JP2002247990A - マウスap1・リプレッサー転写因子jdp−2 - Google Patents

マウスap1・リプレッサー転写因子jdp−2

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JP2002247990A
JP2002247990A JP2001050645A JP2001050645A JP2002247990A JP 2002247990 A JP2002247990 A JP 2002247990A JP 2001050645 A JP2001050645 A JP 2001050645A JP 2001050645 A JP2001050645 A JP 2001050645A JP 2002247990 A JP2002247990 A JP 2002247990A
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Japan
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atf
protein
amino acid
acid sequence
jdp2
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JP2001050645A
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Kazunari Yokoyama
一成 横山
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 F9細胞の分化中のDRF複合体におけるATF-2に
結合するタンパク質を同定すること。 【解決手段】 下記の何れかのタンパク質とATF-2とか
ら成るタンパク質複合体。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
るタンパク質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRE依存性転写を
抑制するタンパク質、並びにその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】ATF-2は、転写因子のATF/CREBファミリ
ーの一員である。ATF-2は、塩基性アミノ酸ロイシン・
ジッパーモチーフ(bZIP)を含み、細胞の増殖及び分
化、腫瘍形成並びにアポトーシスに関連する様々な転写
応答に関与する[Hai, T., 他 (1989) Genes & Dev. 3,
2083-2090;Maekawa, T., 他 (1989) EMBO J. 8, 2023
-2028;Liu, F., 他 (1990) Cell 61, 1217-1224;Flin
t, K. J., 他 (1991) Oncogene 6, 2019-2016;Maekaw
a.T., 他 (1991) Oncogene 6, 627-232;及びKarin, M.
他 (1992) Trends Biochem. Sci. 17, 418-422]。ATF
-2は、ATFファミリーの他のメンバーやJun/Fosファミリ
ーのメンバーと、ロイシン・ジッパー・モチーフを介し
てホモダイマー及びヘテロダイマーを形成する[Benbro
ok, D. M., 他(1990) Oncogene 5, 295-302;Ivashkiv,
L. B. 他 (1990) Mol. Cell. Biol. 88, 3720-37214;
Hai, T., 他 (1991) Proc. Natl. Acad Sci. U.S.A. 8
8, 3720-3724;Hsu, J. -C., 他 (1991) Proc. Natl. A
cad. Sci. U.S.A. 88, 3511-2515;Karin, M., 他 (199
7) Curr. Opin. Cell. Biol. 9, 240-246;Kim, S. J.,
他 (1992) Nature 358, 331-334;van Dam, H., 他 (19
95) EMBO J. 14, 1798-1811;及びReimold, A. M. 他
(1996) Nature 379, 262-265]。さらに、ATF-2は、cAM
P応答配列(cAMP Response Element, CRE)及びCRE様配
列に結合する[Liu, F., 他 (1990) Cell 61, 1217-122
4;Flint, K. J., 他 (1991) Oncogene 6,2019-2016;
及びMaekawa.T., 他 (1991) Oncogene 6, 627-232]。
【0003】ATF-2を含むホモ及びヘテロダイマーは各
々、CREを介して転写を調節することができ、かつCREB/
ATF又はAPl調節遺伝子の特定のサブセットとして機能す
る[Karin, M., 他 (1997) Curr. Opin. Cell. Biol.
9, 240-246]。ATF-2は、転写応答における介在因子と
して、アデノウイルスE1Aタンパク質[Liu, F., 他 (19
90) Cell 61, 1217-1224;Flint, K. J., 他 (1991) On
cogene 6, 2019-2016;及びMaekawa.T., 他 (1991) Onc
ogene 6, 627-232]、Rbタンパク質[Kim, S. J., 他
(1992) Nature 358, 331-334]と、又、ストレスを制御
する因子と相互作用する[van Dam, H., 他 (1995) EMB
O J. 14, 1798-1811]。しかしながら、ATF-2の生物学
的役割はあまり理解されていない。ATF-2ノックアウト
マウスは出生後の生存度及び成長が低く、軟骨内骨化及
び小脳プルキンエ細胞数の減少を伴う運動失調の欠陥
[Reimold, A. M. 他 (1996) Nature 379, 262-265]、
並びに重症ヒト羊水吸引症候群に類似する重症呼吸困難
の症状[Maekawa, T., 他 (1999)J. Biol. Chem. 274,
17813-17819]を伴う。
【0004】ATF-2のトランス活性化能は、細胞性スト
レスに応答してリン酸化により調節され、このリン酸化
は、部分的にはJunアミノ末端キナーゼ/ストレス活性
化プロテインキナーゼ(JNK/SAPK)及びp38ファミリー
内の分裂促進因子活性化プロテインキナーゼによって触
媒される[van Dam, H., 他 (1995) EMBO J. 14, 1798-
1811;Gupta, S., 他 (1995) Science 267. 389-393;D
erijard, B., 他 (1994) Cell 76, 1025-1037;及びLiv
ingston, C., 他 (1995) EMBO J. 14, 1785-1797]。JN
K及びp38などのストレス活性化プロテインキナーゼは、
アミノ末端転写活性化ドメインに近接して位置するThr-
69、Thr-71及びSer-90でATF-2をリン酸化する。このリ
ン酸化はATF-2のトランス活性化能を促進する[Livings
ton, C.,他 (1995) EMBO J. 14, 1785-1797]。アデノ
ウイルスE1Aタンパク質の保存領域3(CR3)はATF-2のロ
イシンジッパーと相互作用して、おそらく立体構造の変
化を誘発し、これがアミノ末端活性化ドメインの露出を
生じさせる[Duyndam, M. C. A., 他 (1996) J.Virol.
70, 5857-5859]。このタイプの活性化にはATF-2のアミ
ノ末端領域におけるトレオニン又はセリン残基のリン酸
化が関与する。また、E1Aタンパク質はc-jun遺伝子の転
写をCR1依存的な様式で活性化できる。この活性化に
は、プロモーター内の2つのAP-1/ATF様配列、すなわ
ち既存のc-Jun及びATF-2又はATF-2関連因子からなるヘ
テロダイマーを優先的に結合するjun1-TRE (TGACATC
A)及びjun2-TRE (TTACCTCA)が介在する[van Dam,
H., 他 (1995) EMBO J. 14, 1798-1811;及びvan Dam,
H., 他 (1993) EMBO J. 12, 479-487]。CR1に依存する
活性化はATF-2のアミノ末端におけるThr-69及びThr-71
の存在には厳密には依存しない[Duyndam, M. C. A.,
他 (1996) J.Virol. 70, 5857-5859]。
【0005】本発明者らは以前に、ATF-2及びp300が、
マウス胚性カルシノーマF9細胞の分化の過程でc-jun遺
伝子のレチノイン酸及びアデノウイルスE1Aを介した転
写活性化において協同して作用することを実証した[Ka
wasaki, H., 他 (1998) Genes&Dev. 12, 233-45;Kawas
aki, H., 他 (1998) Nature 393, 284-289;及びKawasa
ki, H., 他 (2000) Nature 405, 195-200]。また、本
発明者らは、p300及びATF-2のリン酸化に伴いF9細胞のR
A及びE1Aによる分化が誘導されることも見出した。本発
明者らは分化調節因子−1(DRF1)及びDRF2と命名され
る2種類の複合体を同定しているが、これらの複合体は
分化応答配列(DRE)に特異的に結合し、c-jun遺伝子の
RA及びE1Aによる発現促進に必要かつ十分なものであっ
た[Kitabayashi, I., 他 (1995) EMBO J. 14, 3496-35
09]。しかしながら、p300及びATF-2によるc-junプロモ
ーターのトランス活性化のレベルはc-jun遺伝子のRA及
びE1A依存性の活性化によるレベルよりも一貫して下回
っていた。UV架橋研究でもDRF複合体における他のタン
パク質の存在が示唆されていたが[Kawasaki, H., 他
(1998) Genes& Dev. 12, 233-45]、未だこのようなタ
ンパク質は同定されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、F9
細胞の分化中のDRF複合体におけるATF-2に結合するタン
パク質を同定することを解決すべき課題とした。さらに
本発明は、同定されたDRF複合体中のタンパク質の特性
を調べること、特に該タンパク質が、CRE依存性転写を
制御することができるかどうかを調べることを解決すべ
き課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ATF-2をベイト(b
ait)として用いる酵母ツー・ハイブリッド法(yeast-t
wo hybrid)を用いることにより、CRE依存性転写を抑制
することができるATF-2の直接パートナーとして、マウ
スJun二量体化タンパク質2(JDP2)を同定することに成
功した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したもの
である。
【0008】即ち、本発明によれば、下記の何れかのタ
ンパク質とATF-2とから成るタンパク質複合体が提供さ
れる。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
