JP2002237630A - ガスレーザ装置用共振器 - Google Patents
ガスレーザ装置用共振器Info
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- JP2002237630A JP2002237630A JP2001034369A JP2001034369A JP2002237630A JP 2002237630 A JP2002237630 A JP 2002237630A JP 2001034369 A JP2001034369 A JP 2001034369A JP 2001034369 A JP2001034369 A JP 2001034369A JP 2002237630 A JP2002237630 A JP 2002237630A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 損失が少なく、かつ長寿命なガスレーザ装置
用共振器を提供する。 【解決手段】 レーザチャンバ(2)内部に封入した腐食
性のレーザガスを増幅部(23)で励起してレーザ光(11)を
発振させるガスレーザ装置(1)に用られる、ガスレーザ
装置用共振器において、凹面形状でノーコート状態の内
側面(8B)と、レーザ光(11)を全反射する全反射コーティ
ング(21)を施した凸面形状の外側面(8A)とを備えたリア
ミラー(8)を、レーザガスに内側面(8B)を接触させてレ
ーザチャンバ(2)の一端部に取着したことを特徴とする
ガスレーザ装置用共振器。
用共振器を提供する。 【解決手段】 レーザチャンバ(2)内部に封入した腐食
性のレーザガスを増幅部(23)で励起してレーザ光(11)を
発振させるガスレーザ装置(1)に用られる、ガスレーザ
装置用共振器において、凹面形状でノーコート状態の内
側面(8B)と、レーザ光(11)を全反射する全反射コーティ
ング(21)を施した凸面形状の外側面(8A)とを備えたリア
ミラー(8)を、レーザガスに内側面(8B)を接触させてレ
ーザチャンバ(2)の一端部に取着したことを特徴とする
ガスレーザ装置用共振器。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素レーザ装置
等の腐食性ガスをレーザ媒質として用いるガスレーザ装
置の共振器構造に関する。
等の腐食性ガスをレーザ媒質として用いるガスレーザ装
置の共振器構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に、従来技術に係るガスレーザ装
置101の構成図を示す。図10において、フッ素や塩
素などの腐食性を有するガスをレーザガスとして用いる
ガスレーザ装置101は、レーザガスを封入するレーザ
チャンバ102を備えている。レーザチャンバ102内
部の所定位置には放電電極124,125が設けられ、
主放電128によってレーザガスを励起し、レーザ光1
11を発振させる。放電電極124,125間に挟まれ
た空間を、増幅部123と言う。レーザチャンバ102
の両側壁には、レーザ光111が通過する通過孔13
1,131が設けられ、通過孔131,131の外側に
は、図示しないミラーホルダによってフロントミラー1
06及びリアミラー108が取着されている。レーザチ
ャンバ102の両側壁とミラー106,108との間
は、ベローズ134,134によって封止され、レーザ
ガスをレーザチャンバ102内部に封入した状態で、ミ
ラー106,108のレーザ光軸に対する角度を調整自
在となっている。
置101の構成図を示す。図10において、フッ素や塩
素などの腐食性を有するガスをレーザガスとして用いる
ガスレーザ装置101は、レーザガスを封入するレーザ
チャンバ102を備えている。レーザチャンバ102内
部の所定位置には放電電極124,125が設けられ、
主放電128によってレーザガスを励起し、レーザ光1
11を発振させる。放電電極124,125間に挟まれ
た空間を、増幅部123と言う。レーザチャンバ102
の両側壁には、レーザ光111が通過する通過孔13
1,131が設けられ、通過孔131,131の外側に
は、図示しないミラーホルダによってフロントミラー1
06及びリアミラー108が取着されている。レーザチ
ャンバ102の両側壁とミラー106,108との間
は、ベローズ134,134によって封止され、レーザ
ガスをレーザチャンバ102内部に封入した状態で、ミ
ラー106,108のレーザ光軸に対する角度を調整自
在となっている。
【0003】リアミラー108の内側面108Bには、
レーザ光111を全反射する全反射コーティング121
が施されている。また、フロントミラー106の内側面
106Bには、レーザ光111を所定の反射率で反射す
る部分反射コーティング122が施されている。これに
より、レーザチャンバ102の内部で発振したレーザ光
111は、リアミラー108の内側面108Bとフロン
トミラー106の内側面106Bとで反射され、両者の
間を往復する。レーザ光111は、その間に放電電極1
24,125間で増幅され、その一部がフロントミラー
106の部分反射コーティング122を透過して出射す
る。このとき、図10に示すように、リアミラー108
の内側面108B及びフロントミラー106の内側面1
06Bは所定の曲率を有した凹面となっている。これに
より、レーザ光111を内側に向けて反射し、レーザ光
111が増幅部123外に出ないように閉じ込めてい
る。フロントミラー106の内側面106Bは、フラッ
トの場合もある。
レーザ光111を全反射する全反射コーティング121
が施されている。また、フロントミラー106の内側面
106Bには、レーザ光111を所定の反射率で反射す
る部分反射コーティング122が施されている。これに
より、レーザチャンバ102の内部で発振したレーザ光
111は、リアミラー108の内側面108Bとフロン
トミラー106の内側面106Bとで反射され、両者の
間を往復する。レーザ光111は、その間に放電電極1
24,125間で増幅され、その一部がフロントミラー
106の部分反射コーティング122を透過して出射す
る。このとき、図10に示すように、リアミラー108
の内側面108B及びフロントミラー106の内側面1
06Bは所定の曲率を有した凹面となっている。これに
より、レーザ光111を内側に向けて反射し、レーザ光
111が増幅部123外に出ないように閉じ込めてい
る。フロントミラー106の内側面106Bは、フラッ
