JP2002242184A - ジェットノズル装着構造、および、ジェットノズル装着方法 - Google Patents

ジェットノズル装着構造、および、ジェットノズル装着方法

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JP2002242184A
JP2002242184A JP2001086358A JP2001086358A JP2002242184A JP 2002242184 A JP2002242184 A JP 2002242184A JP 2001086358 A JP2001086358 A JP 2001086358A JP 2001086358 A JP2001086358 A JP 2001086358A JP 2002242184 A JP2002242184 A JP 2002242184A
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cylinder
jet nozzle
cylindrical piston
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JP2001086358A
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Kozo Ito
耕造 伊藤
Kazuyuki Nagabuchi
和幸 永渕
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Chowa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Chowa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 図外の杭に固着されたノズル保持筒5に対し
て、ジェットノズル2を「杭打作業中に抜け出す虞れ無
く、杭打作業の後に抜き出し得るように」装着する。 【解決手段】 ジェットノズル2に接続された送水バイ
プ6を、シリンダ9に貫通固着するとともに、筒状ピス
トン10を上記送水パイプ6に外嵌する。そして、前記
シリンダ9のシリンダヘッド側の端に偏心カム状係止部
材12を回動可能に軸着する。シリンダボトム室14に
圧力流体を送入して筒状ピストン10を図の右方に伸長
させると、前記偏心カム状係止部材12が矢印Ex方向
に回動して、ノズル保持筒5に当接して抜け止め機能を
果たす。上記と逆の操作によって抜け止め機能が消失す
る。コイルスプリング13は筒状ピストン10の収縮を
付勢している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭打作業に際して
杭の沈下を促進するための高圧水噴射用ジェットノズル
を杭の下端付近に取り付ける装置、および、取り付ける
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、水ジェットを併用して杭打ち作
業を行なっている状態を示す部分破断斜視図である。シ
ートパイル、鋼管杭、およびこれに類似する鋼製杭の打
設は、振動杭打と圧入杭打とが主流である。その標準的
な方法は、杭1をほぼ垂直に支持して地面GL上に立
て、図示を省略した起振機を杭の頂部に装着して上下方
向の振動を与え(振動杭打工法)、または、図示を省略
した圧入機で杭を把持して圧下し(圧入杭打工法)、該
杭1を地中に貫入させる。
【0003】しかし、地盤には比較的軟かい所も有り比
較的硬い所も有って、単純な振動杭打工法や単純な圧入
杭打工法では杭1を地中へ貫入させることが困難な場合
が少なくない。そこでウォータージェット工法が併用さ
れる。本図7に示したように、杭1の下端部にノズル2
を取り付け、ホース3によって圧力水を供給してノズル
2から下方に向けて噴射する。これによって、杭1の下
方の地盤が激しい水流で掘り弛められ撹拌され、杭1の
沈下に対する抵抗が減少するので該杭1が地中へ貫入し
易くなる。このようにして杭の打ち込みが促進される。
【0004】ただし、上述の圧力水に代えて圧縮空気が
供給されることも有り、また、圧力水と圧縮空気との混
合流が供給され、噴射されることも有り、いずれの場合
も圧力水の噴射におけると同様の効果が得られる。本発
明においては、説明を簡潔ならしめるため、圧力水の噴
射の場合について述べることとするが、上記の圧力水を
圧縮空気で置換することもでき、また、圧力水と圧縮空
気との混合物で置換することもでき、何れの場合も本発
明の技術的範囲に属するものである。従って、例えば後
述の送水パイプ6、導水孔6a、および圧力水ホース1
6、並びに、これらに関連する記述は必ずしも水に限定
されるものではなく、水および/または空気の意であ
る。ただし、流体全部といった広い意味は有していな
い。その理由は、水・空気以外の流体(例えば石油,窒
素など)は高価であって、経済的に成り立たないからで
ある。
【0005】杭1の下端部に配置したノズル2に圧力水
を供給するため、杭1に沿わしめて送水用の鋼管(図示
せず)を取り付けておき、杭打ち作業を終了する際に該
鋼管やノズルを放棄し、いわゆる埋め捨てることも考え
られ、実際に行なわれた例も少なくない。しかし、鋼管
やノズルを埋め捨てることは不経済であり、省資源とい
う社会的要請にも反する。そこで、本図7に示したよう
にノズル2をノズル保持具4によって取り付けておき、
ホース3で地上から引抜き力を与え、前記ノズル保持具
4からノズル2を無理に引き抜き、または該ノズル保持
具4を破断させてノズル2を地上に引き出し、これらの
ホース2およびノズル3を回収して繰り返し使用する技
術が開発され、公知になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知技術による
と、圧力水供給用のホースや圧力水噴射用のノズル(ジ
ェットノズル)を回収して繰り返して使用できるという
長所を有している反面、ノズルの保持力とノズルの引抜
力とをバランスさせることに技術的な困難が有った。上
記の困難を要約すれば、 イ.杭打作業中に、ノズル2は上方に抜け出そうとする
力を受けるので、ノズル保持具は強固なノズル保持力を
有していなければならない。 ロ.上記のノズル保持力に打ち勝って、ノズル2を引き
上げるには、ホース3に強大な抗張力を必要とし、大容
量のウインチ手段を設けなければならない。
【0007】(図7参照)ノズル2を取り付けた杭1が
地中に打ち込まれるとき、地盤は杭1に対して上向き方
向の抵抗力を与えるとともに、ノズル2に対しても上向
き方向の対抗力を与える。この抵抗力は該ノズル2をノ
ズル保持具4から上方へ抜け出させるように作用し、ま
たは、該ノズル保持具4を破断させてノズル2を上昇せ
しめようとする(ただし、上昇とは杭1に対する相対的
な動きを言い、地盤を基準として言えば下降を阻止する
ことになる)。ノズル保持具4は、例えば2トンという
ように強大なノズル保持力を発揮し得るように構成され
ねばならない。
【0008】このため、ホース3は、例えば約3トンと
いった強大な力で引き上げられる。クレーンのワイヤロ
ープではないホースが、3トンの引っ張り力に耐えると
いうことは非常に大きい負担である。高圧ホースは、大
きい内圧に耐えるように作られているが、大きい抗張力
を発揮するようには作られていない。従って、例えば1
50kg/cmの内圧に耐え得る高圧ホースであって
も、3トンの引張力に耐えることは容易でない。3トン
の引張力に耐える高圧ホースを構成することは可能であ
り、現に実用されているが、スチールワイヤを編んだ構
成部分を含む成層構造になっているので、見掛けの剛性
が比較的大きく、屈曲可能な最小半径が比較的大きい。
無理に曲げようとすると大きい力を要するのみでなく、
無理に曲げると耐用命数を縮めるので望ましくない。
【0009】現在(本発明の出願時)におけるノズル保
持具4の構造は大別して2つの方式が有り、その1つは
鋼製バンドをノズルに巻きつけて杭に溶接し、約3トン
の力で引き千切られる程度の強度に構成されている。も
う1つは、筒状に構成されたノズル保持具(ノズル保持
筒)にジェットノズルを差し込んで、「約3トンの引張
力を受けたとき剪断されるように設定されたリベット」
で留め付ける構造である。上記いずれの構造を適用して
も、圧力水ホース3は約3トンの抗張力を必要とする上
に、約3トンの引張力を有するウインチ手段(図示省
略)を設けなければならない。
【0010】杭打工事における杭の長さは種々であって
一定しないが、10メートルを越えるものは珍しくな
く、数10メートルに及ぶ場合も有る。従って、圧力水
供給用のホース3の長さもそれ以上になる。抗張力3ト
ンの高圧ホースの数10メートルは非常に大重量であっ
て、しかも嵩ばるので取扱いが容易でない上に、その購
入代金は著しく高価である。杭打ち工事は移動しながら
行なわれるのが通常であり、大形,大重量の圧力水供給
ホースを運搬したり保管したりする作業は多大の時間と
労力とを要し、作業コストを増大させる。
【0011】上述のように、例えば3トンの抗張力を有
する高圧ホースは、その径も大きいものとなる。このよ
うに、大径で、大重量で、許容屈曲半径の大きい高圧ホ
ースの数10メートルを巻き込み巻き出し得るウインチ
は巨大なものとなるので、このウインチを杭打機に装着
すると、該ウインチを含めた杭打機全体の寸法,重量は
著しく巨大となって、取扱いが困難である。派生的な問
題として、このような高圧ホースを巻き掛けるシーブひ
とつを考えてみても、「耐圧150kg/cm,抗張
力3トンのホース」に対応するシーブは大形・大重量・
高価である。
【0012】さらに、杭打作業にウォータージェット
(水噴射工法)を併用したとき、重大な人身事故を生じ
た実例が有る。ノズル2を先端に装着したホース3を地
上へ引き抜くとき、圧力水の供給を停止してから引き抜
けば良いのであるが、何らかの手違い,もしくは故障に
よってノズル2から圧力水を噴出させながら地上へ引き
出してしまった場合、噴出する水流の反動で、ホース3
の先端が首を振る形に跳ね回り、作業員を強打して致命
的な負傷を与えたのである。こうした人身事故の防止
は、作業員の技術教育に頼るのみでなく、装置の機構的
改良によって未然に防止すること(すなわち、ホースが
首を振って跳ね回ることの起こり得ないようにするこ
と)が望ましい。
【0013】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、杭打作業中にはノズルがノズル保持具から抜
け出す虞れが無く、杭を打ち終えた後には比較的軽い力
(例えば従来例の数分の1)で、ホースやノズルを引き
抜いて再使用に供し得る技術を提供し、併せて、圧力水
の供給を停止せずにノズル付きホースを地上へ引き抜い
ても、該ホースが跳ね回る危険の無い技術を提供しよう
とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施例
に対応する図6を参照して略述すると次のとおりであ
る。図外の杭に固着されたノズル保持筒5に対して、ジ
