JP2002240225A - 塗装板及びその製造方法 - Google Patents

塗装板及びその製造方法

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JP2002240225A
JP2002240225A JP2001038972A JP2001038972A JP2002240225A JP 2002240225 A JP2002240225 A JP 2002240225A JP 2001038972 A JP2001038972 A JP 2001038972A JP 2001038972 A JP2001038972 A JP 2001038972A JP 2002240225 A JP2002240225 A JP 2002240225A
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Akira Sakai
朗 坂井
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Sakai K & Co Ltd
SAKAI KOGYO KK
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Sakai K & Co Ltd
SAKAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境被害が生じるおそれのある材料の使用を
避け、より安全で環境に配慮した塗装板を提供するこ
と。さらに、軽量かつ高度な表面物性(耐剥離性・耐擦
傷性・硬度等)を有する塗装板を提供すること。 【構成】 繊維質及び/又は粉砕物を成板してなる基板
上に表面処理を施すことにより、基板の表面物性を向上
させた塗装板であって、基板の少なくとも片面に、下地
層として不飽和ポリエステル樹脂層が、さらに上塗り層
としてポリウレタン樹脂層が形成されてなることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面物性の良好な
塗装板及びその製造方法に関する。本発明の塗装板は、
基板の表面処理を行うことにより得られるものであっ
て、例えば、建材、建具、家具等の表面板(化粧板)等
に好適に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築用、家具用、土木用等に
使用する板材の表面物性(表面硬度、耐擦傷性、耐剥離
性、耐摩耗性等)を向上させる方法として、各種方法が
提案されてきた。
【0003】例えば、電子線硬化(EB)塗膜、紫外線
硬化(UB)塗膜等を板材表面に形成する方法がある。
本方法は、板材表面の硬度(HRM)を高くすることが
できるが、塗料・設備ともに高額であって、コスト面か
らも満足できるものではなかった。
【0004】また、メラミン樹脂化粧板を別途形成し
て、板材に接着する方法もある。該メラミン樹脂化粧板
は、通常、紙シートへメラミン(熱硬化性樹脂材料)を
含浸させた含浸紙を重ね、プレス、加熱処理を施すこと
により結合させて製造されている。本メラミン樹脂化粧
板を接着した板材は、安価に製造でき、より高度な表面
物性(耐剥離性・耐擦傷性・硬度等)を有している。
【0005】しかし、上記メラミンは、通常ホルマリン
を含有しているため、板材が家具等として使用された
際、大気中に人体に有害なホルムアルデヒドを放出す
る。さらに、排気焼却する際、有毒なシアンや、内分泌
攪乱物質等が発生し問題とされていた。また、板材とし
て多くにベニア合板を使用するため、地球環境の保全を
阻害する森林伐採の促進につながるおそれもある。板材
のみを再利用することも考えられるが、接着剤を使用し
てメラミン樹脂塗装板を貼り合わせた複合材とされてい
るため、分別し難い。そして、板材にさらに化粧板を接
着するため、重量が嵩むという欠点も有している。
【0006】特に近年は、環境問題に関する意識の高ま
りから、地球環境、及び生活環境に配慮した製品を提供
することが希求されつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そのため、近年では、
最も古くから行われている合成樹脂塗料を使用する方法
が見直されている。
【0008】この方法は、板材表面にポリウレタンや、
