JP2002232350A - 無線通信方法及びビーム方向可変型アンテナを用いた無線通信システム - Google Patents
無線通信方法及びビーム方向可変型アンテナを用いた無線通信システムInfo
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Abstract
領域で、各基地局から発射される電波が互いに干渉しあ
って十分に高いビットレートでの通信が困難になること
を防止する。 【解決手段】 受信側高周波回路(RX19−3)は、
各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパタン
のアンテナ指向性で合成する。復調器(DEM19−
5)は、合成された各指向性の受信信号に基づき、無線
端末からの受信信号を選択し、選択された方向にビーム
を向けるための送信ビーム方向情報を決定する。重み制
御器(WC19−13)は、送信ビーム方向情報に基づ
き、ビームパタンと送信ビーム方向とを定める重み係数
を求め、且つ、送信ビーム方向とその方向に放射すると
きに使用するタイムスロットとの関係を記憶したテーブ
ルに基づき、送信タイムスロットを求める。求められた
ビームパタン、ビーム方向及び送信タイムスロットを用
いて、下り信号を送信する。
Description
無線通信システムに係り、特に、時分割多重化方式で複
数端末向けのチャネルを多重化し、且つビーム方向可変
型アンテナを有する基地局システムにおける無線通信方
法及び無線通信システムに関する。
は、各端末向けの信号をそれぞれ別のタイムスロットを
用いたチャネルで送信することにより、チャネル間のク
ロストーク、干渉を抑制することを基本としている。従
って、符号多重システムのように同一時刻に複数端末向
け信号を同時送信することによる同一基地局下での干渉
が無いため、いわゆるスマートアンテナあるいはアダプ
ティブアンテナと呼ばれるような、アンテナ指向性を通
信中の端末に集中させて、他の端末に対する干渉妨害を
抑制するシステムの必要性は少なかった。
の変調及び符号化方式のパラメータを、観測される干渉
雑音の程度を考慮しながら最適な値に制御して、いわゆ
るベストエフォート型の通信を行う方式では(例えばPa
ul Bender, Peter Black, Matthew Grob, Roberto Pado
vani, Nagabhushana Sindhushayana, and Andrew Viter
vi, "CDMA/HDR: ABandwidth-Efficient High-Speed Wir
eless Data Service for Nomadic Users", IEEE Commun
ications Magazine, Vol. 38, pp. 70-77, July, 2000.
に示される方式。以下HDR(High Data Rate)方式と称す
る)、端末で観測される干渉雑音量によって通信できる
データレートが決定される。このようなシステムでは、
干渉雑音量が低ければ、より高いデータレートでの通信
を行うことが可能となるため、干渉雑音を可能な限り減
少させることがシステム性能の向上に有効となる。この
端末で観測される干渉雑音は、時分割多重方式を用いて
いる限り、通信中の同一基地局から送出される他の端末
向けの信号では無く、隣接、あるいは他の基地局から別
の端末向けに同時刻に送出されている信号である。
を示す。一般に基地局から送信された端末向けの信号
(以下、下り信号と称する)は、例えば大都市では距離
の3.5乗に反比例して、電力が減衰することが知られ
ている。この受信電力は距離が離れるにつれやがては隣
接基地局から送信される信号、あるいは熱雑音等によっ
て構成される干渉信号のレベルより低下し、端末におけ
る正常な受信が困難となる。この受信信号電力と干渉信
号電力の比をC/Iと称する。基地局の近傍で、このC
/Iが十分に高いときは、例えば無線信号の変調方式を
8値の多値変調として、さらには電波の品質が高いので
誤り訂正の冗長度を低下させ、結果として同じ帯域を使
用しても、高いビットレートでの伝送が可能となる。一
方基地局から離れた地域では、C/Iが低下するため、
誤りの起こりにくい2値変調方式を用い、かつ、信号の
冗長度を上げて誤り訂正能力を高めなければならない。
その結果、伝送できるビットレートが低下する。HDR
方式においては、通信を開始する前に端末でC/Iを実
測し、その地点で受信可能な最大のビットレートを基地
局に伝え、結果としてベストエフォートの無線伝送シス
テムを実現する。
の多重化方式についての説明図を示す。図25に、一般
的な基地局配置の例の説明図を示す。また、図26に、
HDR方式下り回線における送信信号のタイミングダイ
ヤグラムを示す。
重化は図24に示すように、例えばN個のタイムスロッ
トにそれぞれ別の端末向けの信号を配置する、いわゆる
時分割多重化方式を用いている。すなわち、図25に示
すように基地局が設置されているとき、各基地局は図2
6に示すように、時間的に任意に割り当てられたタイム
スロットを用いて電波を発射する。図示するように例え
ば基地局(以下BSと称する)BS1とBS2が時刻T
1からT2では同時に電波を発射していると仮定する
と、図25中でハッチングで示したBS1とBS2の境
界領域3−1では強い電波干渉が発生する。その結果、
端末で観測するとBS1からの信号もBS2からの信号
もC/Iが低下し、高いビットレートでの通信が困難と
なる。
したときのHDR下り回線でのカバレージ(614.4
kbit/s)の説明図を示す。この図は、それぞれの
セクタが90度開口角のビームで形成されている3セク
タ型HDR基地局を一辺が2kmの4角形の頂点に配置
したときの、ビットレートが614.4kbit/sで
のサービスカバレージをハッチングで示している。ここ
では、すべての基地局のすべてのタイムスロットにおい
て電波を発射していることを前提に計算している。図
中、領域20−5ではBS1のセクタビーム20−1と
BS2のセクタビーム20−2が互いに干渉しあってサ
ービスが出来なくなっている。一方領域20−6ではB
S3及びBS4のどのセクタビームもこの方向を向いて
いないのでサービスが出来なくなっている。また領域2
0−8では、BS1のセクタビーム20−1と20−7
がそれぞれ干渉しあってサービス不可能領域がBS1の
かなり近傍まで切れ込んできている。同様の切れ込みは
例えば領域20−9においても観測される。
したときのHDR下り回線でのカバレージ(204.8
kbit/s)の説明図を示す。この図は、同様の条件
でビットレートを204.8kbit/sまで低下させ
たときのサービスエリアをあらわしているが、ここまで
ビットレートを低下させてもサービスが出来なくなる領
域が残る。
HDRシステムにおいてセルやセクタの境界領域で、各
