JP2002243379A - 通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器 - Google Patents

通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器

Info

Publication number
JP2002243379A
JP2002243379A JP2001040448A JP2001040448A JP2002243379A JP 2002243379 A JP2002243379 A JP 2002243379A JP 2001040448 A JP2001040448 A JP 2001040448A JP 2001040448 A JP2001040448 A JP 2001040448A JP 2002243379 A JP2002243379 A JP 2002243379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
heat exchanger
fin
fins
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001040448A
Other languages
English (en)
Inventor
F Kutcher Charles
エフ クッチャー チャールズ
Gawlick Keith
ガウリック キース
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Midwest Research Institute
Original Assignee
Midwest Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Midwest Research Institute filed Critical Midwest Research Institute
Priority to JP2001040448A priority Critical patent/JP2002243379A/ja
Publication of JP2002243379A publication Critical patent/JP2002243379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F13/00Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing
    • F28F13/003Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing by using permeable mass, perforated or porous materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力損失を可能な限り抑えつつ、熱伝達に寄
与する面積および熱伝達率を向上させる。 【解決手段】 ガスの流路を横切って延び流体を搬送す
る流体配管と、ガスの流路を横切って配置されガスに接
して熱伝達を行なうとともにガスの流れを案内する熱伝
達板とを備え、前記流体配管が前記熱伝達板に熱伝達を
行なうように接し、前記熱伝達板が大部分のガスが通過
するよう多数の開口を備えた多孔性である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、ガス−
液体間の熱交換を行なう熱交換器に関するものであり、
特に、ガス側の熱交換器のガスフローチャンバ(室)に
配置された多孔性フィンを有するフィン型熱交換器、ま
たは熱伝達に寄与する全面積を増大させ、熱伝達率を向
上させることによって熱伝達を強化するために、ガスを
多数の孔を通過させるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱交換器は産業および一般消費者にも広
く使用されているが、一方がもう一方より温度が高い流
体を2つ用いて、より温度の低い液体へ熱を伝達する。
エアコンディショナーや自動車のラジエータ、プロセス
産業の空気冷却コンデンサおよびボイラ−など現在使用
されている熱交換器の多くは、ガスと液体(気体になっ
ていることもある)との間で熱交換を行なう。概して、
これらの熱交換器は、ガスの流れるチャンバ(chambe
r)を定めるハウジング内に配置された、たとえば、円
形、楕円形、フラットチューブ、板によって仕切られた
配管などの複数の流体配管を含む。これら熱交換器は、
ファンまたはブロワーを用いて、チャンバ内で空気など
のガスを流体配管に対して直角方向(クロスフロー)ま
たは平行方向(カウンターフロー)に流す。結果として
生じたガス−液体間の熱伝達は、熱交換器の液体とガス
と間の熱伝達面積、液体とガスとの間の温度の差および
熱交換器の全熱伝達率に正比例する。全熱伝達率は、ガ
スと液体との間の熱伝達に対する全熱抵抗によって決ま
り、配管の製作に使用する材料の熱伝導や配管に沿った
局所層の係数などといった熱交換器の設計におけるいく
つかの特徴、つまりガスと配管の外面との間でどのくら
い容易に熱交換を行なえるかによって決まる。
【0003】ガスと液体の熱交換は広く使用されている
が、主としてガスは密度が低く熱伝導が小さいため、熱
交換器の高温側と低温側との温度差1℃あたりの熱伝達
は非常に小さい。この温度差1℃あたりの熱伝達は、熱
通過率(U)および熱交換に寄与する面積(A)の積
(UA)で示される。積UAの値が小さいと、この小さ
い値UAを補って希望する熱伝達を得るために、多数の
ユニットおよび/またはより容積の大きいユニットを使
用する必要があるため、より大きなパワーが必要となっ
て運転に必要なコストおよび初期に必要なコストが高く
なる。たとえば、地熱発電所は、ガスと液体との温度差
がわずかな状態で稼動し、これらの発電所においては、
発電コストの25パーセント以上が、コンデンサ(復水
器、凝縮器)などのガスと液体との間の熱交換器の運転
および購入費用に充てられている。高いコストがかかる
ため、ガスと液体との熱交換の値UAを改良するために
継続的に努力がなされ、同時に製造および運転コスト
を、新しい設計の熱交換器が産業および一般消費者に適
用可能な見込みまで削減するようにしている。
【0004】フィン付チューブ型の熱交換器は、長い間
使用されてきており、ガスが熱交換器を通過する際、ガ
スと接触する熱伝達面積を増やすことによってガス側の
熱伝達率を向上させるべく改良を加えられてきた。一般
的に、フィン付チューブ型熱交換器は、アルミニウム、
銅、鋼鉄、その他の熱伝導に優れた材料からつくられた
液体を運ぶ配管すなわちチューブを複数備えるクロスフ
ロー型の熱交換器である。チューブは、平行に並んだ一
連の熱伝導に優れた材料のシートもしくはプレート、つ
まりより広い熱伝達面積をチューブに供給するフィンを
貫きまた接触している。熱伝達に寄与する全面積は、含
まれているフィンの枚数と大きさによって決まり、そし
て通常は25.4mm(1インチ)あたり5〜15枚の
フィンが並べられる。フィンにより、ガスがチューブを
横切りチューブの間を流れるよう平行な流路が形成され
る。ガスがフィンの表面に沿って流れて接触する時およ
びびガスがチューブの外面と接触する時に熱交換が生じ
る。フィンのような平らな面での熱伝達率は、面の前縁
部分で最大であり、前縁からの距離が大きくなくるとと
もに、境界層が形成されて厚くなり、局所熱伝達率が低
下して、熱伝達率が低下する。しかしながら、フィン付
きチューブ型の熱交換器は製造費用が比較的安く、圧力
損失もそれほど大きくないという理由から広く使用され
ているが、いくつかの欠点も含まれている。たとえば、
フィン付きチューブ型熱交換器においては、境界層が形
成されて厚くなるため、フィンの大部分において熱伝達
率が低い。さらに、ガス流のほとんどはチューブの後ろ
側に接触せず、フィンの表面のチューブの陰となる部分
にも接触しないため、これらの熱交換器では、チューブ
の流れの下流側または陰の部分の熱伝達は低い。
【0005】フィン付きチューブ型熱交換器の効率を向
上させる試みとして、平行に並べたフィンの表面形状お
よび全体配置を変化させてガスの境界層をさえぎり、ま
たフィンに形成される境界層が厚くならないようにする
努力がなされてきた。たとえば、フィン付チューブ型の
熱交換器は、境界層の発達を中断させ、または有効な熱
伝達面積を増大させることによって熱伝達率を上昇させ
るため、三角形またはS字形状の波形のフィンを使用し
てきた。しばしば冷却コンデンサで行なわれるように、
フィンのチューブとチューブの間に位置する領域に3箇
所または4箇所の切れ目を入れて、フィンの表面に枝分
かれを形成することによって、境界層が成長とその後の
消滅とを繰り返すようにし、境界層の形成を妨げ、フィ
ンの表面形状を改善している。自動車のラジエータのよ
うな熱交換機の液体側で使用されることが多いが、熱交
換器のガス側にも時々使用されるフィン形状は、ガスが
流れる平行で三角形状の流路を形成するアコーディオン
のような放熱孔板である。放熱孔板の表面形状によっ
て、ガスの大部分が流路内をフィンに沿って流れ、一部
が放熱孔を通って隣の流路へと流れるため、境界層が形
成が阻止される。
【0006】Tukamotoらの米国特許第4,768,583
号には、互い違いに配置されたチューブに対し、チュー
ブを横切る平行な液体流路を形成するよう並べられた、
波形の、そして孔があけられているフィンを有するフィ
ン付チューブ型の熱交換器が開示されている。波形フィ
ンは、山部と山部、谷部と谷部とを向かいあわせて配置
