JP2002231778A - 半導体ウェーハの測定方法及び発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体ウェーハの測定方法及び発光素子の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光素子を始めとする電子デバイス用の半導
体ウェーハの、輝度等の電気的特性の良否を、非破壊に
より簡便に判定することができる半導体ウェーハの測定
方法を提供する。 【解決手段】 半導体ウェーハの電気的特性を測定する
一方、該半導体ウェーハの主表面に、半導体結晶格子に
より回折現象を起こしうる一定波長の入射線ビームを入
射させたときの、該半導体単結晶基板からの特定結晶面
に由来する回折線の測定を行ない、該回折線の測定情報
と電気的特性との関係(回折線/特性関係)を決定す
る。そして、評価対象となる半導体ウェーハに対し入射
線ビームを入射させて回折線の測定を行ない、その測定
結果と回折線/特性関係とに基づいて、当該評価対象と
なる半導体ウェーハの電気的特性を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハの
測定方法及び発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発光ダイオードや半導体レーザー素子等
の発光素子は、通常、化合物半導体単結晶基板上に更に
複数の化合物半導体層を形成してp−n接合を有する多
層化合物半導体ウェーハを作製し、これを素子化するこ
とにより得られる。例えば、従来、赤色発光ダイオード
をはじめ、橙色や黄色発光ダイオード等の間接遷移型周
期律表第3族及び第5族化合物半導体を材料とする発光
ダイオード、とりわけ燐化砒化ガリウムGaAs1-X
X 系(ただし0.45≦X<1.0)発光ダイオード
は、燐化ガリウムGaPもしくは砒化ガリウムGaAs
の単結晶基板上に燐化砒化ガリウムGaAs1-X X
エピタキシャル層を複数層形成し、さらに、このエピタ
キシャル層の最上層にZn等のp型不純物を熱拡散する
ことによりp−n接合を形成して発光領域を設けたエピ
タキシャルウェーハを用いて製造される。
【0003】図1は、その工程の一例を示すもので、
(a)に示すように、公知の気相成長法により、GaP
(あるいはGaAs)単結晶基板4上にGaP層(基板
がGaAsの場合はGaAs層)5がエピタキシャル成
長され、さらにこのGaP層5上に、混晶率xが層厚方
向に変化するn型GaAs1-X X混晶率変化層6がエ
ピタキシャル成長され、さらにこの混晶率変化層6に接
して上に、混晶率xが一定値(x=a)であるGaAs
1-a 混晶率一定層7がエピタキシャル成長され、
この混晶率一定層7の上に窒素Nがドープされたn型G
aAs1-a a層8がエピタキシャル成長されて、エピ
タキシャルウェーハ1が製造される。このNがドープさ
れたn型GaAs1-a a層8は、混晶率一定層7上に
隣接して形成されて添加するNの濃度を徐々に増加させ
るための窒素濃度増加層8aと、一定の窒素濃度を有す
る窒素濃度一定層8bとを有する。
【0004】図1(b)に示すように、このようなヘテ
ロ構造のエピタキシャルウェーハ1に、窒素濃度一定層
8bの最表面からp型不純物であるZnを熱拡散してp
型GaAs1-a a層8cを形成し、さらに電極を取り
付けて適当なサイズにダイシングし、パッケージに封入
することにより素子化を行なえば、発光ダイオードが完
成する。
【0005】ところで、燐化砒化ガリウムGaAs1-X
X 発光素子の発光輝度は、使用する単結晶基板5
や、その上に成長するエピタキシャル層5〜8の結晶性
の影響を大きく受ける。しかしながら、上記のようにし
て製造されたエピタキシャルウェーハによる素子の発光
輝度がどの程度のものになるかは、熱拡散によりp型不
純物の拡散を行なってp−n接合を形成し、実際に輝度
を測定してみなければわからないという問題がある。も
とより、素子化工程の後、輝度測定して始めて良否が判
明するというのは、もし不良との結果が出た場合に、エ
ピタキシャル成長工程、p型不純物拡散工程、さらには
素子化工程の全てが水泡に帰することを意味し、損失は
計り知れないものがある。
【0006】なかでも、素子化工程については、電極形
成、ダイシング及び封入など工数も多く付加価値性が高
