JP2002231170A - 静電偏向器及びその製造方法、静電レンズ及びその製造方法、電子ビーム照射装置及びそのクリーニング方法 - Google Patents

静電偏向器及びその製造方法、静電レンズ及びその製造方法、電子ビーム照射装置及びそのクリーニング方法

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JP2002231170A
JP2002231170A JP2001358701A JP2001358701A JP2002231170A JP 2002231170 A JP2002231170 A JP 2002231170A JP 2001358701 A JP2001358701 A JP 2001358701A JP 2001358701 A JP2001358701 A JP 2001358701A JP 2002231170 A JP2002231170 A JP 2002231170A
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和佳 杉原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタミネーションを容易に除去できる静電
偏向器及びその製造方法、静電レンズ及びその製造方
法、電子ビーム照射装置及びそのクリーニング方法を提
供する。 【解決手段】 電子ビーム照射装置に用いられる静電偏
向器又は静電レンスが、導電性セラミクス等の円筒状の
電極基材60と、この電極基材60内表面に形成された
電極61及び円筒側壁の各貫通孔66を介して設けた各
電極61に電圧を供給する電圧導入端子65と、電極基
材60に形成され、且つ側面から上下面に貫通するガス
供給通路70とから構成される。そして装置の動作を停
止状態、又は動作中に反応性ガスを偏向電極、又は静電
レンズの内部表面の近くに直接導入することにより、電
極表面に付着したコンタミネーションを効率よく除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームを用い
た電子ビーム露光装置や電子線顕微鏡等の電子ビーム照
射装置に用いられ静電偏向器や静電レンズ及びその製造
方法、電子ビーム照射装置及びそのクリーニング法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路の微細化及び高密度化が
進み、長年微細パターン形成の主流であったフォトリソ
グラフィ技術に代わって、電子ビームやイオンビーム等
の荷電粒子ビームを用いた露光法、或いはX線を用いる
新しい露光法が検討され、実現化されてきている。
【0003】このうち、電子ビームを用いてパターンを
形成する電子ビーム露光は、電子ビームの断面を10n
mにまで絞ることができ、0.25μm以下の微細なパ
ターンを形成することが可能なため、脚光を浴びてい
る。これに伴い、電子ビーム露光装置にも、半導体量産
装置として、安定した稼動、高スループット、更なる微
細加工性が要求されてきている。
【0004】従来の典型的な電子ビーム露光装置では、
円筒形のコラム内に、適当に断面が成形された電子ビー
ムをウエハ上に照射するための対物レンズが内蔵され、
被露光試料(特定的にはウエハ)上で電子ビームの位置
を偏向するための静電偏向器が、この対物レンズとほぼ
一体的に(つまり互いに近接して)配置されている。
【0005】そして、静電偏向器の電極として、不導体
材料、例えばアルミナからなる筒状部材の内部に、アル
ミ、燐青銅を組込み、表面に金を施したものが使用され
ている。また、また、セラミックスからなる円筒内部
に、下地金属のNiP表面に金メッキを施したものが使
用されている。
【0006】上記電子ビーム露光装置では、コラムの内
部及び該コラムに結合された露光処理のためのチャンバ
ーの内部は、通常、高真空状態となっているが、実際に
は、残留ガスや露光するレジストからの蒸発による、ハ
イドロカーボン系のガスが存在する。そして、このガス
と電子ビームが反応して、カーボンを主成分とするコン
タミネーションが発生する。
【0007】このコンタミネーションは導体ではないた
め、電子が当ると電荷が蓄積されチャージアップが発生
する。このチャージアップにより、電子ビームは、偏
向、非点等を発生し、本来の必要とされる場所、形状が
異なり、露光精度の低下を招く。特に、電子ビームの位
置を制御する静電偏向器、電子ビームの形状を制御する
静電偏向器において、ビームドリフトの発生を招くこと
になる。
【0008】従来では、静電偏向器にコンタミネーショ
ンが付着して、チャージアップによるビームドリフトの
量が一定以上になると、in-situ洗浄方法により、静電
偏向器に付着したコンタミネーションを除去していた。
これは、酸素を主成分とする活性化ガスを被洗浄物近傍
に流し、活性酸素と炭素を反応させアッシング処理を行
うことにより、コンタミネーションを洗浄するものであ
る。
【0009】しかし、前記静電偏向器は複数段で構成さ
れたり、光学収差を最小にするために複雑な構造となっ
ている。また、反射電子が偏向電極表面へ流入するのを
防ぐために、絞り等が設けられている。そのため、活性
酸素をコンタミネーションが付着している偏向電極近傍
に効率よく導入することが困難であるという問題があ
る。
【0010】また、上述のin-situ洗浄方法では、炭素
を主成分としたコンタミネーションは除去できるが、金
属表面を酸化し、金属表面に酸化物を析出して、その酸
化物に電荷が蓄積して、チャージアップを発生するた
め、電子ビームの位置を変化させ、露光精度を劣化させ
る。
【0011】従って、活性酸素を用いたin-situ洗浄を
繰り返すと、コンタミネーションによる、ビームドリフ
トを減少することはできるが、静電偏向器の電極表面の
酸化によるビームドリフトが増加していき、露光精度を
更に、劣化させる問題がある。
【0012】そこで、上述のような静電偏向器の電極の
酸化による露光精度の劣化を防止するための技術が、特