され、断面が交互に広がったり狭まったりする流路を形
成している。流路の広げられた断面は、隣接する流路の
狭められた断面に位置するため、このフィン配列におい
ては隣接するガスの流れの間に圧力の差が生じる。この
フィンの構成においては、ガスの主要な流れは平行に並
べられた流体流路に沿って流れ、フィンの境界層の成長
はフィン表面が波状であることによって、少なくとも部
分的には中断される。さらに、隣り合う流路間の圧力差
によって、ガスの一部が孔を通って隣の流路に流れ、境
界層を破断させる。
【0007】Searightらの米国特許第3,804,159
号には、既知のジェット噴きつけ技術を用いてフィンの
後面の熱伝達を向上させるよう試みたひだ付きフィンお
よび冷却用管コイルが開示されている。Searightらによ
ると、冷却フィン後面のジェット噴きつけは、冷却ガス
をフィンにもうけた少数の通気孔を高速で通過させて、
隣接するフィンの後面に接触させることによって得られ
る。この点において、Searightらは、ガスのジェットを
隣接フィンに到達させるよう、開口領域が20パーセン
トよりも小さい、好ましくは2〜15パーセントといっ
た孔の割合の小さいフィンを用いて、大量のガスが少数
の孔を通過する時のジェットの速度を速くし、また、ガ
スのジェットを隣接フィンに到達させるよう、25.4
mm(1インチ)あたり12枚といった、密に並べたフ
ィンを使用している。さらに、ジェットのサイズを大き
くするため、孔の直径は比較的大きく、フィンの厚さよ
りもはるかに大きくされている。ジェットが隣のフィン
の孔と孔の間に突き当たるよう、隣り合うフィンの孔は
互い違いの位置にあるよう注意せねばならない。ここで
開示されているフィン配置およびフィンの設計では、熱
伝達の向上が期待できるのはひだ付きフィンの後面にお
いてのみである一方、フィンが密接していることおよび
孔の割合が小さいことにより、圧力損失が大きくなると
いう重大な問題がある。ここで開示されている冷却コイ
ルでは、圧力損失が大きいために、送風ファンのパワー
をかなり大きくする必要があり、孔のない平行フィン配
置の熱交換器にくらべ全体として値UAが低下してしま
う。
【0008】フィンの表面および形状を変えることによ
って、フィン付チューブ型熱交換器の熱伝達率を高める
ことができるが、このような改善を加えられたフィンを
有する熱交換器でも値UAは低いままである。この低い
UAは、少なくとも部分的には、ガス側での熱伝達率の
小ささと、チューブ後部で流れの影となる部分での熱伝
達が乏しいことが原因である。さらに、前述の設計変更
によって、熱交換器のガス側での圧力損失が大きくなっ
てしまい、ファンのパワー消費が容認し難いほど大きい
ものとなってしまう。
【0009】したがって、熱交換器の技術はかなり発達
しているにもかかわらず、産業および一般の消費者向け
として、費用対効果を向上させるために製造および運転
コストを抑制しつつ、より優れた熱伝達能力が得られ効
率がよいガス−液体間の熱交換器を得たいというニーズ
は依然として存在する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の主な目的は、値UAを大きくし、値UAと圧力損失と
の比を改善したガス−液体間の熱交換器を提供すること
にある。
【0011】本発明に関する目的は、ガス側での熱伝達
特性を改良したガス−液体型熱交換器を提供することに
ある。
【0012】本発明に関するもう1つの目的は、現行の
技術を用いて、経済的に運転および製造を行なうことの
できるガス−液体型の熱交換器を提供することにある。
【0013】本発明のさらに具体的な目的としては、熱
交換器のガス側での熱伝導に優れたフィンの形状と構成
とを有するガス−液体型熱交換器を提供することにあ
る。
【0014】本発明のさらに他の目的、利点および新規
な特徴は、以下の説明によって明らかになり、また、以
下の説明および図面を検討し、実施の形態をスタディす
ることにより、当業者にとって明らかになるであろう。
さらに本発明の目的と利点は、特許請求の範囲に記載し
た手段およびその組み合わせによって達成されるであろ
う。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的にしたがっ
て前述のおよび他の目的を達成するために、ここで具体
化され広く説明されているように、本発明の一実施の形
態は、ガス−液体型熱交換器のガスの通り道に配置され
たフィン・チューブ・アセンブリを備える。この熱交換
器において、ガスがフィン・チューブ・アセンブリを通
過する際の圧力損失を抑制しながら、熱伝達に寄与する
面積(A)および熱伝達率(U)を大幅に向上させる。
フィン・チューブ・アセンブリは、熱交換器内で流体を
導く流体配管(ある実施の形態ではチューブである)を
有し、この流体の流れるチューブに熱伝導可能に接し、
チューブ内の流体と流れるガスとの間の熱伝達面積を広
げる熱伝達エレメントを有する。熱伝達エレメントは、
山部と谷部とを有する断面形状となるように波打ってお
り、山部と谷部の間が熱伝達フィンとなっている。熱伝
達エレメントは、ガスの流れを横切って配置されてお
り、ガスは流路内でフィンに沿って山部から谷部へと導
かれる。
【0016】フィンは、たとえば、孔あけ、焼結、引き
伸ばし、突き刺し、複数層の積み重ねなどによる多孔性
のものであり、ガスがフィンを通過して流れるように、
多数の開口部あるいは孔を備えている。各孔の内周面も
フィン・チューブ・アセンブリの全熱伝導面積に寄与す
るので、その結果、熱伝達面積は大幅に増加し、それに
つれてフィン・チューブ・アセンブリの熱伝達率も向上
する。すべてあるいは充分な量のガスがフィンの開口部
を通過するようにして、フィンの前面および後面と同様
に孔の内面も熱伝達面に含まれるようにして熱伝達面を
広げ、理想的なガスの流れを実現して境界層の形成を妨
げるために、熱伝達エレメントの谷部は閉じられ、ある
いは部分的にだけ開かれており、フィン・チューブ・ア
センブリにおける熱伝達率を高めている。好ましい実施
の形態では、フィンの多孔率は、25パーセントあるい
はそれ以上、たとえば50から70パーセントもしくは
それ以上というようにかなり高く、孔のサイズは小さ
く、丸孔であればフィンの厚さとほぼ同じ直径であり、
熱伝達エレメントの熱伝達に寄与する表面積は、孔の内
面の面積によって、孔のないフィンに比べ、たとえば2
5パーセントかあるいはそれ以上増加する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、境界層の厚さを小さく
保ち(その結果、熱伝達率(U)を高める)、そして圧
力損失を最小限に抑えながら、熱伝達に寄与する表面積
を増大させ、液体−ガス、ガス−液体、ガス−ガスの熱
変換器の熱伝達率を向上させる。この点において、全て
のあるいは大部分の冷却ガスが、通気性の高い(孔があ
けられた、あるいは焼結によって形成されたなど)フィ
ンを通過するようにすることによって、熱伝達に寄与す
る面積が大きくなる。孔は、短いパイプと類似であると
考えることができ、これらの「短いパイプ」を通過する
ガスは、流れのエントランス領域(エントランスフロー
領域:entrance flow region)と呼ばれる。このエント
ランスフロー領域(各孔の縁に位置している)では、境
界層の厚さはまだ小さいため熱伝達率が高い。
【0018】以下の検討で明らかになるように、たとえ
ば、サイズの小さい開口を持ち、通常25パーセントま
たはそれ以上の開口面積を有する通気性の高いフィンを
使用することによって、従来技術とは対照的に、熱交換
に寄与する全面積を増大させ、かつ従来は容認できない
ほど高くなることも多かった圧力損失を、低く抑制する
ことができる。フィンの孔の中で大量に熱伝達が行なわ
れ、熱伝達率がいちじるしく向上する。さらに、本発明
の一実施の形態では、少なくともフィンの一部にひだを
入れあるいは波型にして、たとえばフィンの間隔をあけ
るなど流路の幅を広げることにより、冷却ガスが流路を
容易に流れるようにしつつ、しかし同時にガスがフィン
を通過するときの流速を圧力損失を抑制するのに充分抑
え、通気性フィンを通過する際の圧力の損失を容認可能
なレベルに抑制する。ひだを作ることによって、各フィ
ンを横切って流れる際のガスの局地的な速度を遅くし、
圧力の損失を抑えることができる。本発明のこれらの、
そしてその他の特徴は、以下の説明にて詳述される。以
下の説明では、まずは通常のコンデンサ(すなわち、復
水器や凝縮器)で使用されるようなフィン・チューブ・
アセンブリの実施例におけるフィンを説明し、次に多孔
性のフィンによってガス側での圧力損失を抑制しつつ、
熱伝達面積および熱伝達率を向上させたいくつかのフィ
ン・チューブ・アセンブリを詳細に説明する。
【0019】本発明による、ガスと液体(気体となって
いることもある)との間で熱交換を行なう熱交換器10
が、図1に示されている。図1に示されているように、
熱交換器10は冷却ガスGINをハウジング14内に引
き込むためのファン12を有するコンデンサタイプの熱
交換器である。冷却ガスGINは、中空チャンバ16が
形成する流路内に配置されたフィン・チューブ・アセン
ブリ20を通過し、流体配管やチューブ22を流れる流
体(すなわち、蒸気、ガスまたは液体)を冷やす。暖め
られたガスGOUTはファン12によってハウジング1
4の外へ排出される。液体−ガス間の熱伝達は、フィン
・チューブ・アセンブリ20によって行なわれる。フィ
ン・チューブ・アセンブリ20は複数のチューブ22を
配列してなり、チューブ22は、中空チャンバ16を横
切って伸びるとともに、チューブ22の熱伝達面積を広
げる働きをする熱伝達エレメント24(複数の通気性フ
