JP2002234057A - 樹脂製枠体の射出成形方法 - Google Patents
樹脂製枠体の射出成形方法Info
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Abstract
られるキャップ本体とを溶着させるための樹脂製枠体を
成形するにあたり、ウエルドラインの発生を防止するこ
とにより、タンク本体に気密性よく溶着できるようにし
た樹脂製枠体の射出成形方法を提供する。 【解決手段】 金型40のランナー60は、柱状部分6
0aと、盤状部分60bとを有し、この盤状部分60b
の周縁にゲート70が設けられている。樹脂製枠体を成
形するためのキャビティ80の内周に沿って、ゲート7
0はループ状に開口している。そして、このゲート70
を介して、溶融樹脂をキャビティ80の全周から同時に
射出して、ウエルドラインのない樹脂製枠体を得る。
Description
ップ等を溶着するための樹脂製枠体の成形方法に関し、
更に詳しくは、例えば自動車等の樹脂製の燃料タンク
と、外側に配管等を接続するための燃料タンク用キャッ
プ等との間に介在する樹脂製枠体の射出成形方法に関す
る。
された給油管、エンジンに接続された供給管、キャニス
タに接続された蒸気排出管などの各種の配管が接続され
る。これらの配管接続のため、管接続口を有するキャッ
プが、燃料タンクの穴を塞ぐように装着されている。特
にキャニスタに接続された蒸気排出管を接続するキャッ
プには、燃料の液面が上昇したとき管接続口の通路を閉
じるフロートバルブ等が装着されている。
軽量性、成形性、耐燃料性等の点から高密度ポリエチレ
ン(HDPE)単体容器、又は、近年では燃料非透過性
の材料として高密度ポリエチレン層等を外層および内層
とし、中間層にエチレン・ビニルアルコール共重合体な
どのバリア層を設けた多層容器等の、いわゆる樹脂タン
クが多く使用されている。
としては、強度や燃料非透過性の点より、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール等、また
はこれらの繊維強化材料等が多く用いられている。この
ため、両者を密封接続する際、燃料タンク本体とキャッ
プ本体の樹脂材質が異なるので相互には相溶性がなく、
そのまま熱融着させることができないという問題が生じ
る。
例えば、特開2000−8981号公報には、燃料タン
クの上壁の穴を通して、フロート弁を内蔵したケース本
体を挿入し、このケース本体の上面に管接続口を設ける
と共に、上記ケース本体上面の周縁をフランジ状に延出
させ、このフランジ部下面を、極性官能基を添加した変
性オレフィン系樹脂からなる環状溶着部を介して、燃料
タンク本体に溶着してなる燃料遮断弁が開示されてい
る。
オレフィン系樹脂に極性官能基を添加した変性オレフィ
ン系樹脂からなり、燃料タンク本体及びケース本体の双
方に溶着可能な樹脂材料であるので、これを介在させる
ことにより、両者の密封接続を可能とするものである。
体とを環状溶着部を介して溶着することが知られてい
る。図5〜7には、上記のような環状溶着部を形成する
ための従来の射出成形装置の一例が示されている。
するためのシリンダ50と、このシリンダ50から射出
された樹脂を成形するための金型40とを有している。
シリンダ50は、ノズル51を有し、このノズル51が
金型40に当接したときに、溶融した樹脂が射出される
ようになっている。
た樹脂を通すランナー60と、このランナー60の末端
に形成されたゲート70と、目的とする成形品に適合す
る空間形状のキャビティ80とを有している。なお、4
1は基台、42は成形品取出し用のピンである。
構成するキャビティ80の上面3箇所に設けられてお
り、上記3箇所のゲート70からキャビティ80内に樹
脂を射出するようになっている。なお、金型40から取
出した成形品には、ランナー60で固化した枝状の樹脂
が連結されているので、これらをゲート部で切断するこ
とによって環状の樹脂製枠体30aが得られる。
5〜7に示した従来の射出成形装置においては、キャビ
ティ80の上面に設けた3箇所のゲート70から樹脂を
射出するので、図6の破線矢印の概念図に示されるよう
に、射出された樹脂はキャビティ80内を回り込み、接
合部33で合流する。このとき、合流点で樹脂の二つの
流れが完全に融合しないと、接合部33に線状のむらで
ある、いわゆるウエルドラインが生じることになる。な
お、31はゲートスポットである。
