JP2002250804A - 光拡散粘着材、及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

光拡散粘着材、及びそれを用いた液晶表示装置

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JP2002250804A
JP2002250804A JP2001048120A JP2001048120A JP2002250804A JP 2002250804 A JP2002250804 A JP 2002250804A JP 2001048120 A JP2001048120 A JP 2001048120A JP 2001048120 A JP2001048120 A JP 2001048120A JP 2002250804 A JP2002250804 A JP 2002250804A
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light
adhesive material
light diffusion
inorganic
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Kiyohisa Iimura
清寿 飯村
Koichi Fujisawa
幸一 藤沢
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マトリクスとなる透明樹脂に対する微粒子の分
散性が高く、且つ、偏光特性を保持したまま、前方散乱
特性の向上及び光透過性に優れた光拡散粘着材、および
それを用いた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】無機微粒子を透明粘着性樹脂中に分散せし
めた光拡散粘着材であって、該無機微粒子が、実質的に
破砕面を有さない、多面体微粒子であり、微粒子の長軸
長をL、短軸長をSとした場合に、L/S比が2.0以
下であり、数平均粒径が0.1μm以上20.0μm以
下であり、累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累
積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたときに
D90/D10の値が7以下であり、透明粘着性樹脂と
異なる屈折率を有し、かつ光学的に異方性を有すること
を特徴とする光拡散粘着材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光拡散粘着材、お
よびそれを用いた液晶表示装置に関する。さらに詳しく
は、本発明は、液晶表示装置に使用した場合、その表示
品質を向上し得る光拡散粘着材、およびそれを用いた液
晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルは、薄型で低電力駆動と
いった利点を有する反面、光透過率、輝度、視野角面が
不十分であり、特に、CRT(ブラウン管)に比べて非
常に視野角が狭く、且つ、輝度が低いという問題があっ
た。これを解決する方法として、液晶表示パネルを透過
した光を、散乱板中に分散させた微粒子により全方位に
散乱させて視野の光を平均化する方法知られている。例
えば、液晶パネルに散乱層を組み込む方法として、偏光
板を貼合する際に粘着剤として、樹脂微粒子を散乱剤と
する光拡散粘着剤を用いる方法が知られている。しかし
ながら、この方法では、光拡散層における、前方散乱特
性、光透過性が十分なものとは言えなかった。
【0003】また、特開平10−206837号公報に
は、酸化セリウム等の光学的に等方性を有する高屈折率
透明顔料を樹脂中に分散させた光散乱層を観察者側基板
に配設する方法が開示されている。さらに、特開平7−
98446号公報(特許2976773号公報)には、
観察者側基板に光学的に等方性を有する微粒子を透明樹
脂中に分散させた光拡散層を配設する方法が開示されて
いる。しかしながら、上記した光学的に等方性を有する
微粒子を透明樹脂中に分散させた光拡散層では、前方散
乱特性、光透過性が十分なものとは言えず、これらの性
能が向上した光散乱層の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マト
リクスとなる透明樹脂に対する微粒子の分散性が高く、
且つ、偏光特性を保持したまま、前方散乱特性の向上及
び光透過性に優れた光拡散粘着材、およびそれを用いた
液晶表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光学的に異
方性を有する特定の微粒子を散乱材として分散せしめた
光拡散粘着材が、前方散乱特性、光透過性に優れている
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、無機微粒子を透明粘
着性樹脂中に分散せしめた光拡散粘着材であって、該無
機微粒子が、実質的に破砕面を有さない、多面体微粒子
であり、微粒子の長軸長をL、短軸長をSとした場合
に、L/S比が2以下であり、数平均粒径が0.1μm
以上20μm以下であり、累積粒度分布の微粒側からの
累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D9
0としたときにD90/D10の値が7以下であり、透
明粘着性樹脂と異なる屈折率を有し、かつ光学的に異方
性を有することを特徴とする光拡散粘着材を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明における光拡散粘着材は、光散乱効果を
付与するため、マトリクスとなる透明粘着性樹脂中に、
該透明粘着性樹脂と異なる屈折率を有し、かつ光学的に
異方性を有する無機微粒子を散乱材として分散せしめた
ものである。また、該光拡散粘着材は、マトリクスとな
る透明粘着性樹脂中に、上記した光学的に異方性を有す
る無機微粒子に、該透明粘着性樹脂と異なる屈折率を有
し、かつ光学的に等方性を有する微粒子を混合して分散
せしめたものであってもよい。
【0008】ここで、光学的に異方性を有する微粒子と
は、該微粒子中を進行する光線の偏光面に応じて微粒子
の屈折率が異なるものであり、例えば、正方晶系結晶、
六方晶系結晶等の一軸異方性結晶や、斜方晶系結晶、単
斜晶系結晶、三斜晶系結晶等の二軸異方性結晶などから
なる微粒子が挙げられる。また、光学的に等方性を有す
る微粒子とは、どの偏光面に対しても等しい屈折率を有
するものであり、例えば、立方晶系結晶や非晶質固体な
どからなる微粒子が挙げられる。
【0009】散乱材として用いる光学的に異方性を有す
る無機微粒子は、実質的に破砕面を有さない、多面体微
粒子であり、該微粒子の長軸長をL、短軸長をSとした
場合に、L/S比が2.0以下であり、該微粒子の数平
均粒径が0.1μm以上20μm以下、好ましくは0.
