列に並べたベクトルとなっ
ている。
【0041】IAWQの微生物反応モデルは、dx/d
t=f(x,θ)により、状態変数xの時間変化を記述
する微分方程式で与えられている。さらに、状態変数x
は、散気量や流量qの影響を受け、散気量や流量qは、
制御回路609を通じて制御量uの関数q=q(u)と
なっているので、dx/dtは制御量uの関数でもあ
り、形式的にdx/dt=f(x,θ,u)と表現でき
る。
【0042】下水処理シミュレータ608は、入口の受
入水量・水質604を境界条件として、前記の微分方程
式を逐次積分することにより、状態変数xの時間変化を
予測する機能を有する。すなわち、次計算式により、時
間的未来の状態変数xの値を予測するものである。 x(t+Δt)=x(t)+Δt・f(x(t),θ,
u(t))
【0043】状態推定オブザーバ602は、状態量を示
す観測値yobsから実際に観測できない状態変数の最も
確からしい値xobsを推定する機能を有する。一般に、
微生物反応モデルは、状態変数xを用いて下水中の反応
プロセスを記述するが、この状態変数xは、実際に観測
される観測値yobsとは異なっている。例えば、微生物
反応モデルは、状態変数として、脱窒菌濃度、硝化菌濃
度、りん蓄積菌濃度を含むが、これらの成分は実際には
分離することができず、実際に観測されるのは、これら
3つの成分の総和である菌体濃度である。すなわち、菌
体濃度=(脱窒菌濃度+硝化菌濃度+りん蓄積菌濃度)
であり、より一般には、Htを定数の行列として、観測
値601は、状態変数xと,yobs=Ht・xobsの関係
にある。
【0044】一般に、観測値の数は、状態変数の数より
も少ないので、前記の関係式から直ちにxobsを求める
ことはできないが、もともと状態変数xは、微生物反応
モデルの微分方程式に従っているので、この微生物反応
モデルの情報を用いることにより解析的アルゴリズム
で、観測値yobsから状態変数xの最も確からしい値xo
bsを推定することができる。
【0045】モデル定数チューナー603は、微生物反
応モデルに含まれているモデル定数θを自動的に調整す
る機能を有している。モデル定数θは、環境条件によっ
て異なる下水中の微生物特性を表現するために下水処理
場111ごとに個別に決められる約60個の定数である
が、これを適切な値に調整しないと下水シミュレータ6
08は正しい下水水質値を予測することができず、状態
変数予測値xは状態変数推定値xobsと一致しない。
【0046】このモデル定数θを個別の下水処理場11
1ごとに試行錯誤で探索すると、非常に多くの労力を要
するので、サービス事業者として、このような方法をと
ることは適切ではない。モデル定数チューナー603
は、解析的アルゴリズムにより、状態変数予測値xと状
態変数推定値xobsが一致するモデル定数値を自動的に
計算するものとなっている。
【0047】以上の下水シミュレータ608と状態推定
オブザーバ602及びモデル定数チューナー603の組
み合わせにより、排水水質予測プログラム108によっ
て計算される水質予測値yは、原理的には観測値yobs
と常に一致することになり、任意の下水処理場111に
ついて正しい下水水質を予測することになる。
【0048】図7を参照して解析アルゴリズムについて
説明する。図7は、状態推定オブザーバ602とモデル
定数チューナー603との機能を同時に実現できる解析
アルゴリズムの一実施例を示す。本アルゴリズムはカル
マンフィルタの理論を基礎にしている。図7のアルゴリ
ズムでは、次の記号を定義して用いている。 ・状態変数xとモデル定数θの組をひとまとめにして、
変数ベクトルX=[x,θ]を定義する。 ・状態変数xの微分方程式dx/dt=f(x,θ,
u)に対して、モデル定数θは時間的に一定なので、そ
の微分方程式は形式的にdθ/dt=0であるが、両者
をまとめて、dx/dt=f(X,u)と定義する。 ・時刻(t+Δt)の値、X(t+Δt)=X(t)+
Δt・f(X(t),u(t))=F(X(t),u
(t))により、F(X)を定義する。 ・行列Gの成分を、G(i,j)=∂F(i)(X)/∂X(j)
で定義する。
【0049】図7において、Ptは共分散行列、Ktはゲ
イン行列と呼ばれる。Htはyobs=Ht・xobsを与え
る定数行列である。Ptは0でない任意の初期値から出
発してよい。観測値yobsが入力されるごとに本アルゴ
リズムを計算して、得られたxo bsにより状態変数推定
値xobsとモデル定数最適値θoptの組、xobs
[xobs,θopt]が与えられる。
【0050】図7において、手順1は、観測値yobs
入力する部分である。観測値は一般に数個の水質値であ
るから、その個数をm個とすると、yobsはm個の要素
からなる1次元ベクトルである。手順2は、時刻tにお
いて、ゲイン行列Ktを計算する部分である。ここに、
tは、前記したように、観測値yobsと状態ベクトルX
tとの関係を与える行列である。この下水処理系を記述
する状態変数xがn個の水質値からなる1次元ベクトル
であり、モデル定数θがr個の要素からなる1次元ベク
トルとすると、Xtはn+r個の要素からなる1次元ベ