された樹脂製枠体30aは、表面に凹凸のないきれいに
成形された環状枠体をなしているが、樹脂製の燃料タン
クと接合するために再度加熱すると、図7(b)に示す
ように、ウエルドラインの部分で収縮が発生して引け部
34が発生し、変形した樹脂製枠体30bになってしま
う。
燃料タンクと樹脂製枠体30bとの接合面に微小な隙間
ができて、燃料タンクに対する気密性が損なわれる虞れ
があり、燃料蒸気等がこの隙間から透過してしまうとい
う不具合が発生する可能性があった。
ンク本体と、タンクの穴に取付けられるキャップ本体と
を溶着させるための樹脂製枠体を成形するにあたり、ウ
エルドラインの発生を防止することにより、タンク本体
に気密性よく溶着できるようにした樹脂製枠体の射出成
形方法を提供することにある。
め、本発明の第1は、樹脂製のタンクと、該タンクの穴
に取付けられる樹脂製キャップ本体とを溶着させるため
の樹脂製枠体の射出成形方法であって、盤状に広がる部
分を有するランナーを通し、更に該ランナーの前記盤状
部分の周縁に設けたゲートを通して、前記樹脂製枠体形
成用のキャビティの全周から同時に樹脂を射出すること
を特徴とする樹脂製枠体の射出成形方法を提供するもの
である。
る部分を設け、この盤状部分の周縁に設けたゲートを通
して、キャビティの全周から同時に樹脂を射出すること
により、キャビティに流入した樹脂が主として径方向に
移動してキャビティ内に充填されるので、前記図6に示
したようなウエルドラインが形成されることがない。こ
のため、樹脂タンク本体に溶着する際に部分的な引け等
が発生することなく、気密性よく溶着することができ、
燃料蒸気の透過をより確実に防止することができる。
て、前記樹脂製枠体の内周面に沿って前記ゲートが位置
する樹脂製枠体の射出成形方法を提供するものである。
内周面に配置することにより、射出成形後のゲート部の
切り離し等の後処理が容易となり、また、使用する金型
の形状が簡素になり、金型の点数を減らすことができる
ので、生産性に優れた成形方法が提供できる。
発明の一実施形態を説明する。図1は本発明に用いられ
る射出成形装置の一例を示す部分断面図、図2はキャビ
ティ内に射出された樹脂の流動方向を示す概念図、図3
は本発明の射出成形方法により得られた樹脂製枠体の一
例を示す斜視図、図4は本発明の方法により得られた樹
脂製枠体を用いて樹脂タンクとキャップ本体とを溶着さ
せた状態の断面図である。
溶融した樹脂を射出するためのシリンダ50と、樹脂を
成形固化させるための金型40とを有している。シリン
ダ50は先端にノズル51を有し、所定のタイミングで
金型40に当接して溶融した樹脂をノズル51から金型
40内に射出する。
ロック40a、40b、40c、40dと、基台41と
から構成されている。なお、成形品を取出すときの金型
の開閉は、上記ブロック40bと、40cとの間でなさ
れる。そして、基台41には成形品取出し用のピン42
が立設され、その先端はブロック40d、40cを貫通
して、キャビティ80の内周に位置されている。成形品
を取出すとき、このピン42がキャビティ80に挿入さ
れ、キャビティ80内の成形品を押出すようにする。
される樹脂を通すランナー60と、このランナー60の
先端に形成されたゲート70と、ゲート70から流入す
る樹脂を目的とする成形品形状にするためのキャビティ
80とが設けられている。この場合、上記ランナー60
は、ノズル51の吐出口からテーパ状に広がりながら伸
びる柱状部60aと、この柱状部60aの下端から円盤
状に広がる盤状部60bとを有している。
の周縁に形成され、環状をなすキャビティ80の内周に
沿ってループ状に開口している。なお、盤状部60bの
周縁からキャビティ80に至るゲート70の長さ(ゲー
トランド)は、特に限定されないが、好ましくは2〜3
mmである。また、ゲート70の開口幅も、特に限定さ
れないが、後処理でのゲート部分の切り離し作業を容易
にする点から0.2〜0.3mmの範囲が好ましい。
製枠体の形状に合わせて形成すればよく、この実施形態
では上下面がフラットな環状をなしているが、例えば角
形の枠形状をなしていてもよく、キャップ本体を成形す
るときにインサート成形できるようにするためのリブ等
を有する形状であってもよい。
説明する。まず、図1に示すように、金型40の各ブロ
ック40a〜40dを閉じてセットすると、ブロック4
0bと40cの間に樹脂製枠体を成形するためのキャビ
ティ80が形成される。そして、シリンダ50のノズル
