JP2002243782A - 近傍界測定方法および近傍界測定システム - Google Patents

近傍界測定方法および近傍界測定システム

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JP2002243782A
JP2002243782A JP2001041992A JP2001041992A JP2002243782A JP 2002243782 A JP2002243782 A JP 2002243782A JP 2001041992 A JP2001041992 A JP 2001041992A JP 2001041992 A JP2001041992 A JP 2001041992A JP 2002243782 A JP2002243782 A JP 2002243782A
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probe
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plane
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Tamotsu Teshirogi
扶 手代木
Yuji Sekine
祐司 関根
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Anritsu Corp
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Anritsu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 45°偏波の被測定アンテナの主偏波成分の
指向性を容易に且つ効率的に測定できるようにする。 【解決手段】 測定の開始が指示されると、プローブを
XY座標面に対して1回走査し、各測定座標毎の測定デ
ータを記憶する(S1〜S6)。次に、この記憶した測
定データに基づいて、XZ平面における結合積D(K
v)とYZ平面における結合積D(Kv)とを求め
る(S7)。そして、結合積D(Kv)と、予め既知
なプローブのXZ平面における主偏波成分および比例係
数Aとに基づいて、被測定アンテナのXZ平面における
主偏波(45°)成分の指向性を求め(S8)、同様
に、結合積D(Kv)と、予め既知なプローブのYZ
平面における主偏波成分および比例係数Aとに基づい
て、被測定アンテナのYZ平面における主偏波(45
°)成分の指向性を求める(S9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナの近傍界
の特性を測定する近傍界測定システムにおいて、45°
偏波のアンテナの特性を容易に求めるための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アンテナの近傍界測定(NFM)は、電
波無反射室内において、被測定アンテナの近傍でプロー
ブを相対的に移動して、その位置毎の振幅や位相を測定
し、その測定結果に基づいて、被測定アンテナの指向特
性等を算出するための測定方法であり、戸外等の広大な
場所で行う遠方界測定(FFM)と比べて、反射による
影響、外来電波による影響あるいは風雨の影響を考慮せ
ずに済み、また開発中のアンテナの秘密を保持できると
いう利点がある。
【0003】また、屋内で行う遠方界測定では、大型の
電波無反射室が必要で、かつ、被測定アンテナの大きさ
に制限が生じるが、近傍界測定では、小さな電波無反射
室でも大口径のアンテナを測定できるという利点もあ
る。
【0004】この近傍界測定におけるプローブの走査方
法としては、円筒面走査法、球面走査法、極平面走査法
等があるが、一般的には、図7に示すように、被測定ア
ンテナ1の放射面1aと平行なXY平面上でプローブ2
を走査する平面走査法が用いられており、また、プロー
ブ2としては、例えばミリ波帯のアンテナを測定する場
合には先端が開放された標準導波管が用いられている。
【0005】このような近傍界測定システムによって実
際にアンテナの測定を行う場合、一般的には、被測定ア
ンテナ1の主偏波成分とこれに直交する交差偏波成分と
を考慮し、その一方の偏波方向に合わせて指向性既知の
プローブ2を対向させた状態でXY平面上を走査して電
磁界の分布を測定してから、被測定アンテナ1の他方の
偏波方向に合わせてプローブ2の受信面をXY平面に直
交する線を中心にして90度回転させた状態で再度XY