トの場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、フッ
素等の腐食性ガスをレーザガスとして用いる場合には、
ミラー106,108の内側面106B,108Bが腐
食性ガスに触れる。そのため、ミラー106,108の
内側面106B,108Bに施されたコーティング12
1,122が腐食性ガスによって劣化してレーザ光11
1を吸収し、ミラー106,108が汚損されてその寿
命が短くなるという問題がある。このような劣化は、紫
外線光によってさらに促進され、レーザ光111が紫外
線波長である場合に特に顕著である。
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、フッ
素等の腐食性ガスをレーザガスとして用いる場合には、
ミラー106,108の内側面106B,108Bが腐
食性ガスに触れる。そのため、ミラー106,108の
内側面106B,108Bに施されたコーティング12
1,122が腐食性ガスによって劣化してレーザ光11
1を吸収し、ミラー106,108が汚損されてその寿
命が短くなるという問題がある。このような劣化は、紫
外線光によってさらに促進され、レーザ光111が紫外
線波長である場合に特に顕著である。
【0005】また、コーティング121,122の劣化
を防ぐ技術として、図11に示すように、レーザ光11
1を透過するウィンドウ107,109をミラー10
6,108の代わりに配設し、ウィンドウ107,10
9の両外側にミラー106,108を配置する外部共振
器型のガスレーザ装置101が知られている。しかしな
がら、外部共振器型のガスレーザ装置101において
は、ウィンドウ107,109の外側にミラー106,
108を配置することにより、ミラー106,108の
間隔dが長くなる。その結果、フレネル数nFが小さく
なって回折損失が増大してしまい、利得(ゲイン)の小
さなエキシマレーザ装置やフッ素レーザ装置において
は、外部共振器型では充分な出力を得られないという問
題がある。尚、フレネル数nFは(a・a)/(d・
λ)で表され、aはレーザ光111のビーム径、λはレ
ーザ光111の波長である。
を防ぐ技術として、図11に示すように、レーザ光11
1を透過するウィンドウ107,109をミラー10
6,108の代わりに配設し、ウィンドウ107,10
9の両外側にミラー106,108を配置する外部共振
器型のガスレーザ装置101が知られている。しかしな
がら、外部共振器型のガスレーザ装置101において
は、ウィンドウ107,109の外側にミラー106,
108を配置することにより、ミラー106,108の
間隔dが長くなる。その結果、フレネル数nFが小さく
なって回折損失が増大してしまい、利得(ゲイン)の小
さなエキシマレーザ装置やフッ素レーザ装置において
は、外部共振器型では充分な出力を得られないという問
題がある。尚、フレネル数nFは(a・a)/(d・
λ)で表され、aはレーザ光111のビーム径、λはレ
ーザ光111の波長である。
【0006】さらに、図11に示すように、ウィンドウ
107,109の内側面107B,109Bにはコーテ
ィング121,122が施されていない。そのため、レ
ーザ光111の一部111Aが内側面107B,109
Bで反射し、増幅部123外へ漏れてしまうという問題
がある。この漏れたレーザ光111Aは損失となり、レ
ーザ光111の発振効率を低下させて出力を低下させ
る。
107,109の内側面107B,109Bにはコーテ
ィング121,122が施されていない。そのため、レ
ーザ光111の一部111Aが内側面107B,109
Bで反射し、増幅部123外へ漏れてしまうという問題
がある。この漏れたレーザ光111Aは損失となり、レ
ーザ光111の発振効率を低下させて出力を低下させ
る。
【0007】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、損失が少なく、かつ長寿命なガスレーザ装
置用共振器を提供することを目的としている。
ものであり、損失が少なく、かつ長寿命なガスレーザ装
置用共振器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、本発明は、レーザチャンバ内部に
封入した腐食性のレーザガスを増幅部で励起してレーザ
光を発振させるガスレーザ装置に用られる、ガスレーザ
装置用共振器において、レーザチャンバの少なくとも一
端部に、凹面形状でノーコート状態の内側面を備えた光
学部品を、レーザガスに内側面を接触させて取着してい
る。かかる構成によれば、コーティングが腐食性ガスに
触れることがないので、コーティングが腐食性ガスによ
って汚損されることが少ない。従って、レーザ光の発振
効率が向上し、出力が増大するとともに、光学部品の寿
命が延びる。また、光学部品の内側面を凹面としている
ので、光学部品内側面で反射したレーザ光の成分が、増
幅部に確実に戻る。これにより、損失が小さくなるた
め、レーザ光の発振効率が向上し、出力が増大する。
的を達成するために、本発明は、レーザチャンバ内部に
封入した腐食性のレーザガスを増幅部で励起してレーザ
光を発振させるガスレーザ装置に用られる、ガスレーザ
装置用共振器において、レーザチャンバの少なくとも一
端部に、凹面形状でノーコート状態の内側面を備えた光
学部品を、レーザガスに内側面を接触させて取着してい
る。かかる構成によれば、コーティングが腐食性ガスに
触れることがないので、コーティングが腐食性ガスによ
って汚損されることが少ない。従って、レーザ光の発振
効率が向上し、出力が増大するとともに、光学部品の寿
命が延びる。また、光学部品の内側面を凹面としている
ので、光学部品内側面で反射したレーザ光の成分が、増
幅部に確実に戻る。これにより、損失が小さくなるた
め、レーザ光の発振効率が向上し、出力が増大する。
【0009】また、本発明は、凹面形状でノーコート状
態の内側面を備えた光学部品がレーザ光を全反射するリ
アミラーであり、リアミラーの外側面を凸面形状として
いる。かかる構成によれば、リアミラーの内側面を凹面
とし、外側面を凸面形状としているので、内側面で反射
されたレーザ光も外側面で反射されたレーザ光も、いず
れも増幅部に戻るようになる。これにより、損失が小さ
くなるため、レーザ光の発振効率が向上し、出力が増大
する。
態の内側面を備えた光学部品がレーザ光を全反射するリ
アミラーであり、リアミラーの外側面を凸面形状として
