JP2002233364A - 被検物質の毒性判定方法 - Google Patents

被検物質の毒性判定方法

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JP2002233364A
JP2002233364A JP2001033216A JP2001033216A JP2002233364A JP 2002233364 A JP2002233364 A JP 2002233364A JP 2001033216 A JP2001033216 A JP 2001033216A JP 2001033216 A JP2001033216 A JP 2001033216A JP 2002233364 A JP2002233364 A JP 2002233364A
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toxicity
gene
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JP2001033216A
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Yuki Nagano
由紀 永野
Hiroshi Yokota
博 横田
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検物質の毒性を包括的にかつ効率的に検定
し得る新規な手段を提供すること。 【解決手段】 被検物質の毒性を、被検物質により発現
量が変化した遺伝子の数を指標として判定する、被検物
質の毒性判定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子発現解析を
利用した新規な毒性判定方法に関する。
【0002】
【従来技術】同じ系統に属する主薬効が同等な医薬品で
あっても、それらの副作用の現れ方は必ずしも同等では
ない。副作用が主薬効とは無関係の機作により生じる場
合には、主薬効と副作用はそれぞれその医薬品の性質を
示す独立したパラメーターになりうる。例えば、合成キ
ノロン抗菌剤であるトロバフロキサシンは、他のキノロ
ン剤と比較して、肝臓に対して強い毒性を示す(Cli
n.Infec.Dis.30,400−401,20
00)。そのため、創薬研究においては、医薬品候補化
合物を探索するためのスクリーニングの初期段階からそ
れらの副作用に関わる情報を入手し、毒性を示しにくい
骨格の化合物を選択することが医薬品開発の効率上極め
て有益である。
【0003】医薬品の副作用を評価するための手段とし
て、毒性試験が行われる。毒性試験とは、人体に健康障
害を引き起こすおそれのある化学物質、例えば医薬品、
食品添加物、工業廃棄物、生物産生物質などの安全性の
評価または許容量を判断するための試験であり、一般毒
性試験(急性、短期、長期毒性試験)、特殊毒性試験
(変異原性、局所刺激性、アレルギー性、発ガン性、催
奇形性、繁殖性、多世代試験)、体内滞留試験(吸収、
代謝、蓄積、排泄試験)や一般生物学的試験(薬理学
的、細胞毒性試験)などが行われている。化学物質の毒
性をヒトで試験することはできないため、代替として、
一般的に動物を用いての評価が行われている。しかしな
がら、ヒトと動物とでは化学物質の示す作用が異なる可
能性もあるので、ヒト由来の培養細胞を用いて毒性を評
価することは有用であると考えられる。
【0004】最近、多数の遺伝子の発現変動や遺伝子の
一塩基変異(SNP)などを包括的に捉え得る有用な方
法として、DNAチップを用いた遺伝子解析方法が注目
されている(Nature Genetics Sup
pliment 21:3−60,1999)(DNA
microarrays:A practicala
pproach, Shena,M.編:Oxford
Unversity Press,1999)。DN
AチップはDNAマイクロアレイとも呼ばれ、基盤上に
固定された多数の異なったキャプチャーDNAに対し
て、標識したDNAまたはRNAをハイブリダイゼーシ
ョンさせ、ハイブリダイゼーションしたDNAまたはR
NAの測定を標識の検出により行う技術である。現在知
られているDNAチップは、基盤に固定されるキャプチ
ャーDNAの種類、及びその作製法により2種類に分類
される。一つは、オリゴDNAを基盤上で合成してゆく
オリゴヌクレオチドアレイであり、Affymetri
x社から入手可能である(商品名:GeneChi
p)。他方は、DNA、主にcDNAを基盤上にスポッ
ティングしてキャプチャーDNAとして固定化するcD
NAアレイである。このようなDNAチップ技術は、新
たな遺伝子発現調節単位の解明や遺伝子発現プロファイ
ルに基づく疾患の分類などに用いられている。
【0005】一方、薬剤などの化学物質がある特定の遺
伝子の発現に及ぼす作用は、良く知られているノーザン
ブロットやPCRといった技術に加え、上記のDNAチ