クトルXt=(x 1,x2,・・,xn,θ1,θ2,・・,
θr)となっている。したがって、Htは下記式(1)に
示すようなm×(n+r)の行列となっている。
【0051】
【数1】
【0052】yobsは、直接モデル定数θの関数とはな
っていないから、この部分に関するHtの行列要素は0
となっている。yobsはxの線形結合で与えられ、yobs
もxも水質値であるから、Htは無次元の定数行列とな
っている。Ht Tにおける添字TはHtの転置行列を表わ
す。
【0053】Ptは下記式(2)に示すように、(n+
r)×(n+r)の大きさを持つ行列で、誤差の共分散
行列と呼ばれる。Ptの初期値は、正の対角成分を持つ
対角行列として与える。
【0054】
【数2】
【0055】ここに、αは一般に102〜103オーダの
任意の値を与える。式(2)により、Ktは(r+n)
×mの行列となることが分かる。前記式(1)におい
て、Htは正方行列ではないから、観測値yobsを得たと
きに、これを逆に解いて状態変数x1,x2,・・,xn
を求めることはできない。或いは、この連立一次方程式
の解は不定であり、任意に選ぶことのできる変数xの組
が存在する。しかし、この変数の組は、同時に下水処理
系のモデル方程式dx/dt=f(x,θ)を満足して
いなければならない。
【0056】カルマンフィルタのアルゴリズムは、y
obs=Ht・Xtを満たすと同時に、dx/dt=f
(x,θ)を満足するxとθとを逐次的に算出するもの
である。図7のアルゴリズムに示す手順3,4,5,7
により、XtからXt *へ(手順4)、さらにXt+Δt(手
順5)への順序、またPtからPt *へ(手順3)、さら
にP t+Δt(手順7)への順序で、時刻tのXt,Pt
ら時刻t+ΔtのXt+Δt,P t+Δtが生成される。ここ
で、Xt *は状態変数推定値ベクトル、Pt *は推定値誤差
共分散行列と呼ばれる。手順6のGtはフィルタ行列と
呼ばれ、Gt=∂(Xt+Δt・f(x,θ))/∂X=
δI+Δt・∂f/∂xで与えられる。Gtは次の手順
7において必要となる。手順8で得られたXt+Δtのx
は時刻t+Δtにおける状態変数の推定値となってお
り、θは時刻t+Δtにおけるモデル定数となる。本カ
ルマンフィルタは逐次的な状態推定オブザーバ602を
与えると同時に、モデル定数θも変更していくことか
ら、適応型カルマンフィルタと呼ばれるものの一例とな
っている。
【0057】図6において、最小分散制御パラメータ同
定部611と制御量算出部612は、一定の時間の未来
における予測値614が、目標値613に近づくよう
に、現在の時刻で投入すべき制御量607を計算し、出
力する機能を有している。制御量606は、下水処理場
111の運転員が制御盤110に入力した制御量を、後
記する図3の入力要素314のデータ入力情報として受
け取っているものである。運転員は、サービス事業者か
ら受け取った制御量607を制御盤110に入力してい
る。つまり、制御量607は、ライン605により制御
量606に与えられることと等価である。このようにし
て、排水水質予測プログラム108は、下水処理場11
1の自動制御を行う。
【0058】本実施の形態例における最小分散制御パラ
メータ同定部611では、1時刻未来の予測値y
t+1を、n時刻過去に遡った観測値と制御量とを用い
て、次のような回帰モデルで与えている。yt+1=a0
t+a1t-1+…+ant-n+b0t+b1t-1+…+
nt-nここで、現時点tで投入すべき制御量utは未知
である。最小分散制御パラメータ同定部611は、これ
らの回帰モデルの係数を計算し、制御量算出部612
は、制御量utを計算する。
【0059】図8を参照して回帰モデル係数の計算アル
ゴリズムを説明する。図8は、最小分散制御パラメータ
同定部611における回帰モデル係数の計算アルゴリズ
ムを示すフローチャートである。図8のアルゴリズムで
は、次の記号を定義して用いている。 ・θt=(a0,a1,…,an,b0,b1,…,bnT ・ψt=(yt,yt-1,…,yt-n,ut,ut-1,…,u
t-nT 図8においてPtは共分散行列、Ktはゲイン行列とよば
れる。Ptは0でない任意の初期値から出発してよい。
【0060】本アルゴリズムの各時刻においてθtが、
現時刻における最良の回帰モデル係数を与える。この回
帰モデル係数を用いて、時刻t+1における観測値y
t+1が、目標値wt+1となることを要求すると、制御量算
出部612において、制御量utが、ut=(wt+1
(a0t+a1t-1+…+ant-n+b1t-1+…+b
nt-1))/b0のように求められる。
【0061】図8のアルゴリズムは、多数の観測値の組
ψt (i)が与えられたときに、下記式(3)で与えられる
2乗誤差が最小になるように係数θを決める最小2乗法
アルゴリズムであり、逐次的最小2乗法と呼ばれるアル
ゴリズムの一例となっている。その構成は、図7のカル
マンフィルタのアルゴリズムにおいて、行列Htをψt
置き換え、状態ベクトルxを回帰モデル係数θtに置き
換えたものと等価となっている。
【0062】
【数3】
【0063】次に、図1を参照して運転管理サービスの
提供について説明する。サービス事業者は、排水水質予
