JP2002232695A - 電子透かしに関する透かし情報埋込装置及び透かし情報抽出装置 - Google Patents

電子透かしに関する透かし情報埋込装置及び透かし情報抽出装置

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JP2002232695A JP2001028425A JP2001028425A JP2002232695A JP 2002232695 A JP2002232695 A JP 2002232695A JP 2001028425 A JP2001028425 A JP 2001028425A JP 2001028425 A JP2001028425 A JP 2001028425A JP 2002232695 A JP2002232695 A JP 2002232695A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像に対する回転に耐える度合いを高めた電
子透かし技術を用いて、画像に情報を埋め込む透かし情
報埋込装置を提供する。 【解決手段】 透かし情報埋込装置100は、xy2次
元座標平面に配置された画素データ群である2次元画像
を取得し、ウェーブレット変換を施して画像中の各位置
についての画素データの値のx方向及びy方向の空間的
勾配を成分とする2次元ベクトルを作成し、各2次元ベ
クトルをベクトル方向が特定方向となす角度により複数
の角度範囲区分のいずれかと対応付け、前記複数の角度
範囲区分のうち対応する2次元ベクトルの数が閾値T以
上である角度範囲区分について、当該角度範囲区分に対
応する2次元ベクトルで大きさが閾値S以上のものの大
きさを所定値R0又は所定値R1に変更することで0又
は1を表現してから、2次元ベクトル群を画像に戻すこ
とにより透かし情報を埋め込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる電子透か
し技術に関し、特に、デジタル画像に他の情報を電子透
かしとして埋め込む技術及びデジタル画像に埋め込まれ
た透かし情報を抽出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータのハードウェア及び
ソフトウェアの著しい発展を背景とし、誰でも自ら作成
したデジタル画像をインターネット等を介して全世界へ
と容易に発信することができるようになってきた。デジ
タル画像は流通過程において容易に複製することができ
ること等から画像に関する著作権保護技術の発展が望ま
れており、著作権保護技術の1つとして、わからないよ
うに画像に著作者名等を埋め込む電子透かし技術が注目
されている。
【0003】従来の電子透かし技術として主流なものに
は、デジタル画像を構成する各画素データの最下位ビッ
ト(LSB:Least Significant B
it)を変化させることにより別の情報を埋め込む方法
や、デジタル画像信号を水平方向或いは垂直方向に周波
数分解して画像信号の一部の周波数成分に別の情報を埋
め込む方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの主流な方法に
は、電子透かしとして情報が埋め込まれた画像の流通過
程で画像編集用ソフトウェア等が用いられてその画像に
回転が加えられた場合に、回転したままの状態ではその
画像から埋め込まれた情報を抽出できないという問題が
ある。
【0005】画像編集用ソフトウェアがある程度普及し
ている現在においては、画像に対して回転、拡大或いは
縮小といった加工が施される場合も多々あり、このた
め、画像の回転、拡大及び縮小に耐える度合いの高い電
子透かし技術の開発が求められる。そこで、本発明は、
画像に対する回転等に耐える度合いを高めた電子透かし
技術を用いて、画像に情報を埋め込む透かし情報埋込装
置を提供することと、画像に埋め込まれた情報を抽出す
る透かし情報抽出装置を提供することとを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る透かし情報埋込装置は、xy2次元座
標平面に配置された画素データの集合である2次元画像
に、電子透かしとしてビットデータを埋め込む透かし情
報埋込装置であって、前記2次元画像を取得する画像取
得手段と、ビットデータを取得するビットデータ取得手
段と、取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞ
れに対応して、当該位置における画素データの値につい
てのx方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾
配をy成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベク
トル群作成手段と、作成された各2次元ベクトルを、x
y2次元座標平面上での特定方向と当該2次元ベクトル
の示す方向とのなす角度が複数の角度範囲区分のいずれ
に含まれるかによって当該複数の角度範囲区分のいずれ
かと対応付け、前記複数の角度範囲区分のうち対応する
2次元ベクトルの数が閾値T(T>0)以上である角度
範囲区分について、当該角度範囲区分に対応する2次元
ベクトルで大きさが閾値S(S>0)以上のものの大き
さ又は方向を前記ビットデータを表すために変更するこ
とにより、2次元ベクトル群にビットデータを埋め込む
埋込手段と、前記埋込手段によりビットデータが埋め込
まれた2次元ベクトル群に基づき、前記2次元ベクトル
群作成手段が2次元画像から2次元ベクトル群を作成す
る際に用いた演算の逆演算を施すことにより、2次元画
像を生成して出力する画像出力手段とを備えることを特
徴とする。
【0007】上記構成により、画像の空間的勾配から作
成される2次元ベクトル群にビットデータ即ち透かし情
報が埋め込まれ、画像が回転しても各2次元ベクトルの
大きさは変化することなく、2次元ベクトル全体におい
て各2次元ベクトル相互間の方向は変化しないものであ
るため、こうして埋め込まれた透かし情報は、画像が回
転している場合であっても正しく抽出することができる
ことになる。即ち、回転に強い電子透かしが実現でき
る。
【0008】また、本発明に係る透かし情報抽出装置
は、xy2次元座標平面に配置された画素データの集合
であり電子透かしとしてビットデータが埋め込まれた2
次元画像から当該ビットデータを抽出する透かし情報抽
出装置であって、前記2次元画像を取得する画像取得手
段と、取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞ
れに対応して、当該位置における画素データの値につい
てのx方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾
配をy成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベク
トル群作成手段と、作成された各2次元ベクトルを、x
y2次元座標平面上での特定方向と当該2次元ベクトル
の示す方向とのなす角度が複数の角度範囲区分のいずれ
に含まれるかによって当該複数の角度範囲区分のいずれ
かと対応付け、前記複数の角度範囲区分のうち対応する
2次元ベクトルの数が閾値T(T>0)以上である角度
範囲区分について、当該角度範囲区分に対応する2次元
ベクトルで大きさが閾値S(S>0)以上のものの大き
さ又は方向に基づいてビットデータを抽出する抽出手段
とを備えることを特徴とする。
【0009】上記構成により、上述の透かし情報埋込装
置によって画像の空間的勾配から作成される2次元ベク
トル群にビットデータ即ち透かし情報が埋め込まれたと
ころの画像から、適正に透かし情報を抽出することがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
透かし情報埋込装置について説明する。 <透かし情報埋込装置の構成>図1は、本発明の実施の
形態に係る透かし情報埋込装置100の機能ブロック図
である。
【0011】透かし情報埋込装置100は、デジタル画
像に電子透かしとして情報を埋め込むための装置であ
り、ハードウェア的にはCPU、メモリ、ハードディス
ク、キーボード等を備えるコンピュータで構成され、機
