JP2002238552A - ヒト血清アルブミンを用いたヒト末梢血単核球であるcd14+細胞からの樹状細胞の調製方法 - Google Patents

ヒト血清アルブミンを用いたヒト末梢血単核球であるcd14+細胞からの樹状細胞の調製方法

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JP2002238552A
JP2002238552A JP2001041867A JP2001041867A JP2002238552A JP 2002238552 A JP2002238552 A JP 2002238552A JP 2001041867 A JP2001041867 A JP 2001041867A JP 2001041867 A JP2001041867 A JP 2001041867A JP 2002238552 A JP2002238552 A JP 2002238552A
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Naoyuki Katayama
直之 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト末梢血単核球であるCD14+細胞から樹状
細胞(DC)を安定にかつ安全に調製するための方法を提
供する。 【解決手段】 血清または血漿を含まずヒト血清アルブ
ミン(HSA)を含有する動物細胞培養培地にてヒト末梢
血単核球であるCD14+細胞を含む細胞を培養し、生成し
た樹状細胞を回収することを含む、樹状細胞の調製方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト血清アルブミ
ンを用いたヒト末梢血単核球であるCD14+細胞からの樹
状細胞の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】T細胞による認識機構の分子生物学的な
理解により、抗原特異的な T細胞の免疫応答による癌の
治療が可能になろうとしている (1)。最近の研究の進歩
は細胞傷害性 Tリンパ球 (CTL)が認識するいくつかの腫
瘍抗原の同定を可能にし (2-4)、さらに、CTLにより認
識される抗原提示細胞 (APC)の MHCクラス I分子に結合
している腫瘍抗原由来のペプチドをも明らかにしてきた
(4)。腫瘍抗原由来のペプチドの単独投与は腫瘍に対す
る免疫学的拒絶反応を誘導せず、むしろ免疫学的寛容を
誘導する可能性もあり (5, 6)、腫瘍特異抗原あるいは
それ由来のペプチドをパルスした APCを用いた癌ワクチ
ン細胞療法が注目されている (7)。
【0003】樹状細胞 (DC)は T細胞を介する初期免疫
応答を惹起できるAPCの中心的存在であり (8-13)、成熟
度の違いにより異なった機構を示す。未熟 DCは抗原を
取り込み、プロセッシングし、一方、成熟 DCはナイー
ブ T細胞を刺激、活性化する (8-13)。DCは腫瘍抗原特
異的な免疫応答を誘導するためのアジュバントとして、
既に実際の癌ワクチン細胞療法において用いられている
が (14-22)、現在でも臨床試験における重要な課題の 1
つは腫瘍抗原特異的な CTLを誘導できる DCの調整方法
の開発である。実際には、DCはアフェレーシスした白血
球から直接分離したり (14, 17)、末梢血単核球の付着
細胞分画 (15, 16, 18, 19)、末梢血単球 (20)、末梢血
へ動員された CD34+細胞 (21, 22)から誘導されたもの
が臨床試験において使用されている。アフェレーシスし
た白血球から直接分離した DCの回収率と純度にはかな
りのばらつきが見られ (14, 17)、CD34+細胞を末梢血中
に動員するには顆粒球コロニー刺激因子( G-CSF)など
を患者に投与しなければならない(21, 22)。末梢血単核
球の付着細胞分画あるいは末梢血単球は容易に得られる
が、培養系に血漿あるいは血清を添加する必要がある
(15, 16, 19, 20)。また、血漿中あるいは血清中には D
Cの誘導に影響を与える物質が含まれているため(23, 2
4)、血漿中あるいは血清中を含む調製系では、DCがどの
程度回収されるか予測が立たない。すなわち、DCによる
癌ワクチン細胞療法を実施する前に、十分な量の DCが
得られるかどうかの検証が個々の患者においてそれぞれ
に要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況におい
て、本発明の目的は、ヒト末梢血単核球である CD14+
胞からのDCの調製のための血漿あるいは血清を含まない
培養系を確立することである。このような手法によって
安定した数の DCを患者個体に依存せずに、かつ安全に
供給することが可能になる。DCは、抗腫瘍性免疫反応を
誘導できるため、癌ワクチン療法に使用が期待されてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ヒト血清ア
ルブミンを用いて、ヒト末梢血単核球であるCD14+細胞
から安定して DCを調製できる方法を見出した。したが
