JP2002241286A - インターロイキン−12産生誘導活性を有する免疫活性化剤 - Google Patents

インターロイキン−12産生誘導活性を有する免疫活性化剤

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JP2002241286A
JP2002241286A JP2001035667A JP2001035667A JP2002241286A JP 2002241286 A JP2002241286 A JP 2002241286A JP 2001035667 A JP2001035667 A JP 2001035667A JP 2001035667 A JP2001035667 A JP 2001035667A JP 2002241286 A JP2002241286 A JP 2002241286A
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JP2001035667A
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Koji Takahashi
幸司 高橋
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SEISHIN ENTPR CO Ltd
Seishin Enterprise Co Ltd
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SEISHIN ENTPR CO Ltd
Seishin Enterprise Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 副作用が少なく、かつ高い効果を有する免疫
活性化剤の提供。 【解決手段】 有効成分としてp−アミノ安息香酸−N
−D−キシロシッドナトリウム塩を含有することを特徴
とする免疫活性化剤。本化合物は、インターロイキン−
12産生誘導活性を示すことから、アトピー性皮膚炎、
アレルギーおよび、自己免疫疾患の治療剤として効果が
期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫活性化剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】生体には、細菌やウィルスなどの非自己
の侵入に対して抵抗性を獲得してこれを排除する機構を
有している。この代表的な機構が免疫系による応答であ
る。この免疫系の応答によって、生体は非自己による悪
影響を未然に防ぐことができる。したがって、免疫力を
増強することによって、生体は非自己に対してさらなる
抵抗力を獲得することができる。
【0003】免疫応答は抗体の作用による細胞性免疫
(Th1)と、細胞の作用による体液性免疫(Th2)
とに大別される。これらのうち、Th1において抗体の
分化を司るのはインターロイキン(IL−12)、腫瘍
壊死因子(TNFα)、インターフェロン(IFN−
γ)などの各種サイトカインである。生体内において、
Th1が主働の状態にある場合には、非自己に対する生
体の免疫力が特に増強されることが知られている。した
がって、体内の免疫系をTh1主働の状態に保つこと
が、癌などの疾病の治療には有効であると考えられてい
る。
【0004】一方、免疫力を増強するための薬剤として
は既に各種化合物が開発され、各種疾患の治療に用いら
れている。しかし、これらの剤の多くは重篤な副作用を
伴ったり、顕著な免疫活性化効果が得られないためにそ
の治療効果も不十分であるなどの欠点を有している。そ
のため、これらの欠点のない、新規な免疫活性化剤の開
発が望まれている。
【0005】ところで、p−アミノ安息香酸−N−D−キ
シロシッドナトリウム塩は、外来投与が可能な抗腫瘍剤
であるとともに、血糖降下作用および血圧降下作用を有
する安全性の高い化合物として知られている(特開昭5
4−154729号公報、パラアミノ安息香酸−N−D−
キシロシッドナトリウム塩(K−247)の基礎と臨
床」(森ら(1981)、基礎と臨床第15刊第13
号、367−372)。
【0006】しかし、本化合物の免疫系に対する作用は
知られていなかったため、その使用も制限されるもので
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、副作
用が少なく、かつ高い効果を有する免疫活性化剤を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記知見
に基づき鋭意研究を重ねる中で、従来抗腫瘍活性が知ら
れていたp−アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナト
リウム塩を免疫活性化剤としても使用することができれ
ば、極めて広範な適用範囲を有する新規な医薬の開発が
可能になるととの知見に基づきさらに研究を進めた結
果、該物質にインターロイキン−12(以下IL−12
