JP2002252573A - ホッピング周波数制御回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ伝送におけるパケットの再送および破
棄をすることなく、伝送効率を向上するとともに良好な
伝送品質を確保することができるホッピング周波数制御
回路を提供する。 【解決手段】 プリスキャン回路９でホッピングパター
ンにおける各周波数での電波状態を予めスキャンするこ
とにより、キャリア周波数ラベリング回路８で固定妨害
波などによりコンディションが不良状態の周波数を記憶
し、その周波数で通信する場合に、キャリア周波数置換
回路４によりキャリア周波数をコンディションが良状態
の周波数に置換して、キャリア周波数生成回路５によ
り、コンディションが不良状態の周波数を含まないホッ
ピングパターンを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、２．４ＧＨｚ帯域
の電波を利用してネットワークを形成する周波数ホッピ
ング型近距離用無線通信システムにおける無線通信機器
のホッピング周波数制御回路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、一般に広く利用されるようになっ
ている周波数ホッピング型近距離用無線通信システムに
おいて、周波数ホッピング方式を用いて無線通信を行う
無線通信機器による通信の際のホッピングパターンに基
づいて、無線通信機器が使用するキャリア周波数の生成
を制御するホッピング周波数制御回路について、その従
来技術を図７を用いて以下に説明する。

【０００３】図７は従来のホッピング周波数制御回路を
用いた無線通信機器の構成を示すブロック図である。図
７において、１は無線通信機器に固有の機器固有アドレ
ス情報、２は無線通信におけるスロット番号情報、３は
ホッピングパターン生成回路、５はキャリア周波数生成
回路、６はＲＦ回路、７はアンテナ、１０はデータ送受
信回路、１０４はホッピング数の設定値である。

【０００４】以上のように構成された無線通信機器によ
る周波数ホッピング方式を利用した無線通信システムに
おいて、従来、機器固有アドレス情報１と、無線通信に
おけるスロット番号情報２及びホッピング数の設定値１
０４に基づいて、機械的に一意的なホッピングパターン
をホッピングパターン生成回路３により決定していた。

【０００５】そのホッピングパターンに従って、キャリ
ア周波数生成回路５により周波数管理され、ＲＦ回路６
で無線周波（ＲＦ）のキャリア周波数を生成し、アンテ
ナ７を介して無線伝送路に対し電波の送信あるいは受信
を行う。また、データ送受信回路１０により送信データ
の生成及び受信データの検出等の信号処理を行う。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来のホッピング周波数制御回路を用いた無線通信
機器では、ホッピング周波数が一意的に決定していたた
め、電子レンジ、あるいは周波数ホッピングを使用しな
い他の無線通信システム等による固定された特定周波数
の固定妨害波などの影響により、無線伝送路が不良状態
となった場合に、その悪状況下でのパケット伝送効率
は、再送処理等が頻発することにより著しく低下し、こ
のような場合に、そのパケットを破棄するようにすれば
よいが、パケットの破棄により伝送品質が劣化するとい
う問題点を有していた。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、固定妨害波がある無線伝送路においても、それら
による通信エラーを起こしやすい周波数を避けて無線通
信することができ、無線伝送路が悪状況下にあっても周
波数ホッピング方式による確実なデータ伝送を維持し
て、データ伝送におけるパケットの再送および破棄をす
ることなく、伝送効率を向上するとともに良好な伝送品
質を確保することができるホッピング周波数制御回路を
提供する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明のホッピング周波数制御回路は、無線伝送路
を通じて周波数ホッピング方式を用いて無線通信を行う
無線通信機器において、その通信の際のホッピングパタ
ーンに基づいて、前記無線通信機器が使用するキャリア
周波数の生成を制御するホッピング周波数制御回路であ
って、前記無線通信に先立って前記ホッピングパターン
の周波数帯をスキャンし前記無線伝送路における各キャ
リア周波数での電波状態を予め検知するプリスキャン回
路と、前記プリスキャン回路によりスキャンした周波数
帯の電波状態が不良な周波数を指標して記憶するバッド
コンディション周波数ラベリング回路と、前記バッドコ
ンディション周波数ラベリング回路により記憶した電波
状態に基づいて、その不良状態に対応してホッピングパ
ターンの周波数を変更する周波数置換回路とを備え、前
記周波数置換回路を、前記電波状態に基づいて、ホッピ
ング周波数帯域を変更することなく、ホッピングパター
ンにおける周波数を部分的に変更するよう構成したこと
を特徴とする。