51が金型40に当接すると、シリンダ50内で加圧さ
れた溶融樹脂は、ノズル50からランナー60へ射出さ
れる。
ンク10およびキャップ本体20の双方に接着可能な樹
脂を用いることが必要であり、例えば極性官能基を添加
した変性ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
このような変性ポリオレフィンとしては、「モディック
・AP」(商品名、三菱化学株式会社製)、「アドマー」
(商品名、三井化学株式会社製)などが好適に使用でき
る。
ンナー60の柱状部60aを介して盤状部60bに到達
し、更に、盤状部60bの周縁に設けられたゲート70
を介してキャビティ80内に流入し、キャビティ80内
での成形固化が行われる。
は、ランナー60の盤状部60bの周縁に形成されたゲ
ート70からキャビティ80内に射出されるので、キャ
ビティ80の内周に沿ってループ状に形成されたゲート
70から同時に樹脂が射出される。この射出樹脂は、図
2の破線矢印の方向に示されるように、キャビティ空間
80の内周面から外周面に向かって全周均一にキャビテ
ィ80内に広がる。したがって、キャビティ80の周方
向に沿った樹脂の接合面は存在しないのでウエルドライ
ンが形成されることはない。
水を用いて冷却された金型内で、射出樹脂は冷却固化さ
れ成形される。その後に、ブロック40bと40cとの
間で金型40を開き、ピン42をキャビティ80内に押
し込んで成形体90を金型40内から抜き出す。
(a)に示すように、キャビティ80内に充填されて成
形された樹脂製枠体91と、ランナー60内で固化して
前記樹脂製枠体91に連結された状態で取出される不要
部92とを有している。不要部92は、ランナー60の
柱状部60aに充填されてできた柱状部92aと、盤状
部60bに充填されてできた盤状部92bとで構成さ
れ、不要部92と樹脂製枠体91との間は、ゲート70
内で固化したゲート部93をなしている。
形体90からゲート部93の部分をカットして不要部9
2を除去することにより、目的とする樹脂製枠体91を
得ることができる。この場合、不要部92の盤状部92
bの周縁が、肉薄のゲート部93を介して樹脂製枠体9
1の内周に連結しているので、不要部92を打ち込む等
の簡単な手段によってゲート部93をカットすることが
でき、不要部92を容易に除去することができる。
の切り離し工程は、成形体90を金型40から取出した
後に別途行ってもよく、また、金型40内で切り離しを
行ってしまうことも可能である。
た樹脂製枠体91の使用方法について説明する。図4は
樹脂製枠体91を用い、樹脂タンク10とキャップ本体
20を溶着させた状態を示している。
取付けるための穴11が設けられている。ここで、樹脂
タンク10としては、各種のものが適用できるが、特に
自動車等の燃料タンクが好適である。また、樹脂タンク
10の材質としては、前述の如く、高密度ポリエチレン
(HDPE)単体容器、または高密度ポリエチレン層を
外層および内層とし、中間層にエチレン・ビニルアルコ
ール共重合体などの燃料非透過性に優れるバリア層を設
けた多層容器が好ましく用いられる。
料タンクに用いる場合には、給油口に接続される給油
管、エンジンに接続される供給管、キャニスタに接続さ
れる蒸気排出管などの各種の配管を接続するために使用
される。これらの配管接続のため、管接続口を有するキ
ャップ本体20は、樹脂タンク10の穴11を塞ぐよう
に装着される。なお、例えばキャニスタに接続される蒸
気排出管を接続するキャップには、燃料の液面が上昇し
たとき管接続口の通路を閉じるフロートバルブ等が装着
される。
定されないが、例えば燃料タンクに適用する場合には、
燃料非透過性及び機械的強度に優れた樹脂、例えばポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、エチレン・ビニルアルコール共重
合体、脂肪族ポリケトンから選ばれた1種が好ましく使
用される。これらの樹脂は、樹脂単独のみならず、ガラ
ス繊維、炭素繊維等で強化された繊維強化材料であって
もよい。
しては、例えば「ジェラネックス」(商品名、ポリプラ
スチック株式会社製)、「ルミコン」(商品名、東レ株
式会社製)などが使用でき、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体としては、例えば「エバール」(商品名、ク
ラレ株式会社製)などが使用でき、脂肪族ポリケトンと