ップ技術を用いて解析することが可能である。しかしな
がら、例えば抗菌剤のように、本来、ヒト組織には作用
を及ぼさないことが期待される薬剤が、遺伝子発現にど
のような影響を与えるのかを解析し、解析結果から得ら
れた情報をその薬剤の副作用の判定に利用することを考
えた場合、特定の遺伝子に注目してその変化を検出する
だけでは不十分であり、遺伝子の変化を総合的に評価し
た上で判定することが望ましいと考えられる。ところ
が、これまでに、薬剤などの化学物質の遺伝子発現に及
ぼす作用を可能な限り多くの遺伝子に関し解析し、得ら
れた情報をもとに、薬剤の副作用の強さを判定する方法
はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、被検
物質の毒性を検定する新規な毒性判定方法を提供するこ
とであり、さらに該判定方法に用いる毒性判定用キット
及び該判定方法を用いる新規生体適用物質のスクリーニ
ング方法を提供することである。
【0007】
【課題解決のための手段】本発明者らは、課題解決のた
めに、被検物質による遺伝子発現の変化をDNAチップ
を用いて包括的に検定し、その変化を分析することが毒
性判定方法として有用でありかつ効率的であることを確
認して本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、以下に列挙するもので
ある。 1)被検物質の毒性を、被検物質により発現量が変化し
た遺伝子の数を指標として判定する、被検物質の毒性判
定方法。 2)被検物質の毒性を、生物学的評価系を用いて、被検
物質により発現量が変化した遺伝子の数を指標として判
定する、被検物質の毒性判定方法。 3)生物学的評価系として、哺乳類由来の継代培養細胞
あるいは初代培養細胞を用いることを特徴とする、前記
2)の被検物質の毒性判定方法。 4)生物学的評価系として、実験動物、実験動物の臓
器、実験動物の組織、実験動物の細胞あるいは実験動物
の血液を用いることを特徴とする、前記2)の被検物質
の毒性判定方法。 5)遺伝子の発現量を測定する手段としてDNAチップ
(DNAマイクロアレイ)を用いることを特徴とする前
記1)から4)のいずれかの被検物質の毒性判定方法。 6)被検物質により発現量が変化した遺伝子の数を、被
検物質と接触した生物学的評価系における遺伝子の発現
量と、被検物質と接触しなかった生物学的評価系におけ
る遺伝子の発現量とを比較解析し判定する、前記2)か
ら5)のいずれかの被検物質の毒性判定方法。 7)被検物質と接触した生物学的評価系における遺伝子
の発現量と、被検物質と接触しなかった生物学的評価系
における遺伝子の発現量との比較解析において、ハウス
キーピング遺伝子の変化(増加または減少)より大きな
変化を示した遺伝子を発現量が変化した遺伝子と判定す
る、前記2)から6)のいずれかの被検物質の毒性判定
方法。 8)発現量が変化した遺伝子の数が、50以下であった
ときに被検物質の毒性が弱いとし、500以上であった
ときに被検物質の毒性が強いとする判定基準により被検
物質の毒性を判定する、前記2)から7)のいずれかの
被検物質の毒性判定方法。 9)組織に対する被検物質の毒性を判定する方法であっ
て、該組織由来の培養細胞を用い、該被検物質と接触さ
せた該培養細胞における遺伝子の発現量と該被検物質と
接触させなかった該培養細胞における遺伝子の発現量と
を比較解析し、遺伝子の発現量が変化した遺伝子の数を
指標として、培養細胞の由来となった組織に対する被検
物質の毒性を判定する方法。 10)遺伝子の発現量を測定する手段としてDNAチッ
プ(DNAマイクロアレイ)を用いることを特徴とする
前記9)の被検物質の毒性判定方法。 11)組織に対する被検物質の毒性を判定する方法であ
って、該組織由来の培養細胞を用い、該被検物質と接触
させた該培養細胞における遺伝子の発現量と該被検物質
と接触させなかった該培養細胞における遺伝子の発現量
との比較解析において、ハウスキーピング遺伝子の変化
(増加または減少)より大きな変化を示した遺伝子を発
現量が変化した遺伝子と判定する、前記9)または1
0)の被検物質の毒性判定方法。 12)発現量が変化した遺伝子の数が、50以下であっ
た被検物質を前記培養細胞の由来となった組織に対する
毒性が弱い、500以上であった被検物質を前記培養細
胞の由来となった組織に対する毒性が強いと判定する前
記9)から11)のいずれかの被検物質の毒性判定方
法。 13)組織がヒト肝臓で、培養細胞がHepG2であ
る、前記9)から12)のいずれかの被検物質の毒性判
定方法。 14)ヒト肝臓に対する被検物質の毒性を判定する方法
であって、該被検物質と接触させたHepG2細胞にお
ける遺伝子の発現量と該被検物質と接触させなかったH
epG2細胞における遺伝子の発現量をDNAチップ
(DNAマイクロアレイ)を用いて解析し、ハウスキー
ピング遺伝子の変化(増加または減少)より大きな変化
を示した遺伝子の数が、50以下であった被検物質を肝