ェットノズル2を「杭打作業中に抜け出す虞れ無く、杭
打作業の後に抜き出し得るように」装着するため、ジェ
ットノズル2に接続された送水バイプ6を、シリンダ9
に貫通固着するとともに、筒状ピストン10を上記送水
パイプ6に外嵌する。そして、前記シリンダ9のシリン
ダヘッド側の端に偏心カム状係止部材12を回動可能に
軸着する。シリンダボトム室14に圧力流体を送入して
筒状ピストン10を図の右方に伸長させると、前記偏心
カム状係止部材12が矢印Ex方向に回動して、ノズル
保持筒5に当接して抜け止め機能を果たす。上記と逆の
操作によって抜け止め機能が消失する。コイルスプリン
グ13は筒状ピストン10の収縮を付勢している。
【0015】上述の原理に基づいて請求項1に係る発明
構造の構成は、杭の下端部に固着された筒状のノズル保
持筒に対して、ジェットノズルを着脱可能に装着する構
造において、前記ノズル保持筒の内周面に対して摺動可
能に嵌合する外周面を有するジェットノズルと、上記ノ
ズル保持筒の内周面に対して嵌合する小径部と、該内周
面内に嵌合し得ない大径部もしくは突起との段付状外周
面を有するシリンダと、片方の端が前記ジェットノズル
に対して同心状に固着されるとともに、他方の端が前記
シリンダのシリンダボトムに対して同心状に貫通固着さ
れた送水用のパイプと、前記送水用パイプに対して摺動
自在に外嵌されるとともに、前記シリンダの中に嵌合さ
れた筒状のピストンと、を具備していて、前記シリンダ
と筒状ピストンとによって形成されている圧力室の中へ
流体圧力を印加すると、該筒状ピストンがジェットノズ
ルに接近する方向へ伸長するようになっているととも
に、該筒状ピストンを収縮せしめる方向に作用するバネ
手段が設けられており、かつ、前記シリンダのピストン
ヘッド側の先端部に、「前記ノズル保持筒に押動されて
回動して該ノズル保持筒内へ退避する、偏心カム状の係
止部材」が、偏心カム軸によって軸着されていて、上記
偏心カム状係止部材の退避方向の回動が、前記筒状ピス
トンと干渉して阻止されるようになっているとともに、
該筒状ピストンの1部分に偏心カム退避用の凹部が形成
されていて、該筒状ピストンが伸長した状態では偏心カ
ム状係止部材の退避が阻止されてノズル保持筒から退避
することができず、該筒状ピストンが収縮した状態では
前記偏心カム状係止部材が前記退避用凹部内に退避して
ノズル保持筒を通過し得るようになっていることを特徴
とする。
【0016】以上に説明した請求項1の発明装置による
と、送水パイプと、ジェットノズルと、シリンダとが相
互に固着されて1体のノズルアッセンブリが形成されて
いる。そして、杭の下端部に固着されたノズル保持筒に
対して上記ノズルアッセンブリを差し込むと、ジェット
ノズルは通過し、シリンダは段付部が該ノズル保持筒に
当接して途中で止まる。この状態で筒状ピストンを伸長
させると、該筒状ピストンが偏心カム状係止部材を押動
して回動せしめる。回動した偏心カム状係止部材は、前
記シリンだの段付状の大径部(もしくは突起)との間に
ノズル保持筒を挟み付ける。上記のノズル保持筒は杭の
下端部に固着されているので、前記ノズルアッセンブリ
は該ノズル保持筒を介して杭に固定される。前期偏心カ
ム状係止部材はシリンダに対して回動可能に軸支されて
いるが、ノズル保持筒から離間する方向に退避しようと
しても、前記筒状ピストンが伸長していると、該筒状ピ
ストンと干渉するので退避方向の回動が阻止され、抜け
止め機能を維持する。さらに、前記筒状ピストンには、
偏心カム状係止部材との干渉を回避する方向の回動を許
容する係止部材退避凹部が形成されているので、上記筒
状ピストンを収縮させて係止部材退避凹部を偏心カム状
係止部材に隣接させると、該偏心カムがノズル保持筒か
ら離間する方向に回動して、前記抜け止め機能が解消さ
れる。抜け止め機能が解消されれば、前記のジェットノ
ズルに接続されている圧力水ホースを地上から引き抜く
と、ジェットノズルがノズル保持筒から引き抜かれて、
比較的小さい力で地上へ引き出される。従来技術におい
ては、ジェットノズルを杭に対して鋼製バンドを介して
溶接したり、杭に溶接固着されたノズル保持筒にジェッ
トノズルを差し込んでリベットで留め付けたりしていた
ので、上記溶接箇所を引き千切ったり、リベットを剪断
したりしてジェットノズルを引き抜かねばならなかっ
た。このため、ジェットノズルに接続された圧力水ホー
スは巨大な抗張力(例えば3トン)を必要とし、ここか
ら諸種の不具合が派生していた。すなわち、圧力水ホー
スが高価であり、大径,大重量で、可撓性が不足で、そ
の取扱に多大の時間と労力とを費さねばならず、この圧
力水ホースを巻き取るには大形,大重量,高価なウイン
チを設置しなければならず、この圧力水ホースを巻き掛
けるためのシーブも大形,大重量,高価となる。その
上、大きい引張力を受けるため高価な圧力水ホースの耐
用命数が短いなど、いろんな技術的,経済的困難を生じ
ていた。これに比して本発明装置においては、偏心カム
状係止部材によってジェットノズルの抜け止めを行なわ
せるので、リベット留付などを必要とせず、確実にジェ
ットノズルを杭に対して固定することができる。さら
に、筒状ピストンを作動させることにより、抜け止め機
能の解除を遠隔操作で行なうことができるので、抜け止
め機能を解消することによって比較的小さい力(例えば
従来例の数分の1程度)でジェットノズルを地上へ引き
抜くことができる。圧力水ホースに掛かる引張力を軽減
し得るので、小径,軽量で柔軟な圧力水ホースを用いて
も耐用命数が長く、圧力水ホースに関する経済的負担が
著しく軽減される。さらに、小径で柔軟な圧力水ホース
を巻き掛けるためのシーブや、巻き取るためのウインチ
手段も小形,軽量,低廉なもので足りるので、これら各
種の効果が総合されて優れた実用的価値が発揮される。
【0017】請求項2に係わる発明構造の構成は、前記
請求項1の発明構造の構成要件に加えて、前記のバネ手
段が、前記の送水パイプに外嵌され、前記ジェットノズ
ルと筒状ピストンとの間に介装されたコイルスプリング
であり、もしくは、送水パイプに外嵌され、ジェットノ
ズルと筒状ピストンとの間に介装された多数の皿バネで
あることを特徴とする。
【0018】以上に説明した請求項2の発明構造を請求
項1の発明構造と併せて実施すると、偏心カム状係止部
材の抜け止め機能を解消する操作を確実に行なうことが
できる。すなわち、筒状ピストンの伸長は液圧によって
行なうが、該筒状ピストンの収縮をバネ手段によって行
なうことができるので、該筒状ピストンと前記シリンダ
とによって構成されるシリンダ機構は、必ずしも複動シ
リンダであることを要せず、単動シリンダで足りる。従
って、液圧ホースの配設本数は1本で足りる。シリンダ
機構のみに着目すれば復動シリンダの構成も不可能では
ないが、地中に貫入せしめて地下数10メートルの所で
作動させるシリンダ機構であるから、これに接続すべき
作動油ホースが2本であるか1本で足りるかは些細な問
題ではない。ここに本請求項の構成の意義が有る。さら
に、コイルスプリングもしくは皿バネを送水パイプに外
嵌する構造であるから、専用のバネガイド部材を必要と
しない。すなわち、請求項1の構成において欠くことの
できない送水パイプを、請求項2ではバネガイドに兼用
することにより、別段の部材を新設することなくバネ手
段の不正な変形を防止し、確実なバネ作用を発揮させ
る。このバネ手段は、請求項1における構成との関係
上、ノズル保持筒の中に挿通されねばならないという形
状・寸法上の制約を受け、しかも筒状ピストンを収縮さ
せるに足るバネ常数を有しなければならない。こうした
観点から、コイルスプリング、もしくは重ね合わせた多
数の皿バネは好適であり、その他の形式のバネ(例えば
リーフスプリングやトーションスプリング)では同等の
機能を達成せしめ得ない。
【0019】請求項3に係る発明構造の構成は、前記請
求項1もしくは請求項2の発明構造の構成要件に加え
て、前記ジェットノズルが、筒状のノズルホルダを介し
て前記送水パイプに装着されており、上記ノズルホルダ
に、前記のバネ手段を覆う筒状のカバーが装着され、も
しくは一体に成形されているとともに、前記筒状ピスト
ンに、前記のバネ手段を覆う筒状のカバーが装着され、
もしくは一体に成形されていて、かつ、上記ノズルホル
ダの筒状カバーと筒状ピストンの筒状カバーとが、相互
に摺動可能に嵌合されていることを特徴とする。
【0020】以上に説明した請求項3の発明構造による
と、筒状のカバーによってバネ手段が保護され、該バネ
手段が土砂に妨げられて弾性力による復元が出来なくな
る虞れが無く、かつ、土砂によって早期に損耗したり、
石塊に衝突して破損したりする虞れも無い。本発明にお
けるバネ手段は、ジェットノズルと筒状ピストンとの間
で伸縮するので、単に剛性部材から成るカバーで覆うこ
とはできない。さらに、このバネ手段は地盤の中へ貫入
せしめられるので、ベローズのように柔軟な可撓性材料
製のカバーで覆うこともできない(該カバーが破損する
から)。本請求項に係るバネ手段のカバーは、ジェット
ノズルを装着されたノズルホルダに設けられた筒状のカ
バーと、筒状ピストンに設けられた筒状カバーとが摺動
可能に嵌合されているから、これらの筒状カバーのそれ
ぞれを剛性部材で構成しても、相互に摺動することによ
って全体として伸縮し、バネ手段の弾性変形に追随する
ことができる。このようにして本請求項に係るカバー
は、バネ手段に対する土砂等の異物の付着を防止して、
その機能保持を支援し、かつ、バネ手段に対する石塊の
衝突を防止して、未然に破損を防ぎ、作動信頼性と耐久
性とを増加させる。特に、振動杭打作業の場合はバネ手
段が地盤に対して激しく振動するので、両者の接触を本
請求項に係るカバーによって遮断することの意義が大き
い。
【0021】請求項4に係る発明構造の構成は、前記請
求項1ないし請求項3の構成要件に加えて、前記送水用
パイプに、「その内部空間と、前記偏心カム退避用の凹
部とを連通する導水孔」が設けられていて、前記筒状ピ
ストンが伸長したとき、該筒状ピストンが上記導水孔を
閉塞し、該筒状ピストンが収縮したとき、該筒状ピスト
ンが前記導水孔を開放するようになっていることを特徴
とする。
【0022】以上に説明した請求項4の発明構造による
と、シリンダと筒状ピストンとによって形成されている
シリンダボトム側の圧力室に対する圧力流体の供給を停
止して、該筒状ピストンを収縮させると、該筒状ピスト
ンによって係止解除を阻止されていた偏心カム状係止部
材が、ノズル保持筒から離間する方向の回動を許容され
て係止機能を消失すると同時に、送水パイプの管壁を貫
通する導水孔が開放されるので、送水パイプに供給され
ている圧力水の一部が導水孔から放出される。このため
該送水パイプ内の水圧が降下して、ジェットノズルから
噴出する水流の勢い(流速,流量)が衰弱する。このた
め、この状態でジェットノズルが地上へ引き出されて
も、該ジェットノズルに接続された圧力水ホースが噴出
水流の反動で跳ね回るという危険が解消される。前記ジ
ェットノズルが、万一、何らかの手違いによって勢い良
