JP2002253225A - ウシの脳由来の細胞表面スフィンゴミエリナーゼ、その単離方法及び抗スフィンゴミエリナーゼモノクローナル抗体 - Google Patents

ウシの脳由来の細胞表面スフィンゴミエリナーゼ、その単離方法及び抗スフィンゴミエリナーゼモノクローナル抗体

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JP2002253225A
JP2002253225A JP2001037192A JP2001037192A JP2002253225A JP 2002253225 A JP2002253225 A JP 2002253225A JP 2001037192 A JP2001037192 A JP 2001037192A JP 2001037192 A JP2001037192 A JP 2001037192A JP 2002253225 A JP2002253225 A JP 2002253225A
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デ キョン キム
Son Yun Jon
ソン ユン ジョン
Kuwan Muku Jon
クワン ムク ジョン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ウシ脳由来の細胞表面スフインゴミエリナー
ゼ、その単離法及び抗スフインゴミエリナーゼ抗体の提
供。 【解決手段】 分子量60kDa、Mg2+依存性、最適
pH6.0〜9.0であるウシ脳由来のスフインゴミエ
リナーゼ。該酵素は次の順序で分離精製される。ウシの
脳組織を均質化、遠心分離して細胞デブリ及び細胞核を
除去し;その上清から細胞膜を分離してペレットとし;
これを特定成分含有のバッファーで処理して該酵素を膜
から分離し;得られた抽出物をアニオン交換クロマトグ
ラフイーに付し;当該画分を特定成分含有のバッファー
中で超音波処理し、さらに遠心分離して該酵素を含む上
清を得て;疎水性相互作用、アニオン交換高速液体、疎
水性相互作用高速液体、及びカチオン交換高速蛋白液体
の各クロマトグラフイ処理に付す。モノクロナール抗体
はハイブリドーマSMIA5により得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最適pHが中性で
ある 細胞表面(membrane-associated)スフィンゴミエリ
ナーゼ、その単離方法及びそれに対するモノクローナル
抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】信号変換(signal transduction)におけ
る第二伝達物質として働くセラミドは、細胞分化、細胞
周期の一時的停止(cell cycle suspension)、細胞老
化、細胞自滅(apoptosis)等を含む様々な細胞応答に関
連する。セラミドは、膜リン脂質であるスフィンゴミエ
リナーゼの加水分解の結果として主に生成される。
【0003】スフィンゴミエリナーゼ(SMase)
は、スフィンゴミエリンをセラミドとホスホコリンとに
加水分解する働きがあり、そのアイソザイム(isozyme
s)、即ち、中性pHに最適なリポソームSMase(A
-SMase);酸性pHに最適な亜鉛依存性細胞質S
Mase;アルカリ性pHに最適なSMase;中性p
Hに最適なMg2+依存性細胞質SMase(N−cSM
ase);及び中性pHに最適なMg2+依存性細胞表面
SMase(N−mSMase)が知られている。A−
SMase及び中性型SMase類は、1α,25-ジヒ
ドロキシビタミンD 3、腫瘍壊死因子(tumor necrosis f
actor)-α、インターロイキン-1β、神経成長因子類、
化学療法薬剤類、血漿欠乏等の細胞外刺激に応じて濃度
が増加することが知られている。
【0004】近年、酸性pHに最適なヒトの尿由来のS
Maseが単離され、この酵素をコードするcDNAの
クローニングに成功した(キンターン(Quintern), L.E.
ら、EMBO J., 8, 2469-2473(1989))。本発明者らもま
た、活性がMg2+に依存し、かつグルタチオン及びDT
T感受性である75kDaの細胞質N-cSMaseを
単離し、特性を調べその内容を特許出願した(韓国特許
出願第98-28187号)。
【0005】一方、殆どのN-mSMase類は、疎水
性が高いため単離することが非常に困難であるので、そ
の特性は未だ完全には解明されていない。そのような困
難にもかかわらず、分子量が47.5kDaのN-mS
Maseが哺乳類細胞からクローニングされた(トミウ
ク(Tomiuk),Sら、Proc.Natl.Acad.Sci.米国、95、3638
-3643A(1998))。しかし、このN-mSMaseは、ト
リトンX-100を用いて分離され得る細胞表面蛋白質
であるが、TNF-α信号変換経路には無関係であると
記載されている。トリトンX-100を用いて、ラット
の脳から部分的に精製された状態で別のN-mSMas
eを単離することに成功した(リウ(Liu),B.ら、J.Bio
l.Chem.、273、34472-34479(1988))。部分的に精製さ
れたN-mSMaseの活性が、グルタチオン(酵素活
性が50%阻害される濃度(IC50);2.5mM)に
よって阻害され、DTT及びホスファチジルセリンによ
って促進されることが報告されている。本発明者らは、
2種類の新規N-mSMaseをウシの脳から完全に単
離することに成功した。この新規N-mSMaseは、
一つは4種のアイソザイム(T-mSMaseA、B、
C及びD)からなる分子量35kDaのものであり、他
方は2種のアイソザイム(S-mSMaseI及びI
I)からなる分子量40kDaのものであり、前者をト
リトンX-100を用いて単離し、後者を硫酸アンモニ
ウムを用いて単離して両者の特性の解明を行った。その
内容は特許出願中である(韓国特許出願第98-281
87)。
【0006】特に、脳細胞に存在するN-mSMase
類は、脳疾患の主な病因であると考えられている。なぜ
なら、脳細胞においてセラミドにより伝達される信号変
換経路は、神経細胞の死滅を招き、その結果、パーキン
ソン病又はアルツハイマー症、低親和性ニューロトロフ
ィン(low affinitive neurotrophin)受容体(p75N