【０００９】以上により、ホッピングパターンにおける
各周波数での電波状態を予めスキャンすることにより、
固定妨害波などによりコンディションが不良状態の周波
数を記憶し、その周波数で通信する場合に、キャリア周
波数をコンディションが良状態の周波数に置換してコン
ディションが不良状態の周波数を含まないホッピングパ
ターンを生成することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載のホッピ
ング周波数制御回路は、無線伝送路を通じて周波数ホッ
ピング方式を用いて無線通信を行う無線通信機器におい
て、その通信の際のホッピングパターンに基づいて、前
記無線通信機器が使用するキャリア周波数の生成を制御
するホッピング周波数制御回路であって、前記無線通信
に先立って前記ホッピングパターンの周波数帯をスキャ
ンし前記無線伝送路における各キャリア周波数での電波
状態を予め検知するプリスキャン回路と、前記プリスキ
ャン回路によりスキャンした周波数帯の電波状態が不良
な周波数を指標して記憶するバッドコンディション周波
数ラベリング回路と、前記バッドコンディション周波数
ラベリング回路により記憶した電波状態に基づいて、そ
の不良状態に対応してホッピングパターンの周波数を変
更する周波数置換回路とを備え、前記周波数置換回路
を、前記電波状態に基づいて、ホッピング周波数帯域を
変更することなく、ホッピングパターンにおける周波数
を部分的に変更するよう構成する。

【００１１】請求項２に記載のホッピング周波数制御回
路は、請求項１に記載の無線伝送路の電波状態の検知時
に検出した通信エラー数を管理し、前記通信エラー数に
基づいて、その通信エラー数が少なくなる電波状態の周
波数帯を、選別して割当てるよう構成する。

【００１２】これらの構成によると、ホッピングパター
ンにおける各周波数での電波状態を予めスキャンするこ
とにより、固定妨害波などによりコンディションが不良
状態の周波数を記憶し、その周波数で通信する場合に、
キャリア周波数をコンディションが良状態の周波数に置
換してコンディションが不良状態の周波数を含まないホ
ッピングパターンを生成する。

【００１３】請求項４に記載のホッピング周波数制御回
路は、請求項１に記載の無線伝送路の電波状態の検知時
に、その周期を任意に設定可能なように構成する。この
構成によると、ホッピングパターンにおける各周波数に
対して、一定周期でスキャンを実行することにより、固
定妨害波の周波数が変化した場合への対応も可能にす
る。

【００１４】請求項８に記載の通信方法は、請求項１ま
たは請求項２または請求項４に記載のホッピング周波数
制御回路を用いた無線通信機器間で同一ネットワークと
して通信する通信方法であって、前記同一ネットワーク
に係る無線通信機器のうち、ある特定の無線通信機器が
用いるキャリア周波数を事前に確保するために、その無
線通信機器が通信を開始する前に、前記同一ネットワー
クに係る他の無線通信機器がそのキャリア信号を送信す
る方法とする。

【００１５】この方法によると、ホッピングパターンに
対する周波数置換において、キャリア周波数をバッドコ
ンディション以外の最も良好な周波数に固定することを
可能とする。

【００１６】請求項９に記載の通信システムは、請求項
１または請求項２または請求項４に記載のホッピング周
波数制御回路を用いた３つ以上の無線通信機器間で、請
求項８に記載の通信方法により通信する通信システムで
あって、同一ネットワーク内で直接通信に係らない無線
通信機器が、次に使用されるキャリア周波数でキャリア
信号を送信する構成とする。

【００１７】この構成によると、１対多通信システムに
おいて、データ伝送を行っていない無線通信機器が、ホ
ッピングパターンにおける次のキャリア周波数を、現オ
ンエアー中に伝送しておくことを可能とする。