く圧力水を噴出しながら地上へ引き抜かれると、噴出水
流の反動で圧力水ホースとジェットノズルとが跳ね回っ
て非常に危険であり、重大な人身事故を発生した実例が
有る。本請求項に係る発明は、こうした危険を未然に、
かつ完全に防止する。万一、何らかの故障によって、例
えば筒状ピストンが収縮しなかった場合、以上に説明し
た「ジェットノズル噴出水流の衰弱」が発生しない。し
かし、筒状ピストンが収縮しなければジェットノズルが
ノズル保持筒から抜け出せない。従って、該ジェットノ
ズルが地上へ引き抜かれて人身事故を発生せしめること
は有り得ない。本請求項に係る安全作用(圧力水の圧力
降下)は以上に述べたように、そのメカニズムにおいて
ジェットノズルの抜け止め解除と連動しているため、作
動信頼性が高い。
【0023】請求項5に係る発明構造の構成は、前記請
求項1ないし請求項4の発明構造の構成要件に加えて、
前記段付状外周面を有するシリンダの小径部に外嵌し
て、かつ大径部に接近せしめて、短筒状の緩衝部材を設
け、前記筒状ピストンが伸長して偏心カム状係止部材が
ノズル保持筒の片方の端に当接せしめられた状態で、該
ノズル保持筒の他方の端が前記緩衝部材に当接するよう
になっていることを特徴とする。
【0024】以上に説明した請求項5の発明装置による
と、ジェットノズル,送水パイプ,シリンダ,および偏
心カム状係止部材を含むノズルアッセンブリがノズル保
持具に差し込まれて、偏心カム状係止部材によって抜け
止めされた状態において、緩衝部材と偏心カム状係止部
材との間にノズル保持筒が挟みつけられ、ガタ無く確実
に支持される。特に振動杭打工事を行なう場合、杭に固
着されたノズル保持筒は激しく上下に振動するので、こ
のノズル保持筒と抜け止め用の部材(偏心カム状係止部
材)との間にガタが有ると、振動サイクルと同じ回数の
衝突が繰り返され、疲労破損を招く虞れが有るので、本
請求項の発明を適用してガタをなくすることは、耐久性
向上に有効である。本発明において、ジェットノズルを
含むノズルアッセンブリは、杭を地中に打ち込んだ後、
地上に引き上げて回収し、繰返し使用する部材であるか
ら、上記の耐久性の意義が大きい。
【0025】請求項6の発明に係るジェットノズル装着
方法の構成は、シリンダヘッド側が小径の段付状外周面
を有するシリンダのシリンダボトムに送水パイプを貫通
せしめて同心状に固着するとともに、上記シリンダのピ
ストンを筒状に構成して前記送水パイプに対して摺動自
在に外嵌し、前記送水パイプの片方の端にジェットノズ
ルを同心状に装着するとともに、該送水パイプの他方の
端に圧力水ホースもしくは圧力空気ホースを接続し、あ
らかじめ前記シリンダのヘッド側端部に偏心カム状の係
止部材を回動可能に軸着しておき、一方、杭の下端付近
に対してノズル保持筒を固着しておき、前記ジェットノ
ズルをノズル保持筒に挿通し、前記シリンダのシリンダ
ヘッド側の小径部をノズル保持筒に差し込んで、前記偏
心カム状係止部材を該ノズル保持筒の出口側の端部付近
に位置せしめ、前記シリンダと筒状ピストンとによって
形成されたシリンダボトム側圧力室の中に圧力流体を導
入して該筒状ピストンを伸長側に作動せしめ、上記筒状
ピストンの伸長動によって前記偏心カム状係止部材を回
動せしめ、回動した偏心カム状係止部材をノズル保持筒
の端部に当接せしめて、該ノズル保持筒に差し込んだシ
リンダの抜け止め機能を果たさせ,杭に固着されたノズ
ル保持筒に対してシリンダが差し込まれた状態を維持す
ることによって、該シリンダに貫通固着された送水パイ
プに装着されたジェットノズルを杭の下端部に対して固
定的に取り付け、前記筒状ピストンを収縮させることに
よって、前記シリンダの抜け止め機能を消失せしめるこ
とを特徴とする。
【0026】以上に説明した請求項6の発明方法による
と、送水パイプと、ジェットノズルと、シリンダとが相
互に固着されて1体のノズルアッセンブリが形成されて
いる。そして、杭の下端部に固着されたノズル保持筒に
対して上記ノズルアッセンブリを差し込むと、ジェット
ノズルは通過し、シリンダは段付部が該ノズル保持筒に
当接して途中で止まる。この状態で筒状ピストンを伸長
させると、該筒状ピストンが偏心カム状係止部材を押動
して回動せしめる。回動した偏心カム状係止部材は、前
記シリンダの段付状の大径部(もしくは突起)との間に
ノズル保持筒を挟み付ける。上記のノズル保持筒は杭の
下端部に固着されているので、前記ノズルアッセンブリ
は該ノズル保持筒を介して杭に固定される。前期偏心カ
ム状係止部材はシリンダに対して回動可能に軸支されて
いるが、ノズル保持筒から離間する方向に退避しようと
しても、前記筒状ピストンが伸長していると、該筒状ピ
ストンと干渉するので退避方向の回動が阻止され、抜け
止め機能を維持する。従来技術においては、ジェットノ
ズルを杭に対して鋼製バンドを介して溶接したり、杭に
溶接固着されたノズル保持筒にジェットノズルを差し込
んでリベットで留め付けたりしていたので、上記溶接箇
所を引き千切ったり、リベットを剪断したりしてジェッ
トノズルを引き抜かねばならなかった。このため、ジェ
ットノズルに接続された圧力水ホースは巨大な抗張力
(例えば3トン)を必要とし、ここから諸種の不具合が
派生していた。すなわち、圧力水ホースが高価であり、
大径,大重量で、可撓性が不足で、その取扱に多大の時
間と労力とを費さねばならず、この圧力水ホースを巻き
取るには大形,大重量,高価なウインチを設置しなけれ
ばならず、この圧力水ホースを巻き掛けるためのシーブ
も大形,大重量,高価となる。その上、大きい引張力を
受けるため高価な圧力水ホースの耐用命数が短いなど、
いろんな技術的,経済的困難を生じていた。これに比し
て本発明方法においては、偏心カム状係止部材によって
ジェットノズルの抜け止めを行なわせるので、リベット
留付などを必要とせず、確実にジェットノズルを杭に対
して固定することができる。さらに、筒状ピストンを作
動させることにより、抜け止め機能の解除を遠隔操作で
行なうことができるので、抜け止め機能を解消すること
によって比較的小さい力(例えば従来例の数分の1程
度)でジェットノズルを地上へ引き抜くことができる。
圧力水ホースに掛かる引張力を軽減し得るので、小径,
軽量で柔軟な圧力水ホースを用いても耐用命数が長く、
圧力水ホースに関する経済的負担が著しく軽減される。
さらに、小径で柔軟な圧力水ホースを巻き掛けるための
シーブや、巻き取るためのウインチ手段も小形,軽量,
低廉なもので足りるので、これら各種の効果が総合され
て優れた実用的価値が発揮される。
【0027】請求項7に係る発明方法の構成は、前記請
求項6の発明方法の構成要件に加えて、前記筒状ピスト
ンの1部に、偏心カム状係止部材との干渉を解消し又は
干渉を軽減する係止部材退避凹部を予め設けておき、前
記ジェットノズルから圧力水を噴射しつつ杭を打ち込む
作業中は、前記筒状ピストンに流体圧を加えて、「該筒
状ピストンの、係止部材退避凹部以外の箇所」を偏心カ
ム状係止部材に対向せしめる位置に伸長せしめておき、
前記の打ち込み作業を終えた後、前記筒状ピストンに加
えていた流体圧を解消し、もしくは減少せしめるととも
に、該筒状ピストンを収縮せしめる方向のバネ付勢力に
より収縮せしめて、前記係止部材退避凹部を偏心カム状
係止部材に対向せしめ、前記のシリンダおよびジェット
ノズルを一体的に装着された送水パイプに対して、ノズ
ル保持筒から引き抜く方向の力を加え、上記ノズル保持
筒により、相対的に、偏心カム状係止部材を押動せし
め、該偏心カム状係止部材の1部が係止部材退避凹部の
中へ入る形に回動させて、該偏心カム状係止部材のノズ
ル保持筒に対する係止機能を消失させ、上記偏心カム状
係止部材をして、ノズル保持筒内を通過せしめ、引き続
いてジェットノズルを通過させて引き抜くことを特徴と
する。
【0028】以上に説明した請求項7の発明方法による
と、ノズル保持筒に対するシリンダの抜け止め機能を果
たす偏心カム状係止部材は、回動によって抜け止め機能
を果たす回動角位置と抜け止め機能を果たさない回動角
位置との間で姿勢を変化させる。すなわち「ノズル保持
筒に当接して干渉するロック姿勢」と、「ノズル保持筒
から離間して干渉しないリリース位置」との間で回動す
る。そして、筒状ピストンが伸長したときは該筒状シリ
ンダが「偏心カム状係止部材の、ロック姿勢への回動」
を阻止するので、該偏心カム状係止部材による抜け止め
機能が確実に果たされる。上記筒状ピストンが収縮する
と、該筒状ピストンに形成されている係止部材退避凹部
が偏心カム状係止部材に隣接する位置となり、該偏心カ
ム状係止部材はその1部を係止部材退避凹部の中に入れ
てリリース姿勢に回動し得るようになる。上記偏心カム
状係止部材の「ロック姿勢からリリース姿勢への回動」
は、別段のバネ付勢力や油圧力などを必要とせず、圧力
水ホースに引張力を加えてシリンダに引抜方向の力を与
えれば、該シリンダに対して回動可能に軸着されている
偏心カム状係止部材は、相対的にノズル保持筒に押され
てリリース姿勢に回動し、該ノズル保持筒の中を通過し
て引き抜かれる。ここに重要なことは、前記圧力水ホー
スによる引張力が小さくて足りることである。すなわ
ち、従来技術においては圧力水ホースに強大な(例えば
3トン)引張力を与えて、「ジェットノズルを杭に取り
付けている鋼製バンド」を引き千切ったり、「ジェット
ノズルをノズル保持筒に留め付けているリベット」を剪
断したりしなければならなかったのであるが、これに比
して本請求項7の方法において圧力水ホースに掛かる引
張力は、各部の摩擦抵抗に打ち勝つ程度で足り、従来技
術に比して格段に(例えば約1/5)小さくて足りる。
その結果、圧力水ホースに必要とされる抗張力が小さ
く、該圧力水ホースが小径,軽量,低廉で、かつフレキ
シブルなもので良くなる。このため、作業員による取扱
いが容易であり、間接的に杭打作業の能率を高め、作業
コストを低減させることができる。さらに、圧力水ホー
スが小径でフレキシブルになり、所要引張力が小さいの
で、該圧力水ホースを巻き出し巻き込むためのウインチ
手段が小形,軽量,低廉なもので足りる上に、ウインチ
用の動力が少なくて済む。このように、ウインチ手段が
小形,軽量になることは、該ウインチ手段を杭打機に搭
載する場合、非常に有利である。
【0029】請求項8に係る発明方法の構成は、前記請
求項6もしくは請求項7の発明の構成要件に加えて、前
記送水パイプに対してジェットノズルを直接的に装着
し、もしくはノズルホルダを介してジェットノズルを装
着し、上記ジェットノズルもしくはノズルホルダにバネ
受座を形成するとともに、前記筒状ピストンの伸長方向
の端部にバネ受座を形成し、上記双方のバネ受座の間
に、送水パイプに外嵌せしめてコイルスプリングを配設
し、もしくは多数の皿バネを配設し、上記コイルスプリ
ングもしくは皿バネの弾性復元力によって前記バネ付勢
力を得ることを特徴とする。
【0030】以上に説明した請求項8の発明方法による
と、筒状ピストンを収縮させるためのバネ手段が合理的
に構成される。すなわち、本発明に係るバネ手段は、
イ.ノズル保持筒の中を通過できなければならず、ロ.
