JP2002235655A - 高速油圧モーター - Google Patents

高速油圧モーター

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JP2002235655A JP2001035380A JP2001035380A JP2002235655A JP 2002235655 A JP2002235655 A JP 2002235655A JP 2001035380 A JP2001035380 A JP 2001035380A JP 2001035380 A JP2001035380 A JP 2001035380A JP 2002235655 A JP2002235655 A JP 2002235655A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギーロスが最小で高圧下でも安定運転
でき、出力軸に横方向の力がかからず、部材の損耗も最
小で、摩擦熱の殆ど発生しない高速油圧モーターを開発
する。 【解決手段】 作動油の圧力によって直接ローター11を
回転させることにより摩擦熱の発生を抑えてエネルギー
ロスを最小としかつ逃し弁12、13をローター11の対蹠点
に設けて出力軸に直角かかる力を相殺した。 【効果】 エネルギーロスと摩擦熱の発生が最小で高速
運転が可能であり、部材の損傷も少なく、作動油の漏れ
もなく、高圧下でも連続運転可能で小型化もでき、極め
て応用範囲が広い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の高速油圧モーター
は、作動油の圧力によって直接ローターを回転させるこ
とによりエネルギーロスを最小としかつ発熱を抑えて出
力の効率を上昇させた高速油圧モーターに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、最も広く用いられている油圧モー
ターは、傾斜板に複数のピストンを押圧し、ピストンの
往復運動を回転運動に変換するロータリーアキシャルプ
ランジャ型モーター(並列型ピストンモーターとも呼
称)である。
【0003】しかしながら、このロータリーアキシャル
プランジャ型モーターは傾斜板とピストンの摺動面で摩
擦熱が発生し、エネルギーロスが大きいばかりでなく、
該摩擦熱により作動油が加熱されるので、長時間の連続
運転ができないという欠点があった。
【0004】さらに、摺動面での摩擦による部材の損傷
や劣化は避けられず、各部材の寿命の短縮を見るばかり
でなく、損傷や劣化によりさらに摩擦熱が大きくなり、
エネルギーロスも増大していくという悪循環を避けるこ
とができなかった。
【0005】また、ピストンの往復運動を回転運動に変
換するという機構からもエネルギーロスが発生するので
作動効率が悪く、高圧の油圧を必要とするという欠点も
存した。
【0006】上記ロータリーアキシャルプランジャ型モ
ーターの他に、ピストンを使用した油圧モーターとして
は、円筒形状のハウジングの内壁に放射状に並べた複数
のピストンを押圧し、ピストンの往復運動を回転運動に
変換するロータリーラジアルプランジャ型モーター(星
型ピストンモーターとも呼称)も存在する。
【0007】しかしながら、該ロータリーラジアルプラ
ンジャ型モーターにおいても、ピストンの往復運動を回
転運動に変換する点では上記のロータリーアキシャルプ
ランジャ型モーターとかわりはなく、やはりエネルギー
ロスは大きかった。
【0008】また、ハウジングの内壁とピストンの摺動
面にてピストンがハウジングに押圧されるので摩擦熱が
発生し、さらにエネルギーロスの発生する点、及び該摺
動面にて部材の損傷・劣化が著しい点も上記のロータリ
ーアキシャルプランジャ型モーターと同様であった。
【0009】さらに、上記のロータリーアキシャルプラ
ンジャ型モーター及びロータリーラジアルプランジャ型
モーターとは全く異なった機構を有する油圧モーターと
しては、ギアモーター及びベーンモーターが挙げられ
る。
【0010】しかし、ギアモーターは、2枚のギアが1
箇所で歯合する構造であるため、ギアの出力軸に歯合点
からの横方向の力が常に働き続けるので出力軸のブレと
出力軸及び軸孔の損耗が激しく、出力軸からの作動油の
漏れが大きいので、モーターとしては余り用いられてい
ないのが現状である。また漏れが大きい分エネルギーロ
スも大きく、作動が不安定で回転数の制御が困難である
という欠点も有していた。
【0011】さらに、ギアモーターのギアにおいては、
ギアの一般的特性として、2枚のギアを同一の硬度の材
料で構成すると歯の減りが早く騒音も大きいという難点
があるため、2枚のギアの一方の硬度を下げざるを得な
いが、軟質の材料を用いた場合にはある程度ギアの直径
を大きくせざるを得ず、そのため小型化が困難であると
いう欠点も有していた。
【0012】また、ベーンモーターはトルク一定の特性
を有し、逆転可能な無断変速機として用いられるが、高
圧に弱いという欠点を有している。すなわち、高圧化で
は板状のベーンに撓みが生じるので、作動が不安定とな
る。
【0013】またさらに、ハウジングの内壁が楕円形
で、ベーンは先端をハウジングの内壁に押圧摺動させつ
つ往復運動を行うので、やはり摩擦熱が発生し、エネル
ギーロスが生じる。
【0014】さらに、ベーンの先端はたえず摺動面を押
圧し、しかもハウジングの内壁が楕円形なので押圧力が
変化する。これによる摺動面にての部材の損傷・劣化は
激しく、ハウジングの内壁に波目模様の擦り傷が生じ、
動作が不安定となるという欠点をも有している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の高速油圧モー
ターは、上記従来の各形式の油圧モーターの有していた
諸欠点を改善し、エネルギーロスを最小にして高圧化で
も安定した動作が行え、かつ出力軸に横方向の力がかか
らず、摺動面にても部材の損耗が最小で殆ど摩擦熱の発
生しない油圧モーターを開発することを課題とした。
【0016】
【課題を解決するための手段】<解決手段1>作動油の
圧力によりローター11を回転させて出力を得る油圧モー
ターであって、上記ローター11が円筒形状あるいは円盤
形状でその中心に一方の端部が出力軸15となった軸14、
15を有し外周部分11eに等間隔に4個の凸部11a、11
b、11c、11dを有しており、該ローター11に接して直
径が上記ローター11の2分の1の円筒形状あるいは円盤
形状でその中心に軸16、18を有し外周部分12cに上記ロ
ーター11の上記凸部11a、11b、11c、11dに嵌合する
2個の凹部12a、12bを有する1個の逃し弁12と上記ロ
ーター11に接して直径が上記ローター11の2分の1の円
筒形状あるいは円盤形状でその中心に軸17、19を有し外
周部分13cに上記ローター11の上記凸部11a、11b、11
c、11dに嵌合する2個の凹部13a、13bを有するもう
1個の逃し弁13の計2個の逃し弁12、13を上記ローター
11の外周11eの対蹠点の方向に有し、上記ローター11の
上記凸部11a、11b、11c、11dと上記2個の逃し弁1
2、13の上記凹部12a、12b、13a、13bが嵌合しつつ
上記ローター11と上記2個の逃し弁12、13が夫々の軸1
4、16、18を中心に正逆自在に回転する構成のローター
部1と、上記ローター11の出力軸15とは反対側の軸14の
端部に偶数枚の歯を有する大ギア21が固着され、上記2
個の逃し弁12、13のうちの1個の逃し弁12の軸16、18の
うちの上記ローター11の上記大ギア21が固着された側と
同一の側の軸16の端部に上記大ギア21の半数の歯を有す
る小ギア22が固着され、さらにもう1個の逃し弁13の軸
17、19のうちの上記ローター11の上記大ギア21が固着さ
れた側と同一の側の軸17の端部に上記大ギア21の半数の
歯を有する小ギア23が固着され、上記大ギア21と上記小
ギア22、23が歯合して回転する構成のタイミングギア部
2と、上記ローター部1に作動油を供給する作動油の注
入口33a、33b、35a、35bと上記ローター部1から作
動油を排出する作動油の排出口34a、34b、36a、36b
及び上記作動油の注入口33a、33b、35a、35bに作動
油を供給する作動油注入用のニップル31a、31bと上記
作動油の排出口34a、34b、36a、36bから作動油を排
出する作動油排出用のニップル32a、32bから構成され
る作動油経路部3と、上記ローター部1と上記タイミン
グギア部2に連通し上記ローター部1の回転部分の一部
と上記タイミングギア部2の回転部分に潤滑作用を施し
た後漏れ油排出用のニップル47から排出される漏れ油の
戻り経路部4と、上記ローター部1と上記タイミングギ
ア部2を格納掩覆する容器部分と、から構成されている
ことを特徴とする高速油圧モーターを提供する。 <解決手段2>上記容器部分が、上記ローター部1と上
記タイミングギア部2を格納するケーシングボディ5
と、上記ケーシングボディ5の上記タイミングギア部2
側を掩覆するタイミングカバー6と、上記ケーシングボ
ディ5の上記ローター部1側を掩覆するモーターフラン
ジ7と、上記逃し弁12、13の軸18、19を掩覆する軸カバ
ー8、9とから構成されていることを特徴とする高速油
圧モーターを提供する。 <解決手段3>上記ローター1の上記凸部11a、11b、
11c、11dが、インボリュート曲線によって構成された
ギアG1の歯のピッチ円P1より外側の部分の形状とな
っており、上記逃し弁12、13の上記凹部12a、12b、13
a、13bがインボリュート曲線によって構成されたギア
G2、G3の歯と歯の間の凹部のピッチ円P2,P3よ
り内側の部分の形状となっていることを特徴とする高速
油圧モーターを提供する。
【0017】本発明の高速油圧モーターは、従来のピス