【００１８】以下、本発明の実施の形態を示すホッピン
グ周波数制御回路について、図面を参照しながら具体的
に説明する。図１は本実施の形態のホッピング周波数制
御回路を用いた無線通信機器の構成を示すブロック図で
あり、図２は同実施の形態のホッピング周波数制御回路
における周波数ホッピングパターンの説明図である。図
１において、１は無線通信機器に固有の機器固有アドレ
ス情報、２は無線通信におけるスロット番号情報、３は
ホッピングパターン生成回路、４はキャリア周波数置換
回路、５はキャリア周波数生成回路、６はＲＦ回路、７
はアンテナ、８はキャリア周波数ラベリング回路、９は
プリスキャン回路、１０はデータ送受信回路、１１は送
信データ、１２は受信データ、１３はビットエラー数信
号、１４はキャリア周波数ラベリング回路８の記憶情
報、１００は受信データの誤り訂正回路、１０１は誤り
訂正結果、１０２はプリスキャン起動信号、１０３はキ
ャリア周波数ラベリング結果である。

【００１９】また、図２において、１５は周波数ホッピ
ングに利用されるキャリア周波数、１６はホッピングパ
ターンの一例、１７は各キャリア周波数におけるビット
エラー数である。

【００２０】以上のように構成された２台以上の無線通
信機器間の通信において、送信側はプリスキャン回路９
により、無線通信で使用する全キャリア周波数１５にお
ける無線伝送路の電波状態を検査するため、先ず、キャ
リア周波数生成回路５により、キャリア周波数（ｆ
（ｎ））１５を生成し、データ送受信回路１０で生成さ
れた送信データ１１（この場合は、同期キャラクタを意
味する）をＲＦ回路６により変調し、アンテナ７を通じ
て電波として送信する。

【００２１】次に、受信側では、送信側と同様のキャリ
ア周波数（ｆ（ｎ））１５をキャリア周波数生成回路５
により生成し、アンテナ７を介し、ＲＦ回路６により復
調し、受信データ１２をデータ送受信回路１０により検
出する。この受信データ１２と同期キャラクタ１１を比
較し、異なったビット数、すなわちビットエラー数を示
す信号１３を、キャリア周波数ラベリング回路８に、キ
ャリア周波数（ｆ（ｎ））１５のビットエラー数１７と
して記憶する。

【００２２】以後、キャリア周波数１５をｆ（ｎ＋
１）、ｆ（ｎ＋２）、・・、ｆ（ｎ＋７）の順番に検査
してゆき、一連のプリスキャンが終了した後、受信側が
送信側に対し、キャリア周波数ラベリング回路８の記憶
情報１４を送信することにより各キャリア周波数におけ
る無線伝送路の状態を送受信機器間で共有する。

【００２３】プリスキャン終了後、ホッピングパターン
生成回路３により与えられたホッピングパターン１６に
従って、ｆ（ｎ）、ｆ（ｎ＋２）、ｆ（ｎ＋４）の順に
キャリア周波数変更を行いながら通信する。ここで、ビ
ットエラー数１７は、プリスキャンにより得られた各キ
ャリア周波数における無線伝送路の電波状態をあらわ
し、エラー訂正可能な誤りビット数のしきい値を６ビッ
トとすると、ホッピングパターン１６の３番目のキャリ
ア周波数ｆ（ｎ＋４）での通信は、無線伝送路状態が悪
状況下にあることが判別可能で、キャリア周波数置換回
路４によりｆ（ｎ＋７）のキャリア周波数１５に置換す
る。

【００２４】以降、ｆ（ｎ＋６）、ｆ（ｎ＋１）、・・
・、ｆ（ｎ＋３）、ｆ（ｎ＋７）の順にキャリア周波数
変更を行いながら通信していく。以上のように、ある無
線伝送路状態が悪状況下にあるキャリア周波数１５を避
け、他の無線伝送路状態が良好なキャリア周波数１５に
置換することにより、ホッピング周波数帯域を変更する
ことなく、パケット再送要求削減による通信効率の向上
とパケット破棄による通信品質の劣化を未然に防ぐこと
が可能となる。

【００２５】図３は同実施の形態のホッピング周波数制
御回路におけるキャリア周波数置換回路の詳細構成を示
すブロック図である。図３において、１８はキャリア周
波数検査回路、１９は置換後のポッピングパターン格納
回路、２０はキャリア周波数選択回路、２１はベストキ
ャリア周波数選択回路、２２は置換回路、１０５はホッ
ピングチャネル数のしきい値を記憶するメモリ、１０６
はホッピングチャネル数管理回路である。