送水パイプと干渉しないように配置しなければならず、
ハ.筒状ピストンを強制的に収縮せしめ得る弾性復元力
を発揮しなければならない。こうした条件を満たすに
は、送水パイプに外嵌し得る形状のコイルスプリングま
たは皿バネが好適である。送水パイプは、その両端にジ
ェットノズルとシリンダとが装着される部材であるか
ら、ジェットノズルと筒状シリンダとの間にコイルスプ
リングまたは皿バネを圧縮介装することによって、該筒
状ピストンを収縮せしめる方向のバネ付勢力が得られ
る。
【0031】請求項9に係る発明方法の構成は、前記請
求項8の発明方法の構成要件に加えて、前記ジェットノ
ズルもしくはノズルホルダに、前記コイルスプリングも
しくは皿バネを覆う筒状のカバーを設けるとともに、前
記筒状ピストンに、前記コイルスプリングもしくは皿バ
ネを覆う筒状のカバーを設け、かつ、上記双方の筒状カ
バーを相互に摺動可能に嵌合せしめて、前記コイルスプ
リングもしくは皿バネを保護することを特徴とする。
【0032】以上に説明した請求項9の発明方法による
と、筒状のカバーによってバネ手段が保護され、該バネ
手段が土砂に妨げられて弾性力による復元が出来なくな
る虞れが無く、かつ、土砂によって早期に損耗したり、
石塊に衝突して破損したりする虞れも無い。本発明にお
けるバネ手段は、ジェットノズルと筒状ピストンとの間
で伸縮するので、単に剛性部材から成るカバーで覆うこ
とはできない。さらに、このバネ手段は地盤の中へ貫入
せしめられるので、ベローズのように柔軟な可撓性材料
製のカバーで覆うこともできない(該カバーが破損する
から)。本請求項に係るバネ手段のカバーは、ジェット
ノズルを装着されたノズルホルダに設けられた筒状のカ
バーと、筒状ピストンに設けられた筒状カバーとが摺動
可能に嵌合されているから、これらの筒状カバーのそれ
ぞれを剛性部材で構成しても、相互に摺動することによ
って全体として伸縮し、バネ手段の弾性変形に追随する
ことができる。このようにして本請求項に係るカバー
は、バネ手段に対する土砂等の異物の付着を防止して、
その機能保持を支援し、かつ、バネ手段に対する石塊の
衝突を防止して、未然に破損を防ぎ、作動信頼性と耐久
性とを増加させる。特に、振動杭打作業の場合はバネ手
段が地盤に対して激しく振動するので、両者の接触を本
請求項に係るカバーによって遮断することの意義が大き
い。
【0033】請求項10に係る発明方法の構成は、前記
請求項7ないし請求項9の発明方法の構成要件に加え
て、前記の筒状ピストンに設ける係止部材退避凹部を、
該筒状ピストンの筒壁を貫通する透孔によって構成し、
もしくは、上記筒状ピストンの「収縮したときシリンダ
内へ収納されない箇所」に位置せしめて、該筒状ピスト
ンの筒壁を貫通する透孔を設けるとともに、前記の送水
パイプに、「前記筒状ピストンが伸長したとき該筒状ピ
ストンによって覆われ、かつ、該筒状ピストンが収縮し
たとき前記の筒壁を貫通する透孔と連通する導水孔」を
穿っておき、前記送水パイプに高圧水を供給しつつ前記
筒状ピストンを収縮させて、ジェットノズルをノズル保
持筒から引き抜き得る状態になったとき、送水パイプ内
の高圧水の一部を前記導水孔に分流させ、筒状ピストン
の筒壁を貫通する透孔から噴出させて該送水パイプ内の
水圧を降下せしめることにより、ジェットノズルから噴
出していた水流を弱め、上記ジェットノズルが水流を噴
出しつつ地上に引き出されることが有っても、噴出水流
の反動によって該ジェットノズルおよび圧力水ホースが
跳ね回る危険を防止し、ないし軽減することを特徴とす
る。
【0034】以上に説明した請求項10の発明方法によ
ると、シリンダと筒状ピストンとによって形成されてい
るシリンダボトム側の圧力室に対する圧力流体の供給を
停止して、該筒状ピストンを収縮させると、該筒状ピス
トンによって係止解除を阻止されていた偏心カム状係止
部材が、ノズル保持筒から離間する方向の回動を許容さ
れて係止機能を消失すると同時に、送水パイプの管壁を
貫通する導水孔が開放されるので、送水パイプに供給さ
れている圧力水の一部が導水孔から放出される。このた
め該送水パイプ内の水圧が降下して、ジェットノズルか
ら噴出する水流の勢い(流速,流量)が衰弱する。この
ため、この状態でジェットノズルが地上へ引き出されて
も、該ジェットノズルに接続された圧力水ホースが噴出
水流の反動で跳ね回るという危険が解消される。前記ジ
ェットノズルが、万一、何らかの手違いによって勢い良
く圧力水を噴出しながら地上へ引き抜かれると、噴出水
流の反動で圧力水ホースとジェットノズルとが跳ね回っ
て非常に危険であり、重大な人身事故を発生した実例が
有る。本請求項に係る発明は、こうした危険を未然に、
かつ完全に防止する。万一、何らかの故障によって、例
えば筒状ピストンが収縮しなかった場合、以上に説明し
た「ジェットノズル噴出水流の衰弱」が発生しない。し
かし、筒状ピストンが収縮しなければジェットノズルが
ノズル保持筒から抜け出せない。従って、該ジェットノ
ズルが地上へ引き抜かれて人身事故を発生せしめること
は有り得ない。本請求項に係る安全作用(圧力水の圧力
降下)は以上に述べたように、そのメカニズムにおいて
ジェットノズルの抜け止め解除と連動しているため、作
動信頼性が高い。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るジェットノ
ズル装着構造の1実施形態を示し、杭に固着されたノズ
ル保持筒に対してジェットノズルを装着したところを描
いた模式的な縦断面図である。本発明の実施形態を描い
た図面において、図の左方が杭打作業時における上方で
あり、図の右方が同じく下方である。ただし、杭1の打
ち込み方向は必ずしも鉛直下方とは限らず、斜め下方に
向けて打ち込まれることも有るので、図の上下に対応す
る上方,下方とは、斜め上方,斜め下方を含む意であ
る。
【0036】符号5を付して示したのは本発明を適用し
て構成したノズル保持筒であって、従来例(図7)にお
けるノズル保持具4に対応する構成部材である。本発明
におけるノズル保持筒5は鋼管を切断して構成された文
字どおりの筒であるが、本発明を実施する際、このノズ
ル保持筒は必ずしも立体幾何学的に完璧な筒であること
を要せず、機構学的に筒と等価な部材であれば良い。こ
のノズル保持筒5は、ジェットノズル2の外径に対して
緩やかに嵌合する内径を有するように設定されている。
ノズル保持筒5は、杭1の下端部に、杭の長手方向と平
行に溶接されている。このノズル保持筒5は、後に詳し
く述べるように、杭1を打設し終えた後に回収すること
なく放置して埋め捨てる部材であるから、本例における
がごとく鋼管を切断しただけで低コストの部材であるこ
とは、杭打設工事全体のコスト抑制の面から有利であっ
て好ましい。
【0037】符号6で示したのは送水パイプであって、
その両端部にオネジが形成されるとともに、その中央部
付近に導水孔6aが穿たれている。この導水孔6aの設
置位置については、図3を参照して後に詳しく説明す
る。本実施形態においては4個の導水孔6aが設けられ
ていて、その内の3個が図に現れている。前記送水パイ
プ6の下端(図において右端)に筒状のノズルホルダ7
を螺着し、このノズルホルダ7に対してジェットノズル
2を螺着して、3者を同心に、一体的に連設する。この
場合、上記の同心性を僅かに偏心させても実用に供し得
るが、偏心させても格別の効果は期待されない。本発明
において欠くことのできない構成としての「同心」は、
故意に偏心させても、本発明におけると同様の効果を奏
する限り、本発明の技術的範囲に属するものである。
【0038】符号9を付して示したのはシリンダであ
る。本実施形態におけるシリンダ9は油圧シリンダであ
るが、本発明を実施する際は必ずしも油圧シリンダに限
らず、例えば水圧シリンダ、もしくは空気圧シリンダで
あっても良い。上記シリンダは、そのシリンダボトム側
を上方(図において下方)に向けて配設され、前記の送
水パイプがシリンダボトムを貫通して同心状に固着さ
れ、かつその突出した上端(図の左端)にホース接続金
具8が取り付けられ、圧力水ホース16が接続されてい
る。符号9aを付して示したのは筒状のカバーであっ
て、後に説明する係止部材退避凹部10a付近に砂礫が
侵入することを防止している。本実施形態におけるカバ
ー部9aはシリンダ9と一体的に連設してある。これと
異なる実施形態として該カバー部9aをノズルホルダ7
と一体的に連設することもできる。いずれの場合におい
ても、このカバー部9aの外径寸法は「シリンダ9の外
径寸法、およびノズルホルダ7の外径寸法」とほぼ同様
に設定され、かつ、後に説明する偏心カム状係止部材1
2と干渉しないように、開口もしくは切欠を設ける。本
実施形態におけるカバー部9aはシリンダ9と一体的に
連設してあるので、上記の干渉を避けるための構成部分
は、外見的にシリンダ9の延長部に穿たれた開口であ
る。上記カバー部9aをノズルホルダ7と一体的に連設
した場合、前記の干渉を避けるための構成部分は、外見
的に、ノズルホルダ7を上方(図の左方)に延長した筒
状部分の上端縁(図において左端縁・図示省略)に設け
られた切欠となる。
【0039】本実施形態における圧力水ホースは、従来
例(図7)におけるホース3に対応する部材であるが、
従来例におけるがごとく強大な抗張力(例えば約3ト
ン)を必要とせず、その数分の1の抗張力で足りる。そ
の理由は、後に詳しく述べるように、この圧力水ホース
16によってジェットノズル2を地上へ引き抜く際、溶
接部を引き千切ったり、リベットを剪断したりする必要
が無く、通常の摩擦に打ち勝てば足りるからである。前
記のシリンダ9は、その外周面が段付円柱面状をなし、
下半部(図において右半部)が小径で、上半部(左半
部)が大径になっている。小径部の直径寸法は前記ノズ
ル保持筒5の内径よりも小さく設定され、大径部の直径
寸法はノズル保持筒5の内径よりも大きく設定されてい
る。
【0040】前記シリンダ9のピストン10は筒状に構
成され、送水パイプ6に対して摺動自在に外嵌されてい
る。符号14はシリンダ9のシリンダボトム室であっ
て、油圧ホース17に接続連通されている。前記ノズル
ホルダ7と筒状ピストン10との間にコイルスプリング
13が圧縮介装されている。本図1においてはシリンダ
ボトム室14に作動油圧が印加されて筒状ピストン10
が伸長し、前記コイルスプリング13を圧縮した状態が
描かれている。
【0041】前記ノズルホルダ7の上端面(図において
左端面)と、筒状ピストン10の下端面(図において右
端面)とのそれぞれにバネ座が形成されていて前記コイ
ルスプリング13を着座させている。これにより、筒状
ピストン10は収縮方向にバネによる付勢力を受ける。
本発明を実施する際、コイルスプリングに代えて、多数
の皿バネを重ね合わせて用いることも出来る。コイルス
プリングも皿バネも、送水パイプ6に外嵌して配設する
に好適である。皿バネはコイルスプリングに比して伸縮
ストロークが小さいが、比較的大きいバネ荷重を得るこ
とが容易である。
【0042】前記シリンダ9の下端部、すなわちシリン
ダヘッド側の端部に、偏心カム状係止部材12が、偏心
カム軸によって回動可能に軸着されている。シリンダ9
と偏心カム軸11と偏心カム状係止部材12とを抽出し
て考察すると、該偏心カム状係止部材12は回動可能で
あるが、本図1の状態における偏心カム状係止部材12
は、左回り(反時計方向)に回動しようとするとノズル
保持筒5に干渉して回動できず、また、右回り(時計方
向)に回動しようとすると筒状ピストン10に干渉して
回動できず、回動不能になっている。
【0043】この図1の状態を、杭1に対するジェット
ノズル2の取付という面から考察すると次のようになっ