能的には同図に示すように画像取得部101、画像格納
部102、ウェーブレット変換部103、2次元ベクト
ル作成部104、2次元ベクトル格納部105、埋込対
象ベクトル特定部106、透かし情報取得部107、埋
込部108、ウェーブレット逆変換部109及び画像出
力部110を有する。
【0012】ここで、画像取得部101は、デジタルカ
メラ、スキャナ等の画像入力機器や、CD−ROM、ハ
ードディスク等の記録媒体、或いは外部ネットワークか
ら、電子透かしとして情報を埋め込む対象となる画像を
取得して画像格納部102に格納し、ウェーブレット変
換部103にその画像の格納を通知する機能を有する。
ここでは、画像取得部101により取得される画像は平
面画像であり、その実体は各画素について輝度を表す数
値データからなる配列データである。各画素を表す数値
データのビット数や画素数は予め定められており、例え
ば、取得される画像は水平方向に256、垂直方向に2
56個の白黒256階調で表される画素データからな
る。
【0013】なお、本明細書中では「画像」の語によ
り、画面に投影された画像自体のみならず画像の実体、
即ち画像を表示するために用いられる画像データであっ
て2次元平面上の位置とその位置における輝度等を表す
数値データとが対応付けられたものをも表すこととす
る。更に画像データに対して2次元直交ウェーブレット
変換が施された結果として得られるデータをも「画像」
と表現することとする。
【0014】画像格納部102は、画像を格納するため
のメモリの一領域である。ウェーブレット変換部103
は、画像格納部102に格納された画像に対して、ハー
ル基底(図2参照)で2次元直交ウェーブレット変換を
予め定められた回数であるN回だけ施す機能を有する。
なお、この2次元直交ウェーブレット変換については後
に詳しく説明する。
【0015】2次元ベクトル作成部104は、ウェーブ
レット変換部103により画像に2次元直交ウェーブレ
ット変換が施された結果として得られた画像に基づい
て、その画像の特徴を表す複数の2次元ベクトルデータ
を作成し2次元ベクトル格納部105に格納する機能を
有する。なお、2次元ベクトルデータは空間的位置と2
次元ベクトルとの組であり、この2次元ベクトルデータ
の作成については後に詳しく説明する。以下、2次元ベ
クトルデータについての大きさという表現で、2次元ベ
クトルデータにおける2次元ベクトルの大きさを表現す
る。
【0016】2次元ベクトル格納部105は、画像の特
徴を表す2次元ベクトルを格納するためのメモリの一領
域である。埋込対象ベクトル特定部106は、2次元ベ
クトル作成部104により2次元ベクトル格納部105
に格納された複数の2次元ベクトルデータのうち、透か
し情報の埋め込み対象となる複数の2次元ベクトルデー
タを特定する機能を有する。ここで、透かし情報とは電
子透かしとして画像に埋め込まれる情報をいう。
【0017】透かし情報取得部107は、ユーザにより
入力され或いはハードディスクその他の記録媒体に既に
記録されている透かし情報を取得して埋込部108に伝
える機能を有する。埋込部108は、2次元ベクトル格
納部105に格納された複数の2次元ベクトルデータの
うち透かし情報の埋め込み対象として特定された複数の
2次元ベクトルデータの大きさを透かし情報に応じて特
定の値に変更し、その2次元ベクトルデータに対する変
更を、画像格納部102内の2次元直交ウェーブレット
変換が施された結果の画像に反映すべく、その画像を変
更する機能を有する。
【0018】ウェーブレット逆変換部109は、埋込部
108により変更された画像格納部102内の画像に対
して、ウェーブレット変換部103により施される2次
元直交ウェーブレット変換の逆変換(以下、「2次元直
交ウェーブレット逆変換」という。)を施す機能を有す
る。なお、ウェーブレット逆変換部109により2次元
直交ウェーブレット逆変換が施される回数は、ウェーブ
レット変換部103により2次元直交ウェーブレット変
換が施される回数と同じN回である。
【0019】また、画像出力部110は、ウェーブレッ
ト逆変換部109により2次元直交ウェーブレット逆変
換が施された画像を出力する機能を有する。その出力先
は、記録媒体或いは外部ネットワークである。なお、画
像取得部101、ウェーブレット変換部103、2次元
ベクトル作成部104、埋込対象ベクトル特定部10
6、透かし情報取得部107、埋込部108、ウェーブ
レット逆変換部109及び画像出力部110は、メモリ
に格納された制御用プログラムがCPUにより実行され
ることによりその機能が実現されるものである。 <2次元直交ウェーブレット変換>以下、ウェーブレッ
ト変換部103により画像に施される2次元直交ウェー
ブレット変換について説明する。
【0020】図2は、ウェーブレット変換部103によ
る2次元直交ウェーブレット変換に利用するハール(H
aar)基底を示す図である。ウェーブレット変換部1
03による2次元直交ウェーブレット変換は、同図に示
すスケーリング関数とマザーウェーブレット関数とで表
されるハール基底を利用した演算により行われる。
【0021】図3は、ウェーブレット変換部103によ
り2次元直交ウェーブレット変換が施される前の画像の
様子を表した図であり、図4は、ウェーブレット変換部
103により2次元直交ウェーブレット変換が1回施さ
れた後の画像の様子を表した図である。図3及び図4
は、2次元直交ウェーブレット変換の対象となる画像が
2n×2n個の画素データからなるものとして示し、図
中のA1,1、A1,2等は画素データの値である輝度値を示
す。また、図4中の値は、実際には1/4を掛けたもの
であるが図4中では1/4という係数を省略して示して
いる。
【0022】2次元直交ウェーブレット変換によって、
画像は、多重解像度近似(MRA:Multi Res
olution Approximation)と呼ば
れる低周波成分と、多重解像度表現(MRR:Mult
i ResolutionRepresentatio
n)と呼ばれる高周波成分に分解される。以下、図3に
示す画像を図4に示すものに分解する2次元直交ウェー
ブレット変換について、更に詳細に説明する。
【0023】2n×2n個の画素データは水平、垂直方
向とも0〜1の間で等間隔に割り付けられるとして、任
意の1行、例えば図3のv行目の画素データはスケーリ
ング関数φ(t)を利用すると以下のように表現でき
る。 [数2]fn(x)=ΣAv,uφ(2nx−u) 但し、0≦u≦(2n−1)の整数で総和をとる。
【0024】数2をウェーブレット変換すると、以下に
示すfn-1(x)とgn-1(x)に分かれる。 [数3]fn(x)=fn-1(x)+gn-1(x) 但し、fn-1(x)及びgn-1(x)は数4及び数5で、
さらにその中の係数C v,u及びDv,uは数6及び数7で表
される。 [数4]fn-1(x)=ΣCv,uφ(2n-1x−u) [0≦u≦(2n-1−1)] [数5]gn-1(x)=ΣDv,uψ(2n-1x−u) [0≦u≦(2n-1−1)] [数6]Cv,u=(Av,u+Av,u+1)/2 [数7]Dv,u=(Av,u−Av,u+1)/2 上記のウェーブレット変換は行方向(垂直方向)につい
てであるが、列方向(水平方向)についても同様であ
り、u列目の中の水平座標xにおけるv行目で垂直座標
yのデータはスケーリング関数φ(t)を利用すると以
下のように表現できる。 [数8]fn(x,y)=fn(x)vφ(2ny−v) 但し、座標yはv行目座標の範囲内とする。
【0025】これを、さらに一般化すると数9で表され
る。 [数9]fn(x,y)=Σfn(x)vφ(2ny−v) 但し、0≦v≦(2n−1)の整数で総和をとる。数9を
ウェーブレット変換すると、上記同様以下に示すfn-1
(x,y)とgn -1(x,y)に分かれる。 [数10]fn(x,y)=fn-1(x,y)+g
n-1(x,y) 但し、fn-1(x,y)及びgn-1(x,y)は数11及び
数12で、さらにその中の係数CCv,u及びDDv,uは数
13及び数14で表される。 [数11]fn-1(x,y)=ΣCCv,uφ(2n-1y−v) [0≦v≦(2n-1− 1)] [数12]gn-1(x,y)=ΣDDv,uψ(2n-1y−v) [0≦v≦(2n-1 −1)] [数13]CCv,u=(fn(x)v+fn(x)v+1)/2 [数14]DDv,u=(fn(x)v−fn(x)v+1)/2 数13及び数14は、数3、数4及び数5により以下に