開2000−11937(以下、公知例と称す)に開示
されている。これは、静電偏向器の電極を、導電性セラ
ミックスの表面に上述のin-situ洗浄を用いても、酸素
との化合物を生じにくい、白金族の金属(ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白
金)の皮膜を鍍金により形成したものである。
【0013】しかしながら、この公知技術においては、
白金族の金属皮膜は、活性酸素との化学反応により、徐
々にエッチングされ、前記in-situ洗浄を繰返すと、前
記白金族の金属皮膜が、最終的にエッチングされてなく
なり、酸化防止機能を失うという問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、従来の電子ビーム露光装置では、静電偏向器
が、複数段構成や複雑な構造となっていたり、また、絞
り等が設けられているため、活性酸素を効率よく偏向電
極の表面近傍に導入することが困難であるという問題が
ある。
【0015】また、静電偏向器の電極の酸化による露光
精度の劣化を防止するための公知技術の電子ビーム露光
装置では、前記in-situ洗浄を繰返すうちに、偏向電極
としての白金族の金属皮膜が、活性酸素との化学反応に
よるエッチングにより、最終的にエッチングされてなく
なり、酸化防止機能を失うという問題がある。
【0016】本発明の第1の目的は、コンタミネーショ
ンを容易に除去することができる、静電偏向器及びその
製造方法、静電レンズ及びその製造方法、静電偏向器、
及び/又は静電レンズを用いた電子ビーム照射装置及び
そのクリーニング方法を提供することにある。
【0017】また、本発明の第2の目的は、静電偏向
器、静電レンズの電極表面をチャージアップすることが
殆どない状態を実現し、高精度な露光を長時間維持する
ことが可能で、且つ長期間に亘り電極表面の酸化防止機
能を有する静電偏向器及びその製造方法、静電レンズ及
びその製造方法、電子ビーム照射装置及びそのクリーニ
ング方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わる第1の発明(請求項1)は、筒状基
材と、前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成され、
且つ互いに電気的に分離された複数の偏向電極と、前記
偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏向電
圧導入端子と、前記筒状基材にその外側面から内部に向
かい、且つ上、下面の少なくとも一方面まで延びる反応
性ガス供給通路とを具備してなることを特徴とする静電
偏向器にある。
【0019】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第2の発明は、前記電子ビームを発生する電子銃と前記
電子ビームを制御する静電偏向器を有する電子ビーム照
射装置において、前記静電偏向器は、筒状基材と、前記
筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成され、且つ互いに
電気的に分離された複数の偏向電極と、前記偏向電極の
各々に、それぞれ電気的に接続された偏向電圧導入端子
と、前記筒状基材にその外側面から内部に向かい、且つ
上、下面の少なくとも一方面まで延びる反応性ガス供給
通路とを具備し、前記静電偏向器の反応性ガス通路に反
応性ガス管が接続されてなることを特徴とする電子ビー
ム照射装置にある。
【0020】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第3の発明(請求項3)は、筒状基材と、前記筒状基材
の内壁面に筒軸に沿って形成されたレンズ電極と、前記
レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子と、前記
筒状基材にその外側面から内部に向かい、且つ上、下面
の少なくとも一方面まで延びる反応性ガス供給通路とを
具備してなることを特徴とする静電レンズにある。
【0021】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第4の発明は、電子ビームを発生する電子銃と前記電子
ビームを制御する静電レンズを有する電子ビーム照射装
置において、前記静電レンズは、筒状基材と、前記筒状
基材の内壁面に筒軸に沿って形成されたレンズ電極と、
前記レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子と、
前記筒状基材にその外側面から内部に向かい、且つ上、
下面の少なくとも一方面まで延びる反応性ガス供給通路
とを具備し、前記静電レンズの反応性ガス通路に反応性
ガス供給管が接続されてなることを特徴とする電子ビー
ム照射装置。
【0022】前記第3及び第4の発明に係わる電子ビー
ム照射装置では、前記反応性ガス供給通路は、前記静電
偏向器又は前記静電レンズの上、下面にまで延びている
ことが望ましい。
【0023】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第5の発明(請求項6)は、筒状基材と、前記筒状基材
の内壁面に筒軸に沿って形成されヒーターと、前記ヒー
ター上に絶縁膜を介して前記筒状基材の筒軸に沿って形
成され、且つ互いに電気的に分離された複数の偏向電極
と、前記ヒーターに、電気的に接続されたヒーター電力
導入端子と、前記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に
接続された偏向電圧導入端子とを具備してなることを特
徴とする静電偏向器にある。
【0024】前記ヒーターは、少なくとも1個で構成さ
れてもよく、また、前記偏向電極と同数に分割されて前
記筒状基材の筒軸に沿って形成されてなり、且つ前記偏
向電極の各々と相対して配置されてもよい。