って本発明は以下のものからなる。本発明は、その態様
において、血清または血漿を含まずヒト血清アルブミン
(HSA)を含有する動物細胞培養培地にてヒト末梢血単
核球である CD14+細胞を含む細胞集団を培養し、生成し
たDCを回収することを含む、DCの調製方法を提供する。
【0006】本発明の実施形態により、HSAが培地あた
り2±0.5%(w/v)、好ましくは2±0.4%(w/v)、より
好ましくは2±0.3%(w/v)、もっと好ましくは2±0.2
%(w/v)、さらにもっと好ましくは2±0.1%(w/v)の
濃度で含有する。ここでw/vは重量/容量を表す。
【0007】本発明の別の実施形態により、培地がカル
シウム、カリウム、マグネシウムおよびナトリウム金属
塩、D-グルコース、グルタチオン(還元型)、必須L-ア
ミノ酸(20種)、ビオチン、パントテン酸カルシウム、
塩化コリン、葉酸、i-イノシトール、ニコチンアミド、
p-アミノ安息香酸、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、
塩酸チアミン、ビタミン類(B12など)、フェノールレ
ッドを含有する。
【0008】本発明のさらに別の実施形態により、培地
がさらにサイトカインを含有する。サイトカインはたと
えばコロニー刺激因子およびインターロイキンを含むも
の、特に顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-C
SF)およびインターロイキン4(IL-4)からなるもので
ある。該培地はさらに、上記サイトカインに加えて樹状
細胞成熟化因子を含有しうる。成熟化因子の例は、TNF-
α、CD40リガンドまたはインターフェロンであるが、こ
れらに限定されない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によれば、樹状細胞(DC)
は、血清または血漿を含まずヒト血清アルブミン(HS
A)を含有する動物細胞培養培地にてヒト末梢血単核球
であるCD14+細胞を含む細胞を培養することによって得
ることができる。
【0010】本発明によれば、CD14を発現するヒト末梢
血単核球(PBMC)細胞、すなわちCD14 +細胞がDC誘導にと
って好ましい細胞として選択された。しかしこの細胞
は、純化したCD14+細胞に限定されず、ヒト末梢血単核球
の他の細胞が混入していてもよい。この選択された細胞
をHSA含有動物細胞培養培地にて培養することによっ
て、DCを誘導し、生成されたDCを回収する。
【0011】本発明においては、培地あたりのHSA濃度
は重要であり、該HSA濃度は2%(w/v)前後、具体的に
は培地あたり2±0.5%(w/v)、好ましくは2±0.4%(w
/v)、より好ましくは2±0.3%(w/v)、もっと好まし
くは2±0.2%(w/v)、さらにもっと好ましくは2±0.1
%(w/v)である。HSAは天然品または合成品のいずれで
もよく、一般に市販品を使用できる。
【0012】また、本発明で使用可能な動物細胞培養培
地は、単核球の培養を可能にする培地ならいずれでもよ
い。このような培地はCD14+細胞の成長およびDC誘導を
可能にする。そのような培地は、たとえばカルシウム、
カリウム、マグネシウム、ナトリウムなどの金属塩、D-
グルコース、グルタチオン(還元型)、必須L-アミノ酸
(20種)、ビオチン、パントテン酸カルシウム、塩化コ
リン、葉酸、i-イノシトール、ニコチンアミド、p-アミ
ノ安息香酸、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チ
アミン、ビタミン類(B12など)、フェノールレッドを
含有する。動物細胞用培養液として、たとえばMoorらの
RPMI-1640培地(25,26)、McCOY'S 5A培地などを挙げるこ
とができる。RPMI 1640培地は下記表1に掲げる組成を
有する。
【0013】
【表1】
【0014】本発明においては、培地中にサイトカイン
を含むのがよい。サイトカインとして、たとえばコロニ
ー刺激因子(たとえばGM-CSF、IL-3など)、インターロ
イキン(たとえばIL-4、IL-13、IL-1など)、これらの
混合物を挙げることができるが、好ましくはコロニー刺
激因子とインターロイキンの混合物、特にGM-CSFとIL-4
の組み合わせがよい。
【0015】上記サイトカインに加えて、樹状細胞成熟
化因子を含んでもよい。樹状細胞成熟化因子の例とし
て、TNF-α、CD40リガンド、インターフェロンなどを挙
げることができるが、好ましくはTNF-αがよい。サイト
カインおよび樹状細胞成熟化因子は非限定的に培地あた
り1〜100ng/mlで使用される。
【0016】培養は、所定量のHSAを含有し、必要によ
りサイトカインを含有する動物細胞培養培地にCD14+
胞について培地1mlあたり105〜106オーダーの細胞数
を接種し、温度36〜38℃、3〜10日間インキュベートす
ることによって行う。この間、必要に応じて3〜4日お
きに1〜数回新鮮培地と置換する。
【0017】培養後、生成したDCを比重遠沈法、磁気ビ