基地局から発射される電波が互いに干渉しあって十分に
高いビットレートでの通信が困難になることを防止する
基地局システムにおける無線通信方法及び無線通信シス
テムを提供することである。本発明の別の目的は、セク
タビームの方向が向いていない領域を少なくし、一層広
い領域でサービスできる無線通信方法及び無線通信シス
テムを提供することである。本発明の別の目的は、複数
のセクタビームが干渉しあってサービス不可能領域が切
れ込むことを、できる限り防止できる無線通信方法及び
無線通信システムを提供することである。
DR下り回線において各基地局より同一時刻に発射され
る電波の方向を、互いに最も干渉しにくい方向とし、端
末がサービスエリアのどこに存在しても、つねに干渉妨
害の少ない、良好な電波信号を受信することである。こ
れにより、本発明の他の目的は、電波干渉の少ないとき
には高いビットレートの通信が可能というHDRの特徴
のひとつを、最大に発揮することである。
各基地局からの電波が互いに干渉し合うことを防止する
ため、互いに干渉する電波信号を同一時刻に放射せず、
それぞれ別の時刻に放射するようにして干渉を回避しよ
うとするものである。この時、各基地局での時刻管理を
例えばGPSシステムのような広域で高精度に絶対時刻
を供給できるシステムを活用して、高精度に同期させ、
各基地局の電波発射方向を時刻毎に切り替えて、干渉を
回避する。
ンテナエレメントを有する各基地局において、無線端末
と無線通信する方法であって、各アンテナエレメントに
よる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタ
ンのアンテナ指向性を実現できるアンテナを介し、無線
端末からの信号を受信し、各アンテナエレメントからの
信号を所定のビームパタンのアンテナ指向性で合成し、
合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末から
の受信信号を選択し、選択された方向にビームを向ける
ための送信ビーム方向情報を決定し、該決定された送信
ビーム方向情報と、送信ビーム方向とその方向に放射す
るときに使用するタイムスロットとの関係を記憶したテ
ーブルとに基づき、送信ビームタイムスロットを求め、
該求められた送信ビームタイムスロットを用いて、アン
テナを制御して下り信号を送信することを含む無線通信
方法を提供する。本発明の第2の解決手段によると、複
数の基地局を四角配置し、各基地局のアンテナは、複数
アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによ
る受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタン
のアンテナ指向性を実現できるものであって、各基地局
の前記アンテナのビームパタンを、隣接の基地局どうし
は互いに45度又は略45度ずつビーム方向をずらした
方向に設置し、前記アンテナを介し、無線端末からの信
号を受信し、各アンテナエレメントからの信号を所定の
ビームパタンのアンテナ指向性で合成し、合成された各
指向性の受信信号に基づき、無線端末から信号を受信
し、所定のビームパタンにアンテナ指向性を制御して下
り信号を送信することを含む無線端末と基地局間の無線
通信方法を提供する。本発明の第3の解決手段による
と、複数の基地局を三角配置し、各基地局のアンテナ
は、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメ
ントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビー
ムパタンのアンテナ指向性を実現させ、各基地局の前記
アンテナのビームパタンを同一の方向に動的又は静的に
設置することを含む基地局及び端末間の無線通信方法を
提供する。本発明の第4の解決手段によると、複数の基
地局を四角配置し、各基地局のアンテナは、複数アンテ
ナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信
信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアン
テナ指向性を実現させ、各基地局の前記アンテナのビー
ムパタンを、隣接の基地局どうしは互いに45度又は略
45度ずつビーム方向をずらした方向に動的又は静的に
設置することを含む基地局及び端末間の無線通信方法を
提供する。本発明の第5の解決手段によると、複数の基
地局を、相互に平面的に三角形の位置関係である三角配
置とし、各基地局のアンテナを、3セクタアンテナで構
成し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信
号を合成することを含む無線通信方法を提供する。本発
明の第6の解決手段によると、複数の基地局を、相互に
平面的に四角形の位置関係である四角配置とし、各基地
局のアンテナを、4セクタアンテナで構成し、各アンテ
ナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成するこ
とを含む無線通信方法を提供する。本発明の第7の解決
手段によると、複数の基地局を相互に平面的に四角形の
位置である四角配置とし、各基地局のアンテナを、45
°毎の8つの指向性を実現できるアンテナで構成し、各
タイムスロットで、3つの指向性をもつパターンの2つ
の指向性は互いに直交する方向、他の1指向性はこれら
2指向性から135°の方向となるように、アンテナ指
向性を指定することを含む無線通信方法を提供する。本
発明の第8の解決手段によると、複数基地局と無線端末
間で無線通信する無線通信システムにおいて、各基地局
は、複数のアンテナエレメントを有し、各アンテナエレ
メントによる受信信号及び送信信号を合成して、所定の
ビームパターンのアンテナ指向性を実現できるアンテナ
と、該アンテナを介して無線端末からの信号を受信する
回路と、各アンテナエレメントからの信号を所定のビー
ムパターンのアンテナ指向性で合成する回路と、該合成
された各指向性の受信信号に基づき、無線端末からの受
信信号を選択し、選択された方向にビームを向けるため
の送信ビーム方向情報を決定する回路と、該決定する回
路からの送信ビーム方向情報と、送信ビーム方向とその
方向に放射する時に使用するビームタイムスロットと関
係を表す情報のテーブルとに基づき、送信ビームタイム
スロットを生成する回路と、該生成された送信ビームタ
イムスロットを用いて、前記アンテナを制御して下り信
号を送信する回路とを備えた無線通信システムを提供す
る。
角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(6
14.4kbit/s)の説明図を示す。この図は、3
セクタ基地局を用いた場合の最適な基地局、及びセクタ
方向配置を示している。図に示した各基地局は、それぞ