臓に対する毒性が弱い、500以上であった被検物質を
肝臓に対する毒性が強いと判定する方法。 15)被検物質が抗菌剤である前記1)から14)のい
ずれかの被検物質の毒性判定方法。 16)抗菌剤がキノロン剤である前記15)の被検物質
の毒性判定方法。 17)キノロン剤のヒト肝臓に対する毒性を判定する方
法であって、該キノロン剤と接触させたHepG2細胞
における遺伝子の発現量とキノロン剤と接触しなかった
HepG2細胞における遺伝子の発現量とをDNAチッ
プ(DNAマイクロアレイ)を用いて測定し、ハウスキ
ーピング遺伝子の変化(増加または減少)より大きな変
化を示した遺伝子の数が、50以下であったキノロン剤
をヒト肝臓に対する毒性が弱い、500以上であったキ
ノロン剤をヒト肝臓に対する毒性が強いと判定する方
法。 18)前記1)から17)のいずれかの被検物質の毒性
判定方法をスクリーニング工程として含む、新規生体適
用物質のスクリーニング方法。 19)前記1)から17)のいずれかの被検物質の毒性
判定方法、あるいは、前記18)のスクリーニング方法
に使用する、試薬、容器、判定手段を含む毒性判定用キ
ット。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の被検物質の毒性判定方法
は、被検物質により発現量が変化した遺伝子の数を指標
として判定することを特徴とする。例えば、被検物質と
接触させた生物学的評価系における遺伝子の発現量と、
該被検物質と接触させなかった生物学的評価系における
遺伝子の発現量とを測定し、得られた結果を比較して、
発現量が変化した遺伝子の数により被検物質の毒性を判
定する。
【0010】本発明の被検物質の毒性判定方法におい
て、遺伝子の発現量を測定する方法は、遺伝子の発現を
包括的に定量しうる方法であればよい。例えば、ハイブ
リダイゼーションに基づくRNAの検出方法として、高
密度フィルター(High density filt
er)を用いる方法などの公知の方法を利用することが
できる。特に、少ないサンプル量で多量の遺伝子を一度
に包括的に測定し得ることから、DNAチップ(DNA
マイクロアレイ)を用いてハイブリダイゼーションによ
り測定する方法が好ましい。後述する実施例においては
DNAチップとしてAffymetrix社から入手が
可能なオリゴヌクレオチドアレイ(商品名;GeneC
hip)を用いたが、これに限定されない。また、DN
Aチップを用いた解析において、遺伝子の発現は、ポリ
(A)RNAから存在比を変えず、相補的に標識物質を
取り込ませたDNAあるいはRNAを増幅し、これらを
キャプチャーDNAにハイブリダイゼーションさせ、さ
らに標識物質に応じた公知の検出方法を用いることによ
り検出することができる。例えば、RNAの標識化にビ
オチンを用いたときは、RNAをDNAチップにハイブ
リダイゼーションさせた後に、ビオチンに結合し得るス
トレプトアビジン−フィコエリスリン(PE)複合体で
染色を行い、PEの蛍光強度のイメージデータを取得し
てコンピューター解析ソフトにより解析する。コンピュ
ーター解析ソフトとしては、Affymetrix社製
のGeneChip SuiteやGeneChip
LIMS/EDMTが挙げられるが、これらに限定され
ない。これにより、得られたイメージデータは数値化さ
れる。
【0011】被検物質の毒性は、上記の測定方法で得ら
れた遺伝子発現量が変化した遺伝子の数を指標に判定さ
れる。例えば、被検物質と接触させた生物学的評価系
(処理群)における遺伝子発現プロファイル、すなわち
多量の遺伝子発現情報を基に解析された包括的な遺伝子
発現パターンを、被検物質で処理しない対照群における
それと比較することにより、処理群において発現量が増
加あるいは減少している遺伝子を同定し、増加あるいは
減少した遺伝子の数を決定する。また、発現量が増加あ
るいは減少している遺伝子の同定は、例えばGeneC
hip LIMS/EDMTを用いて計算される、Fo
ld Change値を用いて行うこともできる。Fo
ld Change値は、対照群に対し処理群の各遺伝
子の発現量がどのように変化したかを示す値であり、例
えば、Fold Change値が2以上である遺伝子
を有意な増加を示した遺伝子、また、−2以下である遺
伝子を有意な減少を示した遺伝子であるとして、これら
の要件を満たす遺伝子の数を決定することが可能であ
る。あるいは、DNAチップ上のハウスキーピング遺伝
子、例えばβ−アクチンやG3PDHなど、のFold
Change値に基づいて、それより増加あるいは減
少している遺伝子を同定し、その数を決定することも可
能である。例えば、ハウスキーピング遺伝子のFold
Change値が3及び−2である場合、4以上ある
いは−3以下のFold Change値を示した遺伝
子を有意な変動を示した遺伝子とし、発現量が増加ある
いは減少した遺伝子の数を決定することができる。
【0012】被検物質の毒性の強さは、発現量が増加あ