トンを使用したロータリーアキシャルプランジャ型モー
ター及びロータリーラジアルプランジャ型モーターのよ
うに往復運動を回転運動に変換することなく、作動油の
圧力を直接ローター11に加えてローター11を回転させ、
出力を得る構成とした。
【0018】このようにすることにより、エネルギーロ
スは最小となる。また、ローター11の凸部11a、11b、
11c、11dはケーシングボディ5の内壁をピストンのよ
うに押圧しているわけではないので摩擦熱も最小に抑え
られ、かつローター11の凸部11a、11b、11c、11d及
びケーシングボディ5の内壁の損傷・劣化も最小限に抑
えられる。
【0019】加えて、ローター11の凸部11a、11b、11
c、11dとケーシングボディ5の内壁は常に作動油によ
り潤滑作用を受けており、この点も従来のピストンを使
用した油圧モーターに比して摺動面での摩擦熱の発生と
部材の損傷・劣化は大きく抑えられる。
【0020】作動油の圧力を直接回転運動に変える構成
の油圧モーターとしては前述のようにギアモーターとベ
ーンモーターがあるが、本発明の油圧モーターは、ギア
モーターとベーンモーターの弱点をも克服すべく開発さ
れたものである。
【0021】ギアモーターは、前述のように歯合点から
の圧力が回転軸に横方向からかかって回転軸のブレと損
耗が激しく、作動油の漏れが大きく、かつ動作が不安定
となるという欠点を有していた。
【0022】これに対し、本発明の高速油圧モーター
は、ローター11の外周11eの対蹠点方向にローター11の
凸部11a、11b、11c、11dに嵌合する凹部12a、12b
を有する逃し弁12とローター11の凸部11a、11b、11
c、11dに嵌合する凹部13a、13bを有する逃し弁13を
設けることによりローターの凸部11a、11b、11c、11
dと逃し弁12の凹部12a、12bの嵌合部、及び逃し弁13
の凹部13a、13bの嵌合部から軸14及び出力軸15に働く
軸方向に直角の力を相殺して出力軸15の回転を安定化せ
しめた結果として出力軸15のブレと損耗の問題を解決
し、それによりまた出力軸15からの作動油の漏れを解消
し、回転数を極めて制御しやすい高速油圧モーターとす
ることができた。
【0023】また、ギアモーターは前述のようにギアの
特性から小型化が困難であるという特性を有している
が、本発明の高速油圧モーターにおけるローター11と逃
し弁12、13はギアではないので、両者とも同一の材料で
構成することが可能である。したがって、両者を硬質材
で構成することにより全体をギアモーターでは不可能な
ほどに小型化することが可能である。
【0024】また、ベーンモーターは前記のように高圧
下ではベーンの撓みが大きいという弱点とベーンがハウ
ジングの内壁に押圧されつつ摺動するのでハウジングの
内壁の損耗が激しいという欠点を有していた。
【0025】これに対し、本発明にては、ローター11と
該ローター11の凸部11a、11b、11c、11dは一体であ
りかつローター11の凸部11a、11b、11c、11dはベー
ンのように往復運動を行わないので、ローター11の凸部
11a、11b、11c、11dがベーンのように撓むというこ
とはあり得ない。
【0026】さらに、ローター11の凸部11a、11b、11
c、11dはインボリュート曲線のギアG1の歯のピッチ
円P1から外部の部分の形状であり略台形に構成されて
いるので各種の圧力に対して強く、高圧下でも変形する
ことはあり得ない。
【0027】また、本発明の高速油圧モーターにては、
ローター11の凸部11a、11b、11c、11dがベーンモー
ターのベーンのようにケーシングボディ5の内壁に押圧
されているわけではなく、単に密接して摺動するだけ
で、しかも作動油により常に潤滑作用を受けているの
で、ローター11の凸部11a、11b、11c、11dもケーシ
ングボディ5の内壁も殆ど損傷を蒙ることがなく、摩擦
熱の発生も最小限に抑えられる。
【0028】以上から明らかなとおり、本発明の高速油
圧モーターは、可動部材の運動の全てが回転運動にて構
成されており、エネルギーロスと摩擦熱の発生が最小で
高速運転が可能であり、同程度の大きさの電動モーター
と比較して約30倍の出力を得ることができるものであ
る。しかも、ベーンモーターと異なり高圧下でも使用可
能であり、利用範囲は極めて広い。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の1実施例の高速油圧モー
ターMの構成を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】図1は本発明の1実施例の高速油圧モータ
ーMの正面図、図2は図1のA−A縦断面図、図3は図
2の要部拡大図、図4は全体の背面図、図5は右側面
図、図6は図5のB−B縦断面図、図7は内部の要部の
正面図、図8は分解立体図(組付ボルトは一部のみ図
示)、図9〜図17は各部品の分解立体図(組付ボルトは
一部のみ図示)である。
【0031】本発明の1実施例の高速油圧モーターM
は、図8に見るように、ローター部1、ギア部2、作動
油経路部3、漏れ油戻り経路部4、さらにローター部1
とギア部2を格納するケーシングボディ5、全体の正面
側を掩覆するタイミングカバー6、全体の背面側を掩覆
するモーターフランジ7、軸カバー8、9より構成され
ている。なお、15は出力軸である。
【0032】このうち、高速油圧モーターMの要部はロ
ーター部1とギア部2であり、作動油経路部3はロータ
ー部1に作動油を注入しかつ排出する部分、漏れ油戻り
経路部4は内部の漏れ油を回収し外部に排出する部分、
ケーシングボディ5、タイミングカバー6、モーターフ
ランジ7、軸カバー8、9はローター部1とギア部2を
格納掩覆する容器部分である。
【0033】タイミングカバー6は組付ボルト66により
ケーシングボディ5に組付られる。組付ボルト66は図8
には2本しか示していないが、実際には図1に示すよう
に18本である。また、モーターフランジ7は組付ボルト
76によりケーシングボディ5に組付られる。組付ボルト
76は図8には2本しか示していないが、実際には図4に
示すように18本である。なお、K、K、K、Kは位置決
め用のノックピンである。位置決め用のノックピンK、
K、K、Kは図8に示す4個である。
【0034】また、軸カバー8は図16に示すように組付
ボルト8cによりモーターフランジ7に組付られる。組
付ボルト8cは図16には1本しか示していないが、実際
には図4に示すように4本である。さらに、軸カバー9
は図16に示すように組付ボルト9cによりモーターフラ
ンジ7に組付られる。組付ボルト9cは図16には1本し
か示していないが、実際には図4に示すように4本であ
る。
【0035】作動油経路部3として図8に示すのは作動
油経路部3全体の一部であり、作動油経路部3は後に詳
述するように、ケーシングボディ5及びタイミングカバ
ー6内部にも設けられている。また、漏れ油戻り経路部
4として図8に示すのは漏れ油戻り経路部4全体の一部
であり、漏れ油戻り経路部4は後に詳述するように、ケ
ーシングボディ5、タイミングカバー6、モーターフラ
ンジ7、軸カバー8、9内部にも設けられている。
【0036】油圧モーターMの全体の構成の説明は以上
の通りである。次に、各部の構成を、図面を参照しなが
ら詳細に説明する。各部の説明は、ケーシングボディ
5、タイミングカバー6、モーターフランジ7、軸カバ
ー8、9、作動油経路部3、漏れ油戻り経路部4、ロー
ター部1、ギア部2の順に行う。なお、以下の説明にて
は、図8の矢印の方向(出力軸15に平行な方向)を軸方
向αと呼称して用いることとする。また、軸方向αの手
前側を正面側とする。
【0037】まず、ケーシングボディ5の構成を、図面
を参照しながら詳細に説明する。ケーシングボディ5は
図6、図7、図13、図15に示すとおり中央部が略円筒形
状で、該中央部に略直方体状の上部と下部が一体に結合
された形状であり、図7の正面図に見るように上端と下
端は滑らかな円弧を描いている。
【0038】図17に示すようにケーシングボディ5は軸
方向αの略中央に前部と後部を区切る隔壁54があり、隔
壁54には中央に後述のローター部1のローター11の軸14
を挿嵌する軸孔54aが、上部に後述のローター部1の逃
し弁12の軸16を挿嵌する軸孔54bが、下部に後述のロー
ター部1の逃し弁13の軸17を挿嵌する軸孔54cが、夫々
穿設されている。
【0039】ケーシングボディ5の正面側の中央には後
述のギア部2の大ギア21を格納する略円盤形状の凹部51
が、上部には後述のギア部2の小ギア22を格納する略円
盤形状の凹部52が、下部には後述のギア部2の小ギア23
を格納する略円盤形状の凹部53が、夫々刻設されてい
る。凹部51の上部は凹部52の下部と、凹部51の下部は凹
部53の上部と夫々連接されている。
【0040】ケーシングボディ5の背面側の中央には後
述のローター部1のローター11を格納する略円筒形状の
凹部55が、上部には後述のローター部1の逃し弁12を格
納する略円筒形状の凹部56が、下部には後述のローター
部1の逃し弁13を格納する略円筒形状の凹部57が、夫々
刻設されている。凹部55の上部は凹部56の下部と、凹部
55の下部は凹部57の上部と夫々連接されている。
【0041】また、図6、図15に見るように、凹部55の
左上隅には略三角形状の隅凹部37aが、凹部55の右下隅
には略三角形状の隅凹部37bが、凹部55の左下隅には略
三角形状の隅凹部38aが、凹部55の右上隅には略三角形
状の隅凹部38bが、夫々凹部55に連接して設けられてい
る。
【0042】ケーシングボディ5の上部の中央と下部の
中央には組付ボルト孔58が軸方向αに沿ってケーシング
ボディ5を貫通した状態で夫々穿設されている(図17参