平面上を走査して測定し、この2回の走査で得られた測
定データとプローブ2の指向性等に基づいて、被測定ア
ンテナの指向性を決定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特性が
全く未知のアンテナを解析するのではなく、アンテナを
設計したり、製品検査をする際には、そのアンテナの主
偏波成分の指向性が把握できればよい場合が多い。
【0007】例えば、近年開発されているミリ波帯を用
いた車載用レーダシステムでは、対向車からのレーダ波
の妨害を防ぐために45°偏波を主偏波成分とするアン
テナを使用するが、このように主偏波成分の角度が決ま
っているアンテナを多数測定するような場合、その45
°の主偏波成分のXZ面(水平面)およびYZ面(垂直
面)の指向特性を効率的に測定できることが要求され
る。
【0008】ところが、このような45°偏波のアンテ
ナの主偏波の特性を求めるために、プローブ2を被測定
アンテナ1の主偏波方向に合わせて回転させたとして
も、その測定結果には、プローブ2自体の交差偏波成分
が含まれてしまうため、結局この交差偏波成分の補正の
ために前記した2回の走査が必要となってしまい、上記
した効率的な測定が行えない。
【0009】本発明は、上記問題を解決して、45°偏
波の被測定アンテナの主偏波成分の指向性を容易に且つ
効率的に測定できる近傍界測定方法およびシステムを提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の近傍界測定方法は、被測定アン
テナとの間で電磁波の送受信が可能なプローブを前記被
測定アンテナの近傍の直交座標面上で走査しながら電磁
界測定を行い、該測定結果に基づいて前記被測定アンテ
ナの特性を求める近傍界測定方法において、少なくとも
前記被測定アンテナを望む角度範囲内で磁界面の指向性
と電界面の指向性とがほぼ等しいプローブを、その電界
面が前記直交座標面の直交軸に対して45°傾いた状態
で走査し、前記プローブの前記直交座標面に対する一回
の走査によって得られた測定結果に基づいて、前記被測
定アンテナの主偏波成分の指向性を求めることを特徴と
している。
【0011】また、本発明の請求項2の近傍界測定シス
テムは、被測定アンテナとの間で電磁波の送受信が可能
なプローブを、走査手段によって前記被測定アンテナの
近傍の直交座標面上で走査しながら電磁界測定を行い、
該測定結果に対する演算を演算処理部によって行って前
記被測定アンテナの特性を求める近傍界測定システムに
おいて、前記プローブは、少なくとも前記被測定アンテ
ナを望む角度範囲内で、磁界面の指向性と電界面の指向
性とがほぼ等しくなるように構成され、その電界面が前
記直交座標面の直交軸に対して45°傾いた状態で前記
走査手段に支持されて前記直交座標面上を走査され、前
記演算処理部は、前記直交座標面に対する前記プローブ
の一回の走査によって得られた測定結果に基づいて、前
記被測定アンテナの主偏波成分の指向性を算出するよう
に構成されていることを特徴としている。
【0012】また、本発明の請求項3の近傍界測定シス
テムは、請求項2記載の近傍界測定システムにおいて、
前記プローブは、開放された先端側を前記被測定アンテ
ナに向けた状態で前記走査手段に支持された導波管と、
前記導波管の先端側の開口部のほぼ中央に挿入され、前
記導波管の磁界面の指向性と電界面の指向性とを前記開
口部から前記被測定アンテナを望む角度範囲内でほぼ等
しくする誘電体板とによって構成されていることを特徴
としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。始めに、平面走査型の近傍界測定
システムにおいて、被測定アンテナの主偏波成分の指向
性を測定する方法について説明する。
【0014】平面走査型の近傍界測定では、前記図7で
示したように、被測定アンテナ1の放射面に対向するX
Y平面上でプローブ2を走査して、予め定められた格子
点(x,y)毎の電界E(x,y)を測定す
る。この測定によって得られる測定データは複素量であ
り振幅と位相を含んでいる。また、n=1,2,…,
N、m=1,2,…,Mである。
【0015】次に、求めた各測定データE(x
)に対しフーリエ変換を行うことで、被測定アンテ
ナ1の指向性に関係した量で、被測定アンテナ1の開口
中心からの方向ベクトルKvの関数で表される結合積D
(Kv)が得られる。なお、以下、添字vはベクトルを
表すものとする。
【0016】近傍界測定法の理論によれば、被測定アン