4μm以上10μm以下であり、累積粒度分布の微粒側
からの累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD1
0、D90としたときにD90/D10の値が7以下の
粒度分布を有するものである。該無機微粒子は、上記し
たパラメータを満足するものであれば、粒径の異なるも
のや種類の異なる2種類以上の無機微粒子を組み合わせ
て使用してもよい。
【0010】実質的に破砕面を有する不均一微粒子で
は、表面積が増大するため分散性が低下し、かつ形状が
均一でないため、散乱特性の低下および偏光特性の低下
が起こる。微粒子の数平均粒径が0.1μm未満では分
散性が低下し、20μmを超えると光散乱性樹脂の表面
の凹凸が大きくなる。L/S比が2を超えると、異方性
が強くなるため偏光度の低下が見られ、コントラストの
低下や着色が起こる。D90/D10の値が7を超える
と、粒径にバラツキが多くなるため、分散性が低下した
り、光散乱性樹脂の表面の凹凸が大きくなる。
【0011】光拡散粘着材における光学的に異方性を有
する無機微粒子の濃度[微粒子/(微粒子と透明樹脂の
和)]は、1〜50体積%が好ましく、5〜30体積%
が更に好ましい。該無機微粒子の濃度が50体積%を超
えると、散乱効果は増加するものの散乱層自体の光透過
率が低下し、反射光強度が低下する場合があり、且つ、
全体が白っぽくなり、表示品質が低下する場合があり、
さらに、粒子同士が凝集しやすくなる場合がある。該無
機微粒子の濃度が1体積%未満では、散乱効果が低下
し、効果的な散乱効果を得ることができない場合があ
る。
【0012】また、本発明の光学的に異方性を有する無
機微粒子は、必要に応じて、表面被覆処理を施してもよ
い。表面被覆処理の方法は特に限定されるものではない
が、金属イオン等を含む有機化合物もしくは無機化合物
で表面被覆処理を施されていること用いることが好まし
い。金属イオン等を含む有機化合物もしくは無機化合物
としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げら
れる。
【0013】本発明において使用される光学的に異方性
を有する無機微粒子としては、金属の酸化物が好まし
く、元素周期表におけるIIIa族〜IVb族に属する金属
の酸化物がより好ましく、酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、酸化チタン(チタニア)、チタン酸マグネシウム
(MgTiO2)が更に好ましい。なかでも、マトリク
スとなる透明樹脂と屈折率差が小さいアルミナ微粒子が
好ましく、特に好ましくは、実質的に破砕面を有さな
い、多面体微粒子であり、該微粒子の長軸長をL、短軸
長をSとした場合に、L/S比が2以下であり、数平均
粒径が0.1μm以上20μm以下、好ましくは0.4
μm以上10μm以下であり、累積粒度分布の微粒側か
らの累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD10、
D90としたときにD90/D10の値が7以下の粒度
分布を有するαアルミナ微粒子である。
【0014】本発明において使用されるαアルミナ微粒
子は、例えば、特開平6−191833号公報、特開平
6−191835号公報、特開平6−191836号公
報および特開平7−206430号公報等に記載の方法
により製造することができる。
【0015】本発明において使用されるαアルミナ微粒
子としては、例えば、住友化学工業(株)製のスミコラ
ンダムのAA04(数平均粒径0.4μm)、AA05
(数平均粒径0.5μm)、AA07(数平均粒径0.