照)。組付ボルト孔58、58は正面側と背面側に螺子溝を
有し、さらに正面端部と背面端部は位置決め用のノック
ピンK(図10、図13、図15参照)が挿嵌されるためノッ
クピンKの肉厚分だけ拡径状態となっている。
【0043】2箇所の組付ボルト孔58には正面側から図
10に見るように組付ボルト66がタイミングカバー6を介
して螺入され、背面側からは図14に見るように組付ボル
ト76がモーターフランジ7を介して螺入される。
【0044】ケーシングボディ5の上部の中央と下部の
中央を除く周辺部分には合計16箇所の組付ボルト孔59が
軸方向αに沿ってケーシングボディ5を貫通した状態で
夫々穿設されている。組付ボルト孔59の構成は組付ボル
ト孔58の構成と略同一であるが、ノックピンKが挿嵌さ
れないため正面端部と背面端部が拡径されていないとい
う点が組付ボルト孔58と異なっている。
【0045】16箇所の組付ボルト孔59に正面側から螺入
される16本の組付ボルト66(図1参照)は2箇所の組付
ボルト孔58に正面側から螺入される2本の組付ボルト66
と同一の構成であり、16箇所の組付ボルト孔59に背面側
から螺入される16本の組付ボルト76(図4参照)は2箇
所の組付ボルト孔58に背面側から螺入される2本の組付
ボルト76と同一の構成である。
【0046】ケーシングボディ5の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部左上には図7、図10に見るように縦断面
が円形の注入口35aが穿設されている。注入口35aは図
5に見るように隔壁54の背面に至るまで穿設され、図6
に見る隅凹部37aの正面に開口している。
【0047】ケーシングボディ5の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部右下には図7、図10に見るように縦断面
が円形の注入口35bが穿設されている。注入口35bは図
5に見るように隔壁54の背面に至るまで穿設され、図6
に見る隅凹部37bの正面に開口している。
【0048】ケーシングボディ5の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部左下には図7、図10に見るように縦断面
が円形の排出口36aが穿設されている。排出口36aは図
5に見るように隔壁54の背面に至るまで穿設され、図6
に見る隅凹部38aの正面に開口している。
【0049】ケーシングボディ5の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部右上には図7、図10に見るように縦断面
が円形の排出口36bが穿設されている。排出口36bは図
5に見るように隔壁54の背面に至るまで穿設され、図6
に見る隅凹部38bの正面に開口している。
【0050】ケーシングボディ5の上部の組付ボルト孔
58の直下には図17に見るように隔壁54の正面からケーシ
ングボディ5の背面に至るまで縦断面が円形の小孔であ
る経路45aが穿設されている。経路45aは後述の漏れ油
戻り経路部4の一部である。
【0051】ケーシングボディ5の下部の組付ボルト孔
58の直上には図17に見るように隔壁54の正面からケーシ
ングボディ5の背面に至るまで縦断面が円形の小孔であ
る経路45bが穿設されている。経路45bは後述の漏れ油
戻り経路部4の一部である。
【0052】次に、タイミングカバー6の構成を図面を
参照しながら詳細に説明する。タイミングカバー6は図
1、図9、図10、図15に示すとおりケーシングボディ5
と同一の平面形状を有し、中央部が略円筒形状で、該中
央部に略直方体状の上部と下部が一体に結合された形状
であり、図1の平面図に見るように上端と下端は滑らか
な円弧を描いている。
【0053】タイミングカバー6の背面側の中央には図
2、図15、図17に示すように後述のギア部2の組付ボル
ト21c(図2参照)を格納する円筒形状の凹部61が、上
部には後述のギア部2の組付ボルト22b(図2参照)を
格納する円筒形状の凹部62が、下部には後述のギア部2
の組付ボルト23b(図2参照)を格納する円筒形状の凹
部63が、夫々刻設されている。
【0054】タイミングカバー6の上部の中央と下部の
中央には組付ボルト孔64が軸方向α(図17参照)に沿っ
てタイミングカバー6を正面から背面まで貫通する状態
で夫々穿設されている。組付ボルト孔64、64は背面端部
に位置決め用のノックピンK、K(図10、図15参照)が
挿嵌されるため、背面側で図17に見るようにノックピン
Kの肉厚分だけ拡径状態となっている。2箇所の組付ボ
ルト孔64には正面側から図10に見るように組付ボルト66
が螺入される。
【0055】タイミングカバー6の上部の中央と下部の
中央を除く周辺部分には合計16箇所の組付ボルト孔65が
軸方向αに沿ってタイミングカバー6を正面から背面ま
で貫通する状態で夫々穿設されている。組付ボルト孔65
の構成は組付ボルト孔64の構成と略同一であるが、ノッ
クピンKが挿嵌されないため背面端部が拡径されていな
いという点が組付ボルト孔64と異なっている。
【0056】16箇所の組付ボルト孔65に螺入される16本
の組付ボルト66(図1参照)は2箇所の組付ボルト孔64
に螺入される2本の組付ボルト66と同一の構成である。
【0057】タイミングカバー6の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部左上には図10に見るように縦断面が略円
形で後述の作動油注入用のニップル31a(図9参照)を
螺入する螺子溝を有する注入口33aが穿設されている。
注入口33aは図5、図15に見るようにタイミングカバー
6の背面に至るまで貫通して穿設され、ケーシングボデ
ィ5の注入口35aの正面に開口しており、注入口35aと
連続した作動油の注入用の通路を構成する。
【0058】タイミングカバー6の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部右下には図10に見るように縦断面が円形
で後述の作動油注入用のニップル31b(図9参照)を螺
入する螺子溝を有する注入口33bが穿設されている。注
入口33bは図5、図15に見るようにタイミングカバー6
の背面に至るまで貫通して穿設され、ケーシングボディ
5の注入口35bの正面に開口しており、注入口35bと連
続した作動油の注入用の通路を構成する。
【0059】タイミングカバー6の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部左下には図10に見るように縦断面が円形
で後述の作動油排出用のニップル32a(図9参照)を螺
入する螺子溝を有する排出口34aが穿設されている。排
出口34aは図5、図15に見るようにタイミングカバー6
の背面に至るまで貫通して穿設され、ケーシングボディ
5の排出口36aの正面に開口しており、排出口36aと連
続した作動油の排出用の通路を構成する。
【0060】タイミングカバー6の正面側中央部の円筒
状部分の周辺部右上には図10に見るように縦断面が円形
で後述の作動油排出用のニップル32b(図9参照)を螺
入する螺子溝を有する排出口34bが穿設されている。排
出口34bは図5、図15に見るようにタイミングカバー6
の背面に至るまで貫通して穿設され、ケーシングボディ
5の排出口36bの正面に開口しており、排出口36bと連
続した作動油の排出用の通路を構成する。
【0061】タイミングカバー6の正面側中央には後述
の漏れ油排出用のニップル47が螺着される螺子孔を有す
る経路46がタイミングカバー6の正面から背面側の凹部
61に至るまで貫通して穿設されている(図10、図15参
照)。経路46は後述の漏れ油戻り経路部4の一部であ
る。
【0062】次に、モーターフランジ7の構成を図面を
参照しながら詳細に説明する。モーターフランジ7は、
図4、図13、図14、図16に示すとおりケーシングボディ
5と同一の平面形状を有し、中央部が略円筒形状で、該
中央部に略直方体状の上部と下部が一体に結合された形
状であり、図4の背面図に見るように上端と下端は滑ら
かな円弧を描いている。
【0063】モーターフランジ7の正面側の中央には図
13、図14、図17に示すように後述のローター部1のロー
ター11の出力軸15(図2参照)を挿嵌する軸孔71が、上
部には後述のローター部1の逃し弁12の軸18(図2参
照)を挿嵌する軸孔72が、下部には後述のローター部1
の逃し弁13の軸19(図2参照)を挿嵌する軸孔73が、夫
々背面まで貫通して穿設されている。
【0064】軸孔72は図17に示すように背面側にて拡径
されている。拡径部分には、後述のローター部1の逃し
弁12の軸18に螺入される組付ボルト18bに外嵌されるス
ラストメタル18d、18f、及びスラストフランジ18eが
挿嵌される(図3参照)。
【0065】軸孔73は図17に示すように背面側にて拡径
されている。拡径部分には、後述のローター部1の逃し
弁13の軸19に螺入される組付ボルト19bに外嵌されるス
ラストメタル19d、19f、及びスラストフランジ19eが
挿嵌される(図3参照)。
【0066】モーターフランジ7の上部の中央と下部の
中央には組付ボルト孔74が軸方向α(図17参照)に沿っ
てモーターフランジ7を正面から背面まで貫通する状態
で夫々穿設されている。組付ボルト孔74、74は正面端部
に位置決め用のノックピンK、K(図13参照)が挿嵌さ
れるため、正面側で図17に見るようにノックピンKの肉
厚分だけ拡径状態となっている。また、背面側では組付
ボルト76の頭部(図2参照)が挿嵌されるため、やはり
背面側で拡径状態となっている。2箇所の組付ボルト孔
74には背面側から図14に見るように組付ボルト76が挿嵌
される。
