JP2002238109A - リニアモーターカーの駆動推進制御システム - Google Patents

リニアモーターカーの駆動推進制御システム

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リニアモーターカーの駆動推進制御システム
の大幅な小型軽量化と低コスト化を図る。 【解決手段】 地上側に駆動推進用の電磁コイル305
を、車両側に永久磁石106をそれぞれ設け、電磁コイ
ル305は移動方向に対して線形状に配置し、各電磁コ
イルはスリップレール301,302,303に梯子状
に並列に結線し、隣り合う電磁コイルの極性は交互に異
なる巻線方向の接続あるいは交差接続とし、車両側の永
久磁石106は隣り合う極性が90°ずつ回転する向き
で電磁コイルと対向する位置に配置し、前記電磁コイル
に給電と制御をするための電力変換器102を車両側に
設け、この電力変換器に商用周波数の交流電源を給電す
るための別のスリップレール201,202を地上側に
設け、各スリップレール間で電力を授受するための集電
・摺動接触装置103,104,107,108,10
9はいずれも車両側に複数設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモーターカ
ーの駆動推進制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地上一次式の超電導リニアモータ
ーカーの駆動推進システムとしては、以下に示すような
ものがあった。
【0003】図6はかかる従来の超電導リニアモーター
カーの駆動推進システムの概略構成図である。
【0004】この図において、1は超電導リニアモータ
ーカー、2はその超電導リニアモーターカー1に搭載さ
れる超電導磁石、3はその超電導磁石に接続される冷凍
機と圧縮器、4は超電導リニアモーターカー1に搭載さ
れる集電コイル、5はその集電コイル4に接続される発
電力変換器、6はガスタービン式発電用エンジン、
7は発電機、8はバッテリーである。
【0005】一方、地上側には、電力・周波数変換器1
1、区分開閉器12、電磁コイル13が配置されてい
る。
【0006】このように、地上側に駆動推進用の電磁コ
イル13を設け、この電磁コイル13に給電と制御を行
う電力・周波数変換器11を設け、一方、車両側に超電
導磁石2を設け、車両側の消費電力の確保は集電コイル
4を介して行うようにしていた。すなわち、車両側と地
上側との電力の授受についてスリップレールを介する駆
動推進システムが無かった。また、この逆の構成も無か
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た地上一次式超電導リニアモーターカーの駆動推進シス
テムでは、地上側に多数の電力周波数変換器と、区分開
閉器を延々と配置し、車両側には超電導磁石を設ける必
要があるため、そのシステムが大型化し、コストの面で
も省エネルギーの面でも難があった。
【0008】本発明は、上記問題点を除去し、リニアモ
ーターカーの駆動推進制御システムの大幅な小型軽量化
と低コスト化を図ることができるリニアモーターカーの
駆動推進制御システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕リニアモーターカーの駆動推進制御システムにお
いて、地上側に車両駆動推進用電磁コイルを、車両側に
永久磁石をそれぞれ設け、地上側の第1のスリップレー
ルから車両側の第1の集電・摺動接触装置を介して直流
電力を受電し、この受電した直流電力を電力変換器によ
り単相または3相交流電力に変換し、この変換された単
相または3相交流電力を車両側の第2の集電・摺動接触
装置を介して地上側の第2のスリップレールに給電し、
前記車両駆動推進用電磁コイルは移動方向に対して線形
状に配置し、この各電磁コイルは前記第2のスリップレ
ールに梯子状に並列に結線し、単相においては、隣り合
う電磁コイルの極性は交互に異なる巻線方向の接続と
し、3相においては、U相,V相,W相の順に連なる電
磁コイルを配置し、前記永久磁石は隣り合う極性が交互
に異なる向きで前記電磁コイルと対向する位置に配置
し、前記電磁コイルの両側には短絡環状の誘導コイルを
線形状に配置したモノレールとし、これら地上側の各コ
イルの複数個と各スリップレールを1組のコイルユニッ
トとし、この1組のコイルユニットはモノレール状のベ
ースに対し一体的に取り付け、前記ベースを地上側に連
続的に敷設することを特徴とする。
【0010】〔2〕上記〔1〕記載のリニアモーターカ
ーの駆動推進制御システムにおいて、前記第1および第
2の集電・摺動接触装置は編成列車当たり所定距離を隔