7μm)、AA1(数平均粒径1.0μm)、AA2
(数平均粒径2.0μm)、AA4(数平均粒径4.0
μm)、AA5(数平均粒径5.0μm)、AA10
(数平均粒径10.0μm)等が挙げらる。
【0016】また、本発明においては、透明粘着性樹脂
中に、光学的に異方性を有する無機微粒子に加えて、光
学的に等方性を有する微粒子を混合して分散せしめても
よい。かかる光学的に等方性を有する微粒子は、無機微
粒子であっても有機樹脂微粒子であってもよい。
【0017】かかる光学的に等方性を有する無機微粒子
としては、例えば、MgF2 、CaF 2 、LiF、Na
F、BaF2 、MgO、CeO2、CaCO3、非晶質シ
リカ(SiO2)、非晶質シリカのアエロジル、溶融石
英の微粉末、フッ化物含有珪酸ガラスの微粉末などが挙
げられる。かかる光学的に等方性を有する有機微粒子と
しては、例えば、フッ素樹脂、ケイ素樹脂(シリコーン
樹脂)、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂などのアモルファスポリオレ
フィン樹脂の微粉末などが挙げられる。
【0018】本発明における光散乱樹脂層において、マ
トリクスとなる透明粘着性樹脂としては、例えば、合成
樹脂系接着剤、エマルジョン系接着剤、合成ゴム系接着
剤などが挙げられる。合成樹脂系接着剤としては、アク
リル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、ウレタン樹
脂系粘着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系
接着剤、ユリア樹脂系接着剤、シアノアクリレート樹脂
系接着剤、あるいはこれらの共重合体などが挙げられ
る。エマルジョン系接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系
エマルジョン系接着剤、酢酸ビニル共重合樹脂系エマル
ジョン系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン系接着
剤、ポリビニルアルコール等の水溶性接着剤などが挙げ
られる。さらに、該粘着剤は粘着付与剤、軟化剤、その
他各種充填剤、顔料、老化防止剤、安定剤などをその用
途に応じて適宜含んでもよい。
【0019】透明粘着性樹脂中に、光学的に異方性を有
する無機微粒子、または光学的に異方性を有する無機微
粒子及び光学的に等方性を有する微粒子を分散せしめる
方法としては、例えば、溶媒に溶解した透明樹脂中に微
粒子を添加し、その混合溶液に対して、超音波分散法、
攪拌脱泡ミキサー、ボールミル、ジェットミル等を用い
る方法があげられる。
【0020】光拡散粘着材は、例えば、オフセット印刷
法、スクリーン印刷法、ロールコート法、グラビアコー
ト法、バーコート法、スピンコート法、カーテンコート
法、スプレーコート法などの方法により、透明基板、偏
光板、楕円偏光板または位相差板などに塗布することに
より形成することができる。
【0021】該透明基板としては、透明な材料からなる
ものであれば特に限定はされないが、例えば、ガラスや
高分子フィルムなどが挙げられる。また、該透明基板
は、反射板、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上
フィルム、または1/4波長板などの各種液晶表示素子
関連部材と併用してもよく、該偏光フィルムは回折格子
などを積層したものであってもよい。
【0022】偏光フィルム、楕円偏光フィルムまたは位
相差フィルムなどの光学機能性フィルム上に光拡散粘着
材を形成することにより、光散乱機能を有する光学機能
性フィルムを得ることができる。
【0023】本発明の光拡散粘着材の厚みは、0.2μ
m〜100μmであることが好ましく、より好ましくは
0.5μm〜50μm、さらに好ましくは10.0μm
〜50.0μmである。厚みが0.2μm未満では、機