テナ1のKv方向のベクトル指向性関数εv(Kv)
と、プローブ2の前記Kvと反対向きの−Kv方向のベ
クトル指向性関数ε′v(−Kv)とのスカラー積は、
次式(1)のように、結合積D(Kv)に比例すること
が知られている。
【0017】 εv(Kv)・ε′v(−Kv)=AD(Kv) ……(1) ただし、Aは測定系で決まる比例係数である。
【0018】そこで、被測定アンテナ1のベクトル指向
性関数εv(Kv)を主偏波成分ε cp(Kv)と交差
偏波成分εxp(Kv)に分け、プローブ2のベクトル
指向性関数ε′v(−Kv)を、主偏波成分ε′
cp(−Kv)と交差偏波成分ε′ xp(−Kv)とに
分けると、上記式(1)は次式(2)のようになる。
【0019】 εcp(Kv)・ε′cp(−Kv) +εxp(Kv)・ε′xp(−Kv) =AD(Kv) ……(2)
【0020】上式(2)において、比例係数Aは前記し
たように測定系によって決まる値、結合積D(Kv)は
測定によって得られる値、主偏波成分ε′cp(−K
v)、交差偏波成分ε′xp(−Kv)はプローブ2に
よって決まる値でいずれも既知となるが、被測定アンテ
ナ1の2つの偏波成分εcp(Kv)、εxp(Kv)
が未知数であるため、上式(2)だけではこれらの偏波
成分のいずれも求めることができない。
【0021】このため、従来では前記したように、プロ
ーブ2を90°回転させて測定を行い、そのときに得ら
れた測定結果に対する結合積D′(Kv)を用いた式を
たて、その式と上式(2)との連立方程式を解くこと
で、被測定アンテナ1の偏波成分εcp(Kv)、ε
xp(Kv)を求めている。
【0022】しかし、仮にプローブ2の交差偏波成分
ε′xp(−Kv)が0であれば、上式(2)は、 εcp(Kv)・ε′cp(−Kv)=AD(Kv) ……(3) となり、被測定アンテナ1の主偏波成分εcp(Kv)
のみが未知数となるから、その解を得ることができる。
【0023】つまり、1回の走査で被測定アンテナ1の
主偏波成分を求めるためには、交差偏波成分ε′
xp(−Kv)が0となるプローブ2を実現できればよ
いことになる。
【0024】そこで、前記した車載用レーダシステム等
で使用される45°偏波について交差偏波成分ε′xp
(−Kv)が0となるプローブの条件を調べる。
【0025】図1の(a)のように、先端が開放された
導波管からなり、その開口面の短辺方向に沿った電界面
を有する直線偏波のプローブ2を、その開口面がZ軸と
直交する平面に平行でその長辺方向がX軸およびY軸に
対して45°をなすように傾けて配置する。このとき、
プローブ2の電界面の方向X′および磁界面の方向Y′
は、X軸およびY軸に対して45°(=π/4)回転す
る。
【0026】また、図1の(b)のように、プローブ2
の開口面の中心を原点とし、点Pの座標を、原点から点
Pを結ぶ線LのZ軸に対する角度θと、線LをXY平面
に投影した線L′のX軸に対する角度φとで表す球座標
(θ,φ)を定義し、プローブ2の電界面(E面)にお
ける指向性をE(θ)、電界面と直交する磁界面(H
面)における指向性をH(θ)とする。
【0027】ここで、被測定アンテナ1について求めた
い指向性の一方の主平面(垂直面)であるXZ面を球座
標(θ,φ)で表すと(θ,0)となり、他方の主平面
(水平面)であるYZ面を球座標(θ,φ)で表すと
(θ,π/2)となる。
【0028】また、θ方向の単位ベクトルをθv、φ方
向の単位ベクトルをφvとすると、45°傾けたプロー
ブ2の主偏波成分の方向ベクトルは、XZ平面内では
(θv+φv)、YZ平面内では(θv−φv)とな
る。
【0029】したがって、(θ,φ)座標系におけるプ
ローブ2の指向性を2つの主平面に分けて表すと、XZ
面では、 ε′(θ,0)=[E(θ)+H(θ)](θv+φv)/2 +[E(θ)−H(θ)](θv−φv)/2 ……(4) となる。
【0030】また、YZ面では、 ε′(θ,π/2)=[E(θ)−H(θ)](θv+φv)/2 +[E(θ)+H(θ)](θv−φv)/2 ……(5) となる。
【0031】もし、上式(4)、(5)で、E(θ)=
H(θ)が成立すれば、 ε′(θ,0) ={[E(θ)+H(θ)](θv+φv)/2} ……(6) ε′(θ,π/2) ={[E(θ)+H(θ)](θv−φv)/2} ……(7) となり、プローブ2のXZ面およびYZ面における偏波
成分は、それぞれ(θv+φv)および(θv−φ
v)、即ち、主偏波成分のみとなることがわかる。
【0032】したがって、少なくとも被測定アンテナ1