ている。ジェットノズル2は、ノズルホルダ7および送
水パイプ6を介してシリンダ9に対して同心状に一体に
結合されてノズルアッセンブリを構成している。上記ノ
ズルアッセンブリがノズル保持筒5の上方(図の左方)
から差し込まれると、シリンダ9の外周面の大径部が該
ノズル保持筒5に当接して、それ以上は差し込めなくな
る。本実施形態においては上記当接部に、筒状の合成樹
脂材料で構成された緩衝部材15が介装されている。上
記緩衝部材15は、シリンダ外周面の小径部とほぼ等し
い内径を有するとともに、シリンダ外周面の大径部とほ
ぼ等しい外径を有する円筒状に成形されて、該シリンダ
9の外周面の小径部に外嵌され、小径部と大径部との段
差面に密着させて固定されている。
【0044】本図1に描かれている状態では、偏心カム
状係止部材12が右回りにも左回りにも回動することが
できず、かつ、ノズルアッセンブリを構成しているシリ
ンダ9と偏心カム状係止部材12とがノズル保持筒5を
挟みつけているので、シリンダ9とノズル保持筒5とは
相対的に上下(図の左右)に摺動できなくなっている。
すなわち、杭1に対してジェットノズル2が固定的に装
着されている。従って、本図1の状態でジェットノズル
2から圧力水を噴射しながら、杭1を地中に打ち込んだ
場合、該ジェットノズル2をノズル保持筒から抜け出さ
せようとする力が作用するが、偏心カム状係止部材12
の抜け止め作用によって上記の抜け出しが阻止される。
本図1に描かれている偏心カム状係止部材12の回動角
位置をロック姿勢と名付ける。
【0045】本図1に描かれている状態で杭1を地中に
打ち込む場合、ノズルアッセンブリが地層を突き抜けて
下降するので衝撃や振動を受ける。特に、振動杭打機に
よって杭打作業を行なうときは激しい振動を受ける。こ
の場合、本実施形態のようにノズル保持筒5とシリンダ
9の外周段差面との間に緩衝部材15が介装されている
と、衝撃や振動によって金属疲労を促進される虞れが無
い。以上に述べた構造,機能から理解されるように、シ
リンダ9の外周面の大径部は、必ずしも小径部よりも大
径の円柱面に限られず、ノズル保持筒5内の通過を阻止
し得る形状寸法の突起であっても良い。
【0046】本図1に示したように偏心カム状係止部材
をロック姿勢ならしめれば、ノズルアッセンブリを構成
しているシリンダ9がノズル保持筒5から抜けなくなっ
て、水ジェットを併用する杭打作業に好適であることは
以上に述べたとおりであるが、 次に、どのようにして
本図1のようにシリンダ9をノズル支持筒5に差し込む
のかを説明しなければならないが、説明の便宜上、先
ず、図1の状態からノズルアッセンブリを抜き出す操作
について述べる。本図1においては筒状ピスとン10が
伸長(図の右方に移動)しているが、この筒状ピストン
10が収縮(図の左方に移動)したとき、偏心カム状係
止部材12に隣接する位置へ来るように、係止部材退避
凹部10aが設けられている。本実施形態における係止
部材退避凹部10aは、筒状ピストンの筒壁を貫通する
透孔によって構成されている。
【0047】図2は、本発明のジェットノズル装着構造
の1実施形態において、抜け止め機能を消失させる操作
を説明するために示したもので、前掲の図1に描かれて
いる状態から筒状ピストンを収縮させて、係止部材退避
凹部を偏心カム状係止部材に隣接せしめた状態の断面図
である。前掲の図1の状態から本図2の状態へ移行する
には、シリンダボトム室14に印加していた油圧を解消
する。するとコイルスプリング13が伸長して筒状ピス
トン10を収縮させる。上記筒状ピストン10の収縮に
より、該筒状ピストンに設けられていた係止部材退避凹
部10aが偏心カム状係止部材12に隣接する位置に来
て、本図2の状態になる。この状態は、ノズル保持筒1
5からノズルアッセンブリを引き抜くための準備を完了
した状態である。上述の作動において、図外の油圧ポン
プから送出される圧力油をシリンダボトム室14へ印加
しなくなっても、該シリンダボトム室14には地面から
打ち込まれた深度に対応する静圧が掛かる。従って、前
記コイルスプリングは上記の静圧に抗して筒状ピストン
10を収縮せしめるに足る弾性復元力を備えていなけれ
ばならない。
【0048】図3は、前掲の図2に示されている状態か
ら圧力水ホースに張力を与えてノズルアッセンブリを引
き上げる際、偏心カム状係止部材が自動的にロック姿勢
からリリース姿勢に変化する作用を説明するために示し
たもので、模式化して描いた縦断面図である。ノズルア
ッセンブリを上方へ引き上げると、ノズル保持筒5はノ
ズルアッセンブリに対して相対的に下方(図において右
方)へ移動する。図の右方へ移動するノズル保持筒5は
偏心カム状係止部材12を押動して、円弧矢印Re,R
e′のように回動させる。このとき、偏心カム状係止部
材12の内側に当たる箇所に係止部材退避凹部10aが
位置しているため、該偏心カム状係止部材12は「偏心
した凸部」の一部分を係止部材退避凹部10aに差し入
れて前記の回動(矢印Re,Re′)が可能になる。
【0049】本図3に示されているように、筒状ピスト
ン10の下端部(図において右端部)に、コイルスプリ
ング13を緩やかに覆う筒状のカバー10bが一体に連
設されている。上記筒状のカバー10bを内筒として、
これに対して摺動可能に外嵌するカバー内筒7aが、ノ
ズルホルダ7に一体連設されている。このような構成に
より、コイルスプリング13の伸縮に順応してカバー内
筒10bとカバー外筒7aとがテレスコピックに伸縮
し、コイルスプリング13を保護する。
【0050】図4は、前掲の図3に示したように圧力水
ホースに張力を与えた結果、偏心カム状係止部材がロッ
ク機能を喪失してリリース姿勢となり、ノズル保持筒の
内部を通過しつつ、ノズルアッセンブリと共に図の左方
へ引き抜かれている状態の模式的な断面図である。本図
に示された状態で、杭1は所定の位置に打ち込まれてお
り、該杭1に固着されたノズル保持筒5は地盤に対して
静止している。圧力水ホース16を上方(図の左方)へ
引くと、その先端に装着されているノズルアッセンブリ
(本図4に描かれている部材のうち、杭1,ノズル保持
筒5,および圧力水ホース16を除く構成部材)は、ノ
ズル保持筒5から上方(図の左方)へ引き抜かれる。本
図4に描かれている偏心カム状係止部材12の状態をリ
リース姿勢と呼ぶ。
【0051】図2の状態から図3の状態を経て図4の状
態に至る間、ノズルアッセンブリの引き抜きを妨げる力
は、構成部材相互間の摩擦力と、ノズルアッセンブリに
対する土砂の抵抗力とだけであって、従来技術における
がごとくリベットを剪断したり、溶接された鋼帯を引き
剥がしたりする必要が無いので、格段に小さい。従っ
て、ジェットノズル2を地上へ引き抜くため圧力水ホー
ス16に必要とする抗張力は従来例に比して著しく小さ
い。その上、圧力水ホース16を上方へ引き抜くための
ウインチ(図外)の容量も従来例に比して格段に小さく
て足りる。圧力水ホースの所要抗張力の軽減と、ウイン
チ容量の縮小とによって、製造コストが軽減されるとと
もに、取扱い操作が容易になる。すなわち、従来技術に
おける圧力水ホースの所要抗張力(例えば約3トン)に
比して本実施形態の圧力水ホースの所要抗張力は数分の
1で足り、その管径が小さくなるだけでなく、許容曲げ
限度の曲率が小さくなり、圧力水ホースの重量も著しく
軽くなる。従ってウインチは小形で足り、該ウインチの
引込力の比よりも著しく軽量,低廉となる。
【0052】導水孔6aは、図1のように筒状ピストン
10が伸長したとき、該筒状ピストン10によって閉塞
され、かつ、図3のように筒状ピストン10が収縮した
とき、係止部材退避凹部10aを介して外界に連通する
ように、その位置を設定されている。これにより、次の
ように作動する。図1の状態は、ノズルアッセンブリが
ノズル保持筒5に差し入れて抜け止めされた状態であ
り、この状態で杭打ちが行なわれ、圧力水ホース16か
ら送水パイプ6に圧力水が供給されて、ジェットノズル
2から噴射される。このため、送水パイプ6内には相当
の水圧が掛かるが、導水孔6aは筒状ピストン10で塞
がれているので、ここから漏水を生じることは無い。杭
を打ち終えて、圧力水ホース16に地上から張力を与え
てノズルアッセンブリを引き抜く際は、前記圧力水の供
給を停止しなければならないのであるが、もし、何らか
の故障もしくは手違いで圧力水を供給したままで地上に
引き抜くと、噴出する水流の反動で圧力水ホースが跳ね
回り、非常に危険である。
【0053】しかし本実施形態においては、図1に示さ
れたように偏心カム状係止部材12がロック姿勢になっ
ているとノズルアッセンブリの引き抜きが不可能である
から、該ノズルアッセンブリをノズル保持筒5から引き
抜くためには、必ず筒状ピストン10を収縮させて、図
3のように偏心カム状係止部材12の隣接位置まで係止
部材退避凹部10aを移動させて、該偏心カム状係止部
材12が矢印Re方向へ回動し得るようにしなければな
らない。上述のように筒状ピストン10を収縮させる
と、該筒状ピストン10が導水孔6aの閉塞を開放す
る。
【0054】図3のように偏心カム状係止部材を矢印R
e方向に回動させてノズルアッセンブリを引き抜く際、
望ましくは送水用のパイプ6に対する圧力水供給を停止
してほしいのであるが、圧力水操作弁の故障,操作誤り
など何らかの事情によって、送水パイプ6に圧力水を供
給してジェットノズルから水流を噴出させながら地上へ
引き抜いてしまった場合について考察すると、送水パイ
プ6内の圧力水はジェットノズル2からも噴出するが、
開放された導水孔6aからも噴出して、圧力水ホース1
6内の流量が増加し、送水パイプ6内の圧力が降下す
る。このため、ジェットノズル2から噴出する水流の流
速,流量が低下し、該ジェットノズル2からの噴出水流
が反動が減少し、水流を噴出した侭で地上に引き抜かれ
ても、該ジェットノズル2に接続された圧力水ホース1
6が跳ね回る虞れが無い。上述した安全作用は、誤操作
や誤作動によって妨げられる虞れが無い。その理由は次
のとおりである。図1の状態では、偏心カム状係止部材
12がロック姿勢になっているので、ノズルアッセンブ
リがノズル保持筒5から抜き出されることは無い。
【0055】ノズルアッセンブリがノズル保持筒5から
抜き出されるためには、図3に示されているように偏心
カム状係止部材12を矢印Re方向に回動させてリリー
ス姿勢(図4)にしなければならない。図3のように偏
心カム状係止部材12を回動させるには、筒状ピストン
10を収縮させて係止部材退避凹部10aの中へ偏心カ
ム状係止部材12の一部が入れるようにしなければなら
ない。上述のようにして筒状ピストン10を収縮させる
と、導水孔6aの閉塞が開放されて圧力水が放出され、
送水パイプ6内の水圧が低下してジェットノズル2から
の噴出水流が弱くなる。
【0056】上述の安全作動を更に要約すると、 a.筒状ピストン10が収縮しなければ、ノズルアッセ
ンブリを抜き出せない。 b.筒状ピストン10が収縮すると、導水孔6aが開放
されて水圧が下がる。 ということである。上述の作動原理から理解されるよう
に、この安全作動が行なわれるためには、筒状ピストン
が収縮したとき、導通孔6aの閉塞が開放されなければ
ならない。本実施形態においては係止部材退避凹部10
aを透孔状に構成するとともに、筒状ピストン10が収
縮したとき該係止部材退避凹部10aが係止部材退避凹
部10aを介して外界に連通されるように構成した。す
なわち、係止部材退避凹部10aに二つの役目、すなわ
ち、 イ.筒状ピストン10が収縮したとき、偏心カム状係止
部材12の回動を許容することと、 ロ.筒状ピストン10が収縮したとき、導水孔6aを外
界に連通させること、を受け持たせた。