TR)の媒介に関与する乏突起神経膠細胞類(oligodend
rocytes)、PC12細胞類及びT9細胞類の自滅、TN
F-αにより生じる乏突起神経膠細胞の自滅、及び虚血
性脳損傷などのいくつかの中枢神経系疾患の病理が引き
起こされるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】そこで、本発明の目的は、パーキンソン病、ア
ルツハイマー症等の脳疾患のための治療薬の開発に役立
つ、ウシの脳から単離される中性pHに最適な細胞表面
スフィンゴミエリナーゼを提供することである。本発明
のもう一つの目的は、そのようなスフィンゴミエリナー
ゼをウシの脳から調製する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、前記スフィンゴミエリナーゼに
特異的なモノクローナル抗体を提供することである。
【0008】本発明の第一の態様によれば、分子量が6
0kDaであり、活性がMg2+に依存し、最適pHが
6.0〜9.0の範囲であるウシの脳のニューロン膜由
来のスフィンゴミエリナーゼが提供される。
【0009】本発明の第二の態様によれば、以下の段階
を含む本発明によるスフィンゴミエリナーゼの単離方法
が提供される。即ち、ウシの脳細胞を均一化し(homogen
izing)、得られたホモジェネート(homogenate)を遠心分
離して細胞デブリ(debri)及び細胞核を除去し、遠心分
離により上清から細胞膜を分離してペレットを得る。硫
酸アンモニウム含有バッファーにより細胞膜ペレットを
処理し、この膜からスフィンゴミエリナーゼを分離し、
得られた抽出物をアニオン交換クロマトグラフィー(ani
on exchange chromatography)に付し、クロマトグラフ
ィー画分をトリトンX-100含有バッファー中で超音
波処理する。超音波処理した画分を遠心分離してスフィ
ンゴミエリナーゼを含む上清を得て、その上清を、疎水
性相互作用クロマトグラフィー(hydrophobic interacti
on chromatography)、アニオン交換高速液体クロマトグ
ラフィー(anion exchange high-performance liquid ch
romatography)、疎水性相互作用高速クロマトグラフィ
ー(hydrophobic interaction high performance liquid
chromatography)及びカチオン交換高速蛋白質液体クロ
マトグラフィー(cation exchange fast protein liquid
chromatography)にこの順序で付してスフィンゴミエリ
ナーゼを精製する。
【0010】本発明の第三の態様によれば、ハイブリド
ーマ(Hybridoma)SM1A5(寄託番号KCLRF-BT
-00025号)により生成されるスフィンゴミエリナ
ーゼに対するモノクローナル抗体が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、スフィンゴミエリンを
セラミドとホスホコリンとに加水分解する酵素活性を有
するウシの脳の神経細胞膜から単離される細胞表面(mem
brane-bound)蛋白質に関する。
【0012】本発明のスフィンゴミエリナーゼは、スフ
ィンゴミエリンに対して他のリン脂質を基質として使用
した場合の活性よりも50倍高い酵素活性を示し、Km
が47μmでVmaxが1,587nmol/min/m
gである。
【0013】このスフィンゴミエリナーゼは、Mg2+
依存することに加え、6.0〜9.0のpH範囲で活性
を示し、最適活性はpH7.5の場合に示される。ま
た、本発明のスフィンゴミエリナーゼの活性は、陽イオ
ンの影響を受ける。酵素活性は、Cu2+、Zn2+及びF
2+の全てによって阻害されるが(IC50値はそれぞれ
28μM、32μM及び47μM)、Fe3+の存在下で
は1.8倍に増加する。興味深いことに、スフィンゴミ
エリナーゼの活性は、Fe2+により減少するが、Fe3+
により向上する。
【0014】本発明のスフィンゴミエリナーゼの活性に
影響し得る別の種類の化合物としては、グルタチオン、
酸化グルタチオン、システイン、システイン-グリシ
ン、及びγ-グルタル酸-システインが挙げられる。本発
明のスフィンゴミエリナーゼは、グルタチオンの濃度に
対して2つの異なる挙動を示す。グルタチオンの濃度が
3mMまで増加する場合にはスフィンゴミエリナーゼの
活性は増加する。一方、グルタチオン濃度が3mMを超
えて増加するとスフィンゴミエリナーゼの活性は減少
し、10mM(IC50;8.0mM)のグルタチオン濃
度において完全に阻害される。GSSG、システイン、
システイン-グリシン、及びγ-グルタル酸-システイン
のそれぞれの濃度の増加は、スフィンゴミエリナーゼの
活性の低下をもたらす。特に、本発明のスフィンゴミエ
リナーゼのグルタチオン枯渇に対する感度は、リウ(Li
u)の部分精製N-mSMaseのものよりもはるかに高
い(リウ(Liu),B.ら、J.Biol.Chem.、273、34472-344
79(1998))。一方、ジチオスレイトール及び2-メルカ
プトエタノールのいずれも、スフィンゴミエリナーゼの
活性に影響を与えない。
【0015】本発明のスフィンゴミエリナーゼの活性
は、デオキシコール酸ナトリウム(sodium deoxycholat
e)やトリトンX-100のような活性剤からも影響を受
け得る。本発明のスフィンゴミエリナーゼは、デオキシ
コール酸ナトリウムの濃度が1mMの場合に、デオキシ
コール酸ナトリウムが存在しない場合よりも30倍高い
最適活性を示す。本発明のスフィンゴミエリナーゼは、
トリトンX-100の濃度が0.005%の場合に、ト
リトンX-100が存在しない場合よりも1.5倍高い
最適活性を示す。
【0016】本発明のスフィンゴミエリナーゼは、神経
膠(neuroglial)細胞中ではなく、ウシの脳皮質中のニュ
ーロン膜中で確認される。スフィンゴミエリナーゼは、
疎水性が非常に高く、且つ塩化ナトリウム又は硫酸アン
モニウムによって膜から可溶化され得るという事実から
推論した結果、イオン結合を介して膜に結合する周辺蛋
白質(peripheral protein)の一種であると考えられてい
る。
【0017】本発明のスフィンゴミエリナーゼは、これ
らの特徴を利用することによって以下のように精製され
得る。まず初めに、ウシの脳組織を通常の手法により均