示す数15〜数20のように記述できる。
【0026】数15〜数20ではv行、u列が既知であ
れば総和する必要がないので、Σは不要である。 [数15]CCv,u=(fn-1(x)v+gn-1(x)v+fn-1(x)v+1+gn-1( x)v+1)/2 さらに数15は、以下のようにまとめられる。 [数16]CCv,u=(Cv,uφ(2n-1x−u)+Dv,uψ(2n-1x−u)+Cv +1,u φ(2n-1x−u)+Dv+1,uψ(2n-1x−u))/2 [数17]CCv,u={(Cv,u+Cv+1,u)φ(2n-1x−u)+(Dv,u+Dv+1 ,u )ψ(2n-1x−u)}/2 DDv,uについても同様である。 [数18]DDv,u=(fn-1(x)v+gn-1(x)v−fn-1(x)v+1−gn-1( x)v+1)/2 [数19]DDv,u=(Cv,uφ(2n-1x−u)+Dv,uψ(2n-1x−u)−Cv +1,u φ(2n-1x−u)−Dv+1,uψ(2n-1x−u))/2 [数20]DDv,u={(Cv,u−Cv+1,u)φ(2n-1x−u)+(Dv,u−Dv+1 ,u )ψ(2n-1x−u)}/2 結局、数10は、v行、u列が任意とすれば、数11、
数12、数17、数20を利用することにより数21で
表される。 [数21]fn(x,y)=ΣΣ{(Cv,u+Cv+1,u)φxφy+(Dv,u+Dv+1, u )ψxφy+(Cv,u−Cv+1,u)φxψy+(Dv,u−Dv+1,u)ψxψy}/2 但し、φxφy、ψxφy、φxψy、ψxψyは数22〜数25で表される。 [数22]φxφy=φ(2n-1x−u)φ(2n-1y−v) [数23]ψxφy=ψ(2n-1x−u)φ(2n-1y−v) [数24]φxψy=φ(2n-1x−u)ψ(2n-1y−v) [数25]ψxψy=ψ(2n-1x−u)ψ(2n-1y−v) さらに数21をまとめると数26となり、その中の係数
k11〜k22は、数27〜数30で表される。 [数26]fn(x,y)=ΣΣ(k11φxφy+k12ψxφy+k21φxψy+k22 ψxψy) [数27]k11=(Av,u+Av,u+1+Av+1,u+Av+1,u+1)/4 [数28]k12=(Av,u−Av,u+1+Av+1,u−Av+1,u+1)/4 [数29]k21=(Av,u+Av,u+1−Av+1,u−Av+1,u+1)/4 [数30]k22=(Av,u−Av,u+1−Av+1,u+Av+1,u+1)/4 数27に示すk11は4画素の画像データの大きさの平均
値であり言わば画像信号に水平、垂直方向にローパスフ
ィルタをかけることに相当し、数28に示すk12、数2
9に示すk21は、水平あるいは垂直方向の差分をとって
いるため、それぞれ画像データの大きさの水平方向、垂
直方向の空間的勾配を意味し、数30に示すk22は4画
素の画像データの大きさに関する歪みのようなものを表
わしている。
【0027】即ち、図4は、図3の4画素単位ごとに2
次元直交ウェーブレット変換後のMRA成分と、水平方
向のMRR成分(空間的勾配)と、垂直方向のMRR成
分(空間的勾配)と、斜め方向のMRR成分とを求めた
ものを、それぞれの成分ごとにまとめて示したものであ
る。なお、ウェーブレット変換部103は画像に2次元
直交ウェーブレット変換をN回施すのであり、Nが2以
上である場合において即ち2元直交ウェーブレット変換
を複数回施す場合においては、2回目以後は、前回の2
次元直交ウェーブレット変換を施した結果のMRA成分
を対象として2次元直交ウェーブレット変換を施す。
【0028】例えば、Nが2であれば、元の画像に対し
て1回目の2次元直交ウェーブレット変換が施され、変
換結果としてMRA成分である画像(画像a)と、水平
方向のMRR成分である画像(画像b)と垂直方向のM
RR成分である画像(画像c)と斜め方向のMRR成分
である画像(画像d)とが得られ、そのMRA成分であ
る画像aに対して2回目の2次元直交ウェーブレット変
換が施され、変換結果としてMRA成分である画像(画
像aa)と水平方向のMRR成分である画像(画像a
b)と垂直方向のMRR成分である画像(画像ac)と
斜め方向のMRR成分である画像(画像ad)とが得ら
れる。。
【0029】なお、こうして得られた画像群に対し、2
次元直交ウェーブレット逆変換を2回施すと、元の画像
が得られる。即ち、1回目の2次元直交ウェーブレット
逆変換により画像aa、画像ab、画像ac及び画像a
dから画像aが得られ、こうして得られた画像aと、画
像b、画像c及び画像dとに対して2回目の2次元直交
ウェーブレット逆変換を施すことにより元の画像が得ら
れる。 <透かし情報埋込装置の動作>以下、透かし情報埋込装
置100の動作について説明する。
【0030】図5は、透かし情報埋込装置100の動作
を示すフローチャートである。以下、同図に示した動作
を順を追って説明する。まず、透かし情報埋込装置10
0の画像取得部101は、透かし情報を埋め込むべき画
像を外部より取得して画像格納部102に格納する(ス
テップS501)。
【0031】透かし情報を埋め込むべき画像が画像格納
部102に格納されると、ウェーブレット変換部103
は、その画像に対して2次元直交ウェーブレット変換を
N回施す(ステップS502)。ウェーブレット変換部
103により画像にN回目の2次元直交ウェーブレット
変換が施された後の水平方向及び垂直方向のMRR成分
の画像に基づいて、2次元ベクトル作成部104は、2
次元ベクトルデータを作成して2次元ベクトル格納部1
05に格納する(ステップS503)。
【0032】ここで、2次元ベクトルデータの作成につ
いて詳しく説明する。図6は、ある空間的位置P(x,
y)についての水平方向のMRR成分と垂直方向のMR
R成分とを示す概念図である。2次元ベクトル作成部1
04は、N回目の2次元直交ウェーブレット変換が施さ
れた後の画像から、空間的位置毎に、その空間的位置P
(x,y)についての水平方向のMRR成分(k12)と
垂直方向のMRR成分(k21)とを構成成分とする2次
元ベクトルV(k12,k21)を作成して、その作成した
2次元ベクトルVと空間的位置Pとの組を2次元ベクト
ル格納部105に格納する。なお、2次元ベクトルデー
タとは、この空間的位置Pと2次元ベクトルVとの組の
ことをいう。従って、2次元ベクトル格納部105に
は、2次元ベクトルデータの集合が格納されることにな
る。
【0033】例えば、図3に示した2n×2n個の画素
データからなる画像に対して2次元直交ウェーブレット
変換を施す回数Nが1であれば、図4に示すようにn×
n個の位置についての、水平方向のMRR成分及び垂直
方向のMRR成分を成分とするn×n個の2次元ベクト
ルVが作成されることになる。図7は、「E」の字の形
を表した画像の一部についての空間的勾配を示した図で
ある。
【0034】同図に示す画像401は「E」の字を背景
に対して高輝度で表した画像である。また、拡大部分4
02において矢印で示すものが、ある閾値より成分の値
が大きい2次元ベクトルVであり、2次元ベクトルVそ
れぞれを、対応する空間的位置P(x,y)に配置して
示している。同図に示すように、文字「E」の輪郭上
に、ある閾値より成分の値が大きい2次元ベクトルVが
現れる。
【0035】つまり2次元ベクトルVは、図7に示すよ
うに画像の空間的勾配を示すベクトルである。2次元ベ
クトル作成部104により2次元ベクトルデータ群が2
次元ベクトル格納部105に格納された後(ステップS
503)、埋込対象ベクトル特定部106は、2次元ベ
クトルデータ群から2次元ベクトルの大きさが最大のも
のを抽出して、その2次元ベクトルの方向を基準方向と
定め(ステップS504)、各2次元ベクトルデータに
ついて、基準方向と2次元ベクトルの方向とのなす角度
に着目して0以上10度未満、10度以上20度未満、
20度以上30度未満、・・・、350度以上360度
未満というように10度毎の36区分に分類する(ステ
ップS505)。
【0036】続いて埋込対象ベクトル特定部106は、
ステップS505で分類した各区分のうち、その区分に