【００２６】図２、図３を用いて動作を説明する。ホッ
ピングパターン１６の順にキャリア周波数検査回路１８
において、各ホッピングキャリア周波数１５における無
線伝送路の状態、すなわちビットエラー数１７をエラー
訂正可能な誤りビット数のしきい値（ここでは、６とす
る）と比較すると、ｆ（ｎ）、ｆ（ｎ＋２）は、エラー
訂正可能範囲のビット誤り数であるため、置換後のホッ
ピングパターン格納回路１９に格納される。

【００２７】しかし次のホッピング周波数１５であるｆ
（ｎ＋４）は、エラー訂正能力を超えたビット誤りがあ
るため、キャリア周波数選択回路２０から次のホッピン
グ周波数（ｆ（ｎ＋６））１５をベストキャリア周波数
選択回路２１に与え、最も良好な無線伝送路状態である
ホッピング周波数（ｆ（ｎ）、ｆ（ｎ＋１）、ｆ（ｎ＋
７））１５の中から次ホッピング周波数（ｆ（ｎ＋
６））１５に最も近い最良のホッピング周波数（ｆ（ｎ
＋７））１５を選択する。

【００２８】これを基に置換回路２２において、ホッピ
ング周波数を（ｆ（ｎ＋４））からｆ（ｎ＋７）に変更
し、ホッピングパターン格納回路１９に格納する。その
後ホッピングパターン１６の順にキャリア周波数検査回
路１８において、各ホッピング周波数１５のビットエラ
ー数１７を検査していく。すなわち、ｆ（ｎ＋６）、ｆ
（ｎ＋１）、ｆ（ｎ＋５）、ｆ（ｎ＋３）、ｆ（ｎ＋
７）の順に検査し、いずれのホッピング周波数１５もビ
ットエラー数１７がしきい値以下であるため、そのまま
ホッピングパターン格納回路１９に格納する。

【００２９】また、他の実施例では、エラー訂正可能範
囲を超えたホッピング周波数（ｆ（ｎ＋４））を他の周
波数に置換する場合、キャリア周波数選択回路２０から
次のホッピング周波数（ｆ（ｎ＋６））１５及び一つ前
のホッピング周波数（ｆ（ｎ＋２））１５とを選択し、
これら２つのホッピング周波数１５をベストキャリア周
波数選択回路２１に入力し、ベストキャリア周波数選択
回路２１では、一つ前のホッピング周波数（ｆ（ｎ＋
２））１５と次のホッピング周波数（ｆ（ｎ＋６））１
５間で最もホッピング周波数１５のビットエラー数１７
が少ないホッピング周波数（ｆ（ｎ＋５））１５を選択
する。

【００３０】これを基に置換回路２２において、ホッピ
ング周波数をｆ（ｎ＋４）からｆ（ｎ＋５）に変更し、
ホッピングパターン格納回路１９に格納する。この場合
のホッピングパターンはｆ（ｎ）、ｆ（ｎ＋２）、ｆ
（ｎ＋５）、ｆ（ｎ＋６）、ｆ（ｎ＋１）、ｆ（ｎ＋
５）、ｆ（ｎ＋３）、ｆ（ｎ＋７）となり、無線伝送路
状態が悪いｆ（ｎ＋４）を避けて通信することが可能で
ある。

【００３１】以上の２つの実施例にあるように、無線伝
送路状態が悪いホッピング周波数（ｆ（ｎ＋４））１５
を避けてホッピングパターン１６の順序に従い最後まで
繰り返すことにより、最適なホッピングパターンを生成
することが可能である。

【００３２】ここで、ホッピングキャリア周波数１５を
次のホッピングキャリア周波数１５に最も周波数が近
く、最も良好なホッピング周波数帯域内の他のキャリア
周波数１５に置換することにより、以下の利点がある。

【００３３】先ず、第１にホッピング周波数帯域を変更
することなく、妨害電波の影響を避けることができる。
これにより、当該無線通信ネットワークに隣接する他の
無線通信ネットワークに対しても影響を及ぼすことはな
い。