いる。かかる構成によれば、リアミラーの内側面を凹面
とし、外側面を凸面形状としているので、内側面で反射
されたレーザ光も外側面で反射されたレーザ光も、いず
れも増幅部に戻るようになる。これにより、損失が小さ
くなるため、レーザ光の発振効率が向上し、出力が増大
する。
【0010】また、本発明は、凹面形状でノーコート状
態の内側面を備えた光学部品が、レーザ光を部分反射す
るフロントミラー、及びレーザ光を全反射するリアミラ
ーであり、レーザチャンバの一端部に外側面を凸面形状
としたフロントミラーを他端部に外側面を凸面形状とし
たリアミラーを、それぞれ取着している。かかる構成に
よれば、リアミラーとフロントミラーとをレーザガスに
接触させているので、ウィンドウをミラー間に用いる場
合に比べて共振器長が短くなり、回折損失が低減してレ
ーザ光の出力が増加する。
態の内側面を備えた光学部品が、レーザ光を部分反射す
るフロントミラー、及びレーザ光を全反射するリアミラ
ーであり、レーザチャンバの一端部に外側面を凸面形状
としたフロントミラーを他端部に外側面を凸面形状とし
たリアミラーを、それぞれ取着している。かかる構成に
よれば、リアミラーとフロントミラーとをレーザガスに
接触させているので、ウィンドウをミラー間に用いる場
合に比べて共振器長が短くなり、回折損失が低減してレ
ーザ光の出力が増加する。
【0011】また、本発明は、前記光学部品の外側面の
曲率と内側面との曲率とを略一致させている。これによ
り、光学部品の外側面と内側面では反射したレーザ光と
が、略同一の光路を通って増幅部に戻る。これにより、
レーザ光の光路が安定し、レーザのビームプロファイル
の強度分布が常に一定となる。
曲率と内側面との曲率とを略一致させている。これによ
り、光学部品の外側面と内側面では反射したレーザ光と
が、略同一の光路を通って増幅部に戻る。これにより、
レーザ光の光路が安定し、レーザのビームプロファイル
の強度分布が常に一定となる。
【0012】また、本発明は、前記光学部品の外側面
に、レーザ光を所定の比率で反射又は透過するコーティ
ングを施している。これにより、レーザ光の透過率又は
反射率を、常に所望する値に定めることができ、ガスレ
ーザ装置の設計が容易になる。さらには、リアミラーの
場合には外側面に全反射コーティングを施すが、これに
よってレーザ光がリアミラーを透過して失われることが
なく、出力の低下が防止できる。
に、レーザ光を所定の比率で反射又は透過するコーティ
ングを施している。これにより、レーザ光の透過率又は
反射率を、常に所望する値に定めることができ、ガスレ
ーザ装置の設計が容易になる。さらには、リアミラーの
場合には外側面に全反射コーティングを施すが、これに
よってレーザ光がリアミラーを透過して失われることが
なく、出力の低下が防止できる。
【0013】また、本発明は、前記ガスレーザ装置が、
マイクロ波によって励起されるマイクロ波励起ガスレー
ザ装置である。マイクロ波励起ガスレーザ装置は、利得
が非常に小さく、発振するレーザ光の出力が小さい。本
発明による共振器を用いることにより、損失を小さくし
て、出力を増大させることが可能である。
マイクロ波によって励起されるマイクロ波励起ガスレー
ザ装置である。マイクロ波励起ガスレーザ装置は、利得
が非常に小さく、発振するレーザ光の出力が小さい。本
発明による共振器を用いることにより、損失を小さくし
て、出力を増大させることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1に、第1実施形態に係るエキシマレー
ザ装置1の共振器の構成図を示す。図1において、エキ
シマレーザ装置1は、フッ素を含むレーザガスを封入し
たレーザチャンバ2を備えている。レーザチャンバ2の
両側壁には、レーザ光11が通過する通過孔31,31
が設けられている。通過孔31,31の外側には、フロ
ントミラー6及びリアミラー8を固定するミラーホルダ
20,20が、固定ネジ19によって固定されている。
ミラー6,8とミラーホルダ20,20との間は、Oリ
ング33,33によって封止されている。
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1に、第1実施形態に係るエキシマレー
ザ装置1の共振器の構成図を示す。図1において、エキ
シマレーザ装置1は、フッ素を含むレーザガスを封入し
たレーザチャンバ2を備えている。レーザチャンバ2の
両側壁には、レーザ光11が通過する通過孔31,31
が設けられている。通過孔31,31の外側には、フロ
ントミラー6及びリアミラー8を固定するミラーホルダ
20,20が、固定ネジ19によって固定されている。
ミラー6,8とミラーホルダ20,20との間は、Oリ
ング33,33によって封止されている。
【0015】図1に示すように、フロントミラー6及び
リアミラー8は、ともに凸面形状の外側面6A,8Aと
凹面形状の内側面6B,8Bとから構成されている。そ
して、いずれも内側面6B,8Bがレーザチャンバ2側
に向くように、ミラーホルダ20,20に固定されてい
る。レーザチャンバ2の両側壁とミラーホルダ20との
間は、ベローズ34,34によって封止され、レーザガ
スをレーザチャンバ2内部に封入した状態で、ミラー
6,8のレーザ光軸に対する角度を調整自在となってい
る。
リアミラー8は、ともに凸面形状の外側面6A,8Aと
凹面形状の内側面6B,8Bとから構成されている。そ
して、いずれも内側面6B,8Bがレーザチャンバ2側
に向くように、ミラーホルダ20,20に固定されてい
る。レーザチャンバ2の両側壁とミラーホルダ20との
間は、ベローズ34,34によって封止され、レーザガ
スをレーザチャンバ2内部に封入した状態で、ミラー
6,8のレーザ光軸に対する角度を調整自在となってい
る。
【0016】フロントミラー6及びリアミラー8は、フ
ッ素に耐性を有するフッ化カルシウム(CaF2)等の
材質で形成されており、内側面6B,8Bにはコーティ
ングが施されていない。このように、光学部品にコーテ
ィングを施さずに、材質をむき出しにした状態を、ノー
コートという。一方、リアミラー8の外側面8Aには、
その内側面8B側から進行してきたレーザ光11を全反
射する全反射コーティング21が施されている。また、
フロントミラー6の外側面6Aには、その内側面6B側
から進行してきたレーザ光11を部分反射し、一部を透
過する部分反射コーティング22が施されている。この