ーズ分離法などの方法で分離することができる。本発明
のように HSAとサイトカイン(例えば GM-CSFおよびIL-
4)、必要に応じて樹状細胞成熟化因子(例えばTNF-
α)、を含む培養液を用いて得られる未熟 DCの数は、H
SAの代わりに0.1%、1%、2%、5%、10%(容量)の自己血
漿あるいは自己血清の存在下で得られるものに比べて高
値であった。自己血漿と自己血清については、たとえ同
一人から採取したものであっても採取時期が異なるサン
プルを用いると未熟 DCの回収率にばらつきが見られた
のに対して、本発明の方法では未熟 DCの回収率にばら
つきが認められなかった。
【0018】さらにまた、HSAと GM-CSFおよびIL-4を用
いて得られた未熟 DCの デキストラン取り込みでみた貪
食能、ならびに HSAと GM-CSF 、IL-4 および TNF-αか
らなるとサイトカインを用いて得られた成熟 DCの MH
C、共刺激(co-stimulatory)分子などの機能分子の発
現は、自己血漿あるいは自己血清を用いて得られた DC
と比較して同等であった。また、腫瘍特異抗原の 1つで
ある HER2分子由来で細胞傷害性 Tリンパ球 (CTL)を誘
導できることが確認されている HLA-A2402に対する結合
モチーフを保持するペプチド (HER2p63; TYLPTNASL)を
用いて、HER2分子に対する CTLの誘導能を enzymed-li
nked immunospot (ELISPOT)法にて検討すると、牛胎児
血清(FCS)、自己血漿、自己血清あるいは HSAを用い
て誘導されたそれぞれの DCの間には、その誘導能に差
は認められなかった。これらの一連の結果は、HSAを用
いての DCの調製法では、たとえば癌ワクチン細胞療法
に先立ちDCの調製に最適な自己血漿あるいは自己血清の
採取時期や濃度を検証する必要性がなく、最大数で機能
的な DCを安全に調製できることを示しており、これに
よって臨床応用が高められる。
【0019】本発明方法で得られたDCの応用の1つに癌
免疫療法がある。その方法はたとえば、癌患者から取り
出した腫瘍組織または細胞の一部から腫瘍拒絶抗原を含
む画分を得、この抗原でDCをパルスしたのち該DCで患者
を免疫することを含む。これによって、パルスされたDC
で免疫された患者において腫瘍の増殖進行の阻止あるい
は抗腫瘍反応の誘導が生じると考えられる(27)。
【0020】
【実施例】1. 材料と方法 (培養液と試薬)培養液は 2 mMの L-グルタミン、50 U
/mlの ペニシリン、50 μg/mlの ストレプトマイシンを
含む RPMI 1640 (日水製薬、東京)を使用し、自己血
漿、自己血清あるいは HSA (Albumin CutterTM; バイエ
ル薬品、大阪)を 0.1%から10%の濃度で、牛胎児血清 (F
CS) (Hyclone, Logan, UT)を 10%で添加した。GM-CSFは
キリンビール(東京)、IL-4は小野薬品 (大阪)、TNF-α
は大日本製薬 (吹田)、IL-2は武田薬品 (大阪)から供与
された。GM-CSFは 10 ng/ml、IL-4は 10 ng/ml、TNF-α
は 20 ng/ml、IL-2は 20 IU/mlで使用した。
【0021】(抗体)使用したモノクローナル抗体: FI
TC-CD1a (Ortho, Raritan, NJ, USA)、PE-CD1a、PE-CD4
0 (Immunotech, Marseille, France)、FITC- or PE-CD1
4, -CD54, -CD80, -HLA-DR (Becton Dickinson, San Jo
se, CA, USA)、PE-HLA-A,B,C (DAKO,Glostrup, Denmar
k)、PE-CD86 (PharMingen, San Diego, CA, USA)、FITC
-myeloperoxidase (MPO) (DAKO)。FITC- or PE-mouse I
gG1, IgG2a (Becton Dickinson), or IgG2b (Coulter,
Hialeah, FL, USA)。
【0022】(CD14+細胞の分離)同意を得た後、健常
日本人より末梢血をヘパリン加採取した。末梢血単核球
(PBMCs)は Ficoll-Hypaque (Nycomed Pharma AS, Osl
o, Norway)を用いての比重遠沈法にて分離した。CD14+
細胞は PBMCsより MACS Microbeads (Miltenyi Biotec,
Bergisch Gladbach, Germany)にて分離した (24)。こ
の方法で得られた CD14+細胞の純度は 95%以上である。
非特異的エステラーゼ染色 (武藤化学、東京)を施行す
ると、CD14+細胞は非特異的エステラーゼ陽性であっ
た。一部の実験においては、PMMCsを 85mmの Falcon ti
ssue culture dish (Becton Dickinson Labware, Linco
ln Park, NJ, USA)に、10% FCS添加 RPMI 1640で37℃2