いため、不良の選別は、少なくともこの素子化工程の前
に行なうことができると、無駄が少なく経済的である。
そこで、従来、メサ輝度とよばれる、本格的な素子化を
必要としない簡便な輝度測定方法が、知られている(特
開昭51−144185号公報)。これは、図2(a)
に示すように、p−n接合が形成されたエピタキシャル
ウェーハWの主表面に円筒形の砥石を用いて円形の溝G
を穿ち、次いで(b)に示すように、該ウェーハを導電
性ゴム等で形成された通電パッド上に配置する。そし
て、(c)に示すように、p型層の表面に通電用の針状
のプローブを当て、通電パッドとの間で順方向電流を流
すと、p−n接合部にて発光するので、上記の溝Gに輝
度検出部を挿入する形で輝度(メサ輝度)を測定するこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記メ
サ輝度の測定による場合でも、p型不純物の熱拡散工程
は行なわなければならない。一般に、Znをp型不純物
として用いる場合、必要なp型層厚さが得られるまでに
要する拡散処理工程は実に3日前後にも及び、不良判定
の結果、該工程が無駄になることの影響は相変わらず大
きい。
【0008】また、メサ輝度測定は、ウェーハに溝を穿
つ破壊試験であるから、試験に用いたウェーハは当然、
発光素子の製造に使用することができないし、また、抜
き取り試験が前提となるので良否判定はウェーハのロッ
ト単位でなされ、不良ロット判定による経済的な損失は
極めて深刻である。
【0009】本発明の課題は、発光素子を始めとする電
子デバイス用の半導体ウェーハの、輝度等の電気的特性
の良否を、非破壊により簡便に判定することができる半
導体ウェーハの測定方法と、それを用いた発光素子の製
造方法とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の半導体ウェーハの測定方
法は、半導体ウェーハの電気的特性を測定する一方、該
半導体ウェーハの主表面に、半導体結晶格子により回折
現象を起こしうる一定波長の入射線ビームを入射させた
ときの、半導体単結晶からの特定結晶面に由来する回折
線の測定を行ない、該回折線の測定情報と電気的特性と
の回折線/特性関係を決定するとともに、評価対象とな
る半導体ウェーハに対し入射線ビームを入射させて回折
線の測定を行ない、その測定結果と回折線/特性関係と
に基づいて、当該評価対象となる半導体ウェーハの電気
的特性を推定することを特徴とする。
【0011】なお、推定対象となる半導体ウェーハの電
気的特性の種別は特に限定されないし、また、該半導体
ウェーハを用いて製造されたデバイスの電気的特性であ
って、かつ、使用される半導体ウェーハの性状により影
響を受けるものも、広義に該半導体ウェーハの電気的特
性として採用可能である。具体例としては、後述の発光
素子の輝度が挙げられる。
【0012】上記本発明の半導体ウェーハの測定方法に
よると、材質が同じで結晶性の異なる半導体ウェーハに
つき、着目している電気的特性の測定を行なう一方、同
じ半導体ウェーハの主表面に上記のような一定波長の入
射線ビームを入射させて回折線の測定を行ない、該回折
線の測定情報と半導体電気的特性との関係(回折線/特
性関係)を求めておく。そして、実製品となるべき半導
体ウェーハについては回折線の測定のみを行なって、そ
の結果を、すでに求めてある回折線/特性関係と照合す
ることにより、その半導体ウェーハの電気的特性を、実
際に測定することなく推定することができる。
【0013】その結果、以下のような効果が達成され
る。 電気的特性の測定方法が、その半導体ウェーハを用い
て実際にデバイスを作製して測定しているものであった
り、あるいは半導体ウェーハの状態にて測定が可能であ
っても、それが破壊試験となるような場合、実際に電気
的特性を行なう必要がなくなるので、不良に相当する半
導体ウェーハに、デバイス化に必要な工程を無駄に施し
たり、あるいは破壊検査のために被測定品が製品に適用
できなくなるといった無駄を効果的に削減することがで
きる。 回折線の測定自体が非破壊試験であるから全数試験が
可能であり、抜き取り試験のようなロットアウトによる
大量損失も回避できる(無論、本発明においても抜き取
り試験を採用することは可能であり、の効果は達成さ
れる)。
【0014】入射線ビームは、半導体結晶格子により回