とき、フロントミラー6の、外側面6Aの曲率半径と内
側面6Bの曲率半径とは、略同一となるように構成され
ている。或いは、フロントミラー6の外側面6Aの曲率
中心と内側面6Bの曲率中心とが略一致するように、外
側面6Aの曲率半径をわずかに大きくしてもよい。上記
のような外側面6Aの曲率半径と内側面6Bの曲率半径
との関係は、リアミラー8についても同様であり、曲率
半径を略一致させるか、曲率中心を略一致させるように
するのがよい。
ッ素に耐性を有するフッ化カルシウム(CaF2)等の
材質で形成されており、内側面6B,8Bにはコーティ
ングが施されていない。このように、光学部品にコーテ
ィングを施さずに、材質をむき出しにした状態を、ノー
コートという。一方、リアミラー8の外側面8Aには、
その内側面8B側から進行してきたレーザ光11を全反
射する全反射コーティング21が施されている。また、
フロントミラー6の外側面6Aには、その内側面6B側
から進行してきたレーザ光11を部分反射し、一部を透
過する部分反射コーティング22が施されている。この
とき、フロントミラー6の、外側面6Aの曲率半径と内
側面6Bの曲率半径とは、略同一となるように構成され
ている。或いは、フロントミラー6の外側面6Aの曲率
中心と内側面6Bの曲率中心とが略一致するように、外
側面6Aの曲率半径をわずかに大きくしてもよい。上記
のような外側面6Aの曲率半径と内側面6Bの曲率半径
との関係は、リアミラー8についても同様であり、曲率
半径を略一致させるか、曲率中心を略一致させるように
するのがよい。
【0017】ミラー6,8間には、一組の放電電極2
4,25が、対向して配置されている。放電電極24,
25に挟まれた空間を、増幅部23と呼ぶ。増幅部23
には、図示しないブロアによって図1中紙面と垂直方向
に、例えば奥から手前に向かってレーザガスが送り込ま
れる。図示しない高圧電源から放電電極24,25間に
高電圧を印加することによって、放電電極24,25間
に主放電28が生じ、レーザガスが励起されてレーザ光
11が図1中左右方向に発生する。発生したレーザ光1
1は、ミラー6,8間で反射されるうちに主放電28に
よって増幅され、その一部がフロントミラー6を透過し
てエキシマレーザ装置1の前方(図1中右方)に出射す
る。
4,25が、対向して配置されている。放電電極24,
25に挟まれた空間を、増幅部23と呼ぶ。増幅部23
には、図示しないブロアによって図1中紙面と垂直方向
に、例えば奥から手前に向かってレーザガスが送り込ま
れる。図示しない高圧電源から放電電極24,25間に
高電圧を印加することによって、放電電極24,25間
に主放電28が生じ、レーザガスが励起されてレーザ光
11が図1中左右方向に発生する。発生したレーザ光1
1は、ミラー6,8間で反射されるうちに主放電28に
よって増幅され、その一部がフロントミラー6を透過し
てエキシマレーザ装置1の前方(図1中右方)に出射す
る。
【0018】図2に、リアミラー8の近傍の詳細図を示
す。図2に示すように、リアミラー8で全反射されるレ
ーザ光11の大部分(約96%)の成分11Aは、内側
面8Bを透過して外側面8Aに形成された全反射コーテ
ィング21によって、レーザチャンバ2内部へ反射さ
れ、増幅部23で再増幅される。一方、レーザ光11の
残りの成分11Bは、外側面8Aと略同一の曲率半径を
有する内側面8Bで、上記外側面8Aで反射された大部
分のレーザ光11Aと同様の角度で反射される。そし
て、外側面8Aで反射されたレーザ光11と同様の光路
を辿ってレーザチャンバ2内部へ戻り、増幅部23で再
増幅される。
す。図2に示すように、リアミラー8で全反射されるレ
ーザ光11の大部分(約96%)の成分11Aは、内側
面8Bを透過して外側面8Aに形成された全反射コーテ
ィング21によって、レーザチャンバ2内部へ反射さ
れ、増幅部23で再増幅される。一方、レーザ光11の
残りの成分11Bは、外側面8Aと略同一の曲率半径を
有する内側面8Bで、上記外側面8Aで反射された大部
分のレーザ光11Aと同様の角度で反射される。そし
て、外側面8Aで反射されたレーザ光11と同様の光路
を辿ってレーザチャンバ2内部へ戻り、増幅部23で再
増幅される。
【0019】図3に、フロントミラー6近傍の詳細図を
示す。図3に示すように、フロントミラー6に入射した
レーザ光11の大部分(約96%)の成分11Cは、内
側面6Bを透過する。そして、透過したレーザ光11C
のうち、一部は外側面6Aに施された部分反射コーティ
ング22によって、レーザチャンバ2内部へ反射されて
増幅部23で再増幅される。他は、部分反射コーティン
グ22を透過して、フロントミラー6から出射する。一
方、レーザ光11の残りの成分11Dは、外側面6Aと
略同一の曲率半径を有する内側面6Bで、上記外側面6
Aで反射された大部分のレーザ光11Cと同様の角度で
反射される。そして、外側面6Aで反射されたレーザ光
11と同様の光路を辿ってレーザチャンバ2内部へ戻
り、やはり増幅部23で再増幅される。
示す。図3に示すように、フロントミラー6に入射した
レーザ光11の大部分(約96%)の成分11Cは、内
側面6Bを透過する。そして、透過したレーザ光11C
のうち、一部は外側面6Aに施された部分反射コーティ
ング22によって、レーザチャンバ2内部へ反射されて
増幅部23で再増幅される。他は、部分反射コーティン
グ22を透過して、フロントミラー6から出射する。一
方、レーザ光11の残りの成分11Dは、外側面6Aと
略同一の曲率半径を有する内側面6Bで、上記外側面6
Aで反射された大部分のレーザ光11Cと同様の角度で
反射される。そして、外側面6Aで反射されたレーザ光
11と同様の光路を辿ってレーザチャンバ2内部へ戻
り、やはり増幅部23で再増幅される。
【0020】以上説明したように第1実施形態によれ
ば、リアミラー8及びフロントミラー6のフッ素に触れ
る内側面6B,6Bをノーコートとし、外側面8A,8
Aにコーティング21,22を施すようにしている。こ
れにより、コーティング21,22がフッ素等の腐食性
ガスに触れることがないので、コーティング21,22
が汚損してリアミラー8及びフロントミラー6の透過率
が低下したり、破損したりすることがない。従って、レ
ーザ光11の発振効率が向上し、出力が増大するととも
に、光学部品の寿命が延びる。
ば、リアミラー8及びフロントミラー6のフッ素に触れ
る内側面6B,6Bをノーコートとし、外側面8A,8
Aにコーティング21,22を施すようにしている。こ