械的強度が十分ではなかったり、被着体への適用の際の
取り扱いが困難となり、表面に凹凸がある、または曲率
の異なる被着体同士の接着が困難となるなどの問題が生
じる場合がある。
【0024】液晶表示装置を構成する際に、本発明の光
拡散粘着材を用いて、偏光フィルム、楕円偏光フィルム
または位相差フィルムなどの光学機能性フィルムを貼合
することにより、粘着性樹脂自身が光拡散板として働
き、光の高透過性及び偏光特性を保持したまま、散乱特
性が向上し、液晶表示装置の表示品質を向上させること
ができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を、実施例を用いて説明する
が、本発明が実施例により限定されるものではないこと
は言うまでもない。
【0026】本発明における各種の測定法を以下に示
す。 (1)一次粒子系の数平均粒径の測定 走査電子顕微鏡(SEM、日本電子株式会社製:T−3
00)を使用して粉末粒子の写真を撮影し、その写真か
ら50〜100個の粒子を選択して画像解析を行い、そ
の平均値を求めた。 (2)D10、D90の測定(重量累積粒度分布の測
定) マスターサイザー(マルバルーン社製)を使用し、レー
ザー回折散乱法により測定した。測定のために準備した
アルミナスラリーは、アルミナ粉末2.5gに対して、
ヘキサメタリン酸ナトリウムの0.5質量%水溶液を2
5g添加し、該混合溶液をホモジナイザーにより超音波
を2分間照射し調整した。
【0027】(3)L/S比の測定 走査電子顕微鏡(SEM、日本電子株式会社製:T−3
00)を使用して粉末粒子の写真を撮影し、その写真か
ら5〜10個の粒子を選択して画像解析を行い、その平
均値を求めた。 (4)ヘイズ(曇価)、および全光線透過率の測定 ヘイズコンピュータ(スガ試験機株式会社製:HGM−
2DP)を使用して、ヘイズ(曇価)、および全光線透
過率を測定した。
【0028】(5)散乱特性評価 ファイバー型光源(中央精機製:SPH−100N)か
ら出た光を、レンズにより平行光化し、測定すべき試料
に照射する。試料は、光軸に対して試料面が直行する方
向に挿入する。試料を透過した光、および試料により散
乱された光の強度を光センサおよび光パワーメータで測
定した。散乱光の角度分布は、光センサ部を、光軸を中
心として−90℃〜90℃まで光軸に対して水平に回転
し測定した。散乱強度の比較は、試料を入れないときの
直進透過光強度をI0、試料によってある角度方向に散
乱された光の強度をIとしたときの散乱強度比IR: IR = I/I0 を用いて行った。
【0029】(6)偏光解析 紫外可視分光光度計(島津製作所製:MPC−220
0)を用いて偏光解析を行い、基準となる偏光板からの
偏光解消度(以後偏光度)を算出した。基準となる偏光
板に対して全く偏光のずれのないものを100%とす
る。波長は400nmから700nmを用いた。
【0030】実施例1 光学的に異方性を有する微粒子としてアルミナ微粒子を
用い、表面にシランカップリング処理を施すために、シ
ランカップリング剤中にアルミナ微粒子を添加し、超音
波により2時間分散後、真空乾燥を行った。シランカッ
プリング剤としては、信越化学工業株式会社製:KBM
−403、アルミナ微粒子としては、住友化学工業株式
会社製:スミコランダムAA1(数平均粒径:1.0μ
m)を用いた。続いて、マトリクスとなるアクリル系粘
着剤(リンテック社製:溶液状の粘着剤)90質量%と
シランカップリング処理を施したアルミナ微粒子(住友
化学工業株式会社製:スミコランダムAA1)10質量
%とを混合し分散させた。得られた分散溶液を透明ガラ
ス基板上にバーコータで塗布し、クリーンオーブンを用
いて100℃で10分乾燥させ、膜厚23.5μmの光
拡散粘着材を形成した。このようにして形成した光散乱
粘着層に対して、前記散乱特性測定、およびヘイズ測
定、全光線透過率測定を行ったところ、散乱角25°に
おける散乱強度比IR =0.051、ヘイズ;84.