れのセクタが90度の開口角を持つアンテナで構成され
た、3セクタアンテナ型HDR基地局であり、すべての
タイムスロットを用いて614.4kbit/sの伝送
を行ったときのカバレージを示している。図示するよう
に各基地局のセルエリアの境界領域、例えば5−4では
このビットレートによる伝送が困難となる。これはBS
1のセクタアンテナ5−1とBS2のセクタアンテナ5
−2、BS3のセクタアンテナ5−3の電波が空間でそ
れぞれ干渉しあって、614.4kbit/sのレート
での伝送を困難にしている。しかしながら、従来の技術
の図30と比較すると、サービス困難な領域は大幅に縮
少している。これは図30では各基地局を所望の地域に
四角形を敷き詰めて、それらの頂点に基地局を配置す
る、四角配置としたのに対し、図1の実施の形態では基
地局を敷き詰めた三角形の頂点に基地局を配置した三角
配置とし、かつ各基地局のセクタ方向を互いに電波干渉
が最小となる方向となるように配置したためである。こ
のため、例えば図30のBS1のセクタビーム20−
1、及びBS2のセクタビーム20−2の場合に現れた
ような互いに近距離で、同一の地域を照射するビームの
交錯による干渉増加が発生しなくなる。
たHDR下り回線でのサービスカバレージ(614.4
kbit/s)の説明図を示す。この図は、半値角90
度、4セクタアンテナ、ビットレート614.4kbi
t/s、各基地局は全タイムスロットを使用、としたも
のである。四角配置にて3セクタ型の基地局を用いる
と、図30、図31に従来例として示した様に、幾何学
上互いに干渉し合うビームの交錯を回避できない。四角
配置する場合は図2に示すようにセクタビームを4セク
タ型とする必要がある。またセクタの方向は図示するよ
うに隣接の基地局どうしは互いに45度ずつ傾けること
により、ビームの交錯を最小化することが可能となる。
示したが、それでも各基地局の中間距離においてはサー
ビス不可能となる領域が残る。例えば、図1の領域5−
4、図2の領域13−3等である。さらに、図3に、本
発明による基地局を三角配置したHDR下り回線でのサ
ービスカバレージ(1228.8kbit/s)の説明
図を示す。この図は、半値角90度3セクタアンテナ、
ビットレート1228.8kbit/s、全タイムスロ
ット使用としたものである。例えば、ビットレートを1
228.8kbit/sまで上昇させると、図示のよう
にサービス可能な領域が著しく減少する。サービス困難
領域は隣接基地局とのセル境界領域及び同一基地局内で
のセクタ境界領域で発生する。すなわち、セクタ数及び
セクタ方向を最適化する第一の実施の形態だけでは、サ
ービス不可能領域を無くすることは難しい場合がある。
重化方式を用いていることを利用して、さらにサービス
エリアの拡大をはかる。図26にて示した例では、時刻
T2からT3まではBS2が電波発射を停止しているの
で、図25のハッチング領域3−1でもBS1からの信
号は高いC/Iを確保することが可能であり、したがっ
て高いビットレートでの通信が可能となる。すなわち互
いに干渉し合うセル/セクタ間では、同時刻に電波を発
射することを回避すれば互いの干渉量を著しく低下可能
で、したがって高いビットレートでの通信が可能なエリ
アを拡大できる。
内各基地局にアンテナの送信指向性を切り替えられる機
能を設け、且つこの指向性切り替えを各基地局間で同期
させて行うことにより、特定の端末において、複数の基
地局から送信される信号が同時刻に干渉し合う確率を最
小化することを主な特徴とする。その結果、各端末では
自分に設定された通信時刻において、隣接あるいは他の
基地局からの干渉雑音が極めて低い状態での通信が可能
になり、ベストエフォート機能により、最大のビットレ
ートでの通信が可能となる。
ナ、タイムスロットA(図24)を用いたHDR下り回
線でのサービスカバレージの説明図を示す。この図は、
半値角30度、12セクタアンテナ中3セクタを使用、
ビットレート614.4kbit/s、タイムスロット
Aとしたものである。本実施の形態では図1、図3の場
合と異なり、各基地局セクタアンテナの開口角を30度
に狭角化している。図示するようにBS1とBS2の境
界領域7−4においても、それぞれの基地局のカバレー
ジは両基地局の中間距離部分まで伸びている。これはセ
クタビームを狭角化したことにより、例えば、領域7−
1と7−2のアンテナから放射された信号が互いにすれ
違って干渉妨害を与えにくくなるためである。しかし、
このままではビームが狭角のため、例えば領域7−5に
示されるようなビームの中間領域はカバーできなく、通
信可能なカバレージは細いエリアにかぎられてしまう場
合がある。
いては各通信チャネルは時間的に多重化されている。そ
こで、例えば30度ビームのアンテナ3本で構成したセ
クタ基地局において、使用しているタイムスロット毎に
アンテナ放射角度を30度ずつ時間的にずらして4回放
射すれば、ちょうど基地局周辺を走査するように回転さ
せることと等価になり、すべての方向をカバレージに入
れることが可能となる。例えば図4に示した状態を、図
24のタイムスロットAにおけるカバレージを示すと仮
定する。以下、図5、図6、図7にそれぞれ本発明によ
る30度セクタアンテナ、タイムスロットB、C、Dを
用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図
を示す。これらは、図4と同様に、半値角30度、12
セクタアンテナ中3セクタを使用、ビットレート61
4.4kbit/sとしたものである。図示するように
すべてのタイムスロットで各基地局の電波放射方向の制
御は時間的に同期させて変更する。これはちょうど30
度ビーム12セクタアンテナをタイムスロット毎に3セ
クタずつ使用することに相当する。ただし、システム構
成を12セクタ型とするか、3セクタの各セクタを4等
分してタイムスロット毎に電波発射方向を変えて運用す
るかは、トラフィックの混雑度、端末の地理的分布特性
等で選択されるべきである。
は図4〜図7に示される方向が最適である。この方向は
例えば図5を用いて説明すると、図示するように基地局
を横方向に奇数行、偶数行に分類し、図5のタイムスロ
ットBでは奇数行基地局ではそれぞれ上下関係が互い違
いになるようにセクタ方向を配置し、偶数行ではすべて
の基地局が同じ方向を向かせる。一方図6に示したタイ
ムスロットCでは今度は奇数行の基地局はみな同一の方
向を向き、偶数行の基地局は互いに上下関係が互い違い
になるような方向とする。
ナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り
回線加算時のサービスカバレージ(614.4kbit
/s)の説明図を示す。この図は、ビットレート61
4.4kbit/s、3セクタ基地局、タイムスロット
A、B、C、Dの4つのタイムスロットで走査されたカ