折現象を起こしうるものであればどのようなものを用い
てもよく、例えばX線ビーム、中性子線ビーム、電子線
ビーム、ガンマ線ビーム等を使用できるが、線源を安価
にかつ簡便に構成でき、かつ、ほとんどの半導体材料に
普遍的に適用できるという点で、X線ビームを用いるこ
とが望ましい。
【0015】回折線/特性関係における回折線の測定情
報としては、入射線ビームの半導体単結晶への入射角度
と、回折線強度との関係を示す回折プロファイルを測定
したときの、その回折プロファイルに表れる特定結晶面
に由来する回折線強度ピークの測定情報を使用すること
ができる。この方法によると、回折プロファイルをディ
フラクトメータ等の既存の装置により簡単に測定でき
る。
【0016】また、上記回折プロファイルに現われる回
折線強度ピークを用いることで、回折線の測定情報を定
量化しやすくなり、回折線/特性関係の信頼性も高める
ことができる。回折線の測定情報は、具体的には、回折
線強度ピークの幅、ピーク高さ、ピーク面積及びピーク
角度位置の少なくともいずれかを反映した数値パラメー
タにより表すことができるが、他の数値パラメータを用
いてもよい。他方、より簡便な方法として、回折線の測
定情報を、予め固定的に定められた入射角度位置に対応
する回折線強度により表わすことも可能である。
【0017】また、測定に使用する特定結晶面の回折線
としては、上記の回折プロファイルを測定したときに、
最強の回折線強度ピークを示すものを使用することが、
測定精度、ひいては電気的特性の推定精度を高める観点
において望ましい。また、ビーム源の構成は比較的簡略
で採用しやすいが、通常のビーム強度では半導体試料に
対する浸透深さをそれほど大きくできないような入射線
ビーム、例えばX線や電子線などを使用する場合は、以
下のような半導体ウェーハを使用することが望ましい。
すなわち、半導体ウェーハが単結晶又は混晶であって、
該半導体ウェーハを粉末化した試料を用いて入射線ビー
ムによる回折プロファイルを測定したときの、該回折プ
ロファイルに表れる最強の回折線強度ピーク(以下、主
要回折ピークという)に対応する面指数が、主表面の面
指数と一致したものを使用する。これは、つまるとこ
ろ、主要回折ピークを与える結晶面が、主表面と略平行
となっているウェーハを用いることを意味し、ウェーハ
表層付近からの回折のみであっても、比較的大きな回折
線強度ピークが得られるので、測定精度を高める上で好
適である。この場合、主要回折ピークを与える面指数の
結晶面が前記の特定結晶面として採用されることを意味
する。
【0018】半導体ウェーハは発光素子製造用の化合物
半導体ウェーハとすることができる。この場合、電気的
特性は、該化合物半導体ウェーハを用いて製造される発
光素子の輝度とすることができる。また、本発明の発光
素子の製造方法は、本発明の測定方法により化合物半導
体ウェーハの評価を行ない、該化合物半導体ウェーハを
用いて製造される発光素子の輝度を推定するとともに、
その推定結果に基づいて、化合物半導体ウェーハを素子
化する前に該化合物半導体ウェーハを選別することを特
徴とする。
【0019】これによると、メサ輝度のような破壊試験
を用いることなく、輝度の観点から見たウェーハの良否
判定ひいては選別を極めて簡単に行なうことができる。
そして、化合物半導体ウェーハの評価は、発光層部を形
成前又は形成途中に行なうことができる。これによる
と、不良判定時に、発光層部を完成させるための残余の
工程を省略できるので能率的かつ経済的である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面を参照して説明する。ここでは、半導体ウェー
ハとして、発光素子製造用の化合物半導体ウェーハを例
に取る。化合物半導体ウェーハは、例えば図1(a)に
示すエピタキシャルウェーハ1であり、GaP(GaA
sでもよい)単結晶基板4を含むものである。発光層部
は、図1(b)の8b,8cの各層であり、各々、単結
晶基板4の第一主表面上にエピタキシャル成長されると
ともに、単結晶基板4側からn型層8b及びp型層8c
がこの順序にて積層されるGaAsP混晶層である。以
下に詳述する化合物半導体ウェーハの評価及び選別を除
き、その製造工程は「従来の技術」の欄にて説明した通
りであるので、詳細はここでは省略する。
【0021】またここでは、化合物半導体ウェーハを発