を望む角度範囲内で、電界面(E面)と磁界面(H面)
の指向性が等しいプローブを用いることで、被測定アン
テナ1の45°の主偏波成分の指向性を1回の近傍界走
査で求めることができる。
【0033】次に、上記原理を用いた近傍界測定システ
ムの具体的な構成について説明する。図2は、本発明を
適用した近傍界測定システムの全体構成を示している。
【0034】図2において、被測定アンテナ10は、支
持装置21によって所定位置に支持される。この被測定
アンテナ10は、例えば車載用レーダに用いるために設
計された平面型のアンテナであり、ほぼ鉛直線に沿った
放射面10aから鉛直線に対して45°傾いた偏波の電
磁波を放射する。
【0035】被測定アンテナ10の近傍でその放射面1
0aに対向するXY直交座標面(以下XY平面と記す)
上の位置には、プローブ22がその先端側の開口面をX
Y平面に一致させた状態で配置されている。
【0036】プローブ22は、先端側が開放されたミリ
波帯(60〜90GHz)で標準的に使用される導波管
(例えばWR12)23からなり、その開口面の短辺方
向に沿った電界面を有する直線偏波のものであり、電界
面が被測定アンテナ10の主偏波成分の方向と一致する
ように開口面の長辺方向がX軸およびY軸に対して45
°傾くように支持されている。
【0037】この導波管23の開口された先端側には、
図3に示すように、誘電体板24が挿入されている。
【0038】この誘電体板24は、前記した広い角度範
囲で電界面(E面)と磁界面(H面)の指向性を等しく
させるためのものであり、導波管23内でその長辺方向
(磁界面に沿った方向)に広く分布する電磁界を中央側
に集中させて、磁界面の指向性を広げて電界面の指向性
に合わせている。
【0039】実際の例で説明すると、開口部の幅が3.
1mm、高さが1.55mmのWR12の導波管23の
みで構成したプローブでは、図4の(b)の点線で示す
ようにその磁界面の指向性H(θ)が、実線で示した電
界面の指向性E(θ)に比べて狭く、両者は狭い角度範
囲(約±20°)でしか一致しておらず、角度が大きく
なる程その差が大きくなっている。
【0040】これに対し、図3に示したように、導波管
23の先端側の開口部の中央に、厚さwが0.8mm、
高さが導波管23の開口部の短辺の長さとほぼ等しいア
ルミナ製の誘電体板24を、導波管23の開口面からの
突出長sが1.5mmとなるように挿入したプローブ2
2では、図4の(a)の点線で示しているようにその磁
界面の指向性H(θ)が広がって、実線で示す電界面の
指向性E(θ)と広い角度範囲(約±90°)でほぼ一
致している。
【0041】したがって、このプローブ22は、前記し
た広い角度範囲でE(θ)=H(θ)となる条件を満た
している。
【0042】このような指向特性を有するプローブ22
は、移動装置25によって被測定アンテナ10の放射面
10aに対向するXY平面上を移動する。
【0043】なお、図示していないが、被測定アンテナ
10からプローブ22までの空間は、外来の電磁波がプ
ローブ22に入射されたり、被測定アンテナ10から放
射された電磁波が反射してプローブ22に入射されるこ
とを防止するために、電波吸収材からなる壁面で囲まれ
ていて、被測定アンテナ10から放射された直接波のみ
がプローブ22に入射するようにしている。
【0044】移動装置25は走査制御部26によって駆
動制御される。走査制御部26は、移動装置25ととも
にこの実施形態の走査手段を構成するものであり、プロ
ーブ22を支持して、XY平面上の所定範囲内をX軸方
向にΔx、Y軸方向にΔyで格子状に分割する全ての測
定位置(格子点)に所定順に移動させるとともに、その
各測定位置の座標情報を出力する。
【0045】一方、給電部27は所定周波数(被測定ア
ンテナ10の使用周波数範囲内)の高周波信号を被測定
アンテナ10に供給して、被測定アンテナ10からその
周波数の電磁波を放射させるとともに、この高周波信号
を測定部28に基準信号として与える。
【0046】測定部28は、プローブ22の出力信号か
ら前記所定周波数の信号を選択的に受信し、その受信信
号の振幅および位相(基準信号に対する位相差)を測定
し、その測定データを走査制御部26からの座標情報と
ともにメモリ29に記憶する。
【0047】演算処理部30は、メモリ29に記憶され
た測定データおよび座標情報に基づいて、被測定アンテ
ナ10の主偏波成分の垂直面(XZ面)および水平面
(YZ面)の指向性に関する情報を求める。
【0048】次に、この近傍界測定システムの動作を図