質化し、次いでホモジェネートを遠心分離して細胞デブ
リ及び細胞核を除去する。上清を再度遠心分離して細胞
膜ペレットを得る。この細胞ペレット上で、硫酸アンモ
ニウムを含むバッファーを用いて通常の蛋白質分離法を
行う。ここでは、トリトンX-100によって単離され
るスフィンゴミエリナーゼは、硫酸アンモニウムによっ
ては単離されない。こうして得られた硫酸アンモニウム
抽出物は、次の段階においてスフィンゴミエリナーゼ源
として使用される。
【0018】次いで、硫酸アンモニウム抽出物をアニオ
ン交換クロマトグラフィーで処理する。アニオン交換ク
ロマトグラフィーにおいて有用なカラムとしては、DE
AE-セルロース(ワットマン・バイオシステム社(What
man Biosystem Ltd.)、英国)、QAE-セルロース(ワ
ットマン・バイオシステム社(Whatman Biosystem Lt
d.)、英国)、DEAE-セファロース(cephalose)(フ
ァルマシア・バイオテクノロジー社(Pharmacia Biotech
nology Inc.)、スウェーデン)、DEAE-トヨパール
(Toyopearl)(東ソー株式会社、日本)、及びQAE-ト
ヨパール(東ソー株式会社、日本)が挙げられ、DEA
E-セルロースが好ましい。クロマトグラフィーにおい
て使用するために、DEAE-セルロースカラムをバッ
ファーD(pH7.5の25mM トリス-HCl、1m
M EDTA及び10mM 2-メルカプトエタノール)
によってあらかじめ平衡化する。硫酸アンモニウム抽出
物を、平衡化されたDEAE-セルロースカラムに注入
後、0.5Mの硫酸アンモニウム及び0.1%のトリト
ンX-100を含むバッファーDによって溶出を行う。
活性画分は単一ピークとして検出される。
【0019】スフィンゴミエリナーゼを可溶化するため
に0.1%のトリトンX-100を含有するバッファー
中で超音波処理した後、活性画分から不溶性脂質成分を
遠心分離によって除去する。この段階は、スフィンゴミ
エリナーゼを効率的に回収するために非常に重要であ
る。この段階を経ない場合、高い疎水性を有する細胞表
面スフィンゴミエリナーゼが他の脂質成分と凝集してし
まい、その凝集物からスフィンゴミエリナーゼを回収す
ることは極めて困難である。不溶性脂質成分を含まない
上清は、硫酸アンモニウム溶液を添加した後疎水性相互
作用クロマトグラフィーで処理される。このクロマトグ
ラフィーにおいて有用なカラムとしては、ブチル-トヨ
パール650M(東ソー株式会社、日本)、フェニル-
トヨパール650M(東ソー株式会社、日本)、ブチル
-セファロース(ファルマシア・バイオテクノロジー
社)が挙げられる。中でも、ブチル-トヨパール650
Mカラムが好ましい。ブチル-トヨパール650Mカラ
ムは、疎水性相互作用クロマトグラフィーにおいて使用
するために0.5Mの硫酸アンモニウムを含むバッファ
ーDによってあらかじめ平衡化される。硫酸アンモニウ
ムを含む上清を、平衡化されたカラムに注入した後、
0.2Mの硫酸アンモニウムを含むバッファーDによ
り、その後水により、スフィンゴミエリナーゼを溶出す
ることができる。活性画分は単一ピークとして検出され
る。
【0020】その後、アニオン交換高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)によって活性画分を更に精製す
る。アニオン交換HPLCには、DEAE-5PW(東
ソー株式会社、日本)、モノ(Mono)Q(ファルマシア・
バイオテクノロジー社、スウェーデン)、モノP(ファ
ルマシア・バイオテクノロジー社、スウェーデン)、リ
ソース(Resource)Q(ファルマシア・バイオテクノロジ
ー社、スウェーデン)、のような市販のカラムを使用す
ることができ、中でもDEAE-5PWが好ましい。D
EAE-5PW HPLCを、クロマトグラフィーに使用
する前にバッファーDによって平衡化する。平衡化した
カラムに活性画分を注入し、次いで0.5Mの硫酸アン
モニウム及び0.1%のトリトンX-100を含むバッ
ファーDを用いて線形勾配(linear gradient)をかけて
溶出する。活性画分は単一ピークとして検出される。
【0021】次いで、得られた活性画分を疎水性相互作
用HPLCで処理する。この疎水性相互作用HPLCに
おける使用に適したカラムとしては、フェニル-5PW
ガラス、エーテル-5PWガラス、エーテル-5PW、ブ
チル-NPR(東ソー株式会社、日本)、SOURCE
15ETH、SOURCE 15ISO、SOURCE
15PHE、フェニルセファロース高速、ブチルセファ
ロース4高速(fast flow)、オクチルセファロース4高
速、及びフェニルセファロース6高速(ファルマシア・
バイオテクノロジー社)が挙げられ、中でもフェニル-
5PWカラムが好ましい。フェニル-5PWカラムは、
活性画分を注入する前に0.2Mの硫酸アンモニウムを
含むバッファーDによって平衡化される。蒸留水を用い
て線形勾配をかけて溶出を行う。目的の活性画分は、そ
れぞれピークε及びζと名付けた2つのピークとして検
出される。
【0022】最後に、こうして得られた活性画分をカチ
オン交換高速蛋白質液体クロマトグラフィー(FPL
C)で処理する。このFPLCにおける使用に適したカ
ラムとしては、モノ(Mono)S FPLC(ファルマシア
・バイオテクノロジー社、スウェーデン)、リソースS
(ファルマシア・バイオテクノロジー社、スウェーデ
ン)及びSP-5PW(東ソー株式会社、日本)が挙げ
られ、モノS FPLCカラムが好ましい。モノSカチ
オン交換FPLCカラムは、活性にするためにバッファ
ーS(pH6.5の25mM 酢酸ナトリウム及び1m
M EDTA)によってあらかじめ平衡化される。活性
画分とバッファーSとの混合物を平衡化されたFPLC
カラムに注入し、次いで塩化ナトリウム並びに1.0M
の塩化ナトリウム及び0.1%のトリトンX-100を
含むバッファーSをこの順に用いて線形勾配をかけて溶
出を行う。目的の活性画分は、それぞれピークA及びB
と名付けた2つのピークとして検出される。
【0023】SDS-PAGE、イムノプレシピテーシ
ョン(immunoprecipitation)、及びウエスタンブロット
分析によって得られたデータを総合すると、ピークA及
びBとして検出される各活性画分が、60kDaの分子
量の本発明のスフィンゴミエリナーゼを含むことが示さ
れる。また、ピークBの活性画分は、ピークAよりも総