バレージを加算した結果を示す。図1に示した90度固
定型3セクタアンテナを用いた場合に比較して、ほとん
どすべての地域で614.4kbit/sの通信が可能
になることが判る。
アンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHD
R下り回線加算時のサービスカバレージ(1228.8
kbit/s)の説明図を示す。この図は、同様の方法
で計算された1228.8kbit/sでのカバレージ
を示す。同一のビットレートで計算された図3の結果と
比較して、明らかにカバレージが拡大していることが理
解できる。
された基地局に適用する場合を説明する。図10から図
13は、本発明による90度セクタアンテナ、タイムス
ロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線でのサー
ビスカバレージの説明図をそれぞれ示す。この図は、半
値角90度、8セクタアンテナ中の3セクタを使用、ビ
ットレート614.4kbit/sとしたものである。
図2で基地局を4角配置する場合はセクタは4セクタ構
成とすることが最適との例を示したが、例えば、図2に
示したような各基地局間のセクタ方向関係のまま、どの
ようにセクタを回転させても例えばBS1とBS2の中
間領域にあたる領域13−3をサービスエリアとしてカ
バーすることが出来ない。これはBS1のビーム13−
1とBS2の13−2が互いに対角線上で干渉し合うた
めであり、この対角線上での干渉は4セクタ型アンテナ
をどのように回転させても避けられない。
の問題を解決するため、各基地局は8方向にセクタを構
成できる90度ビーム型のアンテナを具備しているが、
それぞれのタイムスロットでは図示のようにそのうちの
3ビームしか使用しない。一例として、3ビームのう
ち、2ビームは互いに直交する方向、他の1ビームはこ
れら2ビームから135度の方向とする。
テナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下
り回線加算時のサービスカバレージ(614.4kbi
t/s)の説明図を示す。この図は、これらの各タイム
スロットでのビームをすべて加算した状態を示すが、図
示するように614.4kbit/sのレートにおいて
ほとんどすべての地域をサービスエリアとすることが出
来る。
示した3角配置の場合と異なり、すべてのタイムスロッ
トにおいて、各基地局のビーム方向は同一方向が最適と
なる。ただし各タイムスロットで発射される3ビームの
うち、2ビームは互いに直交する方向となるが残りの1
ビームは他の2ビームとは135度ずれた方向にビーム
を発射する必要がある。これにより、各タイムスロット
において対角線上に向けたビーム発射を常に各4角形に
おいて一つの基地局に限定して、対角線上での干渉発生
を防止することができる。
いて説明する。図15に本発明の第一の実施の形態によ
る基地局の構成を示すブロック図を示す。この基地局
は、アンテナモジュール19−1、デュプレクサ(DU
P)19−2、受信側高周波回路(RX)19−3、上
り回線用固定ビーム形成回路(UL FBF)19−
4、復調器(DEM)19−5、復号器(DEC)19
−6、アクセス回線インタフェース(LIF)19−
7、アクセス回線インタフェース(LIF)19−8、
符号器(COD)19−9、変調器(MOD)19−1
0、下り回線固定ビーム形成回路(DL FBF)19
−11、送信側高周波回路(TX)19−12、重み制
御器(WC)19−13、クロック信号発生回路(CL
K)19−14、GPS受信機(全地球測位システム受
信機)(GPS)19−15を含む。
ナモジュール19−1は、例えば、8ビームあるいは1
2ビーム等の指向性の鋭いビームパタンを形成すること
が可能なアンテナアレーによって構成される。デュプレ
クサ(DUP)19−2は、送信信号と受信信号の分離
を行うもので、通常の移動通信システムではそれぞれの
信号を選択する帯域選択型フィルタで構成される。受信
側高周波回路(RX)19−3は、それぞれのアレーを
構成しているアンテナエレメントからの信号を増幅、周
波数変換等を行って所定の感度を実現する。このRX1
9−3の出力信号は上り回線用固定ビーム形成回路(U
L FBF)19−4に印加される。UL FBF19
−4は、各アンテナエレメントから受信された信号をベ
クトル的に合成して、例えば周回方向に対して8ビー
ム、あるいは12ビームの放射パタン(ビームパタン)
を持つアンテナ指向性を実現する。
成を例示するブロック図を示したものである。図中信号
Ant#1〜Ant#nは、図15のRX19−3から
出力された各アンテナモジュールの出力信号を増幅した
ものである。これらの信号は、それぞれ掛算器23−1
1、23−1n、23−n1、23−nnによって適宜
重み付けされて、加算器23−21、23−2nで合成
加算されて、それぞれ狭開口角ビーム信号Beam#1
〜Beam#nに変換される。各掛算器に印加される重
み係数W11−Wnnは振幅、位相を同時に変化させる
ため、一般的にベクトル係数を用いる。図16下方に示
した演算式はこのUL FBF19−4で行われる信号
処理をマトリクス演算式の形で示したものである。重み
係数W1 1−Wnnは適切な開口角を持つビームを形成
するべく、シミュレーション等の方法により、容易に設
定することが可能である。
性の受信信号は、それぞれ復調器(DEM)19−5に
入力される。図17はDEM19−5の詳細構成を例示
するブロック図を示したものである。DEM19−5で
はUL FBF19−4より出力される各ビーム信号B
eam#1〜Beam#nは、それぞれ逆拡散回路等の
チャネル分離回路(DES)24−1〜24−nを通し
て、希望の端末からの信号を分離し、後続するスイッチ
24−2を用いて、適切なビームを選択する。選択され
たビームの信号は例えばレーク受信機(RAKE)24
−3によってマルチパス分を加算され、復調器(DE
T)24−4によってベースバンドディジタル信号に復
調される。スイッチ24−2で選択されるべき信号は比
較器(Comp)24−5にて決定される。この決定方
法は、例えば受信するべき信号を選択するには、受信さ
れた信号の信号対干渉雑音比が最大になるように選択さ
れることが望ましい。したがってスイッチ24−2は例
えばすべてのビームで受信されたマルチパス信号の中か
ら振幅の大きな信号から順に選択するように動作する。
このスイッチ24−2の動作は上りビーム選択信号UL
Beam Selectによって制御される。一方、下り回線で
選択するべきビームは、下りビーム選択信号DL Beam
Selectによって決定される。下り回線では、端末が物
理的に存在する方向にビームを向けることが望ましい。
どの方向に端末が存在するかは、例えば受信される信号
の振幅が最大となるようなビーム方向を識別することに