時間培養し、その dish中の細胞を付着細胞分画と非付
着細胞分画に分けて回収した。
【0023】(CD14+細胞の培養)CD14+細胞は 5 x 105
個/mlの濃度で、FCS、自己血漿、自己血清あるいは HSA
を添加した RPMI 1640で、24-well tissue culture pla
te (Nunc, Roskilde, Denmark)に培養した。GM-CSFと I
L-4は培養開始時から添加し、実験によっては TNF-αを
後から添加した。培養液は 3 -4日で交換した。生細胞
数は trypan bluedye exclusion法で算定した。
【0024】(貪食能試験)GM-CSFと IL-4で 5日間培
養して得られた 2 x 105個の DCを 10% FCS添加 RPMI 1
640に浮遊し、1 mg/mlの FITC-デキストラン (分子量 4
0,000; Sigma, St. Louis, MO, USA)と 4℃あるいは 37
℃で 1時間反応させた。FITC-デキストランの取り込み
は冷却した 1% FCS加 PBSで中断させ、その後細胞は 1%
FCS加 PBSで 4回洗浄した。 FITC-デキストランの取り
込みは FACScan(Becton Dickinson Immunocytometry S
ystems, San Jose, CA, USA)で測定した。
【0025】(細胞形質の解析)細胞表面形質は FITC
結合あるいは PE結合モノクローナル抗体での単一ある
いは二重染色で行い、解析は FACScanで施行した。ミエ
ロペルオキシダーゼ(MPO)は細胞内染色キット (Cytof
ix/Cytoperm Kit; PharMingen)で行った。
【0026】(免疫原性ペプチドの合成とそれらの DC
への結合)HLA-A2402に結合モチーフのある c-erbB-2/H
ER2/neu (HER2)由来の免疫原性ペプチド HER2p63 (TYLP
TNASL)は三菱化学 (横浜)で合成された (28, 29)。ペプ
チドの純度は 95%以上で、pH 7.4で PBSに溶解し、1 mg
/mlの濃度で 4℃にて保管した。1 x 106個の DCを 10μ
Mの濃度の HER2p63と室温で 1時間反応させ、さらに 1
時間 37℃、5% CO2で反応させた(30)。これらの DCを e
nzymed-linked immunospot (ELISPOT) assayに用いた。
【0027】(ELISPOT アッセイ)96ウエルの nitroce
llulose MAHAS4510 Millipore プレート (Millipore, B
edford, MA, USA)に 10 μg/mlの抗 インターフェロン-
γ抗体 (1-D1K; Mabtech,Stockholm, Sweden)を入れ
て、4℃にて一晩放置した。この プレートを PBSで洗浄
後、非特異反応をブロックするために、10% AB型血清に
て 2時間 37℃で処理した。HLA-A2402+のヒトからの 1
x 106個/mlの単核球と HER2p63をパルスしたあるいは何
もパルスしていない放射線照射をされた DCを 24ウエル
の プレートに、10%自己血清添加 RPMI 1640で 7日間培
養した。これらの単核球を PBSで 3回洗浄後、HER2p63
をパルスしたあるいは何もパルスしていない放射線照射
された新たに調製された DCとさらに 7日間、今度は IL
-2 (20 IU/ml)も添加し、10%自己血清添加 RPMI 1640で
培養した。これらの単核球を PBSで 3回洗浄後、1 x10
5個/mlのさらに新たに調製した HER2p63をパルスしたあ
るいは何もパルスしていない放射線照射された DCと 24
-wellのプレートに、10%自己血清添加 RPMI1640で共培
養した。24時間後に、24ウエルの プレートを 0.05% Tw
eenを含む PBSで 6回洗浄後、1 μg/mlのビオチン化抗
インターフェロン-γ抗体 (7-B6-1; Mabtech)と 2時間
37℃で反応させ、洗浄後さらに 1 μg/mlの ストレプト
アビジンアルカリフォスファターゼ (Mabtech)と 1時間
反応させた。洗浄後、プレートをアルカリフォスファタ
ーゼ結合基質キット (BioRad, Hercules, CA, USA)で染
色し、Carl Zeissのイメージング分析装置 (Carl Zeiss
Vision, Hallbergmoos,Germany)でスポット数を算定し
た。
【0028】2. 結果 (末梢血単核球の CD14の発現と DCへの誘導)末梢血単
核球(PBMCs)を付着性と CD14の発現様式から、付着 C
D14+、付着 CD14-、非付着 CD14+、非付着 CD14-の 4群
に分け、それら 4群からの DCの形成能を、GM-CSFと IL
-4を含む 10% FCS添加RPMI 1640で 5日間培養の系で検
討した。CD1a+CD14-細胞を DCとして算定し (24)、結果
を 図 1に示した。CD14+細胞は付着細胞分画の約 15%
