JP2002245889A - キースイッチ - Google Patents

キースイッチ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キースイッチの全高を低くするために、第1
リンク部材と第2リンク部材の厚さを薄くすると、回転
軸を細くする必要があり、そのため回転軸が破断し易い
という問題があった。 【解決手段】 第1リンク部材2の回転軸2e,2fを
円形部と扇形部を合わせた断面形状とし、第2リンク部
材3の回転穴3g,3hを回転軸2e,2fに対応して
円形部と扇形部を合わせた断面形状にすると共に、回転
穴3g,3hの扇形部の扇形角度を回転軸2e,2fの
扇形部より大きくし、第1リンク部材2と第2リンク部
材3が相互に所定角度回転可能に係合するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパーソナルコンピュ
ータ等のキーボードに用いられるキースイッチに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、キースイッチはキートップと、
アクチュエータと、カップゴムと称される弾性部材と、
ハウジングと、メンブレン接点シート等で構成される。
【0003】アクチュエータは第1リンク部材と第2リ
ンク部材を回転軸と回転穴とで係合して構成され、また
キートップに係合にしている。
【0004】キートップを押下することによりアクチュ
エータが動作してメンブレン接点シートの接点を閉成
し、またキートップの押下を解除すると、弾性部材の復
元力によりアクチュエータが復帰し、接点を開放する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キーボ
ードの薄型化目的で、従来のキースイッチの全高を低く
するために前述の第1リンク部材、第2リンク部材の厚
さを薄くすると、第1リンク部材と第2リンク部材を回
転支持する回転軸を細くする必要があり、キースイッチ
に過渡の荷重が加えられた場合やキートップを取り外す
場合に回転軸が破断するという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は第1リンク部材の回転軸を円形部と扇形部
を合わせた断面形状とし、第2リンク部材の回転穴を回
転軸に対応して円形部と扇形部を合わせた断面形状とす
ると共に、回転穴の扇形部の扇形角度を回転軸の扇形部
より大きくし、第1リンク部材と第2リンク部材が相互
に所定角度回転可能に係合するようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施形態を
示す分解斜視図である。
【0008】キースイッチは、キートップ1と、アクチ
ュエータを構成する第1リンク部材2、第2リンク部材
3と、弾性部材4と、ハウジング5と、メンブレン接点
シート6及びベースプレート7により構成されている。
【0009】キートップ1には、回転支持部1a,1b
とスライド支持部1c,1dが設けられ、それらに第1
リンク部材2及び第2リンク部材3が係合する。
【0010】第1リンク部材2は一対の脚部2a,2b
を有し、脚部2a,2bの一端には第1連結棒2cが設
けられ、脚部2a,2bの他端には第2連結棒2dが設
けられている。更に脚部2a,2bの各々には、円形部
と扇形部とを合わせた形の断面形状を持つ回転軸2e,
2fが設けられている。
【0011】第2リンク部材3は連結部3iにより連結
された一対の脚部3a,3bを有し、脚部3a,3bの
一端には第1支持突起3c,3dが、他端には第2支持
突起3e,3fがそれぞれ設けられている。更に脚部3
a,3bの各々には、円形部と扇形部とを合わせた形の
断面形状を持つ回転穴3g,3hが設けられている。
【0012】第2リンク部材3の回転穴3g,3hの扇
形部は、後述するように第1リンク部材2の回転軸2
e,2fの扇形部より扇形角度を大きく形成している。
【0013】従って、第1リンク部材2と第2リンク部
材3は、第1リンク部材2の回転軸2e,2fを、第2
リンク部材3の回転穴3g,3hに嵌合することにより
所定角度回転自在に係合されている。
【0014】弾性部材4は、ゴム等を素材として略カッ
プ状に形成され、内面中央に接点押下部4aが突出形成
されており、この弾性部材4はその上部がキートップ1
の裏面に接するように、メンブレン接点シート6上に配
置されている。
【0015】ハウジング5には、スライドガイド5a,
5bと、回転ガイド5c,5dと、弾性部材4を固定す
るガイド壁5eが設けられ、更にメンブレン接点シート
6及びベースプレート7を固定するネジ穴5fが設けら