【0025】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第6の発明(請求項9)は、筒状基材と、前記筒状基材
の筒壁内に筒軸に沿って埋め込み形成されヒーターと、
前記筒状基材の筒内面に筒軸に沿って形成され、且つ互
いに電気的に分離された複数の偏向電極と、前記ヒータ
ーに、電気的に接続されたヒーター電力導入端子と、前
記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏向
電圧導入端子とを具備してなることを特徴とする静電偏
向器にある。
【0026】前記ヒーターは、前記筒壁の上下面に貫通
して設けられた複数の貫通孔内にヒーター材が埋め込ま
れ、且つ筒壁の上下面において隣接するヒーター材を直
列接続して構成してなることが望ましい。
【0027】また、前記電極基材の外側面と前記ヒータ
ーとの間における前記電極基材の筒壁部分に筒軸に沿っ
て空洞を更に設けることが望ましい。
【0028】また、前記電極基材は、その外側面と前記
ヒーターとの間における筒壁部分が筒軸方向に除去され
てフィン構造をなすことが望ましい。
【0029】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第7の発明(請求項13)は、筒状基材の内壁に溝を形
成する第1工程と、前記溝内に高抵抗物質を埋め込んで
ヒーターを形成する第2工程と、前記ヒーター上面を含
む前記筒状基材の内壁に絶縁膜を形成する第3工程と、
前記絶縁膜上に前記筒状基材の筒軸に沿って分割されて
複数の偏向電極を形成する第4工程と、前記ヒーターと
電気的に接続するヒーター電力導入端子を形成する第5
工程と、前記偏向電極と電気的に接続する偏向電圧導入
端子を形成する第6工程とを具備する静電偏向器の形成
方法にある。
【0030】前記第1工程の前記溝及び前記第2工程の
ヒーターは、前記筒状基材の筒軸に沿って複数に分割し
た各領域にそれぞれ形成してなり、前記第4の偏向電極
は、前記ヒーターと同数で、且つ前記ヒーターと相対し
て形成してなることが望ましい。
【0031】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第8の発明(請求項15)は、筒状基材と、前記筒状基
材の内壁面に筒軸に沿って形成されたヒーターと、前記
ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒状基材の筒軸に沿っ
て形成されたレンズ電極と、前記ヒーターに電気的に接
続されたヒーター電力導入端子と、前記レンズ電極に電
気的に接続された電圧導入端子とを具備してなることを
特徴とする静電レンズにある。
【0032】上記目的を達成するため、第9の発明(請
求項16)は、筒状基材と、前記筒状基材の筒壁内に筒
軸に沿って埋め込み形成されヒーターと、前記筒状基材
の筒内面に筒軸に沿って形成されたレンズ電極と、前記
ヒーターに、電気的に接続されたヒーター電力導入端子
と、前記レンズ電極に電気的に接続されたレンズ電圧導
入端子とを具備してなることを特徴とする静電レンズに
ある。
【0033】前記ヒーターは、前記筒壁の上下面に貫通
して設けられた複数の貫通孔内にヒーター材が埋め込ま
れ、且つ筒壁の上下面において隣接するヒーター材を直
列接続して構成してなることが望ましい。
【0034】また、前記電極基材の外側面と前記ヒータ
ーとの間における前記電極基材の筒壁部分に筒軸に沿っ
て空洞を更に設けることが望ましい。
【0035】また、前記電極基材は、その外側面と前記
ヒーターとの間における筒壁部分が筒軸方向に除去され
てフィン構造をなすことが望ましい。
【0036】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第10の発明(請求項20)は、筒状基材の内壁に溝を
形成する第1工程と、前記溝内に高抵抗物質を埋め込ん
でヒーターを形成する第2工程と、前記ヒーター上面を
含む前記筒状基材の内壁に絶縁膜を形成する第3工程
と、前記絶縁膜上に前記筒状基材の筒軸に沿ってレンズ
電極を形成する第4工程と、前記ヒーターと電気的に接
続するヒーター電力導入端子を形成する第5工程と、前
記レンズ電極と電気的に接続する電圧導入端子を形成す
る第6工程とを具備する静電レンズの形成方法にある。
【0037】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第11の発明(請求項21)は、電子ビームを発生する
電子銃と前記電子ビームを制御する静電偏向器を有する
電子ビーム照射装置において、前記静電偏向器は、筒状
基材と、前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成され
ヒーターと、前記ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒状
基材の筒軸に沿って形成され、且つ互いに電気的に分離
された複数の偏向電極と、前記ヒーターに、電気的に接
続されたヒーター電力導入端子と、前記偏向電極の各々
に、それぞれ電気的に接続された偏向電圧導入端子とを
具備してなることを特徴とする電子ビーム照射装置にあ
る。
【0038】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第12の発明(請求項22)は、電子ビームを発生する
電子銃と前記電子ビームを制御する静電レンズを有する
電子ビーム照射装置において、前記静電レンズは、筒状
基材と、前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成され
たヒーターと、前記ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒
状基材の筒軸に沿って形成されたレンズ電極と、前記ヒ
ーターに電気的に接続されたヒーター電力導入端子と、
前記レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子とを