るいは減少した遺伝子の数により評価する。例えば、毒
性の強さの判定基準として、発現量が増加あるいは減少
した遺伝子が50以下、好ましくは40以下、特に好ま
しくは30以下であったとき被検物質の毒性が弱いと
し、500以上、好ましくは600以上、特に好ましく
は700以上であったとき被検物質の毒性が強いとし
て、被検物質の毒性を判定してもよい。また、被検物質
の毒性の強さは、被検物質により発現量が増加あるいは
減少した遺伝子の数と、基準物質(対象とする組織の細
胞に対する毒性や副作用のないことが確認された物質及
び重篤な毒性などが確認された物質)のそれとを比較す
ることにより、判定することもできる。すなわち、毒性
や副作用がないまたは少ないと判断されている基準物質
で処理することにより発現量が増加あるいは減少した遺
伝子の数より、発現量が増加あるいは減少した遺伝子の
数が少ないときは、その被検物質は毒性を示さないと判
断できる。また、重篤な毒性が確認されている基準物質
で処理したときより多くの遺伝子で発現量が増加あるい
は減少が認められたときは、毒性が強いと判断すること
ができる。あるいは、被検物質を適宜希釈して、それぞ
れの濃度において、いくつの遺伝子が増減したかを計測
し、毒性を示さなくなる濃度を被検物質毎に決定し、こ
の値を比較することにより、複数の被検物質の毒性の強
さを比較判定することも可能である。さらには、増減し
た遺伝子の数について濃度依存性曲線を作製し、得られ
るその傾きを判定基準とすることもできる。
【0013】本発明において、上記発現量が増加あるい
は減少した遺伝子については、その遺伝子がハイブリダ
イゼーションしたキャプチャーDNAのDNAチップ上
での位置を同定し、該キャプチャーDNAの情報から、
該遺伝子の情報、例えば塩基配列、コードする蛋白質、
及び関連する疾患などの情報、を得ることも可能であ
る。したがって、発現量が増加あるいは減少した遺伝子
のさらに詳細な解析も可能である。
【0014】本発明において被検物質としては、医薬
品、食品、食品添加物、栄養補助食品など広く生体内に
摂取される物質、ならびに工業廃棄物や環境汚染物質な
どの生体に影響を及ぼし得る物質が対象とされる。実施
例においては、医薬品、特に抗菌剤を例示したが、対象
とする物質はこれに限定されない。
【0015】本発明において使用される生物学的評価系
とは、検定目的に応じて選定された生物由来、好ましく
は哺乳類由来の継代培養細胞または初代培養細胞、ある
いはラット、マウス、ウサギなどの実験動物を利用する
評価系を意味する。生物学的評価系として上記のような
培養細胞を用い、被検物質を接触させて上記毒性判定方
法を実施すれば、被検物質の培養細胞に対する毒性を包
括的に判定することができる。また、細胞に対する毒性
を判定することで、各細胞が由来した組織及び/または
臓器に対する毒性を評価することもできる。例えば、肝
臓由来の継代培養細胞株または初代培養細胞を使用すれ
ば、最も顕著に生体内において毒性が現れる肝臓に対す
る毒性を包括的に評価することが可能である。実験動物
を利用した場合には、生物学的評価系として、実験動物
から採取した生体試料を用いることもできる。実験動物
から採取した生体試料とは、臓器、組織、細胞、血液、
骨髄、受精卵、胚などを意味する。このとき、あらかじ
め被検物質を投与しておいた実験動物から生体試料を採
取してもよいし、採取した生体試料と被検物質とを直接
接触することも可能である。さらに、上記毒性判定方法
を利用すれば、医薬品を投与された、あるいは化学物質
に曝されたヒトに由来する生体試料、例えば血液などを
用いて、該医薬品の副作用や該化学物質の影響を検査す
ることもできる。上記毒性判定方法を実施するとき、用
いる生物学的評価系の数は1つに限らず、複数の生物学
的評価系について同時に判定を実施できる。例えば、2
種類以上の継代培養細胞株について一度に上記毒性判定
方法を実施できる。また、例えば2種類以上の組織及び
/または臓器に由来する、1種類もしくは2種類以上の
継代培養細胞株または初代培養細胞について、上記毒性
判定方法を一度に実施することにより、被検物質の生体
に対する影響を包括的に評価できる。
【0016】被検物質と生物学的評価系との接触とは、
例えば継代培養細胞株や初代培養細胞を生物学的評価系
として用いる場合、被検物質の存在下で細胞を培養し、
その後細胞を回収することを意味する。細胞の培養方法
及び培養条件は、用いる細胞に応じて自体公知の方法及
び条件から最適のものを選択する。このとき、用いる細
胞を公知の方法により、例えば培養時に血清を欠乏させ
る、または培養培地からイソロイシン、グルタミンなど
のアミノ酸を除くなどの方法によって、同調培養して使
用してもよい。培養期間は、被検物質の用途及び毒性や
副作用の発現時期に応じて所望の期間に調整され得る。
一般的には、被検物質との培養を5〜48時間行う。実
験動物を生物学的評価系として用いるときは、被検物質
を、その予想される投与法または摂取法により、被検物