光素子としたときの輝度を、推定すべき電気的特性とし
て、X線回折を用いてエピタキシャルウェーハ1(化合
物半導体ウェーハ)の評価及び選別を行なう。この評価
は、p型GaAs1-a a層8c(p型層)を形成する
ためのZn(p型ドーパント)拡散工程よりも前に行な
う。評価の結果、不良と選別されたウェーハについて
は、長時間にわたるZn拡散工程をもはや施す必要がな
くなり、無駄を省くことができる。なお、単結晶基板4
の性状、例えば結晶性によっても得られる発光素子の輝
度は影響を受けるので、図1(a)において、エピタキ
シャル層5〜8の成長前の段階、すなわちGaP又はG
aAsの単結晶基板上にGaP単結晶基板層、GaAs
単結晶層あるいはGaAsP混晶層が少なくとも積層さ
れた段階で、単結晶基板4の評価を行ない、不適な単結
晶基板4を排除してしまう方法も可能である。また、エ
ピタキシャル層5〜8の形成を始めとするいくつかの工
程について、各工程が終了する毎に評価を行なうこと、
例えば、単結晶基板4の段階と、エピタキシャル層5〜
8を形成し終わった段階(Zn拡散前)とのそれぞれに
ついて評価を行なうことも可能である。以下は、エピタ
キシャル層5〜8の形成が終了したエピタキシャルウェ
ーハ1を評価対象ウェーハとする場合にて、説明を代表
させる。
【0022】評価を行なうには、例えば以下のようにす
る。まず、結晶性が異なると思われる種々のエピタキシ
ャルウェーハ1を用意し、各々図2を用いてすでに説明
した方法により、電気的特性としてのメサ輝度を測定す
る。次に、各エピタキシャルウェーハ1の、エピタキシ
ャル層5〜8が形成されている主表面にX線ビームを入
射することによりX線回折測定を行なう。
【0023】X線回折測定は、図3に示すような公知の
ディフラクトメータ(回折測定装置)を用いて行なうこ
とができる。ウェーハWは、ホルダに取り付けられると
ともに、固定的に配置されたX線ビーム源からの入射線
ビームが、ウェーハWの第一主表面、すなわち、発光層
部を形成するための、エピタキシャル層5〜8の形成側
の主表面に所定の入射角度θにて入射されるようになっ
ている。なお、X線ビーム源は、公知のX線管と、その
X線管から放出されるX線のスペクトルから、特定波長
λを有する特性X線(蛍光X線ともいう)のみをX線ビ
ームとして抽出するためのモノクロメータとを含む。
【0024】また、ウェーハWからの回折線は、公知の
計数管等にて構成された検出器により検出される。ウェ
ーハWを保持するホルダは、図示しない駆動部により一
定角速度ωにて駆動され、位置固定のX線ビーム源から
の入射線ビームの入射角度θが一定速度で変化する。他
方、検出器は可動ベース上に取り付けられており、受け
るべき回折線の入射線ビームの方向に対する角度が常に
2θとなるように、ガイドに沿ってホルダと連動して移
動するようになっている。これにより、ウェーハWに対
する入射線ビーム及び受けるべき回折線の角度が、常に
互いに等しい値θを取るようになる。
【0025】回折線強度は、検出器による計数値により
測定され、入射線ビームの入射角度θに対する回折線強
度(一般には2θの値が用いられる)の分布を描画する
ことにより、図4(b)に示すような回折プロファイル
が得られる。入射線が回折線強度ピーク(以下、単に回
折ピークともいう)を形成するための条件は、図4
(a)に示す通りである。すなわち、ある結晶面指数
(hkl)が回折ピークを生ずるための条件は、その結
晶面の面間隔をdhkl、入射線ビームの波長をλ、入
射角度をθとして、 λ=2dhklsinθ(Braggの回折条件)‥‥ を満足する場合である。ただし、半導体の結晶構造毎に
定まる構造因子の値が、消滅則により実質的にゼロとな
ってしまう指数の結晶面は、の関係を満足していても
強い回折は生じない。
【0026】多結晶もしくは粉末の化合物半導体に対し
て上記のような回折プロファイルを測定すると、構造因
子がゼロとならない各結晶面に対応した、複数回折ピー
クが現われる。これは、種々の方位の結晶が入り混じっ
ているために、各結晶面について、ビームの入射角度が
の関係を満たす角度θとなっている結晶粒を選ぶ形で
回折が生ずるためである。しかし、本実施形態のよう
に、一定の結晶方位を持った化合物半導体混晶(あるい
は単結晶)からなるエピタキシャル層にX線を入射させ
た場合、X線浸透深さがそれほど大きくならないことか