ィン26の集まりとして示されているが、他の通気性の
ある構成も適用可能である)を貫通し熱を伝えるように
接触している。熱伝達エレメント24は、積み付けしや
すいよう、そして多数のチューブ22のための空間が得
られるよう、W形状の入れ子に配列される。なお、本発
明においては、他の形状でも使用可能であり、熱伝達エ
レメント24を複数有するものであってもそうでないも
のであっても構わない。さらに、フィン・チューブ・ア
センブリ20の“折り目”の上端および下端はそれぞ
れ、全ての流れが流路32を経由して通気フィン26を
通過するように塞がれている。図8は、フィン・チュー
ブ・アセンブリ20の一部分を示した図であり、流路3
2と通気性フィン26がより詳しく示されている。
【0020】この点において、本発明の重要な側面によ
ると、熱交換器10は、たとえば空気などのガスGIN
のすべてまたはほとんどすべてが、フィン26を通過す
るよう構成されている。フィン26は、多孔性すなわち
25パーセントから80パーセント、あるいはそれより
大きい開口面積であるのが好ましい。多孔性の通気性に
富んだフィン26を用いることにより、ガスGINが、
従来の熱交換器のようにガスが単に並列に並んだ流路で
フィンの外面に沿って流れるというよりは、むしろ、ガ
スがフィン26を通過する際にフィンの内面に接触する
ので、熱が効率良く伝達される。熱伝達に寄与する全面
積を増すことができるとともに、以下に詳しく説明です
るように、この広い熱伝達面積における熱伝達率を高め
ることができる。従来技術による熱交換器では、冷却ガ
スを、熱伝達フィン間に形成される平行な流路に沿って
流す。熱伝達の効率は、ガスと接するフィンの外表面の
面積およびフィンの表面に形成される厚い境界層によっ
て制限されている。その点、本発明では、全熱伝達のう
ちのかなりの部分がフィン26の孔内で行なわれ、熱伝
達に寄与する全面積を大幅に増大させることにより、本
発明による熱交換の能力を大きく高めている。
【0021】本発明によれば、熱伝達エレメント24
は、山部28および谷部30が交互にあらわれる断面形
状を有する規則正しい波型であることが好ましく、各山
部28および谷部30の間で熱伝達フィン26が形成さ
れている。図1においては、熱伝達エレメント24をわ
かりやすく示すために、フィン26は25.4mm(1
インチ)当たり1つまたはそれ以下の比較的広い間隔で
並べられているが、通常は、フィンの間隔がいくぶん小
さく密に、たとえば25.4mm(1インチ)当たりの
フィンが1〜10枚となるよう、波形はある程度密とさ
れており、熱伝達に寄与する全面積を大きくしている。
ガスGINがフィン26を通過するように、熱伝達エレ
メント24は、アルミニウム、鋼鉄または銅などの熱伝
導に優れた材料からなり、多数の孔が設けられている薄
板から作るとよい。熱伝達エレメント24は、チャンバ
16内のガスの流れを横切るように配置されており、ガ
スGINは山部28で熱伝達エレメント24に接し、フ
ィン26に沿って案内されて流路32内を谷部30へと
流れ、フィン26の開口を通過しながらおおむね均一な
流率で山部28から谷部30へと流れる。図1に示され
ているように、谷部30は、圧力の損失を低減するため
に少しすき間が開いていてもよく、また図1に示したよ
うに、すべてのガスがフィン26を通過するよう、完全
に閉じていてもよい。さらに、ここでは図示されていな
いが、山部28に単独で、あるいは谷部30に少しのす
き間を設けるのにあわせて、開口もしくはすき間を設
け、圧力損失を抑制し、あるいは熱交換器10を通過す
るガスの流れを変えてもよい。
【0022】一般的に、熱交換器10のこれらの構造的
特徴により、全熱交換面積を大きく増大させ、フィン2
6上の境界層が厚くなることを抑えて、優れた熱伝達特
性を得ることができ、熱伝達率を高めることができる。
従来のほとんどの熱交換器において熱伝達に寄与する全
面積をもたらしているフィン26の前面に加え、開口部
の内面の面積およびフィンの後面の面積が、ガスGIN
と通気性フィン26との間の熱交換に有効な表面積に含
まれるため、熱交換に寄与する面積は非常に大きいもの
となる。熱交換器10においては、ガスがフィン26の
多数の開口を通過するように案内して、開口に流入し通
過するガスの流れを加速し、フィン26の前面の開口部
と開口部との間に流れの滞留場所を作り、とくに各開口
部にて(パイプの入口における流れと同様の)流れのエ
ントランス状態およびエントランス領域での特徴、すな
わち境界層が薄い状態とすることにより、境界層の厚さ
を最小化し、境界層の形成を効果的に抑制する。図1の
例とは異なり、チャンバ16内で発生しファン12の負
荷となる圧力損失をさらに少なくするために、熱交換器
10を、フィン26を貫通する一列のチューブとし、熱
伝達率を高めることができる。本発明のこれらの特徴お
よび機能面での優位点、さらにその他の特徴および機能
面での利点は、本発明の他の実施の形態に関連付けて、
以下で詳しく説明される。
【0023】図2から図14には、図1にて示したフィ
ン・チューブ・アセンブリ20と同様の利点を備える実
施例として、フィン・チューブ・アセンブリ40が示さ
れている。図では、フィンの形状やフィン・チューブ・
アセンブリ40によって形成されるガスの流れのパター
ンなど、熱伝達特性を向上させる本発明の重要な構造的
特徴を充分に説明するため、フィン・チューブ・アセン
ブリ40は小規模な、すなわち7枚のフィンおよび一列
に並んだ3本のチューブとして示されている。さらに、
図において、フィン・チューブ・アセンブリ40は単体
構造として示されているが、実際はたいていの場合、図
1に示された熱交換器10などのガスの流路内に配置さ
れる。
【0024】フィン・チューブ・アセンブリ40によっ
て、同じ大きさの通常のフィン付きチューブ型の熱交換
器に比べて、液体LIN(たとえば、蒸気、ガスまたは
液体)とガスGIN間の熱交換が効率良く行なわれるよ
うになる。この点において、フィン・チューブ・アセン
ブリ40は、フィン・チューブ・アセンブリ40へと流
入し流出していく液体(LIN、LOUT)を運ぶため
に流体配管42を有し、さらに流体配管42に熱伝達を
行なうべく接触し、また流入ガスGINが通過し、排出
ガスGOUTとなって出て行く通気性の高い熱伝達エレ
メント44を有する。流体配管42により、たとえば蒸
気、水、気化した炭化水素、液化した炭化水素、冷媒な
どの液体LINと、たとえば空気などのガスGINとの
間の熱伝達経路あるいは熱伝達面がもたらされる。流体
配管42は、高い熱伝導性を示しかつ生産や組み立てに
適する銅、アルミニウムおよび鋼鉄などの材料でつくる
のが好ましい。特に制限はないが、流体配管42の断面
形状は通常円形、楕円形、フラット(平たい)チューブ
などの熱交換器によく用いられているものが使われる。
図示した流体配管42は円形チューブであって、流入ガ
スGINの流れを横切るように配置されており、熱伝達
エレメント44に接し流体配管42に接触するガス流と
接する熱伝達面をもたらす外面43を有している。以下
で詳しく説明するように、チューブ42の外周に熱伝導
に優れたスペーサ−66を配することにより、熱伝達を
さらに向上させることができ、また、熱伝達エレメント
44の製造を容易にすることができる。
【0025】本発明の1つの重要な特徴によると、すべ
てまたはほぼすべてのガスGINが、多孔性の熱伝達エ
レメント44を通って流れ、ガスGINと接触する熱伝
達エレメント44の表面積を増大させ、熱伝達率を向上
させる。この点において、ガスGINが熱伝達エレメン
ト44に沿って流れるよりも、むしろ熱伝達エレメント
を通過する1つの流路となるように、熱伝達エレメント
44はガスGINの流路を横切るように配置される。図
2、図3および図4に示すように、熱伝達エレメント4
4は、隣接して並んだ一連のフィン46からなる。各フ
ィン46の斜めとされた前縁部54は突き合わされて山
部48を形成し、斜めとされた後縁部56は突き合わさ
れて谷部50を形成している。図5、図6および図7
に、別の形状のフィン88、94および26を備えた別
の熱伝達エレメント86、92および20を示す。熱伝
達エレメント86、92および20は、本発明を実現
し、より望ましい形状の流れ(たとえば、ガスの流れを
均一にする)を得るために用いられる。ここには示され
ていないが、他にも様々なひだ付きフィンの形状を、容
易に想像することができ、また本発明の説明から考え出
すことができる。各フィン46および26は、ガスを通
過させるための複数の孔または開口部70を有する。隣
接する一対のフィン46、26が、それぞれ流路52、
32を形成し、ガスGINがこの流路を流れて熱伝達エ
レメント44、24の熱の交換をおこなう。
【0026】従来技術による装置においても通常利用可
能でありまた利用されていた、流路52、32に面する
各フィン46、26の前面の接触面58は、本発明にお
いても、熱伝達エレメント44、24における熱伝達に
寄与する面積に含まれる。さらに、図12に示されるよ
うに、多孔性のフィン46、26を用い、ガスがフィン
46、26を通過するようにすることにより、前面の接
触面58に加え、各開口部70の内面の開口部接触面7
8によって、熱伝達に寄与する全面積が大幅に増大す
る。この面積の増大がどれくらいであるのかは、フィン
46、26に設ける開口部70の数と大きさに依存し、
フィン46、26の多孔率として定量的に示すことがで
きる。図9に示すように、フィン46、26の熱伝達に
寄与する全面積は、この例では、円形の開口70の内周
面の面積、フィン46、26の前面の接触面58および
同様の後面の接触面の合算である単位面積Aunitを
多数集めて構成されていると考えることができる。多孔