るタンパク質。
【0009】本発明のさらに別の側面によれば、配列番
号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質、配列番
号1に記載のアミノ酸配列をコードする遺伝子、並びに
配列番号2に記載の塩基配列又はその中のアミノ酸をコ
ードする塩基配列を有する遺伝子が提供される。
【0010】本発明のさらに別の側面によれば、下記の
何れかのタンパク質から成る、CRE依存性転写の阻害剤
が提供される。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
るタンパク質。ここでのCRE依存性転写は、好ましくはA
TF-2が介在するCRE依存性転写である。
【0011】本発明のさらに別の側面によれば、下記の
何れかのタンパク質を有効成分として含む医薬が提供さ
れる。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
るタンパク質。
【0012】本発明のさらに別の側面によれば、本発明
のタンパク質を用いることを特徴とする、CRE依存性転
写を抑制する方法が提供される。本発明のさらに別の側
面によれば、本発明のタンパク質を用いることを特徴と
する、該タンパク質によるCRE依存性転写の抑制を阻害
する物質のスクリーニング方法が提供される。本発明の
スクリーニング方法は好ましくは、宿主細胞に、CRE配
列とその下流にレポーター遺伝子を有する発現ベクター
と、本発明のタンパク質を発現できる発現ベクターとを
トランスフェクションする工程、被験物質の存在下又は
非存在下において細胞を培養する工程、及びレポーター
遺伝子の発現の程度を測定する工程を含む。本発明のさ
らに別の側面によれば、上記したスクリーニング方法に
より得られる物質が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様及び実施
方法について詳細に説明する。(1)CRE依存性転写の阻害剤 本発明によるCRE依存性転写の阻害剤は、下記の何れか
のタンパク質(以下、これらのタンパク質を本発明のタ
ンパク質と称する)から成ることを特徴とする。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
るタンパク質。 上記タンパク質は、ATF-2と相互作用して複合体を形成
することにより、CRE依存性転写を抑制することができ
る。
【0014】上記した「配列番号1に記載のアミノ酸配
列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又
は挿入したアミノ酸配列」における「1から数個」の範
囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好
ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さ
らに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個
程度を意味する。上記した「配列番号1に記載のアミノ
酸配列と60%以上の相同性を有するアミノ酸配列」と
は、該アミノ酸配列と配列番号1に記載のアミノ酸配列
との相同性が少なくとも60%以上であり、好ましくは
70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好まし
くは90%以上、特に好ましくは95%以上であり、最
も好ましくは98%以上であることを意味する。
【0015】上記した「ATF-2と結合できるタンパク
質」とは、該タンパク質が、配列番号1に記載のアミノ
酸配列を有するタンパク質と同程度又はそれ以上の親和
性でATF-2と結合することができ、それによってCRE依存
性転写が抑制されるようなタンパク質を意味する。
【0016】次に、配列番号1に記載のアミノ酸配列を
有するタンパク質の入手・製造方法について説明する。
配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質の
入手・製造方法は特に限定されず、天然由来のタンパク
質でも、化学合成したタンパク質でも、遺伝子組み換え
技術により作製した組み換えタンパク質の何れでもよ
い。比較的容易な操作でかつ大量に製造できるという点
では、組み換えタンパク質が好ましい。
【0017】配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する
タンパク質を製造するには、該タンパク質をコードする
塩基配列(例えば、配列番号2に記載の塩基配列)を有
するDNAを作製し、これを好適な発現系に導入するこ
とにより目的タンパク質を製造することができる。配列
番号2に記載の塩基配列を有するDNAは、マウスの胚
由来のcDNAライブラリーを、配列番号2に記載の塩
基配列の情報に基づいて設計した好適なプライマー又は
プローブを用いてスクリーニングすることにより入手で
きる。マウスの胚由来のcDNAライブラリーは、目的
遺伝子を発現している器官、組織又は細胞から作製する
ことが好ましい。当該遺伝子を発現している組織として
は、心臓、脳、脾臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、精巣な
どが挙げられるが、これらに限定されない。これらの器
官又は組織からmRNAを採取し、cDNAライブラリ
ーを構築することができる。あるいは、マウスの脳由来
のcDNAライブラリーを用いてもよい。このようなマ
ウスの多様な組織由来のcDNAライブラリーの構築方
法は当業者に公知であり、また市販のcDNAをライブ
ラリーを用いることもできる。
【0018】組み換えタンパク質を発現させるための発
現系(遺伝子を含む発現ベクターとその宿主)は当業者
に公知である。DNAを宿主細胞中で発現させるために
は、まず、該DNAを発現ベクター中のプロモーターの
下流に挿入し、次いでこの組み換え発現ベクターを、当
該発現ベクターに適合した宿主細胞中に導入する。
【0019】細菌用の発現ベクターとしては、pGEM
EX−1(Promega社製)、pQE−9(QIA
GEN社製)、pQE−30(QIAGEN社製)、p
RSET(Invitrogen社製)、pLEX(I
nvitrogen社製)、pTrcHis(Invi
trogen社製)、pGEX(Pharmacia社
製)、pET(Novagen社製)などが挙げられ、
酵母用の発現ベクターとしては、例えば、YEp13
(ATCC37115)、YEp24(ATCC370
51)、Ycp5O(ATCC37419)、pHS1
9、pHS15等が挙げられ、バキュロ用の発現ベクタ
ーとしては、pFastBac(GibcoBRL社
製)、pVL1392(Invitrogen社製)等
が挙げられ、動物細胞用の発現ベクターとして、例え
ば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社)、pcD
NAI/AmP(Invitrogen社製)、pRE
P4(Invitrogen社製)などや、組換えウイ
ルス作成用発現ベクター、例えば、pMFG(Taka
ra社製)、pAdex(Takara社製)などが挙
げられる。
【0020】細菌用の発現ベクターに用いることができ
るプロモーターとしては、例えば、trpプロモーター
(P trp)、T7プロモーター、lacプロモータ
ー(P lac)、PLプロモーター、PRプロモータ
ー、PSEプロモーター等の大腸菌やファージ等に由来す
るプロモーター等を挙げることができる。酵母用の発現
ベクターに用いることができるプロモーターとしては、
例えば、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、
GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal1プ
ロモーター、gal10プロモーター、ヒートショック
タンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、CU
P1プロモーター等を挙げることができる。バキュロ用
の発現ベクターに用いることができるプロモーターとし
ては、例えば、ポリヘドリンプロモーター等を挙げるこ
とができる。動物細胞用の発現ベクターに用いることが
できるプロモーターとしては、例えば、サイトメガロウ
イルス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子の
プロモーター、SV40の初期プロモーター、レトロウ
イルスのプロモーター、アデノウイルスのプロモータ
ー、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプ
ロモーター、SRαプロモーター、アクチンプロモータ
ー等を挙げることができる。また、ヒトCMVのIE遺
伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよ
い。
【0021】宿主細胞としては、目的タンパク質を発現
できるものであれば特に制限されず、細菌、酵母、動物
細胞、昆虫細胞などが挙げられる。より具体的には、エ
ッシェリヒア属、セラチア属、コリネバクテリウム属、
ブレビバクテリウム属、シュードモナス属、バチルス
属、ミクロバクテリウム属等に属する細菌、クルイベロ
ミセス属、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス
属、トリコスポロン属、シワニオミセス属等に属する酵
母、ナマルバ細胞、HeLa細胞COS1細胞、COS
7細胞、CHO細胞、293細胞などの動物細胞、Sf
9、Sf21、HiFiveなどの昆虫細胞等を挙げる
ことができる。
【0022】組換えベクターの宿主への導入方法は、例
えば、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、エレク
トロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウ
ム法、リポフェクション法などが挙げられ、宿主細胞の
種類に応じて適宜選択することができる。
【0023】昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組
換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫
細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルス
を得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染さ
せ、タンパク質を発現させることができる(例えば、Ba
culovirus Expression Vectors, A Laboratory Manua
1;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラ
ー・バイオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に
記載)。
【0024】バキュロウイルスとしては、例えば、ヨト
ウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・
カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイル
ス(Autographa californica nuclear polyhedrosis vir
us)等を用いることができる。昆虫細胞としては、Spodo
ptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21
〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクター
ズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイ
チ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman a
nd Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Tri
choplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビト
ロジェン社製)等を用いることができる。組換えウイル
スを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベ
クターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、
例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等
を挙げることができる。
【0025】上記のようにして作製した目的DNAを有
する組み換え発現ベクターを保有する形質転換体を培地
に培養し、培養物中に目的タンパク質を生成蓄積させ、
該培養物より目的タンパク質を採取することにより、組
み換えタンパク質を単離することができる。
【0026】配列番号1に記載のアミノ酸配列において
1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入した
アミノ酸配列を有するタンパク質、又は配列番号1に記
載のアミノ酸配列と60%以上の相同性を有するアミノ
酸配列を有するタンパク質は、配列番号1に記載のアミ
ノ酸配列をコードするDNA配列を示す配列番号2に記
載のDNA配列に基づいて当業者であれば適宜製造する
ことができる。例えば、配列番号2に記載の塩基配列又
はその一部を有するDNAプローブとしてマウス以外の
生物より、該DNAのホモログを適当な条件下でスクリ
ーニングすることにより単離することができる。このホ
モログDNAの全長DNAをクローニング後、発現ベク
ターに組み込み適当な宿主で発現させることにより、該
ホモログDNAによりコードされるタンパク質を製造す
ることができる。
【0027】あるいは、化学合成、PCR等を含む遺伝
子工学的手法、突然変異誘発などの当業者に既知の任意
の方法で、作製することもできる。具体的には、配列番
号2に記載の塩基配列を有するDNAを利用し、これら
DNAに変異を導入することにより変異DNAを取得す
ることができる。例えば、配列番号1に記載の塩基配列
を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用さ
せる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等
を用いて行うことができる。
【0028】遺伝子工学的手法の一つである部位特異的
変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法
であることから有用であり、モレキュラークローニング
第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラ
ー・バイオロジー、NucleicAcids Research, 10, 6487,
1982、Nucleic Acids Research, 12, 9441, 1984、Nuc
leic Acids Research, 13, 4431, 1985、Nucleic Acids
Research, 13, 8749, 1985、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 79, 6409, 1982、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 8
2, 488, 1985、Gene, 34, 315, 1985、Gene, 102, 67,
1991等に記載の方法に準じて行うことができる。上記し
た方法により、配列番号2に記載の塩基配列において変
異を有する塩基配列を有するDNAを入手し、このDN
Aを上記と同様に発現させることにより、目的タンパク
質を製造することができる。
【0029】(2)本発明のタンパク質複合体 本発明はさらに、本発明のタンパク質とATF-2とから成
るタンパク質複合体に関する。ATF-2の塩基配列及びア
ミノ酸配列は公知であり、例えば、Hai, T., 他(1989)
Genes & Dev. 3, 2083-2090;Maekawa, T., 他 (1989)
EMBO J. 8, 2023-2028;Liu, F., 他 (1990) Cell 61,
1217-1224;Flint, K. J., 他 (1991) Oncogene 6, 201
9-2016;Maekawa.T., 他 (1991) Oncogene 6, 627-23
2;及びKarin, M. 他 (1992) Trends Biochem. Sci. 1
7, 418-422等に記載されている。本発明で用いるATF-2
の入手・製造方法は特に限定されず、天然由来のタンパ
ク質でも、化学合成したタンパク質でも、遺伝子組み換
え技術により作製した組み換えタンパク質の何れでもよ
い。比較的容易な操作でかつ大量に製造できるという点
では、組み換えタンパク質であることが好ましい。組み
換えタンパク質の製造は、上述の方法に準じて行なうこ
とができる。
【0030】本発明のタンパク質複合体の製造方法は当
業者であれば適宜選択できる。好ましくはin vitro転写
/翻訳系の利用が挙げられる。転写翻訳系は当業者に公
知である。具体的には、適当な細胞よりタンパク質合成
能を有する成分を抽出し、その抽出液を用いて目的の蛋
白質を合成させる無細胞蛋白質合成系が挙げられる。こ
のような無細胞蛋白質合成系には、リボゾ−ム、開始因
子、伸長因子及びtRNA等の転写・翻訳系に必要な要
素が含まれている。
【0031】このような無細胞蛋白質合成系(細胞溶解
物由来の系)としては、原核又は真核生物の抽出物によ
り構成される無細胞翻訳系が挙げられ、例えば大腸菌、
ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液などが使用で
きる。また、無細胞翻訳系はキットとして市販されてい
るものを使用することができ、例えば、Promega(Madis
on、WI、USA)製のキット等が挙げられる。転写翻訳系
としては、生細胞を使用してもよく、具体的には、原核
又は真核生物、例えば大腸菌の細胞などが使用できる。
無細胞翻訳系又は生細胞などは、その中にタンパク質を
コードする核酸を添加又は導入することによってタンパ
ク質合成が行われるものである限り制限されない。
【0032】具体例としては、ATF-2を有するプラスミ
ドと配列番号1に記載のアミノ酸配列又はその変異体を
コードするDNAを有するプラスミドを用いてT3/T7 R
NAポリメラーゼにより転写し、網状赤血球溶解物中でタ
ンパク質を翻訳させる。翻訳の効率はドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)
によって監視することができる。タンパク質複合体は、
適当なバッファで溶出することにより単離することがで
きる。
【0033】(3)本発明の医薬 本発明はさらに、下記の何れかのタンパク質を有効成分
として含む医薬にも関する。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
るタンパク質。本発明のタンパク質を用いることによ
り、CRE依存性転写を抑制することができる。従って、
本発明のタンパク質は、CRE依存性転写の増大に起因す
る疾患の治療薬又は予防薬として有用である。
【0034】CRE依存性の転写を受ける遺伝子の中には
各種疾患に関連する遺伝子が含まれる。即ち、種々のGr
owth factorやペプチドホルモン(グルカゴン、エピネ
フリンetc.)が細胞膜上の受容体に結合すると細胞内cA
MPの濃度が上昇する。この時転写が誘導される遺伝子は
promoter領域にサイクリックAMP応答配列(CRE)と呼ば
れる配列(CRE: TGACGTCA;この配列は、Cキナーゼの活
性化に応答して転写が誘導される遺伝子のもつTPA応答
配列(TRE:TGAGTCA)とよく似ており(=AP-1)、TREの
中央にCを加えたのがCREである。AP-1にはc-Junとc-fos
のヘテロダイマーが結合する)を有する。このCREに結
合する因子はbZip(塩基性アミノ酸クラスター、ロイシ
ンジッパー)構造を有し、機能的にはAキナーゼにより
活性化されるCREBタイプとMAPキナーゼにより活性化さ
れるATF-2タイプがある。
【0035】例えば、CREを有し、ATF2により転写が上
昇する因子としてはソマトスタチン(ホルモンの1
種)、HIV・LTR、インターフェロンα、β又はγ、癌遺
伝子(例えば、c-Jun等)、細胞周期調整遺伝子(例え
ば、サイクリンD1やサイクリンA等)等が挙げられる。
このような転写を上昇させる刺激としては、紫外線、X
線、γ線、発癌原性アルキル化剤、ストレス、レチノイ
ン酸、グルカゴン、エピネフリン、TGFβやサイトカ
インなどが挙げられる。
【0036】従って、ATF-2が介在するCRE依存性の転写
の増大に起因する疾患の具体例としては癌など細胞増殖
の異常に基づく疾患、紫外線障害、X線照射障害、スト
レス、ウイルス感染、ホルモン異常、エイズ等が挙げら
れ、本発明の医薬はこれらの疾患の治療や予防に有用で
ある。
【0037】本発明の医薬は一般的には、有効成分とし
ての本発明のタンパク質と製剤用添加物(担体、賦形剤
など)とを含む医薬組成物の形態で提供される。本発明
の医薬の投与経路は特に限定されず、経口投与または非
経口投与(例えば、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投
与、腹腔内投与、鼻腔などへの粘膜投与、または吸入投
与など)の何れでもよい。本発明の医薬の形態は特に限
定されず、経口投与のための製剤としては例えば、錠
剤、カプセル剤、細粒剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、シロ
ップ剤などが挙げられ、非経口投与のための製剤として
は例えば、注射剤、点滴剤、座剤、吸入剤、経粘膜吸収
剤、経皮吸収剤、点鼻剤、点耳剤などが挙げられる。本
発明の医薬の形態、使用すべき製剤用添加物、製剤の製
造方法などは、いずれも当業者が適宜選択可能である。
本発明の医薬の投与量は、患者の性別、年齢または体
重、症状の重症度、予防または治療といった投与目的、
あるいは他の合併症状の有無などを総合的に考慮して適
宜選択することができる。投与量は、一般的には、0.