れている。
【0016】メンブレン接点シート6は、可動接点6e
を有する上部シート6aと、固定接点6dを有する下部
シート6bと、これらのシートに挟まれたスペーサシー
ト6cからなり、このスペーサシート6cには複数の貫
通穴6fが設けられている。
【0017】ベースプレート7は、以上の部品を搭載す
るように下部に配置され、ハウジング5とベースプレー
ト7の間にメンブレン接点シート6を挟み込んで、ベー
スプレート7から通したネジ(図示せず)をハウジング
5のネジ穴5fに締め付けることで組み立てられてい
る。
【0018】図2は第1の実施形態の回転軸と回転穴を
示す斜視図で、(d)は図1の回転軸2eを詳細に示し
た図、(b)は回転穴3gを詳細に示した図である。
【0019】回転軸2eは断面が円形部2gと二つの扇
形部2hを合わせた形状をしている。なお扇形部2hは
2つに限定されず、いくつでも良い。
【0020】回転穴3gは回転軸2eが嵌合する軸穴
で、断面が回転軸2eに対応して円形部3jと二つの扇
形部3kを合わせた形状をしており、回転穴3gの扇形
部3kの扇形角度を回転軸2eの扇形部2hより大きく
している。この扇形部3kも扇形部2hに対応していれ
ばいくつでも良い。
【0021】なお、回転穴3g,3hは貫通しなくて
も、また一部例えば円形部3jの部分のみ貫通していて
も良い。
【0022】図3は第1の実施形態の断面図で、回転軸
2eと回転穴3gとの係合関係を示している。
【0023】回転軸2eを回転穴3gに嵌合し、図示さ
れてないが反対側の回転軸2f(図1)を回転穴3h
(図1)に嵌合することにより第1リンク部材2と第2
リンク部材3を係合させる。
【0024】第1リンク部材2と第2リンク部材3は、
回転穴3gの扇形部3kの扇形角度α1と、回転軸2e
の扇形部2hの扇形角度α2の大きさの差だけ所定角度
回転可能に係合されている。
【0025】なお、8は図1で図示してなかったネジで
ある。
【0026】図4は第1の実施形態の動作を説明する図
で、図3と位置関係を同じにした断面で示している。ま
た図5は第1の実施形態の動作を説明する図であるが、
回転軸2eの部分を示す縦断面図である。
【0027】まず、キートップ1が押下されて下方に移
動するのに伴い、第1リンク部材2及び第2リンク部材
3は、相互に回転運動しつつ下降する。
【0028】その結果、キートップ1はハウジング5に
対して平行を保ちながら下方へ移動する。キートップ1
の下方への移動に伴い、弾性部材4は圧縮変形するとと
もに接点押下部4aが、メンブレン接点シート6の上部
シート6aを押圧する。
【0029】これにより、(a)に示すように可動接点
6eが固定接点6dに接触して電気的に接続し、スイッ
チは閉成状態となる。
【0030】更にキートップ1を押下すると、(b)に
示すように、第1リンク部材2の下面がメンブレン接点
シート6に、上面がキートップ1に当接し、同様に第2
リンク部材3の下面がメンブレン接点シート6に、上面
がキートップ1に当接する。
【0031】更にキートップ1が押下されると、図5に
示すように各々のリンク部材2,3は斜めに倒れてい
く。この時、第1リンク部材2の回転軸2eには、第2
リンク部材3の回転穴3gとの嵌合部においてせん断応
力・曲げ応力が生じているが、荷重に対して回転軸2e
の断面積が扇形部の分だけ大きいため、第1リンク部材
2に用いられている材料の許容応力内に収まり、破断す
ることは無い。
【0032】キートップ1の押下を解除すると、各構成
部品は弾性部材4の復元力によって図1に示した状態に
戻り、メンブレン接点シート6の可動接点6eが固定接
点6dから離れ、これにより電気的接触が断たれるため
スイッチは開放状態となる。
【0033】以上のように第1の実施形態によれば、キ
ースイッチの一対のリンク部材2,3を相互に回転係合
するための回転軸2e,2fの断面を、円形部と扇形部
とを合わせた形状とすることで、回転軸2e,2fに加
わる応力を低減し、耐久性の高いキースイッチが得られ
る。
【0034】図6は本発明の第2の実施形態を示す分解
斜視図で、第1の実施形態とは第1リンク部材12及び
第2リンク部材13が異なるだけで他は同じである。
【0035】図7は第2の実施形態の回転軸と回転穴を
示す斜視図で、(a)は図6の回転軸12eを詳細に示
した図、(b)は図7の回転穴13hを詳細に示した図
である。
【0036】図8は第2の実施形態の断面図で、回転軸
12eと回転穴13gとの関係を示している。
【0037】図6において、第1リンク部材12は一対
の脚部12a,12bを有し、脚部12a,12bの一
端には第1連結棒12cが設けられ、他端には第2連結
棒12dが設けられている。