と略記)産生誘導活性があることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、有効成分としてp−
アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩を含
有することを特徴とする免疫活性化剤に関する。また、
本発明は、インターロイキン12産生誘導活性を有する
ことを特徴とする、前記免疫活性化剤に関する。さら
に、本発明は、剤型が錠剤、粉剤、顆粒剤またはカプセ
ル剤であることを特徴とする、前記免疫活性化剤に関す
る。また、本発明は、有効成分としてp−アミノ安息香
酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩を含有することを
特徴とする、アトピー性皮膚炎、アレルギーおよび自己
免疫疾患の治療薬に関する。
【0010】IL−12はナチュラルキラー細胞刺激因
子または細胞障害性リンパ球成熟因子などとも呼ばれ、
単球またはマクロファージから産生される分子量約7
0,000の糖蛋白である。その生物活性としては、静
止期のT細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞、ナチ
ュラルキラーT(NKT)細胞からのインターフェロン
γの産生誘導、NK細胞活性の亢進、ナイーブな細胞か
らTh1細胞の分化の促進等が知られており、生体の免
疫系に深く関与している物質である。
【0011】アレルギーや自己免疫疾患の発症の機序の
1つとして、Th1の活性がTh2の活性に比して低下
した場合が有ると考えられているため、ナイーブT細胞
(Th0)からTh1細胞への分化促進、Th1細胞の
活性化を促進する作用を有するIL−12はアレルギー
や自己免疫疾患の発症を抑制する効果があると考えられ
る。
【0012】一方、p−アミノ安息香酸−N−D−キシ
ロシッドナトリウム塩の前記腫瘍増殖抑制効果は、該化
合物が抗原受容体以外の経路によって抗原非特異的に活
性化されたTリンパ球の活性をも上昇させ、同時にTリ
ンパ球のインターフェロン−γの産生を増強することに
よるものであると考えられている。
【0013】これに対して本発明は、p−アミノ安息香
酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩が、マクロファ
ージのIL−12の産生を選択的に促進する作用を有し
ているという新たな知見に基づくものである。したがっ
て、本発明の免疫活性化剤はマクロファージのIL−1
2産生誘導活性によって、アトピー性皮膚炎のようなア
レルギーおよび自己免疫疾患の治療にも用いることがで
きる。また、本発明の免疫活性化剤は後天性免疫不全症
候群(AIDS)の発症予防にも有用であることが示唆
されている。
【0014】本発明の免疫活性化剤の投与量に関して
は、200mg/日でも血中濃度が免疫活性化剤として有
効に作用する濃度である0.4μg/mlに達し、単独効
果の発現に充分な量であることが確認されている。ま
た、p−アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナトリ
ウム塩は、1600mg/日、分4の経口投与ではでは蓄
積傾向が認められたが、800mg/日、分4投与では投
与ごとに血中から消失し蓄積傾向は全く認められなかっ
た。また、800mg/日、分4投与した症例で副作用と
思われる症状の発現は1例も認められず、かつ最長79
0日632gの投与が行われたが特記すべき副作用は何
ら見られなかった。これらの所見から、p−アミノ安息
香酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩の投与量とし
ては600〜800mg/日が好適であると考えられた。
【0015】本発明の免疫活性化剤の投与の形態として
は、錠剤、粉剤、顆粒剤およびカプセル剤、などの経口
投与が可能である。経口投与のカプセル剤としては、p
−アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩
を0.5〜500mg含有するものが好適であり、10
0mg〜500mgを含有するものはさらに好ましい。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
【0016】
【実施例】(実施例1) 錠剤処方 下記の所定量の成分を撹拌型混合機を用いて均一に混合
混和後、圧縮成形して直径8mm、厚さ5mmの錠剤とし
た。この錠剤に流動乾燥機内で腸内溶解性の高分子材料
としてツェインDP(商品名、昭和産業製)をエタノー
ルに溶解した液を噴霧・乾燥を繰り返し、錠剤の表面に
耐酸性及び腸内溶解性の被膜を有する製剤に調整した。 P−アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩)35.7mg 乳糖 28.5mg 還元麦芽糖 22.5mg 結晶セルロース 7.9mg ショ糖脂肪酸エステル 5.4mg