【0057】前述の構成機能から容易に推察,理解され
るように上記二つの役目(イ,ロ)を一つの構成部分に
兼ねさせることなく、二つの構成部分に分担させること
もできる。すなわち、係止部材退避凹部10aを、導水
孔6aに連通しない位置、形状とするとともに、上記係
止部材退避凹部10aと別個に、「筒状ピストンが収縮
したとき導水孔6aに連通する透孔(図示省略)」を設
けても、本実施形態におけると同様の効果を期待するこ
とができる。このような変形例は、本実施形態の構成を
機構学的に分割したものであって、本発明の技術的範囲
に属するものである。
【0058】以上は、杭1を所定の位置まで打ち込んだ
後、ジェットノズル2を含むノズルアッセンブリの抜け
止め機構を解除して、該杭1に固着されたノズル保持筒
5から抜き出す操作である。次に、杭1を地中に打ち込
む前に、該杭1に固着されたノズル保持筒に対してノズ
ルアッセンブリを差し込んで抜け止めを施す操作につい
て、図面を参照して説明する。
【0059】図5は、杭に対してジェットノズルを装着
するため、該杭に固着されたノズル保持筒に、上記ノズ
ルを含むノズルアッセンブリを半ば差し込んで、未だ抜
け止めを施していない状態を実線で描き、完全に差し込
んだ状態のノズル保持筒を仮想線で描いた縦断面図であ
る。本図5において杭1は未だ地中に打ち込まれていな
いので、図の左右方向と実際の上下方向との関係は限定
されない。次に掲げる図6も同様である。図5に実線で
描いたノズル保持筒5に対して、偏心カム状係止部材1
2は未だ挿通されていない。このノズル保持筒5は静止
しているが、上記偏心カム状係止部材12をノズル保持
筒5に挿通して、緩衝部材15を該ノズル保持筒5に当
接させると、該ノズル保持筒はノズルアッセンブリに対
して相対的に移動して符号5′で示した位置となる。
【0060】ノズル保持筒が、実線位置(符号5)から
仮想線位置(符号5′)まで相対的に移動する間、偏心
カム状係止部材12は該ノズル保持筒5の中を通過しな
ければならない。そこで、該偏心カム状係止部材12
は、その一部分が係止部材退避凹部10aの中へ入る方
向に回動させて、本図5に描かれているようにリリース
姿勢にしておく。上記偏心カム状係止部材12をリリー
ス姿勢ならしめる操作は、シリンダボトム室14内に油
圧を印加せず、コイルスプリング13の付勢力によって
筒状ピストン10を収縮させておけば、作業員の指先に
よって容易に行ない得る。
【0061】図6は、前掲の図5に示したようにして、
ノズル保持筒に対してノズルアッセンブリを差し込み、
該ノズル保持筒の中へシリンダを嵌合させた後、偏心カ
ム状係止部材を筒状ピストンで押動して矢印Ex方向に
回動させて抜け止めを施す操作を描いた縦断面図であ
る。シリンダボトム室14に油圧を印加すると、筒状ピ
ストン10はコイルスプリング10を圧縮して図の右方
に伸長する。上記の伸長に伴って、該筒状ピストン10
は偏心カム状係止部材12を押動して、図示の円弧矢印
Ex,Ex′方向に回動させる。この回動により、上記
偏心カム状係止部材12は係止部材退避凹部10aから
押し出されてノズル保持筒5に当接する。本図6におけ
るノズル保持筒5の位置は、前掲の図5において符号
5′を付して仮想線で描いた位置に相当している。
【0062】筒状ピストン10が偏心カム状係止部材1
2を押動して回動させつつ伸長し終わると前掲の図1の
状態となる。この図1の状態では、偏心カム状係止部材
12がロック姿勢になっているから、ジェットノズル2
に対して抜け出し方向の力が掛かっても、該ジェットノ
ズル2に対してノズルホルダ7および送水パイプ6を介
して固定されているシリンダ9が、ノズル保持筒5から
抜け出せないので、ノズルアッセンブリ(図1に描かれ
ている部材から杭1とノズル保持筒5と圧力水ホース1
6と油圧ホース17とを除いた構成部材の結合体)がノ
ズル保持筒5から離脱できず、杭1に対する取り付けが
維持される。
【0063】以上に説明したジェットノズルの装着手
順、すなわち図5の状態から図6の状態を経て図1の状
態(ジェットノズル装着状態)に達せしめる操作におい
て、主要なことはシリンダボトム室14に油圧を印加し
て筒状ピストン10を伸長させることであって、従来例
におけるがごとくリベットを打ち込んだり、鋼帯を溶接
したりする作業を必要としない。油圧の印加は操作盤も
しくは操作弁によって行なうことができ、ハンマのよう
な手工具も溶接機のような大形大重量の機器も必要とし
ない。本実施形態によって奏せられる効果は、主として
ジェットノズルの回収が容易なことであるが、これと併
せて圧力水ホースが跳ね回る虞れが無いという安全効果
が得られ、その上、この段落で述べたように、杭に対す
るジェットノズル装着操作の容易性という実用的な優れ
た効果が得られる。
【0064】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成作用を説明したように、請求項1の発明装置による
と、送水パイプと、ジェットノズルと、シリンダとが相
互に固着されて1体のノズルアッセンブリが形成されて
いる。そして、杭の下端部に固着されたノズル保持筒に
対して上記ノズルアッセンブリを差し込むと、ジェット
ノズルは通過し、シリンダは段付部が該ノズル保持筒に
当接して途中で止まる。この状態で筒状ピストンを伸長
させると、該筒状ピストンが偏心カム状係止部材を押動
して回動せしめる。回動した偏心カム状係止部材は、前
記シリンダの段付状の大径部(もしくは突起)との間に
ノズル保持筒を挟み付ける。上記のノズル保持筒は杭の
下端部に固着されているので、前記ノズルアッセンブリ
は該ノズル保持筒を介して杭に固定される。前期偏心カ
ム状係止部材はシリンダに対して回動可能に軸支されて
いるが、ノズル保持筒から離間する方向に退避しようと
しても、前記筒状ピストンが伸長していると、該筒状ピ
ストンと干渉するので退避方向の回動が阻止され、抜け
止め機能を維持する。さらに、前記筒状ピストンには、
偏心カム状係止部材との干渉を回避する方向の回動を許
容する係止部材退避凹部が形成されているので、上記筒
状ピストンを収縮させて係止部材退避凹部を偏心カム状
係止部材に隣接させると、該偏心カムがノズル保持筒か
ら離間する方向に回動して、前記抜け止め機能が解消さ
れる。抜け止め機能が解消されれば、前記のジェットノ
ズルに接続されている圧力水ホースを地上から引き抜く
と、ジェットノズルがノズル保持筒から引き抜かれて、
比較的小さい力で地上へ引き出される。従来技術におい
ては、ジェットノズルを杭に対して鋼製バンドを介して
溶接したり、杭に溶接固着されたノズル保持筒にジェッ
トノズルを差し込んでリベットで留め付けたりしていた
ので、上記溶接箇所を引き千切ったり、リベットを剪断
したりしてジェットノズルを引き抜かねばならなかっ
た。このため、ジェットノズルに接続された圧力水ホー
スは巨大な抗張力(例えば3トン)を必要とし、ここか
ら諸種の不具合が派生していた。すなわち、圧力水ホー
スが高価であり、大径,大重量で、可撓性が不足で、そ
の取扱に多大の時間と労力とを費さねばならず、この圧
力水ホースを巻き取るには大形,大重量,高価なウイン
チを設置しなければならず、この圧力水ホースを巻き掛
けるためのシーブも大形,大重量,高価となる。その
上、大きい引張力を受けるため高価な圧力水ホースの耐
用命数が短いなど、いろんな技術的,経済的困難を生じ
ていた。これに比して本発明装置においては、偏心カム
状係止部材によってジェットノズル抜け止めを行なわせ
るので、リベット留付などを必要とせず、確実にジェッ
トノズルを杭に対して固定することができる。さらに、
筒状ピストンを作動させることにより、抜け止め機能の
解除を遠隔操作で行なうことができるので、抜け止め機
能を解消することによって比較的小さい力(例えば従来
例の数分の1程度)でジェットノズルを地上へ引き抜く
ことができる。圧力水ホースに掛かる引張力を軽減し得
るので、小径,軽量で柔軟な圧力水ホースを用いても耐
用命数が長く、圧力水ホースに関する経済的負担が著し
く軽減される。さらに、小径で柔軟な圧力水ホースを巻
き掛けるためのシーブや、巻き取るためのウインチ手段
も小形,軽量,低廉なもので足りるので、これら各種の
効果が総合されて優れた実用的価値が発揮される。
【0065】請求項2の発明構造を請求項1の発明構造
と併せて実施すると、偏心カム状係止部材の抜け止め機
能を解消する操作を確実に行なうことができる。すなわ
ち、筒状ピストンの伸長は液圧によって行なうが、該筒
状ピストンの収縮をバネ手段によって行なうことができ
るので、該筒状ピストンと前記シリンダとによって構成
されるシリンダ機構は、必ずしも複動シリンダであるこ
とを要せず、単動シリンダで足りる。従って、液圧ホー
スの配設本数は1本で足りる。シリンダ機構のみに着目
すれば復動シリンダの構成も不可能ではないが、地中に
貫入せしめて地下数10メートルの所で作動させるシリ
ンダ機構であるから、これに接続すべき作動油ホースが
2本であるか1本で足りるかは些細な問題ではない。こ
こに本請求項の構成の意義が有る。さらに、コイルスプ
リングもしくは皿バネを送水パイプに外嵌する構造であ
るから、専用のバネガイド部材を必要としない。すなわ
ち、請求項1の構成において欠くことのできない送水パ
イプを、請求項2ではバネガイドに兼用することによ
り、別段の部材を新設することなくバネ手段の不正な変
形を防止し、確実なバネ作用の発揮させる。このバネ手
段は、請求項1における構成との関係上、ノズル保持筒
の中に挿通されねばならないという形状・寸法上の制約
を受け、しかも筒状ピストンを収縮させるに足るバネ常
数を有しなければならない。こうした観点から、コイル
スプリング、もしくは重ね合わせた多数の皿バネは好適
であり、その他の形式のバネ(例えばリーフスプリング
やトーションスプリング)では同等の機能を達成せしめ
得ない。
【0066】請求項3の発明構造によると、筒状のカバ
ーによってバネ手段が保護され、該バネ手段が土砂に妨
げられて弾性力による復元が出来なくなる虞れが無く、
かつ、土砂によって早期に損耗したり、石塊に衝突して
破損したりする虞れも無い。本発明におけるバネ手段
は、ジェットノズルと筒状ピストンとの間で伸縮するの
で、単に剛性部材から成るカバーで覆うことはできな
い。さらに、このバネ手段は地盤の中へ貫入せしめられ
るので、ベローズのように柔軟な可撓性材料製のカバー
で覆うこともできない(該カバーが破損するから)。本
請求項に係るバネ手段のカバーは、ジェットノズルを装
着されたノズルホルダに設けられた筒状のカバーと、筒
状ピストンに設けられた筒状カバーとが摺動可能に嵌合
されているから、これらの筒状カバーのそれぞれを剛性
部材で構成しても、相互に摺動することによって全体と
して伸縮し、バネ手段の弾性変形に追随することができ
る。このようにして本請求項に係るカバーは、バネ手段
に対する土砂等の異物の付着を防止して、その機能保持
を支援し、かつ、バネ手段に対する石塊の衝突を防止し
て、未然に破損を防ぎ、作動信頼性と耐久性とを増加さ
せる。特に、振動杭打作業の場合はバネ手段が地盤に対
して激しく振動するので、両者の接触を本請求項に係る
カバーによって遮断することの意義が大きい。
【0067】請求項4の発明構造によると、シリンダと
筒状ピストンとによって形成されているシリンダボトム
側の圧力室に対する圧力流体の供給を停止して、該筒状
ピストンを収縮させると、該筒状ピストンによって係止
解除を阻止されていた偏心カム状係止部材が、ノズル保
持筒から離間する方向の回動を許容されて係止機能を消
失すると同時に、送水パイプの管壁を貫通する導水孔が
開放されるので、送水パイプに供給されている圧力水の