質の用途及び毒性や副作用の発現時期に応じて所望の期
間、実験動物に与える。その後、検定目的とされる組織
を採取する。例えば、被検物質を単回投与後、数時間か
ら24時間後に検定目的とされる組織を採取する。ま
た、長期間摂取または投与されることが予想される被検
物質の場合は、該被検物質を実験動物に長期投与あるい
は反復投与後に採取した組織を用いてもよい。
【0017】得られた細胞または組織から、ついでRN
Aを調製する。RNAの調製には、広く公知の手法が適
用される。例えば、ヒトRNAを調製する場合、公知の
簡便なRNA抽出法であるAGPC(acid gua
nidinium thiocyanate phen
ol−chloroform)法(Anal.Bioc
hem.162,156−159,1987)が使用で
きる。得られた総RNAは、さらに、通常使用されるオ
リゴ(dT)ビーズやカラムを用いた方法などによりポ
リ(A)RNAに精製してもよい。また、組織あるいは
培養細胞からポリ(A)RNAを直接、抽出、精製して
もよい。調製された総RNAあるいはポリ(A)RNA
から、リバーストランスクリプターゼやT7ポリメラー
ゼなどを用いて一段階あるいは多段階で相補鎖を合成
し、これを基盤状に合成あるいはスポットされたキャプ
チャーDNAとハイブリダイゼーションさせる。相補鎖
を合成するとき、ビオチンなどの標識物質を取り込ませ
ておけば、標識物質を検出することにより、ハイブリダ
イズした核酸を検出することが可能である。さらに標識
されたRNAあるいはDNAは、ハイブリダイゼーショ
ンを効率的に行うために、断片化処理がなされる方が好
ましい場合もある。断片化の程度は、該断片化されたR
NAあるいはDNAとハイブリダイゼーションさせるキ
ャプチャーDNAの長さにより、適した長さを選択する
ことができる。例えば、ハイブリダイゼーションを実施
例で用いたオリゴヌクレオチドアレイであるGeneC
hip(Affymetrix社)を用いて行うときに
は、RNAを約35mer〜約200merの長さに断
片化することが好ましい。
【0018】上記本発明の毒性判定方法は、新規生体適
用物質のスクリーニングに利用することができる。生体
適用物質、例えば医薬品、の開発において、目的とする
作用や活性を有する候補物質を選別するためにスクリー
ニングを行う。このとき、該候補物質の毒性を指標とし
て、毒性の無いものまたは低いものをさらに選別するこ
とが一般的に行われている。スクリーニングにおける候
補物質の毒性の判定は、細胞毒性を指標に行われること
が多い。本発明の毒性判定方法を新規生体適用物質のス
クリーニングの一工程として含むスクリーニング方法
は、細胞毒性だけでなく遺伝子レベルでの作用に基づく
候補物質の差別化を行うことができるため、候補物質の
選別に有効な方法である。ここで、目的とする作用や活
性を有する候補物質を選別するためのスクリーニングに
用いる試験法は、従来実施されているいずれのものであ
ってもよい。
【0019】本発明は、さらに上記毒性判定方法に用い
るための、毒性判定用キットを提供する。該毒性判定用
キットは、RNAの調製、精製、標識及び検出に用いる
試薬、器具、及び容器、ならびに測定結果を検定するた
めの手段、例えばコンピューターソフトなどを含むもの
である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】被検物質として、シタフロキサシン、レボ
フロキサシン及びトロバフロキサシンの各キノロン系抗
菌剤を使用した。これらをそれぞれ添加して培養したヒ
ト肝芽腫由来の細胞株、HepG2細胞、から得た総R
NAをサンプルとして、ヒトプローブアレイであるHu
Gene FLを用いて、GeneChipシステム
(Affymetrix社)により遺伝子発現の解析を
行った。
【0021】(RNAの分取)HepG2細胞は、10
%牛胎児血清を含むMEM培地(Gibco BRL
社)中で維持し、その2×10個を75cmの培養
フラスコに加えて、37℃、5%CO雰囲気下で一晩
インキュベーションした。ついで、上記各キノロン剤を
それぞれ10.0μg/mlの終濃度となるように添加
し、6時間または16時間培養して細胞を回収した。各
キノロン剤は、0.1N NaOHで溶解したため、キ
ノロン剤の代わりに0.1N NaOHを加えて培養し
た細胞を対照とした。
【0022】キノロン剤で処理した細胞及び無処理の細
胞を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で2度洗浄
し、それぞれの総RNAをAGPC法(Anal.Bi
ochem.162,156−159,1987)で抽
出した。得られた総RNAからビオチン標識化cRNA
を、GeneChip発現解析技術マニュアル(Aff
ymetrix社)にしたがって、下記のように調製し
た。
【0023】まず、2本鎖cDNAを作製するため、総
RNAを8μgとT7−(dT)24プライマー(10