ら、図4(b)に示すように、エピタキシャル層の主表
面が、ある入射角度θにての関係を満足する面指数
{hkl}の結晶面(特定結晶面に相当する)となっ
ている場合にのみ、回折プロファイルにてその角度θ
の位置に強い回折線強度ピークが現われることとなる。
本実施形態では、多結晶もしくは粉末の化合物半導体に
て最強の回折線強度ピーク(主要回折ピーク)を与える
結晶面{hkl}がエピタキシャル層の主表面と略平
行となっているエピタキシャルウェーハを用いている。
具体的には、エピタキシャル層はGaAs1−X
晶層であり、{hkl}は{400}面に相当する。
【0027】図5は、上記の回折ピークを拡大して示す
ものであり、回折線の測定状態を、この回折ピークの幅
W(ここでは、一般的な半値幅を用いているが、必要で
あればピーク高さIのどこに位置する幅を用いてもよ
い)、ピーク高さI(バックグラウンドからの高さとす
る)、ピーク面積S、あるいはピーク角度位置2θ
いずれかを反映した数値パラメータ(以下、これらを総
称する場合は、ピークプロファイルパラメータという)
により表すことができる。例えば、図10は、結晶性の
相違する2つのウェーハの各{400}面の回折ピーク
を示すものであるが、W、I、S及び2θの全てにお
いて異なるものとなっている。具体的にいえば、結晶性
が悪いウェーハBのほうが、結晶性の良好なウェーハA
よりもブロードである。そして、図中には、それらウェ
ーハのメサ輝度を図2に示す方法により測定した結果を
示しているが、ウェーハAの方が、明らかに高輝度とな
っていることがわかる。
【0028】図11は、さらにいくつかのエピタキシャ
ルウェーハについて、{400}面のピーク半値幅とメ
サ輝度との測定を行ない、回折線/特性関係としてプロ
ットした結果を示すが、ピーク半値幅が小さくなるほど
メサ輝度は大きくなり、しかも両者の間には非常に明確
な直線関係が成立していることがわかる。また、図12
はピーク角位置とメサ輝度との関係を、図13はピーク
高さとメサ輝度との関係を同様にプロットしたものであ
る。半値幅ほどの直線性は有さないが良好な相関関係が
見られ、回折線/特性関係として使用可能であることが
わかる。
【0029】従って、図6に示すように、ピークプロフ
ァイルパラメータと輝度(メサ輝度)との関係を予め測
定しておくことにより、以降は、輝度の未知なエピタキ
シャルウェーハについてピークプロファイルパラメータ
の測定のみを行ない、さらに、図6を一種の検量線とし
て用いることにより、測定されたピークプロファイルパ
ラメータに対応する輝度を読み取れば、実際に測定を行
なわなくとも輝度の値を推定することができる。そし
て、例えば推定される輝度の値に範囲(例えば下限値)
を定めておき、範囲外の輝度が推定されたものは不良と
して選別・除外し、発光素子を製造するための以降の工
程には流さないようにすることができる。
【0030】なお、図7に示すように、いずれも強度ピ
ーク位置がθであり、ピーク高さのみ異なるピークプ
ロファイルP1とP2については、θにおいて、当然
に異なる回折線強度I,Iを示すこととなり、ピー
ク形状のより鋭いピークプロファイルP1のほうが輝度
は高い値を示す。一方、図10に示すように、結晶性低
下によりピーク位置がシフトし、シフト量が大きくなる
ほど輝度が低下する場合もあるが、そのようにピーク位
置がシフトしたプロファイルP3についても、θにお
ける回折線強度Iは低くなり、輝度の低下傾向と整合
する。従って、より簡便な方法として、回折線の測定状
態を、予め固定的に定められた入射角度位置θに対応
する回折線強度Iにより表すことも可能である。この回
折線強度Iが大きいほど、輝度は高い値になるものとし
て推定を行なう。
【0031】なお、ピークプロファイルパラメータの測
定は、上記実施形態においては半導体ウェーハに対する
入射線ビームの入射位置を固定して行なったが、同じ半
導体ウェーハの主表面上において、位置を変えてピーク
プロファイルパラメータを測定し、その各測定位置近傍
のウェーハ部分の輝度を個別に推定するようにしてもよ
い。これにより、1つの半導体ウェーハから製造される
発光素子の、輝度のばらつきを知ることができ、例えば
その程度が甚だしいものを不良として除外することがで
きる。
【0032】また、さらに進んでは、図8(a)に示す
ように、X−Yテーブル上にウェーハWを置き、X線ビ