属する2次元ベクトルデータであって大きさが閾値S以
上のもの(以下、「埋込対象ベクトルデータ」とい
う。)の数が閾値T以上存在する区分を、透かし情報の
埋込対象となる埋込対象区分として特定する(ステップ
S506)。なお、基準方向を定めるために用いたもの
であり、大きさが最大の2次元ベクトルデータについて
は特別に扱い、埋込対象ベクトルデータに含めないもの
とする。
【0037】埋込対象ベクトル特定部106が埋込対象
区分を特定した後、透かし情報取得部107は透かし情
報を取得する(ステップS507)。透かし情報が取得
された後、埋込部108はその透かし情報を埋込対象区
分の埋込対象ベクトルデータに埋め込むことを内容とす
る埋込処理を行う(ステップS508)。
【0038】ここで、図8を用いて埋込処理について説
明する。図8は、埋込部108の行う埋込処理を示すフ
ローチャートである。埋込部108は、値0を埋め込ん
だ結果となる2次元ベクトルデータの大きさR0と、値
1を埋め込んだ結果となる2次元ベクトルデータの大き
さR1とを定める(ステップS521、S522)。
【0039】続いて埋込部108は、基準方向となす角
度の小さい埋込対象区分から順に、埋込対象区分に対し
て透かし情報の先頭から1ビットずつを割り当て、各埋
込対象区分中の全ての埋込対象ベクトルデータの大きさ
を割り当てたビットの値即ち0か1かに応じて変更する
(ステップS523)。つまり、埋込部108は、埋込
対象ベクトルデータの大きさをR0或いはR1に変更す
ることにより、埋込対象ベクトルデータに透かし情報を
埋め込む。
【0040】例えば、透かし情報が文字「E」を表す1
バイトのコード(0x45)であるものとし、この透か
し情報を埋込対象区分の埋込対象ベクトルデータに埋め
込む例を図9を用いて説明する。なお、閾値Sは20で
あるとし、値0に対応する大きさR0を20、値1に対
応する大きさR1を25として説明する。図9は、透か
し情報を埋込対象区分の埋込対象ベクトルデータに埋め
込んだ結果を例示する図である。
【0041】同図は、埋込対象区分における埋込対象ベ
クトルデータのみについて、2次元ベクトルの大きさを
縦軸に、基準方向となす角度を横軸に概略的に表したグ
ラフである。従って、埋込対象ベクトルデータが閾値T
以上存在しない区分に属する埋込対象ベクトルデータは
同図には示していない。また、透かし情報が8ビットな
ので角度の小さい方から8つまでの埋込対象区分に属す
る埋込対象ベクトルデータのみについて同図に示してい
る。なお、同図中、ベクトルの大きさを表す各線分の本
数は正確なものではない。
【0042】つまり、同図の例は、基準方向となす角度
が、(1)0度以上10度未満の区分、(2)10度以
上20度未満の区分、(3)30度以上40度未満の区
分、(4)40度以上50度未満の区分、(5)50度
以上60度未満の区分、(6)70度以上80度未満の
区分、(7)80度以上90度未満の区分、(8)10
0度以上110度未満の区分においては、大きさが閾値
S以上の2次元ベクトルデータが閾値T以上存在し、逆
に20度以上30度未満の区分と60度以上70度未満
の区分と90度以上100度未満の区分においては、大
きさが閾値S以上の2次元ベクトルデータが閾値Tより
少ない場合を表している。この場合に、文字「E」を表
す透かし情報は、ビット列としては「0100010
1」で表せるため、埋込部108は、(1)の区分に属
する埋込対象ベクトルデータの大きさを値0を示す20
に変更し、(2)の区分に属する埋込対象ベクトルデー
タの大きさを値1を示す25に変更し、同様に(3)〜
(5)の区分については埋込対象ベクトルデータの大き
さを値0を示す20に変更し、(6)の区分については
埋込対象ベクトルデータの大きさを値1を示す25に変
更し、(7)の区分については埋込対象ベクトルデータ
の大きさを値0を示す20に変更し、(8)の区分につ
いては埋込対象ベクトルデータの大きさを値1を示す2
5に変更することになる。なお、埋込対象ベクトルデー
タにおける2次元ベクトルの方向については変更しな
い。
【0043】このようにしてステップS508の埋込処
理を終えた後、埋込部108は埋込処理による2次元ベ
クトルデータの変更を画像格納部102内の2次元直交
ウェーブレット変換後の画像に反映する(ステップS5
09)。例えばある空間的位置P(x,y)の2次元ベ
クトルV(k12,k21)の元の大きさがRであり、それ
をR0に変更したのであれば、2次元ベクトルの水平方
向のMRR成分(k12)及び垂直方向のMRR成分(K
21)のそれぞれをR0/R倍する。なお、このステップ
S509による反映後の画像に対して仮にステップS5
03の処理を行ったならば埋込処理の結果の2次元ベク
トルデータが得られるようにその反映のための演算は定
義されている。
【0044】ステップS509に続いて、ウェーブレッ
ト逆変換部109は、画像格納部102に格納されてい
る埋込処理の反映後の画像に対して2次元直交ウェーブ
レット逆変換をN回施すことにより透かし情報が埋め込
まれた画像を画像格納部102内に生成する(ステップ
S510)。このステップS510により生成された画
像を、画像出力部110は、透かし情報埋込装置100
の外部に出力する(ステップS511)。こうして出力
された透かし情報の埋め込み後の画像をディスプレイ画
面に表示した場合には、閾値S、R0、R1が適切に選
ばれていれば、その画像は透かし情報の埋め込み前の画
像とは人が一見して区別できない程度に似たものとな
る。
【0045】以上説明した透かし情報埋込装置100
は、画像に基づき算出される2次元ベクトルが基準方向
となす角度に関して360度を10度毎の36区分に分
類することとし、1つの区分内に1ビットの情報を埋め
込むこととしたため、最大で36ビットの透かし情報を
画像中に埋め込むことができる。なお、例えば、より小
さい角度毎に36区分よりも多くの区分に分類すること
や、R0及びR1のみならず3つ以上の大きさを表す値
を用いて1区分で3値以上を表すこととすれば、さらに
多くのビット列からなる透かし情報を画像中に埋め込む
ことが可能になる。
【0046】このように、透かし情報埋込装置は、画像
に対してその画像の著作権者を明示或いは暗示する文字
コード列等のビット列からなる透かし情報を埋め込むこ
とができる。なお、透かし情報の内容は限定されるもの
ではなく、著作権保護に利用するための情報でなくても
差し支えない。以下、本発明の実施の形態に係る透かし
情報抽出装置について説明する。 <透かし情報抽出装置の構成>図10は、本発明の実施
の形態に係る透かし情報抽出装置200の機能ブロック
図である。
【0047】透かし情報抽出装置200は、上述の透か
し情報埋込装置100によって電子透かしとして透かし
情報が埋め込まれたデジタル画像から、透かし情報を抽
出するための装置であり、ハードウェア的にはCPU、
メモリ、ハードディスク、キーボード等を備えるコンピ
ュータで構成され、機能的には同図に示すように画像取
得部201、画像格納部202、ウェーブレット変換部
203、2次元ベクトル作成部204、2次元ベクトル
格納部205、抽出対象ベクトル特定部206、抽出部
207及び透かし情報出力部208を有する。
【0048】ここで、画像取得部201は、記録媒体、
或いは外部ネットワークから、透かし情報が埋め込むま
れた画像を取得して画像格納部202に格納し、ウェー
ブレット変換部203にその画像の格納を通知する機能
を有する。なお、画像取得部201により取得される画
像は、透かし情報埋込装置100に出力され、様々な流
通経路を通過し、場合によっては流通過程において回転
等の加工がなされたものである。
【0049】画像格納部202は、画像を格納するため
のメモリの一領域である。ウェーブレット変換部203
は、透かし情報埋込装置100のウェーブレット変換部
103と基本的に同じであり、画像格納部202に格納
された画像に対して、ハール基底(図2参照)で2次元
直交ウェーブレット変換を予め定められた回数であるN
回だけ施す機能を有する。
【0050】2次元ベクトル作成部204は、透かし情
報埋込装置100の2次元ベクトル作成部104と基本
的に同じであり、ウェーブレット変換部203により画
像に2次元直交ウェーブレット変換が施された結果とし