【0067】モーターフランジ7の上部の中央と下部の
中央を除く周辺部分には合計16箇所の組付ボルト孔75が
軸方向αに沿ってモーターフランジ7を正面から背面ま
で貫通する状態で夫々穿設されている。組付ボルト孔75
の構成は組付ボルト孔74の構成と略同一であるが、ノッ
クピンKが挿嵌されないため正面端部が拡径されていな
いという点が組付ボルト孔74と異なっている。
【0068】16箇所の組付ボルト孔75に螺入される16本
の組付ボルト76(図4参照)は2箇所の組付ボルト孔74
に螺入される2本の組付ボルト76と同一の構成である。
【0069】モーターフランジ7の背面側の軸孔72の周
囲には、図16に示すように4箇所の組付ボルト孔78が穿
設されている。組付ボルト孔78は後述の軸カバー8を組
付ける組付ボルト8cが螺入される螺子孔である。
【0070】モーターフランジ7の背面側の軸孔73の周
囲には、図16に示すように4箇所の組付ボルト孔79が穿
設されている(図16では3箇所しか見えていないが実際
には4箇所である)。組付ボルト孔79は後述の軸カバー
9を組付ける組付ボルト9cが螺入される螺子孔であ
る。
【0071】モーターフランジ7の背面の中央部には図
4、図16に見るように上端と下端を水平に切断した円筒
形状の凸部77がモーターフランジ7と一体に突設されて
いる。該凸部77の中央にはモーターフランジ7の中央に
穿設された軸孔71よりやや大なる直径の円形の孔77aが
穿設されており、軸孔71との接合面にてリング状の段部
77bをなして軸孔71と連接されている(図16参照)。該
孔77aには図2に見るようにリング状のオイルシール41
が密嵌される。
【0072】凸部77の周辺部分には図4、図16に見るよ
うに6個の取付ボルト孔77cが略等間隔に穿設されてい
る。取付ボルト孔77cは高速油圧モーターM全体を所定
の場所に取付けるための取付ボルト(図示せず)が螺入
される螺子孔である。
【0073】図17に見るように、孔77aと軸穴71の接合
面に形成される上記段部77bの上部から正面側上方へ向
けて斜め約60°の角度をもって断面が円形の小孔である
経路42aが穿設され、経路42aは軸孔72の背面側拡径部
分の下部に開口している。経路42aは後述の漏れ油戻り
経路部4の一部である。
【0074】図17に見るように、孔77aと軸穴71の接合
面に形成される上記段部77bの下部から正面側下方へ向
けて斜め約60°の角度をもって断面が円形の小孔である
経路42bが穿設され、経路42bは軸孔73の背面側拡径部
分の上部に開口している。経路42bは後述の漏れ油戻り
経路部4の一部である。
【0075】図17に見るように、軸孔72の拡径部分の上
部から正面側上方へ向けて斜め約15°の角度をもって断
面が円形の小孔である経路44aが穿設され、経路44aは
モーターフランジ7の正面側上部の組付ボルト孔74の直
下に開口している。経路44aは後述の漏れ油戻り経路部
4の一部である。
【0076】図17に見るように、軸孔73の拡径部分の下
部から正面側下方へ向けて斜め約15°の角度をもって断
面が円形の小孔である経路44bが穿設され、経路44bは
モーターフランジ7の正面側下部の組付ボルト孔74の直
上に開口している。経路44bは後述の漏れ油戻り経路部
4の一部である。
【0077】次に、軸カバー8の構成を、図面を参照し
ながら詳細に説明する。軸カバー8は図4、図14、図16
に示すように平面形状が略台形の板で、4箇所の隅部分
に組付ボルト孔8bが穿設されている。組付ボルト孔8
bには組付ボルト8cが挿嵌される。
【0078】軸カバー8の正面側の中央下部には円筒形
状の凸部8aが軸カバー8と一体に突設されている(図
14参照)。該凸部8aは図2に見るようにローター部1
の逃し弁12の軸18に螺入される組付ボルト18bの頭部を
格納する役割を有する。図2、図14に見るように該凸部
8aの上部には断面が円形の小孔である経路43aが穿設
され、該凸部8aの下部には断面が円形の小孔である経
路43bが穿設されている。経路43a、経路43bは後述の
漏れ油戻り経路部4の一部である。
【0079】次に、軸カバー9の構成を、図面を参照し
ながら詳細に説明する。軸カバー9は図4、図14、図16
に示すように平面形状が略逆台形の板で、4箇所の隅部
分に組付ボルト孔9bが穿設されている。組付ボルト孔
9bには組付ボルト9cが挿嵌される。
【0080】軸カバー9の正面側の中央下部には円筒形
状の凸部9aが軸カバー9と一体に突設されている(図
14参照)。該凸部9aは図2に見るようにローター部1
の逃し弁13の軸19に螺入される組付ボルト19bの頭部を
格納する役割を有する。図2、図14に見るように該凸部
9aの上部には断面が円形の小孔である経路43cが穿設
され、該凸部9aの下部には断面が円形の小孔である経
路43dが穿設されている。経路43c、経路43dは後述の
漏れ油戻り経路部4の一部である。
【0081】次に、作動油経路部3の構成を、図面を参
照しながら詳細に説明する。作動油経路部3は高速油圧
モーターMに作動油を供給しかつ排出する経路の総称で
あり、タイミングカバー6の正面側に装着されたニップ
ルやパイプ類からタイミングカバー6内、ケーシングボ
ディ5内に穿設された円孔状の経路全体を含むものであ
る。
【0082】タイミングカバー6の説明の部分にて前述
のごとくタイミングカバー6の正面側には図9に見るよ
うに作動油の注入口33a、33b、作動油の排出口34a、
34bが穿設されている。このうち、注入口33aには作動
油注入用のニップル31aが、また注入口33bには作動油
注入用のニップル31bが夫々螺入される。さらに、排出
口34aには作動油排出用のニップル32aが、また排出口
34bには作動油排出用のニップル32bが夫々螺入され
る。
【0083】作動油注入用のニップル31aには曲折せる
パイプ31cが、作動油注入用のニップル31bには曲折せ
るパイプ31dが夫々接続されており、パイプ31cとパイ
プ31dは軸方向αに対して水平に開口する作動油注入用
のニップル31eに接続されている。ニップル31eは外部
ホース(図示せず)より作動油の供給を受ける部分であ
る。
【0084】作動油排出用のニップル32aには曲折せる
パイプ32cが、作動油排出用のニップル32bには曲折せ
るパイプ32dが夫々接続されており、パイプ32cとパイ
プ32dは軸方向αに対して水平に開口する作動油排出用
のニップル32eに接続されている。ニップル32eは外部
ホース(図示せず)に作動油の排出を行う部分である。
【0085】タイミングカバー6の注入口33aの背面側
開口部(図15参照)はケーシングボディ5の説明の項に
て既述のケーシングボディ5の注入口35a(図10参照)
の正面側開口部に接続され、注入口35aはケーシングボ
ディ5の説明の項にて既述の隅凹部37a(図6参照)の
正面側に開口し、注入口33aと注入口35aは1本のパイ
プとして作動油を隅凹部37aにまで導く役割を担う(図
5参照)。
【0086】タイミングカバー6の注入口33bの背面側
開口部(図15参照)はケーシングボディ5の説明の項に
て既述のケーシングボディ5の注入口35b(図10参照)
の正面側開口部に接続され、注入口35bはケーシングボ
ディ5の説明の項にて既述の隅凹部37b(図6参照)の
正面側に開口し、注入口33bと注入口35bは1本のパイ
プとして作動油を隅凹部37bにまで導く役割を担う(図
5参照)。
【0087】タイミングカバー6の排出口34aの背面側
開口部(図15参照)はケーシングボディ5の説明の項に
て既述のケーシングボディ5の排出口36a(図10参照)
の正面側開口部に接続され、排出口36aはケーシングボ
ディ5の説明の項にて既述の隅凹部38a(図6参照)の
正面側に開口し、排出口34aと排出口36aは1本のパイ
プとして作動油を隅凹部38aから排出する役割を担う
(図5参照)。
【0088】タイミングカバー6の排出口34bの背面側
開口部(図15参照)はケーシングボディ5の説明の項に
て既述のケーシングボディ5の排出口36b(図10参照)
の正面側開口部に接続され、排出口36bはケーシングボ
ディ5の説明の項にて既述の隅凹部38b(図6参照)の
正面側に開口し、排出口34bと排出口36bは1本のパイ
プとして作動油を隅凹部38bから排出する役割を担う
(図5参照)。
【0089】作動油経路部3の構成に関する上記説明は
高速油圧モーターMのローター11を正面側から見て反時
計回りに回転させる場合に適用されるものであり、高速
油圧モーターMのローター11を正面側から見て時計回り
に回転させる場合には、注入部分と排出部分の役割が完
全に逆転する。
【0090】すなわち、作動油注入用のニップル31a、
31b、31eは作動油排出用のニップルとなり、作動油排
出用のニップル32a、32b、32eは作動油注入用のニッ
プルとなり、作動油注入用のパイプ31c、31dは作動油
排出用のパイプとなり、作動油排出用のパイプ32c、32
dは作動油注入用のパイプとなり、作動油の注入口33
a、33b、35a、35bは作動油の排出口となり、作動油
の排出口34a、34b、36a、36bは作動油の注入口とな
る。
【0091】次に、漏れ油戻り経路部4の構成を、図面
を参照しながら詳細に説明する。漏れ油戻り経路部4は
高速油圧モーターMの各部分から漏洩せる作動油をまと
めて回転部分の潤滑油として用いつつ高速油圧モーター
Mの外部に排出する経路の総称であり、ケーシングボデ
ィ5、タイミングカバー6、モーターフランジ7、軸カ
バー8、9に設けられた経路全体を含むものである。
【0092】図2、図14、図16に見るように、モーター
フランジ7の凸部77の中央の孔77aにはオイルシール41
が密嵌されており、油圧モーターM内部から発生する漏
れ油は全てこのオイルシール41により外部への漏洩を遮