てて編成の前後に2組以上配置することを特徴とする。
【0011】〔3〕上記〔1〕記載のリニアモーターカ
ーの駆動推進制御システムにおいて、前記集電・摺動接
触装置とスリップレールとの接触は、板状で剛体のスリ
ップレールに対し摺動集電体を両面から押し当てて挟み
込まれる方式とすることを特徴とする。
【0012】〔4〕上記〔1〕記載のリニアモーターカ
ーの駆動推進制御システムにおいて、前記永久磁石の配
列としてハルバッハ配列を用いることを特徴とする。
【0013】〔5〕上記〔1〕記載のリニアモーターカ
ーの駆動推進制御システムにおいて、停止時あるいは低
速移動時の車両の支持と案内は車輪で行い、高速移動時
の車両の支持と案内は地上側の誘導コイルで非接触に行
い、駆動推進の制御は車両側を介して行うことを特徴と
する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、詳細に説明する。
【0015】図1は本発明の実施例を示すリニアモータ
ーカーの駆動推進制御システムの概略構成図である。な
お、図1では浮上及び案内機構については省略されてい
る。
【0016】この図に示すように、101はリニアモー
ターカー(車両)であり、このリニアモーターカー10
1には、電力変換器102が設けられ、この電力変換器
102は受電される直流電力を単相又は3相交流電力に
変換する。ここで、車両側には、地上側の給電用のスリ
ップレール201,202と接続される第1の集電・摺
動接触装置103,104、車両走行制御装置105
A、磁気・位置検出器105B、永久磁石106、電力
変換器102を有し、電力変換器102の出力側には、
単相又は3相交流電力線、地上側の車両駆動推進用スリ
ップレール(単相の場合には、301,302)、(3
相の場合には、301,302,303)に接続される
第2の集電・摺動接触装置(単相の場合には、107,
108)(3相の場合には、107,108,109)
が設けられている。
【0017】すなわち、地上側には、給電用のスリップ
レール201,202の他に、車両駆動推進用スリップ
レール301,302(3相の場合には、301,30
2,303)が敷設され、この車両駆動推進用スリップ
レール301,302(3相の場合には、301,30
2,303)には梯子状に並列に結線される駆動推進用
電磁コイル(シンクロナスモータの固定子と均等)30
5が設けられる。地上側には、区分絶縁端子304が配
置される。
【0018】また、第1及び第2の集電・摺動接触装置
は、車両側の所定距離Lをおいて、編成の前後2箇所以
上で集電を行い、並列接続により、給電電圧の低下を防
止するとともに、いずれか一方の集電・摺動接触装置が
損傷しても、もう一方の集電・摺動接触装置によってバ
ックアップできるように構成されている。
【0019】また、第2の集電子107,108,10
9の場合は、2箇所の間にある地上側コイルに対し、電
力を集中的に供給できる配置である。
【0020】更に、磁気・位置検出器105Bは、例え
ば、ホール素子を用いた磁気センサからなり、電磁コイ
ルの磁界の極性を検知するとともに、区分絶縁端子30
4を基準として、その磁界の極性の検知数をカウントす
ることにより、区分絶縁端子304を基準とした車両の
走行距離を検出することができる。
【0021】また、第1の集電・摺動接触装置103,
104からの受電により得られた電力は、車両101内
の負荷に給電することができる。
【0022】図2は本発明の実施例を示すリニアモータ
ーカーの駆動推進制御システムのスリップレールと集電
・摺動接触装置の模式図である。
【0023】この図において、400はスリップレール
の地上側固定部であり、路盤側に取り付けられる取り付
けネジ401、碍子(絶縁体)本体部402を有し、そ
の碍子(絶縁体)本体部402には外方に開口する空洞
部403が形成され、その空洞部403の内壁に衝撃吸
収カバー404を介してコ字形状の板状で剛体からなる
スリップレール201,202,301,302(3相
の場合には、301,302,303)が設けられてい
る。このスリップレール201,202,301,30
2(3相の場合には、301,302,303)に第1
および第2の集電・摺動接触装置103,104,10
7,108(3相の場合には、107,108,10
9)が接触する。この集電・摺動接触装置103,10
4,107,108(3相の場合には、107,10
8,109)は、外方に開いた2股形状の摺動接触部材
本体110の先端に設けられる接触子111と前記2股
形状の摺動接触部材本体110を外側にバイアスするよ
うに設けられるバネ部材112を備える。つまり、板状