れにより、コーティング21,22がフッ素等の腐食性
ガスに触れることがないので、コーティング21,22
が汚損してリアミラー8及びフロントミラー6の透過率
が低下したり、破損したりすることがない。従って、レ
ーザ光11の発振効率が向上し、出力が増大するととも
に、光学部品の寿命が延びる。
【0021】また、ミラー6,8の内側面6B,8Bを
凹面としている。即ち、図4に示すように、内側面8B
がフラットであれば、ミラー6,8間で往復を繰り返す
うちに、内側面8Bで反射したレーザ光11の一部11
Bが外側へと反射し、増幅部23から外れて損失とな
る。第1実施形態では、ミラー6,8の内側面6B,8
Bを凹面としたことにより、内側面6B,8Bで反射し
たレーザ光11の成分を、増幅部23に確実に戻してい
る。従って、同じフレネル数nFであっても、共振器に
おける損失が小さくなるため、レーザ光11の発振効率
が向上し、出力が増大する。しかも、ウィンドウをミラ
ー6,8の間に介在させていないので、ミラー間隔dを
短くして、フレネル数nFを小さくすることができ、回
折損失が小さくなる。これにより、効率良くレーザ光1
1を発振させることが可能となっている。
凹面としている。即ち、図4に示すように、内側面8B
がフラットであれば、ミラー6,8間で往復を繰り返す
うちに、内側面8Bで反射したレーザ光11の一部11
Bが外側へと反射し、増幅部23から外れて損失とな
る。第1実施形態では、ミラー6,8の内側面6B,8
Bを凹面としたことにより、内側面6B,8Bで反射し
たレーザ光11の成分を、増幅部23に確実に戻してい
る。従って、同じフレネル数nFであっても、共振器に
おける損失が小さくなるため、レーザ光11の発振効率
が向上し、出力が増大する。しかも、ウィンドウをミラ
ー6,8の間に介在させていないので、ミラー間隔dを
短くして、フレネル数nFを小さくすることができ、回
折損失が小さくなる。これにより、効率良くレーザ光1
1を発振させることが可能となっている。
【0022】また、リアミラー8及びフロントミラー6
の内側面6B,8Bの曲率を、それぞれの外側面6A,
8Aの曲率と略同一としている。これにより、外側面6
A,8Aで反射したレーザ光11Aと内側面6B,8B
で反射したレーザ光11Bとが略同一の光路を通るの
で、レーザ光11の光路が安定し、その強度分布が一定
となる。尚、内側面6B,8Bと外側面6A,8Aとの
曲率中心が略一致するようにすれば、レーザ光11A,
11Bがより一致した光路を通るので、尚良い。さらに
は、フロントミラー6の外側面6Aの曲率中心と、リア
ミラー8の外側面8Aの曲率中心とを一致させる共焦点
系共振器にすると、さらに損失が少なくなるので、より
好適である。尚、リアミラー8及びフロントミラー6、
或いはそのうちの一方が、1方向にのみ曲率を有するシ
リンドリカル形状をしていてもよい。
の内側面6B,8Bの曲率を、それぞれの外側面6A,
8Aの曲率と略同一としている。これにより、外側面6
A,8Aで反射したレーザ光11Aと内側面6B,8B
で反射したレーザ光11Bとが略同一の光路を通るの
で、レーザ光11の光路が安定し、その強度分布が一定
となる。尚、内側面6B,8Bと外側面6A,8Aとの
曲率中心が略一致するようにすれば、レーザ光11A,
11Bがより一致した光路を通るので、尚良い。さらに
は、フロントミラー6の外側面6Aの曲率中心と、リア
ミラー8の外側面8Aの曲率中心とを一致させる共焦点
系共振器にすると、さらに損失が少なくなるので、より
好適である。尚、リアミラー8及びフロントミラー6、
或いはそのうちの一方が、1方向にのみ曲率を有するシ
リンドリカル形状をしていてもよい。
【0023】図5に、第1実施形態に係るエキシマレー
ザ装置1の、他の実施例を示す。図5において、レーザ
チャンバ2とリアミラー8とは、図1と同様の構成を有
している。フロントミラー6は、内側面6B、外側面6
Aともにフラットな形状を有しており、その外側面6A
に図1と同様に部分反射コーティング22を施してい
る。これにより、フロントミラー6から出射するレーザ
光11は、図1に示したものに比べて発散角が小さくな
り、平行度が向上する。従って、集光性がよく、また断
面形状の変形が容易であり、加工に用いるに好適であ
る。また、リアミラー8を内側面8B、外側面8Aとも
にフラット形状とし、フロントミラー6の内側面6Bを
凹面、外側面6Aを凸面としてもよい。
ザ装置1の、他の実施例を示す。図5において、レーザ
チャンバ2とリアミラー8とは、図1と同様の構成を有
している。フロントミラー6は、内側面6B、外側面6
Aともにフラットな形状を有しており、その外側面6A
に図1と同様に部分反射コーティング22を施してい
る。これにより、フロントミラー6から出射するレーザ
光11は、図1に示したものに比べて発散角が小さくな
り、平行度が向上する。従って、集光性がよく、また断
面形状の変形が容易であり、加工に用いるに好適であ
る。また、リアミラー8を内側面8B、外側面8Aとも
にフラット形状とし、フロントミラー6の内側面6Bを
凹面、外側面6Aを凸面としてもよい。
【0024】次に、第2実施形態を説明する。図6は、
第2実施形態に係るマイクロ波励起型のエキシマレーザ
装置1の構成図を示している。図6において、エキシマ
レーザ装置1は、レーザ媒質であるレーザガスを循環さ
せるガス循環部4と、レーザガスを励起するためのマイ
クロ波30を発生させるマイクロ波発生部5と、レーザ
光11を発振させる増幅部26を内部に有するレーザチ
ャンバ2とを備えている。ガス循環部4は、レーザガス
が循環する風洞27を備えている。風洞27には、レー
ザガスを循環させてレーザチャンバ2に送り込むブロア
14と、レーザガスを冷却するための熱交換器3とが接
続されている。また、風洞27の一部は、接続をフレキ
シブルにするためにベローズ10で構成されている。
第2実施形態に係るマイクロ波励起型のエキシマレーザ
装置1の構成図を示している。図6において、エキシマ
レーザ装置1は、レーザ媒質であるレーザガスを循環さ
せるガス循環部4と、レーザガスを励起するためのマイ
クロ波30を発生させるマイクロ波発生部5と、レーザ
光11を発振させる増幅部26を内部に有するレーザチ
ャンバ2とを備えている。ガス循環部4は、レーザガス
が循環する風洞27を備えている。風洞27には、レー
ザガスを循環させてレーザチャンバ2に送り込むブロア
14と、レーザガスを冷却するための熱交換器3とが接