しては、例えば「カリロン」(商品名、シェル化学株式
会社製)などが好ましく使用できる。
ており、その下面が樹脂製枠体91を介して樹脂タンク
10の穴11の開口部周縁に溶着される。この場合、キ
ャップ本体20と樹脂製枠体91との溶着と、樹脂製枠
体91と樹脂タンク10との溶着を同時に行うこともで
きるが、予め樹脂製枠体91をキャップ本体20に溶着
させておき、その状態で樹脂製枠体91を樹脂タンク1
0に溶着することが好ましい。
本体20を成形するときに、予め成形した樹脂製枠体9
1を金型にインサートしておき、樹脂製枠体91とキャ
ップ本体20とを一体成形することもできる。その場合
には、樹脂製枠体91を単なる環状に成形するのではな
く、キャップ本体20内に入り込むような環状のリブ等
を有する形状に成形することが好ましい。
ンク10の穴11を通して樹脂タンク10内に挿入し、
フランジ部21の下面に装着された樹脂製枠体91を樹
脂タンク10の外壁に当接させ、加熱溶着させることに
よって、キャップ本体20を樹脂タンク10に接合する
ことができる。このとき、前述のように樹脂製枠体91
にはウエルドラインがないので、溶着面が平滑で均一な
面をなし、このため十分な気密性を維持することが可能
となる。
樹脂製枠体を射出成形によってウエルドラインの発生が
ないように均一に成形可能であり、これにより、樹脂製
枠体を介して、樹脂タンクとキャップ本体とを確実に熱
溶着できるので、樹脂タンクと樹脂製枠体の界面に隙間
が発生することがなく、燃料蒸気の透過等をより確実に
防止することができる。
部分断面図である。
ティ内に射出された樹脂の流動方向を示す概念図であ
る。
体の一例を示す斜視図である。
体を用いて樹脂タンクとキャップ本体とを溶着させた状
態の断面図である。
出成形装置を示す部分断面図である。
内での樹脂の流動方向を示す概念図である。
の一例を示す斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂製のタンクと、該タンクの穴に取付
けられる樹脂製キャップ本体とを溶着させるための樹脂
製枠体の射出成形方法であって、盤状に広がる部分を有
するランナーを通し、更に該ランナーの前記盤状部分の
周縁に設けたゲートを通して、前記樹脂製枠体形成用の
キャビティの全周から同時に樹脂を射出することを特徴
とする樹脂製枠体の射出成形方法。 - 【請求項2】 前記樹脂製枠体の内周面に沿って前記ゲ
ートが位置する請求項1記載の樹脂製枠体の射出成形方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001034769A JP4112185B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 樹脂製枠体の射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001034769A JP4112185B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 樹脂製枠体の射出成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002234057A true JP2002234057A (ja) | 2002-08-20 |
JP4112185B2 JP4112185B2 (ja) | 2008-07-02 |
Family
ID=18898316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001034769A Expired - Lifetime JP4112185B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 樹脂製枠体の射出成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4112185B2 (ja) |
-
2001
- 2001-02-13 JP JP2001034769A patent/JP4112185B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4112185B2 (ja) | 2008-07-02 |
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