001μg/kg体重/日〜1000μg/kg体重/
日、好ましくは0.001μg/kg体重/日〜100
μg/kg体重/日である。
【0038】(4)本発明のスクリーニング方法 本発明はさらに、本発明のタンパク質を用いることを特
徴とする、該タンパク質によるCRE依存性転写の抑制を
阻害する物質をスクリーニングする方法、並びに当該ス
クリーニング方法により得られる物質にも関する。ここ
で言うCRE依存性転写とは、より具体的には例えば、ATF
-2を始めとするbZip構造を有する転写因子(Junフ
ァミリー、Fosファミリー)によるCRE依存性転写などが
挙げられる。上記した通り、本発明のタンパク質はCRE
依存性転写(例えば、ATF-2を始めとするbZip転写
因子によるCRE依存性転写)を抑制することができるた
め、CRE依存性転写の抑制が疾患の予防や治療に役立つ
場合には、本発明のタンパク質は医薬として有用であ
る。その反対に、本発明のタンパク質によりCRE依存性
転写が抑制されることが原因となる疾患も存在する。こ
のような疾患としては、例えば、癌などの細胞増殖抑制
の異常に基づく疾患、老化、発育異常、神経性疾患など
が考えられる。従って、CRE依存性転写(例えば、ATF-2
を始めとするbZip転写因子によるCRE依存性転写)
の抑制を阻害する物質が見出されれば、このような疾患
の医薬として有用である。
【0039】本発明のタンパク質を用いることにより、
CRE依存性転写の抑制を阻害する物質をスクリーニング
することができる。このようなスクリーニング系は、例
えば以下の通り構築することができる。CRE配列の下流
に、発現を比較的容易に検出できるレポーター遺伝子を
挿入した発現ベクターを構築する。この発現ベクター
と、本発明のタンパク質を発現できる発現ベクターとを
適当な宿主に導入する。この際、ATF-2発現ベクターを
一緒に使用してもよい。得られる形質転換体において
は、本発明のタンパク質とATF-2とが複合体を形成する
ため、CRE配列は活性化されず、その下流のレポーター
遺伝子の発現は低いものとなる。
【0040】上記のように構築したスクリーニング系に
被験物質を添加することができる。被験物質を添加した
場合にレポーター遺伝子の発現が増大するような被験物
質が見つかれば、その被験物質は、本発明のタンパク質
とATF-2との相互作用を阻害して、CRE依存性転写の抑制
を阻害するための候補物質となる。
【0041】上記スクリーニング系で使用することがで
きる発現ベクター、宿主細胞などは当業者であれば適宜
選択することができ、また本明細書中上述したものを使
用してもよい。レポーター遺伝子の種類は特に限定され
ないが、例えば、エンハンスド・グリーン・フルオレッ
セント・プロテイン(Enhanced green fluorescent pro
tien)、グリーン・フルオレッセント・プロテイン(Gr
een fluorescent protien)、エクオリン、クロラムフ
ェニコール・アセチルトランスフェラーゼ(CAT)、
β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、β−グルクロ
ニダーゼなどが挙げられる。またこれらのレポータータ
ンパク質と同等以上の機能を維持している限り、これら
の変異体を使用してもよい。
【0042】レポーター遺伝子の発現の程度の検出は、
選択したレポーター遺伝子の種類に適した方法により適
宜行なうことができる。また、コントロールとして、AT
F-2発現ベクターを添加しない系や本発明のタンパク質
を発現できる発現ベクターを添加しない系などを設けて
スクリーニングを行なうこともできる。
【0043】被験物質としては任意の物質を使用するこ
とができ、その種類は特に限定されない。被験物質の具
体例としては、低分子合成化合物でもよいし、天然物抽
出物でもよく、あるいは化合物ライブラリー、ファージ
ディスプレーライブラリーもしくはコンビナトリアルラ
イブラリーでもよい。化合物ライブラリーの構築は当業
者に公知であり、また市販の化合物ライブラリーを使用
することもできる。以下の実施例により本発明をさらに
具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に
限定されるものではない。
【0044】
【実施例】A.材料及び方法A−1.プラスミド GAL4 DNA結合ドメイン(GAL4DBD)に融合したATF-2の
完全長DNAを含むpGBT9-ATF-2は既報の通りに調製した
[Firestein, R., 他 (1998) J.Biol. Chem. 273.5892-
5902]。pGEX-ATF-2及びpECE-ATF-2はM. Green(Univer
sity of Massachusetts Medical Center、Worcester、M
A、USA)から供与された。pGEX-JDP2は、JDP2のコーデ
ィング配列(アミノ酸1−163)を含むDNAのPCR増
幅断片をpGEX-4T-1(Amersham Pharmacia Biotech.、Bu
ckinghamshire、UK)にインフレームでライゲーション
することによって作成した。CRE/tk-CATはM. R. Monti
miny(Salk Institute、La Jolla、CA、USA)から提供
された[Montminy, M. R., 他 (1998) Nature 328. 175
-178]。mCRE/tk-CATはCRE部位(5’-TGACGTCA-3’)
をmCRE部位(5’-TGCAGTCA-3’)に変更するのに部位特
異的突然変異誘発を用いて構築した。pcDNA4-JDP2は、
PCRによって増幅したJDP2−コーディング領域をpcDN
A4/HisMax(Invitrogen Co.、Carlsbad、CA、USA)に
サブクローニングすることによって調製した。pBluescr
ipt(BS)-ATF-2bZIP及びpGEX-JDP2bZIPはそれぞれ、AT
F-2(アミノ酸350−415)又はJDP2(アミノ酸70−135)
のbZIP DNA断片をpBS及びpGEXベクターの適切な部位に
挿入することによって生成した。pGEX-JDP2bZIP(L34
V)も、JDP2のbZIP領域における第3及び第4のロイシ
ンをバリンに変換する部位特異的突然変異誘発によって
構築した。
【0045】A−2.酵母ツー・ハイブリッドスクリー
ニング 酵母ツー・ハイブリッドスクリーニングは製造業者の指
示に従って行った(Clontech Inc.、Palo Alto、CA、US
A)。HIS3及びLacZ両レポーター遺伝子をGAL4上流活性
化配列(UAS)の制御の下に含む酵母HF7c株を、ベイト
プラスミドpGBT9-ATF-2と、GAL4活性化ドメイン(GAL4
AD)に融合したインサートを有するpACT2(Clontech In
c.)中に構築したマウス11日胚MATCHMAKERTM cDNAライ
ブラリーとで同時形質転換した。形質転換体を、トリプ
トファン(Trp;pGBT9特異的選択マーカー)、ロイシン
(Leu;pACT2特異的選択マーカー)及びヒスチジン(Hi
s;レポーターに特異的)を含まない選択培地において3
0℃で成長させた。2ハイブリッドタンパク質の挿入の
結果としてHIS3レポーターを発現し、かつこの選択培地
において成長したコロニーを、対応するレポーターから
誘導されるLacZによるβ−ガラクトシダーゼ活性につい
てさらに分析した。その後、His+/β−ガラクトシダー
+コロニーに由来するプラスミドを用いてエレクトロ
ポレーションによって大腸菌(E. coli)HB101を形質転
換した。これらの形質転換体を、pACT2を含むコロニー
を選択するため、M9(−Leu)培地で成長させた。次
に、プラスミドを精製し、cDNAインサートを配列決定し
た。このtwo-hybridスクリーニング法によって単離され
たクローン化cDNAの5’末端の未知の配列を決定するた
め、MarathonTM cDNA増幅キット(Clonetech Inc.)を
製造業者のプロトコルに従って用いて5’-RACEを行っ
た。Poly(A)+RNAはF9細胞から“Quick prep. micr
opurification”キット(Amersham Pharmacia Biotec
h.)を用いて精製した。5’-RACE用の特異的プライマー
の配列は、5’-AGTTTGTCACGTGCCTGGGAGGGGC-3’(配列
番号3)であった。
【0046】A−3.in vitroでの翻訳並びにATF-2及
びJDP2の結合試験 pBS-ATF-2、pBS-JDP2又はpBS-ATF-2bZIPのin vitro転写
/翻訳は、Promega(Madison、WI、USA)製のキットを
用いて、製造者のプロトコルに従って行った。プラスミ
ドをT3/T7 RNAポリメラーゼで転写し、タンパク質を網
状赤血球溶解物中で[35S]メチオニンの存在下におい
て翻訳させた。翻訳の効率はドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって
検定した。タンパク質はBio-Imaging Analyzer(BAS 20
00;Fuji、東京、日本)で定量した。タンパク質結合ア
ッセイのために、JDP2、ATF-2、JDP2bZIP又はJDP2bZIP
(L34V)を含むGST融合タンパク質2μgを、グルタチオ
ン−Sepharoseビーズ(Amersham Pharmacia Biotech.)
と共に、5μlの網状赤血球溶解物と4℃で2時間混合し
た。次に、これらのビーズを徹底的に洗浄し、SDS-PAGE
による分析のために、タンパク質複合体を10mMグルタチ
オンを含むバッファーで溶出した。ゲルを乾燥させた
後、X線フィルムに露出した。
【0047】A−4.in vivoでのATF-2及びJDP2の結合 FuGENE6TMトランスフェクション試薬(Boehringer Mann
heim、Mannheim、ドイツ)を用いてヒスチジンタグ付加
JDP2のプラスミド又は空のベクター単独のいずれかと共
にATF-2のプラスミドをトランスフェクトしたF9細胞の
核抽出物を、TALON金属親和性樹脂(Clonetech Inc.)
と共に4℃で30分間インキュベートした。次に、これら
の樹脂を徹底的に洗浄し、結合したタンパク質を、50mM
イミダゾールを含む緩衝液を用いて室温で20分間溶出し
た。これらのサンプルを10%SDSゲルで分離し、抗ATF-2
抗体(Santa Cruz Biotech. Inc.、Santa Cruz、CA、US
A)を用いるウエスタンブロット分析にかけた。
【0048】A−5.ノーザンブロッティング分析 8種類の異なるマウス組織に由来するpoly(A)+ RNAで調
製したマウス多組織ノーザン(MTN)ブロット、並びに
異なる胚組織に由来するpoly(A)+ RNAで調製したマウス
胚MTNブロットをClonetech Inc.から入手し、製造業者
の指示に従ってハイブリダイゼーションを行った。プロ
ーブはFeinberg及びVogelsteinのランダム−プライミン
グ法(random-priming method)[Feinberg, A-P., 他
(1983) Anal. Biochem. 132, 6-13]によって[α−
32P]dCTPで放射標識した。
【0049】A−6.細胞の培養及びトランスフェクシ
ョン並びにCAT活性のアッセイ NIH3T3細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS;Gibco-BRL、Roc
kville、MD、USA)を補充したダルベッコ改変イーグル
培地(DMEM)で培養した。FuGENE6TMトランスフェクシ
ョン試薬を製造業者のプロトコールに従って用いて細胞
にプラスミドDNAをトランスフェクションした。トラ
ンスフェクション後24時間で細胞を回収し、CAT活性の
アッセイを既報の通り行った[Kitabayashi, I., 他 (1
995) EMBOJ. 14, 3496-3509]。クロラムフェニコール
のアセチル化形態への変換の程度をBio-Imaging analyz
erで決定した。CAT活性のβ−ガラクトシダーゼ活性に
対する比を結果の正規化のために用いた。
【0050】A−7.電気泳動移動度シフトアッセイ
(EMSA) プラスミドpGEX-ATF-2、pGEX-JDP2及びpGEXを用いてGST
-ATF-2、GST-JDP2及びグルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ(GST)を産生し、それらのタンパク質を既報の通
りに精製した[Kawasaki, H., 他 (1998) Genes& Dev.