断される。漏れ油はこの部分でローター部1のローター
11の出力軸15と軸受メタル15a(図3参照)の潤滑を行
う。
【0093】オイルシール41が嵌着される孔77aの上下
にはモーターフランジ7の項にて既述の経路42a、42b
が開口しており、経路42aは軸カバー8の項にて既述の
経路43bに、経路42bは軸カバー9の項にて既述の経路
43cに、夫々接続する(図2参照)。
【0094】経路43bは軸カバー8の凸部8aの内部空
間に開口するが(図2参照)、この部分には軸カバー8
の項で既述のようにローター部1の逃し弁12の軸18の中
心孔18aに螺入される組付ボルト18bの頭部が格納され
ており、漏れ油はここで軸18、組付ボルト18b、軸受メ
タル18c、スラストメタル18d、18f、スラストフラン
ジ18e(図3参照)の潤滑を行う。
【0095】経路43cは軸カバー9の凸部9aの内部空
間に開口するが(図2参照)、この部分には軸カバー9
の項で既述のようにローター部1の逃し弁13の軸19の中
心孔19aに螺入される組付ボルト19bの頭部が格納され
ており、漏れ油はここで軸19、組付ボルト19b、軸受メ
タル19c、スラストメタル19d、19f、スラストフラン
ジ19e(図3参照)の潤滑を行う。
【0096】軸カバー8の凸部8aの上部に開口する経
路43a(図2、図17参照)はモーターフランジ7の項に
て既述のモーターフランジ7の軸孔72の上部に開口する
経路44aに接続し、経路44aはモーターフランジ7の正
面側の上部の組付ボルト孔74の直下に開口して(図14参
照)、ケーシングボディ5の項にて既述の経路45aに接
続する(図2参照)。経路45aはケーシングボディ5の
隔壁54の上端部に開口する(図17参照)。
【0097】軸カバー9の凸部9aの下部に開口する経
路43d(図2、図17参照)はモーターフランジ7の項に
て既述のモーターフランジ7の軸孔73の下部に開口する
経路44bに接続し、経路44bはモーターフランジ7の正
面側の下部の組付ボルト孔74の直上に開口して(図14参
照)、ケーシングボディ5の項にて既述の経路45bに接
続する(図2参照)。経路45bはケーシングボディ5の
隔壁54の下端部に開口する(図17参照)。
【0098】経路45a、経路45bはケーシングボディ5
の隔壁54とタイミングカバー6に囲繞された空間に開口
しているが(図2参照)、該空間にはローター部1のロ
ーター11の軸14の正面側の端部、逃し弁12の軸16の正面
側の端部、逃し弁13の軸17の正面側の端部、及びギア部
2の全体が格納されており、漏れ油は、図3に見る軸14
と軸受メタル14bとスラストメタル14c、14d、軸16と
軸受メタル16b、軸17と軸受メタル17b、及びギア部2
の全体を潤滑する。なお、ローター部1のローター11と
逃し弁12、13は作動油により潤滑される。
【0099】タイミングカバー6の背面中央の凹部61に
は漏れ油排出用のニップル47を螺入する孔46が開口して
おり(図15参照)、ケーシングボディ5の隔壁54とタイ
ミングカバー6に囲繞された空間(図2参照)に充満す
る漏れ油はニップル47より高速油圧モーターMの外部に
排出される。ニップル47には排出用のホース(図示せ
ず)が接続される。
【0100】次に、ローター部1の構成を、図面を参照
しながら詳細に説明する。図2、図3、図6、図11、図
12に示すように、ローター部1の要部はローター11と逃
し弁12、13により構成されている。
【0101】ローター11は円筒形状で、外周11e(図6
参照)に等間隔に凸部11a、11b、11c、11dが突設さ
れている。また、ローター11の正面中央部には円筒形状
の軸14がローター11と一体に突設されており(図12参
照)、軸14の中心部には中心孔14aが刻設されている。
【0102】中心孔14aには図3に見るように大ギア21
を介して組付けボルト21dが螺入されている。また、軸
14には図3に見るように軸受メタル14b、スラストメタ
ル14c、14dが外嵌されており、軸14はケーシングボデ
ィ5の中央部の隔壁54の中央部に穿設された軸孔54a
(図17参照)に軸受メタル14bを介して正逆回転自在に
挿嵌されている。
【0103】さらに、ローター11の背面中央部には円筒
形状の出力軸15がローター11と一体に突設されている。
出力軸15は図2に見るようにモーターフランジ7の中央
に嵌挿されて高速油圧モーターMの背面に突出し、高速
油圧モーターMの回転力を高速油圧モーターMの外部に
出力する軸となる。出力軸15には図3に見るように軸受
メタル15aが外嵌されており、出力軸15はモーターフラ
ンジ7の中央部に穿設された軸孔71(図17参照)に軸受
メタル15aを介して正逆回転自在に挿嵌されている。
【0104】逃し弁12は図6、図12に見るようにロータ
ー11の直径の2分の1の直径とローター11と同一の奥行
きを有する円筒形状で、外周の対蹠点に凹部12a、12b
が刻設されている。
【0105】凹部12aはローター11と逃し弁12の回転に
よりローター11の凸部11bあるいは凸部11dに嵌合する
ように構成されており、また凹部12bはローター11と逃
し弁12の回転によりローター11の凸部11aあるいは凸部
11cに嵌合するように構成されている。
【0106】逃し弁12の正面中央部には図12に見るよう
に円筒形状の軸16が逃し弁12と一体に突設されている。
軸16の中心部には中心孔16aが刻設され、中心孔16aに
は図3に見るように小ギア22を介して組付けボルト22c
が螺入されている。また、軸16には軸受メタル16bが外
嵌されており、軸16はケーシングボディ5の中央部の隔
壁54の上部に穿設された軸孔54b(図17参照)に軸受メ
タル16bを介して正逆回転自在に挿嵌されている。
【0107】逃し弁12の背面中央部には図12に見るよう
に円筒形状の軸18が逃し弁12と一体に突設されており、
軸18の中心部には中心孔18aが刻設されている。中心孔
18aには図3に見るように組付けボルト18bが螺入され
ている。
【0108】軸18には図3に示すように軸受メタル18c
が外嵌されている。また、組付ボルト18bにはスラスト
メタル18d、スラストフランジ18e、スラストメタル18
fが外嵌されている。軸18はモーターフランジ7の上部
に穿設された軸孔72(図17参照)に軸受メタル18cを介
して正逆回転自在に挿嵌されている。
【0109】逃し弁13は図6、図12に見るようにロータ
ー11の直径の2分の1の直径とローター11と同一の奥行
きを有する円筒形状で、外周の対蹠点に凹部13a、13b
が刻設されている。
【0110】凹部13aはローター11と逃し弁13の回転に
よりローター11の凸部11aあるいは凸部11cに嵌合する
ように構成されており、また凹部13bはローター11と逃
し弁13の回転によりローター11の凸部11bあるいは凸部
11dに嵌合するように構成されている。
【0111】逃し弁13の正面中央部には図2に見るよう
に円筒形状の軸17が逃し弁13と一体に突設されている。
軸17の中心部には中心孔17aが刻設され、中心孔17aに
は図3に見るように小ギア23を介して組付けボルト23c
が螺入されている。また、軸17には軸受メタル17bが外
嵌されており、軸17はケーシングボディ5の中央部の隔
壁54の下部に穿設された軸孔54c(図17参照)に軸受メ
タル17bを介して正逆回転自在に挿嵌されている。
【0112】逃し弁13の背面中央部には図2に見るよう
に円筒形状の軸19が逃し弁13と一体に突設されており、
軸19の中心部には中心孔19aが刻設されている。中心孔
19aには図3に見るように組付けボルト19bが螺入され
ている。
【0113】軸19には図3に示すように軸受メタル19c
が外嵌されている。また、組付ボルト19bにはスラスト
メタル19d、スラストフランジ19e、スラストメタル19
fが外嵌されている。軸19はモーターフランジ7の上部
に穿設された軸孔73(図17参照)に軸受メタル19cを介
して正逆回転自在に挿嵌されている。
【0114】図6に見るように、ローター11の凸部11
b、11dはケーシングボディ5の内壁のうちの凹部55の
側壁に密接して回転するように構成されている。ロータ
ー11の回転により、凸部11a、11cもケーシングボディ
5の内壁のうちの凹部55の側壁に密接して回転するよう
に構成されている。
【0115】また、逃し弁12の外周もケーシングボディ
5の内壁のうちの凹部56の側壁に密接して回転するよう
に構成されている。さらに、逃し弁13の外周もケーシン
グボディ5の内壁のうちの凹部57の側壁に密接して回転
するように構成されている。
【0116】図18a、図18bにローター11の凸部11a、
11c、逃し弁12の凹部12b、逃し弁13の凹部13aの詳細
な構成を示す。図18a、図18bに見るように、ローター
11の凸部11a、11cはインボリュート曲線で構成された
歯を有するギアG1の歯のピッチ円P1より外側の形態
である。この場合、ローター11の外周11eがピッチ円P
1に相当する。図18a、図18bには図示していない凸部
11b、11d(図6、図12参照)も凸部11a、11cと同一
の構成である。
【0117】また、図18aに見るように、逃し弁12の凹
部12bはインボリュート曲線で構成された歯を有するギ
アG2の歯のピッチ円P2より内側の形態である。この
場合、逃し弁12の外周12cがピッチ円P2に相当する。
図18aには図示していない凹部12a(図6、図12参照)
も凹部12bと同一の構成である。
【0118】さらに、図18bに見るように、逃し弁13の
凹部13aもインボリュート曲線で構成された歯を有する
ギアG3の歯のピッチ円P3より内側の形態である。こ