測プログラム108を用いて下水水質の状態量予測と制
御目標となる水質を満足するための制御量とを計算し
て、その計算結果を下水処理事業者のコンソール画面1
01に表示する。この制御量は、例えば、ポンプ流量や
ブロワの風量、弁の開度などであって、下水処理場11
1の運転員は、制御盤110にこの制御量を入力するこ
とにより下水処理場111を運転制御することができ
る。
【0064】ここで、下水処理場111の運転員は、予
測制御に必要なデータを逐次入力する。これは、図6に
示す観測値601、受入水量・水質604、制御量60
6、目標値613のいずれかに分類される。実際の下水
処理場111における時間応答は比較的遅く、入口から
入った流入水115が処理水116として流出するまで
に数時間程度を要する。下水処理場111の運転員が実
際にデータを入力するのは、1日に2から3回程度であ
る。また、下水のサンプルの化学分析は、1日1回程度
であり、精密な水質計測データの更新は1日1回程度と
なる。したがって、初回以後の、運転員のコンソール1
01からの入力作業負担は軽微なものとなる。
【0065】このように、運転員は下水処理場111の
運転に関する高度の専門知識や経験がなくとも下水処理
場111を運転制御することができ、また、運転管理装
置106や排水水質予測プログラム108、数理モデル
に関する知識も必要としない。排水水質予測プログラム
108を有する運転管理装置106はサービス事業者側
に配備されているので、下水処理事業者は、新たに設備
を導入する必要もない。ここで、図1に示す計測器10
9からのデータの読み取りライン119と、制御盤11
0への制御量の入力ライン120を、人手を介すること
なく、自動的に行うようにすることも技術的に可能であ
るが、個々の下水処理場111ごとに設備を改造する必
要が生じる。また、上流域において著しい降雨量があっ
たときや不測の事態が発生したときには、却って自動運
転が即応の妨げになる恐れがある。したがって、運転制
御に必要な計算結果をコンソール101に通知して、運
転員がこれを確認して実際の運転制御を行うような形態
が好ましい。
【0066】この排水水質予測プログラム108を用い
て、下水処理場111の運転員に対する教育・訓練サー
ビスとして、下水処理場111の運転制御シミュレーシ
ョンを行う環境を提供することができる。図6におい
て、一定の期間、状態推定オブザーバ602、モデル定
数チューナー603、及び下水シミュレータ608を作
動させて、当該の下水処理場111の水質を正しく予測
するように調整した後、サービス事業者は、仮想的な受
入水量・水質604を入力し、訓練を受けようとする下
水処理場111の運転員は、予測値614を目標値61
3に一致させるべく制御量606を入力する。制御量6
07は、運転員に正解を教えるガイダンスとして使うこ
とができる。このように、模擬データを入力すると、下
水処理場111における仮想的な状態量予測値や運転制
御量が計算され、計算された状態量予測値や制御量を基
に仮想環境での運転を行う。その制御結果を確認しなが
ら、次の模擬データを作成して入力するようにすれば、
比較的経験の浅い運転員に対しても短期間で運転技術の
取得を支援することができる。
【0067】また、運転管理装置106のデータ管理機
能を用いて、下水処理場111における運転実績データ
の代行管理サービスを提供することができる。図9は、
運転記録の作表例である。下水処理事業者は、下水処理
場111の運転記録を作成し、保存しなければならない
が、従来の筆記による記録作業と、本発明におけるコン
ソール101からのデータ入力作業とは、多分に重複す
る作業となる。そこで、従来の筆記による運転記録をコ
ンソール101に入力して、双方向通信網103を介し
てサービス事業者の運転管理装置106に送付する。運
転管理装置106はこの運転実績データを記憶装置内に
保存する。そして、下水処理事業者からの求めに応じ
て、保存している運転実績データを基にして、例えば図
9の作表例のような編集を行い、コンソール101に通
知する。下水処理事業者では運転実績データの保管に係
る設備を用意しなくても、必要なデータを必要なときに
引き出すことができる。また、運転実績データの記録、
整理、保管などの人的負担を軽減することができる。こ
のように、サービス事業者は、複数の下水処理場111
について一括して運転実績データを保存し、各下水処理
事業者の求めに応じてこれを提供する。
【0068】さらに、運転管理装置106のデータ分析
機能を用いて、運転実績データを時系列的に編集し分析
することによって、異常データを示す機器を抽出して通
知するサービスを提供することもできる。図10は、下
水処理場111の異常診断に用いる解析例を示す図であ
る。運転管理装置106は、図9のように時系列的に編
集した作表の中から、例えば風量調整弁の開度と風量と
を取り出して、図10のようなグラフを作成する。この
風量調整弁の開度と風量とを示す点は、風量調整弁の特
性線の近くにプロットされる。図10において、時系列
的に編集した風量調整弁の開度と風量とを示すデータ
が、統計的に1σの分散の範囲から外れるようであれ