率は、開口70の直径にもとづく開口70の断面積を、
開口の断面積とフィン前面の接触面の面積の和によって
除算することにより求めることができる。さらに、熱伝
達率を向上させるために熱伝達面積を増加させることお
よび流れのパターンを改善することが通常望まれるた
め、圧力損失に鑑み、希望する多孔率を得るために、直
径Dの大きい少数の開口部を用いるよりも、直径Dの小
さい多数の開口部70を用いる方が好ましい。この点に
おいて、本発明の一実施の形態においては、開口部70
の直径Dは、フィン46、26の材料の厚さtFと等し
いか、あるいはそれより小さく、フィン46、26は均
一な厚さtFを有している。さらに、図示したフィン4
6、26は、大きさ、形状および間隔が均一な開口部7
0を有しているが、本発明では、各フィン46、26が
大きさ、形状および/または間隔の異なる開口部70を
有していてもよく、またフィン46、26の厚さtFが
各部で異なっていてもよい。
【0027】当業者であれば理解できるように、通気性
の高いフィンが望ましいが、様々な多孔率を用いて本発
明の実現が可能である。たとえば、フィン46の多孔率
は、孔の熱伝導面積を極力大きくするべく70パーセン
トまたはそれ以上に、きわめて高くしてもよい。一方
で、フィンそのものの熱伝導性を維持し、容易に入手可
能なフィン材料を利用できるようにするため、多孔率は
たとえば50パーセントまたはそれ以下の低い値として
もよい。一実施の形態において、既製の材料を用いた約
28パーセントの多孔率であっても、開口部70の内周
面によるより大きな熱伝達面積が得られることがわかっ
ている。図では、フィン46、26は、おおむね均一の
多孔率すなわち開口部70の密度を備えているが、ガス
GINの流れのパターンをさらに制御してより熱伝達率
を向上させ、チューブ42、22の周辺では熱伝達率が
より高いことを利用するために、フィン46、26上の
位置に応じて(たとえば、チューブ42またはチューブ
42の周りの付属物との距離などに応じて)、開口部7
0の密度および/または大きさを変化させることが好ま
しい。さらに、熱伝導および/または熱伝達をより良く
制御するために、フィン46、26の厚さtFを変化さ
せることが望ましい。
【0028】さらに、開口部の接触面積78による全熱
伝達面積の増加は、フィン46、26の厚さtFに依存
して決まる。フィンの多孔率を選択するに当たり、幅広
い範囲のフィンの厚さtFによって本発明を実現するこ
とができ、通常、厚さの選択は、フィン46、26の製
造に使用する材料(たとえばアルミニウム、銅または鋼
鉄など)が何であるか、そして用いる製造方法にともな
う制約から決定される。たとえば、あくまで一例である
が、一実施の形態において、フィン46、26は厚さ約
0.762mm(約0.03インチ)のアルミニウム板
でできている。このようなフィンの厚さtFで、多孔率
が約30パーセントで、開口部70の直径Dがフィンの
厚さtFにほぼ等しい約0.762mm(約0.03イ
ンチ)である場合、得られた開口部70の接触面78に
よって、開口部の接触面78とフィンの46、26の前
面58および後面からなる熱伝達表面積が、開口部を有
さないフィンと比較して約30パーセント増加した。こ
のことは、開口のないフィンにくらべ接触面積が大幅に
増えることを示しており、上述の例では、熱伝達面積の
約46パーセントが開口部70の内部に位置することに
なる。同様に、開口部70の直径Dが厚さtFとほぼ同
じであるフィン46、26において、開口部の接触面7
8の面積は、開口部70の断面積の4倍であり、フィン
46、26の前面および後面から除去される面積の2倍
であるから、多孔率が50パーセントであるようなフィ
ン46、26では、熱伝達に有効な全表面積は50パ−
セント大きくなる。明らかに、ガスGINの流路に通気
性の高い多孔性の熱伝達エレメント46、26を使用す
ると、フィン・チューブ・アセンブリ40、20におい
て、より大きい熱伝達面積(A)と熱伝達率(U)とが
得られ、すでに述べたように、熱交換の性能を向上させ
るために望ましい、全体積に対してより大きい値UAを
得ることができる。
【0029】本発明のほかの重要な特徴によれば、境界
層の形成およびフィン・チューブ・アセンブリ40に流
入し通過するガスGINの流れを独立に制御し、全体の
熱伝達率を向上すなわちより高めることができる。すで
に述べたように、局所的な熱伝達率は、チューブやパイ
プの入口部分などの境界層が最も薄い所で最大であり、
境界層が厚くなるにつれて急速に低下するため、境界層
の形成を抑制することが有益である。さらに、ガスの流
れを制御することにより、フィン46上での境界層の形
成を中断させ、またフィン46の前面上にガスGINの
流れの停滞点を作り出し、局所的に熱伝達率を高めるこ
とができる。表面上の流れの停滞点によって、通常、そ
の場所の熱伝達率は高くなる。この点に関連し、図4お
よび図12に、円形の開口部70を有するフィン46に
ついて、流れのパターンおよび境界層Bの形成を示す。
流路52を流れる時、ガスGINはフィン46の前面5
8と接触し、流路52内を閉じられた谷部50に向かっ
て案内される。ガスGINがフィン46に沿って流れる
とき、その一部が各開口部70を通過(開口部70の上
流側において、流れの一部の分岐、および対応する循環
流領域Rの形成を伴うが)する。ガスGOUTが熱伝達
エレメント44から排出されるまでに、通過ガスはフィ
ンに沿って流れ、孔の内面および各フィン46の後面6
0と熱交換を行う。一実施の形態において、少なくとも
部分的には、各フィン46に沿って流れ開口部70を通
過するガスの流れがほぼ均一であることにより、フィン
46の各位置における熱伝達率がほぼ等しい。しかしな
がら、より高い熱伝達率を達成するために、開口部70
を通過するガスの流れを不均一とすることができること
は明らかである。たとえば、これに限定するわけではな
いが、開口部70とチューブ42との距離に応じて開口
部70を通過するガスの流速を異ならせ、チューブ42
により近い開口部70ではガスの流れを速くして、熱伝
達を向上させてもよい。さらに、上述のように流れおよ
び熱伝達を制御するために、多孔率を異ならせてもよ
い。
【0030】図12に、境界層Bの抑制が詳しく示され
ている。境界層Bは、開口部70の間のフィン46の前
面58に沿って厚くなり始め、ガスGINが加速されて
通過する開口部70の入り口領域で薄くなる。さらに、
開口部70内の開口接触面78における熱伝達率は、フ
ィン46の厚さtFが小さく境界層Bの発達が難しいた
め、比較的高い。それぞれの孔が、チューブまたはパイ
プの入り口領域としてふるまい、孔を出るまでに境界層
が十分発達することはできないので、開口部における熱
伝達率が向上する。さらに、開口部70へのガスの流入
によって、フィン46の前面58上の開口70の列に隣
接した位置に流れの停滞点が生じる。また、開口部70
を出た“ジェット”がフィンの後面60に衝突すること
もある。しかしながら、本発明はこの効果を最大限にす
るためではなく、フィン46内での熱伝達に焦点を当て
て設計されている。以上述べたように、境界層が厚くな
ることを制限したこと、および理想的なガスの流れを作
ったことによって局所熱伝達率を向上させたため、フィ
ン・チューブ・アセンブリ40の全体としての熱伝達率
は、従来の技術による熱交換器と比べてはるかに向上し
た。
【0031】図12、図13および図14に示されてい
るように、本発明に係る通気性フィンは、様々な手法を
用いて形成される。切断や打ち抜きなどの、材料を完全
にきれいさっぱりと取り除いてしまう手法を用いた場
合、すでに図示し説明したようなフィン46が製造され
る。この方法を少し変更し、図13に示すように、取り
除いた材料がくっついたまま残るようにするとよい。フ
ィン146は、形成する開口部170の周縁に対応する
位置の金属板を、ヒンジ部となる材料172を残してほ
ぼ完全に切断し、ヒンジ部172によって、取り除かれ
た材料174をフィン146の後面160に向かって押
し戻して形成することができる。ヒンジ部となる材料1
72は、開口部170の周縁であればフィンの前面15
8を含めどこに配置してもよく、またはその組合せ、つ
まりいくつかを前面158に、いくつかを後面160
に、いくつかを上流側に向け、いくつかを流れと交差す
る方向に向け、いくつかを流れの下流側に向けてもよ
い。さらに、開口から引き剥がされた材料の少なくとも
一部が、前面158および/または後面160でルーバ
ーの形状を形成するために使用されてもよい。有用な配
置のひとつは、図13に示されている、引き剥がされた
材料174を流れの上流側へと折り返すものである。こ
の方法により、開口部の接触面178にさらに熱伝達面
176が追加されてより広い接触面が得られるので、フ
ィン146はフィン46よりもより大きい値UAを得る
ことができる。一方、図示されてはいないが、フィン1
46における圧力損失をより抑制するためには、引き剥
がされた材料174を開口部170の下流側の後面16
0に向かって押し付けることが望ましい。また開口部2
70を、図14のフィン246に示すように、打ち抜き
や突き刺し、押し出しなどの円錐台形の開口部接触面2
78が形成される方法で形成することもできる(図14
では、わかりやすいように滑らかな表面で示されている
が、薄い金属板を突き刺した場合、開口部から引き剥が
された材料274は、もっと劇的な末広がりになり、で
こぼことなり、破れが生じたりする)。フィン246で
は、開口部の接触面278のサイズが大きくなり、また
開口部270から取り除いた材料274を熱伝達のため
に、そしてフィン246の後面260における境界層B