【００３４】第２にＲＦ回路６における周波数の収束
（ロック）時間の短縮が可能であり、高速な周波数ホッ
ピングシステムにも対応することができる。第３に、最
も良好なキャリア周波数に置換することにより、図２の
キャリア周波数（ｆ（ｎ＋３））１５のようなエラー訂
正可能範囲のビット誤り数であるが固定妨害波の周波数
が少し変動した場合など、通信環境が悪化する恐れのあ
るキャリア周波数１５を除くことにより、より安定した
通信環境を提供することが可能である。

【００３５】図４は同実施の形態のホッピング周波数制
御回路におけるプリスキャン起動時の動作説明図であ
る。図４において、２３は無線通信開始時のプリスキャ
ン、２４はスキャン間隔である。

【００３６】無線通信開始時のプリスキャン２３を実施
することにより、固定妨害波の影響を避けることが可能
であるが、プリスキャン２３の後に固定妨害波の周波数
が変動した場合、以降の無線通信において伝送効率・伝
送品質を低下させる。これを防ぐため、プリスキャン回
路９を任意の時間間隔２４で再起動かけることにより、
変動する固定妨害波にも対応することが可能である。

【００３７】また、図１及び図４において、１００は受
信データの誤り訂正回路、１０１は受信データの誤り訂
正結果である。受信状態において、受信データの誤り訂
正回路１００の処理結果である誤り訂正結果１０１をキ
ャリア周波数ラベリング回路８に与えることにより、図
４のプリスキャン間隔２４においても無線伝送路の状態
を随時検査することが可能となり、受信データの誤りが
誤り訂正能力を超えた場合には前述の方法によりホッピ
ングパターンを修正することが可能となる。これによ
り、より安定した通信環境を提供することができる。

【００３８】以上詳述した方法によれば、ホッピングシ
ーケンスで使用する無線伝送路状態を随時監視し、伝送
路状態が悪い（エラー訂正能力以上のデータ誤りが発生
する伝送路）ホッピング周波数チャネルを削除し、他の
良好なホッピング周波数チャネルに割り当てていくた
め、実際にホッピングする周波数チャネル数が無線伝送
路状態により、相当数少なくなることが考えられる。

【００３９】これは、一度ホッピングパターンから削除
されたホッピングチャネルの伝送路状態を再検査する手
段は、設定されたプリスキャン間隔２４でしか発生しな
いため、プリスキャン間隔２４の間において、他の無線
ネットワークの集中などによる無線伝送路状態の悪化に
よっては実際にホッピング可能な周波数チャネル数が減
少するためである。

【００４０】この問題点を解決するため、図３におい
て、ホッピングチャネル数のしきい値を格納するメモリ
１０５、ホッピングチャネル数管理回路１０６、プリス
キャン起動信号１０２を有している。無線伝送路状態を
反映したホッピングパターンが格納回路１９に格納さ
れ、その置換後のホッピングパターン及びメモリ１０５
内のホッピングチャネル数しきい値を入力として、ホッ
ピングチャネル数管理回路１０６において、置換後のホ
ッピングチャネル数とホッピングチャネルのしきい値と
を比較する。

【００４１】この結果、置換後のホッピングチャネル数
がホッピングチャネル数のしきい値より少なければ、プ
リスキャン起動信号１０２を許可しプリスキャン回路９
を起動する。これにより、一度現状のホッピングシーケ
ンスを解散し、再度無線伝送路状態を検査し直すことに
より新たにホッピングシーケンスを再構築することがで
き、任意のホッピングチャネル数を維持したホッピング
シーケンスを提供することが可能となる。

【００４２】更に、図１において、ホッピングパターン
１６を生成する場合、機器固有のアドレス情報１、スロ
ット番号情報２とホッピング数の設定１０４に基づい
て、機械的に一意的なホッピングパターン１６をホッピ
ングパターン生成回路３により決定していたが、キャリ
ア周波数ラベリング回路８の周波数ラベリング結果１０
３をホッピングパターン生成回路３において、ホッピン
グ周波数１５をマッピング（割り付ける）時参照させる
ことにより、当初からノイズや妨害波の影響を受けにく
いホッピング周波数１５を選択することが可能となり、
より安定した通信環境を提供することが可能である。