ーム源からのビームの入射位置を二次元的に走査しなが
らピークプロファイルパラメータの測定を行なうことも
可能である。これにより、(b)に示すように、ウェー
ハW上の各座標位置(x,y)(i=1,2,3
‥;j=1,2,3‥)におけるピークプロファイルパ
ラメータの値の分布(ひいては推定される輝度の値)を
詳しく調べることができる。このような測定結果は、例
えばコンピュータを用いた公知の画像処理により、図9
(a)に示すようなマッピング画像として表示させるこ
とができる。これを見れば、ウェーハ中にてどの部分の
輝度特性が良好であるかを一目で識別でき、また、その
良好な部分を選択的に用いて発光素子を製造するといっ
た、歩留まり向上等のためのきめ細かい工夫を行なうこ
とも可能となる。また、マッピング画像は、ダイシング
後の各発光素子チップ領域に区分して出力すればより便
利であるし、図9(b)に示すように、例えば発光素子
チップ領域毎に、ピークプロファイルパラメータあるい
は輝度の値による良否判定を行なわせ、その判定結果を
各領域に表示させれば、どの領域の部分が発光素子チッ
プとして利用可能であるかを、一目で判別することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】GaAsP発光素子を製造するためのエピタキ
シャルウェーハの一例を、製造工程とともに示す模式
図。
【図2】発光素子製造用のエピタキシャルウェーハにお
けるメサ輝度の測定方法を示す説明図。
【図3】本発明の半導体ウェーハの測定方法に使用する
X線ディフラクトメータの概念を示す模式図。
【図4】X線回折の原理と、得られる回折プロファイル
とを模式的に示す図。
【図5】回折プロファイルに現われる回折線強度ピーク
を、ピークプロファイルパラメータの設定例とともに示
す模式図。
【図6】回折線/特性関係としての、ピークプロファイ
ルパラメータと輝度との関係を模式的に示す図。
【図7】特定値に固定された角度での回折線強度を、ピ
ークプロファイルパラメータとして用いる例を示す説明
図。
【図8】ウェーハ主表面上にて入射線ビームを二次元的
に走査しながらピークプロファイルパラメータを測定す
る例を示す説明図。
【図9】図8のピークプロファイルパラメータを二次元
マッピングする例を示す説明図。
【図10】結晶性の相違する2つのGaAsPエピタキ
シャルウェーハの{400}面の回折ピークを示すプロ
ファイル。
【図11】GaAsPエピタキシャルウェーハの{40
0}面の回折ピーク半値幅と、メサ輝度との関係を示す
グラフ。
【図12】同じく{400}面ピーク角位置とメサ輝度
との関係を示すグラフ。
【図13】同じく{400}面ピーク高さとメサ輝度と
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】 1 エピタキシャルウェーハ(化合物半導体ウェーハ) 8b,8c GaAs1-a a層(発光層部)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハの電気的特性を測定する
    一方、該半導体ウェーハの主表面に、半導体結晶格子に
    より回折現象を起こしうる一定波長の入射線ビームを入
    射させたときの、半導体単結晶からの特定結晶面に由来
    する回折線の測定を行ない、該回折線の測定情報と前記
    電気的特性との回折線/特性関係を決定するとともに、 評価対象となる半導体ウェーハに対し前記入射線ビーム
    を入射させて前記回折線の測定を行ない、その測定結果
    と前記回折線/特性関係とに基づいて、当該評価対象と
    なる半導体ウェーハの電気的特性を推定することを特徴
    とする半導体ウェーハの測定方法。
  2. 【請求項2】 前記入射線ビームはX線ビームであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体ウェーハの測定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記回折線/特性関係における前記回折
    線の測定情報として、前記入射線ビームの前記半導体単
    結晶への入射角度と、回折線強度との関係を示す回折プ
    ロファイルを測定したときの、その回折プロファイルに