続されている。また、風洞27の一部は、接続をフレキ
シブルにするためにベローズ10で構成されている。
【0025】また、マイクロ波発生部5は、マイクロ波
30を発生させるマイクロ波発生器12と、マイクロ波
30をレーザチャンバ2内に伝搬するマイクロ波導波路
13と、アイソレータ15と、チューナ16とを備えて
いる。図示しない電源から供給される電力により、マイ
クロ波発生器12からマイクロ波30が発生する。一例
として、マイクロ波30の周波数は2.45GHzとし
ている。マイクロ波発生器12から発生したマイクロ波
30は、マイクロ波導波路13内を伝播し、T字管17
において、上方に進むマイクロ波30と下方に進むマイ
クロ波30とに分割される。このとき、それぞれのパワ
ーは、元のマイクロ波発生器12から発生したマイクロ
波30の1/2ずつとなる。上下のマイクロ波30,3
0は、それぞれマイクロ波30が逆戻りするのを防ぐア
イソレータ15,15を通過し、チューナ16,16を
通ることでインピーダンス整合を取られる。
30を発生させるマイクロ波発生器12と、マイクロ波
30をレーザチャンバ2内に伝搬するマイクロ波導波路
13と、アイソレータ15と、チューナ16とを備えて
いる。図示しない電源から供給される電力により、マイ
クロ波発生器12からマイクロ波30が発生する。一例
として、マイクロ波30の周波数は2.45GHzとし
ている。マイクロ波発生器12から発生したマイクロ波
30は、マイクロ波導波路13内を伝播し、T字管17
において、上方に進むマイクロ波30と下方に進むマイ
クロ波30とに分割される。このとき、それぞれのパワ
ーは、元のマイクロ波発生器12から発生したマイクロ
波30の1/2ずつとなる。上下のマイクロ波30,3
0は、それぞれマイクロ波30が逆戻りするのを防ぐア
イソレータ15,15を通過し、チューナ16,16を
通ることでインピーダンス整合を取られる。
【0026】レーザチャンバ2内部の増幅部23の構造
を、図7に示す。フロントミラー6及びリアミラー8を
それぞれ固定するミラーホルダ20,20の構造は、図
1に示したものと同様である。また、第1実施形態と同
様に、ミラー6,8の内側面6B,8Bは凹面形状を有
しており、外側面6A,8Aは凸面形状を有している。
そして、いずれも内側面6B,8Bを、レーザチャンバ
2に向けて配置されている。フロントミラー6の外側面
6Aには部分反射コーティング22が、リアミラー8の
外側面8Aには全反射コーティング21が、それぞれ施
されており、それぞれの内側面6B,8Bは、いずれも
ノーコートとなっている。増幅部26には、ブロア14
によって推力を与えられたレーザガスが、図7中紙面と
垂直方向に、例えば奥から手前に向かって高速で流れて
いる。チューナ16,16を通過した上下のマイクロ波
30,30は、レーザチャンバ2内で増幅部26に垂直
方向上下から線状に照射され、増幅部26のレーザガス
を連続的に励起する。これにより、レーザガスの流れ方
向及びマイクロ波30,30の照射方向と垂直に、レー
ザ光11が連続発振し、前方(図7中右方)に出射す
る。
を、図7に示す。フロントミラー6及びリアミラー8を
それぞれ固定するミラーホルダ20,20の構造は、図
1に示したものと同様である。また、第1実施形態と同
様に、ミラー6,8の内側面6B,8Bは凹面形状を有
しており、外側面6A,8Aは凸面形状を有している。
そして、いずれも内側面6B,8Bを、レーザチャンバ
2に向けて配置されている。フロントミラー6の外側面
6Aには部分反射コーティング22が、リアミラー8の
外側面8Aには全反射コーティング21が、それぞれ施
されており、それぞれの内側面6B,8Bは、いずれも
ノーコートとなっている。増幅部26には、ブロア14
によって推力を与えられたレーザガスが、図7中紙面と
垂直方向に、例えば奥から手前に向かって高速で流れて
いる。チューナ16,16を通過した上下のマイクロ波
30,30は、レーザチャンバ2内で増幅部26に垂直
方向上下から線状に照射され、増幅部26のレーザガス
を連続的に励起する。これにより、レーザガスの流れ方
向及びマイクロ波30,30の照射方向と垂直に、レー
ザ光11が連続発振し、前方(図7中右方)に出射す
る。
【0027】このように、第2実施形態によれば、マイ
クロ波によってレーザガスを励起し、レーザ光11を発
振させるエキシマ装置1において、ミラー6,8の内側
面6B,8Bをノーコートとしている。これにより、コ
ーティング21,22がフッ素等の腐食性ガスに触れる
ことがないので、コーティングが汚損してリアミラー8
及びフロントミラー6の透過率が低下したり、破損した
りすることがない。従って、レーザ光11の発振効率が
向上し、出力が増大するとともに、光学部品の寿命が延
びる。また、ミラー6,8の内側面6B,8Bを凹面と
しており、増幅部から外れるレーザ光が少ない。しか
も、ミラー6,8の間にウィンドウ等を介在させていな
いので、ミラー間隔dを短くして、フレネル数nFを小
さくすることができる。これにより、損失が小さくな
り、マイクロ波励起のように利得が小さなエキシマレー
ザ装置においても、効率良くレーザ光11を発振させる
ことが可能となっている。
クロ波によってレーザガスを励起し、レーザ光11を発
振させるエキシマ装置1において、ミラー6,8の内側
面6B,8Bをノーコートとしている。これにより、コ
ーティング21,22がフッ素等の腐食性ガスに触れる
ことがないので、コーティングが汚損してリアミラー8
及びフロントミラー6の透過率が低下したり、破損した
りすることがない。従って、レーザ光11の発振効率が
向上し、出力が増大するとともに、光学部品の寿命が延
びる。また、ミラー6,8の内側面6B,8Bを凹面と
しており、増幅部から外れるレーザ光が少ない。しか
も、ミラー6,8の間にウィンドウ等を介在させていな
いので、ミラー間隔dを短くして、フレネル数nFを小
さくすることができる。これにより、損失が小さくな
り、マイクロ波励起のように利得が小さなエキシマレー
ザ装置においても、効率良くレーザ光11を発振させる
ことが可能となっている。
【0028】次に、第3実施形態について説明する。図
8に、第3実施形態に係るエキシマレーザ装置1の共振
器の構成図を示す。図8において、レーザチャンバ2の
両端部に設けられた通過孔31,31には、図示しない
ウィンドウホルダによって、レーザ光11を高透過率で
透過するウィンドウ7,9がそれぞれ取着されている。