て得られた画像に基づいて、その画像の特徴を表す複数
の2次元ベクトルデータを作成し2次元ベクトル格納部
205に格納する機能を有する。
【0051】2次元ベクトル格納部205は、画像の特
徴を表す2次元ベクトルを格納するためのメモリの一領
域である。抽出対象ベクトル特定部206は、2次元ベ
クトル作成部204により2次元ベクトル格納部205
に格納された複数の2次元ベクトルデータのうち、透か
し情報が埋め込まれている複数の2次元ベクトルデー
タ、即ち透かし情報の抽出対象となる複数の2次元ベク
トルデータを特定する機能を有する。
【0052】抽出部207は、2次元ベクトル格納部2
05に格納された複数の2次元ベクトルデータのうち透
かし情報の抽出対象として特定された複数の2次元ベク
トルデータの大きさを参照することにより、透かし情報
を抽出して透かし情報出力部208に渡す機能を有す
る。透かし情報出力部208は、抽出部207から渡さ
れた透かし情報を出力する機能を有する。その出力先
は、ディスプレイ、記録媒体或いは外部ネットワークで
ある。
【0053】なお、画像取得部201、ウェーブレット
変換部203、2次元ベクトル作成部204、抽出対象
ベクトル特定部206、抽出部207及び透かし情報出
力部208は、メモリに格納された制御用プログラムが
CPUにより実行されることによりその機能が実現され
るものである。 <透かし情報抽出装置の動作>以下、透かし情報抽出装
置200の動作について説明する。
【0054】図11は、透かし情報抽出装置200の動
作を示すフローチャートである。以下、同図に示した動
作を順を追って説明する。まず、透かし情報抽出装置2
00の画像取得部201は、透かし情報が埋め込まれて
いる画像を外部より取得して画像格納部202に格納す
る(ステップS601)。
【0055】透かし情報が埋め込まれている画像が画像
格納部202に格納されると、ウェーブレット変換部2
03は、その画像に対して2次元直交ウェーブレット変
換をN回施す(ステップS602)。ウェーブレット変
換部203により画像にN回目の2次元直交ウェーブレ
ット変換が施された後の水平方向及び垂直方向のMRR
成分の画像に基づいて、2次元ベクトル作成部204
は、2次元ベクトルデータを作成して2次元ベクトル格
納部205に格納する(ステップS603)。
【0056】2次元ベクトル作成部204により2次元
ベクトルデータ群が2次元ベクトル格納部205に格納
された後、抽出対象ベクトル特定部206は、2次元ベ
クトルデータ群から2次元ベクトルの大きさが最大のも
のを抽出して、その2次元ベクトルの方向を基準方向と
定め(ステップS604)、各2次元ベクトルデータに
ついて、基準方向と2次元ベクトルの方向とのなす角度
に着目して0以上10度未満、10度以上20度未満、
20度以上30度未満、・・・、350度以上360度
未満というように10度毎の36区分に分類する(ステ
ップS605)。
【0057】続いて抽出対象ベクトル特定部206は、
ステップS605で分類した各区分のうち、その区分に
属する2次元ベクトルデータで、大きさが閾値S以上の
もの(以下、「抽出対象ベクトルデータ」という。)の
数が閾値T以上存在する区分を、透かし情報の抽出対象
となる抽出対象区分として特定する(ステップS60
6)。なお、基準方向を定めるために用いたものであり
大きさが最大の2次元ベクトルデータについては特別に
扱い、抽出対象ベクトルデータに含めないものとする。
【0058】抽出対象ベクトル特定部206が抽出対象
区分を特定した後、抽出部207は抽出対象区分の抽出
対象ベクトルデータを参照することにより透かし情報を
抽出する。即ち、抽出部207は、基準方向からの角度
の小さい抽出対象区分から順に区分内の抽出対象ベクト
ルデータの大きさを参照し、その大きさがR0とR1の
いずれであるかを判定し、R0であれば値0、R1であ
れば値1であるとしてその値を区分毎に順次ビット列を
形成するものとして蓄積して、最終的にはそのビット列
を透かし情報として透かし情報出力部208に渡す(ス
テップS607)。なお、ある抽出対象区分内の抽出対
象ベクトルデータの大きさがR0とR1のいずれである
かを判定するに際しては、その抽出対象区分内のT個の
抽出対象ベクトルデータの平均値がR0とR1のいずれ
に近いかによって、その近い方にあたるR0又はR1で
あると判定する。
【0059】例えば、透かし情報が埋め込まれた画像に
関する抽出対象区分の抽出対象ベクトルデータの大きさ
が図9に表したグラフのように分布していれば、ステッ
プS607によって「01000101・・・」という
ビット列が抽出できる。なお、透かし情報のサイズが例
えば8ビット等と予め定められている場合には、抽出部
207は、抽出したビット列の先頭からその定められて
いるビット数分だけを透かし情報として透かし情報出力
部208に渡す。
【0060】抽出部207により透かし情報が渡される
と、透かし情報出力部208はその透かし情報を透かし
情報抽出装置200の外部に出力する(ステップS60
8)。これにより例えばディスプレイ等に透かし情報が
出力されることになる。なお、透かし情報抽出装置20
0は、透かし情報が埋め込まれた画像が回転されていて
も、画像に基づき作成する2次元ベクトルデータが回転
の影響を受けないものであるため、画像から透かし情報
を正しく抽出することができる。 <補足>以上、本発明に係る透かし情報埋込装置及び透
かし情報抽出装置について、実施の形態に基づいて説明
したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿
論である。即ち、 (1)本実施の形態では、透かし情報が埋め込まれる画
像は水平方向に256、垂直方向に256個の白黒25
6階調で表される画素データであることとしたが、画像
を構成する画素数や画素データのビット数等がこれに限
定されるものではない。また、本実施の形態では、ウェ
ーブレット変換部103等により画像に2次元ウェーブ
レット変換が施される回数Nが予め定められているもの
としたが、画像を構成する画素数等の画像のサイズを表
す情報に応じて、サイズが大きければNを大きくするよ
うに、回数Nを決定することにしてもよい。また、透か
し情報抽出装置200において2次元ウェーブレット変
換を施す回数が透かし情報埋込装置100において画像
に2次元ウェーブレット変換が施された回数と異なるよ
うにしてもよく、この場合には透かし情報抽出装置20
0においてステップS606で用いる閾値Tを他の値の
ものとしてもよい。 (2)本実施の形態で、透かし情報埋込装置100の埋
込部108が定めるR0及びR1は予め固定的に定まっ
ていることとしてもよいし、2次元ベクトルデータ群の
大きさの分布に応じてR0及びR1を定めることとして
もよい。例えば、大きさが閾値S以上の2次元ベクトル
データについて、その大きさの平均値がMであれば、R
0とR1とをMより少し上の値と少し下の値と定めるこ
ととしてもよい。また、予め固定的にR0及びR1を定
めておく場合には、透かし情報を埋め込む対象となる画
像が内容的に風景画像であるか、人の内部器官をスキャ
ンして得られた画像であるか等に応じて、事前にR0及
びR1を変化させて複数枚の対象の画像に対して透かし
情報の埋め込みを実験的に行い、その実験を通じて埋め
込みを適切に行えるR0及びR1を定めておくこととし
てもよい。また、閾値S、閾値T及び回数Nについても
同様に実験を通じて好適なものを予め定めておくことと
してもよい。但し、0<閾値T、0<閾値S≦R0<R
1の関係を満たすようにする必要がある。 (3)本実施の形態で示した透かし情報埋込装置100
の埋込部108は、埋込対象区分が埋め込むべき透かし
情報のビット数より多い場合には、順次埋め込みを行っ
て余った埋込対象区分については一律に埋込対象ベクト
ルデータの大きさをR0にすることとしてもよい。 (4)本実施の形態で示した透かし情報抽出装置200
の抽出部207は、抽出対象区分内のT個の抽出対象ベ
クトルデータについての大きさの平均値に基づいて、R
0かR1かの判定を行うこととし、このTは透かし情報
埋込装置100において埋込対象区分であると判定する
ために用いた閾値であることとしたが、T個の平均値に
限定されることはなく、T以外の個数の抽出対象ベクト