    表れる前記特定結晶面に由来する回折線強度ピークの測
    定情報が使用されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の半導体ウェーハの測定方法。
  4. 【請求項4】 前記回折線の測定情報は、前記回折線強
    度ピークの幅、ピーク高さ、ピーク面積及びピーク角度
    位置の少なくともいずれかを反映した数値パラメータよ
    り表されることを特徴とする請求項3記載の半導体単結
    晶基板の測定方法。
  5. 【請求項5】 前記回折線の測定情報は、予め固定的に
    定められた入射角度位置に対応する回折線強度により表
    されることを特徴とする請求項3記載の半導体ウェーハ
    の測定方法。
  6. 【請求項6】 前記特定結晶面として、前記回折プロフ
    ァイルを測定したときの最強の回折線強度ピークを示す
    ものが使用されることを特徴とする請求項3ないし5の
    いずれかに記載の半導体ウェーハの測定方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体ウェーハは単結晶又は混晶で
    あって、該半導体ウェーハを粉末化した試料を用いて前
    記入射線ビームによる回折プロファイルを測定したとき
    の、該回折プロファイルに表れる最強の回折線強度ピー
    クに対応する面指数が、前記主表面の面指数と一致する
    ものであり、該面指数の結晶面が前記特定結晶面として
    採用されることを特徴とする請求項6記載の半導体ウェ
    ーハの測定方法。
  8. 【請求項8】 前記半導体ウェーハは発光素子製造用の
    化合物半導体ウェーハであり、前記電気的特性は、該化
    合物半導体ウェーハを用いて製造される発光素子の輝度
    であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに
    記載の半導体ウェーハの測定方法。
  9. 【請求項9】 前記化合物半導体ウェーハは、発光層部
    が形成前又は形成途中のものであることを特徴とする請
    求項8に記載の半導体ウェーハの測定方法。
  10. 【請求項10】 前記化合物半導体ウェーハは、GaP
    又はGaAsの単結晶基板を含むものであり、前記発光
    層部は、それら単結晶基板上にエピタキシャル成長され
    るGaAsP混晶層であることを特徴とする請求項9記
    載の半導体ウェーハの測定方法。
  11. 【請求項11】 前記化合物半導体ウェーハの特定結晶
    面は{400}面であることを特徴とする請求項10記
    載の半導体ウェーハの測定方法。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし11のいずれかに記載
    の測定方法により化合物半導体ウェーハの評価を行な
    い、該化合物半導体ウェーハを用いて製造される発光素
    子の輝度を推定するとともに、その推定結果に基づい
    て、前記化合物半導体ウェーハを素子化する前に該化合
    物半導体ウェーハを選別することを特徴とする発光素子
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記化合物半導体ウェーハの評価を、
    前記発光層部の形成工程の前又は途中にて行なうことを
    特徴とする請求項12に記載の発光素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記化合物半導体ウェーハはGaP又
    はGaAsの単結晶基板を含むものであり、それら単結
    晶基板上にGaP単結晶層、GaAs単結晶層あるいは
    GaAsP混晶層が少なくとも積層されることを特徴と
    する請求項12または13に記載の発光素子の製造方
    法。
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JP2015075379A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 富士通株式会社 X線分析方法及びx線分析装置

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