具備してなることを特徴とする電子ビーム照射装置にあ
る。
【0039】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第13の発明(請求項23)は、前記第11又は第12
の発明に係わる電子ビーム照射装置の通常動作を停止し
た状態で、反応性ガスを前記ビーム露光装置内に導入
し、前記静電偏向器又は前記静電レンズのヒーターを加
熱して、前記静電偏向器又は前記静電レンズに付着した
コンタミネーションを除去することを特徴とする電子ビ
ーム照射装置のクリーニング方法にある。
【0040】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第14の発明(請求項24)は、前記第11又は第12
の発明に係わる電子ビーム照射装置の通常動作中に、反
応性ガスを前記ビーム露光装置内に導入し、前記静電偏
向器又は前記静電レンズのヒーターを加熱して、前記静
電偏向器又は前記静電レンズに付着してコンタミネーシ
ョンを除去することを特徴とする電子ビーム照射装置の
クリーニング方法にある。
【0041】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第15の発明(請求項25)は、電子ビームを発生する
電子銃と前記電子ビームを制御する静電偏向器を有する
電子ビーム照射装置において、前記静電偏向器の電極表
面が、導電性酸化物皮膜で覆われてなることを特徴とす
る電子ビーム照射装置にある。
【0042】前記静電偏向器の電極は、導電性酸化物か
らなることが望ましい。
【0043】また、前記静電偏向器の電極は、表面が導
電性酸化物で被覆された金属からなることが望ましい。
【0044】上記目的を達成するため、本発明に係わる
第16の発明(請求項28)は、コラム内に、少なくと
も電子ビーム源から発生した電子ビームを所望の大き
さ、明るさに調整するコンデンサーレンズと、試料面上
の不必要な部分を露光しないために、ビームを偏向する
ブランキング機構と、試料面上の電子ビームの形状を整
形するアパーチャと、試料面上に電子ビームをフォーカ
スする対物レンズと、試料面上の電子ビームの位置を制
御する静電偏向器とを具備した電子ビーム照射装置にお
いて、前記電子ビーム装置のコラム内の部品表面が、導
電性酸化物皮膜で被覆されてなることを特徴とする電子
ビーム照射装置にある。
【0045】前記電子ビーム照射装置のコラム内の部品
は、静電偏向器であることが望ましい。
【0046】また、前記静電偏向器の電極は、導電性酸
化物からなることが望ましい。
【0047】また、前記静電偏向器の電極は、表面が導
電性酸化物で被覆された金属からなることが望ましい。
【0048】また、前記導電性酸化物は、酸化ルテニウ
ム、酸化イリジウム、酸化プラチナであることが最も好
ましい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
わる実施の形態(以下、実施形態と称する)について説
明する。各実施形態は、本発明を電子ビーム露光装置に
適用して例である。
【0050】(第1の実施の形態)まず、図1及び図2
を参照して本発明の第1の実施形態に係わる電子ビーム
露光装置について説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態に係わる電子ビーム露光装置の基本的な構成図で
ある。
【0051】図1に示すように、電子ビーム装置では、
チャンバー10内には、半導体ウエハ等の試料11(以
下、ウエハと称する)及びマーク台12を載置した可動
ステージ13が収納されている。前記可動ステージ13
は、ステージ制御回路121によって、X(紙面上の左
右方向)及びY方向(紙面に対し垂直方向)に移動され
る。
【0052】前記チャンバー10の上方には、該チャン
バー10と連接した円筒状のコラム20が設けられてい
る。前記コラム20の端部には、電子ビーム22を放射
する電子銃21が取付けられている。
【0053】前記電子銃21から放射された前記電子ビ
ーム22は、コンデンサーレンズ23で電流密度が調整
され、第1成形アパーチャ24を均一に照明する。前記
第1成形アパーチャ24の像は、投影レンズ25によ
り、CPアパーチャ上26に結像される。
【0054】前記2つのアパーチャ24、26の光学的
な重なりの程度は、CP選択偏向器27により制御され
る。
【0055】このビーム成形機構は、前記CP選択偏向
器27、CP選択回路118及び当該CP選択回路11
8に偏向データを送る制御コンピュータ122から構成
されている。
【0056】前記第1成形アパーチャ24と前記CPア
パーチャ26の光学的重なりによる像は、縮小レンズ2
8及び対物レンズ29により縮小され、前記ウエハ11
上に結像される。
【0057】そして、前記電子ビーム22の前記ウエハ
11面上の位置は、ビーム偏向回路119により必要な
電圧が対物偏向器30に印加され、その偏向により設定
される。
【0058】前記ウエハ11上の前記電子ビーム22の
位置は、データを送るパターンデータデコーダー123
と前記対物偏向器30に電圧を印加する前記ビーム偏向
回路119で制御される。
【0059】前記電子ビーム22の照射は、前記可動ス
テージ13を移動することで、前記ウェハ11又は前記
電子ビーム寸法測定用のマーク台12を選択することが
できる。
【0060】また、前記ウェハ11上の電子ビーム22
位置を移動する場合、前記ウェハ11上の不必要な場所
に露光されないように、前記電子ビーム22をブランキ
ング偏向器31によって、前記電子ビーム22をブラン
キングアパーチャ32上へ偏向し、前記電子ビーム22
をカットし、前記ウェハ11面上に到達しないようにす
る。
【0061】前記ブランキング偏向器31への偏向電圧
の制御は、前記制御コンピュータ122及び前記ブラン
キング偏向回路116で制御される。
【0062】これらの全てのデータは、パターンデータ
メモリー124に格納されている。なお、図中、33は