12, 233-45]。様々に組み合わせたこれらのタンパク質
を結合緩衝液[20mMトリス(pH7.5)、2mMMgCl2、0.5mM
EDTA、10%グリセロール、0.5mM DTT、25mM NaCl、0.5
μg poly(dI-dC)]中で室温で5分間インキュベート
し、[32P]放射標識二本鎖CREオリゴデオキシヌクレオ
チドプローブをその反応混合物に添加した。室温で20分
インキュベートした後、各々のサンプルを0.5×TBE緩衝
液中の5%非変性ポリアクリルアミドゲルで分離し、続
いて既報の通りにオートラジオグラフィーを行った[Ki
tabayashi, I., 他 (1995) EMBO J. 14, 3496-3509]。
様々なタンパク質を非放射標識競合体オリゴデオキシヌ
クレオチドと共に20分間プレインキュベーションする
ことにより競合実験を行った。DNAプローブの配列は
5’-AGCTCCCGTGACGTCACCCG-3’(配列番号4)であり、
これはマウス由来のフィブロネクチンの遺伝子のプロモ
ーターにおいてヌクレオチド(nt)-177からnt -162ま
で伸びるCREに相当するものである[Polly, P., 他 (19
93) Gene 137, 353-4]。ATF-2とのJDP2ヘテロダイマー
の形成を調べるため、in vitroで翻訳されたATF-2及びJ
DP2を用いるEMSAを既報の通りに行った[Aronheim, A.,
他 (1997) Mol. Cell. Biol.17, 3094-3102]。
【0051】A−8.JDP2 cDNAのヌクレオチド配列の
決定 JDP2 cDNAの両鎖のヌクレオチド配列をBigDyeTM Termin
ator Cycle Sequencing Kit(PE-Applied Biosystems I
nc.、Foster City、CA、USA)を使用し、ABI 37
7シークエンサー(PE-Applied Bio systems Inc., Fos
ter City, CA,USA)で決定した。ヌクレオチド及び推定
アミノ酸配列をSwissProt及びGenBankデータベースのBL
AST検索[Person, W. R., 他 (1998) Proc. Natl. Aca
d. Sci.U.S.A. 85, 2444-2448;及びAltschul, S. F.,
他 (1990) J. Mol. Biol. 215,403-410]によって分析
した。
【0052】B.結果B−1.ATF-2と相互作用するタンパク質の単離 ATF-2と相互作用するタンパク質を単離するために、ATF
-2のcDNAをベイトとして用いる酵母ツー・ハイブリッド
法を用いてマウス11日胚cDNAライブラリをスクリーニン
グした。約1×106の酵母形質転換体をスクリーニング
し、ヒスチジンを欠く選択培地で選択し、150のコロニ
ーを同定した。これらのコロニーのうちの16個がβ−ガ
ラクトシダーゼ活性陽性で、これらのクローンのヌクレ
オチド配列を決定した。同定したコロニーのうち、クロ
ーン6を選択してさらに特徴付けした。
【0053】ATF-2と相互作用するタンパク質の単離の
結果を図1に示す。図1のAは、ATF-2のパートナーと
してのマウスJDP2の単離を示す。GAL4ADタグ付加マウス
11日胚cDNAライブラリを、GAL4のDNA結合ドメイン(DB
D)のcDNAがATF-2 cDNAに融合しているpGBT9−ATF-2と
共に、HF7c酵母細胞の同時形質転換に用いた。酵母HF7c
細胞はHIS3及びLacZレポーター遺伝子をGAL4の上流活性
化配列(UAS)の制御下に含む。
【0054】図1のAの左パネルは、ATF-2とクローン
6によってコードされるタンパク質との相互作用による
HIS3レポーターの発現の結果としてヒスチジンを欠く培
地で成長した、pACT2−クローン6およびpGBT9−ATF-2
を同時発現する形質転換体を示す。陰性対照も示す。図
1のBの右パネルは、GAL4DBD(pGBT9)又はGAL4DBD−A
TF-2(pGBT9−ATF-2)の存在下においてGAL4AD(pACT
2)又はGAL4AD−クローン6(pACT2−クローン6)融合タ
ンパク質を発現したHF7C酵母細胞におけるβ−ガラクト
シダーゼ活性を示す。
【0055】図1のBは、様々なJDP2タンパク質間での
アミノ酸配列の比較を示す。3つのJDP2タンパク質の同
一配列が黒の四角で示され、それらのうちの2つは灰色
の四角で示した。ヒトJDP2の配列は2つのゲノムDNAの配
列から推定した。a、d、e及びgは、c-Jun及びc-Fosの場
合[van Dam H., 他 (1998) Genes & Dev. 12, 1227-3
9;及びO'Shea E. K., 他 (1992) Cell 68, 699-708]
において従来示されるように、bZIP領域のα−ヘリック
スにおけるアミノ酸残基の位置に対応する。
【0056】図1Aに示されるように、pACT2−クローン
6及びpGBT9−ATF-2を同時発現する酵母形質転換体はヒ
スチジンを欠く培地で成長した(左パネル)。LacZレポ
ーター遺伝子の活性化はβ−ガラクトシダーゼ活性を測
定することによって測定した(右パネル)。単独で発現
したときには、pGBT9−ATF-2及びpACT2−クローン6の
いずれもLacZレポーター遺伝子をトランス活性化しなか
った。対照的に、これら2つのプラスミドの同時発現に
よりレポーター遺伝子の強力な発現が生じ、これはクロ
ーン6及びATF-2の産物が酵母細胞内で直接又は間接的
に相互作用していたことを示す。次の5’-RACEにより、
開始コドン及び5’非翻訳領域(5’-UTR)の137bpを含
む5’末端を完全に同定した。クローン6の完全なcDNA
配列(GenBank受託番号AB034697)は約1.5kbのヌクレオ
チド(配列番号2に記載)を含み、カルボキシ末端に塩
基性配列とロイシンジッパー(bZIP)モチーフを有する
163アミノ酸(配列番号1に記載)のポリペプチドに
対応する498bpの翻訳配列を含んでいた。
【0057】BLAST検索により、クローン6によってコ
ードされるポリペプチドが、Aronheimら[Aronheim,
A., 他 (1997) Mol. Cell. Biol. 17, 3094-3102]によ
って最初にc-junと分子会合するとして単離されたラッ
トJDP2と99%の同一性を示し、かつヒトゲノム解析によ
るDNA配列から推定されるヒトJDP2と96%整列すること
が明らかとなった(GenBank受付番号:AC009363及びAF1
11167;図1のB)。これらの観察は、クローン6がJDP
2のマウスのホモログをコードしていることを示唆す
る。また、配列解析により、二量体化特異性を制御する
bZIPドメインのα−ヘリックスにおける重要な位置a/d
及びe/gに変化がないことも示された(図1のB)[va
n Dam H., 他 (1998) Genes & Dev. 12, 1227-39;及び
O'shea E. K., 他 (1992) Cell 68, 699-708.]。さら
に、アミノ酸配列の比較により、JDP2がATF3(転写リプ
レッサー)に対して約53%相同であり、そのbZIP領域が
ATF3のものに対して75%相同であることが明らかとなっ
た[Hai, T., 他 (1998) Genes& Dev. 3, 2083-209
0]。
【0058】B−2.in vitro及びin vivoでのJDP2のA
TF-2への結合 推定ポリペプチドJDP2とATF-2との相互作用を確認する
ため、JDP2とATF-2とのヘテロダイマーの形成の必要条
件を探る結合試験を行った。3種類のGST融合タンパク質
を合成し、グルタチオン−Sepharoseビーズに固定化し
た。次に、これらのビーズを、[35S]−メチオニン放
射標識ATF-2又はJDP2を含む網状赤血球溶解物と共にイ
ンキュベートし、洗浄後、結合したタンパク質をSDS−P
AGEによって分画した。
【0059】ATF-2とJDP2との相互作用を調べた結果を
図2に示す。図2のAは、in vitroでのATF-2とJDP2と
の選択的相互作用を示す。in vitroで翻訳した[35S]
メチオニン標識ATF-2(IVT−ATF-2)をグルタチオンS
−トランスフェラーゼ−JDP2(GST−JDP2)又はGSTと共
にインキュベートし(左パネル)、その逆も同様にした
(右パネル)。電気泳動の対照実験として結合実験に供
した蛋白質量の20%を使用した。結合したATF-2及びJ
DP2を矢印で示し、マーカータンパク質の移動度及び分
子量を示した。
【0060】図2のBは、in vivoでのATF-2へのJDP2の
結合を示す。全細胞溶解物を、ATF-2発現ベクター(pEC
E−ATF-2)及びヒスチジンタグ付加JDP2を発現させるた
めのプラスミド(pcDNA4−JDP2)(レーン2)、又は空
のベクター(レーン1)を同時トランスフェクトしたF9
細胞から調製し、ヒスチジンタグ付加JDP2をTALON樹脂
で分離した。これらの同時精製したタンパク質を、ATF-
2に特異的な抗体を用いてウェスタンブロッティングに
よって分析した。レーン3においては、細胞溶解物サン
プルの一部(約5%)を直接ウェスタンブロッティング
に用いた。
【0061】図2のCは、ATF-2及びJDP2間の相互作用
ドメインを調べた結果を示す。ATF-2のbZIPドメインを
含むin vitroで翻訳した[35S]メチオニン標識ATF-2/
bZTP(IVT−ATF-2/bZIP)を、JDP2のbZIP領域を含むGS
T−JDP2/bZIP(レーン3)、bZIPドメインの第3及び第4
のロイシンがバリンに変更されたGST−JDP2/bZIP(L34
V)(レーン4)、又はGST(レーン2)と共にインキュベ
ートした。結合したATF-2/bZIPを矢印で示し、マーカ
ータンパク質の分子量も示した。
【0062】JDP2はGST−ATF-2ビーズに結合する(図2
のA)。しかしながら、JDP2はGSTビーズには結合しな
かった。一方、GST−JDP2も同様にATF-2と結合する。次
に、in vivoでのATF-2とJDP2との相互作用を調べた(図
2のB)。ATF-2、又はヒスチジンタグ付加JDP2の2種
類のプラスミドをF9細胞に同時トランスフェクトし、ヒ
スチジンタグ付加JDP2タンパク質をTALON−ビーズで精