0pmol/μl)1μlとにDEPC−HOを加え
て9μlとし、70℃で10分間インキュベーションし
た。これを遠心して氷上で冷却した後、5× 1st
strand cDNA 緩衝液を4μl、0.1Mの
ジチオスレイトール(DTT)を2μl、2.5mMの
dNTP mix(dATP,dCTP,dGTP,d
TTPの混合物)を4μl添加して42℃で2分間イン
キュベーションし、200U/μlのSuperScr
ipt II RT(Gibco BRL Life T
echnologies)1μlを更に加えて42℃で
1時間インキュベーション後、氷上で冷却して遠心し、
1ststrand cDNAを合成した。つぎに、2
nd strand cDNAを合成するため、上記1
st strand cDNAに下記の組成の溶液を加
えて遠心し、16℃で2時間インキュベーションした。 DEPC−HO 82μl 5× 2nd strand cDNA 緩衝液 30μl 2.5mM dNTP mix 12μl E.coli DNAリガーゼ(10U/μl) 1μl DNAポリメラーゼ I(10U/μl) 4μl RNase H(2U/μl) 1μl ────────────────────────────── 合計 150μl その後、T4 DNAポリメラーゼ(5U/μl)を2
μl加えて16℃で5分間インキュベーションし、0.
5Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)10μlを
加え、二本鎖DNAを合成した。得られた二本鎖DNA
は、Phase Lock Gel I−light
(Eppendorf−5 Prime社)を使用し
て、使用説明書にしたがって精製した。
【0024】ついで、得られた2本鎖cDNAから、B
ioArray HighYield RNA Tra
nscript Labeling Kit(Enzo
社)を用いて使用説明書に従い、ビオチン標識化cRN
Aを調製した。まず、下記の溶液を調製し、混合して遠
心後、37℃で5時間インキュベーションした。 cDNA 10μl DEPC−HO 12μl 10× HY反応緩衝液 4μl 10× ビオチン標識化リボヌクレオチド 4μl 10× DTT 4μl 10× RNase阻害剤混合物 4μl 20× T7 RNAポリメラーゼ 2μl ─────────────────────────── 合計 40μl 得られたビオチン標識化cRNAは、RNeasy M
iniKit(QIAGEN社)を用いて、使用説明書
にしたがって精製した。さらに、得られたビオチン標識
化cRNAの約20μgを、Affymetrixプロ
トコールに従い、40mM トリス−酢酸、pH8.
1、100mM KOAc、及び30mMMgOAcの
溶液中で、94℃で35分間かけて断片化した。
【0025】(分析)上記ビオチン標識化cRNAの品
質は、断片化したcRNA(4μg/アレイ)をAff
ymetrix GeneChip Array(Te
st 2)とハイブリダイゼーションさせることにより
確認した。続いて、断片化したcRNAの10μgを、
ヒト遺伝子発現解析用のAffymetrix Gen
eChip ArrayであるHuGene FLと、
使用説明書にしたがってハイブリダイゼーションさせ
た。ハイブリダイゼーションは、45℃で16時間、6
0rpmで回転させて混合しながら行った。終了後、F
luidics stationで、アレイの洗浄及び
ストレプトアビジン−フィコエリスリン複合体(Mol
ecular Probes社製)での染色を自動で行
った。さらにアレイを洗浄後、Affymetrix用
GeneChip system confocal
scanner(Hewlett−Packerd社
製)を用い、蛍光強度のイメージデータを取得した。
【0026】(データ解析)GeneChip LIM
S/EDMTソフトウェア(Affymetrix社
製)により、取得したイメージデータを解析した。各サ
ンプルのイメージデータを数値化し、発現している遺伝
子を同定し、その数を計測した。さらに、この解析結果
を用い、キノロン剤処理細胞での遺伝子発現量の増加ま
たは減少を判定した。対照と比較して、2倍増加以上ま
たは3倍減少以下であるとき有意の変化とした。
【0027】(成績)GeneChip Arrayで
あるHuGene FL上には、ヒトの5600遺伝子
に対応する特異的プローブが固定化されている。この中
で、対照である0.1N NaOHで処理したHepG
2細胞で発現している遺伝子数は3359であり、レボ
フロキサシン、シタフロキサシン、及びトロバフロキサ
シン各10μg/mlで16時間処理後に発現している
遺伝子数は、それぞれ、3350、3286、及び30
65であった。この結果により、各キノロン剤で処理し
た細胞において発現している遺伝子数には顕著な差は認
められないと考えられた。
【0028】上記各キノロン剤10μg/mlで16時