【００４３】また、従来は、ホッピング数の設定値１０
４によりホッピングシーケンスが決まっていたが、ホッ
ピング数の設定値１０４を用いずに周波数ラベリング結
果１０３により、良好な周波数チャネルのみを選択した
ホッピングシーケンスを構成することも可能である。

【００４４】図５は同実施の形態のホッピング周波数制
御回路を有する無線通信機器間での通信時の動作を示す
模式図であり、図６は同実施の形態のホッピング周波数
制御回路を有する３台以上の無線通信機器間における通
信方式の従来方式との比較説明図である。

【００４５】図５において、２５は通信マスター機器
（Ａ）、２６は通信スレーブ機器（Ｂ）、２７は通信ス
レーブ機器（Ｃ）、２８は機器（Ａ）２５から機器
（Ｂ）２６への送信パケット、２９は機器（Ｂ）２６か
ら機器（Ａ）２５への送信（応答）パケット、３０は機
器（Ａ）２５から機器（Ｃ）２７への送信パケット、３
１は機器（Ｃ）２７から機器（Ａ）２５への送信（応
答）パケット、３２は機器（Ａ）、機器（Ｂ）、機器
（Ｃ）により構成された無線通信ネットワーク、３３は
他の無線通信機器間で構成された無線通信ネットワー
ク、３４は次スロットで使用するキャリア周波数確保の
ためのダミーキャリアである。

【００４６】また、図６において、３５は無線通信機器
間の通信用のスロット、（ａ）は従来の通信方法、
（ｂ）は本発明の特徴を有した通信機器間の通信方法で
ある。以下、本発明の一応用例の動作について図面を参
照しながら説明する。

【００４７】図６（ａ）の従来の無線通信機器におい
て、スロット３５のｔ１では、機器（Ａ）２５から機器
（Ｂ）２６へキャリア周波数（ｆ１）１５でパケットを
送信している。この時、機器（Ｃ）２７はパケット２８
を受信するが、自分宛のパケットで無いためそのパケッ
ト２８を破棄する。次のスロット３５のｔ２では、機器
（Ｂ）２６が機器（Ａ）２５にキャリア周波数（ｆ２）
１５で応答パケットを送り返す。この場合も、機器
（Ｃ）２７はパケット２９を受信するが、自分宛のパケ
ットで無いためそのパケット２９を破棄する。以降、同
様にスロット３５をｔ３、ｔ４、ｔ５と進めながら、各
機器間通信を行っていく。

【００４８】しかし、無線通信ネットワーク３２の近傍
に同じホッピング周波数帯を利用する他の周波数ホッピ
ング方式の無線通信ネットワーク３３が存在した場合、
無線通信ネットワーク間でキャリア周波数が衝突し、互
いに伝送効率や伝送品質の低下を起こすことが考えられ
る。

【００４９】この問題を解決するため、図６（ｂ）で
は、スロット３５のｔ１で機器（Ａ）２５から機器
（Ｂ）２６へキャリア周波数（ｆ１）１５でパケットを
送信し、機器（Ｃ）２７はパケット２８を受信するが、
自分宛のパケットで無いためそのパケット２８を破棄す
ると同時に、次のスロット３５であるｔ２で使用するキ
ャリア周波数（ｆ２）をダミーキャリア３４として送信
する。

【００５０】これにより、通信ネットワーク３２では、
キャリア周波数（ｆ２）１５を使用することが可能とな
り、一方の通信ネットワーク３３においては、キャリア
周波数（ｆ２）１５を他のキャリア周波数１５に変更す
ることが可能となる。

【００５１】以降のスロット３５も同様に、ｔ２では機
器（Ｃ）２７がキャリア周波数（ｆ３）１５を出力し、
ｔ３では機器（Ｂ）２６がキャリア周波数（ｆ４）を出
力し、ｔ４では機器（Ｂ）２６がキャリア周波数（ｆ
５）を出力し、ｔ５では機器（Ａ）がキャリア周波数
（ｆ６）を出力する。

【００５２】以上のように、スロット３５において、通
信に直接携わっていない機器が次スロットで使用するキ
ャリア周波数１５を送信することにより、隣接する他の
無線通信ネットワークが存在する場合においても、無線
通信ネットワーク間で、互いに、より妨害を受けにくい
無線通信システムの構築が可能となる。