DAP樹脂(ポリジアリルフタレート)等を主成分(塗
膜形成要素)とする合成樹脂塗料を直接塗布する方法で
ある。この方法は、経済的に安価であるが、電子線硬化
塗膜、メラミン化粧板等を使用する上記方法と比較して
表面硬度(HRM)・耐剥離性ともに劣るものであった
(鉛筆硬度で約2H〜4H)。
【0009】つまり、本方法で表面処理された基板表面
は、最高でも鉛筆硬度4H程度であり、傷がつき易い。
よって、特に高い表面硬度を必要とされる板材(例えば
テーブル天板等)として使用するには不十分であった。
表面硬度を得るために、塗料内にステンレスやアルミ等
の金属を混入させることも考えられるが、廃棄処分の際
に環境被害が発生する恐れがあり望ましくない。
【0010】また、ここでの合成樹脂塗膜は、シールや
テープ等への密着性が、基板と合成樹脂塗膜との密着性
よりも高く、ガムテープやシール等の粘着物質により塗
膜が剥離し易いという欠点を有していた。
【0011】本発明は上記に鑑みて、環境被害が生じる
おそれのある材料の使用を避け、より安全で環境に配慮
した塗装板を提供することを基本的課題とし、さらに、
軽量かつ高度な表面物性(耐剥離性・耐擦傷性・硬度
等)を有する塗装板を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究・開発に努力する過程で、従来よ
り行われていた合成樹脂塗料を基板上に塗布する方法を
見直し、改良することにより環境に配慮した、さらには
高度な表面物性を有する塗装板を提供することができる
ことを知見し、下記構成の塗装板及びその製造方法に想
到した。
【0013】(1) 本発明の塗装板は、繊維質及び/又は
粉砕物を成板してなる基板上に表面処理を施すことによ
り、基板の表面物性を向上させたものであって、基板の
少なくとも片面に、下地層として不飽和ポリエステル樹
脂層が、さらに上塗り層としてポリウレタン樹脂層が形
成されてなることを特徴とする。
【0014】上記構成において、基板と下地層との間に
意匠層を形成して、意匠性を向上することもできる。意
匠層の形成により、塗装板としての利用の汎用性の向上
が期待できる。
【0015】さらに上記構成において、基板が、廃材を
利用した再生物であることが望ましい。廃材等の有効利
用につながり、環境に配慮した塗装板を提供可能となる
ためである。
【0016】(2) 本発明の塗装板の製造方法は、繊維質
及び/又は粉砕物を成板してなる基板上に表面処理を施
すことにより、表面物性の良好な塗装板を製造する方法
であって、基板の少なくとも片面に、不飽和ポリエステ
ル樹脂塗料を塗布し、乾燥することにより下地層である
不飽和ポリエステル樹脂層を形成する第1工程、不飽和
ポリエステル樹脂層の表面に、ポリウレタン樹脂塗料を
塗布し、乾燥することにより、上塗り層であるポリウレ
タン樹脂層を形成する第2工程、を経ることを特徴とす
る。
【0017】上記手段において、第1工程の前に、基板
に着色塗料を使用して意匠層を形成することもできる。
意匠層の形成により、塗装板としての利用の汎用性の向
上が期待できる。
【0018】さらに、上記手段において、基板が、廃材
を利用した再生物であることが望ましい。廃材等の有効
利用につながり、環境に配慮した塗装板を提供可能とな
るためである。
【0019】(3) なお、上記本発明の塗装板の構成を包
含する下記構成の塗装板も、本発明の目的とする表面物
性の向上に寄与可能である。
【0020】繊維質及び/又は粉砕物を成板してなる基
板上に表面処理を施すことにより、基板の表面物性を向
上させた塗装板であって、基板の少なくとも片面に、下
地層として伸び50%以下の合成樹脂層が、さらに上塗
り層として、下地層より伸びの大きい合成樹脂層が形成
されてなることを特徴とする塗装板。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗装板について詳
細に説明を行う。図1に本発明の塗装板の概略図を示
す。
【0022】本発明の塗装板12は、繊維質及び/又は
粉砕物を成板してなる基板14上に表面処理を施すこと
により、基板14の表面物性を向上させたことを基本的
特徴とする。
【0023】ここで繊維とは、糸、織物などの構成単位
で、太さに比べて十分の長さを持つ、細くてたわみやす