検出器で、117はレンズ制御回路、120は前記検出
器33からの検出信号を処理する検出信号処理回路であ
る。
【0063】上述の電子ビーム描画装置では、前記CP
選択偏向器27と前記対物偏向器30は精度良く、高速
に電子ビーム22を偏向する必要性があり、静電型の偏
向器が用いられている。
【0064】また、図示しないが、スループット、高精
度の関係から前記対物偏向器30には、主偏向器、副偏
向器、偏向収差を最小にするために複数の偏向電極が設
けられている。
【0065】次に、図2及び図3を参照して本実施形態
における静電偏向器の構成について詳細に述べる。図2
(a)は、静電偏向器の外観構成を示す斜視図、(b)
は、静電偏向器の上面図、(c)は、図2(b)におけ
るA−A’線に沿った縦断面図、図3は、図2(b)に
おけるB−B’線に沿う縦断面図で、偏向電極及び偏向
電圧端子は省略してある。
【0066】図2に示すように、電極偏向基材60は、
アルミナ、セラミックス、導電性セラミックス等の不導
体材料からなり、円筒状に形成されている。
【0067】この円筒状電極基材60の内壁面には、複
数、例えば8個の偏向電極611〜618が、各々、同一
形状に形成され、且つ筒軸対象で互いに電気的に分離し
て配置固定されている。
【0068】各偏向電極61i(i=1〜8)は、例え
ば、アルミナからなる電極基材60の内部に、メッキに
よる下地金属63としてのNiPの表面に、金属酸化に
よるチャージアップを防ぐための金属皮膜62としての
金メッキを施してなる。また、導電性セラミックスを研
削加工し、その表面に前記金属皮膜62としての白金族
のメッキを施してなる。また、セラミックス、或いは導
電性セラミックスからなる電極基材60内部に、下地金
属63としての銅薄膜をメッキし、更にその表面に前記
金属皮膜62としての酸化ルテニウムのメッキを施して
なる。
【0069】この偏向電極61iに対向する前記電極基
材60の側面部には、前記偏向電極61iに達する貫通
孔661〜668が、各々、設けられている。
【0070】そして、この貫通孔66i(i=1〜8)
の各々を介して、偏向電圧導入端子651〜658が、各
偏向電極61iに電気的に接続されている。
【0071】この各偏向電圧導入端子65iは、各貫通
孔66iの内壁面に形成された銅層67と金層68との
積層構造からなる。
【0072】更に、図3に示すように、前記偏向電極端
子65i(i=1〜8)間における前記電極基材60の
側面部には、ガス供給通路70が、前記電極基材60の
外側面から筒軸方向に向かって筒厚の略中央部まで延
び、そして筒軸に沿って前記電極基材60の上、下面の
少なくとも一方の面に連通するように形成されている。
この実施形態では、筒厚の中央部で前記電極基材60の
上下方向に分岐して、前記電極基材60の上、下面に達
するように設けられている。
【0073】図4は、上述した静電偏向器単体を複数段
組み合わせて構成した静電偏向器の例を示す模式図であ
る。
【0074】即ち、図2及び図3に示す静電偏向器単体
50とシールド80をホルダー85に精度良く組み込
む。それらを複数段、例えば3段組み合わせ、図4に示
すような静電偏向器、例えば図1に示すCP選択偏向器
27又は対物偏向器30を構成する。なお、前記シール
ド80は、チタン等の非磁性体金属から形成され、図示
しないが、接地電位が与えられる。
【0075】この各静電偏向器50の反応性ガス給給通
路70には、図示しない反応ガス供給系に接続される反
応性ガス供給管90が接続される。
【0076】次に、上述の静電偏向器が組み込まれた電
子ビーム露光装置のクリーニング方法について説明す
る。
【0077】まず、第1のクリーニング方法としては、
電子ビーム露光装置の通常の動作を停止し、装置外部に
設けられた反応ガス供給系から前記反応性ガス供給管9
0に活性酸素ガスGを供給する。前記反応性ガス供給管
90に供給された活性酸素ガスGは、反応性ガス供給通
路70により、各電極基材60の上、下面に導出され、
更に前記電極基材60の上、下面を沿って筒軸方向に導
入されて各静電偏向器50の内部に導入される。
【0078】そして、各静電偏向器50の偏向電極の内
部表面に付着したコンタミネーションを活性酸素と炭素
を反応させることにより、コンタミネーションを洗浄除
去する。この反応後のガスは、図示しない排気系により
装置外部に排出される。
【0079】また、第2のクリーニング方法としては、
電子ビーム露光装置を通常動作させた状態で、装置外部
の反応性ガス供給系から前記反応性ガス供給管90に活
性酸素ガスGを供給することにより、各静電偏向器50
の偏向電極の内部表面に付着したコンタミネーションを
活性酸素と炭素を反応させることにより、コンタミネー
ションを洗浄除去する。このように、装置を通常動作さ
せた状態において、クリーングを行っても、特に、装置
の動作には影響を与えることがない。
【0080】上記実施形態に係わる静電偏向器の構成に
よれば、活性酸素ガスを静電偏向器の内部表面の近くに
直接導入することができるので、偏向電極表面に付着し
たカーボンコンタミネーションを効率よく除去すること
ができる。
【0081】そのため、偏向電極の表面をチャージアッ
プすることが無い状態を実現し、高精度な描画を長時間
維持することが可能となる静電偏向器を供給することが
可能となる。
【0082】また、このような静電偏向器を用いた電子
ビーム露光装置においては、高精度な描画を長時間維持
することが可能となる。 (第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態に係
わる電子ビーム露光装置ついて説明するが、電子ビーム
露光装置の基本的な構成は、上記第1の実施形態の図1
に示す構成と同一であるので、説明は省略し、上記第1
の実施の形態と異なる静電偏向器の構成について、図5
を参照して説明する。図5は、複数段の静電偏向器単体
を有する静電偏向器の構成を示す模式図である。
【0083】本実施形態と上記第1の実施形態とは、上