ば、風量調整弁に何らかの異常が発生している可能性が
高いと判断できる。このように抽出された異常データ
を、双方向通信網103を介して下水処理事業者のコン
ソール101に通知する。或いは風量調整弁の製造業者
に通知するようにしてもよい。下水処理事業者や製造業
者は、通知されたデータに基づいて風量調整弁の点検、
補修を行う。
【0069】サービス事業者は、複数の下水処理場11
1の運転実績データを保存管理しているので、これらの
運転実績データに対してどのような統計処理を行えば、
機器の異常を予測しシグナルを発することができるかと
いった研究や分析を行うことができる。そして、保存し
ている運転実績データを時系列的に統計分析して、異常
データを抽出し、メンテナンス情報として下水処理事業
者に連絡すれば、下水処理事業者では、設備故障の早期
発見や未然防止を行うことができる。また、これに係る
人的負担も軽減される。
【0070】次に、図2及び図3を参照して入力データ
生成プログラム107について説明する。図2は、入力
データ生成プログラム107がコンソール101に表示
する入力画面例である。図3は、制御系に関する詳細な
入力画面例である。下水処理場111の運転員は、コン
ソール101に表示されるこれらの入力画面に所定の順
序でデータを入力することで、排水水質予測プログラム
108の入力データを生成することができる。
【0071】図2において、画面201の上部には、下
水処理場111を構成する設備要素のアイコンが表示さ
れている。入口202、嫌気槽203、好気槽204、
沈殿槽205、と名称の付いた4種類のアイコンが用意
されている。また、リンクと名前の付いた矢印のアイコ
ン206、制御量と名称の付いたアイコン207が用意
されている。各下水処理場111の設備構成はそれぞれ
に異なっているが、これらの設備要素自体は共通であ
る。設備要素アイコンを選択指定して組み合わせること
によって、下水処理場111の構成をモデル化して、実
際の構成を模擬した画面を作成することができる。
【0072】まず、タンクのアイコンをクリックして画
面201の適当な位置に貼り付ける。一つのタンクアイ
コンが貼り付けられるたびに、タンクアイコンには自動
的に番号が付与される。また、一度貼り付けたアイコン
を消去することもできる。そのときは、番号が改めて付
与される。貼り付けられた1つのタンクアイコンには、
タンクプロパティ(タンクの属性)と呼ばれる入力窓2
08が生成される。
【0073】次いで、リンクアイコン206をクリック
した後、任意の2つのタンクアイコンをクリックする
と、2つのタンク間を始点と終点とで結んだ矢印が表示
される。このリンクアイコンにも自動的に番号が付与さ
れる。また、リンクを消去することもできる。このリン
クは2つのタンクを繋ぐ流路を表現している。一つのリ
ンクアイコンには、リンクプロパティと呼ばれる入力窓
210が生成される。
【0074】任意のタンクアイコンをクリックすると、
そのタンクのタンクプロパティ208が開き、タンクN
o、入力ノードNo、出力ノードNo、体積などの入力
窓が表示される。ここで、タンクNo、入力ノードN
o、出力ノードNoなどは、入力データ生成プログラム
107が把握しており、既に数値が入っているので、そ
の数値を確認するだけでよい。ここで、入力ノードN
o、出力ノードNoとは、タンクの入力端、出力端に繋
がるリンク番号のことである。タンクの体積は、下水処
理場111の個別データとして入力されるべき情報であ
り、この入力窓に実際のタンク体積値を入力する。
【0075】次いで、タンクプロパティ208の観測水
質項目のボタンをクリックすると、水質項目プロパティ
と名前の付いた入力窓209が開く。この中には、溶存
酸素濃度、菌体濃度、アンモニア性窒素、硝酸性窒素、
溶性リン濃度、などの項目が並んでいる。もし、この中
に当該の下水処理槽の中で計測されている項目があれ
ば、その項目をクリックし、観測値を入力する。さら
に、当該の下水処理槽の中で、例えば溶存酸素濃度を一
定に保つなど、制御したい目標値がある場合には、次の
目標水質項目のボタンをクリックすると、同じく水質項
目プロパティ209が開くので、ここで該当する水質項
目と制御目標値を入力する。下水処理場111に設置さ
れている計測器109や制御目標などは、下水処理場1
11ごとに異なるので、各下水処理事業者から入力され
るべき情報である。この操作を全てのタンクアイコンに
ついて行う。
【0076】任意のリンクアイコンをクリックすると、
そのリンクのリンクプロパティ210が開く。ここで、
このリンクに繋がる入口側のタンクNoと出口側のタン
クNoは、これまでに入力した情報によって入力データ
生成プログラム107が自動的に認識しており、既に数
値が入っているので、その数値を確認するだけでよく、
流路の流量のみを入力する。この操作を全てのリンクア
イコンについて行う。
【0077】ここで、タンクアイコンやリンクアイコン
の繋がりは、始めに一度だけ設定すれば、以後、同じデ
ータが使えるので、当該の下水処理場111固有の個別
入力データとして運転管理装置106に保存される。そ
して、予測制御を行いたい時点で、その時点での流量や