いもの(JIS L 0204-3)をいう。繊維質は、紙、木材等
をほぐすことによって得られる。一方、粉砕物は、紙、
木材等を紙片状、チップ状等に砕いたものである。これ
らの中から単独または複数の材料を選択して基板14の
材料とすることができる。
【0024】すなわち、繊維質及び/又は粉砕物からな
る基板14とは、上記材料を重ねて圧着・脱水等を行う
ことにより製造されるものであって、紙質板、木質板、
繊維質板等がある。
【0025】紙質板とは、紙を紙片あるいは繊維にほぐ
した後、結合剤を加え、あるいは加えずに作った板製品
をいう。例えば、プリント紙、古紙等から製造された再
生ボード等を指すものである。ここでの再生ボードは、
新聞紙、ダンボール、雑誌等のいずれから製造されたも
のであっても使用可能である。
【0026】木質板とは、木材をチップあるいは繊維に
ほぐした後結合剤を加え、あるいは加えずに作った板製
品をいう。パーティクルボード(チップからなる板)、
ファイバーボード(繊維からなる板)ともに使用可能で
ある。
【0027】また、上記紙質/木質繊維以外の繊維から
なる繊維質板も勿論使用可能である。繊維質板(ファイ
バーボード)としては、例えばMDF(中密度 Fiber B
oard) を例示することができる。
【0028】さらには、上記紙質繊維、木質繊維、その
他、わら、バガス、竹、ささ等から得られる繊維等を混
合した繊維質系の板製品、また、上記繊維質に加え、ガ
ラス繊維等の無機繊維を少量配合した板製品も使用可能
である。
【0029】すなわち、従来の合板を使用した板製品と
は異なり、利用価値の少ない廃材、パルプカス等を利用
して利用価値の高い製品を製造することが可能となる。
本発明の目的の一つは、環境に優しい製品を提供するこ
とにあるため、利用価値の少ない廃材等を基板14の原
料として使用できるのは、大きな特徴であるといえる。
【0030】そして通常、廃材を利用した再生物からな
る基板14は、強度が劣るものがほとんどであって、高
度な物性(耐衝撃性、耐擦傷性、耐摩耗性等)が要求さ
れる製品としては不向きとされていた。しかし、本発明
の表面処理を施すことにより、家具、テーブル天板等の
高度な物性が要求される製品への適用も十分可能となっ
た。
【0031】なお、上記基板14の製造時において、添
加剤としてホルムアルデヒド等の有害物質を含有する
と、環境に対して悪影響を与えるおそれがあるため、本
発明の目的から、使用を避けることが望ましい。
【0032】そして、上記基板14上に下記の如く表面
処理を施す。なお、表面処理の前に、基板14の含水率
を約10〜12%に調整しておくとよい。
【0033】上記基板14上には、後述の下地層18を
形成する前に意匠層16を形成してもよい。意匠層16
の形成は、従来から行われてきたと同様、印刷紙(例え
ば木目柄のプリント紙等)を基板14表面に貼着するこ
とにより行うこともできるが、本発明においては、顔料
を含有した着色塗料を塗布して彩色することが望まし
い。プリント紙の貼着により意匠層16を形成すると、
使用する接着剤によっては基板14の廃棄処分(主とし
て焼却)の際に、有害物質が発生するおそれがある。ま
た、着色塗料を使用したほうが作業性が容易である。
【0034】使用する着色塗料としては、通常着色塗装
に使用されているものであればよい。例えば、木質調の
模様を彩色として施す場合には、「シークステインブラ
ウン」(和信化学工業社製)の名称で市販されている有
機溶剤型有機顔料を好適に使用することができる。一般
に有機顔料は、無機顔料と比較して着色性及び鮮度が良
好であるため、テーブルの天井板等の彩色を行う際には
着色成分として好適である。
【0035】その他、勿論無機顔料を含有する着色塗料
を使用することもできる。無機顔料は、通常、有機顔料
と比較して下地層18の隠蔽効果が大きいといわれてお
り、各目的に合わせて着色塗料の選択をするのが望まし
い。
【0036】上記着色塗料の塗布方法としては、ロー
ラ、刷毛、浸漬、スプレー等、公知の方法を使用すれば
よい。
【0037】なお、意匠層16の形成は、意匠性が要求
されない場合、あるいは、素材の模様を意匠面として利
用したい場合等には必然的ではない。例えば、基板14
を古新聞の紙片から形成した紙質板とした場合、新聞紙
の紙片模様が意匠面として現れ、基板14自身の模様を
生かすことができる。