よって知ることが出来る。この識別によって選択された
ビーム方向情報をDL Beam Select信号として送信側
重み制御回路WC(19−13)に伝達する。また、こ
のDEM19−5から出力された信号は次段の復号器
(DEC)19−6によって誤り訂正復号された後、ア
クセス回線インタフェース(LIF)19−7を介して
有線通信網に接続される。
フェース(LIF)19−8より入力された信号は、符
号器(COD)19−9にて誤り訂正符号化をされ、変
調器(MOD)19−10にて所定の変調方式により変
調される。この信号は、下り回線固定ビーム形成回路
(DL FBF)19−11により電波を発射するべき
方向への指向性を持つビームパタンにベクトル合成され
て、それぞれのアンテナエレメントに接続されている送
信側高周波回路(TX)19−12に印加されて、増
幅、周波数変換等の処理を行い、DUP19−2を介し
てアンテナモジュール19−1に入力される。下り回線
にて、どの方向に指向性を持たせるかは、上り回線信号
を受信するときにDEM19−5で同定された受信方向
を基にした送信ビーム方向情報であるDL Beam Selec
tを、重み制御器(WC)19−13を介して送信側ビ
ーム形成回路19−11に入力することによって決定さ
れる。
3の詳細構成を例示するブロック図を示したものであ
る。この回路にはDL Beam Select信号のほか、下り
回線でのビームの方向と使用するべきタイムスロットの
関係を規定するビーム・タイムスロットテーブル(Beam
-Time Slot Table)情報(図15では、信号19−18
にて示される)が印加される。Beam-Time Slot Table情
報は、後述する上位局、制御局等から与えられる。その
代わりに、下りのビーム方向に対応して使用するタイム
スロットを記憶したBeam-Time Slot Tableを記憶した記
憶手段を自基地局、他基地局、制御局等に備え、そこか
ら情報が与えられるようにしてもよい。下り回線でのビ
ーム方向を定める重み係数W1−WnはDL Beam Sel
ect情報に基づいてあらかじめ定められた係数ベクトル
を選択する。この重み係数W1−W nにより、各基地局
のアンテナモジュール19−1のビームパタン、セクタ
数、ビーム方向、ビーム角度等を上述の各図のように空
間的に制御することができ、さらには必要に応じて時間
的に制御することができる。一方、WC19−13で
は、その選択された方向に下り信号を発射するべきタイ
ムスロットをMOD19−10に与える必要がある。W
C19−13は、このタイムスロット情報をDLBeam S
elect情報を基にして、Beam-Time Slot Tableを参照す
ることによってタイムスロット割当て(Time Slot Assi
gn)信号(図15では信号19−10として示される)
として求め、MOD19−10に与える。
例示するブロック図を示したものである。送信側符号器
19−9から送出された送信信号は、MOD26−1に
よって振幅位相変調されるが、その出力は一旦メモリ2
6−2に蓄積される。このメモリに蓄積された信号は重
み制御回路WC19−13より与えられるTime SlotAss
ign信号19−19によって、送出されるタイミングを
決定される。タイムスロットの絶対時間への同期は同期
信号発生回路CLKより与えられるTiming CLK19
−14を参照して行われる。
FBF19−11の詳細構成を例示するブロック図を
示したものである。図示するように、重み制御回路WC
19−13より与えられるベクトル係数W1−Wnによ
って重み付けされて、各アンテナに供給される。
LK信号はクロック信号発生回路(CLK)19−14
によって生成されるが、この時の発生タイミングはGP
S受信機19−15によってGPS衛星から発信された
時刻信号を参照して、絶対時刻に同期される。したがっ
てすべての基地局において互いに同期した正確な時刻情
報の取得が可能であり、この時刻情報を用いて、例えば
図4から図7に示したタイムスロットA、B、C、D
を、すべての基地局が同期した形で決定することが可能
である。このタイムスロット情報を用いて、すべての基
地局においてアンテナの指向特性を同期させて変更させ
ることが可能となる。
S用アンテナ19−16、あるいはGPSシステムその
ものに障害が発生して、正確な絶対時刻情報を受信困難
になった場合には、GPS受信機19−15に内蔵され
る、高安定自走クロック発生回路によって障害回復まで
の期間暫定クロック信号を発生させるか、あるいはCL
K19−14に信号19−17を介して有線網によりク
ロック信号を供給して絶対時刻位相を保持させることが
可能である。なお、GPSシステムを用いずに、信号1
9−17による周期を主に用いることもできる。
ビーム制御のフローチャートを示したものである。図示
するように、まだビームが形成されていない当初は、端
末がどこに存在しているか不明なので、基地局の受信側
は、アンテナパタンを無指向性として端末からの発信を
待ち受ける(S101)。端末が適切な信号を用いて、
発信を始めると、基地局の受信側は、アンテナモジュー
ル19−1、DUP19−2、RX19−3により、端
末からの発信を受信する(S103)。ここで、直ちに
UL FBF19−4を用いて、アンテナ指向性パタン
を狭開口角ビームに切り替える(S105)。WC19
−13は、このとき、Beam-Time Slot Tableにより、各
基地局のアンテナモジュ−ル19−1のセクタ数、ビー
ム方向、ビーム角度等を上述の各図のように空間的、さ
らには時間的に適宣のビームパターンに設定する。各方
向ビームで受信できる信号強度を比較して、どの方向に
受信中端末が存在するかを検知する(S107)。この
検知情報を用いて、重み回路WC19−13にて下りビ
ームを出すべき方向を定める(S109)。一方、集中
装置、制御局等では、基地局設定場所と指向性ビーム方
向データが入力され(S111)、各基地局での送信ビ
ーム方向と使用タイムスロットの関係を示したBeam-Tim
e Slot Tableが作成される(S113)。その後、WC
19−13は、下りビームを出すべきタイムスロット
を、あらかじめ作製された送信ビーム方向と使用タイム
スロットの関係を定めたBeam-Time Slotテーブルを参照
して決定し(S115)、MOD19−10に通知し
て、適切な下り信号を形成する(S117)。
基地局設置場所を決定する設計段階で、あらかじめ地図
等を用いて、システム設計者がマニュアルにて作製する
ことが出来る。作製された下りビーム方向とタイムスロ
ットの関係を定めたテーブルはディジタルデータ化され
て、システムの集中装置に接続されるシステム管理装置
に収容される。また、このBeam-Time Slotテーブルは各
基地局の内部に格納されるか、あるいは例えば移動交換
機等の集中装置内に格納されて、必要に応じて参照でき