で、非付着細胞分画の約 10%であった。DCの大部分は付
着細胞分画および非付着細胞分画ともに CD14+細胞由来
であった。一方、付着細胞分画および非付着細胞分画の
CD14-細胞からは DCは誘導されなかった。これらのこ
とから、以下の DC誘導の実験では、標的細胞は CD14+
細胞を用いることにした。
【0029】(自己血漿、自己血清あるいは HSAにより
支持される CD14+細胞からの DCの誘導)臨床に用いる
DCの調製法においては、培養系に FCSを使用することは
できない。いくつかの研究グループは自己血漿あるいは
自己血清を使用している (15,20,22)。予備的な実験か
ら、本発明者は自己血漿あるいは自己血清の代わりに H
SAが使用可能であることを見い出した。HLA-A,B,C、HLA
-DR、CD80、CD86、CD40、CD54、CD14分子の発現様式か
ら、自己血漿あるいは自己血清を用いて培養したCD14+
細胞から誘導される細胞においては、CD1a+CD14-細胞だ
けでなく CD1a-CD14-細胞も DCであることを確認したた
め、自己血漿あるいは自己血清を用いた培養系では C
D1a+CD14-細胞と CD1a-CD14-細胞を DCと見なした (31,
32)。HSAの培養系では CD1a-CD14-細胞は殆ど見られな
い。1%自己血漿、1%自己血清、2%HSAで培養した細胞の
CD1aと CD14の発現様式を 図2Aに示した。最も効率的に
CD14+細胞から DCを誘導する条件を検討するために、
自己血漿、自己血清、HSAを比較検討した (図2B)。最適
の濃度を探すために、それぞれを 0.1 - 10%の濃度で添
加してみた。10人の健常人(Case 1〜Case 10)で検討
してみると、自己血漿では 1%で 5人、2%で 3人、5%で
1人、10%で 1人において最大数の DCが得られた。自己
血清では 1%で 5人、2%で 1人、5%で 4人において最大
数の DCが得られた。HSAでは、10例全例において 2%で
得られる DC数が最大であった。また、10例それぞれに
おいて、2% HSAで得られる DC数は自己血漿あるいは自
己血清のどの濃度で得られる DC数より有意に高値であ
った。10例を全体的に見ても、2% HSAで得られる DC数
は 0.1% - 10%の自己血漿あるいは自己血清で得られる
どの DC数よりも高かった。5%あるいは 10%の HSAでは
殆ど DCは得られなかったが、この原因は、HSA製剤の添
加物である sodium acetyltryptophanと sodium capryl
ateによることを確認している (データ示さず)。
【0030】(採取時期の異なった自己血漿、自己血清
存在下の CD14+細胞からの DCの誘導)同一人の自己血
漿あるいは自己血清の採取時期の CD14+細胞からの DC
の誘導に対する影響について検討した。Case 3と Case
5において、最低 1週間以上の間隔で 6ヶ月以上掛け
て、血漿と血清を採取した。図 2Bで示したように、こ
れら Case 3と Case 5においては、血漿、血清のいずれ
においても 1%の濃度が最大数の DCの誘導を支持したの
で、培養系には血漿、血清は 1%の濃度で添加した。採
取時期の異なる血漿あるいは血清で得られた結果を 2%
HSAで得られた結果と比較したのが 図3である。5種類
の採取時期(1999年8月16日〜2000年4月7日)の異なる
血漿と血清で得られる DC数は様々であるが、これらの
どれと比較しても 2%HSAの方が得られる DC数は高値で
あった。また、HSAの lotの影響について 10個の ロッ
ト(lot)で調べたが、lot間には DCの誘導支持能の差は
認められなかった (データ示さず)。
【0031】(自己血漿、自己血清あるいは HSAを含む
培養で誘導された DCの貪食能)GM-CSFと IL-4存在下で
自己血漿、自己血清あるいは HSAを含む培養系で誘導さ
れた DCの貪食能を、フローサイトメトリーを用いて、
温度依存性の FITC-デキストランの取り込みにて検討し
た (図4)。取り込まれたデキストランの量は自己血漿、
自己血清あるいは HSAを含む培養系で誘導された DCの
間ではほぼ同等であった。
【0032】(自己血漿、自己血清あるいは HSAを含む
培養で誘導された DCの形質発現)いろいろな時期に採
取した自己血漿あるいは自己血清に比べて、HSAはより
効率的に CD14+細胞から未熟 DCの誘導を支持したので
(図3)、次に、FCS、自己血漿、自己血清あるいはHSAを
含む培養系で GM-CSFとIL-4で 5日間培養し、さらにTNF
-αを 2日間添加して培養し、成熟 DCを誘導し、それら
の表面形質を調べた(図5)。いずれの方法で得られた細
胞も成熟 DCの表面形質発現パターンと矛盾せず、HLA-
A,B,C、HLA-DR、CD80、CD86、CD40、CD54を強発現して
いた。
【0033】(FCS、自己血漿、自己血清あるいは HSA
を含む培養で誘導された DCの HER2特異的 CD8+細胞の
誘導)FCS、自己血漿、自己血清あるいは HSAを含む培