ルの平均値を算出してR0とR1のいずれに近いかによ
って判定することとしてもよい。また、抽出対象区分内
の全ての抽出対象ベクトルデータについての大きさの平
均値に基づいてR0かR1かの判定を行うこととしても
よい。なお、この平均値を算出するための抽出対象ベク
トルデータの個数はある程度多い方が、最終的に抽出さ
れる透かし情報の精度が高まる。 (5)本実施の形態で示した透かし情報抽出装置200
の抽出部207は、R0、R1の値を予め記憶していて
これを用いて、抽出対象ベクトルデータから0或いは1
というビット値を抽出することとしてもよいが、R0や
R1を予め記憶せずに透かし情報を抽出する構成とする
こともできる。そのためには、例えば埋め込む透かし情
報に前提条件を課し、透かし情報のビット列に少なくと
も1つの0の値のビットと少なくとも1つの1の値のビ
ットとが含まれていることとしておけば、抽出部207
は、各抽出対象区分の抽出対象ベクトルデータの大きさ
が概ね2つの値のいずれかとなるため、2つの値のうち
小さい方を0、大きい方を1というように判定する構成
としてもよい。 (6)本実施の形態では、透かし情報抽出装置200は
ステップS604において2次元ベクトルデータ群から
大きさが最大なものを抽出してその2次元ベクトルの方
向を基準方向として定めることとしたが、任意の方向を
仮に基準方向と定めて、大きさが閾値S以上の全ての2
次元ベクトルデータについて2次元ベクトルの基準方向
となす角度に対する2次元ベクトルの大きさの分布を検
査することにより、基準方向を微調整して透かし情報の
抽出を行うこととしてもよい。この場合には、大きさが
最大の2次元ベクトルデータも埋込対象ベクトルデータ
及び抽出対象ベクトルデータに含める。
【0061】例えば、任意の方向を基準方向として仮に
定めてステップS605及びS606を行い各抽出対象
区分内における抽出対象ベクトルデータの大きさについ
ての分散値を計算し、次に基準方向を元の基準方向より
1度大きく更新して同様に分散値を計算するという手順
を9回繰り返して、その結果得られる10個の分散値の
うち最も小さいものの算出の基礎となった基準方向を最
終的に採用してステップS605以後の処理を行うこと
としてもよい。この場合には、抽出された透かし情報で
あるビット列は先頭と最後のビットを繋いでリング状に
なっているものと扱い、透かし情報の意味内容や予め透
かし情報に定められた前提条件に従ってその内容を読み
取る必要がある。なお、透かし情報は、任意ビット列を
予め固定パターンの開始ビット列及び終了ビット列で挟
んであることとしてもよい。 (7)本実施の形態では、画像から算出される2次元ベ
クトルデータのうち埋込対象ベクトルデータについて埋
込対象区分毎に、大きさをR0或いはR1に変更するこ
とにより画像に透かし情報を埋め込む方法を示したが、
この他に、埋込対象区分毎に埋込対象ベクトルデータに
おける2次元ベクトルの方向を、その埋込対象区分に対
応する角度範囲から相対的な2つの角度Q0及びQ1のい
ずれかに変更すること、或いは1度単位の角度値におい
て偶数及び奇数のいずれかに変更すること等により画像
に透かし情報を埋め込むこととしてもよい。 (8)本実施の形態における透かし情報埋込装置或いは
透かし情報抽出装置の処理手順(図5、図8、図11に
示した手順等)を、汎用のコンピュータ等に実行させる
ためのコンピュータプログラムを、記録媒体に記録し又
は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもでき
る。このような記録媒体には、ICカード、光ディス
ク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒
布されたコンピュータプログラムは、コンピュータ等に
インストールされることにより利用に供され、コンピュ
ータ等は、当該コンピュータプログラムを実行して、本
実施の形態で示したような透かし情報埋込装置或いは透
かし情報抽出装置を実現する。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る透かし
情報埋込装置は、xy2次元座標平面に配置された画素
データの集合である2次元画像に、電子透かしとしてビ
ットデータを埋め込む透かし情報埋込装置であって、前
記2次元画像を取得する画像取得手段と、ビットデータ
を取得するビットデータ取得手段と、取得された前記2
次元画像中の複数の位置それぞれに対応して、当該位置
における画素データの値についてのx方向の空間的勾配
をx成分としy方向の空間的勾配をy成分とする2次元
ベクトルを作成する2次元ベクトル群作成手段と、作成
された各2次元ベクトルを、xy2次元座標平面上での
特定方向と当該2次元ベクトルの示す方向とのなす角度
が複数の角度範囲区分のいずれに含まれるかによって当
該複数の角度範囲区分のいずれかと対応付け、前記複数
の角度範囲区分のうち対応する2次元ベクトルの数が閾
値T(T>0)以上である角度範囲区分について、当該
角度範囲区分に対応する2次元ベクトルで大きさが閾値
S(S>0)以上のものの大きさ又は方向を前記ビット
データを表すために変更することにより、2次元ベクト
ル群にビットデータを埋め込む埋込手段と、前記埋込手
段によりビットデータが埋め込まれた2次元ベクトル群
に基づき、前記2次元ベクトル群作成手段が2次元画像
から2次元ベクトル群を作成する際に用いた演算の逆演
算を施すことにより、2次元画像を生成して出力する画
像出力手段とを備えることを特徴とする。
【0063】これにより、画像の空間的勾配から作成さ
れる2次元ベクトル群にビットデータ即ち透かし情報が
埋め込まれ、画像が回転しても各2次元ベクトルの大き
さは変化することなく、2次元ベクトル全体において各
2次元ベクトル相互間の方向は変化しないものであるた
め、こうして埋め込まれた透かし情報は、画像が回転し
ている場合であっても正しく抽出することができること
になる。即ち、回転に強い電子透かしが実現できる。
【0064】ここで、前記2次元ベクトル群作成手段
は、前記2次元画像にハール基底を用いた2次元直交ウ
ェーブレット変換を施すことにより、x方向のMRR
(Multi Resolution Represe
ntation)成分を前記x成分とし、y方向のMR
R成分を前記y成分として前記2次元ベクトルを作成す
ることとしてもよい。
【0065】これにより、2次元直交ウェーブレット変
換を用いるため、簡易に画像の空間的勾配を示す2次元
ベクトルを求めて透かし情報を埋め込むことができる。
また、前記ビットデータは、ビット列からなり、前記埋
込手段は、前記複数の角度範囲区分のうち対応する2次
元ベクトルの数が閾値T以上である全ての角度範囲区分
に角度の小さいものから大きいものへと順序を付け、当
該順序に従って各角度範囲区分に前記ビットデータの先
頭ビットから順に1ビットを割り当て、1ビットを割り
当てた各角度範囲区分について、当該角度範囲区分に対
応する2次元ベクトルで大きさが閾値S以上の全ての2
次元ベクトルの大きさを、当該角度範囲区分に割り当て
た1ビットの値が0であれば所定値R0に変更し、当該
角度範囲区分に割り当てた1ビットの値が1であれば所
定値R1に変更することとしてもよい。
【0066】これにより、2次元ベクトルの大きさを2
種類の値として0又は1を表すことによりビット情報を
埋め込むため、埋め込まれた情報の抽出が容易となる。
またビット情報が埋め込まれた結果の画像が拡大又は縮
小されていても、2次元ベクトルの大きさが2種類であ
るので大きいか小さいかの判定により容易にビット情報
を抽出することができるようになる。
【0067】また、前記埋込手段は、前記2次元ベクト
ル群作成手段により作成された2次元ベクトルのうち大
きさが最大のものの方向を前記特定方向とすることとし
てもよい。これにより、特定方向を定めるための基準を
最大の2次元ベクトルとするため、この透かし情報埋込
装置により透かし情報が埋め込まれた後の画像に回転が
加えられても、特定方向の抽出が容易となり、このため
透かし情報であるビットデータのビット列は順序通りに
正しく抽出できるようになる。
【0068】また、本発明に係る透かし情報抽出装置
は、xy2次元座標平面に配置された画素データの集合