るように構成されてもよい。各基地局固有のテーブル
は、必要に応じて、各基地局にダウンロードされる。ま
た、テーブルが中央装置に設けられる時は、必要に応じ
て、基地局内のメモリにテーブル情報をダウンロードす
ることも可能である。なお、基地局設置後に新たに基地
局を追加する等の基地局配置の追加変更がある場合に
は、後述する自己学習機能によりテーブルの自動修正あ
るいは新規作成が可能である。また、このBeam - Time
Slotテーブルは、各基地局におけるビーム放射方向と該
方向に放射する時に使用するタイムスロットの関係を示
したもので、図18に示す重み制御回路(WC)19−
3において、下りの電波を発射すべき方向情報を入力さ
れた時に、このBeam - Time Slotテーブルを参照して電
波を発射すべきタイムスロットを決定して、図19のメ
モリ26−2にタイミングを伝達することにより、適切
な時刻での電波発射を可能とする。図27は、本発明の
他の実施の形態による基地局制御システムを示すブロッ
ク図を示したものである。該システムは複数基地局と、
それらの上位局を構成する制御局とその上位のバックボ
ーンネットワーク(NW)を含む。図27において、1
9−201、…、19−20nはそれぞれ図15に示し
た基地局の全体構成を示し、各基地局は、アンテナモジ
ュール19−11〜19−1n、アクセス回路インタフ
ェース(LIF)19−7、重み制御器(WC)19−
13、アクセス回線インタフェース(LIF)19−8
を含む。参照数字27−1は複数の基地局毎に設置さ
れ、それらを制御する上位局すなわち制御局を示す。各
上位局は、上り回線(UL)中継回路27−2、各基地
局に通知するべきビーム・タイムスロットのテーブルを
生成する回路27−3及び下り回線(DL)中継回路2
7−4を含む。参照数字27−7は、バックボーンネッ
トワーク(NW)を表わす。上記UL中継回路27−2
は、複数の基地局から送出される上り回線信号を集線し
て、バックボーンNWに接続し、また上記DL中継回路
27−4は、下り回線を目的の端末が接続されている基
地局に分配する。参照数字27−5は、上り回線(U
L)トラフィック情報伝達信号を表す。図27の回路構
成において、各基地局で集計され、上り回線で基地局よ
り上位局のUL中継回路27−2に通知されるトラフィ
ック統計情報は、そこからビーム・タイムスロットテー
ブル生成回路27−3に通知される。このトラフィック
統計情報は、各基地局で、例えば図17に示されるDL B
eam Select 情報を時間的に累積して、各ビーム方向毎
のトラフィック量を測定する事によって得られる。この
トラフィック統計情報は、上り回線信号に多重化されて
上位局27−1に通知される。図28は、本発明の実施
の形態に用いられるビーム・タイムスロットのテーブル
を例示するダイヤグラムを示したものである。図28
は、図4〜図7にて示した30度セクタアンテナを用い
た基地局、BS1、BS2を駆動するためのビーム・タ
イムスロットテーブルの例を示す。同図はタイムスロッ
トA、B、C、D時の各アンテナの指向特性を角度表示
したものである。この各タイムスロットはそれぞれ図
4、5、6、7の状態に相当する。ビーム・タイムスロ
ット生成回路27−3は図28に示したテーブル情報を
各基地局に通知ないし指示する。一つの実施の形態とし
て、このビーム・タイムスロットテーブルは、基地局を
設置する時にあらかじめ地理的情報から設定し、固定的
に使用する。別の実施の形態としては、各アンテナ方向
毎のトラフィックを長期的に観測して、各基地局での電
波発射方向毎のトラフィック偏在を測定し、トラフィッ
ク要求の高い方向に対しては、他のトラフィック要求の
低い方向と比較してビームを向ける時間的頻度を上昇さ
せる重み付けも可能である。各スロット毎のトラフィッ
ク測定は、例えば図17に示したDL Beam Select情報を
長時間累積して、方向毎のトラフィック偏在状況を把握
する事が可能である。トラフィックの高い方向へのビー
ム照射時間率を上昇させるためには、例えば図28では
4タイムスロット使用例を示したが、このタイムスロッ
ト数を増加させて、トラフィックの高い方向には複数の
タイムスロットが使用されるようにすれば良い。図29
は、高トラフィック方向へのビーム照射頻度を上昇させ
たビーム・タイムスロットテーブルの一例を示したもの
である。たとえば図4で7−4に示したエリアで高トラ
フィックが発生すると仮定する。このエリアに対しては
BS1及びBS2から図4と図7で示したタイムスロッ
トでビームが照射されている。そこで、図29に示すよ
うに、タイムスロットE、Fを追加して、この追加した
分でタイムスロットA及びDと同一のビーム照射パタン
を発生させれば、統計的に、高トラフィックエリアへの
ビーム照射頻度が向上する。別の方向でのトラフィック
が上昇した場合には、このテーブルでのビームパタン選
択を変更すれば良いが、この変更頻度としては、瞬時ト
ラフィック上昇に耐えられるよう高速にする場合と、長
期的観測結果を用いて変更頻度を低下させる場合の2種
類が考えられる。この変更時定数の選択は、実際のトラ
フィック変動特性を観測して決定すればよい。
の実施の形態の構成をブロック図で示す。この例では、
第一の実施の形態で示した固定ビーム形成回路19−
4、19−11の代わりに、上り回線側では単なるスル
ー回路とし、下り回線側はアンテナ選択スイッチ20−
1を用いている。この選択スイッチ20−1は重み制御
器19−13によって選択され、所望の端末が存在する
方向に向いたアンテナを選択することが可能となる。本
来ビーム形成回路19−4、19−11は、例えば上り
回線で説明すると、アレー状に配置された各アンテナエ
レメントの出力信号を位相、振幅を制御しながらベクト
ル合成することにより、任意の開口半値角をもつアンテ
ナパタンを形成するものである。しかしアンテナエレメ
ント自身が、本発明の目的を満足させる開口半値角特性
を持っているときには、あえて、ビーム形成回路でベク
トル合成を行わなくともよい。この際、所望の特性を実
現することが可能であるからである。
確に三角形、あるいは四角形の頂点に配置されているこ
とを前提とし、且つそれぞれのタイムスロットにおい
て、どの方向に電波を発射するべきかは、あらかじめ設
定されていることを条件としている。ところが実際の基
地局配置では正確な三角形、あるいは四角形の頂点に配
置することは困難な場合が多く、さらには基地局を追加
配置する場合には、はじめに設定していた、タイムスロ
ットと電波発射方向の関係を変更する必要がでる可能性
がある。このような場合を想定して、以下に、基地局が
自己学習しながら最適の電波発射方向を定める方法を修
正例として説明する。
て、上記の自己学習機能を実現する方法を示す。図示す
るように、基地局の上り回線では、DEM19−5を用
いて、任意の端末の受信条件が最良となる受信ビームを