養で誘導された DCの抗原特異的 CD8+細胞の誘導能を比
較するために、Case 3と Case 8の 2例の PBMCsを用い
て、c-erbB2/HER2/neu原癌遺伝子由来の HER2p63 (TYLP
TNASL)ペプチドをパルスした自己 DCによる CD8+細胞誘
導能を ELISPOTアッセイで検討した (図6)。2例におい
て、HER2p63特異的 インターフェロン-γ分泌細胞数は
同等であった。自己血清あるいは HSAを含む培養系で誘
導された DCにより産生された HER2p63特異的 インター
フェロン-γ分泌細胞数の平均の方が、FCSあるいは自己
血漿を含む培養系で誘導された DCにより産生された HE
R2p63特異的 インターフェロン-γ分泌細胞数の平均よ
り高かったが、これらの間には有意な差は認められなか
った。
【0034】3. 考案 腫瘍特異的 CTLにより認識される標的分子の同定など腫
瘍免疫の理解が腫瘍抗原特異的な免疫療法の進展に貢献
してきている。DCは腫瘍抗原に対する T細胞の寛容を凌
駕する機能があることもあり (33)、腫瘍抗原あるいは
それ由来のペプチドをパルスした DCを用いた免疫療法
が癌ワクチン療法のなかでも特に注目されている。しか
し、生体において、DCにより腫瘍特異的な CTLによる効
果的な免疫反応を誘導するには、DCの投与経路や DCの
体内での至適部位への遊走誘導などの問題点も解決して
いかなければならない。この研究では、より適切な臨床
応用に向けて、DCの調製法に焦点を絞り、検討を加え
た。
【0035】体外で DCを調製する場合、CD34+造血前駆
細胞、PBMCs中の DCの前駆細胞あるいは末梢血単球から
誘導するのが一般的である。単球も含めて PBMCsの使用
は CD34+造血前駆細胞に比べ、多くの細胞が簡単に得ら
れると言う利点がある。我々はまず、PBMCsにおける DC
の前駆細胞の細胞生物学的特性を、細胞の付着性と CD1
4の発現様式の点から検討した。CD14+細胞は付着細胞分
画および非付着細胞分画ではあまり多くの割合を占めて
いないにも拘わらず、DCの殆どは付着細胞分画および非
付着細胞分画の CD14+細胞から誘導された。これらのこ
とから、PBMCs中の DCの前駆細胞は付着性とは関係な
く、その大部分は CD14+細胞分画に存在することが明ら
かになり、ある程度純化された DCを多く得るためには
DCの前駆細胞として、CD14+細胞を使用することが望ま
しいことが示された。
【0036】DCの臨床応用においては、調製できる DC
数も重要な課題である。これまでの臨床試験では、DCの
前駆細胞から DCを誘導する培養系における蛋白成分と
して、自己血漿、自己血清、場合によっては FCSが使用
されてきた (14-22)。FCS中には DCの機能に影響を与え
る異種蛋白などの物質が含まれているため、臨床応用に
向けての DCの調製においてはその使用は避けるべきで
あろう。また、同種血漿あるいは同種血清も未知の感染
症を引き起こす可能性がある。これらのことからでは、
自己血漿あるいは自己血清の使用が最も危険性が少ない
ということになる。しかし、図2に示したように、自己
血漿あるいは自己血清の 0.1%から 10%までの濃度依存
性の実験の結果では、DCの調製のための自己血漿あるい
は自己血清の至適濃度には個人差が認められた。また、
図 3に示したように、自己血漿あるいは自己血清は同一
個体であっても、採取時期が異なると、得られる DC数
も随分異なることが判明した。以上のことは、DCを用い
たワクチン療法において、自己血漿あるいは自己血清を
使用して DCを調製する場合には、採取時期の異なるい
くつかのサンプルの中からの DCの調製に至適な血漿あ
るいは血清の選択とそれらの至適濃度の決定をワクチン
療法に先立って検討しなければならないことを示唆して
いる。そこで、本発明者は CD14+細胞から DCを安定し
て調製できる培養条件を探索した。様々な条件を検討
し、自己血漿あるいは自己血清の代わりに HSAが使用で
きることを見出した。試験した 10人それぞれにおい
て、約2% HSAは最大数の DCの誘導を支持した。また、1
0人全体を統計学的に検討してみると、約2% HSAはどの
濃度の自己血漿あるいは自己血清と比べても、より多く
の DCの調製を支持した。これらの観察から、約2% HSA
で DCの調製を行えば、ワクチン療法を開始する前に、
個々の患者において、至適条件を決定するための検討を
する必要性はないと思われる。
【0037】本発明者は HSAを含む培養系で調製された
DCの生物学的特性に変化はなかった。すなわちHSAを含
む培養系で調製された DCの貪食能は、自己血漿あるい
は自己血清を用いて調製された DCと同等であったし、M
HC分子や co-stimulatory分子などの発現も自己血漿あ
るいは自己血清を用いて調製された DCと同等であっ
た。これらのことはまた、HSAの使用の有用性を示して
いると思われる。本発明者は、マウスモデルを用いて、
c-erbB2/HER2/neu原癌遺伝子由来の HER2が腫瘍拒絶抗