水質観測値などの状態量のみを書き換えて入力すればよ
い。
【0078】ところで、リンクプロパティ210の流量
を入力することは、この流量を何らかの測定によって把
握し、その値を入力データとして扱うことを意味する。
しかし、下水処理場111においては、しばしば流量は
下水処理場111を運転制御するための制御量であり、
流量はある入力値に対する出力値として与えられる場合
が多い。例えば、ポンプや弁の制御信号が入力として与
えられ、ポンプや弁がこれに応答して駆動され、その出
力として流量が与えられる。
【0079】このようなケースに対応するため、本実施
の形態例では、制御量アイコン207を用いて当該の流
量が制御量であることを指定する。制御量となり得るも
のには、流路の流量と好気槽113における散気風量が
ある。図2において、画面201の上部にある矢印型を
した制御量アイコン207をクリックし、この矢印がリ
ンクアイコン或いは好気槽アイコン204の散気管を指
し示すように、画面201上に貼り付ける。制御量アイ
コン207を貼り付けると、これに対応して制御量プロ
パティと名称の付いた入力窓211が生成される。
【0080】次いで、この制御量プロパティ211を開
くと、図3に示す詳細画面が表示される。図3は、制御
量プロパティ211を開いた状態での画面表示例であ
る。この画面は、下水処理場111の機械系、電気系の
制御を再現し、下水処理槽の流量或いは散気風量を出力
値として持つ制御系システムのモデルを組み立てて排水
水質予測プログラム108の入力データを生成するもの
である。
【0081】下水処理場111の制御方式は、個々の下
水処理場111ごとに異なっており、その制御系システ
ムは複雑になっている。入力データ生成プログラム10
7は、これらの任意の制御系システムに対応できる汎用
性を有している。図3に示す制御量プロパティ211の
画面において、画面上部には、比例要素301、積分要
素302、微分要素303、加算要素304、計測器3
05、入力306、及び出力307などの制御要素アイ
コンが用意されている。これらの制御要素アイコンを選
択指定して組み合わせることによって、任意の制御系シ
ステムをモデル化することができる。
【0082】一例として、ある下水処理場111が、図
4に示すような溶存酸素濃度一定制御方式を採用してい
るときのモデル化について説明する。図4において、あ
る下水処理槽401の溶存酸素濃度402を観測し、2
台のPIDコントローラ404と405とを用いて風量
調整弁408の弁開度407を調整して散気風量409
を制御して、溶存酸素濃度が常に一定の目標値に保たれ
るように制御が行われる。
【0083】この制御例に対して、図3に示す制御量プ
ロパティ211では、次のような手順で入力を行う。図
3において、画面上部の制御要素アイコンをクリックし
て、適当な位置に貼り付ける。制御要素アイコンを貼り
付けると、これに対応する制御要素プロパティと呼ばれ
る入力窓が生成される。貼り付けられた制御アイコンに
は順番に自動的に番号が付与される。1制御要素1出力
となっているので、制御要素の番号と出力信号の番号と
は同一番号となる。制御要素アイコンから出ている矢印
をクリックして、その終点を別の制御要素アイコンに重
ねると、制御要素同士が繋がり、制御系システムが構築
される。図3では、2台のPIDコントローラ1,2と
風量調節弁308とにより散気風量を制御するシステム
を示しており、これは図4に示した制御系と等価なシス
テムである。
【0084】次いで、それぞれの制御要素アイコンをク
リックして制御要素プロパティを開き、所定のデータを
入力する。例えば、12番の制御要素をクリックする
と、積分要素プロパティ312が開く。ここでは、自ら
の要素番号(エレメントNo)及びこの制御要素に入っ
てくる入力信号の番号(入力ノードNo)は、既に入力
データ生成プログラム107によって把握されているの
で、自動的に表示されている。積分要素312は、積分
時定数T12をパラメータとして有するので、その値を入
力する。
【0085】制御要素2番の入力要素アイコン306
は、任意の次元を有する任意の数値を入力できる制御要
素である。ここでは、入力要素プロパティ314の中に
下水処理槽の溶存酸素濃度目標値を入力する。このと
き、制御量プロパティ211の中にある入力要素306
は、制御量とみなされる。すなわち、本来、下水処理場
111の制御量は散気量や流量などであるが、制御量プ
ロパティ211に記述された制御系が介在することによ
り、実際のシステムの制御量が流量から入力要素に変更
される。この例では、制御量は溶存酸素濃度目標値にな
る。
【0086】計測器要素アイコン305は、下水処理場
111において測定されている水質値を制御系システム
に取り込むために用意されている要素である。制御要素
1番のアイコンをクリックすると計測器要素プロパティ
313が開く。ここでは、計測器が設置されている下水
処理槽のタンクNoと計測されている水質項目とを入力
する。水質項目のボタンをクリックすると、図2に示し
たと同様の水質項目プロパティ209が開くので、この
水質項目リストの中から実際に測定されている水質項目
を選択する。