選択し、すなわちどの方向に当該の端末が存在するかを
認識する。次に、当該端末から、その端末が存在する場
所における下り回線の受信状態を端末に報告させる。す
なわち、当該端末が各基地局から送信されるパイロット
信号を受信して、自分がどの基地局から受信される信号
を最も条件良く受信できるかを報告する。今仮に、現在
考えている基地局では、タイムスロットと電波発射方向
の関係はまだ決定されていないが、周辺の基地局では既
に、決定されているものとする。この場合、周辺の基地
局では既にタイムスロット毎にそれぞれ別の方向に電波
を発射しているため、現在下り回線の品質を測定してい
る端末から見ると、他基地局の電波が強く受信できるタ
イムスロットとさほどでもないタイムスロットを区別し
て認識することが可能である。したがって、端末からは
現在の自分が存在する場所ではどのタイムスロットが強
い隣接基地局からの干渉を受けやすいか認識できるわけ
で、逆に比較的干渉の少ないスロットがどれであるかを
基地局に報告することが可能となる。
測定は、隣接基地局のトラフィック状態によって変化す
る可能性がある。したがって、現在自己学習中の基地局
では、各端末からの報告を一定期間観測して、統計情報
を得ることにより、その端末が存在する方向に対しては
どのタイムスロットを用いて電波発射することが最も他
基地局との干渉が少なくなるかを推定することが可能と
なる。この推定結果により中央装置、または基地局に格
納されたビーム方向とタイムスロットの関係を定めたテ
ーブルを修正することは言うまでもない。また、他基地
局の電波干渉の測定は、電波強度そのもの、あるいは実
際にデータを用いた通信でエラーがどの程度の頻度で発
生するか等の観測により実現可能である。
HDRシステムにおいてセルやセクタの境界領域で、各
基地局から発射される電波が互いに干渉しあって十分に
高いビットレートでの通信が困難になることを防止する
ことができる。また、本発明によると、セクタビームの
方向が向いていない領域を少なくし、一層広い領域でサ
ービスを提供することができる。また、本発明による
と、複数のセクタビームが干渉しあってサービス不可能
領域が切れ込むことを、できる限り防止することができ
る。
下り回線において各基地局より同一時刻に発射される電
波の方向を、互いに最も干渉しにくい方向とし、端末が
サービスエリアのどこに存在しても、つねに干渉妨害の
少ない、良好な電波信号を受信することができる。これ
により、本発明によると、電波干渉の少ないときには高
いビットレートの通信が可能というHDRの特徴のひと
つを、最大に発揮することができる。
回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/
s)の説明図。
回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/
s)の説明図。
回線でのサービスカバレージ(1228.8kbit/
s)の説明図。
ロットAを用いたHDR下り回線でのサービスカバレー
ジの説明図。
ロットBを用いたHDR下り回線でのサービスカバレー
ジの説明図。
ロットCを用いたHDR下り回線でのサービスカバレー
ジの説明図。
ロットDを用いたHDR下り回線でのサービスカバレー
ジの説明図。
ロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時の
サービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明
図。
ロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時の
サービスカバレージ(1228.8kbit/s)の説
明図。
スロットAを用いたHDR下り回線でのサービスカバレ
ージの説明図。
スロットBを用いたHDR下り回線でのサービスカバレ
ージの説明図。
スロットCを用いたHDR下り回線でのサービスカバレ
ージの説明図。
スロットDを用いたHDR下り回線でのサービスカバレ
ージの説明図。
スロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時
のサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説
明図。
成を示すブロック図。
ブロック図。
ク図。
ブロック図。
ック図。
−11の詳細構成を例示するブロック図。
フローチャート。
成を示すブロック図。
の説明図。
ミングダイヤグラム。
ステムを示すブロック図。
イムスロットのテーブルを例示するダイヤグラム。
昇させたビーム・タイムスロットテーブルの一例を示す
説明図。
DR下り回線でのサービスカバレージ(614.4kb
it/s)の説明図。
DR下り回線でのサービスカバレージ(204.8kb
it/s)の説明図。
FBF) 19−5 復調器(DEM) 19−6 複号器 19−7 アクセス回線インタフェース(LIF) 19−8 アクセス回線インタフェース(LIF) 19−9 符号器(COD) 19−10 変調器(MOD) 19−11 下り回線固定ビーム形成回路(DL
FBF) 19−12 送信側高周波回路(TX) 19−13 重み制御器(WC) 19−14 クロック信号発生回路(CLK) 19−15 受信機(GPS)
Claims (19)
- 【請求項1】複数アンテナエレメントを有する各基地局
において、無線端末と無線通信する方法であって、 各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合
成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現でき
るアンテナを介し、無線端末からの信号を受信し、 各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパタン
のアンテナ指向性で合成し、 合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末から
の受信信号を選択し、選択された方向にビームを向ける
ための送信ビーム方向情報を決定し、 該決定された送信ビーム方向情報と、送信ビーム方向と
その方向に放射するときに使用するタイムスロットとの
関係を記憶したテーブルとに基づき、送信ビームタイム
スロットを求め、 該求められた送信ビームタイムスロットを用いて、アン
テナを制御して下り信号を送信することを含む無線通信
方法。 - 【請求項2】複数の基地局が三角配置され、各基地局の
アンテナのビームパタンは、セクタビームを3セクタ型
とした請求項1に記載の無線通信方法。 - 【請求項3】複数の基地局を四角配置され、各基地局の
アンテナのビームパタンは、セクタビームを4セクタ型
とし、隣接の基地局どうしは、互いに45度ずつビーム