【0038】そして、上記基板14表面に直接若しくは
上記意匠層16表面に不飽和ポリエステル樹脂塗料を用
いて下地塗装を行い、下地層18を形成する。不飽和ポ
リエステル樹脂塗料は、不飽和多塩基酸と多価アルコー
ルとでできたエステル型の合成樹脂である不飽和ポリエ
ステルと、スチレンなどとを混合して作った液状の基材
に、塗装の際、硬化剤と促進剤を加えて使用する二液又
は三液型の塗料である。
【0039】不飽和ポリエステル樹脂塗料を下地層18
の材料として使用するのは、本発明の基板14への含浸
が容易であり、重合固化して基板14の強度を向上させ
る効果が大きいためである。すなわち、本発明の基板1
4は、繊維質及び/又は粉砕物を成板してなるものであ
るため、繊維質間等に微細な透き間を有する。そのた
め、従来の合板に比して、強度上問題があるとされてい
た。しかし、形成された透き間に樹脂塗料が侵入し易
く、合板上に樹脂塗料を塗布していた従来法に比して樹
脂塗料の基材への含浸量が多くなる。よって、基板14
自体の強度が強化され、合板と同程度、さらにはそれ以
上の耐衝撃性が確保できる。
【0040】さらに、従来の欠点であった、基板14と
下地層18との密着性を向上させることができる。
【0041】さらに、不飽和ポリエステル樹脂は、硬化
反応において気体等を発生せず、また蒸発による溶剤の
損失がほとんどないため、含浸した不飽和ポリエステル
による基板14の形状の変化(反り等)が発生せず、安
定形状を維持可能である。そしてさらに取扱性が容易で
あって、後述の乾燥処理において特別の装置等を使用す
る必要もない。
【0042】不飽和ポリエステル樹脂塗料の塗布方法と
しては、上述の着色塗料の塗布方法と同様、ローラ、刷
毛、浸漬、スプレー及び一般のフィルム成形法等公知の
方法を使用すればよい。該塗料はいずれの塗布方法を使
用しても、厚くかつ均一な塗膜を得易い。
【0043】塗布量は、使用する基板14の材質等によ
り異なるが、例えば基板14への含浸量を除いて、乾燥
後の厚みで約50〜300μmとする。
【0044】上記不飽和ポリエステル塗料は塗布後、比
較的短時間で重合乾燥する。乾燥時においては、熱風等
を使用すると硬化反応が促進される。しかし、通常、光
・触媒等により常温でも硬化反応は十分進行するため、
1日程度放置するのみでよい。よって、特別な乾燥装置
が不要であり、経済的に有効である。
【0045】なお、上記で形成された不飽和ポリエステ
ル樹脂層の硬度(HRM)は、約85〜125である
が、HRM100以上のものを選択することが望まし
い。ここで、上記硬度の数値は、ロックウェル硬さ(JI
S K 7202) において、スケールをMとした場合の値であ
る。本発明において使用する硬度の数値は、特に断らな
い限り、該値を使用したものである。また、上記で形成
された不飽和ポリエステル樹脂層の伸びは約5%以下で
ある。ここでは、伸び約50%以下、望ましくは約10
%以下、さらに望ましくは約5%以下の樹脂層を使用す
ることが望ましい。
【0046】次に、上記下地層18上にポリウレタン樹
脂塗料を塗布し、ポリウレタン樹脂層を形成する。ポリ
ウレタン樹脂層を形成するのは、板材表面に若干の弾性
を付与するためである。ここで形成されるポリウレタン
樹脂層は、上記で形成したポリウレタン樹脂層よりも硬
度が低い。そのため、表面に弾性が付与され、傷がつき
にくく、さらに傷がついても目立ちにくい。そして、下
地層18で板材自身の硬度(HRM)を確保しているた
め、上塗り層20が軟質であっても製品の強度上問題は
ない。
【0047】なお、ここで上塗り層20の硬度(HR
M)は、90以下であることが望ましい。なお、硬度
(HRM)は約70を下限とする。上塗り層20と、下
地層18との硬度差が小さ過ぎても、大き過ぎても本発
明の目的である塗装板の表面物性の改善効果が小さくな
る。
【0048】また、さらに上塗り層20の伸びは下地層
よりも大きいことが望ましい。上記と同様、塗装板の表
面物性の改善効果が良好となるためである。
【0049】そして、ポリウレタン樹脂層と不飽和ポリ
エステル樹脂層との密着性は良好であるため、下地層1
8と上塗り層20との間の剥離は起こり難い。すなわ
ち、本発明において選択した硬質層(下地層18)と軟
質層(上塗り層20)との組み合わせにより、耐擦傷