【0038】第1リンク部材12の脚部12a,12b
の各々には、回転軸12e,12fが設けられ、図7の
(a)に示すように回転軸12e,12fの根元は円形
部12gと扇形部12hとを合わせた形の断面形状をし
ており、軸長さの中間より先は円柱12iになってい
る。
【0039】第2リンク部材13は連結部13iにより
連結された一対の脚部13a,13bを有し、脚部13
a,13bの一端には第1支持突起13c,13dが設
けられ、他端には第2支持突起13e,13fが設けら
れている。
【0040】第2リンク部材13の脚部13a,13b
の各々には、回転穴13g,13hが設けられ、図7の
(b)に示すように、回転穴13g,13hの中間深さ
より浅い部分では円形部13jと扇形部13kとを合わ
せた形の断面形状で、中間深さより奥では円形13lの
断面形状を持っている。
【0041】なお、回転穴13g,13hは中間深さよ
り奥で円形13lの断面形状にせずに、円形部13jと
扇形部13kのままにしていても良い。
【0042】また、図8に示すように、第1リンク部材
12と第2リンク部材13は、第1リンク部材12の回
転軸12e,12fを、第2リンク部材13の回転穴1
3g,13hに嵌合することにより回転自在に係合され
ている。
【0043】回転穴13gの扇形部13kの扇形角度が
回転軸12eの扇形部12hより大きいことも、扇形角
度の差だけ所定角度回転可能なことも第1の実施形態と
同じである。
【0044】図9は第2の実施形態の動作を説明する図
で、図8と位置関係を同じにした断面で示している。
【0045】(a)はキートップ1が押下されて、可動
接点6eが固定接点6dに接触したスイッチの閉成状態
を示し、(b)は更にキートップ1が押下された状態を
示している。
【0046】キースイッチの動作は第1の実施形態と同
じであり、(b)の状態から更にキートップ1が押下さ
れると、回転軸12eと回転穴13g(図6)との嵌合
部において応力が発生するが、荷重に対して回転軸12
eの断面積が扇形部の分だけ大きいため、回転軸12e
が破断することは無い。
【0047】以上のように第2の実施形態によれば、第
1の実施形態と同等の効果を奏する。
【0048】図10は本発明の第3の実施形態を示す分
解斜視図で、第1の実施形態及び第2の実施形態とは第
1リンク部材22及び第2リンク部材13が異なるだけ
で他は同じである。
【0049】図11は第2の実施形態の回転軸と回転穴
を示す斜視図で、(a)は図10の回転軸22eを詳細
に示した図、(b)は図10の回転穴23hを詳細に示
した図である。
【0050】図12は第3の実施形態の断面図で、回転
軸22eと回転穴23gとの関係を示している。
【0051】図10において、第1リンク部材22は一
対の脚部22a,22bを有し、脚部22a,22bの
一端には第1連結棒22cが設けられ、他端には第2連
結棒22dが設けられている。
【0052】第1リンク部材22の脚部22a,22b
の各々には、回転軸22e,22fが設けられ、図11
の(a)に示すように回転軸22e,22fの根元は円
形部22gと扇形部22hとを合わせた形の断面形状を
しており、軸長さの中間より先は円柱22iになってい
る。扇形部22hは脚部22a,22bの長手方向に対
して垂直に形成されている。
【0053】第2リンク部材23は連結部23iにより
連結された一対の脚部23a,23bを有し、脚部23
a,23bの一端には第1支持突起23c,23dが、
他端には第2支持突起23e,23fがそれぞれ設けら
れている。
【0054】第2リンク部材23の脚部23a,23b
の各々には、回転穴23g,23hが設けられ、図11
の(b)に示すように、回転穴23g,23hの中間深
さより浅い部分では円形部23jと扇形部23kとを合
わせた形の断面形状で、かつ、脚部23a.23bの長
手方向に対して垂直方向に扇形部23kは形成されてお
り、扇形部23kの先端は第2リンク部材23の脚部2
3bから開口されている。回転穴23g,23hは中間
深さより奥では円形23lの断面形状を持っている。
【0055】また、図12に示すように、第1リンク部
材22と第2リンク部材23は、第1リンク部材22の
回転軸22e,22fを、第2リンク部材23の回転穴
23g,23hに嵌合することにより回転自在に係合さ
れている。
【0056】回転穴23hの扇形部23kの扇形角度が
回転軸22eの扇形部22hより大きいことも、扇形角
度の差だけ所定角度回転可能なことも第1の実施形態と
同じである。
【0057】図13は第3の実施形態の動作を説明する
図で、図12と位置関係を同じにした断面で示してい
る。