2、全光線透過率;95%という値が得られた。偏光解
析を行った結果、偏光度は99.98%であり、偏光度
の低下が見られなかった。結果は表1に示す。また、光
散乱粘着層を顕微鏡観察した結果、凝集がほとんど見ら
れず、ほぼ均一分散となっていることが視認できた。表
1の分散性において「良」と示されたものは、凝集がほ
とんど見られず、ほぼ均一分散となっていることを示
す。
【0031】実施例2 実施例1と同様の方法でシランカップリング処理を施し
たアルミナ微粒子を用いて、マトリクスとなるアクリル
系粘着剤(リンテック社製:溶液状の粘着剤)90質量
%とシランカップリング処理を施したアルミナ微粒子
(住友化学工業株式会社製:スミコランダムAA2)1
0質量%とを混合し分散させた。得られた分散溶液を透
明ガラス基板上にバーコータで塗布し、クリーンオーブ
ンを用いて100℃で10分乾燥させ、膜厚24.0μ
mの光拡散粘着材を形成した。このようにして形成した
光散乱粘着層に対して、前記散乱特性測定、およびヘイ
ズ測定、全光線透過率測定を行ったところ、散乱角25
°における散乱強度比IR =0.048、ヘイズ;5
1.0、全光線透過率;94%という値が得られた。偏
光解析を行った結果、偏光度は99.96%であった。
結果は表1に示す。また、光散乱粘着層を顕微鏡観察し
た結果は、凝集がほとんど見られず、ほぼ均一分散とな
っていることが視認できた。
【0032】実施例3 実施例1で得られた光散乱粘着層を用いて、偏光板や位
相差フィルムを液晶表示セルに貼合することにより、視
野角、コントラスト比等が改善され、視認性の優れた表
示セルが得られる。
【0033】実施例4 実施例2で得られた光散乱粘着層を用いて、偏光板や位
相差フィルムを液晶表示セルに貼合することにより、視
野角、コントラスト比等が改善され、視認性の優れた表
示セルが得られる。
【0034】実施例5 光学的に異方性を有する微粒子としてアルミナ微粒子、
光学的に等方性を有する微粒子としてスチレン系微粒子
を用いた。アルミナ微粒子表面にシランカップリング処
理を施すために、シランカップリング剤中にアルミナ微
粒子を添加し、超音波により2時間分散後、真空乾燥を
行った。シランカップリング剤としては、信越化学工業
株式会社製:KBM−1003、アルミナ微粒子として
は、住友化学工業株式会社製:スミコランダムAA2
(数平均粒径:2.0μm)を用いた。スチレン系微粒
子としては、綜研化学株式会社製:ケミスノーSX35
0(数平均粒径:3.5μm)を用いた。続いて、マト
リクスとなるアクリル系粘着剤(リンテック社製:溶液
状の粘着剤)85質量%とシランカップリング処理を施
したアルミナ微粒子(住友化学工業株式会社製:スミコ
ランダムAA1)10質量%、スチレン系微粒子(綜研
化学株式会社製:ケミスノーSX350)5質量%とを
混合し分散させた。得られた分散溶液をガラス基板上に
バーコータで塗布し、クリーンオーブンを用いて100
℃で10分乾燥させ、膜厚24.5μmの光拡散粘着材
を形成した。このようにして形成した光散乱粘着層に対
して、前記散乱特性測定、およびヘイズ測定、全光線透
過率測定を行ったところ、散乱角25°における散乱強
度比IR =0.056、ヘイズ;64.4、全光線透過
率;94%という値が得られた。偏光解析を行った結
果、偏光度は99.96%であった。結果は表1に示
す。また、光散乱粘着層を顕微鏡観察した結果、凝集が
ほとんど見られず、ほぼ均一分散となっていることが視
認できた。表1の分散性において「良」と示されたもの
は、凝集がほとんど見られず、ほぼ均一分散となってい
ることを示す。
【0035】実施例6 実施例5で得られた光散乱粘着層を用いて、偏光板や位
相差フィルムを液晶表示セルに貼合することにより、視
野角、コントラスト比等が改善され、視認性の優れた表
示セルが得られる。
【0036】比較例1 アルミナ微粒子として、アルミニウム有機金属化合物を
用いた加水分解法により製造されたアルミナ(数平均粒
径:0.85μm)を用いた以外は実施例1と同様に、
透明ガラス基板上に膜厚24.0μmの光散乱粘着層を
形成した。これに対して、前記散乱特性測定、およびヘ
イズ測定、全光線透過率測定を行ったところ、散乱角2
5°における散乱強度比IR =0.020、ヘイズ;4
5.5、全光線透過率;91%という値が得られた。結
果は表1に示す。偏光解析を行った結果、偏光度は9
9.83%であり、偏光度の低下が見られた。結果は表
1に示す。また、光散乱粘着層を顕微鏡観察した結果、
凝集している個所が多く見られ、良好な分散状態が得ら
れていないことが視認できた。表1の分散性において
「不良」と示されたものは、凝集している個所が多く見
られ、良好な分散状態が得られていないことを示す。
【0037】比較例2 実施例5で用いたアルミナ微粒子を用いず、光学的に等
方性を有するスチレン系微粒子のみを用いて、実施例5
同様の光散乱樹脂層を形成した。スチレン系微粒子とし
ては、綜研化学株式会社製:ケミスノーSX350(数
平均粒径:3.5μm)を用いた。続いて、マトリクス
となるアクリル系粘着剤(リンテック社製:溶液状の粘
着剤)90質量%とスチレン系微粒子(綜研化学株式会
社製:ケミスノーSX350)10質量%とを混合し分
散させた。得られた分散溶液をガラス基板上にバーコー
タで塗布し、クリーンオーブンを用いて100℃で10
分乾燥させ、膜厚24.0μmの光拡散粘着材を形成し