5のフローチャートに基づいて説明する。なお、予めプ
ローブ22の主偏波成分ε′cp(−Kv)および比例
係数Aは既知であるものとする。
【0049】測定の開始が指示されると、走査制御部2
6がプローブ22を測定開始座標に位置させる(S1、
S2)。
【0050】そして、この測定開始座標における測定が
測定部28で行われ、その測定データがメモリ29に記
憶される(S3、S4)。
【0051】以下、プローブ22の次の測定座標への移
動および測定が所定順に行われて、全ての測定座標にお
ける測定データE(x,y)がメモリ29に記憶さ
れる(S5、S6)。
【0052】次に、演算処理部30によって、メモリ2
9から測定データが読み出され、その測定データをフー
リエ変換することにより、各ベクトル方向Kv〜Kv
のXZ平面における結合積D(Kv〜D(Kv
と、YZ平面における結合積D(Kv〜D
(Kvが求められる(S7)。
【0053】そして、XZ平面における結合積D(Kv
〜D(Kvと予め既知なプローブ22のX
Z平面における主偏波成分ε′cp(−Kv
ε′ (−Kvおよび比例係数Aとを、前記式
(3)を変形した次式(8)に代入して、被測定アンテ
ナ10のXZ平面における主偏波(45°)成分の指向
性εcp(Kvを求める(S8)。
【0054】 εcp(Kv=AD(Kv/ε′cp(−Kv ……(8)
【0055】同様に、YZ平面における結合積D(Kv
〜D(Kvと予め既知なプローブ22のY
Z平面における主偏波成分ε′cp(−Kv
ε′ (−Kvおよび比例係数Aとを、前記式
(3)を変形した次式(9)に代入して、被測定アンテ
ナ10のYZ平面における主偏波(45°)成分の指向
性εcp(Kvを求める(S9)。
【0056】 εcp(Kv=AD(Kv/ε′cp(−Kv ……(9)
【0057】上記処理によって得られた被測定アンテナ
10の主偏波成分の指向性に基づいて、例えば被測定ア
ンテナ10の遠方界における主偏波成分の垂直面および
水平面の指向特性を求めることができる。
【0058】このように実施形態の近傍界測定システム
では、電界面の指向性と磁界面の指向性が広い角度範囲
でほぼ一致するように構成されたプローブ22を、45
°偏波の被測定アンテナ10に対して、その偏波方向に
合わせて45°傾けた状態で平面走査しているので、プ
ローブ22の交差偏波成分による影響がなくなり、一回
の走査で被測定アンテナ10の主偏波成分の主平面にお
ける指向特性を得ることができ、効率的な測定が可能と
なる。
【0059】また、上記したプローブ22は、先端側が
開放された導波管23の開口部に誘電体板24を挿入し
て、電界面の指向性と磁界面の指向性とが広い角度範囲
でほぼ等しくなるようにしているので、既存の導波管か
らなるプローブに誘電体板を挿入するだけで簡単に構成
できるという利点がある。
【0060】なお、前記した近傍界測定システムでは、
導波管23の先端側の開口部に誘電体板24を挿入し
て、電界面の指向性と磁界面の指向性とが広い角度範囲
でほぼ等しいプローブ22を用いていたが、例えば、図
6に示すプローブ32のように、導波管23′の先端部
23aの開口面の短辺の長さb′を標準値bより大きく
して、電界面の指向性を狭めて磁界面の指向性に合わせ
てもよい。
【0061】また、上記近傍界測定システムでは、被測
定アンテナを送信アンテナとし、プローブを受信アンテ
ナとしていたが、内部にフェライトなどの非可逆素子を
含まない通常のアンテナでは、送受の可逆性が成立する
ので、プローブを送信アンテナとし、被測定アンテナを
受信アンテナとしても、同様の測定を行うことができ
る。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の近傍界測定方法は、被測定アンテナとの間で電磁波の
送受信が可能なプローブを前記被測定アンテナの近傍の
直交座標面上で走査しながら電磁界測定を行い、該測定
結果に基づいて前記被測定アンテナの特性を求める近傍
界測定方法において、少なくとも前記被測定アンテナを
望む角度範囲内で磁界面の指向性と電界面の指向性とが
ほぼ等しいプローブを、その電界面が前記直交座標面の
直交軸に対して45°傾いた状態で走査し、前記プロー
ブの前記直交座標面に対する一回の走査によって得られ
た測定結果に基づいて、前記被測定アンテナの主偏波成
分の指向性を求めることを特徴としている。
【0063】また、本発明の請求項2の近傍界測定シス
テムは、被測定アンテナとの間で電磁波の送受信が可能
なプローブを、走査手段によって前記被測定アンテナの