記第1の実施形態では、図4に示すように、静電偏向器
単体50とシールド80とをホルダー85に精度良く組
み込むことにより、複数段の静電偏向部分を有する静電
偏向器を構成しているが、本実施形態では、電極基板を
加工してシールドで仕切られた複数段の静電偏向部分を
有する静電偏向器を一体的に構成してなり、この点で相
違する。この点以外の構成については、上記第1の実施
形態の構成と同一である。
【0084】即ち、図5に示すように、円筒状の電極基
材300の内壁面には、筒軸を軸とする環状の溝310
が複数状形成され、この環状の溝310によってシール
ド部分320と偏向器単体部分330とを交互に配置し
た構造に形成している。
【0085】そして、前記シールド部分320の内壁面
の各々には、シールド電極321が形成され、前記偏向
器単体部分330の内壁面の各々には、偏向電極331
が形成されている。ここでは、前記シールド電極321
及び前記偏向電極331は、同一構成に形成してなり、
例えば、上記第1の実施形態と同様に、銅の下地金属上
に酸化ルテニウムの金属被膜を形成してなる。
【0086】また、各シールド部分320の側面部に
は、前記シールド電極321と電気的に接続するシール
ド電極端子322が各々設けられ、各偏向器単体部分3
30の側面部には、前記偏向電極331と電気的に接続
する偏向電圧導入端子332が各々形成されている。こ
れらシールド電極端子322及び偏向電圧導入端子33
2は、上記第1の実施形態と同様に貫通孔に銅層及び金
層をメッキすることにより形成してなる。
【0087】また、前記偏向器単体部分330には、上
記第1の実施形態と同様に、ガス供給通路333が、外
側面から筒軸方向に向かって筒厚の略中央部まで延び、
そして筒軸に沿って前記偏向器単体部分330の上、下
面の少なくとも一方、ここでは、筒厚の中央部で上下方
向に分岐して、上、下面に達するように設けられてい
る。
【0088】なお、このガス供給通路330の形成の際
に、前記シールド部分320にもガス供給通路が形成さ
れるため、静電偏向器の最外側に位置するシールド部分
320におけるガス供給通路をセラミック製蓋323で
封止し、クリーニング時の反応性ガスの外部流出を防止
するようにしている。
【0089】上記静電偏向器の製作は、まず、エンドミ
ル等の機械的な加工により、円筒状電極基材300の側
面部の所定位置に、各々、筒内面に達するシールド電極
端子用及び偏向電圧導入端子用の貫通孔を形成した後、
前記電極基材300の筒内を保護材で保護し、前記貫通
孔内に銅層及び金層をメッキしてシールド電極端子32
2及び偏向電圧導入端子332を形成する。
【0090】次に、機械的な加工により円筒状の電極基
材300における筒壁の所定位置に、その上下面を貫通
する縦方向のガス供給通路333を筒軸に沿って形成
し、また前記円筒状電極基材300の側面部の所定位置
に、縦方向の前記ガス供給通路333と連通する横方向
のガス供給通路333を筒軸方向に形成する。
【0091】次に、前記保護部材を除去し、且つ前記ガ
ス供給通路333部分及び前記電極端子322、332
部分を保護した後、円筒状の電極基材300の内壁面
に、例えば無電界メッキ法により、下地金属、例えば銅
薄膜を形成し、電界メッキ法により、前記下地金属上に
ルテニウム膜を形成し、加熱処理して、金属被膜、例え
ば酸化ルテニウムを形成する。
【0092】次に、鉤状のような溝堀棒を用いて、筒軸
中心に回転させて複数状の溝310を形成して、交互に
配置されたシールド部分320と偏向器単体部分330
とを形成する。これと同時に、前記シールド部分320
の内壁面に銅膜及び酸化ルテニウムの積層膜からなる環
状のシールド電極321が形成される。
【0093】次に、例えば、機械的加工により、各偏向
器単体部分330の内壁面において、前記酸化ルテニウ
ム膜及び前記銅薄膜の積層膜を、所定間隔をもって精度
良く、筒軸に沿って8分割して、各偏向電極331を形
成する。
【0094】その後、前記保護被膜を除去して、図5に
示すような静電偏向器を作製してなる。
【0095】上記実施形態に構成によれば、上記第1の
実施の形態と同様に、偏向電極表面に付着したカーボン
コンタミネーションを効率よく除去することができ、そ
のため偏向電極の表面をチャージアップすることが無い
状態を実現し、高精度な描画を長時間維持することが可
能となる静電偏向器を供給することが可能となる。
【0096】また、このような静電偏向器を用いた電子
ビーム露光装置においては、高精度な描画を長時間維持
することが可能となる。
【0097】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施形態に係わる電子ビーム露光装置ついて説明する
が、電子ビーム露光装置の基本的な構成は、上記第1の
実施形態の図1に示す構成と同一であるので、説明は省
略し、上記第1の実施の形態と異なる静電偏向器の構成
について説明する。
【0098】図6は、第3の実施形態に係わる静電偏向
器を示す図で、図6(a)は、その静電偏向器の外観構
成を示す斜視図、図6(b)は、その静電偏向器の上面
図、図7(a)は、図6(b)におけるC−C’線に沿
う縦断面図、図7(b)は、ヒーターの構成を模式的に
示す図である。
【0099】即ち、図に示すように、電極基材100
は、アルミナ、セラミックス、導電性セラミックス等の
不導体材料からなり、円筒状に形成されている。
【0100】この電極基材100の内壁面には、複数、
例えば8個のヒーター1301〜1308が、同一形状に
形成され、且つ筒軸対称で互いに電気的分離して配置固
定されている。
【0101】この各ヒーター130i(i=1〜8)上
には、各々、絶縁膜1311〜1318が、同一形状に形
成され、且つ筒軸対称に互いに分離して配置されてい
る。
【0102】この各絶縁膜131i(i=1〜8)上に
は、各々、8個の偏向電極1011〜1018が、同一形
状に形成され、且つ筒軸対称で互いに電気的に分離して