活性が1.4倍高く、比活性が4倍高いことも判明し
た。本発明によりこうして得られたスフィンゴミエリナ
ーゼを、N-mSMase εと名付ける。
【0024】また、本発明は、スフィンゴミエリナーゼ
に対するモノクローナル抗体に関する。モノクローナル
抗スフィンゴミエリナーゼ抗体を得るために、SM1A
5と名付けたハイブリドーマ細胞が既知の技術に従って
調製された。モノクローナル抗体を生成することができ
るハイブリドーマSM1A5は、1999年9月15日
に、韓国細胞系研究機関(Korean Cell Line RESEARCH
Foundation;KCLRF)に寄託番号KCLRF-BT-000
25号として寄託された。
【0025】本発明は、以下に示す明確に説明された実
施例により、更に理解され得るが、これにより本発明が
限定されるものではない。
【0026】
【実施例】実験例1 N-mSMase活性分析 [N-メチル-14C]スフィンゴミエリン(14Cでラベルさ
れたコリン残基)を窒素気流によって乾燥させた後、エ
タノール中で懸濁させた。試料10μlを、反応溶液1
00μl(10mM MgSO4、50μM [N-メチル-
14C]スフィンゴミエリン(約60,000cpm)、
2mM デオキシコール酸ナトリウム、100mM トリ
ス-HCl(pH7.0))と混合し、37℃において
30分間インキュベートした。クロロホルム/メタノー
ル混合溶媒(体積比1:1)320μl及び2N塩酸3
0μlを加えて反応を終了させた。得られた混合物をボ
ルテックスミキサーで攪拌し、10,000×gで遠心
分離した後、水相200μlを米国のパッカード・イン
スツルメント社(Packard Instrument Co.)製“インスタ
ゲル(Insta gel)-XF”のようなシンチレーションカク
テル(scintillationcocktail) 2.5mlと混合し、次
いでパッカード・トリカーブ液体βシンチレーション計
測器(Packard Tricarb liquid β-scintillation count
er)を用いて放射能を測定した。
【0027】実験例2 蛋白質の定量分析 280nmにおける吸光度をUV検出器(ファルマシア
・バイオテクノロジー社、スウェーデン)で測定するこ
とにより、蛋白質を定量した。ここでは、ブラッドフォ
ード(Bradford)試薬を用いて試料中に含まれる蛋白質を
着色した後、測定された吸光度をウシ血清アルブミン濃
度勾配に基づき作成した検量線と比較することによって
その蛋白質濃度を決定した。
【0028】実施例1 N-mSMase εの精製段階1:酵素源の調製 5kgのウシの脳を、スイスのキネマティカ(Kinematic
a)製ポリトロム・ホモジェナイザー・型番PT−MR6
000(Polytrom Homogenizer Model PT-MR6000)のよう
なホモジェナイザー(homogenizer)を用いて、25リッ
トルの均質化バッファー(homogenization buffer)(p
H7.5の50mM トリス-HCl、1mM EDT
A、3mM MgCl2、50mM KCl及び10mM
2-メルカプトエタノール)中で均質化した。ホモジェ
ネートを10,000×gで10分間遠心分離し、細胞
デブリ及び細胞核を含まない上清を、4℃において1
0,000×gで再度1時間遠心分離した。ペレットを
2.5リットルの均質化バッファー中で懸濁させた後、
4℃において40,000×gで1時間遠心分離した。
こうして得られたペレットを、0.5Mの硫酸アンモニ
ウムを含む均質化バッファー2.5リットル中で再度懸
濁させ、懸濁液を4℃において1時間攪拌し、その後4
℃において40,000×gで1時間遠心分離する。上
清(硫酸アンモニウム抽出物)を採取し、そこからN-
mSMaseを生成することができる酵素源として使用
した。
【0029】段階2:DEAE-セルロースアニオン交
換クロマトグラフィー 2.0リットルのDE52ゲルが充填されたDEAE-
セルロースカラム(ワットマン・バイオシステム社、英
国)をバッファーD(pH7.5の25mMトリス-H
Cl、1mM EDTA及び10mM 2-メルカプトエ
タノール)によりあらかじめ平衡化し、段階1において
調製された硫酸アンモニウム抽出物2.5リットルを平
衡化されたカラムに注入した。注入された上清を、0.
5Mの硫酸アンモニウム及び0.1%のトリトンX-1
00を含むバッファーDを徐々に加えることにより20
ml/minの流速で溶出し、その間40ml毎に画分
を採取した。各画分を10μlずつ採取し、実験例1記
載の方法によってN-mSMase活性を分析した。ク
ロマトグラフィーの結果を図1に示す。クロマトグラム
に示すように、N-mSMase活性は単一ピークとし
て検出された。
【0030】段階3:ブチル-トヨパール650M疎水
性相互作用クロマトグラフィー 段階2において得られた活性画分を、4℃において細胞
破砕機(cell crusher)(ソニックス・アンド・マテリア
ルズ社(Sonics & Materials Inc.)、キャンベリー(Canb
ury)、米国)中で、5分間隔で6回、1回の超音波処理
当たり3秒間70%の振幅強度で超音波処理した後、1
00,000×gで1時間遠心分離した。こうして得ら
れた上清によって、4.0Mの硫酸アンモニウム溶液を
0.5Mの試料に希釈した。この試料を、ブチル-トヨ
パール650Mカラム(東ソー株式会社、日本、床容量
(bed volume)150ml)に注入した後、0.2Mの硫
酸アンモニウムを含むバッファーDを徐々に加え、その
後蒸留水を加えた。流速15ml/minで溶出を行
い、その間30ml毎に画分を回収した。各画分を10
μlずつ採取し、活性画分を測定するために実験例1に
記載の方法によってN-mSMase活性を分析した。
分析結果を示すクロマトグラムを図2に示す。クロマト
グラムに示すように、N-mSMase活性は単一ピー
クとして検出された。
【0031】段階4:DEAE-5PWアニオン交換H
PLC 段階3において得られた活性画分を、バッファーDによ
って平衡化されたDEAE-5PW HPLCカラム(2
1.5mm×15cm、東ソー株式会社、日本)に注入
した後、0.5Mの硫酸アンモニウム及び0.1%のト
リトンX-100を含むバッファーD200mlを用い
て線形勾配をかけて5ml/minの流速で溶出を行