製した。次に、溶出したタンパク質を、ATF-2に特異的
な抗体を用いるウェスタンブロッティングによって解析
した。ATF-2はヒスチジンタグ付加JDP2と同時に精製さ
れた(レーン2)が、対照としてのヒスチジン単独とは
同時精製されなかった(レーン1)。同様の相補実験を
行い、上述の結果を確認した(データは示さず)。これ
らの結果は、JDP2が、in vitro及びin vivoの両方でATF
-2と特異的に相互作用することを示唆している。
【0063】JDP2及びATF-2間の相互作用ドメインをさ
らに決定するため、変異体JDP2及びATF-2を結合アッセ
イに用いた(図2のC)。ATF-2bZIP及びJDP2bZIPの場
合には、野生型と同程度に効率的に、互いに結合し、bZ
IP領域の第3及び第4のロイシンがバリンに変化してい
る変異体JDP2bZIP(L34V)はATF-2bZIPと相互作用する
ことができなかった。これらの結果はJDP2及びATF-2が
それら自体のbZIPドメインを介して相互作用することを
意味する。
【0064】B−3.JDP2転写物の発現 JDP2転写物のノーザンブロッティング分析の結果を図3
に示す。図3のAでは、マウス多組織ノーザン(MTN)
ブロットフィルター上の転写物をJDP2 cDNAの1.5kb[32
P]放射標識断片とハイブリダイズさせた。オートラジ
オグラフィー後に放射性プローブをブロットから洗浄
し、そのブロットをβ−アクチンのcDNAで再ハイブリダ
イズし、洗浄後、X線フィルムに8時間露光し、現像し
た。図3のBでは、マウスMTNブロット上の転写物を
(A)で示したようにJDP2 cDNAプローブとハイブリダ
イズさせたが、露光はさらに8時間延長した。図3のC
では、マウス胚MTNブロット上の転写物をJDP2 cDNAプロ
ーブとハイブリダイズさせた。フィルター上の転写物
を、JDP2 cDNAプローブをフィルターから除去した後、
β−アクチンのcDNAと再ハイブリダイズさせた。JDP2転
写物のサイズを左に示す。
【0065】上述の通り、JDP2転写物の組織分布をマウ
ス多組織ノーザン(MTN)ブロットを用いて調べた(図
3のA)。異なるレベルではあるが、試験した全ての組
織において転写物が同定された。興味深いことに、それ
ぞれ7.0kb、4.4kb、4.0kb、3.0kb、2.6kb、2.4kb、2.0k
b、1.5kb、1.3kb及び1.0kbの長さを有する少なくとも10
種類のmRNAが検出された。心臓、脳、肝臓、腎臓及び精
巣におけるmRNAのレベルは他の組織よりも高かった。脾
臓、肺及び骨格筋におけるJDP2 mRNAのレベルは非常に
低く、バンドは露出を延長した後にのみ検出できた(図
3のB)。心臓及び脳組織においては、それぞれ3.0kb
及び2.4kb転写物が顕著で、肝臓及び腎臓においては4.4
kb転写物の発現が強く、3.0kb及び2.4kb mRNAも高い量
で存在していた。しかしながら、精巣においては、7.0k
b、4.0kb、2.6kb、2.0kb及び1.0kbの転写物が主要転写
物として検出された。長期の露出により、脾臓において
は3.0kb、2.0kb及び1.5kbの転写物が主に発現している
ことが明らかとなり、これに対して、肺においては4.4k
b、3.0kb及び2.0kbの転写物が検出された。骨格筋では
7.0kb、2.6kb及び1.3kb転写物も検出された。マウス胚
におけるJDP2の発現パターンもマウス胚MTNブロットを
用いて解析し(図3のC)、7.0kb、3.0kb及び1.5kbのm
RNAを検出した。3.0kbの転写物のみが7日胚において発
現し、そのレベルは非常に低く、これに対して1.5kb及
び3.0kbの転写物はそれぞれ、11日胚及び15日胚におい
て検出された。3種類全ての転写物が17日胚において検
出された。
【0066】B−4.CRE依存性転写のJDP2による抑制 ATF-2の転写活性の調節におけるマウスJDP2の役割を調
べるため、NIH3T3細胞にCRE/tk-CATレポーター構築
体、JDP2をコードするプラスミド及びATF-2をコードす
るプラスミドの様々な組み合わせを同時トランスフェク
ションし、JDP2及びATF-2の存在下及び非存在下におけ
るCRE仲介レポーター活性を解析した。
【0067】上記した方法でATF-2の転写活性に対するJ
DP2仲介効果を調べた結果を図4に示す。NIH3T3細胞に
(図4のA)CRE/tk-CATレポーター(0.2μg)又は
(図4のB)変異体CRE/tk-CATレポーター(0.2μg)
を空のベクター又はJDP2及びATF-2の発現ベクター(pcD
NA4−JDP2、pECE−ATF-2)と共に同時トランスフェクト
した。トランスフェクションの24時間後、細胞を集め、
CAT活性を測定した。データは3つの独立した実験の結
果の平均±S.E.M.を示す。図4のCの実験の詳細は、図
4のAと対応するが、JDP2をコードする発現ベクター又
は空のベクターの量を増加させた。
【0068】予想通りに、ATF-2はそれ自体でCRE/tk-C
ATレポーター遺伝子を活性化した(図4のA)。しかし
ながら、JDP2の発現は、ATF-2によるCRE/tk-CATレポー
ター遺伝子の活性化能を抑制した(図4のA)。対照実
験においては、CRE内の2つのヌクレオチドを変異させた
mCRE/tk-CAT構築体では効果がなかった(図4のB)。
これらの結果は、JDP2が、レポーター構築体のCRE依存
性転写を特異的に抑制し、レポーターの発現レベルが約
10倍低下することを示した。ATF-2を介した転写におけ
るJDP2の寄与をさらに詳細に調べるために、CRE依存性
レポーター遺伝子に対するJDP2の過剰発現の効果を調べ
た。図4のCに示すように、JDP2の過剰発現によりレポ
ーター遺伝子の発現が容量依存的に抑制された。一方、
コントロールの空のベクターはATF-2を介したレポータ
ー活性に影響を及ぼさなかった。
【0069】B−5.in vitroでのJDP2のDNA結合活性 in vitroでのJDP2のDNA結合活性を電気泳動移動度シフ
トアッセイ(EMSA)によって調べた。GST融合JDP2及びG
ST融合ATF-2を大腸菌において産生させ、グルタチオン
−Sepharoseのカラムで精製した。in vitroでのCREプロ
ーブとのDNA−タンパク質複合体の形成を、ATF-2又はGS
Tに対する抗体を反応混合物に含めた際に生じるバンド
のスーパーシフトによって確認した。
【0070】結果を図5に示す。図5のAは、GST−JDP
2及び/又はGST−ATF-2と[32P]放射標識CREを用いたE
MSAを示す。GST融合JDP2タンパク質(又はGST−ATF-2)
を[32P]−CREと共にインキュベートした後、EMSAによ
って分析した。GST−JDP2(又はGST−ATF-2)による放
射標識CREへの結合を25倍モル過剰の未標識CRE(レーン
3及び6)は阻害し、変異mCRE(レーン4及び7)は阻害で
きなかった。
【0071】図5のBでは、EMSAをin vitroで翻訳した
JDP2及びATF-2を用いて行った。Retic.はプログラムさ
れていない網状赤血球溶解物を指す。ATF-2/ATF-2ホモ
ダイマー、ATF-2/JDP2ヘテロダイマー及びJDP2/JDP2
ホモダイマーの移動位置を示す。“Free”は遊離DNAプ
ローブを示す。
【0072】図5のAに示すように、GST融合JDP2は2
つの異なるバンドを生じ(レーン2)、JDP2又はGSTに特
異的な抗体の存在下で両バンドの移動度が低下し、バン
ドが消失した(データは示さず)。移動度の速いバンド
には、DNAプローブと、GST−JDP2のアミノ末端領域を欠
くが、GST−JDP2の完全なカルボキシ末端領域を保持し
ている変異体と複合体を形成する可能性がある。GSTそ
れ自体はCREプローブには結合しなかった(レーン1)。
CREに対応する非放射標識オリゴデオキシヌクレオチド
はGST−JDP2融合タンパク質への結合について競合した
(レーン3)。対照的に、突然変異オリゴデオキシヌク
レオチドはGST−JDP2への結合について放射標識CREとは
競合しなかった(レーン4)。同様の分析において、DNA
プローブとGST−ATF-2ホモダイマーとの複合体もin vit
roで検出された。非標識CREによる競合は観察された
が、変異体CREによる競合は観察されなかった(レーン5
−7)。
【0073】意外なことに、CREプローブDNAの存在下に
おいてはGST−ATF-2/GST−JDP2ヘテロダイマーとDNA−
タンパク質複合体は検出されなかった(未発表デー
タ)。GST−ATF-2/GST−JDP2複合体がDNAプローブ
の存在下で検出されなかったことは、GST融合体の構造
的妨害によるものであると考えられた。そこで、in vit
roで翻訳したタンパク質によるJDP2/ATF-2ヘテロダイ
マーの形成を調べた。図5のBに示すように、in vitro
で翻訳したATF-2及びJDP2のホモダイマーは各々、CREプ
ローブに結合した(レーン2及び3)が、網状赤血球溶
解物はそれ自体ではCREプローブに結合できなかった。J
DP2はまた、CREプローブの存在下においてATF-2とヘテ
ロダイマーを形成した(レーン4)が、その分子量はATF
-2又はJDP2ホモダイマーに起因するものとは異なる。以
上のデータから、JDP2は、ATF-2とのホモダイマー又は
ヘテロダイマーとしてCREに結合することを示す。
【0074】C.考察 本発明者らは、酵母ツー・ハイブリッドスクリーニング
試験においてATF-2の相互作用パートナーとしてマウスJ
DP2を同定した。また、本発明者らは、ATF-2が介在する
CRE依存性プロモーターの転写をJDP2がネガティブに調
節することを示した。in vitroでの結合アッセイ(図2
のA)においては、投入したATF-2タンパク質の10%
以上がJDP2と会合し、その逆も同様であった。in vitro
でのプルダウン・アッセイにおいては、ATF-2及びヒス
チジンタグ付加JDP2をTALON樹脂によって同時精製した
(図2のB)。さらに、変異体ATF-2及びJDP2を用い
て、JDP2及びATF-2間の相互作用ドメインをそれらのbZI
P領域として決定した。DNA結合アッセイでは、その形成
が優勢なものではないものの、JDP2がATF-2とヘテロダ
イマーを形成することを示した。JDP2のヒスチジンタグ