ウィンドウ7,9の内側面7B,9Bは、いずれも凹面
形状を有しており、ノーコートとなっている。また、ウ
ィンドウ7,9の外側面7A,9Aはフラット形状とな
っており、レーザ光11を高透過率で透過する無反射コ
ーティング32,32が施されている。
8に、第3実施形態に係るエキシマレーザ装置1の共振
器の構成図を示す。図8において、レーザチャンバ2の
両端部に設けられた通過孔31,31には、図示しない
ウィンドウホルダによって、レーザ光11を高透過率で
透過するウィンドウ7,9がそれぞれ取着されている。
ウィンドウ7,9の内側面7B,9Bは、いずれも凹面
形状を有しており、ノーコートとなっている。また、ウ
ィンドウ7,9の外側面7A,9Aはフラット形状とな
っており、レーザ光11を高透過率で透過する無反射コ
ーティング32,32が施されている。
【0029】フロントウィンドウ7の前方(図8中右
方)には、レーザ光11を所定の反射率で部分反射する
フロントミラー6が、リアウィンドウ9の後方には、レ
ーザ光11を全反射するリアミラー8が、それぞれ配置
されている。フロントミラー6の内側面6B及び外側面
6Aには、レーザ光11を所定反射率で反射する部分反
射コーティング22,22がそれぞれ施されている。ま
た、リアミラー8の内側面8Bには、レーザ光11を全
反射する全反射コーティング21が施されている。
方)には、レーザ光11を所定の反射率で部分反射する
フロントミラー6が、リアウィンドウ9の後方には、レ
ーザ光11を全反射するリアミラー8が、それぞれ配置
されている。フロントミラー6の内側面6B及び外側面
6Aには、レーザ光11を所定反射率で反射する部分反
射コーティング22,22がそれぞれ施されている。ま
た、リアミラー8の内側面8Bには、レーザ光11を全
反射する全反射コーティング21が施されている。
【0030】図9に、リアウィンドウ9の近傍の詳細図
を示す。図9に示すように、リアウィンドウ9に入射し
たレーザ光11の大部分(約96%)の成分11Eは、
内側面9Bを透過し、外側面9Aに形成された無反射コ
ーティング32によって、高透過率でリアミラー8に入
射する。そして、リアミラー8の内側面8Bで全反射コ
ーティング21によって反射され、リアウィンドウ9に
再入射する。一方、リアウィンドウ9に入射したレーザ
光11の残りの成分11Fは、リアウィンドウ9の内側
面9Bで反射されて、レーザチャンバ2内部へ戻る。こ
のとき、内側面9Bが凹面となっているため、内側面9
Bで反射した成分は増幅部23の内部に閉じ込められ、
再増幅される。即ち、レーザ光11が増幅部23から外
れて損失となることが少ないので、効率の良いレーザ発
振が可能である。
を示す。図9に示すように、リアウィンドウ9に入射し
たレーザ光11の大部分(約96%)の成分11Eは、
内側面9Bを透過し、外側面9Aに形成された無反射コ
ーティング32によって、高透過率でリアミラー8に入
射する。そして、リアミラー8の内側面8Bで全反射コ
ーティング21によって反射され、リアウィンドウ9に
再入射する。一方、リアウィンドウ9に入射したレーザ
光11の残りの成分11Fは、リアウィンドウ9の内側
面9Bで反射されて、レーザチャンバ2内部へ戻る。こ
のとき、内側面9Bが凹面となっているため、内側面9
Bで反射した成分は増幅部23の内部に閉じ込められ、
再増幅される。即ち、レーザ光11が増幅部23から外
れて損失となることが少ないので、効率の良いレーザ発
振が可能である。
【0031】尚、第3実施形態のウィンドウ7,9は、
第1実施形態におけるリアミラー8やフロントミラー6
のように、外側面7A,9Aを凸面にして、無反射コー
ティング32を施してもよい。このようにしても、レー
ザ光11は無反射コーティング32によってウィンドウ
7,9を高透過率で透過するので、同様の効果が得られ
る。また、レーザチャンバ2の一端部(例えば前部)
に、第3実施形態に係るウィンドウ7を固定してその前
方にフロントミラー6を配置し、他端部にはウィンドウ
を介することなく、第1実施形態で説明したようなリア
ミラー8を取り付けてもよい。さらには、前後を入れ替
えてもよい。
第1実施形態におけるリアミラー8やフロントミラー6
のように、外側面7A,9Aを凸面にして、無反射コー
ティング32を施してもよい。このようにしても、レー
ザ光11は無反射コーティング32によってウィンドウ
7,9を高透過率で透過するので、同様の効果が得られ
る。また、レーザチャンバ2の一端部(例えば前部)
に、第3実施形態に係るウィンドウ7を固定してその前
方にフロントミラー6を配置し、他端部にはウィンドウ
を介することなく、第1実施形態で説明したようなリア
ミラー8を取り付けてもよい。さらには、前後を入れ替
えてもよい。
【0032】尚、上記エキシマレーザ装置の例として
は、KrFエキシマレーザ装置やArFエキシマレーザ
装置等がある。さらに、以上の説明は、エキシマレーザ
装置を例に取って行なったが、レーザガスとして腐食性
のガスを用いるフッ素レーザ装置、HFレーザ装置等の
ガスレーザ装置に対して効果がある。また、上記におい
て腐食性とは、レーザ光11の反射率を定めるためにミ
ラーの表面に施されるコーティングを腐食するか否かが
問題となる。即ち、一般的な腐食性のみに限らず、コー
ティングを腐食するようなガスを用いてレーザ発振を行
なう場合に、すべて有効である。さらに、フロントミラ
ー6及びリアミラー8をどちらも備えたレーザ装置につ
いて説明したが、これに限られるものではない。例え
ば、リアミラー8の代わりに狭帯域化素子であるグレー
ティングを備えた狭帯域化エキシマレーザ装置において
も、フロントミラー6の内側面6Bを凹面とし、ノーコ
ートとすることにより、損失の少ないレーザ装置を得る
ことが可能である。
は、KrFエキシマレーザ装置やArFエキシマレーザ
装置等がある。さらに、以上の説明は、エキシマレーザ
装置を例に取って行なったが、レーザガスとして腐食性
のガスを用いるフッ素レーザ装置、HFレーザ装置等の
ガスレーザ装置に対して効果がある。また、上記におい
て腐食性とは、レーザ光11の反射率を定めるためにミ
ラーの表面に施されるコーティングを腐食するか否かが
問題となる。即ち、一般的な腐食性のみに限らず、コー
ティングを腐食するようなガスを用いてレーザ発振を行
なう場合に、すべて有効である。さらに、フロントミラ
ー6及びリアミラー8をどちらも備えたレーザ装置につ
いて説明したが、これに限られるものではない。例え