性、耐剥離性、強度に関しての物性が従来に比して大幅
に改善された。
【0050】使用可能なポリウレタン樹脂塗料として
は、一液型、二液型のいずれでもよい。ポリウレタン樹
脂塗料は、比較的速乾性であって生産性に優れていると
ともに、密着力、光沢に富む塗膜が得られる。
【0051】前記ポリウレタン樹脂塗料の塗布量は、例
えば、乾燥後の厚みが約10〜30μmとなるようにす
ることができる。
【0052】ポリウレタン樹脂塗料の塗布方法として
は、上述の着色塗料の塗布方法と同様、ローラ、刷毛、
浸漬、スプレー等公知の方法を使用すればよい。なお、
上述の如く、下地層18表面に粗面を形成し、上塗り層
表面にも凹凸を形成したい場合には、カーテンロールコ
ート法や、スプレー塗布法等を使用することが望まし
い。
【0053】そして、ポリウレタン樹脂塗料は熱硬化型
の塗料であるため、通常、熱を加えることにより乾燥を
行う。熱風乾燥機等を使用して約80〜120℃の熱風
を約2〜5分当てることにより乾燥を行うことができ
る。
【0054】上記の如く形成された塗装板12は、非常
に優れた基材強度を有し、かつ表面物性も優れたもので
ある。
【0055】
【発明の効果】基板が廃材等を使用して形成可能である
ため、環境に優しい。さらに従来のように問題とされて
いるメラミン等を使用しないため、使用時及び焼却時に
有害ガスが発生することもない。そして、強度が弱いこ
とが課題とされていた繊維質及び/又は粉砕物からなる
基板を使用したにもかかわらず、本発明における表面処
理を施すことにより期待される以上の力学的性能及び表
面物性を維持可能となった。
【0056】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例について説明を行う。まず、下記実施例・比較例
の塗装板を用意した。
【0057】<実施例>古新聞を細片化して成板した厚
み2mmの古紙再生ボードを基板とし、その表面にロール
コーター用いて不飽和ポリエステル樹脂塗料を塗布し、
自然乾燥(1日)させ、厚さ80μmの下地層を形成し
た。さらに、その上面に同じくロールコーターを使用し
て、ポリウレタン樹脂塗料を塗布し、熱風乾燥機を使用
して乾燥(100℃×5min )させ、厚さ20μmの上
塗り層を形成した。
【0058】<比較例1>従来タイプのポリエステル樹
脂塗料を塗布した合板を用意した。
【0059】<比較例2>従来タイプのメラミン樹脂塗
料を塗布した合板を用意した。
【0060】・上記実施例・比較例1の塗装板につい
て、下記方法により各種試験を行った。
【0061】(1) 密着性試験 JIS K 5400碁盤目テープ剥離試験に準拠して行なった。
まず、試験片の表面にカッターナイフで2mm間隔の傷を
付け、100個の碁盤目を形成した。その表面にセロハ
ンテープを貼着し、これを急激に剥した際の、樹脂層の
残存目盛数を調べた。この試験を同一箇所で10回繰り
返し、はがれた場合は試験を中止し、回数と残存目盛数
を測定した。
【0062】(2) 耐擦傷性試験 スチールウールを使用して、1000gの荷重を加えな
がら塗装板表面を10回往復させて、光沢度の変化を調
べた。光沢度はグロスメーター(商品名:堀場製作所
IG−330)により測定した。
【0063】(3) 耐汚染性試験 JAS 特殊合板規格 耐汚染性試験に準拠して行なった。
【0064】(4) 耐キズ性試験 ステンレス製のヘラを使用して塗装板表面に傷をつけ、
傷あとのツヤ変化を目視観測した。
【0065】(5) 耐薬品性試験 塗装板表面をアセトンを含浸させた布を使用して100
回拭きを行なった後の表面の変化を目視観測した。
【0066】(6) 耐摩耗性試験 JAS 特殊合板規格 耐摩耗性A試験に準拠して行った。
【0067】結果を表1に示す。
【0068】
【表1】 表1より、本発明の塗装板(実施例)は、比較例1の塗
装板に比して、基板と表面に形成した樹脂層との密着性
が特に良好であることが分かる。また、耐擦傷性も良好
であり、傷あとにも目立った変化は見られなかった。さ
らに他の摩耗性試験結果、耐薬品性試験結果において
は、比較例1と同様、良好な結果が得られた。
【0069】・上記実施例・比較例2の塗装板につい
て、下記方法により表面硬度試験を行った。
【0070】(7) 表面硬度試験 それぞれの試料(100×100mm)の表面に対して、