原であることと HLA-A2402への結合モチーフをももつ H
ER2p63 (TYLPTNASL)ペプチドが HER2の免疫原性の責任
ペプチドであることを報告してきた (25, 26)。そこ
で、HER2p63を使用して、HSAを含む培養系で調製された
DCの CTLの priming能を調べた。ELISPOTアッセイで検
討すると、HSAを含む培養系で調製された DCはペプチド
特異的に HER2特異的 CD8+細胞を誘導した。現在、本発
明者は、HER2発現腫瘍を持つ HLA-A2402+の患者に対し
て、HSAを含む培養系で調製され、HER2p63をパルスした
DCを用いた細胞免疫療法の臨床試験を計画中である。
【0038】
【発明の効果】本発明は以下の効果を有する。 1) 自己血漿あるいは自己血清の至適濃度には個人差が
あるが、HSAでは、10人で検討したが、個人差はなく 2%
が最適であり、癌ワクチン細胞療法のための DC調製に
先立ち、至適濃度を検討する必要がない。
【0039】2) 自己血漿あるいは自己血清は同一人で
あっても、採取時期が異なると、それらを用いて調製さ
れた DC数にばらつきが見られるため、癌ワクチン細胞
療法のための DCの調製前に、いくつか時期を変えて、
血漿あるいは血清を採取、保存し、それらの中から最適
なものを選ぶ必要がある。HSAを用いる場合には、この
ようなことは必要ない。
【0040】3) HSAでは ロット間の差はなく、いつで
も同等数の DCの調製が期待できる。 4) デキストランの貪食能、MHC分子や 共刺激(co-sti
mulatory)分子の発現、ペプチドパルスでの CD8+細胞
の誘導能については、HSAを用いて調製した DCが自己血
漿あるいは自己血清を用いて調製した DCと比べ、劣っ
ていることはない。
【0041】5) 自己血漿あるいは自己血清は、各施設
で分離し、保管する必要があるため、感染あるいは汚染
の危険性も高くなる。HSAは採取、保管する必要がな
い。すなわち、HSAの使用は自己血漿あるいは自己血清
の使用に比べ、体外での DCの調製においてより安全で
ある。
【0042】本明細書中に引用された参考文献は以下の
とおりである。 1) Pardoll DM: Cancer vaccines. Nature Med 4: 525-
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【図面の簡単な説明】
【図1】付着 CD14+、付着 CD14-、非付着 CD14+、非付
着 CD14- PBMCsの DC形成能。4x 107個の PBMCsを、付
着 CD14+、付着 CD14-、非付着 CD14+、非付着 CD14-
4群に分けた。ここでAdは付着を、またNon-Adは非付着
を示す。それぞれの分画を GM-CSFと IL-4を添加した 1
0% FCS添加RPMI 1640を用いて、5 x 104個/mlの濃度
で、24ウエルのプレートにて37 ℃で培養した。5日間の
培養後、細胞数を測定し、抗 CD1a抗体と抗 CD14抗体で
染色し、CD1a+CD14-細胞を DCとして算定した。結果は
5回の実験の内の代表的な 1つからのものである。
【図2】自己血漿、自己血清あるいは HSAの CD14+細胞
からの DCの誘導の支持能の比較。CD14+細胞を 5 x 104
個/mlで GM-CSFと IL-4を添加したRPMI 1640培地を用い
て、24ウエルの プレートにて37℃で培養した。5日間の
培養後、細胞を回収し、細胞数を測定し、抗 CD1a抗体
と抗 CD14抗体で染色した。(A) Case 6由来の培養細胞
を 1%自己血漿、1%自己血清、2% HSAで培養した後の FI
TC結合抗 CD1a抗体と PE結合抗 CD14抗体による二重染
色。本文中の"材料と方法"のところで述べたように、図
中のそれぞれの枠内の細胞を DCと見なした。(B) 健常
人 10人(Case 1〜Case 10)における 0.1%、1%、2%、5
%、10%の自己血漿あるいは自己血清または 0.1%、0.5
%、1%、2%、5%の HSA存在下で誘導される CD14+細胞由
来の DC数。データは 3個の平均で示してある。2% HSA
で得られる DC数は、どの濃度の自己血漿あるいは自己
血清で得られる DC数より有意に高い (paired t-test検
定でP<0.01)。
【図3】採取時期の異なる自己血漿あるいは自己血清の
CD14+細胞から DCへの誘導に対する影響。Case 3と Ca
se 5由来の CD14+細胞を 24ウエルのプレートにて 5 x1
05個/mlの濃度で GM-CSFと IL-4を添加したRPMI 1640培
地を用いて37℃で培養した。培養 5日後に、細胞を回収
し、DC数を算定した。5つの異なった自己血漿と自己血
清は少なくとも 1週間以上の間隔を開けて、6ヶ月以上
掛けて採取した。自己血漿と自己血清は 1%で、HSAは 2
%で添加した。データは 3つの平均であり、10% FCSで得
られたデータを 100%として、換算した。2% HSAとの差
が 一対の t-test検定で、*印は P<0.01、†印は P<0.