で剛体からなるスリップレール201,202,30
1,302(3相の場合には、301,302,30
3)に対し2股形状の摺動接触部材本体110が両面か
ら押し当てて挟み込まれる方式としている。
【0024】このように構成することにより、第1及び
第2の集電・摺動接触装置103,104,107,1
08(3相の場合には、107,108,109)は空
洞部403内のコ字形状のスリップレール201,20
2,301,302(3相の場合には、301,30
2,303)に対して2股形状の摺動接触部材本体11
0に保持された接触子111により、振動条件下におい
ても、2点以上の接触を行わせることができるととも
に、バネ部材112により高い接触圧で接触させること
ができ、衝撃吸収カバー404によって走行中の離線現
象をより低減させることができる。
【0025】図3は本発明の実施例を示すリニアモータ
ーカーの軌道の構造及び車体の模式図である。
【0026】501は路盤、601はその路盤501上
に配置されるコイル一体形モノレールであり、このコイ
ル一体形モノレール601は、給電用母線603を内封
するモノレール枕602上に設置される。モノレール枕
602には、スリップレール201,202,301,
302(3相の場合には、301,302,303)が
設けられている。コイル一体形モノレール601の上方
には浮上・案内コイル604とその上方の中央部に駆動
推進用電磁コイル(3相シンクロナスモータの固定子と
均等)305を配置する。
【0027】一方、車両101は、コイル一体形モノレ
ール601を跨ぐような形状をなし、中央の内底部に永
久磁石(浮上・推進用コイル)106を配置する。
【0028】図4は本発明の他の実施例を示すリニアモ
ーターカーの駆動推進制御システムの概略構成図であ
る。なお、図3と同じ部分には同じ符号を付してそれら
の説明は省略する。
【0029】この実施例においては、第1実施例におけ
るスリップレール201,202における集電方式の変
更はないが、スリップレール301,302(3相の場
合には、301,302,303)における集電を集電
車輪方式とした点が相違する。
【0030】すなわち、車両101の脚部に集電車輪8
01を設け、路盤501に配置される車輪用集電レール
802,803に接触させて給電を行うようにしたもの
であり、例えば、スリップレール302や303をそれ
に置き替えることができる。
【0031】この場合、車体101が浮上中も、集電車
輪801は転がり車輪用集電レール802,803と接
触する方法である。
【0032】図5は本発明の実施例を示すリニアモータ
ーカーの浮上と案内機能を有するハルバッハ配列のコイ
ル構成を示す図である。
【0033】この図において、車両側に上部が庇状部分
を有する永久磁石106を配置し、図に示すように、浮
上・案内コイル604を励磁する。その庇状部分の下方
に対応するように、軌道側に浮上・案内コイル604を
配置する。
【0034】このように構成することにより、軌道側の
浮上・案内コイル604と車両側の永久磁石106の作
用により、車両を浮上・案内することができる。
【0035】なお、このハルバッハ配列の浮上方式は、
日経サイエンス2000年4月号、94〜99頁に記載
されている。
【0036】また、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0038】(1)リニアモーターカーの駆動推進制御
システムにおいて、路盤側の基礎構造物や側壁や電力変
電所設備の簡素化と小容量化と低コスト化を図ることが
できる。
【0039】(2)クエンチのない永久磁石を用いた浮
上高さの大きい浮上式駆動推進制御システムを実現する
ことができるため、クエンチ等の異常時において高速域
から車両が着地することを防ぐことができる。
【0040】(3)シンプルで、コイル配置が少なく、
エネルギー効率の高いリニアモータ用駆動推進システム
を実現することができる。
【0041】(4)モノレールベースに取付精度を要す
るコイルを一体化させたことにより、リニアモーターの
工場生産が可能になり、高価で高精度な現場作業量を簡
略化できるので、工事方法の簡略化と、コストの大幅な
低減が可能になる。
【0042】(5)実績ある新幹線等の従来電車技術で
システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すリニアモーターカーの駆
動推進制御システムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施例を示すリニアモーターカーの駆
動推進制御システムのスリップレールと集電・摺動接触
装置の模式図である。