であり電子透かしとしてビットデータが埋め込まれた2
次元画像から当該ビットデータを抽出する透かし情報抽
出装置であって、前記2次元画像を取得する画像取得手
段と、取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞ
れに対応して、当該位置における画素データの値につい
てのx方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾
配をy成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベク
トル群作成手段と、作成された各2次元ベクトルを、x
y2次元座標平面上での特定方向と当該2次元ベクトル
の示す方向とのなす角度が複数の角度範囲区分のいずれ
に含まれるかによって当該複数の角度範囲区分のいずれ
かと対応付け、前記複数の角度範囲区分のうち対応する
2次元ベクトルの数が閾値T(T>0)以上である角度
範囲区分について、当該角度範囲区分に対応する2次元
ベクトルで大きさが閾値S(S>0)以上のものの大き
さ又は方向に基づいてビットデータを抽出する抽出手段
とを備えることを特徴とする。
【0069】これにより、上述の透かし情報埋込装置に
よって画像の空間的勾配から作成される2次元ベクトル
群にビットデータ即ち透かし情報が埋め込まれたところ
の画像から、適正に透かし情報を抽出することができ
る。ここで、前記2次元ベクトル群作成手段は、前記2
次元画像にハール基底を用いた2次元直交ウェーブレッ
ト変換を施すことにより、x方向のMRR(Multi
Resolution Representatio
n)成分を前記x成分とし、y方向のMRR成分を前記
y成分として前記2次元ベクトルを作成することとして
もよい。
【0070】これにより、2次元直交ウェーブレット変
換を用いて画像から2次元ベクトルを求めてその2次元
ベクトルの変更によりビットデータ即ち透かし情報が画
像に埋め込まれている場合に、画像から透かし情報を抽
出することができるようになる。また、抽出対象である
前記ビットデータは、ビット列からなり、前記抽出手段
は、前記複数の角度範囲区分のうち対応する2次元ベク
トルの数が閾値T以上である全ての角度範囲区分に角度
の小さいものから大きいものへと順序を付け、当該順序
に従って各角度範囲区分から1ビットずつの値を特定し
て蓄積することにより前記ビットデータを抽出し、前記
各角度範囲区分からの1ビットずつの値の特定は、当該
角度範囲区分に対応する2次元ベクトルであって大きさ
が閾値S以上のT個以上の2次元ベクトルの大きさが所
定値R0であれば当該1ビットの値を0と判定し、当該
2次元ベクトルの大きさが所定値R0以外であれば当該
1ビットの値を1と判定することにより行われることと
してもよい。
【0071】これにより、2次元ベクトルの大きさを2
種類の値として0又は1を表すようにビット情報が埋め
込まれた画像から、埋め込まれたビット情報を抽出する
ことができるようになる。またビット情報が埋め込まれ
た結果の画像が拡大又は縮小されていても、2次元ベク
トルの大きさが2種類であるので大きいか小さいかの判
定により容易にビット情報を抽出することができるよう
になる。
【0072】また、前記抽出手段は、前記2次元ベクト
ル群作成手段により作成された2次元ベクトルのうち大
きさが最大のものの方向を前記特定方向とすることとし
てもよい。これにより、画像から求まる2次元ベクトル
のうち最大のものの方向を特定方向として特定方向と2
次元ベクトルの方向とのなす角度によって2次元ベクト
ル群を分類して、分類に従って透かし情報を埋め込むよ
うな上述の透かし情報埋込装置によって出力された画像
から、画像が回転していても適切に特定方向を特定でき
るので、的確に透かし情報を抽出することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る透かし情報埋込装置
100の機能ブロック図である。
【図2】ウェーブレット変換部103による2次元直交
ウェーブレット変換に利用するハール(Haar)基底
を示す図である。
【図3】ウェーブレット変換部103により2次元直交
ウェーブレット変換が施される前の画像の様子を表した
図である。
【図4】ウェーブレット変換部103により2次元直交
ウェーブレット変換が1回施された後の画像の様子を表
した図である。
【図5】透かし情報埋込装置100の動作を示すフロー
チャートである。
【図6】ある空間的位置P(x,y)についての水平方
向のMRR成分と垂直方向のMRR成分とを示す概念図
である。
【図7】「E」の字の形を表した画像の一部についての
空間的勾配を示した図である。
【図8】埋込部108の行う埋込処理を示すフローチャ
ートである。
【図9】透かし情報を埋込対象区分の埋込対象ベクトル
データに埋め込んだ結果を例示する図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る透かし情報抽出装
置200の機能ブロック図である。
【図11】透かし情報抽出装置200の動作を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
100 透かし情報埋込装置 101 画像取得部 102 画像格納部 103 ウェーブレット変換部 104 2次元ベクトル作成部 105 2次元ベクトル格納部 106 埋込対象ベクトル特定部 107 透かし情報取得部 108 埋込部 109 ウェーブレット逆変換部 110 画像出力部 200 透かし情報抽出装置 201 画像取得部 202 画像格納部 203 ウェーブレット変換部 204 2次元ベクトル作成部 205 2次元ベクトル格納部 206 抽出対象ベクトル特定部 207 抽出部 208 透かし情報出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/081 H04N 7/133 Z 5J104 7/30 Fターム(参考) 5B057 BA29 CA12 CA16 CB12 CB16 CB19 CE08 CH01 DB02 DC08 5C059 KK43 MA24 PP16 PP22 RC35 SS20 UA02 UA05 5C063 AB03 AB07 AC01 CA11 CA12 CA23 DA13 5C076 AA14 BA03 BA04 BA06 5J064 AA00 BA13 BA16 BC22 BD02 5J104 AA14 NA14 PA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 xy2次元座標平面に配置された画素デ
    ータの集合である2次元画像に、電子透かしとしてビッ
    トデータを埋め込む透かし情報埋込装置であって、 前記2次元画像を取得する画像取得手段と、 ビットデータを取得するビットデータ取得手段と、 取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞれに対
    応して、当該位置における画素データの値についてのx
    方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾配をy
    成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベクトル群
    作成手段と、 作成された各2次元ベクトルを、xy2次元座標平面上
    での特定方向と当該2次元ベクトルの示す方向とのなす
    角度が複数の角度範囲区分のいずれに含まれるかによっ
    て当該複数の角度範囲区分のいずれかと対応付け、 前記複数の角度範囲区分のうち対応する2次元ベクトル
    の数が閾値T(T>0)以上である角度範囲区分につい
    て、当該角度範囲区分に対応する2次元ベクトルで大き
    さが閾値S(S>0)以上のものの大きさ又は方向を前
    記ビットデータを表すために変更することにより、2次
    元ベクトル群にビットデータを埋め込む埋込手段と、 前記埋込手段によりビットデータが埋め込まれた2次元
    ベクトル群に基づき、前記2次元ベクトル群作成手段が
    2次元画像から2次元ベクトル群を作成する際に用いた
    演算の逆演算を施すことにより、2次元画像を生成して