の場合、逃し弁13の外周13cがピッチ円P3に相当す
る。図18bには図示していない凹部13b(図6、図12参
照)も凹部13aと同一の構成である。
【0119】すなわち、図18aに見るように、ローター
11の凸部11aは逃し弁12の凹部12bと必ず1点以上にて
密接し、しかも円滑に嵌合しつつ回転し得るように構成
されている。凸部11cと凹部12b、凸部11bと凹部12
a、凸部11dと凹部12a(図6、図12参照)も同様の関
係にある。
【0120】また、図18bに見るように、ローター11の
凸部11cは逃し弁13の凹部13aと必ず1点以上にて密接
し、しかも円滑に嵌合回転し得るように構成されてい
る。凸部11aと凹部13a、凸部11bと凹部13b、凸部11
dと凹部13b(図6、図12参照)も同様の関係にある。
【0121】次に、ギア部2の構成を、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図2、図3、図11に示すように、
ギア部2の要部は大ギア21と小ギア22、23により構成さ
れている。
【0122】大ギア21はやや厚みのある円盤形状で、偶
数枚の歯を有し、その直径はローター11の直径と略同一
である。中心には中心孔21aが穿設されており、また正
面中央部には浅い円形の凹部21bが刻設され、背面中央
部にも浅い円形の凹部21cが刻設されている(図3参
照)。
【0123】小ギア22はやや厚みのある円盤形状で、そ
の直径は逃し弁12の直径と略同一で、大ギア21の直径の
2分の1であり、歯の数は大ギア21の歯の数の半分であ
る。中心には中心孔22aが穿設されており、背面中央部
には浅い円形の凹部22bが刻設されている(図3参
照)。
【0124】小ギア23はやや厚みのある円盤形状で、そ
の直径は逃し弁13の直径と略同一で、大ギア21の直径の
2分の1であり、歯の数は大ギア21の歯の数の半分であ
る。中心には中心孔23aが穿設されており、背面中央部
には浅い円形の凹部23bが刻設されている(図3参
照)。
【0125】大ギア21の背面の凹部21cはローター11の
軸14の正面先端部と同径に構成されており、図3に見る
とおり軸14の正面先端部が凹部21cに密嵌されている。
また、大ギア21の正面の凹部21bにはワッシャー21eが
嵌着され、中心孔21aにはワッシャー21eを介して組付
ボルト21dが挿嵌されている。組付ボルト21dは先端部
がローター11の軸14の中心孔14aに螺入され、組付ボル
ト21dによりローター11と大ギア21は一体に固着されて
いる。したがって、ローター11と大ギア21は一体として
回転する。
【0126】小ギア22の背面の凹部22bは逃し弁12の軸
16の正面先端部と同径に構成されており、図3に見ると
おり軸16の正面先端部が凹部22bに密嵌されている。ま
た、中心孔22aにはワッシャー22dを介して組付ボルト
22cが挿嵌されている。組付ボルト22cは先端部が逃し
弁12の軸16の中心孔16aに螺入され、組付ボルト22cに
より逃し弁12と小ギア22は一体に固着されている。した
がって、逃し弁12と小ギア22は一体として回転する。
【0127】小ギア23の背面の凹部23bは逃し弁13の軸
17の正面先端部と同径に構成されており、図3に見ると
おり軸17の正面先端部が凹部23bに密嵌されている。ま
た、中心孔23aにはワッシャー23dを介して組付ボルト
23cが挿嵌されている。組付ボルト23cは先端部が逃し
弁13の軸17の中心孔17aに螺入され、組付ボルト23cに
より逃し弁13と小ギア23は一体に固着されている。した
がって、逃し弁13と小ギア23は一体として回転する。
【0128】図7に見るとおり、大ギア21はケーシング
ボディ5の凹部51内に格納されているが、大ギア21の歯
の先端部は凹部51の側壁に接していない。また、小ギア
22はケーシングボディ5の凹部52内に格納されている
が、小ギア22の歯の先端部は凹部52の側壁に接していな
い。さらに、小ギア23はケーシングボディ5の凹部53内
に格納されているが、小ギア23の歯の先端部は凹部53の
側壁に接していない。
【0129】以上で高速油圧モーターMの構成の説明を
終わり、次に高速油圧モーターMの作用を、図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0130】作動油はホース(図示せず)より図1に示
す作動油の注入用のニップル31eに注入され、パイプ31
c、31dを経由してニップル31a、31bからタイミング
カバー6の注入口33a、33b(図9参照)に注入され
る。
【0131】構成の項にて既述のように、タイミングカ
バー6の注入口33aはケーシングボディ5の注入口35a
に、タイミングカバー6の注入口33bはケーシングボデ
ィ5の注入口35bに接続されているので(図5参照)、
作動油は注入口33aと35a及び33bと35bを経由し図6
に示すケーシングボディ5の凹部55に連接する隅凹部37
aと隅凹部37bに導かれる。
【0132】図19aに見るように、ローター11の左上に
はケーシングボディ5の内壁との間に空間R1が形成さ
れている。該空間R1はケーシングボディ5の凹部55の
一部である。注入口35aから隅凹部37aに注入された作
動油は該空間R1を充填する。この際、作動油の圧力は
ローター11の凸部11aと凸部11dに均等にかかるので、
ローター11のみを考えれば、ローター11は反時計回りに
も時計回りにも回転しない。
【0133】しかしながら、作動油の圧力は逃し弁12に
もかかる。図18aに見るようにローター11の凸部11aと
逃し弁12の凹部12bの左端Tの間には空間S1が生じて
いるが、該空間S1にも作動油の圧力がかかる結果、作
動油は逃し弁12の凹部12bの左端Tを押圧する。
【0134】一方反対側の空間S2には作動油の押圧力
は発生しない。その理由は、次のとおりである。すなわ
ち、図19aに見るローター11の右上の空間R2の正面側
には作動油の排出口36bがあるので、空間R2には作動
油の押圧力は発生せず、したがって、空間R2に連接す
る空間S2にも作動油の押圧力は発生しない。
【0135】それゆえに、逃し弁12は時計回り(方向
γ)に回転する。逃し弁12が時計回り(方向γ)に回転
すると、逃し弁12の凹部12bに嵌合しているローター11
の凸部11aは逃し弁12の回転方向とは逆方向に、つまり
反時計回り(方向β)に回転する。
【0136】逃し弁12の凹部12bとローター11の凸部11
aは嵌合しているだけなので、これだけでは逃し弁12の
時計回り(方向γ)の回転に合わせてローター11が反時
計回り(方向β)に正確に回転するかどうかは保証され
ない、しかしながら、構成の項にて詳述したように、逃
し弁12には小ギア22が一体に固着されており、ローター
11には大ギア21が一体に固着されている(図3参照)
【0137】さらに、小ギア22と大ギア21は歯合してい
る。以上より、逃し弁12の時計回りの回転は小ギア22を
時計回りに回転させ、小ギア22の時計回りの回転は歯合
する大ギア21を反時計回りに回転させ、大ギア21の反時
計回りの回転はローター11を反時計回りに回転させる。
【0138】これにより、逃し弁12の時計回り(方向
γ)の回転に合わせてローター11は反時計回り(方向
β)に正確に回転することとなる。すなわち、小ギア22
と大ギア21は逃し弁12とローター11の正確な回転を保証
するタイミング・ギアの役割を持つものである。
【0139】一方、注入口35bを経由してローター11の
右下の空間R3(ケーシングボディ5の凹部55の一部)
に注入された作動油は(図19a参照)、以上に述べたの
と同様の原理をもって逃し弁13を時計回り(方向γ)に
回転させ、これによりローター11は反時計回り(方向
β)に回転する。
【0140】逃し弁13の時計回り(方向γ)の回転とロ
ーター11の反時計回り(方向β)の回転は逃し弁13に一
体に固着された小ギア23とローター11に一体に固着され
た大ギア21により(図3にみるように小ギア23と大ギア
21が歯合しているので)正確に回転するように保証され
る。
【0141】以上に見るように、注入口35aから空間R
1に注入された作動油は逃し弁12を時計回り(方向γ)
に回転させローター11を反時計回り(方向β)に回転さ
せる。と同時に注入口35bから空間R3に注入された作
動油は逃し弁13を時計回り(方向γ)に回転させロータ
ー11を反時計回り(方向β)に回転させる。
【0142】つまり、ローター11は外周11eの2箇所の
対蹠点からローター11を反時計回り(方向β)に回転さ
せる同じ大きさの力を受けることにより反時計回り(方
向β)に回転するので、回転軸(図3の軸14と出力軸1
5)には軸方向α(図12参照)に直角の力は一切かから
ず、極めて円滑にかつ安定的に回転する。
【0143】このとき(図19a参照)、ローター11の右
上の空間R2(ケーシングボディ5の凹部55の一部)を
充填する作動油は空間R2の正面に開口する排出口36b
より排出される。また、ローター11の左下の空間R4
(ケーシングボディ5の凹部55の一部)を充填する作動
油は空間R4の正面に開口する排出口36aより排出され
る。
【0144】次に、ローター11がある程度回転すると図
19bに示す状態となるが、この状態においては注入口35
aから注入される作動油は空間R1を充填し、ローター
11の凸部11aを押圧する。この状態においては、ロータ
ー11の外周11eの上部は逃し弁12の外周12cの下部に密
接し、この部分で閉塞状態を形成するので、作動油の押
圧力は専らローター11の凸部11aにのみかかることにな
り、これによりローター11は円滑に時計回り(方向β)
に回転する。
【0145】また、注入口35bから注入される作動油は