【００５３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ホッピン
グパターンにおける各周波数での電波状態を予めスキャ
ンすることにより、固定妨害波などによりコンディショ
ンが不良状態の周波数を記憶し、その周波数で通信する
場合に、キャリア周波数をコンディションが良状態の周
波数に置換してコンディションが不良状態の周波数を含
まないホッピングパターンを生成することができる。

【００５４】そのため、周波数ホッピング方式によるデ
ータ伝送におけるパケットの再送および破棄をすること
なく、伝送効率を向上するとともに良好な伝送品質を維
持することができる。

【００５５】また、ホッピングパターンにおける各周波
数に対して、一定周期でスキャンを実行することによ
り、固定妨害波の周波数が変化した場合への対応も可能
にすることができる。

【００５６】また、ホッピングパターンに対する周波数
置換において、キャリア周波数をバッドコンディション
以外の最も良好な周波数に固定することができる。その
ため、最良のコンディションでのデータ伝送を行うこと
ができる。

【００５７】また、１対多通信システムにおいて、デー
タ伝送を行っていない無線通信機器が、ホッピングパタ
ーンにおける次のキャリア周波数を、現オンエアー中に
伝送しておくことができる。

【００５８】そのため、ホッピングパターンにおける次
のキャリア周波数を、他の無線通信システムが使用する
ことを制限することができ、周波数ホッピング方式によ
る確実なデータ伝送を維持して、データ伝送におけるパ
ケットの再送および破棄をすることなく、伝送効率を向
上するとともに良好な伝送品質を確保することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態のホッピング周波数制御
回路を用いた無線通信機器の構成を示すブロック図

【図２】同実施の形態のホッピング周波数制御回路にお
ける周波数ホッピングパターンの説明図

【図３】同実施の形態のホッピング周波数制御回路にお
けるキャリア周波数置換回路の詳細構成を示すブロック
図

【図４】同実施の形態のホッピング周波数制御回路にお
けるプリスキャン起動時の動作説明図

【図５】同実施の形態のホッピング周波数制御回路を有
する無線通信機器間での通信時の動作を示す模式図

【図６】同実施の形態のホッピング周波数制御回路にお
ける通信方式の従来方式との比較説明図

【図７】従来のホッピング周波数制御回路を用いた無線
通信機器の構成を示すブロック図

【符号の説明】

１ 機器固有アドレス情報 ２ スロット番号情報 ３ ホッピングパターン生成回路 ４ キャリア周波数置換回路 ５ キャリア周波数生成回路 ６ ＲＦ回路 ７ アンテナ ８ キャリア周波数ラベリング回路 ９ プリスキャン回路 １０ データ送受信回路 １１ 送信データ １２ 受信データ １３ ビットエラー数信号 １４ （キャリア周波数ラベリング回路の）記憶情報 １５ （周波数ホッピング用の）キャリア周波数 １６ ホッピングパターン １７ （プリスキャン後の各キャリア周波数におけ
る）ビットエラー数 １８ キャリア周波数検査回路 １９ ホッピングパターン格納回路 ２０ キャリア周波数選択回路 ２１ ベストキャリア周波数選択回路 ２２ 置換回路 ２３ 無線通信開始時のプリスキャン ２４ スキャン間隔 ２５ 通信マスター機器（Ａ） ２６ 通信スレーブ機器（Ｂ） ２７ 通信スレーブ機器（Ｃ） ２８ 送信パケット（ｆ１） ２９ 送信（応答）パケット（ｆ２） ３０ 送信パケット（ｆ３） ３１ 送信（応答）パケット（ｆ４） ３２ 無線通信ネットワーク ３３ 他の無線通信ネットワーク ３４ ダミーキャリア ３５ 機器間通信スロット １００ 誤り訂正回路 １０１ 誤り訂正結果 １０２ プリスキャン起動信号 １０３ キャリア周波数ラベリング結果 １０４ ホッピング数の設定 １０５ メモリ １０６ ホッピングチャネル数管理回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽原 紀史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長澤 幸義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 5K014 AA01 FA11 5K022 EE04 EE31 5K067 AA03 AA05 AA13 BB21 CC08 CC10 DD41 HH21 HH22 KK00