ば、リアミラー8の代わりに狭帯域化素子であるグレー
ティングを備えた狭帯域化エキシマレーザ装置において
も、フロントミラー6の内側面6Bを凹面とし、ノーコ
ートとすることにより、損失の少ないレーザ装置を得る
ことが可能である。
【図1】第1実施形態に係る共振器の構成図。
【図2】リアミラー近傍の詳細図。
【図3】フロントミラーの近傍の詳細図。
【図4】ミラーの内側面をフラットにした場合の説明
図。
図。
【図5】第1実施形態に係る共振器の、他の実施例を示
す構成図。
す構成図。
【図6】第2実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
図。
図。
【図7】レーザチャンバ内部の増幅部の説明図。
【図8】第3実施形態に係る共振器の構成図。
【図9】リアウィンドウ近傍の詳細図。
【図10】従来技術に係るガスレーザ装置の構成図。
【図11】従来技術に係る外部共振器型のレーザ装置の
構成図。
構成図。
1:エキシマレーザ装置、2:レーザチャンバ、3:熱
交換器、4:ガス循環部、5:マイクロ波発生部、6:
フロントミラー、7:フロントウィンドウ、8:リアミ
ラー、9:リアウィンドウ、10:ベローズ、11:レ
ーザ光、12:マイクロ波発生器、13:マイクロ波導
波路、14:ブロア、15:アイソレータ、16:チュ
ーナ、17:T字管、19:固定ネジ、20:ミラーホ
ルダ、21:全反射コーティング、22:部分反射コー
ティング、23:増幅部、24:放電電極、25:放電
電極、26:増幅部、27:風洞、30:マイクロ波、
31:通過孔、32:無反射コーティング、33:Oリ
ング、34:ベローズ。
交換器、4:ガス循環部、5:マイクロ波発生部、6:
フロントミラー、7:フロントウィンドウ、8:リアミ
ラー、9:リアウィンドウ、10:ベローズ、11:レ
ーザ光、12:マイクロ波発生器、13:マイクロ波導
波路、14:ブロア、15:アイソレータ、16:チュ
ーナ、17:T字管、19:固定ネジ、20:ミラーホ
ルダ、21:全反射コーティング、22:部分反射コー
ティング、23:増幅部、24:放電電極、25:放電
電極、26:増幅部、27:風洞、30:マイクロ波、
31:通過孔、32:無反射コーティング、33:Oリ
ング、34:ベローズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ヶ袋2−1−17− 301 (72)発明者 篠原 壽邦 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉05 Fターム(参考) 5F071 AA06 DD05 DD06 EE04 FF07 FF08 JJ03
Claims (6)
- 【請求項1】 レーザチャンバ(2)内部に封入した腐食
性のレーザガスを増幅部(23)で励起してレーザ光(11)を
発振させるガスレーザ装置(1)に用られる、ガスレーザ
装置用共振器において、 レーザチャンバ(2)の少なくとも一端部に、凹面形状で
ノーコート状態の内側面(6B-9B)を備えた光学部品(6-9)
を、レーザガスに内側面(6B-9B)を接触させて取着した
ことを特徴とするガスレーザ装置用共振器。 - 【請求項2】 請求項1記載のガスレーザ装置用共振器
において、 前記凹面形状でノーコート状態の内側面を備えた光学部
品がレーザ光(11)を全反射するリアミラー(8)であり、 リアミラー(8)の外側面(8A)を凸面形状としたことを特
徴とするガスレーザ装置用共振器。 - 【請求項3】 請求項1記載のガスレーザ装置用共振器
において、 前記凹面形状でノーコート状態の内側面を備えた光学部
品が、レーザ光(11)を部分反射するフロントミラー
(6)、及びレーザ光(11)を全反射するリアミラー(8)であ
り、 レーザチャンバ(2)の一端部に外側面(6A)を凸面形状と
したフロントミラー(6)を他端部に外側面(8A)を凸面形
状としたリアミラー(8)を、それぞれ取着したことを特
徴とするガスレーザ装置用共振器。 - 【請求項4】 請求項2又は3記載のガスレーザ装置用
共振器において、 前記光学部品(6,8)の外側面(6A,8A)の曲率と内側面(6B,
8B)との曲率とを略一致させたことを特徴とするガスレ
ーザ装置用共振器。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のガスレ
ーザ装置用共振器において、 前記光学部品の外側面(6A,8A)に、レーザ光(11)を所定
の比率で反射又は透過するコーティング(21,22)を施し
たことを特徴とするガスレーザ装置用共振器。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のガスレ
ーザ装置用共振器において、 前記ガスレーザ装置(1)が、マイクロ波(30)によって励
起されるマイクロ波励起ガスレーザ装置であることを特
徴とするガスレーザ装置用共振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001034369A JP2002237630A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | ガスレーザ装置用共振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001034369A JP2002237630A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | ガスレーザ装置用共振器 |
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CN105305213A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-02-03 | 苏州谱道光电科技有限公司 | 光学谐振器用反射镜及其光学谐振器和光谱测量仪 |
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WO2017092614A1 (zh) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | 苏州谱道光电科技有限公司 | 光学谐振器用反射镜及其光学谐振器和光谱测量仪 |
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