い、その間5ml毎に画分を回収した。各画分を3μl
ずつ採取し、実験例1に記載の方法によってN-mSM
ase活性を分析し、活性画分を得た。結果を図3に示
す。クロマトグラムに示すように、N-mSMase活
性は単一ピークとして検出された。
【0032】段階5:フェニル-5PW疎水性相互作用
HPLC バッファーDによって平衡化されたフェニル-5PW H
PLCカラム(21.5mm×15cm、東ソー株式会
社、日本)に段階4で得られた活性画分を注入した後、
蒸留水を用いて線形勾配をかけて5ml/minの流速
で溶出を行い、その間5ml毎に画分を回収した。各画
分を3μlずつ採取し、実験例1に記載の方法でN-m
SMase活性を分析し活性画分を得た。結果を図4に
示す。クロマトグラムに示すように、N-mSMase
活性は、それぞれピークε及びζと名付けた2つのピー
クとして検出された。
【0033】段階6:モノSカチオン交換FPLC ピークεの画分のみを回収し、同体積のバッファーS
(pH6.5の25mM酢酸ナトリウム及び1mM E
DTA)と混合してバッファーSによってあらかじめ平
衡化されたモノSカチオン交換FPLCカラム(5.0
cm×5.0mm、ファルマシア・バイオテクノロジー
社、スウェーデン)に注入した後、1ml/minの流
速で20mlの塩化ナトリウムを用いて0.0〜1.0
Mの線形勾配をかけて溶出を行い、次いで1.0Mの塩
化ナトリウム及び0.1%のトリトンX-100を含む
バッファーSを用いて徐々に勾配をかけて溶出を行い、
その間1ml毎に画分を回収した。各画分を3μlずつ
採取し、どの画分が酵素活性を有するかを決定するため
に実験例1に記載の方法によってN-mSMase活性
を分析した。分析結果を示すクロマトグラムを図5に示
す。クロマトグラムに示すように、N-mSMase活
性はピークA及びBと名付けた2つのピークとして検出
された。これらの活性ピークから得られたN-mSMa
seを、N-mSMase εと呼ぶ。各段階で得られた
蛋白質の合計量、総活性、収率、比活性及び精製率を下
記表1に要約する。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 SDS−PAGE レムリ法(Laemmli method)(英国、ネイチャー(Natur
e)、227、680-685(1970))に従ってSDS-PAGEに
より蛋白質を分析した。実施例1の段階6において得ら
れたピークA及びBそれぞれの活性画分を10μlず
つ、5倍のレムリバッファー(pH6.8の0.125
M トリス-HCl、4%SDS、20%グリセロール及
び0.002%ブロモフェノールブルー)2μlと混合
し、5分間煮沸した後室温まで冷却し、次いで10%S
DS-ポリアクリルアミドゲル上に試料を流した。肉眼
で識別できるようにするために、分離された蛋白質をプ
ラスワン・シルバー・ステイニング・キット(PlusOne S
ilver Staining Kit)(ファルマシアLCB社、スウェ
ーデン)を用いて着色した。
【0036】電気泳動の結果を図6a(ピークA)及び
6b(ピークB)に示す。各図において、左側に矢印で
示した分子量を有するミオシン(22kDa)、β-ガ
ラクトシダーゼ(116kDa)、ウシ血清アルブミン
(84kDa)、オボアルブミン(ovalbumin)(50.
1kDa)、炭酸脱水酵素(35.7kDa)を標準蛋
白質マーカーとして用いた。図5に示されたピークAの
活性画分(第33〜43画分)がそれぞれ、図6aの第
1列〜第11列上で電気泳動された。図6b中の第1列
〜第10列は、図5において得られたピークBの活性画
分(第53〜62画分)から分離された蛋白質をそれぞ
れ示す。図6a及び6bに示すように、ピークA及びB
の画分から分離されたN-mSMase εは全て約60
kDaの分子量を有することが明らかになり、その中に
はこれら以外の蛋白質は確認されなかった。
【0037】実施例3 N-mSMase εに対するモノクローナル抗体の生成 実施例1の段階6において得られたN-mSMaseε
50μlを、フロイント完全アジュバント(Freund's co
mplete adjuvant)(ギブコBRLライフテクノロジーズ
社(Gibco BRL Life Technologies, Inc.)、米国)と混
合してBALB/cマウス(韓国の韓国実験動物センタ
ー(Korean Experimental Animal Centerより購入)に腹
膜注射した。フロインド不完全免疫助成剤(Freund's in
completeadjuvant)中で乳化したN-mSMase ε
を、50μgの投与量で3週間隔で更に3回注射するこ
とによって更に免疫化を行った。融合(fusion)の3日前
に、免疫助成剤を含まないN-mSMase εを投与量
50μgで最後に注射した後、マウスから血液をサンプ
リングした。10,000×gで30分間遠心分離する
ことにより、抗血清を得た。
【0038】ゴーディングの(Goding's)プロトコル(ゴ
ーディング(Goding),J.W. モノクローナル・アンチボデ
ィズ(Monoclonal Antibodies);プリンシプルズ・アン
ド・プラクティス(Principles and Practice)、アカデ
ミックプレス(Academic Press)、ロンドン(1986))に従
って、ポリエチレングリコール(PEG)50(シグマ
社(Sigma Co.)、米国)を用いて、マウスからの脾臓細
胞(2×108個)をSP2/Oマウスからの骨髄腫細
胞と融合した後、10%のハイブリッド促進培地(シグ
マ社、米国)、20%のウシ胎児血清(ハイクローン(H
yclone))、35%のSP20並びに35%のHEFM
バッファー及びRPMI-1640(ギブコBRL、グ
ランド・アイランド(Grand Island)、ニューヨーク、米
国)が補充されたHAT培地(シグマ社、米国)を含む
96-ウェル・プレート上にそれらを塗布した。37℃
で2週間培養した後、オーシュベル(Ausubel)の説明
(オーシュベル,F.M.、カレントプロトコルズ・イン・
モレュラー・バイオロジー(Current Protocols in Mole
cular Biology)、ワイリー-インターサイエンス(Willey
-Interscience)、ニューヨーク(1987))に従って、ハイ
ブリドーマ上清を使用して、細胞が抗N-mSMase