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無線伝送路を通じて周波数ホッピング方
   式を用いて無線通信を行う無線通信機器において、その
   通信の際のホッピングパターンに基づいて、前記無線通
   信機器が使用するキャリア周波数の生成を制御するホッ
   ピング周波数制御回路であって、前記無線通信に先立っ
   て前記ホッピングパターンの周波数帯をスキャンし前記
   無線伝送路における各キャリア周波数での電波状態を予
   め検知するプリスキャン回路と、前記プリスキャン回路
   によりスキャンした周波数帯の電波状態が不良な周波数
   を指標して記憶するバッドコンディション周波数ラベリ
   ング回路と、前記バッドコンディション周波数ラベリン
   グ回路により記憶した電波状態に基づいて、その不良状
   態に対応してホッピングパターンの周波数を変更する周
   波数置換回路とを備え、前記周波数置換回路を、前記電
   波状態に基づいて、ホッピング周波数帯域を変更するこ
   となく、ホッピングパターンにおける周波数を部分的に
   変更するよう構成したことを特徴とするホッピング周波
   数制御回路。
2. 【請求項２】 無線伝送路の電波状態の検知時に検出し
   た通信エラー数を管理し、前記通信エラー数に基づい
   て、その通信エラー数が少なくなる電波状態の周波数帯
   を、選別して割当てるよう構成したことを特徴とする請
   求項１に記載のホッピング周波数制御回路。
3. 【請求項３】 通信エラー数を少なくする電波状態の周
   波数帯を選別する際、被置換ホッピング周波数の前後の
   ホッピング周波数を用いてホッピング周波数の置換を行
   うことを特徴とする請求項２に記載のホッピング周波数
   制御回路。
4. 【請求項４】 無線伝送路の電波状態の検知時に、その
   周期を任意に設定可能なように構成したことを特徴とす
   る請求項１に記載のホッピング周波数制御回路。
5. 【請求項５】 無線通信に最適なホッピングパターンを
   得るために無線伝送路の電波状態を検知する場合に、デ
   ータ受信時に受信したデータの誤りを検出する手段と、
   受信データの誤りを訂正する手段及びその誤りの数が訂
   正能力のしきい値を越えた場合にホッピングパターンを
   変更する手段を有することを特徴とする請求項１に記載
   のホッピング周波数制御回路。
6. 【請求項６】 現在のホッピングチャネル数を管理する
   手段と、ホッピングチャネル数のしきい値を保持する手
   段と、ホッピングチャネル数が所定のしきい値より少な
   くなった場合に現在のホッピングシーケンスを解散する
   手段と、再度プリスキャンにより新たなホッピングシー
   ケンスを構築する手段を有することを特徴とする請求項
   ５に記載のホッピング周波数制御回路。
7. 【請求項７】 無線伝送路を通じて周波数ホッピング方
   式を用いて無線通信を行う無線通信機器であって、無線
   伝送路の状態を検査する手段と、任意のホッピングチャ
   ネル数によるホッピングシーケンスを生成する手段を有
   することにより、固定されたホッピングシーケンスだけ
   でなく、無線伝送路の状態に応じた最適なホッピングシ
   ーケンスを提供することを特徴とする請求項１から請求
   項６のいずれかに記載のホッピング周波数制御回路。
8. 【請求項８】 請求項１から請求項７のいずれかに記載
   のホッピング周波数制御回路を用いた無線通信機器間で
   同一ネットワークとして通信する通信方法であって、前
   記同一ネットワークに係る無線通信機器のうち、ある特
   定の無線通信機器が用いるキャリア周波数を事前に確保
   するために、その無線通信機器が通信を開始する前に、
   前記同一ネットワークに係る他の無線通信機器がそのキ
   ャリア信号を送信することを特徴とする通信方法。
9. 【請求項９】 請求項１または請求項２または請求項４
   に記載のホッピング周波数制御回路を用いた３つ以上の
   無線通信機器間で、請求項８に記載の通信方法により通
   信する通信システムであって、同一ネットワーク内で直
   接通信に係らない無線通信機器が、次に使用されるキャ
   リア周波数でキャリア信号を送信することを特徴とする
   通信システム。