配置固定されている。
【0103】各偏向電極101iは、この実施形態で
は、下地金属103としての銅薄膜表面に金属酸化によ
るチャージアップを防止するための前記金属皮膜102
としての酸化ルテニウムを形成してなる。この偏向電極
101iは、これに限らず、NiPの下地金属表面に金
からなる金属皮膜を施したものでもよい。また、金属被
膜としては、酸化テルニウムに限らず、Ti,白金系の
金属を用いても良い。
【0104】前記電極基材100における各偏向電極1
01i(i=1〜8)に対向する側面部には、各々、各
絶縁膜131iを貫通して各偏向電極101iに達する
貫通孔1061〜1068が設けられ、各偏向電圧導入端
子1051〜1058が、各貫通孔106i(i=1〜
8)を介して各偏向電極101iに電気的に接続されて
いる。
【0105】この各偏向電圧導入端子105iは、各貫
通孔106iの内壁面に形成された銅層107と金層1
08との積層構造からなる。
【0106】前記電極基材100における各ヒーター1
30iに対向する側面部には、各々、各ヒーター130
iに達する貫通孔1361〜1368が設けられ、各ヒー
ター電力導入端子1351〜1358が、各貫通孔136
i(i=1〜8)を介して各ヒーター130iに電気的
に接続されている。
【0107】この各ヒーター電力導入端子135iは、
各貫通孔136iの内壁面に形成された銅層107と金
層108との積層構造からなる。
【0108】次に、図8及び図9を参照して上記静電偏
向器の製作方法について説明する。図8及び図9は、静
電偏向器の製作工程を示す要部の模式図である。
【0109】まず、導電性セラミクスを研削加工して同
心度、真円度の良い、円筒状の電極基材100を形成し
た後、この円筒状電極基材100の内面を筒軸に沿って
複数、例えば8分割した仮想の各領域面に、鉤状のよう
な溝堀棒を上下左右に動かして、所定ヒーター形状とな
るような溝140を形成する(図8(a))。
【0110】次に、メッキ法、スパッタ法、蒸着法等に
より、前記電極基材100の内壁全面に、前記溝140
内を埋め込むようにヒーター材、例えばボロンナイトラ
イド141を成膜する(図8(b))。また、このヒー
ター材を成膜する方法は、上記のメッキ法、スパッタ
法、蒸着法に限らない。
【0111】次に、前記溝140内に前記ヒーター材1
41を残し、前記電極基材100の内壁面上のヒーター
材141を除去した後、前記ヒーター材141を焼結さ
せることにより、ヒーター130iを形成する(図8
(c))。前記ヒーター材141は、焼結させてから前
記溝140内に埋め込まれたヒーター材141のみを残
すように除去することにより形成しても良い。
【0112】そして、スパッタ法、蒸着法等により、前
記ヒーター130i表面を含む前記電極基材100の内
壁面全面に、例えば酸化膜等の絶縁膜131を成膜する
(図8(d))。
【0113】次に、前記電極着材100内壁面の絶縁膜
131上に、例えば無電界メッキ法により、下地金属1
03、例えば銅薄膜を形成する。更に、電界メッキ法に
より、前記下地金属103上にルテニウム膜を形成し、
金属被膜102、例えば酸化ルテニウムを形成する(図
9(e))。
【0114】その後、例えば、機械的加工により、前記
酸化ルテニウム膜102、前記銅薄膜103及び前記絶
縁膜131の積層膜を、所定間隔をもって精度良く、筒
軸に沿って8分割して、各偏向電極101i及び各ヒー
ター130iを形成する(図9(f))。
【0115】次に、前記電極基材100における各偏向
電極101iに対向する側面部に、各々、各絶縁膜13
1iを貫通して各偏向電極101iの銅薄膜103に達
する偏向電圧導入端子用の貫通孔1061〜1068を形
成し、また、各ヒーター130iの両端部分における溝
140に対向する側面部に、各々、各ヒーター130i
の溝140に達するヒーター電力導入端子用の貫通孔1
36iを形成する。その後、前記電極基材100内の偏
向電極101iの表面をレジスト等の保護部材で覆って
おく。
【0116】次いで、前記偏向電極導入端子用の貫通孔
106i及び前記ヒーター電力導入端子用の貫通孔13
6iの内壁面に、膜厚約1.0μmの銅層107をメッ
キし、更に、膜厚約0.5μmの金層108をメッキし
て、前記偏向電極101iの銅薄膜103に電気的に接
続した偏向電圧導入端子105i及び前記ヒーター13
0iに電気的に接続したヒーター電力導入端子135i
を、各々、作製する。その後、前記保護被膜を除去する
ことにより、図6に示すような静電偏向器を作製してな
る。
【0117】前記偏向電極導入端子用の貫通孔106i
及び前記ヒーター電力導入端子用の貫通孔136iは、
前記ヒーター130i、絶縁膜131i及び偏向電極1
01iの形成工程後である必要はなく、例えば、前記円
筒状の電極基材100の形成後に予め形成しておいても
良い。この場合には、その後のヒーター130i、絶縁
膜131i及び偏向電極101iの形成工程において、
各材料が付着しないようにレジスト等の保護部材で塞い
でおけば良い。そして、前記ヒーター130i、絶縁膜
131i及び偏向電極101iの形成工程後にこの部材
を除去し、前記偏向電極導入端子用の貫通孔106iを
前記偏向電極の裏面に達するようにしてやれば良い。
【0118】次に、この電子ビーム露光装置のクリーニ
ング方法について説明する。
【0119】まず、第1のクリーニング方法としては、
電子ビーム露光装置の通常の動作を停止し、ヒーターを
加熱した状態で、装置外部に設けられた反応性ガス供給
系から反応性ガス供給管を介して活性酸素ガスを前記静
電偏向器の近傍に供給する。この供給された活性酸素ガ
スは、静電型電極の筒内部に導入される。
【0120】そして、偏向電極がヒーターにより加熱さ
ているため、各偏向電極表面に付着したコンタミネーシ
ョンは、活性酸素と炭素との反応が促進されて、効率よ
く洗浄除去される。この反応後のガスは、図示しない排
気系により装置外部に排出される。
【0121】また、第2のクリーニング方法としては、