付加誘導体は、ATF-2と同様に、マウス線維芽細胞及び
胚性腫瘍細胞の核内に局在していた(データは示さ
ず)。これらの結果は、in vitro及びin vivoの両者に
おいて、JDP2がATF-2と通常の様式で相互作用すること
を示す。
【0075】JDP2転写物は、異なるレベルではあるが、
試験した全てのマウス組織において発現していた。少な
くとも10種類の転写物が同定され、心臓、脳、肝臓、腎
臓及び精巣ではJDP2 mRNAの大量の発現が検出され、脾
臓、肺及び骨格筋での発現は量的に少なかった。各々の
場合において、異なるサイズの転写物が発現した。サザ
ンブロッティング分析により、JDP2はマウスゲノム内の
単一コピー遺伝子によってコードされることが判明した
(データは示さず)。様々な転写物が1つの遺伝子から
生成する理由としては、選択的スプライシングの可能性
がある。JDP2転写物のレベルは胚発生と共に増加した。
また、塩基配列からヒト及び齧歯類JDP2は各々のタンパ
ク質の間で非常に高度に保存されていることが判明した
(図1のB)。これらの結果から、JDP2の発現が胚発生
のみならず、正常な構造及び/又は機能の維持にとって
も重要又は必須であることが示唆される。
【0076】本発明者らは、ATF-2の転写活性の調節に
おけるJDP2の役割を調べた。予想通り、ATF-2はCRE/tk
-CATレポーター遺伝子の発現を促進した。JDP2の同時発
現はその促進活性を抑制した。Aronheimら[Aronheim,
A., 他 (1997) Mol. Cell. Biol. 17, 3094-3102]は、
JDP2がjun−ルシフェラーゼレポーターを刺激するc-Jun
の活性を抑制し、かつc-Jun及びc-Fosの組み合わせによ
るレポーター構築体の活性化をも抑制することを報告し
た。本実施例では、図4に示されるように、CRE制御レ
ポーターのATF-2依存性転写のJDP2による同様の抑制が
観察された。
【0077】DNA結合試験では、JDP2が安定なホモダイ
マーを、又はATF-2と弱いヘテロダイマーを形成し、CRE
に結合することが示された(図5)。Aronheimら[Aron
heim,A., 他 (1997) Mol. Cell. Biol. 17, 3094-310
2]は、JDP2がTREの存在下においてc-Junと強力なヘテ
ロダイマーを形成し、それによりc-JunのDNA結合活性を
増強することを報告した。
【0078】ホモダイマー又はヘテロダイマーにおける
JDP2の異なるDNA結合親和性がその二量体化におけるパ
ートナー及び転写の調節に関与するDNA配列に依存する
可能性を考慮すべきである。また、Aronheimら[Aronhe
im, A., 他 (1997) Mol. Cell. Biol. 17, 3094-3102]
は、JDP2がc-Jun/JDP2ヘテロダイマーを形成すること
によってc-JunのTRE依存性転写活性を抑制し、c-Junへ
の結合について活性化因子と競合することも提唱した。
あるいは、JDP2はc-JunのTREへの結合をも増強し、それ
により、TREへの結合について活性ヘテロダイマーと競
合することによってさらなる阻害をももたらす。JDP2は
c-Junと同様にATF-2と共に強力なヘテロダイマーを形成
することがなかったため、上記2つの機構の何れも、JDP
2がATF-2を介したCRE制御転写を抑制し得る主要なもの
ではないものと思われる。幾つかのリプレッサー因子、
例えば、ヒストン脱アセチル転移酵素をCREプロモータ
ーにリクルートすることによってJDP2がATF-2を介した
転写活性を抑制するという機構を考えることができる。
Chenら[Chen B. P. C., 他 (1994) J. Biol. Chem. 26
9, 15829-15826]は、ATF3が、ATF部位を有するプロモ
ーターからの転写を、そのプロモーター上で、コリプレ
ッサー因子を安定化することによって抑制することを報
告した。JDP2及びATF3の間の高い配列同一性は、同様の
転写抑制機構を示唆する。
【0079】DNA結合及びレポーターアッセイの結果
は、遍在的に発現するbZIPタンパク質であるJDP2が、AP
-1/TRE依存性転写だけではなくCRE依存性転写の調節に
おいて鍵となる役割を果たすことを示唆する。従って、
JDP2はJun/Fos/ATF-2ファミリーに関連する転写の一
般的なリプレッサーかもしれない。JDP2がATF-2のリプ
レッサーであるという事実は、それがF9細胞におけるc-
Jun遺伝子のレチノイン酸による転写のトランス活性化
を阻害し得ることを意味する。
【0080】
【発明の効果】本発明によりF9細胞の分化中のDRF複合
体におけるATF-2以外のタンパク質が同定された。本発
明で同定されたタンパク質は、ATF-2と複合体を形成す
ることができ、これによりATF-2を介したCRE依存性転写
を抑制することができる。従って、本発明のタンパク質
はCRE依存性転写の異常に基づく疾患の治療又は予防の
ための医薬として有用である。また、本発明のタンパク
質を用いたスクリーニング系により、サイトカイン、成
長因子、ホルモン、ストレス、DNA損傷に関与するシ
グナルを制御する医薬品を開発することが可能になる。
【0081】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> RIKEN <120> Mouse AP1 repressor transcription factor JDP-2 <130> A11026MA <160> 4
【0082】 <210> 1 <211> 163 <212> PRT <213> Mouse <400> 1 Met Met Pro Gly Gln Ile Pro Asp Pro Ser Val Ala Ala Gly Ser Leu 1 5 10 15 Pro Gly Leu Gly Pro Leu Thr Gly Leu Pro Ser Ser Ala Leu Thr Thr 20 25 30 Glu Glu Leu Lys Tyr Ala Asp Ile Arg Asn Ile Gly Ala Met Ile Ala 35 40 45 Pro Leu His Phe Leu Glu Val Lys Leu Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val 50 55 60 Lys Ser Glu Leu Asp Glu Glu Glu Glu Arg Arg Lys Arg Arg Arg Glu 65 70 75 80 Lys Asn Lys Val Ala Ala Ala Arg Cys Arg Asn Lys Lys Lys Glu Arg 85 90 95 Thr Glu Phe Leu Gln Arg Glu Ser Glu Arg Leu Glu Leu Met Asn Ala 100 105 110 Glu Leu Lys Thr Gln Ile Glu Glu Leu Lys Leu Glu Arg Gln Gln Leu 115 120 125 Ile Leu Met Leu Asn Arg His Arg Pro Thr Cys Ile Val Arg Thr Asp 130 135 140 Ser Val Arg Thr Pro Glu Ser Glu Gly Asn Pro Leu Leu Glu Gln Leu 145 150 155 160 Asp Lys Lys
【0083】 <210> 2 <211> 1575 <212> DNA <213> Mouse <400> 2 gcttccttcgcttaagagcattgctacggcgggctctggctgggttaggagggaaccacg 60 gggcagcccccagttcccttgggatcccgtcaggcacatcaggttatataagaagcccct 120 ccaggccggcctgccactcctcctgct atg atg cct ggg cag atc cca gac 171 Met Met Pro Gly Gln Ile Pro Asp 1 5 cct tca gtg gcc gca ggc tct ctg cca ggg ctc ggc ccc ctc acc gga 219 Pro Ser Val Ala Ala Gly Ser Leu Pro Gly Leu Gly Pro Leu Thr Gly 10 15 20 ctt ccc agc tct gct ctg acc aca gag gag ctg aaa tac gct gac atc 267 Leu Pro Ser Ser Ala Leu Thr Thr Glu Glu Leu Lys Tyr Ala Asp Ile 25 30 35 40 cgc aac att ggg gcg atg att gcg ccc ttg cac ttc ctg gag gtg aaa 315 Arg Asn Ile Gly Ala Met Ile Ala Pro Leu His Phe Leu Glu Val Lys 45 50 55 ctg ggc aag agg ccc caa ccc gtg aag agt gag cta gac gag gaa gaa 363 Leu Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val Lys Ser Glu Leu Asp Glu Glu Glu 60 65 70 gag cga agg aaa agg cgc cgg gaa aag aac aaa gtc gct gca gcc aga 411 Glu Arg Arg Lys Arg Arg Arg Glu Lys Asn Lys Val Ala Ala Ala Arg 75 80 85 tgc cgg aac aag aag aag gaa cgc aca gag ttt ctg cag agg gag tca 459 Cys Arg Asn Lys Lys Lys Glu Arg Thr Glu Phe Leu Gln Arg Glu Ser 90 95 100 gag cgg ctg gag ctc atg aac gca gag ctg aag acg cag ata gag gag 507 Glu Arg Leu Glu Leu Met Asn Ala