【0058】(a)はキートップ1が押下されたスイッ
チの閉成状態を示し、(b)は更にキートップ1が押下
された状態を示しており、キースイッチの動作は第1の
実施形態と同じである。
【0059】(b)の状態では、図11に示すように回
転穴23hの扇形部23kが開口しているので、回転軸
22eの扇形部22hの下側先端がメンブレン接点シー
ト6と、上側先端がキートップ1と当接しており、更に
キートップ1が押下された場合でも回転軸22eの根元
においてせん断応力・曲げ応力は生じないため、回転軸
22eが破断することは無い。
【0060】以上のように第3の実施形態によれば、第
1の実施形態の効果に加えて、回転軸22e,22fの
扇形部22hを第1リンク部材22の長手方向に対して
垂直に形成し、これに対応して回転穴23g,23hの
扇形部23kを第2リンク部材23の長手方向に対して
垂直に設け、かつ扇形部23kの先端を開口させたの
で、回転軸22e,22fの扇形部22hの上下端で荷
重を受ける構造になり、回転軸22e,22fに破断す
る応力が加わらず、更に耐久性の高いキースイッチを得
ることができる。
【0061】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、一対
のリンク部材を相互に回転可能に係合するための回転軸
の断面を、円形部と扇形部とを合わせた形状とすること
により、回転軸に加わる応力を低減し、耐久性の高いキ
ースイッチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図。
【図2】第1の実施形態の回転軸と回転穴を示す斜視
図。
【図3】第1の実施形態の断面図。
【図4】第1の実施形態の動作を説明する図。
【図5】第1の実施形態の動作を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す分解斜視図。
【図7】第2の実施形態の回転軸と回転穴を示す斜視
図。
【図8】第2の実施形態の断面図。
【図9】第2の実施形態の動作を説明する図。
【図10】本発明の第3の実施形態を示す分解斜視図。
【図11】第3の実施形態の回転軸と回転穴を示す斜視
図。
【図12】第3の実施形態の断面図。
【図13】第3の実施形態の動作を説明する図。
【符号の説明】
1 キートップ 2,12,22 第1リンク部材 2e,2f,12e,12f,22e,22f 回転
軸 2g,12g,22g 円形部 2h,12h,22h 扇形部 12i,22i 円柱 3,13,23 第2リンク部材 3g,3h,13g,13h,23g,23h 回転
穴 3j,13j,23j 円形部 3k,13k,23k 扇形部 13l,23l 円形 4 弾性部材 6 メンブレン接点シート 6a 固定接点 6e 可動接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 俊美 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 Fターム(参考) 5G006 AA01 AC03 AZ01 BA01 BB05 CB09 CD07 DD02 FB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キートップと、前記キートップに係合
    し、第1リンク部材と第2リンク部材を回転軸と回転穴
    とで係合することにより構成したアクチュエータとを備
    え、前記アクチュエータの動作により接点を開閉するキ
    ースイッチにおいて、 前記第1リンク部材の回転軸を円形部と扇形部を合わせ
    た断面形状とし、 前記第2リンク部材の回転穴を前記回転軸に対応して円
    形部と扇形部を合わせた断面形状にすると共に、前記回
    転穴の扇形部の扇形角度を前記回転軸の扇形部より大き
    くし、 前記第1リンク部材と第2リンク部材が相互に所定角度
    回転可能に係合することを特徴とするキースイッチ。
  2. 【請求項2】 前記回転軸の先端部を円形の断面形状と
    し、根元部を円形部と扇形部を合わせた断面形状とした
    ことを特徴とする請求項1記載のキースイッチ。
  3. 【請求項3】 前記第1リンク部材の長手方向に対して
    垂直に前記回転軸の扇形部を形成し、 前記第2リンク部材の長手方向に対して垂直に前記回転
    穴の扇形部を形成し、かつ前記回転穴の扇形部の先端が
    前記第2リンク部材から開口するように形成されたこと
    を特徴とする請求項1又は2記載のキースイッチ。
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