間処理後に、細胞中で発現量が有意に増加または減少し
た遺伝子の数を、図1に示した。トロバフロキサシンで
処理した細胞においては、遺伝子の発現量が、189遺
伝子で増加し、332遺伝子で減少した。それに反して
レボフロキサシンで処理した細胞では、少数の遺伝子の
発現量が変化したのみであり、25遺伝子で増加、3遺
伝子で減少が認められた。この結果、トロバフロキサシ
ンが、レボフロキサシンに比較して、HepG2細胞の
遺伝子発現により大きな影響を与えることが判明した。
トロバフロキサシンは重篤な肝毒性を示すことが知られ
ており(Clin.Infec.Dis.30,400
−401,2000)、一方レボフロキサシンは安全な
キノロン剤であることが知られている(Antimic
rob.Agents Chemother.35:3
09−312,1991)。このことから、キノロン剤
で処理した細胞において発現量が増加したあるいは減少
した遺伝子の数と、それら薬剤の毒性との間には相関が
あることが示唆された。
【0029】また、新規なキノロン剤のシタフロキサシ
ン処理では、36遺伝子の発現量が増加し、10遺伝子
の発現量が減少した。シタフロキサシン処理細胞におい
て発現量が増加したあるいは減少した遺伝子数の全体で
の変化はレボフロキサシンのそれに比較してわずかに大
きい。しかし、明らかにトロバフロキサシンで処理した
細胞の遺伝子発現量よりその変化は少ない。したがっ
て、HepG2細胞に対するシタフロキサシンの影響
は、明らかにトロバフロキサシンのそれより弱いことが
示唆された。
【0030】
【発明の効果】各種キノロン剤を作用させたHepG2
細胞由来の総RNAについて、ヒトプローブアレイを使
用して、GeneChip Systemにより遺伝子
発現の解析を行い、得られたデータの解析結果から、様
々なキノロン剤処理により発現している遺伝子の数には
差がないこと、キノロン剤の種類により、遺伝子の発現
量が増加あるいは減少した遺伝子の数はキノロン剤の種
類により違いのあること、さらにキノロン剤により発現
量が増加したあるいは減少した遺伝子の数とキノロン剤
の毒性との間には相関があることが確認された。本発明
の毒性判定方法は、短期間でデータが得られる簡便な方
法であり、さらに遺伝子レベルで被検物質の毒性を包括
的に評価することができる。以上のことから、本発明の
遺伝子発現プロファイルの変化、具体的には発現量が増
加あるいは減少した遺伝子の数を指標として行う被検物
質の毒性判定方法は、該被検物質のヒトにおける毒性や
副作用の発現予測方法として有用である。さらに、被検
物質に対する反応遺伝子の解析が可能であり、新規開発
品と既存品との反応遺伝子の違いによる差別化、及び発
現機序解析、摂取量や投与量などの検討にも展開でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キノロン剤処理によりヒト肝芽腫由来培養細
胞株HepG2細胞において遺伝子発現量の変化が認め
られた遺伝子の数を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 37/00 102 37/00 102 (C12Q 1/02 //(C12Q 1/02 C12R 1:91) C12R 1:91) C12N 15/00 F Fターム(参考) 2G045 BB01 BB10 BB14 BB20 BB24 BB46 BB50 BB51 CA25 CB01 DA13 DA14 FB02 FB12 GC14 4B024 AA11 CA04 CA09 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ08 QQ20 QQ42 QQ52 QR08 QR32 QR40 QR56 QR62 QR84 QS24 QS25 QS34 QS39

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検物質の毒性を、被検物質により発現量
    が変化した遺伝子の数を指標として判定する、被検物質
    の毒性判定方法。
  2. 【請求項2】被検物質の毒性を、生物学的評価系を用い
    て、被検物質により発現量が変化した遺伝子の数を指標
    として判定する、被検物質の毒性判定方法。
  3. 【請求項3】生物学的評価系として、哺乳類由来の継代
    培養細胞あるいは初代培養細胞を用いることを特徴とす
    る、請求項2に記載の被検物質の毒性判定方法。
  4. 【請求項4】生物学的評価系として、実験動物、実験動
    物の臓器、実験動物の組織、実験動物の細胞あるいは実
    験動物の血液を用いることを特徴とする、請求項2に記
    載の被検物質の毒性判定方法。
  5. 【請求項5】遺伝子の発現量を測定する手段としてDN
    Aチップ(DNAマイクロアレイ)を用いることを特徴
    とする請求項1から4のいずれか1項に記載の被検物質
    の毒性判定方法。