Glu Leu Lys Thr Gln Ile Glu Glu 105 110 115 120 ctg aag ctg gag cgg caa cag ctt atc ctg atg ctc aac cgc cac cgc 555 Leu Lys Leu Glu Arg Gln Gln Leu Ile Leu Met Leu Asn Arg His Arg 125 130 135 ccc acc tgc atc gtg cgc aca gat agc gtc agg acg ccc gag tcc gaa 603 Pro Thr Cys Ile Val Arg Thr Asp Ser Val Arg Thr Pro Glu Ser Glu 140 145 150 ggc aac cca ctg ctg gag cag ctg gac aag aag tga ctgaaggcctg 650 Gly Asn Pro Leu Leu Glu Gln Leu Asp Lys Lys gaggaggcat cagaggaaga ggaggaaggg gaggagcata aaagagaaag aggacgagca 710 aggtgacaga gggcccctcc caggcacgtg acaaactcta tgatgaggct tagcataact 770 agcctccagc tggctctttt ttgaaactca gccctgccgc gcaagagcaa gagcggactg 830 aagaaaccag aaggaccagg tgctgagacc aaggttgacc cgcagatagg ggctgtccca 890 ctccagggcc caagcttgaa gagcacctga gccagagagg tgccaaacca ggtagtagcc 950 tcaggcactc ctttgggctc tctgccaaga cccccaccca gggactactg agcagccaag 1010 aaaagccatg cattgcaaac acagtgtggc ccgcggatgg aactcagcat agagtgcaat 1070 ccacttcccc agccctgccc aagcccagtg gaaggggtgc actgtggggc tgcaatggcc 1130 cagctggagt tggctgcggc acagaggcgc gggcgccctt ccaaagcaca tacttaatca 1190 atgaatgttt acagactggc tgtcctggcg gggcttccaa ctgcacacgg tttttatact 1250 ttctttcttt ttctttcttt ttttttttaa tattttttac aaaaaaaaag attttataca 1310 agcaatatat atatatatat atatatatat atatatggat ttctataatc actcgatgtg 1370 acacagtaca aatatgctat ggtctgttat ggacatccac ccaccagtta aggccattgt 1430 aattcctaag tactgtaggc tctgggtgtt ggggggtggc caggcgggtg aggtacattt 1490 ccatccttgt aaccccttcc tagtacccag tcctgtatcg ttcagtaaac attgctctta 1550 attacccaaa aaaaaaaaaa aaaaa 1575
【0084】 <210> 3 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 3 agtttgtcac gtgcctggga ggggc 25
【0085】 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 4 agctcccgtg acgtcacccg 20
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ATF-2と相互作用するタンパク質を単
離するための酵母ツー・ハイブリッド法の結果を示す。
【図2】図2は、ATF-2とJDP2との相互作用をin vivo及
びin vitroで調べた結果を示す。
【図3】図3は、JDP2転写物のノーザンブロッティング
解析の結果を示す。
【図4】図4は、ATF-2の転写活性に対するJDP2の効果を
調べた結果を示す。
【図5】図5は、JDP2のDNA結合活性及びATF-2との二量
体化を調べた結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/18 A61P 37/00 4C084 35/00 43/00 111 4H045 37/00 C07K 14/47 43/00 111 C12P 21/02 C C07K 14/47 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 C12N 1/15 33/50 1/19 // C12N 1/15 1/21 1/19 15/00 ZNAA 1/21 A61K 37/02 5/10 C12N 5/00 A Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BB20 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB07 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 DA12 EA04 FA01 FA10 GA11 HA01 4B063 QA01 QQ61 QR32 QR55 QS32 4B064 AG01 CA06 CA19 CC24 DA01 4B065 AA72X AA91Y AB01 BA02 CA24 CA44 4C084 AA01 AA07 AA17 BA22 DC50 NA14 ZA182 ZB262 ZB332 ZC032 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA20 FA74

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の何れかのタンパク質とATF-2とか
    ら成るタンパク質複合体。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
    ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
    数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
    酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
    相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
    るタンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有す
    るタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列番号1に記載のアミノ酸配列をコー
    ドする遺伝子。
  4. 【請求項4】 配列番号2に記載の塩基配列又はその中
    のアミノ酸をコードする塩基配列を有する遺伝子。
  5. 【請求項5】 下記の何れかのタンパク質から成る、CR
    E依存性転写の阻害剤。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
    ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
    数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
    酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
    相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
    るタンパク質。
  6. 【請求項6】 CRE依存性転写がATF-2が介在するCRE依
    存性転写である、請求項5に記載の阻害剤。
  7. 【請求項7】 下記の何れかのタンパク質を有効成分と
    して含む医薬。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
    ク質; (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
    数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
    酸配列を有し、ATF-2と結合できるタンパク質;又は、 (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
    相同性を有するアミノ酸配列を有し、ATF-2と結合でき
    るタンパク質。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のタンパク質を用いるこ
    とを特徴とする、CRE依存性転写を抑制する方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のタンパク質を用いるこ
    とを特徴とする、該タンパク質によるCRE依存性転写の
    抑制を阻害する物質のスクリーニング方法。
  10. 【請求項10】 宿主細胞に、CRE配列とその下流にレ
    ポーター遺伝子を有する発現ベクターと、請求項5に記
    載のタンパク質を発現できる発現ベクターとをトランス
    フェクションする工程、被験物質の存在下又は非存在下
    において細胞を培養する工程、及びレポーター遺伝子の
    発現の程度を測定する工程を含む、請求項9に記載のス
    クリーニング方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載のスクリーニ
    ング方法により得られる物質。
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