の形成を中断するために残している。また、これらの構
成の全ては、フィンの上流側に追加の材料が配置(ここ
では図示されていない)されるように変形可能である。
この別の構成によって、流入するガスを開口部70に導
き、圧力損失を低減することが可能となる。
【0032】フィン・チューブ・アセンブリ40を、流
入ガスGINと排出ガスGOUTとの間での圧力損失を
抑制するように構成することも重要である。なぜなら
ば、新しい熱交換器の設計がもたらす運転コストの増
大、すなわちより大きなファンのパワーを、通常は、熱
伝達の効率を上げることによって相殺することが求めら
れるからである。圧力の損失を抑制する方法のひとつ
は、開口部の大きさと形状を選択することである。すで
に述べたように、本発明の発明者は、多孔性を維持しな
がら、熱伝達面積つまり各開口部の内面の面積を増加さ
せるという設計目標に適合するために、一般的に、より
サイズの小さい、たとえば直径の小さい開口部が、サイ
ズの大きい開口部よりも、熱伝達を向上させるという観
点から望ましいと考えている。図9、図10および図1
1は、フィン46を通過する際の圧力損失を抑制するた
めの好ましい形状、すなわち円形、楕円形、多角形の開
口部70、170、270をそれぞれ示しており、さら
にここには示されていないが、開口部を切れ目を入れた
ものや、ルーバー形状など、または前述した形状の組合
せにて形成することもできる。円形でない孔の大きさを
比較するために、各穴の大きさは、穴の断面積と穴の縁
の長さの比の4倍として定義される水力直径によって表
現される。圧力損失を抑制する他の方法としては、ガス
GINの大部分が熱伝達エレメント44を横切って通過す
るようにし、少なくともガスの流れの一部は熱伝達エレ
メント44を比較的まっすぐに通過するようにする方法
がある。この点において、ガスGOUTにフィンを通過
することなく流れることのできる流路を与えるために、
各谷部50に小さな隙間82を有する熱伝達エレメント
80が、図5に示されている。ここでは示されていない
が、熱伝達エレメント80を各山部48に小さな隙間を
有するようにさらに変形し、さらに圧力損失を抑制する
こともできる。また、このような小さな隙間を、多数組
み合わせて用いることもできる。
【0033】フィンの密度が高ければ高いほど圧力損失
は大きくなるので、たとえば、25.4mm(1イン
チ)あたり10枚またはそれ以下といった比較的低いフ
ィンの密度にすることで、圧力の損失をさらに抑制する
ことができる。本発明のこの形状は、隣り合うフィンの
間の間隔であるフィンピッチによって表現することもで
き、本発明においては圧力損失を抑制するためにフィン
ピッチはより大きい方が望ましい。通常、全体としての
圧力損失を最小限に抑えるのに好ましいフィンの密度が
あるが、すでに述べたように、本発明は、様々なフィン
密度にて実現することが可能である。一実施の形態で
は、フィンの密度は25.4mm(1インチ)あたり3
枚から10枚の間で、発明者のテストした試作品では、
より大きい熱伝達面積を得るために、25.4mm(1
インチ)あたり7枚とした。他の好ましい実施の形態に
おいては、よりフィンの密度を低く、すなわち25.4
mm(1インチ)あたりのフィンを3枚よりも少なく
し、流路の幅を拡げ、流路での圧力損失の低減をはかる
ことによって、圧力損失を少なくする。より大きな内面
の接触面積78を得るために、フィン46の厚さはより
大きい方が望ましく、このような厚さは、フィン46を
より厚さの大きい熱伝導性材料の板から製作すること、
および/またはより薄いフィンを重ね合わせることによ
り得ることができる。以下に詳細に示すように、本発明
の好ましい実施の形態には、6.3mm(1/4イン
チ)、12.7mm(1/2インチ)およびそれ以上の
厚さtFを有するフィン46が含まれる。フィンの形状
によっても圧力の損失を低減できる。たとえば、図8に
示されている放物線断面のフィン26は、ベルヌーイ
(Bernoulli)の流れの原理を用いた例であり、ガスが
流路32の端から端まで流れる際のガスの流れを速めて
静圧を減少させることによって、フィン26を通過する
ガスの流れおよびシステムを通しての圧力損失を制御す
る。放物線形状のフィン26を用いてフィン26を通過
するガスの流れを均一にし、ガスの圧力損失を全体的に
減らすことができる。さらに、この点において、たとえ
ば円形、サインカーブなどその他無数のカーブ形状があ
ることは当業者にとっては明らかなことであり、フィン
26の形状として使用可能である。
【0034】製造コストを低く保つために、本発明のフ
ィン・チューブ・アセンブリ40は既に知られている方
法を用いて簡単に作ることができる。よく知られている
方法の1つとして、フィンに管材を差し込み、その後管
材を機械的に拡径して、フィンと管材とがぴったりと嵌
まるようにする方法がある。たとえば、図3および図4
に示すように、熱伝達エレメント44の各フィン46
を、開口部70のための孔を設けた別々の薄い金属板か
ら形成することができる。フィン46は、斜めになった
前縁54および後縁56を形成するために両端部で曲げ
られ、そしてチューブ42を滑り込ませるための孔が切
られている。この孔の直径は、チューブ42のはじめの
状態での直径よりもわずかに大きくされている。熱伝達
エレメント44を組み立てるため、スペーサー66およ
びフィン46をチューブ42上に交互に滑り込ませる。
このとき、隣り合うするフィン46の前縁54同士およ
び後縁56同士が突き当たるようにする。その後、チュ
ーブ42に圧力が加えられ、チューブ42は外側へと拡
径され、フィン46、スペーサー66およびチューブ4
2の外面43との間のぴったりとした嵌まり込みと、良
好な接触面が得られる。また、スペーサ−66を省略
し、チューブ42がフィン46へとじかに拡張されても
よい。製造を簡略化し、スペーサ−66とのぴったりと
した接触を得るために、フィン46は、フィン46を貫
通するチューブ42におおむね平行である。また、図
6、7、8で示したように、本発明においては、他の波
形形状の使用も可能である。図6には、別の熱伝達エレ
メント86が、丸い山部48および谷部50とU字形の
流路52とを形作るSの字形のフィン88とともに示さ
れている。図7には、別の熱伝達エレメント92が、平
らな山部48および谷部50と六角形の一部の形状をし
た流路52とを形作るフィン94とともに示されてい
る。図8には、別の熱伝達エレメント20が、山部30
と鋭くとがった谷部28と幾分丸みのあるV字形状の流
路32を形作る放物線形状のフィン26とともに示され
ている。これにより、フィン26を通過する流れをより
均一にできる可能性が生じる。本発明を実現する際に
は、他の波形形状およびフィン形状も、製造能力および
コストの制限内で考慮可能である。たとえば、一枚の薄
い金属板に孔をあけ、既知の曲げ加工法および成形加工
法によってひだを寄せ、複数のフィンを有する一体物の
熱伝達エレメントを製造してもよい。たとえば、引き伸
ばし加工されたり、焼結によって形成されたり、突き刺
し加工されたり、複数の層を重ねあわせたりした多孔性
の材料からフィンおよび熱伝達エレメントを形成して希
望する多孔率を得、これらの多孔性材料における熱伝導
特性が保たれる限りにおいて、有用な形状へと成形する
ことができることは容易に想像できる。
【0035】本発明の機能的な特徴は、熱伝達エレメン
トを貫通して伸びる流体配管に限定されるものではな
く、流体配管の長さ方向に沿って連続的に(連続的でな
くてもよいが)熱伝達エレメントが流体配管に突き当て
接触している、あるいは流体配管が熱伝達エレメントの
上に載っていることによって熱伝達の経路が形成されて
いる構成も含まれる。図15および図16には、熱伝達
エレメント44を使用し、しかしチューブ42の位置を
フィン46の端部に配置した、いわゆる“チューブ・イ
ン・フィン”または“チューブ・オン・フィン”構成の
フィン・チューブ・アセンブリ100が示されている。
本発明の発明者は、フィン・チューブ・アセンブリ10
0の各フィン46の厚さtFを、6.35mm(1/4
インチ)に、12.7mm(1/2インチ)に、またさ
らにそれ以上に大きくすることにより、高い性能が得ら
れると考えている。このように厚さtFを大きくするこ
とは、同一の多孔率および開口部の大きさを仮定した場
合、すでに述べたような一定の大きさである場合および
場所により大きさが異なっている場合のいずれでも、熱
伝達面積を増加させる働きがあり、また、多くの場合に
おいて、開口部の直径(円形の開口部の場合)は、フィ
ンの厚さtFよりも小さい。図16に示されているよう
に、この実施の形態においては流路はなくなっており、
冷却ガスGINは通気性フィン42を通過して流れる。
すでに述べたように、本発明は、フィンの外面よりもむ
しろフィンの孔の内部で大量の熱伝達がおこなわれると
いう独特の利点を有している。厚さのあるフィンは各孔
でのガスの流入および流出にともなう圧力損失を増加さ
せることがないため、熱伝達とフィンにおける圧力損失
との比を改善するという点でも望ましいものである。
【0036】他の望ましい構成においては、図17に示
したフィン・チューブ・アセンブリ110のように、た
とえばフィンが25.4mm(1インチ)あたり1枚よ
り少ない比較的大きなフィン間隔によって、流路52が
単純に比較的幅広に形成される。また、図示はされてい
ないが、熱伝達率を良くするために、チューブ42をフ
ィン46の後面に配置してもよく、また、流路52内の
フィン46の前面に直接設置してもよい。同様に、図1
6および図17の実施の形態におけるチューブ42は、
ガスGINの流路を横切っているが、液体LINがガス