シャープペンシルの芯を直角に当て、20mmの幅で均等
の圧力で、前後に10回移動させた後、試料の表面の状
態(傷の有無)を調べた。芯の種類はH、2H、3H、
4Hをそれぞれ使用した。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】 表2より、双方ともに4Hの硬度の芯に対しても異常な
し(傷無し)という結果が得られたことから、本発明の
塗装板はメラミン樹脂化粧板と同程度の硬度を有するこ
とが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗装板の構造を示すモデル図である。
【符号の説明】
12…塗装板 14…基板 16…意匠層 18…下地層 20…上塗り層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 5/00 B05D 5/00 B 7/00 7/00 B 7/24 302 7/24 302T 302V B32B 21/08 B32B 21/08 27/40 27/40 E04C 2/24 E04C 2/24 R Fターム(参考) 2E162 CC08 EA11 FC00 FC02 4D075 AC23 BB68X CA02 CA04 DA06 DB24 DC38 EB35 EB38 4F100 AK44B AK51C AP02A AP03A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CC00B CC00C CC00D DG10 EH46B EH46C EH462 EJ862 GB07 GB81 GB90 HB00D JK06 JK08B JK08C JK12 JK14 JK16 JL03 JL10D JL16A YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質及び/又は粉砕物を成板してなる
    基板上に表面処理を施すことにより、基板の表面物性を
    向上させた塗装板であって、 前記基板の少なくとも片面に、下地層として不飽和ポリ
    エステル樹脂層が、さらに上塗り層としてポリウレタン
    樹脂層が形成されてなることを特徴とする塗装板。
  2. 【請求項2】 前記基板と下地層との間に意匠層が形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の塗装板。
  3. 【請求項3】 前記基板が、廃材を利用した再生物であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の塗装板。
  4. 【請求項4】 繊維質及び/又は粉砕物を成板してなる
    基板上に表面処理を施すことにより、表面物性の良好な
    塗装板を製造する方法であって、 前記基板の少なくとも片面に、不飽和ポリエステル樹脂
    塗料を塗布し、乾燥することにより下地層である不飽和
    ポリエステル樹脂層を形成する第1工程、前記不飽和ポ
    リエステル樹脂層の表面に、ポリウレタン樹脂塗料を塗
    布し、乾燥することにより、上塗り層であるポリウレタ
    ン樹脂層を形成する第2工程、 を経ることを特徴とする塗装板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1工程の前に、前記基板に着色塗
    料を使用して意匠層を形成することを特徴とする請求項
    4記載の塗装板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板が、廃材を利用した再生物であ
    ることを特徴とする請求項4又は5記載の塗装板の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 繊維質及び/又は粉砕物を成板してなる
    基板上に表面処理を施すことにより、基板の表面物性を
    向上させた塗装板であって、 前記基板の少なくとも片面に、下地層として伸び50%
    以下の合成樹脂層が、さらに上塗り層として下地層より
    伸びの大きい合成樹脂層が形成されてなることを特徴と
    する塗装板。
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