【0087】制御要素番号16番の出力要素は、制御系
の出口を指定する要素である。もともと制御量プロパテ
ィ211の全体は、図2における制御要素アイコンの属
性を指定するものであるから、この制御系の出口は、タ
ンクの散気量か、リンクの流量のいずれかになる。した
がって、出力要素プロパティ315においては、タンク
の散気量かリンクの流量のいずれかをクリックして選択
し、そのタンクNo或いはリンクNoを入力する。
【0088】このように、入力データ生成プログラム1
07によってコンソール101上に所定の入力画面が作
成される。この入力画面には予め定型化された設備要素
アイコン及び制御要素アイコンが用意されている。これ
らのアイコンを選択指定して組み合わせると、下水処理
場111の構成と制御系システムとをモデル化した画面
が作成される。この画面には下水処理場111の個別入
力項目欄が作成される。この個別入力項目欄に所定のデ
ータが入力されると、その下水処理場111の実際に即
した入力データが自動的に生成される。この一連の手順
は、運転管理装置106とコンソール101との間で質
問と応答とが繰り返されるような対話式で行われる。し
たがって、下水処理事業者側では数理モデル、排水水質
予測プログラム108や運転管理装置106などに関す
る専門知識がなくても、実際の下水処理場111に即し
た入力データを自動的に生成することができる。
【0089】次に、下水処理事業者におけるデータの入
力操作について説明する。下水処理場111の運転員
は、コンソール101を用いてこの操作を行う。ここ
で、サービス事業者にも同様のコンソール104が配備
されている。サービス事業者の担当者は、このコンソー
ル104を用いて、下水処理場111の運転員に対して
入力操作を適宜アドバイスを行う。入力データ生成プロ
グラム107は、2つのコンソール101,104に対
して、図2及び図3に示す入力画面を表示設定する。下
水処理場111の運転員は、計測器109から計測値を
読み取り、コンソール101に表示される指示に従って
数値を入力する。この入力行為は図1において119の
線で示されている。このとき、サービス事業者の担当者
もコンソール104を用いて同一画面を参照することが
できるので、電話などを通じて下水処理場111の運転
員に対して入力方法をガイドすることができる。
【0090】ところで、運転員が当該の下水処理場11
1の制御系システムについて、図4に示す程度の知識は
有していても、詳細な信号経路までは掌握していないこ
とが考えられる。或いは個々のPIDコントローラに設
定されるチューニング定数までは把握していないことも
考えられる。このような場合には、双方向通信網103
を用いて、下水処理場111の制御設備を設計業者や施
工業者に直接問い合わせることができる。例えば、これ
らの計装設備業者にもコンソール101と通信装置10
2とを一時的に配備して、必要な情報を入力して貰うこ
とができる。
【0091】一例として、風量調整弁の機器特性を例に
説明する。図3に示している関数要素アイコン308
は、図4に示す制御系における風量調整弁408の弁開
度407と風量409との関係を与える機器特性を設定
するものである。図5は、図3の関数要素アイコン30
8の関数要素プロパティ311を開いたときに表れる詳
細な入力窓の構成例を示している。関数要素プロパティ
311のTableというボタンをクリックすると、関
数xとF(x)とを表形式で入力する窓501が表れ
る。さらにグラフというボタンをクリックすると、これ
をグラフ形式で表示する窓502が表れる。設備業者の
担当者は、コンソールから関数xとF(x)との表を入
力すればよい。
【0092】このようにして、運転員には実質的な負担
をかけることなく、サービス事業者と電気、機械、計装
などの個別の業者との間で必要な情報を集積していくこ
とができる。また、制御量プロパティ211に入力され
るデータは、入力要素306を除いて、全て初回に一度
入力しておけば、その後の再入力は必要ない。
【0093】下水処理場111の設備構成や観測水質項
目などは、それぞれの下水処理場111ごとに全て異な
る。排水水質予測プログラム108に対する入力データ
は、これらの個別入力データによって与えられるが、入
力データ生成プログラム107が多数の下水処理場11
1に対して共通に適用することができる。したがって、
下水処理場111ごとに異なる個別入力データを効率よ
く自動的に生成することができる。運転員に数理モデル
や計算プログラムの構成に関する知識を要求することが
なく、ヒアリングに過度の負担をかけることもない。
【0094】以上、本発明の実施の形態について下水処
理場における例を用いて説明したが、本発明はこの実施
の形態例にのみ限定されることなく、広く変形して実施
することが可能である。浄水処理場においても同様の方
法を適用することができる。排水水質予測プログラムに
ついては、他の手法を採用してもよい。また、運転管理
装置にログデータを採取する機能と料金計算を行う機能
とを具備して、運転管理サービスを有償で提供すること
もできる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は以下の効