【0017】(実施例2) 錠剤の溶解性 日本薬局法に基づく崩壊試験方法に従い、以下のように
試験を行った。試験方法…試験器、内径約110mmで
高さ薬155mmのビーカー、適当な加熱器および電動
機からなる装置を用いた。試験器を受け軸に取り付けて
ビーカー中に入れ、1分間29〜32往復、振幅53〜
57mmで滑らかに上下運動を行うように調節した。試
験器が最も下がったとき、下の網面がビーカーの底から
25mmになるようにし、ビーカーに入れる試験液の量
は、試験器が最も下がったときに試験器の上面が液の表
面に一致するようにした。液の温度は35〜37℃に保
った。6個の試料を試験器のガラス管に1個ずつ入れ、
一定時間上下運動を行った。試験器を静かに試験液から
取り出し、ガラス管内の試料の状態を観察した。なお、
第1液は人工胃液であり、塩化ナトリウム2.0gに塩
酸7.0mlおよび水を加えて溶かして1000mlと
した、無色透明、pH約1.2の液である。また、第2
液は人工腸液であり、0.2mol/lリン酸二水素カ
リウム試液250mlに水酸化ナトリウム試液118m
lおよび水を加えて溶かして1000mlとした、無色
透明、pH約6.8の液である。
【0018】上記の方法に従って崩壊試験を行った結
果、本発明による免疫活性化剤は表1に示すように、酸
性条件下での非崩壊性およびアルカリ条件下での十分な
崩壊性が確認された。すなわち、本発明による免疫活性
化剤は、腸に到達して初めて崩壊するため、有効成分の
利用率に優れることが明らかになった。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例3) ルイス肺癌担癌マウスにお
けるIL−12誘導試験 試験方法 1.担癌マウスの作成 C57BL/B10(雄マウス)の腋下部皮下にルイス肺癌(Le
wis,Lung Ca.)の2×10cellsを移植した。 2.処理群 健常マウス(Normal)群(n=6) 担癌対照(Cont)群、無投与(n=6) p−アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナトリウム
塩処理(po)群:1000mg/kg連日経口投与(n=
6)
【0021】3.投与および検査スケジュール 下記スケジュールに従って、マウス腋下部皮下にルイス
肺癌細胞を移植し、翌日より上記p−アミノ安息香酸−
N−D−キシロシッドナトリウム塩の検体を連日経口投与
した。血中のIL−12をS−001投与7日目、10
日目、14日目に測定した。
【外1】
【0022】4.検査方法 IL−12の産生 抗腫瘍性サイトカインIL−12の産生能をELISAキッ
トにて測定した。 5.検果 IL−12産生能 po群の1000mg/kg連日経口投与7日目では、担癌対
照に較べIL−12の産生は低値であった。しかし、1
0日目および14日目では、po群のIL−12の産生量
はそれぞれ13.4%、13.0%増加していた(表
2)。
【0023】
【表2】
【0024】6.結論 p−アミノ安息香酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩
の1000mg/kgの連日経口投与はマウス移植ルイス肺
癌に対して抗腫瘍サイトカインIL−12の産生を増加
させた。したがって、p−アミノ安息香酸−N−D−キシ
ロシッドナトリウム塩には、サイトカインIL−12の
誘導効果があることが明らかになった。
【0025】
【発明の効果】本発明の免疫活性化剤はIL−12産生
誘導活性を有し、生体への副作用が少ないp−アミノ安
息香酸−N−D−キシロシッドナトリウム塩を含有して
いるため、癌およびアトピー性皮膚炎などの治療に有効
に用いることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分としてp−アミノ安息香酸−N
    −D−キシロシッドナトリウム塩を含有することを特徴
    とする免疫活性化剤。
  2. 【請求項2】 インターロイキン−12産生誘導活性を
    有することを特徴とする、請求項1に記載の免疫活性化
    剤。
  3. 【請求項3】 剤型が錠剤、粉剤、顆粒剤またはカプセ
    ル剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載
    の免疫活性化剤。
  4. 【請求項4】 有効成分としてp−アミノ安息香酸−N
    −D−キシロシッドナトリウム塩を含有することを特徴
    とする、アトピー性皮膚炎、アレルギーおよび自己免疫
    疾患の治療薬。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010249564A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 溶解性分光測定方法及び溶解性分光測定装置

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