    出力する画像出力手段とを備えることを特徴とする透か
    し情報埋込装置。
  2. 【請求項2】 前記2次元ベクトル群作成手段は、前記
    2次元画像にハール基底を用いた2次元直交ウェーブレ
    ット変換を施すことにより、x方向のMRR(Mult
    i Resolution Representati
    on)成分を前記x成分とし、y方向のMRR成分を前
    記y成分として前記2次元ベクトルを作成することを特
    徴とする請求項1記載の透かし情報埋込装置。
  3. 【請求項3】 前記ビットデータは、ビット列からな
    り、 前記埋込手段は、前記複数の角度範囲区分のうち対応す
    る2次元ベクトルの数が閾値T以上である全ての角度範
    囲区分に角度の小さいものから大きいものへと順序を付
    け、当該順序に従って各角度範囲区分に前記ビットデー
    タの先頭ビットから順に1ビットを割り当て、1ビット
    を割り当てた各角度範囲区分について、当該角度範囲区
    分に対応する2次元ベクトルで大きさが閾値S以上の全
    ての2次元ベクトルの大きさを、当該角度範囲区分に割
    り当てた1ビットの値が0であれば所定値R0に変更
    し、当該角度範囲区分に割り当てた1ビットの値が1で
    あれば所定値R1に変更することを特徴とする請求項1
    又は2記載の透かし情報埋込装置。
  4. 【請求項4】 前記埋込手段は、前記2次元ベクトル群
    作成手段により作成された2次元ベクトルのうち大きさ
    が最大のものの方向を前記特定方向とすることを特徴と
    する請求項3記載の透かし情報埋込装置。
  5. 【請求項5】 xy2次元座標平面に配置された画素デ
    ータの集合であり電子透かしとしてビットデータが埋め
    込まれた2次元画像から当該ビットデータを抽出する透
    かし情報抽出装置であって、 前記2次元画像を取得する画像取得手段と、 取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞれに対
    応して、当該位置における画素データの値についてのx
    方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾配をy
    成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベクトル群
    作成手段と、 作成された各2次元ベクトルを、xy2次元座標平面上
    での特定方向と当該2次元ベクトルの示す方向とのなす
    角度が複数の角度範囲区分のいずれに含まれるかによっ
    て当該複数の角度範囲区分のいずれかと対応付け、前記
    複数の角度範囲区分のうち対応する2次元ベクトルの数
    が閾値T(T>0)以上である角度範囲区分について、
    当該角度範囲区分に対応する2次元ベクトルで大きさが
    閾値S(S>0)以上のものの大きさ又は方向に基づい
    てビットデータを抽出する抽出手段とを備えることを特
    徴とする透かし情報抽出装置。
  6. 【請求項6】 前記2次元ベクトル群作成手段は、前記
    2次元画像にハール基底を用いた2次元直交ウェーブレ
    ット変換を施すことにより、x方向のMRR(Mult
    i Resolution Representati
    on)成分を前記x成分とし、y方向のMRR成分を前
    記y成分として前記2次元ベクトルを作成することを特
    徴とする請求項5記載の透かし情報抽出装置。
  7. 【請求項7】 抽出対象である前記ビットデータは、ビ
    ット列からなり、 前記抽出手段は、前記複数の角度範囲区分のうち対応す
    る2次元ベクトルの数が閾値T以上である全ての角度範
    囲区分に角度の小さいものから大きいものへと順序を付
    け、当該順序に従って各角度範囲区分から1ビットずつ
    の値を特定して蓄積することにより前記ビットデータを
    抽出し、 前記各角度範囲区分からの1ビットずつの値の特定は、
    当該角度範囲区分に対応する2次元ベクトルであって大
    きさが閾値S以上のT個以上の2次元ベクトルの大きさ
    が所定値R0であれば当該1ビットの値を0と判定し、
    当該2次元ベクトルの大きさが所定値R0以外であれば
    当該1ビットの値を1と判定することにより行われるこ
    とを特徴とする請求項5又は6記載の透かし情報抽出装
    置。
  8. 【請求項8】 前記抽出手段は、前記2次元ベクトル群
    作成手段により作成された2次元ベクトルのうち大きさ
    が最大のものの方向を前記特定方向とすることを特徴と
    する請求項7記載の透かし情報抽出装置。
  9. 【請求項9】 xy2次元座標平面に配置された画素デ
    ータの集合である2次元画像に、電子透かしとしてビッ
    トデータを埋め込む透かし情報埋込処理をコンピュータ
    に実行させるための制御プログラムを記録した記録媒体
    であって、 前記透かし情報埋込処理は、 前記2次元画像を取得する画像取得ステップと、 ビットデータを取得するビットデータ取得ステップと、 取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞれに対
    応して、当該位置における画素データの値についてのx
    方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾配をy
    成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベクトル群
    作成ステップと、 作成された各2次元ベクトルを、xy2次元座標平面上
    での特定方向と当該2次元ベクトルの示す方向とのなす
    角度が複数の角度範囲区分のいずれに含まれるかによっ
    て当該複数の角度範囲区分のいずれかと対応付け、 前記複数の角度範囲区分のうち対応する2次元ベクトル
    の数が閾値T(T>0)以上である角度範囲区分につい
    て、当該角度範囲区分に対応する2次元ベクトルで大き
    さが閾値S(S>0)以上のものの大きさ又は方向を前
    記ビットデータを表すために変更することにより、2次
    元ベクトル群にビットデータを埋め込む埋込ステップ
    と、 前記埋込ステップによりビットデータが埋め込まれた2
    次元ベクトル群に基づき、前記2次元ベクトル群作成手
    段が2次元画像から2次元ベクトル群を作成する際に用
    いた演算の逆演算を施すことにより、2次元画像を生成
    して出力する画像出力ステップとを含むことを特徴とす
    る記録媒体。
  10. 【請求項10】 xy2次元座標平面に配置された画素
    データの集合であり電子透かしとしてビットデータが埋
    め込まれた2次元画像から当該ビットデータを抽出する
    透かし情報抽出処理をコンピュータに実行させるための
    制御プログラムを記録した記録媒体であって、 前記透かし情報抽出処理は、 前記2次元画像を取得する画像取得ステップと、 取得された前記2次元画像中の複数の位置それぞれに対
    応して、当該位置における画素データの値についてのx
    方向の空間的勾配をx成分としy方向の空間的勾配をy
    成分とする2次元ベクトルを作成する2次元ベクトル群
    作成ステップと、 作成された各2次元ベクトルを、xy2次元座標平面上
    での特定方向と当該2次元ベクトルの示す方向とのなす
    角度が複数の角度範囲区分のいずれに含まれるかによっ
    て当該複数の角度範囲区分のいずれかと対応付け、前記
    複数の角度範囲区分のうち対応する2次元ベクトルの数
    が閾値T(T>0)以上である角度範囲区分について、
    当該角度範囲区分に対応する2次元ベクトルで大きさが
    閾値S(S>0)以上のものの大きさ又は方向に基づい
    てビットデータを抽出する抽出ステップとを含むことを
    特徴とする記録媒体。
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