ε抗体を生成するか否かを決定した。これにより、N-
mSMase εに対するモノクローナル抗体を生成し
得る、SM1A5、SM1H6及びSM1E1と呼ばれ
る3種のハイブリドーマが確認された。SM1A5は、
1999年9月15日に、寄託番号KCLRF-BT-0
0025号として韓国細胞系調査機関(KCLRF)に
寄託された。
【0039】実施例4 N-mSMase εのイムノプレシピテーション 実施例3において得られた抗血清25μl、ハイブリド
ーマSM1A5、SH1E1又はSM1E1用培地50
0μl、及び免疫化前に得られた血清25μlを、蛋白
質A-セファロースCL-4Bビーズ(ファルマシア・バ
イオテクノロジー社、スウェーデン)50μlを用いて
4℃で12時間、攪拌しながらそれぞれ反応させた。こ
の反応の前にバッファーI(pH7.5の20mMトリ
ス-HCl、1mM EDTA及び10% BSA(2
0:1 v/v)を用いてビーズを平衡化した。ビーズ
は、1mlのバッファーIを用いて6回洗浄した後、
0、15、30、45又は60分間4℃でバッファーI
中で実施例1の段階6において得られたN-mSMas
e ε(100ng)と攪拌しながら反応させた。4℃
で30秒間13,000×gで遠心分離し、次いで実験
例1の方法に従い上清のN-mSMase活性を分析し
た。結果を図7に示す。図7に示すように、ハイブリド
ーマ・クローンSM1A5及びSM1E1から生成され
た抗体のN-mSMase ε活性は、両者とも同程度ま
で減少した。これにより、両者の抗原に対する親和性が
類似していることがわかる。
【0040】実施例5 ウエスタン・ブロット 実施例1の段階5において得られた活性画分約100n
gを、10%SDS-ポリアクリルアミドゲル上で電気
泳動させ、分離された蛋白質を、ホファー・エレクトロ
ブロッター・システム(Hoefer Electroblotter system)
(TE22マイティー・スモール・トランスフォー・ユ
ニット(TE22 Mighty Small Transphor Unit)、ホファー
・サイエンティフィク・インスツルメンツ(Hoefer Scie
ntific Instruments)、カナダ)を用いて、ニトロセル
ロース膜上に200mAで電気的に移した。このセルロ
ース膜を、5%の無脂肪乾燥乳を含有するトリスバッフ
ァー食塩水(pH8.0の25mM トリス-HCl、1
37mM NaCl及び2.7mM KCl)によって処
理して移された蛋白質を遮断し(block)、0.1%のツ
イーン20(Tween 20)を含有するTBSを用いて洗浄
し、コントロールとして用いられる抗血清、ハイブリド
ーマSM1A5、SM1H6又はSM1E1用培地、又
はあらかじめ免疫化された血清と併せて6時間インキュ
ベートした。膜上に移された蛋白質を、0.1%のツイ
ーン20を含むTBSを用いて洗浄した後、ヤギアンチ
マウスIgGとアルカリホスファターゼとの複合体(サ
ンタ・クルツ・バイオテクノロジー(Santa Cruz Biotec
hnology)、米国)(希釈率1:2,000)と2時間反
応させ、上記の方法により洗浄し、基質キット(MBT
/BCIP、ピエルス(Pierce)、米国)を用いて着色反
応を観察した。ハイブリドーマ培地用洗浄バッファーと
しては、TBSのみが使用された。ブロッティング(Blo
tting)の結果を図8に示す。図8からわかるように、ハ
イブリドーマSM1A5から生成されたモノクローナル
抗体は、SDS-PAGEゲル上で、変性されたN-mS
Mase εと強固に結合する。
【0041】実施例6 N-mSMase εの物理化学特性 1.反応速度分析(Kinetic Analysis) 実施例1の段階6において調製されたN-mSMase
εに対して、ラインウエーバ−・バーク分析(Lineweave
r-Burk analysis)を行った。ここで、6.25〜100
μMの濃度の基質スフィンゴミエリンとともに、酵素N
-mSMaseεを10ng以上の量で使用した。結果
を図9aに示す。ラインウエーバー・プロットに示すよ
うに、N-mSMase ε活性は、47μMのKm及び
1.587nmol/min/mgを超えるVmaxを示
し、ミカエリス・メンテン反応速度論(Michaelis-Mente
n kinetics)に従う典型的な直線を描いた。それとは別
に、同様のラインウエーバー-バーク分析を、0.4、
1.0及び2.0mMのデオキシコール酸ナトリウム存
在下で行った。図9bに示した分析結果から、デオキシ
コール酸ナトリウムが、N-sMase εのスフィンゴ
ミエリナーゼに対するKm値を変えることができること
がわかった。
【0042】B.基質特異性 [N-メチル-14C]スフィンゴミエリン、1,2-ジパ
ルミトイル-3-ホスファチジル[N-メチル-3H]コリ
ン、ホスファチジル[2-3H]イノシトール4,5-ビ
ホスフェート、1-ステアロイル-2-[1-14C]アラキ
ドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及び1-ア
シル-2-[1-14C]アラキドノイル-sn-グリセロ-3
-ホスホエタノールアミンを用いてN-mSMase ε
の基質特異性を調べた。実験例1に記載の方法によっ
て、これらの基質に対するN-sMase活性を測定し
た結果、スフィンゴミエリンに対する特異性が、他の基
質に対するものよりも50倍高いことが判明した。
【0043】C.Mg2+依存性 N-mSMase ε活性のMg2+依存性を調べるため
に、実施例1の段階6において得られた画分Bを、PD
-10カラム(セファデックス(Sephadex)G-25、ファ
ルマシア・バイオテクノロジー社、スウェーデン)に適
用することにより脱塩した。使用するために、カラムを
蒸留水によってあらかじめ2回平衡化した。実験例1に
記載の方法により、1、5、10及び25mMのMgC
2存在下で、脱塩された蛋白質画分(蛋白質10ng
に相当)のN-mSMaseε活性を測定した。結果を
図10に示す。プロットに示すように、N-mSMas
e ε活性は、Mg2+濃度に依存する。
【0044】D.最適pH Cにおいて得られた脱塩された蛋白質画分(蛋白質10
ngに相当)及び5mMのMgCl2を含む反応溶液
を、グリシン-HClを用いてpH4.5、5.5若し
くは6.0に、イミダゾール-HClを用いてpH6.
0若しくは7.0に、トリス-HClを用いてpH7.