一部が導水孔から放出される。このため該送水パイプ内
の水圧が降下して、ジェットノズルから噴出する水流の
勢い(流速,流量)が衰弱する。このため、この状態で
ジェットノズルが地上へ引き出されても、該ジェットノ
ズルに接続された圧力水ホースが噴出水流の反動で跳ね
回るという危険が解消される。前記ジェットノズルが、
万一、何らかの手違いによって勢い良く圧力水を噴出し
ながら地上へ引き抜かれると、噴出水流の反動で圧力水
ホースとジェットノズルとが跳ね回って非常に危険であ
り、重大な人身事故を発生した実例が有る。本請求項に
係る発明は、こうした危険を未然に、かつ完全に防止す
る。万一、何らかの故障によって、例えば筒状ピストン
が収縮しなかった場合、以上に説明した「ジェットノズ
ル噴出水流の衰弱」が発生しない。しかし、筒状ピスト
ンが収縮しなければジェットノズルがノズル保持筒から
抜け出せない。従って、該ジェットノズルが地上へ引き
抜かれて人身事故を発生せしめることは有り得ない。本
請求項に係る安全作用(圧力水の圧力降下)は以上に述
べたように、そのメカニズムにおいてジェットノズルの
抜け止め解除と連動しているため、作動信頼性が高い。
【0068】請求項5の発明装置によると、ジェットノ
ズル,送水パイプ,シリンダ,および偏心カム状係止部
材を含むノズルアッセンブリがノズル保持具に差し込ま
れて、偏心カム状係止部材によって抜け止めされた状態
において、緩衝部材と偏心カム状係止部材との間にノズ
ル保持筒が挟みつけられ、ガタ無く確実に支持される。
特に振動杭打工事を行なう場合、杭に固着されたノズル
保持筒は激しく上下に振動するので、このノズル保持筒
と抜け止め用の部材(偏心カム状係止部材)との間にガ
タが有ると、振動サイクルと同じ回数の衝突が繰り返さ
れ、疲労破損を招く虞れが有るので、本請求項の発明を
適用してガタをなくすることは、耐久性向上に有効であ
る。本発明において、ジェットノズルを含むノズルアッ
センブリは、杭を地中に打ち込んだ後、地上に引き上げ
て回収し、繰返し使用する部材であるから、上記の耐久
性の意義が大きい。請求項6の発明方法によると、送水
パイプと、ジェットノズルと、シリンダとが相互に固着
されて1体のノズルアッセンブリが形成されている。そ
して、杭の下端部に固着されたノズル保持筒に対して上
記ノズルアッセンブリを差し込むと、ジェットノズルは
通過し、シリンダは段付部が該ノズル保持筒に当接して
途中で止まる。この状態で筒状ピストンを伸長させる
と、該筒状ピストンが偏心カム状係止部材を押動して回
動せしめる。回動した偏心カム状係止部材は、前記シリ
ンだの段付状の大径部(もしくは突起)との間にノズル
保持筒を挟み付ける。上記のノズル保持筒は杭の下端部
に固着されているので、前記ノズルアッセンブリは該ノ
ズル保持筒を介して杭に固定される。前期偏心カム状係
止部材はシリンダに対して回動可能に軸支されている
が、ノズル保持筒から離間する方向に退避しようとして
も、前記筒状ピストンが伸長していると、該筒状ピスト
ンと干渉するので退避方向の回動が阻止され、抜け止め
機能を維持する。従来技術においては、ジェットノズル
を杭に対して鋼製バンドを介して溶接したり、杭に溶接
固着されたノズル保持筒にジェットノズルを差し込んで
リベットで留め付けたりしていたので、上記溶接箇所を
引き千切ったり、リベットを剪断したりしてジェットノ
ズルを引き抜かねばならなかった。このため、ジェット
ノズルに接続された圧力水ホースは巨大な抗張力(例え
ば3トン)を必要とし、ここから諸種の不具合が派生し
ていた。すなわち、圧力水ホースが高価であり、大径,
大重量で、可撓性が不足で、その取扱に多大の時間と労
力とを費さねばならず、この圧力水ホースを巻き取るに
は大形,大重量,高価なウインチを設置しなければなら
ず、この圧力水ホースを巻き掛けるためのシーブも大
形,大重量,高価となる。その上、大きい引張力を受け
るため高価な圧力水ホースの耐用命数が短いなど、いろ
んな技術的,経済的困難を生じていた。これに比して本
発明方法においては、偏心カム状係止部材によってジェ
ットノズルの抜け止めを行なわせるので、リベット留付
などを必要とせず、確実にジェットノズルを杭に対して
固定することができる。さらに、筒状ピストンを作動さ
せることにより、抜け止め機能の解除を遠隔操作で行な
うことができるので、抜け止め機能を解消することによ
って比較的小さい力(例えば従来例の数分の1程度)で
ジェットノズルを地上へ引き抜くことができる。圧力水
ホースに掛かる引張力を軽減し得るので、小径,軽量で
柔軟な圧力水ホースを用いても耐用命数が長く、圧力水
ホースに関する経済的負担が著しく軽減される。さら
に、小径で柔軟な圧力水ホースを巻き掛けるためのシー
ブや、巻き取るためのウインチ手段も小形,軽量,低廉
なもので足りるので、これら各種の効果が総合されて優
れた実用的価値が発揮される。
【0069】請求項7の発明方法によると、ノズル保持
筒に対するシリンダの抜け止め機能を果たす偏心カム状
係止部材は、回動によって抜け止め機能を果たす回動角
位置と抜け止め機能を果たさない回動角位置との間で姿
勢を変化させる。すなわち「ノズル保持筒に当接して干
渉するロック姿勢」と、「ノズル保持筒から離間して干
渉しないリリース位置」との間で回動する。そして、筒
状ピストンが伸長したときは該筒状シリンダが「偏心カ
ム状係止部材の、ロック姿勢への回動」を阻止するの
で、該偏心カム状係止部材による抜け止め機能が確実に
果たされる。上記筒状ピストンが収縮すると、該筒状ピ
ストンに形成されている係止部材退避凹部が偏心カム状
係止部材に隣接する位置となり、該偏心カム状係止部材
はその1部を係止部材退避凹部の中に入れてリリース姿
勢に回動し得るようになる。上記偏心カム状係止部材の
「ロック姿勢からリリース姿勢への回動」は、別段のバ
ネ付勢力や油圧力などを必要とせず、圧力水ホースに引
張力を加えてシリンダに引抜方向の力を与えれば、該シ
リンダに対して回動可能に軸着されている偏心カム状係
止部材は、相対的にノズル保持筒に押されてリリース姿
勢に回動し、該ノズル保持筒の中を通過して引き抜かれ
る。ここに重要なことは、前記圧力水ホースによる引張
力が小さくて足りることである。すなわち、従来技術に
おいては圧力水ホースに強大な(例えば3トン)引張力
を与えて、「ジェットノズルを杭に取り付けている鋼製
バンド」を引き千切ったり、「ジェットノズルをノズル
保持筒に留め付けているリベット」を剪断したりしなけ
ればならなかったのであるが、これに比して本請求項7
の方法において圧力水ホースに掛かる引張力は、各部の
摩擦抵抗に打ち勝つ程度で足り、従来技術に比して格段
に(例えば約1/5)小さくて足りる。その結果、圧力
水ホースに必要とされる抗張力が小さく、該圧力水ホー
スが小径,軽量,低廉で、かつフレキシブルなもので良
くなる。このため、作業員による取扱いが容易であり、
間接的に杭打作業の能率を高め、作業コストを低減させ
ることができる。さらに、圧力水ホースが小径でフレキ
シブルになり、所要引張力が小さいので、該圧力水ホー
スを巻き出し巻き込むためのウインチ手段が小形,軽
量,低廉なもので足りる上に、ウインチ用の動力が少な
くて済む。このように、ウインチ手段が小形,軽量にな
ることは、該ウインチ手段を杭打機に搭載する場合、非
常に有利である。
【0070】請求項8の発明方法によると、筒状ピスト
ンを収縮させるためのバネ手段が合理的に構成される。
すなわち、本発明に係るバネ手段は、イ.ノズル保持筒
の中を通過できなければならず、ロ.送水パイプと干渉
しないように配置しなければならず、ハ.筒状ピストン
を強制的に収縮せしめ得る弾性復元力を発揮しなければ
ならない。こうした条件を満たすには、送水パイプに外
嵌し得る形状のコイルスプリングまたは皿バネが好適で
ある。送水パイプは、その両端にジェットノズルとシリ
ンダとが装着される部材であるから、ジェットノズルと
筒状シリンダとの間にコイルスプリングまたは皿バネを
圧縮介装することによって、該筒状ピストンを収縮せし
める方向のバネ付勢力が得られる。
【0071】請求項9の発明方法によると、筒状のカバ
ーによってバネ手段が保護され、該バネ手段が土砂に妨
げられて弾性力による復元が出来なくなる虞れが無く、
かつ、土砂によって早期に損耗したり、石塊に衝突して
破損したりする虞れも無い。本発明におけるバネ手段
は、ジェットノズルと筒状ピストンとの間で伸縮するの
で、単に剛性部材から成るカバーで覆うことはできな
い。さらに、このバネ手段は地盤の中へ貫入せしめられ
るので、ベローズのように柔軟な可撓性材料製のカバー
で覆うこともできない(該カバーが破損するから)。本
請求項に係るバネ手段のカバーは、ジェットノズルを装
着されたノズルホルダに設けられた筒状のカバーと、筒
状ピストンに設けられた筒状カバーとが摺動可能に嵌合
されているから、これらの筒状カバーのそれぞれを剛性
部材で構成しても、相互に摺動することによって全体と
して伸縮し、バネ手段の弾性変形に追随することができ
る。このようにして本請求項に係るカバーは、バネ手段
に対する土砂等の異物の付着を防止して、その機能保持
を支援し、かつ、バネ手段に対する石塊の衝突を防止し
て、未然に破損を防ぎ、作動信頼性と耐久性とを増加さ
せる。特に、振動杭打作業の場合はバネ手段が地盤に対
して激しく振動するので、両者の接触を本請求項に係る
カバーによって遮断することの意義が大きい。
【0072】請求項10の発明方法によると、シリンダ
と筒状ピストンとによって形成されているシリンダボト
ム側の圧力室に対する圧力流体の供給を停止して、該筒
状ピストンを収縮させると、該筒状ピストンによって係
止解除を阻止されていた偏心カム状係止部材が、ノズル
保持筒から離間する方向の回動を許容されて係止機能を
消失すると同時に、送水パイプの管壁を貫通する導水孔
が開放されるので、送水パイプに供給されている圧力水
の一部が導水孔から放出される。このため該送水パイプ
内の水圧が降下して、ジェットノズルから噴出する水流
の勢い(流速,流量)が衰弱する。このため、この状態
でジェットノズルが地上へ引き出されても、該ジェット
ノズルに接続された圧力水ホースが噴出水流の反動で跳
ね回るという危険が解消される。前記ジェットノズル
が、万一、何らかの手違いによって勢い良く圧力水を噴
出しながら地上へ引き抜かれると、噴出水流の反動で圧
力水ホースとジェットノズルとが跳ね回って非常に危険
であり、重大な人身事故を発生した実例が有る。本請求
項に係る発明は、こうした危険を未然に、かつ完全に防
止する。万一、何らかの故障によって、例えば筒状ピス
トンが収縮しなかった場合、以上に説明した「ジェット
ノズル噴出水流の衰弱」が発生しない。しかし、筒状ピ
ストンが収縮しなければジェットノズルがノズル保持筒
から抜け出せない。従って、該ジェットノズルが地上へ
引き抜かれて人身事故を発生せしめることは有り得な
い。本請求項に係る安全作用(圧力水の圧力降下)は以
上に述べたように、そのメカニズムにおいてジェットノ
ズルの抜け止め解除と連動しているため、作動信頼性が
高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジェットノズル装着構造の1実施
形態を示し、杭に固着されたノズル保持筒に対してジェ
ットノズルを装着したところを描いた模式的な縦断面図
である。
【図2】本発明のジェットノズル装着構造の1実施形態
において、抜け止め機能を消失させる操作を説明するた
めに示したもので、前掲の図1に描かれている状態から
筒状ピストンを収縮させて、係止部材退避凹部を偏心カ
ム状係止部材に隣接せしめた状態の断面図である。
【図3】前掲の図2に示されている状態から圧力水ホー