  6. 【請求項6】被検物質により発現量が変化した遺伝子の
    数を、被検物質と接触した生物学的評価系における遺伝
    子の発現量と、被検物質と接触しなかった生物学的評価
    系における遺伝子の発現量とを比較解析し判定する、請
    求項2から5のいずれか1項に記載の被検物質の毒性判
    定方法。
  7. 【請求項7】被検物質と接触した生物学的評価系におけ
    る遺伝子の発現量と、被検物質と接触しなかった生物学
    的評価系における遺伝子の発現量との比較解析におい
    て、ハウスキーピング遺伝子の変化(増加または減少)
    より大きな変化を示した遺伝子を発現量が変化した遺伝
    子と判定する、請求項2から6のいずれか1項に記載の
    被検物質の毒性判定方法。
  8. 【請求項8】発現量が変化した遺伝子の数が、50以下
    であったときに被検物質の毒性が弱いとし、500以上
    であったときに被検物質の毒性が強いとする判定基準に
    より被検物質の毒性を判定する、請求項2から7のいず
    れか1項に記載の被検物質の毒性判定方法。
  9. 【請求項9】組織に対する被検物質の毒性を判定する方
    法であって、該組織由来の培養細胞を用い、該被検物質
    と接触させた該培養細胞における遺伝子の発現量と該被
    検物質と接触させなかった該培養細胞における遺伝子の
    発現量とを比較解析し、遺伝子の発現量が変化した遺伝
    子の数を指標として、培養細胞の由来となった組織に対
    する被検物質の毒性を判定する方法。
  10. 【請求項10】遺伝子の発現量を測定する手段としてD
    NAチップ(DNAマイクロアレイ)を用いることを特
    徴とする請求項9に記載の被検物質の毒性判定方法。
  11. 【請求項11】組織に対する被検物質の毒性を判定する
    方法であって、該組織由来の培養細胞を用い、該被検物
    質と接触させた該培養細胞における遺伝子の発現量と該
    被検物質と接触させなかった該培養細胞における遺伝子
    の発現量との比較解析において、ハウスキーピング遺伝
    子の変化(増加または減少)より大きな変化を示した遺
    伝子を発現量が変化した遺伝子と判定する、請求項9ま
    たは10に記載の被検物質の毒性判定方法。
  12. 【請求項12】発現量が変化した遺伝子の数が、50以
    下であった被検物質を前記培養細胞の由来となった組織
    に対する毒性が弱い、500以上であった被検物質を前
    記培養細胞の由来となった組織に対する毒性が強いと判
    定する請求項9から11のいずれか1項に記載の被検物
    質の毒性判定方法。
  13. 【請求項13】組織がヒト肝臓で、培養細胞がHepG
    2である、請求項9から12のいずれか1項に記載の被
    検物質の毒性判定方法。
  14. 【請求項14】ヒト肝臓に対する被検物質の毒性を判定
    する方法であって、該被検物質と接触させたHepG2
    細胞における遺伝子の発現量と該被検物質と接触させな
    かったHepG2細胞における遺伝子の発現量をDNA
    チップ(DNAマイクロアレイ)を用いて解析し、ハウ
    スキーピング遺伝子の変化(増加または減少)より大き
    な変化を示した遺伝子の数が、50以下であった被検物
    質を肝臓に対する毒性が弱い、500以上であった被検
    物質を肝臓に対する毒性が強いと判定する方法。
  15. 【請求項15】被検物質が抗菌剤である請求項1から1
    4のいずれか1項に記載の被検物質の毒性判定方法。
  16. 【請求項16】抗菌剤がキノロン剤である請求項15に
    記載の被検物質の毒性判定方法。
  17. 【請求項17】キノロン剤のヒト肝臓に対する毒性を判
    定する方法であって、該キノロン剤と接触させたHep
    G2細胞における遺伝子の発現量とキノロン剤と接触し
    なかったHepG2細胞における遺伝子の発現量とをD
    NAチップ(DNAマイクロアレイ)を用いて測定し、
    ハウスキーピング遺伝子の変化(増加または減少)より
    大きな変化を示した遺伝子の数が、50以下であったキ
    ノロン剤をヒト肝臓に対する毒性が弱い、500以上で
    あったキノロン剤をヒト肝臓に対する毒性が強いと判定
    する方法。
  18. 【請求項18】請求項1から17のいずれか1項に記載
    の被検物質の毒性判定方法をスクリーニング工程として
    含む、新規生体適用物質のスクリーニング方法。
  19. 【請求項19】請求項1から17のいずれか1項に記載
    の被検物質の毒性判定方法、あるいは、請求項18に記
    載のスクリーニング方法に使用する、試薬、容器、判定
    手段を含む毒性判定用キット。
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