た。このようにして形成した光散乱粘着層に対して、前
記散乱特性測定、およびヘイズ測定、全光線透過率測定
を行ったところ、散乱角25°における散乱強度比IR
=0.043、ヘイズ;62.8、全光線透過率;93
%という値が得られた。偏光解析を行った結果、偏光度
は99.97%であった。結果は表1に示す。また、光
散乱粘着層を顕微鏡観察した結果、凝集がほとんど見ら
れず、ほぼ均一分散となっていることが視認できた。
【0038】比較例3 アルミナ微粒子に対してシランカップリング処理を施す
工程を除く以外は実施例1と同様に、ガラス基板上に光
拡散粘着材を形成した。これに対して、光拡散粘着材を
顕微鏡観察した結果、凝集している個所が幾分見られ、
実施例1に比べて良好な分散状態が得られていないこと
が視認できた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、マトリクスとなる透明
樹脂に対する微粒子の分散性が高く、前方散乱特性の向
上及び光透過性に優れた光拡散粘着材を得ることができ
る。また、該光拡散粘着材を液晶表示装置の構成要素に
組み込むことにより、光の高透過性及び偏光特性を保持
したまま、散乱特性を向上せしめ、視認性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における光拡散粘着材を構成要素に組み
込んだ液晶表示装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 偏光板 3r 赤色カラーフィルタ 3g 緑色カラーフィルタ 3b 青色カラーフィルタ 4 液晶層 5 オーバーコート層 6 透明電極 7 光拡散粘着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA15 BA20 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA19X FA31X FB06 FC12 GA01 LA16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子を透明粘着性樹脂中に分散せし
    めた光拡散粘着材であって、該無機微粒子が、実質的に
    破砕面を有さない、多面体微粒子であり、微粒子の長軸
    長をL、短軸長をSとした場合に、L/S比が2.0以
    下であり、数平均粒径が0.1μm以上20.0μm以
    下であり、累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累
    積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたときに
    D90/D10の値が7以下であり、透明粘着性樹脂と
    異なる屈折率を有し、かつ光学的に異方性を有すること
    を特徴とする光拡散粘着材。
  2. 【請求項2】透明粘着性樹脂と異なる屈折率を有すると
    ともに光学的に異方性を有する無機微粒子に加えて、透
    明粘着性樹脂と異なる屈折率を有するとともに光学的に
    等方性を有する微粒子を分散せしめてなる請求項1記載
    の光拡散粘着材。
  3. 【請求項3】光学的に等方性を有する微粒子が、実質的
    に破砕面を有さない、多面体微粒子であり、微粒子の長
    軸長をL、短軸長をSとした場合に、L/S比が2以下
    であり、数平均粒径が0.1μm以上20μm以下であ
    り、累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累積90
    %の粒径をそれぞれD10、D90としたときにD90
    /D10の値が7以下の無機微粒子である請求項2記載
    の光拡散粘着材。
  4. 【請求項4】無機微粒子が、αアルミナ微粒子である請
    求項1〜3記載の光拡散粘着材。
  5. 【請求項5】無機微粒子が、表面被覆処理を施された無
    機微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散
    粘着材。
  6. 【請求項6】無機微粒子が、金属イオンを含む有機化合
    物もしくは金属イオンを含む無機化合物で表面被覆処理
    を施された無機微粒子である請求項1〜5のいずれかに
    記載の光拡散粘着材。
  7. 【請求項7】金属イオンを含む有機化合物もしくは金属
    イオンを含む無機化合物が、シランカップリング剤、チ
    タンカップリング剤およびアルミニウム系カップリング
    剤から選ばれる少なくとも1つである請求項6記載の光
    拡散粘着材。
  8. 【請求項8】光拡散粘着材が、0.2μm〜100μm
    の厚みを有する請求項1〜7のいずれかに記載の光拡散
    粘着材。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の光拡散粘
    着材を有することを特徴とする光学機能フィルム。
  10. 【請求項10】液晶セルの外側または内側の少なくとも
    片側に、請求項9記載の光学機能フィルムを具備してな
    ることを特徴とする液晶表示装置。
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