0、7.5、8.0若しくは9.0に、又はグリシン-
NaOHを用いてpH9、10若しくは11に調製した
後、実験例1の手順に従い酵素活性を測定した。結果を
図11に示す。図11に示すように、N-mSMase
εは、中性pH領域において最も高い活性を示し、pH
が6.0よりも低くなると、又は9.0よりも高くなる
と、活性が急激に減少した。従って、本発明のN-mS
Maseεは、中性pHにおいて最適な酵素である。
【0045】E.他のカチオンの影響 Ca2+、Fe3+、Fe2+、Zn2+、Cu2+及びMg2+
ような他のカチオンのN-mSMase ε活性への影響
を調べた。Cにおいて得られた脱塩された蛋白質画分
(蛋白質10ngに相当)及び5mMのMgCl2を含
む溶液に、CaCl2、FeCl3、FeCl2、ZnC
2又はCuCl2を最終濃度が0.01、0.02、
0.05、0.1、0.25又は0.5mMとなるよう
に加えた後、実験例1の方法に従ってN−mSMase
ε活性を測定した。結果を図12に示す。プロットに
示すように、0.5mM以下の濃度では、Ca2+はN-
mSMase ε活性に何ら影響を及ぼさないのに対
し、Cu2+、Zn 2+及びFe2+は、それぞれ28μM、
32μM及び47μMのIC50値で酵素活性を阻害す
る。一方、Fe3+は、好影響をもたらし、N-mSMa
se ε活性を1.8倍に増加させる。
【0046】F.阻害剤 N−mSMase ε活性に対する還元剤の影響を調べ
た。実施例1の段階6において得られた活性画分(10
ngの蛋白質に相当)を、0.5、1、2、3、4、
5、7.5若しくは10mMのグルタチオン、DTT、
又は2-メルカプトエタノールを含むトリス-HCl 9
0μlに加え、37℃で10分間インキュベートした。
10μlの[N-メチル-14C]スフィンゴミエリンを添加
した後、実験例1の手順に従いN−mSMase ε活
性を測定した。比較のため、還元剤を含まないトリス-
HClバッファーをコントロールとして使用した。還元
剤による影響を受けたN−mSMase ε活性を、コ
ントロールとの相対比率として表した。結果を図13a
に示す。図13aに示すように、グルタチオンは、N−
mSMase ε活性に影響を及ぼす。N−mSMas
e ε活性は、グルタチオン濃度が3mMまで増加する
と増加するが、その後は減少し、最終的にグルタチオン
濃度が10mMになると完全に阻害されるという2つの
態様(bimodal profile)を示す。一方、N-mSMase
ε活性はDTT及び2-メルカプトエタノールによって
阻害されないことがわかった。
【0047】グルタチオンの影響の結果と併せて、グル
タチオンと類似の還元剤のN−mSMase ε活性へ
の影響も調べた。1、3、5若しくは10mMのGSS
G、システイン、システイン-グリシン又はγ-グルタル
酸-システインによって処理した後、N-mSMase
ε活性を同様の方法で測定した。結果を図13bに示
す。図13bに示すように、N-mSMase ε活性が
GSSG、システイン、システイン-グリシン又はγ-グ
ルタル酸-システインによって阻害されることがわかっ
た。
【0048】G.活性剤の影響 デオキシコール酸ナトリウム及びトリトンX-100を
試験されるべき活性剤として選択した。実験例1の手順
に従い、0.5、1、2、及び5mMのデオキシコール
酸ナトリウムをそれぞれ含む反応溶液中で、Cにおいて
得られた蛋白質画分(10ngの蛋白質に相当)のN−
mSMase ε活性を測定した。トリトンX-100の
場合は、0.05、0.01、0.5及び0.1%の濃
度で調製した。
【0049】デオキシコレート及びトリトンX-100
のN-mSMase ε活性への影響を、図14a及び1
4bにそれぞれ示す。これらのプロットに示すように、
N-mSMase ε活性は、1mMのデオキシコール酸
ナトリウム存在下で3倍増加し、0.005%のトリト
ンX-100存在下で1.5倍増加する。
【0050】実施例7 脳組織中のN−mSMase ε活性分布 妊娠16日目のスプレーグ-ダウリー(Sprague-Dawley)
・ラットの胎児から、コー(Koh),J.Y.らの教え(Exp, N
eurol.、135、 153-159(1996))に従って皮質ニューロ
ン培養液を以下のように調製した。ラット胎児から摘出
された皮質神経組織を、Ca2+及びMg2+を含まないハ
ンクス平衡塩溶液(Hank's balanced salt solution; HB
SS)(1mMのピルビン酸ナトリウム及び10mMのH
EPES、pH7.4)へ添加し、その後、炎で細くし
たパスツールピペットを用いて遊離細胞を単離した。単
離した遊離細胞を、底部がポリ-D-ライシン(lycine)で
被覆された培養プレート中のDMEM(ダルベッコ変形
イーグル培地(Dulbecco'sModified Eagle Medium))/
F-12(ギブコBRL、グランド・アイランド、ニュ
ーヨーク、米国)上に塗布した後、5%CO2雰囲気中
で37℃でインキュベートした。18時間インキュベー
トした後、非神経細胞の成長を妨げるために10μMの
β-D-シトシンアラビノフラノシド(cytosine arabinof
uranoside)を培地に添加した。
【0051】それとは別に、出生後1〜3日のラットの
脳新皮質(brain neocortex)から、神経膠細胞の培養液
を調製した。この培養液を、6-ウェルプレート中0.
25〜0.5ウェル容量を満たした10%のウシ胎児血
清及び10%のウマ血清が補充された培地上に塗布し、
2時間培養した。培地は毎週新しいものに変えた。神経
膠細胞を、14〜28日培養した後塗布した。
【0052】培養された皮質ニューロン及び神経膠細胞
を、TBSによって3回洗浄した後、それぞれ均質化バ
ッファー(pH7.5の20mM トリス-HCl、1m
MEDTA、10mM 2-メルカプトエタノール、1μ
g/ml ロイペプチン(leupeptin)、及び1mM フェ
ニルメチルスルホニルフルオライド(phenylmethylsulfo
nyl fluoride)へ添加し、26ゲージ針を30回前後さ
せてせん断した。4℃において10分間2,000×g
でホモジェネートを遠心分離することにより、ニューロ
ンデブリ及び神経膠細胞デブリが得られる。神経膠細胞
デブリについては、4℃において100,000×gで
再度1時間遠心分離した。上清を水溶性画分(S10
0)として除去するとともに、膜質材料(membranous ma
terials)(P100)を含むペレットを上清の半分の体
積の均質化バッファー中で懸濁させた。
【0053】ニューロン水溶性画分、ニューロン膜画
分、神経膠細胞ホモジェネート、及び実施例1の段階6
において得られたN-mSMase εを混合して10%
SDS-ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させた。
60kDaの分子量を有する蛋白質に対する実施例3で
得られた抗血清を10,000倍に希釈して用いて、実
施例5と同様の方法でウエスタン・ブロットを行った。
結果を図15に示す。ブロット図から明らかなように、
N-mSMase εは、ニューロン膜画分中に存在する
が、ニューロン水溶性画分及び神経膠細胞ホモジェネー
ト中には存在しない。
【0054】上記の結果からわかるように、本発明のス
フィンゴミエリナーゼN-mSMase εは、ニューロ