GINと平行に流れるようにチューブを配置し、両者の
間に有益な温度差が形成されるようにしてもよい(図示
されてはいない)。
【0037】チューブ42はフィン46上またはフィン
46内に、ろう付けやはんだ付け、その他のすでに知ら
れた手法など、熱伝導に優れた接着面が得られる方法に
よって取り付けられる。より厚さのあるフィン46は、
ドリルで孔をあけた薄い金属板を積み重ねたり、あるい
はその他の既知の方法により形成される。図18に示す
ように、厚さの厚いフィン150を作るためのほかの方
法としては、その幅が希望するフィン厚さtFに等しい
長くて薄い金属の帯152を用いる方法がある。帯15
2には溝あるいはその他の形状が形成され、複数の帯1
52を組み合わせた時に、ガスGINが通過するための
流路および開口部154が形成される。もちろん、複数
層構成の厚いフィンにて流路を得るために、棒やワイヤ
あるいはその他の形成手法が容易に適用可能である。図
18に示したような薄い帯の積み重ねによって、たとえ
流れが厚さのあるフィンに対し斜めに近づいてくる時で
あっても、流路の流れの方向を方向付けさせることがで
きる。
【0038】本発明の発明者は、図2から図4に示した
本発明の実施の形態の実際の例について、フィン・チュ
ーブ・アセンブリの単位体積あたりの値UAを測定し、
従来の千鳥配置のチューブに厚さ0.254mmの平ら
なフィンを備え、平行な空気の流路を有するフィン付き
チューブの単位体積あたりの値UAと比較した。比較に
供される両方のテストアセンブリに、同一の材料、つま
りアルミニウムが使用され、チューブの直径は25.4
ミリ、そして両方のテストアセンブリは体積すなわち大
きさの条件を同じにするために、同じ流路内に配置し
た。本発明によるフィン・チューブ・アセンブリは、チ
ューブが一列に配置され、フィンの厚さは0.79mm
であり、フィンには直径0.85mmの円形の開口部が
打ち抜きにより形成され、打ち抜かれた材料は(図12
に示すように)取り除かれて残っておらず、多孔率は2
8パーセントであり、フィンの密度は25.4mm(1
インチ)あたり7枚とされている。以下の表は、テスト
によって得られたテストデータの一部を示したものであ
り、通気性のフィン・チューブ・アセンブリでは単位体
積あたりの値UAが向上していることが明らかである。
この表中には情報として、いくつかの冷却空気の前面速
度Vfについて、アセンブリ全体の熱伝達率Uとフィン
の全面積Aとの積をアセンブリの体積Vによって除算し
た値UA/V、および値UA/Vの増加が示されてい
る。
【0039】
【表1】
【0040】これらのテスト結果から、本発明による通
気性のフィン・チューブ・アセンブリでは、通常のガス
の速度において、フィン付チューブ型の熱交換器に求め
られる熱伝達特性が大幅に向上することわかる。さら
に、試験において確認された性能向上は、チューブの
数、直径、材料、フィンの多孔率、フィンの間隔および
フィンの材料といった設計上の可変要素を特に最適なも
のとすることなく得られたものであり、本発明の進歩的
な特徴によって、さらにより大きな改善が達成可能であ
ると考えられる。通気性のフィン・チューブ・アセンブ
リの最適化は、通気性のフィンを使用することによって
従来の熱交換器に比べ特にガスの流速が速い場合に圧力
損失が増加する可能性があることを補償するようにおこ
なれ、ファンの必要パワーが増加することによる運転コ
ストの増大を値UA/Vの改善によって克服しバランス
させるようにする。たとえば、前記2つのアセンブリを
同じファンパワーにてテストした時、値UA/Vの向上
は小さくなり約30パーセントになってしまうが、それ
でも運転コストの増大なしにかなりの改善が得られてい
るといえる。さらに、前記設計のテストアセンブリに
て、通常のガスの流速である秒速5m以下とし、異なる
ファンパワーとした時、本発明による通気性フィン・チ
ューブ・アセンブリの総推定コスト、すなわち初期コス
トと運転コストの和は、常に従来のフィン付チューブ型
熱交換器より少ないので、総コストおよび性能の両面に
おいて改善が見られることが示されている。
【0041】本発明の発明者は、図15および図16に
示したものとよく似た実施例について、流体力学計算モ
デルによる計算を実施した。モデルのフィンは、厚さが
12mm、多孔率が75パーセントで、穴は直径1.7
mmの円形である。フィンは、フィンと同じ平面に配置
された外形25.4mmのチューブに、熱伝導を行なう
べく接している。従来の通常の熱交換器と同様、チュー
ブは間隔60mmで配されている。モデルによる計算結
果によれば、チューブ長1メートル当たり11ワットの
ファンのパワーで運転した場合、従来の設計によるフィ
ン付きチューブではチューブ長1メートル当たり500
ワットの熱伝達率であったのに対し、本発明の厚さの大
きいフィンによる実施例では、チューブ長1メートル当
たり942ワットの熱伝達率が得られた。つまり、ファ
ンのパワーが同じである場合、本発明による厚さの大き
いフィンによる実施例では、従来の設計によるフィン付
きチューブに比べ、熱伝達率が88パーセントも向上し
た。明らかに、厚さの大きい透過性のフィンおよびこれ
らフィンと同じ平面上に配されたチューブによる実施例
では、従来設計のフィン付きチューブに比べ、ファンの
パワー当たりの熱伝達率が大きく向上している。また、
この厚さの大きいフィンのモデルは、熱伝達の増加のか
なりの部分が開口内で生じていることを示しており、多
孔性のフィンが有利であることを明らかに示している。
【0042】以上の説明は、本発明の原理を示すととも
に、本発明による熱伝達の原理をフィン付きチューブ型
の熱交換器に適用した場合の例をいくつか示したもので
あり、説明を容易にするために、添付の図面ではよくあ
るコンデンサタイプの熱交換器を図示した。しかし、上
記の説明は例として示したものに限られるわけではな
く、たとえば液体からガスへ、ガスから液体へ、ガスか
らガスへと熱伝達を行なう他のタイプの熱交換器におい
ても、ガス側での熱伝達率を向上させることが可能であ
る。さらに、ガスが1枚のフィンだけを通過しチューブ
が一直線上に配置されている単一のフィン・チューブ・
アセンブリと比べ、より圧力損失が大きくてもかまわな
い場合および/あるいはより大きい熱伝達が求められる
場合には、必要であれば本発明に適宜変更を加えた上
で、チューブを千鳥配置にし、ガスが2枚以上のフィン
を通過するように複数のフィン・チューブ・アセンブリ
を順に配置すればよいことは、熱伝達の分野において通
常の知識を有するものであれば容易に理解できるであろ
う。
【0043】同様に、ガスが2つ以上のフィンを通過す
るように、複数の波型の熱伝達エレメントを重ね、ある
いは入れ子にし、これら複数の波型の熱伝達エレメント
を各チューブが貫通して伸びているフィン・チューブ・
アセンブリについても、本発明の範疇である。さらに、
板によって流体配管およびガス側の接触フィンが形成さ
れている熱交換器を、本発明の特徴とする通気性のフィ
ンを追加することによって改良することができることは
容易に想像でき、これもまた、前記した本発明の説明お
よび特許請求の範囲に含まれる。これらの別の構成を、
図1に示した熱交換器(コンデンサ)において用いるこ
とが可能である。流路の深さの浅いあるいは波打ちの浅
い熱伝達エレメントを入れ子に重ねた熱交換器は、図1
に示したような大型の複数列を備えるコンデンサにおい
て、より好ましい熱伝達および圧力損失の特性を与える
ことができるが、この設計への様々な変形も本発明の範
囲内であることを頭においておかねばならない。本発明
の重要な特徴は、熱交換器を流れるガスのすべて、ある
いはほとんどすべてが熱伝達エレメントを通過すること
により、熱伝達面積を増大させ熱伝達率を高めることに
ある。本願の発明者は、この特徴が、フィンの間隔、開
口のサイズやフィン上の各位置における間隔、フィンの
材料や厚さなどが異なる様々な構成に対して適用可能で
あると確信している。前記したこの特徴についての説明
は、当業者であれば理解できるであろう。
【0044】様々な修正や変更は当業者であれば容易な
ことであるから、本発明は、以上述べてきた構成そのも
のや、熱伝達プロセスそのものに限定されるものではな
い。本発明の保護は、特許請求の範囲によって定められ
る本発明の範囲に入るすべての適当な変型物および均等
物に及ぶものである。明細書や特許請求の範囲で使用し
た「〜からなる」、「〜を有する」、「〜を備える」、
「〜を含む」といった用語は、その「物」や「工程」な
どが存在することを表現するものであり、言及されてい
ない他の「物」や「工程」などの存在を排除する表現で
はない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ガス−液体間で熱交換
を行なう熱交換器において、熱伝達率Uおよび熱伝達に
寄与する面積Aを大きくし、かつ圧力損失を抑制するこ
とができるため、値UAが大きく、値UAと圧力損失と
の比が大きい効率のよい熱交換器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサタイプの熱交換器を示した斜視図で
あり、本発明によるフィン・チューブ・アセンブリが2
つ入れ子に構成されていることが見えるよう、一部を切
り欠いて示した図である。
【図2】図1のフィンおよびチューブの構成に類似して
いる本発明によるフィン・チューブ・アセンブリの上面
図を示したものであり、説明を簡単かつわかり易くする
ために、1列に並んだ3つのチューブを有するフィン・
チューブ・アセンブリを示している。
【図3】図2のフィン・チューブ・アセンブリの側面図
であり、フィンの通気孔を示したものである。
【図4】図3のフィン・チューブ・アセンブリの矢視X