近傍の直交座標面上で走査しながら電磁界測定を行い、
該測定結果に対する演算を演算処理部によって行って前
記被測定アンテナの特性を求める近傍界測定システムに
おいて、前記プローブは、少なくとも前記被測定アンテ
ナを望む角度範囲内で、磁界面の指向性と電界面の指向
性とがほぼ等しくなるように構成され、その電界面が前
記直交座標面の直交軸に対して45°傾いた状態で前記
走査手段に支持されて前記直交座標面上を走査され、前
記演算処理部は、前記直交座標面に対する前記プローブ
の一回の走査によって得られた測定結果に基づいて、前
記被測定アンテナの主偏波成分の指向性を算出するよう
に構成されていることを特徴としている。
【0064】このため、プローブの交差偏波成分による
影響がなくなり、一回の走査で45°偏波の被測定アン
テナの主偏波成分の指向特性を得ることができ、効率的
な測定が可能となる。
【0065】また、本発明の請求項3の近傍界測定シス
テムは、請求項2記載の近傍界測定システムにおいて、
前記プローブは、開放された先端側を前記被測定アンテ
ナに向けた状態で前記走査手段に支持された導波管と、
前記導波管の先端側の開口部のほぼ中央に挿入され、前
記導波管の磁界面の指向性と電界面の指向性とを前記開
口部から前記被測定アンテナを望む角度範囲内でほぼ等
しくする誘電体板とによって構成されていることを特徴
としている。
【0066】このため、既存の導波管からなるプローブ
に誘電体板を挿入するだけで簡単に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図
【図2】本発明を適用した近傍界測定システムの構成を
示す図
【図3】実施形態のプローブの構造を示す拡大斜視図
【図4】プローブの指向性を示す図
【図5】実施形態の処理手順を示すフローチャート
【図6】他の実施形態のプローブの構造を示す拡大斜視
【図7】平面走査型の近傍界測定システムの概略図
【符号の説明】
10 被測定アンテナ 22 プローブ 21 支持装置 23 導波管 24 誘電体板 25 移動装置 26 走査制御部 27 給電部 28 測定部 29 メモリ 30 演算処理部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定アンテナとの間で電磁波の送受信が
    可能なプローブを前記被測定アンテナの近傍の直交座標
    面上で走査しながら電磁界測定を行い、該測定結果に基
    づいて前記被測定アンテナの特性を求める近傍界測定方
    法において、 少なくとも前記被測定アンテナを望む角度範囲内で磁界
    面の指向性と電界面の指向性とがほぼ等しいプローブ
    を、その電界面が前記直交座標面の直交軸に対して45
    °傾いた状態で走査し、 前記プローブの前記直交座標面に対する一回の走査によ
    って得られた測定結果に基づいて、前記被測定アンテナ
    の主偏波成分の指向性を求めることを特徴とする近傍界
    測定方法。
  2. 【請求項2】被測定アンテナとの間で電磁波の送受信が
    可能なプローブを、走査手段によって前記被測定アンテ
    ナの近傍の直交座標面上で走査しながら電磁界測定を行
    い、該測定結果に対する演算を演算処理部によって行っ
    て前記被測定アンテナの特性を求める近傍界測定システ
    ムにおいて、 前記プローブは、少なくとも前記被測定アンテナを望む
    角度範囲内で、磁界面の指向性と電界面の指向性とがほ
    ぼ等しくなるように構成され、その電界面が前記直交座
    標面の直交軸に対して45°傾いた状態で前記走査手段
    に支持されて前記直交座標面上を走査され、 前記演算処理部は、 前記直交座標面に対する前記プローブの一回の走査によ
    って得られた測定結果に基づいて、前記被測定アンテナ
    の主偏波成分の指向性を算出するように構成されている
    ことを特徴とする近傍界測定システム。
  3. 【請求項3】前記プローブは、 開放された先端側を前記被測定アンテナに向けた状態で
    前記走査手段に支持された導波管と、 前記導波管の先端側の開口部のほぼ中央に挿入され、前
    記導波管の磁界面の指向性と電界面の指向性とを前記開
    口部から前記被測定アンテナを望む角度範囲内でほぼ等
    しくする誘電体板とによって構成されていることを特徴
    とする請求項2記載の近傍界測定システム。
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