ン膜のみに存在するので、パーキンソン病、アルツハイ
マー症等の脳疾患に対する治療薬の開発のために有用で
ある。更に、本発明のスフィンゴミエリナーゼN-mS
Mase εは、その阻害剤及び活性化因子の研究並び
にX線又はNMRによる構造分析において有用であるこ
とがわかる。一方、本発明のN-mSMase εに対し
て特異的なモノクローナル抗体を用いることにより、本
発明のN-mSMase εが有する機能及び細胞内調節
機構を調べることができる。これらモノクローナル抗体
は、N-mSMase εを効率的に単離するため並びに
癌及び変性疾患(degenerative diseases)を診断するた
めにも有用である。
【0055】本発明は、例示的に記載され、使用された
専門用語は限定するよりもむしろ説明することを目的と
している。本発明の多くの修正及び変形は、上記の説明
に照らして可能である。それ故、添付の特許請求の範囲
内で、本発明は具体的に説明された以外の別の方法で実
施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウシの脳の硫酸アンモニウム抽出物のDEA
E-セルロースアニオン交換クロマトグラフィー後のク
ロマトグラムである。
【図2】 アニオン交換カラムクロマトグラフィーによ
って得られた活性画分のブチル-トヨパール650M疎
水性相互作用クロマトグラフィー後のクロマトグラムで
ある。
【図3】 疎水性相互作用クロマトグラフィーによって
得られた活性画分のDEAE−5PWアニオン交換HP
LC後のクロマトグラムである。
【図4】 アニオン交換HPLCによって得られた活性
成分のフェニル-5PW疎水性相互作用クロマトグラフ
ィーのクロマトグラムである。
【図5】 疎水性相互作用HPLCによって得られた活
性画分のモノSカチオン交換FPLC後のクロマトグラ
ムである。
【図6】 カチオン交換FPLCによって得られたピー
クα(a)及びピークβ(b)のSDS-PAGEの結
果を示す。
【図7】 本発明のスフィンゴミエリナーゼに対するイ
ムノプレシピテーションの結果を示す。
【図8】 本発明のスフィンゴミエリナーゼに対するウ
エスタン・ブロットの結果を示す。
【図9】 活性剤が存在しない場合(a)及び0.1、
1.0及び2.0mMのデオキシコール酸ナトリウム存
在下での(b)基質濃度の逆数に対してプロットしたス
フィンゴミエリナーゼの速度の逆数のラインウエーバー
-バーク・プロットを示す。
【図10】 Mg2+濃度に対してプロットした本発明の
スフィンゴミエリナーゼの活性のグラフである。
【図11】 pH変化に対してプロットした本発明のス
フィンゴミエリナーゼの活性のグラフである。
【図12】 Ca2+、Fe2+、Fe3+、Zn2+及びCu
2+の濃度に対してプロットした本発明のスフィンゴミエ
リナーゼの活性のグラフである。
【図13】 GSH、DTT及び2-メルカプトエタノ
ールの濃度に対して(a)並びにGSSG、システイ
ン、システイン-グリシン及びγ-グルタル酸-システイ
ンの濃度に対して(b)プロットされた本発明のスフィ
ンゴミエリナーゼの活性のグラフを示す。
【図14】 デオキシコール酸ナトリウムの濃度(a)
及びトリトンX-100の濃度(b)に対してプロット
された本発明のスフィンゴミエリナーゼの活性のグラフ
を示す。
【図15】 ウシの脳から得られたニューロン膜画分の
SDS-PAGEの結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キム デ キョン 大韓民国、ソウル 137−069、ソチョク、 バンベボンドン 754−1、ジュンアン アパート ガ−203 (72)発明者 ジョン ソン ユン 大韓民国、クワンジュシ 500−110、ブク ク、ムンフンドン 787−1、ウサンジュ ゴン アパート 106−1306 (72)発明者 ジョン クワン ムク 大韓民国、キョンギド 463−050、ソンナ ンシ、ブンダンク、ソヒョンドン 91、ハ ンヤン アパート 312−905 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA53 GA03 HA15 4B050 CC01 DD11 FF02C FF11C FF20C LL05 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 DA14 DA20 4H045 AA11 BA10 CA40 DA76 EA50 FA72

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が60kDaであり、活性がMg
    2+依存性であり、且つ最適pHが6.0〜9.0の範囲
    であるウシの脳のニューロン膜由来のスフィンゴミエリ
    ナーゼ。
  2. 【請求項2】 スフィンゴミエリナーゼ活性が8.0m
    MのIC50を有するグルタチオンによって阻害される請
    求項1記載のスフィンゴミエリナーゼ。
  3. 【請求項3】 ウシの脳組織を均質化し、得られたホモ
    ジェネートを遠心分離して細胞デブリ及び細胞核を除去
    し;遠心分離により上清から細胞膜を分離してペレット
    とし;硫酸アンモニウムを含有するバッファーを用いて
    細胞膜ペレットを処理してスフィンゴミエリナーゼを膜
    から分離し;得られた抽出物をアニオン交換クロマトグ
    ラフィーに付し;クロマトグラフィー画分をトリトンX
    -100を含むバッファー中で超音波処理し、超音波処
    理した画分を遠心分離してスフィンゴミエリナーゼを含
    む上清を得て;前記上清を疎水性相互作用クロマトグラ
    フィー、アニオン交換高速液体クロマトグラフィー、疎
    水性相互作用高速液体クロマトグラフィー、及びカチオ
    ン交換高速蛋白質液体クロマトグラフィーにこの順序で
    付すことにより精製する段階を含む請求項1記載のスフ
    ィンゴミエリナーゼの単離方法。
  4. 【請求項4】 DEAE-セルロースカラムを用いてア
    ニオン交換クロマトグラフィーを行う請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 ブチル-トヨパール650Mカラムを用
    いて疎水性相互作用クロマトグラフィーを行う請求項3
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 DEAE-5PWカラムを用いてアニオ
    ン交換高速液体クロマトグラフィーを行う請求項3記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 フェニル-5PWカラムを用いて疎水性
    高速液体クロマトグラフィーを行う請求項3記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 モノ-S高速蛋白質液体クロマトグラフ
    ィーカラムを用いてカチオン交換高速蛋白質液体クロマ
    トグラフィーを行う請求項3記載の方法。
  9. 【請求項9】 ハイブリドーマSM1A5(寄託番号K
    CLRF−BT−00025)によって生成される請求
    項1のスフィンゴミエリナーゼに対するモノクローナル
    抗体。
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