−X断面であり、本発明の好ましい実施の形態における
フィンの断面形状を示している。
【図5】本発明の別の好ましい実施の形態のフィンにつ
いて、図4と同様に断面図を示したものである。
【図6】本発明のさらに別の好ましい実施の形態のフィ
ンについて、図4と同様に断面図を示したものである。
【図7】本発明のさらにまた別の好ましい実施の形態の
フィンについて、図4と同様に断面図を示したものであ
る。
【図8】図1のフィン・チューブ・アセンブリのフィン
の形状について、図4と同様、断面を示したものであ
る。
【図9】図3のフィンの表面について、囲み部Sを部分
拡大した図であり、開口部の形状を示す図である。
【図10】本発明による他の開口部の形状を、図9と同
様に示した図である。
【図11】本発明によるさらに別の開口部形状を、図9
と同様に示した図である。
【図12】図9の矢視Y−Yにおけるフィンの拡大断面
図であり、開口内の接触領域を示した図である。
【図13】本発明による他の開口部の接触領域につい
て、図12と同様に示した断面図である。
【図14】本発明によるさらに別の開口部の接触領域に
ついて、図12と同様に示した断面図である。
【図15】厚さの大きいフィンを備える本発明の他のフ
ィン・チューブ・アセンブリを示した図であり、図2と
同様の上面図である。
【図16】図15のフィン・チューブ・アセンブリの矢
視Z−Z断面である。
【図17】図15のフィン・チューブ・アセンブリにつ
いて他の実施の形態を示した図であり、図16と同様の
断面図である。
【図18】厚さの厚いフィンを備えた本発明のフィン・
チューブ・アセンブリの一部の斜視図である。
【符号の説明】
10 熱交換器 16 チャンバ 20、40 フィン・チューブ・アセンブリ 22、42 チューブ 24、44 熱伝達エレメント 26、46、146、246 フィン 28、48 山部 30、50 谷部 32 流路 58 フィンの前面 60 フィンの後面 70、170、270 開口部(孔) 78 孔の内周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キース ガウリック アメリカ合衆国、80303 コロラド州、ボ ウルダー、サミュグラー プレイス 3785

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体とガスとの間で熱の交換を行なう、
    ガス側での熱伝達特性を改善した熱交換器であって、熱
    交換器に導入されるガスの流路を定める中空チャンバを
    備えたハウジングと、ガスの流路を横切ってチャンバ内
    を延び、チャンバ内で流体を搬送する流体配管と、チャ
    ンバ内のガスの流路を横切って配置され、チャンバ内を
    流れるガスに接して熱伝達を行ない、チャンバ内を流れ
    るガスを案内する熱伝達板とを備え、前記流体配管が、
    前記熱伝達板に熱伝達を行なうように接し、前記熱伝達
    板が、大部分のガスが通過する多数の開口を備えた多孔
    性であり、前記熱伝達板の多孔率が約25パーセントよ
    りも大きいことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記熱伝達板が、交互に山と谷とを有す
    る断面形状となるように規則的に波打っていて、隣り合
    う山と谷との間の熱伝達板によって熱伝達フィンが形成
    され、隣り合う一対の熱伝達フィンによって、前記熱伝
    達板を通過するガスを案内する流路が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記流体配管が各熱伝達フィンを貫通し
    て延びるとともに各熱伝達フィンに接触し、ガスと液体
    とのあいだの熱伝達経路がもたらされていることを特徴
    とする請求項2記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記流体配管が、熱伝導性の材料から作
    られた複数のチューブからなり、該チューブが、円形断
    面のチューブ、楕円形断面のチューブ、平たい断面のチ
    ューブからなる群の中から選ばれていることを特徴とす
    る請求項3記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記熱伝達板の山および谷において、隣
    り合う熱伝達フィン同士が接することにより前記流路が
    閉じられており、すべてのガスが流路を形成する熱伝達
    フィンの開口を通過することを特徴とする請求項2記載
    の熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記熱伝達板において、ガスと接する熱
    伝達表面積が、熱伝達板の前側表面、後側表面および開
    口の内表面からなり、前記熱伝達板が、開口の内表面の
    面積が前記熱伝達表面積の4分の1よりも大きくなるよ
    うな厚さと多孔率とを有することを特徴とする請求項2
    記載の熱交換器。
  7. 【請求項7】 各流路の少なくとも一部が、Vの字型、
    Uの字型、Sの字型、放物線形状、六角形の一部分から
    なる群から選ばれる断面形状を有することを特徴とする
    請求項2記載の熱交換器。
  8. 【請求項8】 隣り合う熱伝達フィン同士が、山側では
    互いに接し、谷側では少なくとも部分的にすき間があい
    ており、流路が閉じておらず少なくとも少量のガスが谷
    を通過することができることを特徴とする請求項2記載
    の熱交換器。
  9. 【請求項9】 隣り合う熱伝達フィン同士が、谷側では
    互いに接し、山側では少なくとも部分的にすき間があい
    ており、少なくとも少量のガスが山を通過することがで
    きることを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
  10. 【請求項10】 隣り合う熱伝達フィン同士が、山側お
    よび谷側で少なくとも部分的に離れていることを特徴と
    する請求項2記載の熱交換器。
  11. 【請求項11】 前記熱伝達板の多孔率が約50パーセ
    ントより大であることを特徴とする請求項1記載の熱交
    換器。
  12. 【請求項12】 前記熱伝達板の多孔率が約70パーセ
    ントより大であることを特徴とする請求項1記載の熱交
    換器。
  13. 【請求項13】 前記開口が、円形、長円形または多角
    形であることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  14. 【請求項14】 前記開口の水力直径が、熱伝達フィン
    の厚さの約2倍よりも小さいことを特徴とする請求項1
    3記載の熱交換器。
  15. 【請求項15】 前記水力直径が一様ではないことを特
    徴とする請求項14記載の熱交換器。
  16. 【請求項16】 前記熱伝達フィンの厚さが約6.35
    mm(約0.25インチ)よりも大であることを特徴と
    する請求項14記載の熱交換器。
  17. 【請求項17】 前記熱伝達フィンの厚さが約0.76
    2mm(約0.03インチ)よりも大であることを特徴
    とする請求項14記載の熱交換器。
  18. 【請求項18】 前記熱伝達板の厚さが、ところによっ
    ては異なることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  19. 【請求項19】 前記熱伝達板に、前記開口が、円錐台
    形の接触面が形成されるように設けられており、該接触
    面の一部が前記熱伝達板の後面よりもさらに後方に伸び
    ることにより、各開口における熱伝達面積を広げている
    ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  20. 【請求項20】 前記熱伝達板に、前記開口が、円錐台
    形の接触面が形成されるように設けられており、該接触
    面の一部が前記熱伝達板の後面よりもさらに後方に伸び
    ることにより、各開口における熱伝達面積を広げている
    ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  21. 【請求項21】 前記熱伝達板において、前記多口率が
    非一様となるように前記開口が配置されていることを特
    徴とする請求項1記載の熱交換器。
  22. 【請求項22】 前記熱伝達板に、前記開口が、熱伝達
    板から除いた材料が形成された各開口の周縁にヒンジ状
    に接触するように形成され、各開口における熱伝達面積
    を広げていることを特徴とする請求項1記載の熱交換
    器。
  23. 【請求項23】 前記熱伝達板を少なくとも2つ、重ね
    合わせた列として配置し、ガスが各列を順に通過するこ
    とを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
  24. 【請求項24】 前記熱伝達板上で、前記開口が、2つ
    の開口の間の間隔が一様ではないように配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  25. 【請求項25】 熱交換器を通過する第1の流体のため
    の流路を備えたチャンバと、第2の流体を前記第1の流
    体と混ざることなく前記流路を通過させるために前記チ
    ャンバ内を伸びており、外面が前記第1の流体と接して