果を奏する。 (1)請求項1の発明によれば、複数の排水処理場にお
ける制御プロセスに対応した数理モデルを用いて、各排
水処理場の運転に必要な状態量の適正予測データを計算
する運転管理装置を提供することができる。 (2)請求項2の発明によれば、複数の排水処理場にお
ける制御プロセスに対応した数理モデルを用いて、各排
水処理場の運転に必要な制御量の適正データを計算する
運転管理装置を提供することができる。 (3)請求項3の発明によれば、複数の排水処理場にお
ける制御プロセスに対応した数理モデルを有する運転管
理装置を用いて、各排水処理場の運転に必要な状態量の
適正予測データを計算する運転管理サービスを提供する
ことができる。 (4)請求項4の発明によれば、複数の排水処理場にお
ける制御プロセスに対応した数理モデルを有する運転管
理装置を用いて、各排水処理場の運転に必要な制御量の
適正データを計算する運転管理サービスを提供すること
ができる。 (5)請求項5の発明によれば、熟練した運転制御技
術、数理モデルによる予測制御及び運転管理装置の知
識、新たにシステムの導入や改造、運転員の負担増など
を生じることなく、各排水処理場の運転に必要な状態量
予測や制御量を計算する運転管理サービスを提供するこ
とができる。 (6)請求項6の発明によれば、実際の環境を模擬した
運転員に対する教育・訓練を行う運転制御シミュレーシ
ョンサービスを提供することができる。 (7)請求項7の発明によれば、排水処理事業者では新
たな設備の導入、維持管理の人的負担などが生じること
なく、運転実績データの代行管理サービスを提供するこ
とができる。 (8)請求項8の発明によれば、異常データを抽出して
診断サービスを提供することができ、設備故障の早期発
見や未然防止を行うことができる。 (9)請求項9の発明によれば、異なる排水処理事業所
を対象として、実際の設備状況に即した個別入力データ
を自動的に生成することができる。 (10)請求項10の発明によれば、任意の制御方式に
対応した入力データを自動的に生成することができる。 (11)請求項11の発明によれば、所定の入力画面に
従って簡単にデータを入力することができ、作業負担を
軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の運転管理サービス方法を適用した下水
処理システムの構成図である。
【図2】入力データ生成プログラムによって表示される
入力画面例である。
【図3】入力データ生成プログラムによって表示される
制御量プロパティの画面例である。
【図4】溶存酸素濃度一定制御を行う制御方式の構成図
である。
【図5】制御量プロパティ中の関数要素プロパティの詳
細画面例である。
【図6】排水水質予測プログラムの構成図である。
【図7】状態推定オブザーバとモデル定数チューナーと
を同時に実現するアルゴリズムを示すフローチャートで
ある。
【図8】最小分散制御パラメータ同定部のアルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図9】運転記録の作表例である。
【図10】下水処理場の異常診断に用いる解析例であ
る。
【符号の説明】
101 下水処理事業者側のコンソール(操作卓) 102 下水処理事業者側の通信機器 103 双方向通信網 104 サービス事業者側のコンソール(操作卓) 105 サービス事業者側の通信機器 106 運転管理装置 107 入力データ生成プログラム 108 排水水質予測プログラム 109 計測器 110 制御盤 111 下水処理場

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水の状態量を入力する手段と、排水処
    理の制御プロセスをモデル化した数理モデルと、入力さ
    れた排水の該状態量と前記数理モデルに基づいて該排水
    の状態量を予測する手段と、を備えたことを特徴とする
    排水処理場の運転管理装置。
  2. 【請求項2】 排水の状態量を入力する手段と、排水処
    理の制御プロセスをモデル化した数理モデルと、入力さ
    れた排水の該状態量と前記数理モデルとに基づいて該排
    水の制御量を計算する手段と、を備えたことを特徴とす
    る排水処理場の運転管理装置。
  3. 【請求項3】 排水の状態量を運転管理装置に入力する
    工程と、排水処理の制御プロセスをモデル化した数理モ
    デルと入力された排水の該状態量とに基づいて該排水の
    状態量を予測する工程と、を備えたことを特徴とする排
    水処理場の運転管理サービス方法。
  4. 【請求項4】 排水の状態量を運転管理装置に入力する
    工程と、排水処理の制御プロセスをモデル化した数理モ
    デルと入力された排水の該状態量とに基づいて該排水の
    制御量を計算する工程と、を備えたことを特徴とする排
    水処理場の運転管理サービス方法。
  5. 【請求項5】 常時運転され制御されるべき排水処理場
    と、前記排水処理場における排水の状態量を計測する計
    測器と、前記排水処理場を制御する制御盤と、所定の運