【図3】本発明の実施例を示すリニアモーターカーの軌
道の構造及び車体の模式図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すリニアモーターカー
の駆動推進制御システムの概略構成図である。
【図5】本発明の実施例を示すリニアモーターカーのハ
ルバッハ配列のコイル構成を示す図である。
【図6】従来の超電導リニアモーターカーの駆動推進シ
ステムの概略構成図である。
【符号の説明】
101 リニアモーターカー(車両) 102 電力変換器 103,104 第1の集電・摺動接触装置 105A 車両走行制御装置 105B 磁気・位置検出器 106 永久磁石 107,108,109 第2の集電・摺動接触装置 110 2股形状の摺動接触部材本体 111 接触子 112 バネ部材 201,202 給電用のスリップレール 301,302,303 車両駆動推進用スリップレ
ール 304 区分絶縁端子 305 駆動推進用電磁コイル 400 スリップレールの固定部 401 取り付けネジ 402 碍子(絶縁体)本体部 403 空洞部 404 衝撃吸収カバー 501 路盤 601 コイル一体形モノレール 602 モノレール枕 603 給電用母線 604 浮上・案内コイル 801 集電車輪 802,803 車輪用集電レール
フロントページの続き (72)発明者 藤原 俊輔 神奈川県横浜市金沢区福浦3−8 東洋電 機製造株式会社内 Fターム(参考) 2D056 DA01 DA08 5H113 AA01 CC04 DB03 DB15 EE02 FF06 GG02 5H641 BB06 GG02 GG26 GG28 HH03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上側に車両駆動推進用電磁コイルを、
    車両側に永久磁石をそれぞれ設け、地上側の第1のスリ
    ップレールから車両側の第1の集電・摺動接触装置を介
    して直流電力を受電し、該受電した直流電力を電力変換
    器により単相又は3相交流電力に変換し、該変換された
    単相又は3相交流電力を車両側の第2の集電・摺動接触
    装置を介して地上側の第2のスリップレールに給電し、
    前記車両駆動推進用電磁コイルは移動方向に対して線形
    状に配置し、該各電磁コイルは前記第2のスリップレー
    ルに梯子状に並列に結線し、隣り合う電磁コイルの極性
    は交互に異なる巻線方向の接続とし、前記永久磁石は隣
    り合う極性が90°ずつ回転する向きで前記電磁コイル
    と対向する位置に配置し、前記電磁コイルの両側には短
    絡環状の誘導コイルを線形状に配置し、これら地上側の
    各コイルの複数個と各スリップレールを1組のコイルユ
    ニットとし、該1組のコイルユニットはモノレール状の
    ベースに対し一体的に取り付け、前記ベースを地上側に
    連続的に敷設することを特徴とするリニアモーターカー
    の駆動推進制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリニアモーターカーの駆
    動推進制御システムにおいて、前記第1および第2の集
    電・摺動接触装置は車両当たり所定距離を隔てて複数個
    配置することを特徴とするリニアモーターカーの駆動推
    進制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリニアモーターカーの駆
    動推進制御システムにおいて、前記集電・摺動接触装置
    とスリップレールとの接触は、板状で剛体のスリップレ
    ールに対し摺動集電体を両面から押し当てて挟み込まれ
    る方式とすることを特徴とするリニアモーターカーの駆
    動推進制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のリニアモーターカーの駆
    動推進制御システムにおいて、前記集電・摺動接触装置
    が集電車輪を併用することを特徴とするリニアモーター
    カーの駆動推進制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のリニアモーターカーの駆
    動推進制御システムにおいて、停止時あるいは低速移動
    時の車両の支持と案内は車輪で行い、高速移動時の車両
    の支持と案内は地上側の誘導コイルで非接触に行い、駆
    動推進の制御は車両側を介して行うことを特徴とするリ
    ニアモーターカーの駆動推進制御システム。
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