    いる複数の流体配管と、多孔性かつ熱伝導性の材料から
    なり、前記チャンバ内で前記チャンバを横断して伸び、
    前記流路を横切って配置された熱伝達エレメントとを備
    え、前記第1の流体が前記熱伝達エレメントの孔を通過
    し、前記流体配管が前記熱伝達エレメントに、ほぼ切れ
    目なく熱伝達を行なうように接触していることを特徴と
    する熱交換器。
  26. 【請求項26】 前記第1の流体がガスであることを特
    徴とする請求項25記載の熱交換器。
  27. 【請求項27】 前記熱伝達エレメントの多孔率が約5
    0パーセントより大であることを特徴とする請求項25
    記載の熱交換器。
  28. 【請求項28】 前記熱伝達エレメントの多孔率が約7
    0パーセントより大であることを特徴とする請求項25
    記載の熱交換器。
  29. 【請求項29】 前記熱伝達エレメントが複数のフィン
    からなり、各フィンの前縁と後縁が、前記熱伝達エレメ
    ントが交互に山と谷とを有する断面形状となるように配
    置されており、隣り合うフィンによって、前記第1の流
    体を案内する流路が形成され、該流路は、前記第1の流
    体が前記フィンの孔を通過するよう閉じられていること
    を特徴とする請求項25記載の熱交換器。
  30. 【請求項30】 前記熱伝達エレメントの備えるフィン
    が、25.4mm(1インチ)あたり1フィンよりも少
    ないことを特徴とする請求項29記載の熱交換器。
  31. 【請求項31】 前記熱伝達エレメントが複数のフィン
    からなり、フィンは端部が流体配管に接するとともに、
    熱伝達エレメントがおおむね平らな断面となるように配
    置されていることを特徴とする請求項25記載の熱交換
    器。
  32. 【請求項32】 フィンの厚さが少なくとも約6.35
    mm(約0.25インチ)であることを特徴とする請求
    項31記載の熱交換器。
  33. 【請求項33】 前記フィンが複数の接触板からなり、
    熱交換器を通って前記第1の流体を流すための前記孔が
    あいだに形成されるように前記接触板が構成されている
    ことを特徴とする請求項32記載の熱交換器。
  34. 【請求項34】 前記孔が、その水力直径がフィンの厚
    さの約2倍よりも小さい穴であり、フィンの厚さは約
    6.35mm(約0.25インチ)よりも大であること
    を特徴とする請求項25記載の熱交換器。
  35. 【請求項35】 前記穴の水力直径が、フィン上の位置
    によって異なることを特徴とする請求項34記載の熱交
    換器。
  36. 【請求項36】 前記孔が、円形、長円形または多角形
    であることを特徴とする請求項25記載の熱交換器。
  37. 【請求項37】 前記熱伝達エレメントが、第1の厚さ
    と、第1の厚さとは異なる第2の厚さとを有することを
    特徴とする請求項25記載の熱交換器。
  38. 【請求項38】 前記熱伝達エレメントにおける多孔率
    が、フィン上の位置によって異なり非均一であることを
    特徴とする請求項25記載の熱交換器。
  39. 【請求項39】 前記熱伝達エレメントが、少なくとも
    2つの熱伝達フィンを有し、該熱伝達フィンは、ガスが
    各列を順に通過するように、列の重ね合わせとして配置
    されていることを特徴とする請求項30記載の熱交換
    器。
  40. 【請求項40】 前記熱伝達エレメントが、少なくとも
    2つのおおむね平らなフィンを有し、該フィンが互いに
    近接しておおむね平行に配置され、前記第1の流体が前
    記フィンの列を順に通過することを特徴とする請求項2
    5記載の熱交換器。
JP2001040448A 2001-02-16 2001-02-16 通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器 Pending JP2002243379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001040448A JP2002243379A (ja) 2001-02-16 2001-02-16 通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001040448A JP2002243379A (ja) 2001-02-16 2001-02-16 通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002243379A true JP2002243379A (ja) 2002-08-28

Family

ID=18903052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001040448A Pending JP2002243379A (ja) 2001-02-16 2001-02-16 通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002243379A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101082000B1 (ko) * 2011-06-30 2011-11-09 삼영테크(주) 클린룸용 타원형 드라이 쿨링 코일
JP2020121909A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 株式会社グラヴィトン 水素化ナトリウム製造システム
JP2020121908A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 株式会社グラヴィトン 水素化ナトリウム製造システム
CN114264185A (zh) * 2021-11-09 2022-04-01 河北宇天材料科技有限公司 一种密集型微孔换热器翅片

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101082000B1 (ko) * 2011-06-30 2011-11-09 삼영테크(주) 클린룸용 타원형 드라이 쿨링 코일
JP2020121909A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 株式会社グラヴィトン 水素化ナトリウム製造システム
JP2020121908A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 株式会社グラヴィトン 水素化ナトリウム製造システム
CN114264185A (zh) * 2021-11-09 2022-04-01 河北宇天材料科技有限公司 一种密集型微孔换热器翅片

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6378605B1 (en) Heat exchanger with transpired, highly porous fins
AU640650B2 (en) Heat exchangers
JP6091601B2 (ja) プレート式熱交換器及びそれを備えた冷凍サイクル装置
JP5453797B2 (ja) 熱交換器
JP2004085170A (ja) 熱交換器
JPH0514194B2 (ja)
JP2002062085A (ja) 蝋付け板熱交換器のための熱交換フィンと熱交換器
MXPA05002150A (es) Aleta de intercambiador termico que tiene lancetas inclinadas.
US20060169019A1 (en) Tabbed transfer fins for air-cooled heat exchanger
KR20060056945A (ko) 핀이 부착된 열교환기 및 그 제조방법
US5975200A (en) Plate-fin type heat exchanger
JP2002243379A (ja) 通気性の高い多孔性のフィンを備えた熱交換器
ITRM970512A1 (it) Alette per scambiatore di calore di un condizionatore di aria
EP0803695B1 (en) Plate-fin heat exchanger
JP5921053B2 (ja) 熱交換器用ルーバ式波型インサート
EP2064509B1 (en) Heat transfer surfaces with flanged apertures
CA2330084C (en) Heat exchanger with transpired, highly porous fins
JPS59185992A (ja) 熱交換器
JPH0228798B2 (ja)
JPS63197887A (ja) 熱交換器
JPH08159681A (ja) 熱交換器
JPS60194292A (ja) フイン付熱交換器
EP0097612A2 (en) Heat exchanger
RU24873U1 (ru) Теплообменный аппарат
RU2246674C2 (ru) Способ повышения эффективности теплообменного аппарата и теплообменный аппарат, реализующий способ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090512