スに張力を与えてノズルアッセンブリを引き上げる際、
偏心カム状係止部材が自動的にロック姿勢からリリース
姿勢に変化する作用を説明するために示したもので、模
式化して描いた縦断面図である。
【図4】前掲の図3に示したように圧力水ホースに張力
を与えた結果、偏心カム状係止部材がロック機能を喪失
してリリース姿勢となり、ノズル保持筒の内部を通過し
つつ、ノズルアッセンブリと共に図の左方へ引き抜かれ
ている状態の模式的な断面図である。
【図5】杭に対してジェットノズルを装着するため、該
杭に固着されたノズル保持筒に、上記ノズルを含むノズ
ルアッセンブリを半ば差し込んで、まだ抜け止めを施し
ていない状態を実線で描き、完全に差し込んだ状態のノ
ズル保持筒を仮想線で描いた縦断面図である。
【図6】前掲の図5に示したようにして、ノズル保持筒
に対してノズルアッセンブリを差し込み、該ノズル保持
筒の中へシリンダを嵌合させた後、偏心カム状係止部材
を筒状ピストンで押動して矢印Ex方向に回動させて抜
け止めを施す操作を描いた縦断面図である。
【図7】水ジェットを併用して杭打ち作業を行なってい
る状態を示す部分破断斜視図である。
【符号の発明】
1…杭 2…ジェットノズル 3…ホース 4…ノズル保持具 5…ノズル保持筒 5′…装着状態におけるノズル保持筒の位置 6…送水パイプ 6a…導水孔 7…ノズルホルダ 7a…カバー外筒 8…ホース接続金具 9…シリンダ 9a…カバー部 10…筒状ピストン 10a…係止部材退避凹部 10b…カバー内筒 11…偏心カム軸 12…偏心カム状係止部材 13…コイルスプリング(バネ手段) 14…シリンダボトム側圧力室 15…緩衝部材 16…圧力水ホース 17…油圧ホース

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭の下端部に固着された筒状のノズル保
    持筒に対して、ジェットノズルを着脱可能に装着する構
    造において、 前記ノズル保持筒の内周面に対して摺動可能に嵌合する
    外周面を有するジェットノズルと、 上記ノズル保持筒の内周面に対して嵌合する小径部と、
    該内周面内に嵌合し得ない大径部もしくは突起との段付
    状外周面を有するシリンダと、 片方の端が前記ジェットノズルに対して同心状に固着さ
    れるとともに、他方の端が前記シリンダのシリンダボト
    ムに対して同心状に貫通固着された送水用のパイプと、 前記送水用パイプに対して摺動自在に外嵌されるととも
    に、前記シリンダの中に嵌合された筒状のピストンと、
    を具備していて、 前記シリンダと筒状ピストンとによって形成されている
    圧力室の中へ流体圧力を印加すると、該筒状ピストンが
    ジェットノズルに接近する方向へ伸長するようになって
    いるとともに、該筒状ピストンを収縮せしめる方向に作
    用するバネ手段が設けられており、 かつ、前記シリンダのピストンヘッド側の先端部に、
    「前記ノズル保持筒に押動されて回動して該ノズル保持
    筒内へ退避する、偏心カム状の係止部材」が、偏心カム
    軸によって軸着されていて、 上記偏心カム状係止部材の退避方向の回動が、前記筒状
    ピストンと干渉して阻止されるようになっているととも
    に、該筒状ピストンの1部分に偏心カム退避用の凹部が
    形成されていて、該筒状ピストンが伸長した状態では偏
    心カム状係止部材の退避が阻止されてノズル保持筒から
    退避することができず、該筒状ピストンが収縮した状態
    では前記偏心カム状係止部材が前記退避用凹部内に退避
    してノズル保持筒を通過し得るようになっていることを
    特徴とする、ジェットノズル装着構造。
  2. 【請求項2】 前記のバネ手段が、前記の送水パイプに
    外嵌され、前記ジェットノズルと筒状ピストンとの間に
    介装されたコイルスプリングであり、 もしくは、送水パイプに外嵌され、ジェットノズルと筒
    状ピストンとの間に介装された多数の皿バネであること
    を特徴とする、請求項1に記載したジェットノズル装着
    構造。
  3. 【請求項3】 前記ジェットノズルが、筒状のノズルホ
    ルダを介して前記送水パイプに装着されており、 上記ノズルホルダに、前記のバネ手段を覆う筒状のカバ
    ーが装着され、もしくは一体に成形されているととも
    に、 前記筒状ピストンに、前記のバネ手段を覆う筒状のカバ
    ーが装着され、もしくは一体に成形されていて、 かつ、上記ノズルホルダの筒状カバーと筒状ピストンの
    筒状カバーとが、相互に摺動可能に嵌合されていること
    を特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載したジ
    ェットノズル装着構造。
  4. 【請求項4】 前記送水用パイプに、「その内部空間
    と、前記偏心カム退避用の凹部とを連通する導水孔」が
    設けられていて、 前記筒状ピストンが伸長したとき、該筒状ピストンが上
    記導水孔を閉塞し、 該筒状ピストンが収縮したとき、該筒状ピストンが前記
    導水孔を開放するようになっていることを特徴とする、
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載したジェットノ
    ズル装着構造。
  5. 【請求項5】 前記段付状外周面を有するシリンダの小
    径部に外嵌して、かつ大径部に接近せしめて、短筒状の
    緩衝部材を設け、 前記筒状ピストンが伸長して偏心カム状係止部材がノズ
    ル保持筒の片方の端に当接せしめられた状態で、該ノズ
    ル保持筒の他方の端が前記緩衝部材に当接するようにな
    っていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4に
    記載したジェットノズル装着構造。
  6. 【請求項6】 シリンダヘッド側が小径の段付状外周面
    を有するシリンダのシリンダボトムに送水パイプを貫通
    せしめて同心状に固着するとともに、上記シリンダのピ
    ストンを筒状に構成して前記送水パイプに対して摺動自
    在に外嵌し、 前記送水パイプの片方の端にジェットノズルを同心状に
    装着するとともに、該送水パイプの他方の端に圧力水ホ
    ースもしくは圧力空気ホースを接続し、 あらかじめ前記シリンダのヘッド側端部に偏心カム状の
    係止部材を回動可能に軸着しておき、 一方、杭の下端付近に対してノズル保持筒を固着してお
    き、 前記ジェットノズルをノズル保持筒に挿通し、前記シリ
    ンダのシリンダヘッド側の小径部をノズル保持筒に差し
    込んで、前記偏心カム状係止部材を該ノズル保持筒の出
    口側の端部付近に位置せしめ、 前記シリンダと筒状ピストンとによって形成されたシリ
    ンダボトム側圧力室の中に圧力流体を導入して該筒状ピ
    ストンを伸長側に作動せしめ、 上記筒状ピストンの伸長動によって前記偏心カム状係止
    部材を回動せしめ、 回動した偏心カム状係止部材をノズル保持筒の端部に当
    接せしめて、該ノズル保持筒に差し込んだシリンダの抜
    け止め機能を果たさせ, 杭に固着されたノズル保持筒に対してシリンダが差し込
    まれた状態を維持することによって、該シリンダに貫通
    固着された送水パイプに装着されたジェットノズルを杭
    の下端部に対して固定的に取り付け、 前記筒状ピストンを収縮させることによって、前記シリ
    ンダの抜け止め機能を消失せしめることを特徴とする、
    ジェットノズル装着方法。
  7. 【請求項7】 前記筒状ピストンの1部に、偏心カム状
    係止部材との干渉を解消し又は干渉を軽減する係止部材
    退避凹部を予め設けておき、 前記ジェットノズルから圧力水を噴射しつつ杭を打ち込
    む作業中は、前記筒状ピストンに流体圧を加えて、「該
    筒状ピストンの、係止部材退避凹部以外の箇所」を偏心
    カム状係止部材に対向せしめる位置に伸長せしめてお
    き、 前記の打ち込み作業を終えた後、前記筒状ピストンに加
    えていた流体圧を解消し、もしくは減少せしめるととも
    に、該筒状ピストンを収縮せしめる方向のバネ付勢力に
    より収縮せしめて、前記係止部材退避凹部を偏心カム状
    係止部材に対向せしめ、 前記のシリンダおよびジェットノズルを一体的に装着さ
    れた送水パイプに対して、ノズル保持筒から引き抜く方
    向の力を加え、 上記ノズル保持筒により、相対的に、偏心カム状係止部
    材を押動せしめ、 該偏心カム状係止部材の1部が係止部材退避凹部の中へ
    入る形に回動させて、該偏心カム状係止部材のノズル保
    持筒に対する係止機能を消失させ、 上記偏心カム状係止部材をして、ノズル保持筒内を通過
    せしめ、引き続いてジェットノズルを通過させて引き抜
    くことを特徴とする、請求項6に記載したジェットノズ
    ル装着方法。
  8. 【請求項8】 前記送水パイプに対してジェットノズル
    を直接的に装着し、もしくはノズルホルダを介してジェ
    ットノズルを装着し、 上記ジェットノズルもしくはノズルホルダにバネ受座を
    形成するとともに、 前記筒状ピストンの伸長方向の端部にバネ受座を形成
    し、 上記双方のバネ受座の間に、送水パイプに外嵌せしめて
    コイルスプリングを配設し、もしくは多数の皿バネを配
    設し、 上記コイルスプリングもしくは皿バネの弾性復元力によ
    って前記バネ付勢力を得ることを特徴とする、請求項6
    もしくは請求項7に記載したジェットノズル装着方法。
  9. 【請求項9】 前記ジェットノズルもしくはノズルホル
    ダに、前記コイルスプリングもしくは皿バネを覆う筒状
    のカバーを設けるとともに、 前記筒状ピストンに、前記コイルスプリングもしくは皿
    バネを覆う筒状のカバーを設け、 かつ、上記双方の筒状カバーを相互に摺動可能に嵌合せ
    しめて、前記コイルスプリングもしくは皿バネを保護す
    ることを特徴とする、請求項8に記載したジェットノズ
    ル装着方法。
  10. 【請求項10】 前記の筒状ピストンに設ける係止部材
    退避凹部を、該筒状ピストンの筒壁を貫通する透孔によ
    って構成し、 もしくは、上記筒状ピストンの「収縮したときシリンダ
    内へ収納されない箇所」に位置せしめて、該筒状ピスト
    ンの筒壁を貫通する透孔を設けるとともに、前記の送水
    パイプに、「前記筒状ピストンが伸長したとき該筒状ピ
    ストンによって覆われ、かつ、該筒状ピストンが収縮し
    たとき前記の筒壁を貫通する透孔と連通する導水孔」を
    穿っておき、 前記送水パイプに高圧水を供給しつつ前記筒状ピストン
    を収縮させて、ジェットノズルをノズル保持筒から引き
    抜き得る状態になったとき、 送水パイプ内の高圧水の一部を前記導水孔に分流させ、
    筒状ピストンの筒壁を貫通する透孔から噴出させて該送
    水パイプ内の水圧を降下せしめることにより、ジェット
    ノズルから噴出していた水流を弱め、 上記ジェットノズルが水流を噴出しつつ地上に引き出さ
    れることが有っても、噴出水流の反動によって該ジェッ
    トノズルおよび圧力水ホースが跳ね回る危険を防止し、
    ないし軽減することを特徴とする、請求項7ないし請求
    項9に記載したジェットノズル装着方法。
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