方向を傾けるようにした請求項1に記載の無線通信方
法。 - 【請求項4】所定角度にビームを放射するアンテナを複
数備えた基地局において、アンテナ放射角度を所定角度
ずつ時間的にずらして複数回放射することにより、基地
局周辺を走査するように放射方向を回転させる請求項1
に記載の無線通信方法。 - 【請求項5】第1のビームパタンでは、奇数行基地局で
は、それぞれのビームパタンが互い違いになるようセク
タ方向を配置し、偶数行基地局では、全てのビームパタ
ンが同一になるようセクタ方向を配置するようにアンテ
ナを制御し、 第2のビームパタンでは、奇数行基地局では、全てのビ
ームパタンが同一になるようセクタ方向を配置し、偶数
行基地局では、それぞれのビームパタンが互い違いにな
るようセクタ方向を配置するようにアンテナを制御し、 各基地局のビームパタンを第1及び第2のタイムスロッ
トで前記第1及び第2のビームパタンを交互に切り替え
る請求項2に記載の無線通信方法。 - 【請求項6】さらに、アンテナパタンを無指向性として
無線端末からの信号を受信し、 受信中の無線端末の方向を検出し、その検出方向に基づ
き下り回線のビーム方向を定める請求項1に記載の無線
通信方法。 - 【請求項7】同期クロックをGPSシステムにより供給
する請求項1に記載の無線通信方法。 - 【請求項8】前記決定された送信ビーム方向情報に基づ
き、ビームパターンと送信ビーム方向とを定める重み係
数を求め、 求められたビームパターン、ビーム方向及び送信ビーム
タイムスロットを用いて、アンテナを制御して下り信号
を送信することを含む請求項1に記載の無線通信方法。 - 【請求項9】複数の基地局を四角配置し、 各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有
し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号
を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現
できるものであって、各基地局の前記アンテナのビーム
パタンを、隣接の基地局どうしは互いに45度又は略4
5度ずつビーム方向をずらした方向に設置し、 前記アンテナを介し、無線端末からの信号を受信し、 各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパタン
のアンテナ指向性で合成し、 合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末から
信号を受信し、 所定のビームパタンにアンテナ指向性を制御して下り信
号を送信することを含む無線端末と基地局間の無線通信
方法。 - 【請求項10】複数の基地局を三角配置し、 各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有
し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号
を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現
させ、各基地局の前記アンテナのビームパタンを同一の
方向に動的又は静的に設置することを含む基地局及び端
末間の無線通信方法。 - 【請求項11】複数の基地局を四角配置し、 各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有
し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号
を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現
させ、各基地局の前記アンテナのビームパタンを、隣接
の基地局どうしは互いに45度又は略45度ずつビーム
方向をずらした方向に動的又は静的に設置することを含
む基地局及び端末間の無線通信方法。 - 【請求項12】複数の基地局を、相互に平面的に三角形
の位置関係である三角配置とし、 各基地局のアンテナを、3セクタアンテナで構成し、 各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合
成することを含む無線通信方法。 - 【請求項13】複数の基地局を、相互に平面的に四角形
の位置関係である四角配置とし、 各基地局のアンテナを、4セクタアンテナで構成し、 各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合
成することを含む無線通信方法。 - 【請求項14】複数の基地局を相互に平面的に四角形の
位置である四角配置とし、 各基地局のアンテナを、45°毎の8つの指向性を実現
できるアンテナで構成し、 各タイムスロットで、3つの指向性をもつパターンの2
つの指向性は互いに直交する方向、他の1指向性はこれ
ら2指向性から135°の方向となるように、アンテナ
指向性を指定することを含む無線通信方法。 - 【請求項15】前記基地局の前記テーブルに基づいて、
基地局間同期を行うことを含む請求項1に記載の無線通
信方法。 - 【請求項16】複数基地局と無線端末間で無線通信する
無線通信システムにおいて、 各基地局は、 複数のアンテナエレメントを有し、各アンテナエレメン
トによる受信信号及び送信信号を合成して、所定のビー
ムパターンのアンテナ指向性を実現できるアンテナと、 該アンテナを介して無線端末からの信号を受信する回路
と、 各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパター
ンのアンテナ指向性で合成する回路と、 該合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末か
らの受信信号を選択し、選択された方向にビームを向け
るための送信ビーム方向情報を決定する回路と、 該決定する回路からの送信ビーム方向情報と、送信ビー
ム方向とその方向に放射する時に使用するビームタイム
スロットと関係を表す情報のテーブルとに基づき、送信
ビームタイムスロットを生成する回路と、 該生成された送信ビームタイムスロットを用いて、前記
アンテナを制御して下り信号を送信する回路とを備えた
無線通信システム。 - 【請求項17】前記基地局は、前記テーブルに基づい
て、基地局間同期を行う回路をさらに備えた請求項16
に記載の無線通信システム。 - 【請求項18】前記テーブルは、予め設置場所の基地局
の属性に従って生成され、当該基地局に変更可能に保持
されるようにした請求項16に記載の無線通信システ
ム。 - 【請求項19】前記基地局は、前記テーブルの内容を基
地局の上位局から供給を受ける回路をさらに備えた請求
項18に記載の無線通信システム。
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