空間R3を充填し、ローター11の凸部11cを押圧する。
この状態においては、ローター11の外周11eの下部は逃
し弁13の外周13cの上部に密接し、この部分で閉塞状態
を形成するので、作動油の押圧力は専らローター11の凸
部11cにのみかかることになり、これによりローター11
は円滑に時計回り(方向β)に回転する。
【0146】この場合においては、ローター11の反時計
回りの回転はローター11の軸14を通じて軸14に一体に固
着された大ギア21(図3参照)を反時計回りに回転さ
せ、大ギア21は歯合する小ギア22、23を時計回りに回転
させ、小ギア22、23の時計回りの回転は小ギア22に軸16
を通じて一体に固着された逃し弁12を時計回りに、小ギ
ア23に軸17を通じて一体に固着された逃し弁13を同じ
く時計回りに夫々正確に回転させる。
【0147】つまり、この場合においても、大ギア21と
小ギア22、23は、ローター11の反時計回りの回転と逃し
弁12、13の時計回りの回転を正確に同期させるタイミン
グ・ギアの役割を果たすものである。
【0148】また、この場合においても、ローター11は
外周11eの2箇所の対蹠点からローター11を反時計回り
に回転させる同じ大きさの力を受けることにより反時計
回り(方向β)に回転するので、回転軸(図3の軸14と
出力軸15)には軸方向α(図12参照)に直角の力は一切
かからず、極めて円滑にかつ安定的に回転する。
【0149】また、この場合(図19b参照)に、ロータ
ー11の右上の空間R2を充填する作動油は空間R2の正
面に開口する排出口36bより排出され、ローター11の左
下の空間R4を充填する作動油は空間R4の正面に開口す
る排出口36aより排出される。
【0150】ローター11がさらに反時計回り(方向β)
に回転して凸部11bが逃し弁12の凹部12aと、凸部11d
が逃し弁13の凹部13bと嵌合すると図19aに示す状態と
同様の状態となり、ローター11に与えられる反時計回り
の回転力は停止されるが逃し弁12、13に時計回りの回転
力が与えられて、その結果ローター11はさらに反時計回
りの回転を継続する。叙上の行程を繰り返すことにより
ローター11は円滑に回転し続け、その結果としてロータ
ー11の出力軸15からは正確な回転力が高速油圧モーター
Mの外部に出力されることとなる。
【0151】すなわち、図19aに示す状態は、エンジン
の原理でいうなら上死点に当たる状態であるが、この状
態のときにも逃し弁12、13の作用により回転力が保持さ
れて、ローター11は円滑に回転し続けるという構成にな
っている。そして、小ギア22、23及び大ギア21は、図19
aの状態のときには逃し弁12、13の回転をローター11に
正確に伝達し、図19bの状態のときにはローター11の回
転を逃し弁12、13に正確に伝達するという構成である。
【0152】上記のようにしてローター11及び小ギア2
2、23を回転させた作動油は、空間R2からは排出口36
bを通じて、空間R4からは排出口36aを通じて排出さ
れる。
【0153】構成の項にて既述のように、ケーシングボ
ディ5の排出口36aはタイミングカバー6の排出口34a
に、ケーシングボディ5の排出口36bはタイミングカバ
ー6の排出口34bに接続されているので(図5参照)、
作動油は排出口36aと34a及び36bと34bを経由し、図
9に見る作動油排出用のニップル32a(排出口34aに螺
入)とニップル32b(排出口34bに螺入)に導かれる。
【0154】さらに作動油はパイプ32c(ニップル32a
に接続)、パイプ32d(ニップル32bに接続)を経由し
てニップル32eに導かれ、ニップル32eに接続されたホ
ース(図示せず)より戻りタンク(図示せず)に排出さ
れる。
【0155】上記、ローター部1、ギア部2、作動油経
路部3の作用の説明は、ローター11を正面から見て反時
計回り(図19a、図19bの方向β)に回転させる、すな
わち出力軸15(図2参照)を正面から見て反時計回りに
回転させることを前提としたものである。しかるに、本
実施例の高速油圧モーターMは正逆回転自在であり、ロ
ーター11を正面から見て時計回り、すなわち出力軸15
(図2参照)を正面から見て時計回りに回転させること
も可能である。
【0156】その際には、作動油経路部3の構成の項に
て既述のように、注入部分と排出部分の役割を完全に逆
転させる。すなわち、作動油注入用のニップル31a、31
b、31eを作動油排出用のニップルとし、作動油排出用
のニップル32a、32b、32eを作動油注入用のニップル
とし、作動油注入用のパイプ31c、31dを作動油排出用
のパイプとし、作動油排出用のパイプ32c、32dを作動
油注入用のパイプとし、作動油の注入口33a、33b、35
a、35bを作動油の排出口とし、作動油の排出口34a、
34b、36a、36bを作動油の注入口とする。
【0157】これにより、作動油は図19a、図19bの空
間R2、空間R4に注入されてローター11を正面から見
て時計回りに回転させる。この際、ローター部1、ギア
部2、作動油経路部3の作用はローター11を正面から見
て反時計回りに回転させる場合と正確に対称的に働くの
で、ローター11を正面から見て反時計回りに回転させる
場合もローター11を正面から見て時計回りに回転させる
場合も作動油の圧力が等しければ、出力軸15からの出力
(回転力)は方向が逆で大きさは全く等しいものとな
る。このように作動油の注入と排出の方向を入れ替える
だけで出力(回転力)方向を簡単に逆転できるのが本実
施例の高速油圧モーターの大きな特徴の1つである。
【0158】以上にて本発明の1実施例の高速油圧モー
ターMにおける構成の要部であるローター部1、ギア部
2、作動油経路部3の作用の説明を終え、次に漏れ油戻
り経路部4の作用の説明に移るわけであるが、漏れ油戻
り経路部4の作用は漏れ油戻り経路部4の構成の項にて
同時に説明されているので省略する。
【0159】また、ケーシングボディ5、タイミングカ
バー6、モーターフランジ7、軸カバー8、9の作用は
次のとおりである。すなわち、ケーシングボディ5はロ
ーター部1とギア部2を格納するのが主な作用であり、
タイミングカバー6はギア部2の正面側の掩覆、モータ
ーフランジ7はローター部1の背面側の掩覆、軸カバー
8、9はローター部1の軸18(組付ボルト18b)、軸19
(組付ボルト19b)の掩覆がその主な作用であるが、こ
の他に、以下に示す作用を有する
【0160】すなわち、ケーシングボディ5とタイミン
グカバー6はその内部に作動油経路部3の一部を構成
し、また、ケーシングボディ5、タイミングカバー6、
モーターフランジ7、軸カバー8、9はその内部に漏れ
油戻り経路部4を構成する。また、モーターフランジ7
はその凸部77に穿設された6個の取付ボルト孔77cによ
り高速油圧モーターM全体が所定の場所に取付けられる
ための接続部分となる。以上が本実施例の高速油圧モー
ターMの作用の詳細な説明である。
【0161】本実施例の高速油圧モーターMを、例えば
左右の幅90mm、高さ130mm、奥行き方向の厚さ100mmで構
成した場合、その出力は、 定格 100kg/cm2(高速油圧モーターMが受ける作動油の圧力) 1200r.p.m.(出力軸15の回転数) 40000cm3/min(作動油の流量) 9PS (出力) 最大 200kg/cm2(高速油圧モーターMが受ける作動油の圧力) 2500r.p.m.(出力軸15の回転数) 84000cm3/min(作動油の流量) 29PS (出力) となる。なお、以上の数値はエネルギーロスを見こんだ
ものである。
【0162】これは、同程度の大きさの電動モーターに
比較して約30倍の出力である。このように大きな出力が
得られるのは、本実施例の高速油圧モーターMの運動部
分は全て回転運動のみで構成されるため、高速運転が可
能であるという理由による。
【0163】
【発明の効果】本発明の高速油圧モーターは運動部分が
全て回転運動のみで構成されているので、高速運転が可
能であり、エネルギーロスは最小である。
【0164】したがって、ピストンを用いて往復運動を
回転運動に変換する形式の油圧モーターのように高圧の
作動油を必要としない。あるいは、高圧の作動油を使用
すれば、ピストンを用いて往復運動を回転運動に変換す
る形式の油圧モーターに比較してはるかに大きな出力を
得ることができる。
【0165】また、ローターの凸部はケーシングボディ
の内壁に密接しているだけで押圧しておらず、しかも常
に作動油による潤滑作用を受けているため、摩擦熱の発
生も最小限に抑制される。
【0166】摩擦熱の発生が最小限に抑制される結果と
して作動油が過熱されることもなく、長時間の連続運転
が可能である。これは、ピストンを用いて往復運動を回
転運動に変換する形式の油圧モーターには期待できない
大きな特徴である
【0167】さらに、ローターの凸部はケーシングボデ
ィの内壁に密接しているだけで押圧しておらず、しかも
ローターの凸部が密接するケーシングボディの内壁は完
全な円形であるのでローターの凸部にもケーシングボデ
ィの内壁にも無理な負荷がかからず、ローターの凸部及
びケーシングボディの内壁の損傷・劣化は最小限に抑制
される。逃し弁の外周と逃し弁の外周が密接するケーシ
ングボディの内壁についても同様である。
【0168】また、ローターの凸部はローターと一体に
構成され、しかも略台形という安定的な形態であるので
高圧下でも例えばベーンモーターのベーンのように撓み
その他の変形を蒙るということはあり得ない。
【0169】したがって、本発明の高速油圧モーター
は、例えばベーンモーターではとても不可能な高圧の作
動油にて運転可能であり、その分出力を大きくすること
ができる。
【0170】したがって、本発明の高速油圧モーター
は、作動油の圧力を低圧から高圧に連続的に変化させて