    転管理装置との間でデータ通信を行うコンソールとを配
    備して前記排水処理場の運転を行う複数の排水処理事業
    者に対して、サービス事業者が前記運転管理装置と双方
    向通信網とを用いて前記複数の排水処理場の運転に係る
    運転管理サービスを提供する方法であって、前記運転管
    理装置が前記排水処理場の制御プロセスを模擬する数理
    モデルに基づいた排水水質予測プログラムを具備して、
    前記コンソールから入力された前記計測器で計測された
    状態量を受信して、該状態量を前記排水水質予測プログ
    ラムに入力して、前記排水処理場における排水の状態量
    及び/又は制御量を計算して、該計算結果を前記コンソ
    ールに通知することを特徴とする排水処理場の運転管理
    サービス方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれか1項に記載
    の排水処理場の運転管理サービス方法において、前記運
    転管理装置に入力される状態量が模擬データであって、
    この模擬データが前回の計算結果を確認しながら作成さ
    れたデータであることを特徴とする排水処理場の運転管
    理サービス方法。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし5のいずれか1項に記載
    の排水処理場の運転管理サービス方法において、前記運
    転管理装置が前記排水処理場の運転実績データを時系列
    的に編集して保存する機能を具備して、前記コンソール
    から入力された前記運転実績データを受信して、この運
    転実績データを保存して、前記排水事業者からの要求に
    応じて保存している運転実績データを編集して出力する
    ことを特徴とする排水処理場の運転管理サービス方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の排水処理場の運転管理
    サービス方法において、前記運転管理装置が前記運転実
    績データを時系列的に編集し分析する機能を具備して、
    所定の時期に保存している運転実績データを時系列的に
    編集し分析して、異常データを示す機器を抽出して出力
    することを特徴とする排水処理場の運転管理サービス方
    法。
  9. 【請求項9】 常時運転され制御されるべき排水処理場
    と、前記排水処理場の排水の状態量を計測する計測器
    と、前記排水処理場を制御する制御盤と、所定の運転管
    理装置との間でデータ通信を行うコンソールとを配備し
    て前記排水処理場の運転を行う複数の排水処理事業者に
    対して、サービス事業者が前記運転管理装置と双方向通
    信網とを用いて、前記コンソールからの入力データを基
    にして前記複数の排水処理場の運転に係る運転管理サー
    ビスを提供するときの、前記入力データの生成方法であ
    って、前記運転管理装置が前期排水処理事業者ごとに所
    定の入力画面を設定するプログラムを具備して、前記コ
    ンソールに前記排水処理場の設備を構成する設備要素を
    選択可能に表示して、この設備要素を用いて当該排水処
    理場の構成をモデル設定できるようにし、該排水処理場
    の個別入力項目欄を表示して、この個別入力項目に所定
    のデータが入力されると該排水処理場の設備構成に応じ
    た前記入力データが自動的に生成されることを特徴とす
    る入力データ生成方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の入力データ生成方法
    において、前記コンソールに前記排水処理場の制御系シ
    ステムを構成する制御要素を選択可能に表示して、この
    制御要素を用いて当該排水処理場の制御系システムをモ
    デル設定できるようにし、該排水処理場の制御システム
    に応じた前記入力データが自動的に生成されることを特
    徴とする入力データ生成方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の入力データ
    生成方法において、前記入力データの生成が前記運転管
    理装置と前期コンソールとの間で対話形式によって行わ
    れることを特徴とする入力データ生成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020021688A1 (ja) * 2018-07-26 2020-08-06 三菱電機株式会社 水処理プラントおよび水処理プラントの運転方法
JP2020163300A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 栗田工業株式会社 水処理装置の管理システム
CN112759048A (zh) * 2020-12-21 2021-05-07 上海熊猫机械(集团)有限公司 一种pac溶液智能投加控制方法

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