05である。
【図4】GM-CSFと IL-4存在下で自己血漿、自己血清あ
るいは HSAを含む培養系で誘導された DCの FITC-デキ
ストランの取り込み。RPMI 1640培養系には自己血漿は
1%、自己血清は 1%、HSAは 2%で添加した。細胞を FITC
-デキストランと 1時間、4℃あるいは 37℃で反応さ
せ、冷却 PBSで 3回洗浄後、FACScanで解析した。図2A
で示したように自己血漿、自己血清あるいは HSAを含む
培養系ではマクロファージは誘導されないため、解析は
回収された全細胞で行った。点線が 4℃における FITC-
デキストランの取り込みを示しており、実線が 37℃に
おける FITC-デキストランの取り込みを示している。結
果は 4回の実験の内の代表的な 1つからのものである。
【図5】FCS、自己血漿、自己血清あるいは HSAを含む
培養で誘導された DCの形質の解析。Case 6由来の CD14
+細胞を 24ウエルのプレートに 5 x 105個/mlの濃度で
GM-CSFと IL-4を添加したRPMK 1640培養系にて37℃で5
日間培養し、さらに 2日間TNF-αを加えて培養した。FC
Sは 10%で、自己血漿と自己血清は 1%で、HSAは 2%で添
加した。培養 7日後に、細胞を回収し、図に示したモノ
クローナル抗体で染色した。図の左に CD1a-FITCと CD1
4-PEで染色したドットプロットを示した。形質発現は図
の左の CD1a-FITCと CD14-PEの ドットプロットの中に
示した枠内の細胞について解析した。点線がコントロー
ル抗体での解析結果を示しており、実線が用いたモノク
ローナル抗体での解析結果を示している。結果は 8回の
実験の内の代表的な 1つからのものである。
【図6】HER2p63ペプチドをパルスした自己 DCを用いて
の ELISPOTアッセイ。HLA-A2402+の Case 3と Case 8か
ら自己 DCを調製した。CD14+細胞を 24ウエルのプレー
トに 5 x 105個/mlの濃度で、GM-CSFと IL-4を添加した
RPMI 1640培養系にて37℃で 5日間培養し、さらに 2日
間 TNF-αを加えて培養した。FCSは 10%で、自己血漿と
自己血清は 1%で、HSAは 2%で添加した。培養 7日後
に、細胞を回収し、アッセイに賦した。HER2p63をパル
スした DCで得られたスポット数とペプチドをパルスし
ていない DCで得られたスポット数の差を HER2p63特異
的なリンパ球とした。それぞれの棒グラフは 3つの wel
lで行った 2 x 105個の PBMCsあたりのスポット数の 平
均±標準偏差(SD)を示している。異なった 4種類の方
法で調製した DC間で得られた IFN-γ特異的な スポッ
ト数の間には、t-test検定で差を認めなかった。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血清または血漿を含まずヒト血清アルブ
    ミン(HSA)を含有する動物細胞培養培地にてヒト末梢
    血単核球であるCD14+細胞を含む細胞を培養し、生成し
    た樹状細胞を回収することを含む、樹状細胞の調製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記HSAが培地あたり2±0.5%(w/v)の
    濃度で含有する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記HSAが培地あたり2±0.4%(w/v)の
    濃度で含有する、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記HSAが培地あたり2±0.3%(w/v)の
    濃度で含有する、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記HSAが培地あたり2±0.2%(w/v)の
    濃度で含有する、請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記HSAの濃度が培地あたり2±0.1%(w
    /v)である、請求項2記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記培地が、カルシウム、カリウム、マ
    グネシウムおよびナトリウム金属塩、D-グルコース、グ
    ルタチオン(還元型)、必須L-アミノ酸(20種)、ビオ
    チン、パントテン酸カルシウム、塩化コリン、葉酸、i-
    イノシトール、ニコチンアミド、p-アミノ安息香酸、塩
    酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミ
    ン類(B12など)、フェノールレッドを含有する、請求
    項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記培地がさらにサイトカインを含有す
    る、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記サイトカインがコロニー刺激因子お
    よびインターロイキンを含む、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記コロニー刺激因子およびインター
    ロイキンがGM-CSFおよびIL-4からなる、請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 前記培地がさらに樹状細胞成熟化因子
    を含有する、請求項8、9または10記載の方法
  12. 【請求項12】 前記樹状細胞成熟化因子がTNF-αであ
    る、請求項11記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113249322A (zh) * 2021-05-18 2021-08-13 蓝莲(杭州)生物科技有限公司 一种dc细胞的培养液及其培养方法

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