いくことにより、連続的かつ安定的に変化する出力を得
られるものである。
【0171】また、作動油の注入・排出の方向を切換え
るだけで、簡単に逆転運転を行うことができる。
【0172】また、ローターの外周部の対蹠点の方向に
2個の逃し弁を備えており、これによりローターの凸部
と1個の逃し弁の凹部の嵌合部分から出力軸に加わる圧
力がローターの凸部ともう1個の逃し弁の凹部の嵌合部
分から出力軸に加わる圧力と相殺され、結果として出力
軸には軸方向に直角の圧力は一切加わらない。
【0173】その結果として、例えばギアモーターにお
けるような出力軸のブレがなく、したがって作動油が出
力軸部分から漏洩することもなく、出力軸及び軸孔の損
傷・劣化も殆ど起こらない。
【0174】また、本発明の高速油圧モーターにおいて
は、ロータと逃し弁の両方とも硬質材を用いて構成でき
るので、例えばギアの一方を軟質材で構成しなければな
らないギアモーターと比較するとはるかに小型に構成で
きる。無論、ピストンを用いて往復運動を回転運動に変
換する形式の油圧モーターよりはるかに小型に構成でき
るのは当然のことである。
【0175】以上から明らかなとおり、本発明の油圧モ
ーターは、可動部材の運動の全てが回転運動にて構成さ
れており、エネルギーロスと摩擦熱の発生が最小で高速
運転が可能であり、同程度の大きさの電動モーターと比
較して約30倍の出力を得ることができるものである。し
かも、ベーンモーターと異なり高圧下でも使用可能であ
り、小型化も可能で、その利用範囲は極めて広いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速油圧モーターの1実施例の正面図
である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】本発明の高速油圧モーターの1実施例の背面図
である。
【図5】本発明の高速油圧モーターの1実施例の右側面
図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の高速油圧モーターの1実施例のタイミ
ングカバーを取り除いた正面図である。
【図8】本発明の高速油圧モーターの1実施例の分解立
体図である(組付ボルトを一部省略)。
【図9】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である(組付ボルトを一部省略)。
【図10】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である(組付ボルトを一部省略)。
【図11】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である。
【図12】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である。
【図13】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である。
【図14】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である(組付ボルトを一部省略)。
【図15】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である。
【図16】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
分解立体図である(組付ボルトを一部省略)。
【図17】本発明の高速油圧モーターの1実施例の部分の
一部を欠截した分解立体図である。
【図18】a 本発明の高速油圧モーターの1実施例の作
用を説明する説明図である。 b 本発明の高速油圧モーターの1実施例の作用を説明
する説明図である。
【図19】a 本発明の高速油圧モーターの1実施例の作
用を説明する説明図である。 b 本発明の高速油圧モーターの1実施例の作用を説明
する説明図である。
【符号の説明】
1 ローター部 11 ローター 11a、11b、11c、11d 凸部 11e 外周 12 逃し弁 12a、12b 凹部 12c 外周 13 逃し弁 13a、13b 凹部 13c 外周 14 軸 14a 中心孔 14b 軸受メタル 14c、14d スラストメタル 15 出力軸 15a 軸受メタル 16 軸 16a 中心孔 16b 軸受メタル 17 軸 17a 中心孔 17b 軸受メタル 18 軸 18a 中心孔 18b 組付ボルト 18c 軸受メタル 18d スラストメタル 18e スラストフランジ 18f スラストメタル 19 軸 19a 中心孔 19b 組付ボルト 19c 軸受メタル 19d スラストメタル 19e スラストフランジ 19f スラストメタル 2 ギア部 21 大ギア 21a 中心孔 21b 凹部 21c 凹部 21d 組付ボルト 21e ワッシャー 22 小ギア 22a 中心孔 22b 凹部 22c 組付ボルト 22d ワッシャー 23 小ギア 23a 中心孔 23b 凹部 23c 組付ボルト 23d ワッシャー 3 作動油経路部 31a、31b ニップル 31c、31d パイプ 31e ニップル 32a、32b ニップル 32c、32d パイプ 32e ニップル 33a、33b 注入口 34a、34b 排出口 35a、35b 注入口 36a、36b 排出口 37a、37b 隅凹部 38a、38b 隅凹部 4 漏れ油戻り経路部 41 オイルシール 42a、42b 経路 43a、43b、43c、43d 経路 44a、44b 経路 45a、45b 経路 46 経路 47 ニップル 5 ケーシングボディ 51、52、53凹部 54 隔壁 54a、54b、54c 軸孔 55、56、57凹部 58、59組付ボルト孔 6 タイミングカバー 61、62、63凹部 64、65組付ボルト孔 66 組付ボルト 7 モーターフランジ 71、72、73軸孔 74、75組付ボルト孔 76 組付ボルト 77 凸部 77a 孔 77b 段部 77c 取付ボルト孔 78、79組付ボルト孔 8 軸カバー 8a 凸部 8b 組付ボルト孔 8c 組付ボルト 9 軸カバー 9a 凸部 9b 組付ボルト孔 9c 組付ボルト G1、G2、G3 ギア K ノックピン M 高速油圧モーター P1、P2、P3 ピッチ円 R1、R2、R3、R4 空間 S1、S2 空間 T 左端 α 軸方向 β、γ 方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油の圧力によりローターを回転させ
    て出力を得る油圧モーターであって、 上記ローターが円筒形状あるいは円盤形状でその中心に
    一方の端部が出力軸となった軸を有し外周部分に等間隔
    に4個の凸部を有しており、該ローターに接して直径が
    上記ローターの2分の1の円筒形状あるいは円盤形状で
    その中心に軸を有し外周部分に上記ローターの上記凸部
    に嵌合する2個の凹部を有する1個の逃し弁と上記ロー
    ターに接して直径が上記ローターの2分の1の円筒形状
    あるいは円盤形状でその中心に軸を有し外周部分に上記
    ローターの上記凸部に嵌合する2個の凹部を有するもう
    1個の逃し弁の計2個の逃し弁を上記ローターの外周の
    対蹠点の方向に有し、上記ローターの上記凸部と上記2
    個の逃し弁の上記凹部が嵌合しつつ上記ローターと上記
    2個の逃し弁が夫々の軸を中心に正逆自在に回転する構
    成のローター部と、 上記ローターの出力軸とは反対側の軸の端部に偶数枚の
    歯を有する大ギアが固着され、上記2個の逃し弁のうち
    の1個の逃し弁の軸のうちの上記ローターの上記大ギア
    が固着された側と同一の側の軸の端部に上記大ギアの半
    数の歯を有する小ギアが固着され、さらにもう1個の逃
    し弁の軸のうちの上記ローターの上記大ギアが固着され
    た側と同一の側の軸の端部に上記大ギアの半数の歯を有
    する小ギアが固着され、上記大ギアと上記2枚の小ギア
    が歯合して回転する構成のタイミングギア部と、 上記ローター部に作動油を供給する作動油の注入口と上
    記ローター部から作動油を排出する作動油の排出口及び
    上記作動油の注入口に作動油を供給する作動油注入用の
    ニップルと上記作動油の排出口から作動油を排出する作
    動油排出用のニップルから構成される作動油経路部と、 上記ローター部と上記タイミングギア部に連通し上記ロ
    ーター部の回転部分の一部と上記タイミングギア部の回
    転部分に潤滑作用を施した後漏れ油排出用のニップルか
    ら排出される漏れ油の戻り経路部と、 上記ローター部と上記タイミングギア部を格納掩覆する
    容器部分と、 から構成されていることを特徴とする高速油圧モータ
    ー。
  2. 【請求項2】 上記容器部分が、上記ローター部と上記
    タイミングギア部を格納するケーシングボディと、上記
    ケーシングボディの上記タイミングギア部側を掩覆する
    タイミングカバーと、上記ケーシングボディの上記ロー
    ター部側を掩覆するモーターフランジと、上記逃し弁の
    軸を掩覆する軸カバーとから構成されていることを特徴
    とする高速油圧モーター。
  3. 【請求項3】 上記ローターの上記凸部が、インボリュ
    ート曲線によって構成されたギアの歯のピッチ円より外
    側の部分の形状となっており、上記逃し弁の上記凹部が
    インボリュート曲線によって構成されたギアの歯と歯の
    間の凹部のピッチ円より内側の部分の形状となっている
    ことを特徴とする高速油圧モーター。
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