電子ビーム露光装置を通常動作させた状態で、且つヒー
ターを加熱した状態で、装置外部の反応性ガス供給系か
ら前記反応性ガス供給管を介して活性酸素ガスを前記静
電偏向電極の近傍に供給する。この供給された活性酸素
ガスは、静電型電極の筒内部に導入される。
【0122】そして、偏向電極がヒーターにより加熱さ
ているため、各偏向電極表面に付着したコンタミネーシ
ョンは、活性酸素と炭素との反応が促進されて、効率よ
く洗浄除去される。この反応後のガスは、図示しない排
気系により装置外部に排出される。このように、装置を
通常動作させた状態において、クリーングを行っても、
特に、装置の動作には影響を与えることがない。
【0123】上記実施形態に係わる静電偏向器の構成に
よれば、静電偏向器の偏向電極がその裏面に設けられた
ヒーターにより加熱されるように構成されているため、
他の部品に熱的影響を与えることなく、偏向電極の表面
に付着したカーボンコンタミネーションは、反応ガスの
活性酸素と炭素との反応が促進されて効率よく除去する
ことができる。
【0124】そのため、静電型電極の表面をチャージア
ップすることが無い状態を実現し、高精度な描画を長時
間維持することが可能となる静電偏向器を供給すること
が可能となる。
【0125】また、このような静電偏向器を用いた電子
ビーム露光装置においては、高精度な描画を長時間維持
することが可能となる。
【0126】また、本実施形態では、8分割の偏向電極
に対して8分割のヒーターで構成しているが、ヒーター
は1個で構成しても問題はなく、個数には拘らない。ま
た、本実施形態では、絶縁膜は、偏向電極及びヒーター
の分割に伴って分割されているが、分割をしなくても良
いことは勿論である。(第4の実施形態)次に、本発明
の第4の実施形態に係わる電子ビーム露光装置ついて説
明するが、電子ビーム露光装置の基本的な構成は、上記
第1の実施形態の図1に示す構成と同一であるので、説
明は省略し、上記第1の実施の形態と異なる静電偏向器
の構成について説明する。
【0127】以下、図10乃至図12を参照して本実施
形態における静電偏向器の構成について詳細に述べる。
図10は、静電偏向器の外観構成を示す斜視図、図11
(a)は、図10の上面図、図11(b)は、図10の
下面図、図12は、図11(a)のD−D’線に沿う縦
断面図である。
【0128】図10及び図11に示すように、電極基材
200は、アルミナ、セラミックス、導電性セラミック
ス等の不導体材料からなり、円筒状に形成されている。
【0129】この円筒状電極基材200の内壁面には、
複数、例えば8個の偏向電極2011〜2018が、各
々、同一形状に形成され、且つ筒軸対象で互いに電気的
に分離して配置固定されている。
【0130】各偏向電極201i(i=1〜8)は、例
えば、アルミナからなる電極基材200の内部に、メッ
キによる下地金属203としてのNiPの表面に、金属
酸化によるチャージアップを防ぐための金属皮膜202
としての金メッキを施してなる。また、導電性セラミッ
クスを研削加工し、その表面に前記金属皮膜202とし
ての白金族のメッキを施してなる。或いはアルミ、燐青
銅を研削加工し、その表面に前記金属皮膜202として
の金メッキを施したものをアルミナからなる電極基材2
00内部に配置してなる。また、セラミックス、或いは
導電性セラミックスからなる電極基材200内部に、下
地金属203としての銅薄膜をメッキし、更にその表面
に前記金属皮膜202としての酸化ルテニウムのメッキ
を施してなる。
【0131】この偏向電極201iに対向する前記電極
基材200の側面部には、前記偏向電極201iに達す
る貫通孔2061〜2068が、各々、設けられている。
【0132】そして、この貫通孔206i(i=1〜
8)の各々を介して、偏向電圧導入端子2051〜20
8が、各偏向電極201iに電気的に接続されてい
る。この各偏向電圧導入端子205iは、図12に示す
ように、各貫通孔206iの内壁面に形成された銅層2
07と金層208との積層構造からなる。
【0133】更に、前記電極基材200の筒壁内には、
ヒーター230が埋め込み形成されている。このヒータ
ー230は、複数、例えば16個のボロンナイトライド
等の非磁性材料からなるヒーター材2301〜23016
から構成され、ヒーター材230iは、各偏向電極20
1iの各々に対して、例えば2個づつ配置され、しかも
前記偏向電圧導入端子205iを跨いで筒軸に沿って軸
対称に配置され、且つ前記電極基材200の筒を貫通し
て上下面に露出している。勿論、前記ヒーター材230
の個数は、分割された偏向電極201の数の倍数個用意
する必要はない。
【0134】また、前記電極基材200の上面におい
て、例えば前記ヒーター材2301及び2302にヒータ
ー電力導入端子235が設けられ、それ以外の隣接する
2個のヒーター材230iどうしは、そのヒーター材2
30i間に溝を掘り、その溝に埋設された低抵抗の金属
等で電気的に接続され、前記電極基材200の下面にお
いては、上面の場合とは異なる隣接する2個のヒーター
材230iどうしは、そのヒーター材230i間に溝を
掘り、その溝に埋設された低抵抗の金属等で電気的に接
続され、各ヒーター材230iを直列接続してなるヒー
ター230が構成される。
【0135】なお、前記ヒーター電力端子235は、図
10に示すように、前記電極基材200の筒上面に必ず
しも設ける必要はなく、筒下面、側面、若しくはそれら
を組み合わせて設けても良い。
【0136】そして、前記偏向電極201と前記ヒータ
ー230とは、前記電極基材200により、5MΩ以上
の抵抗値で電気的に絶縁されていることが望ましい。
【0137】次に、上記静電偏向電極の製作方法につい
て説明する。
【0138】まず、導電性セラミクスを研削加工して同
心度、真円度の良い、円筒状の電極基材200を形成し
た後、この円筒状電極基材200の筒壁に、機械的加工
等により上下面に貫通する複数、例えば16個の貫通孔
を、筒軸に沿って軸対称に形成する。ここでは、貫通孔
は、図11に示すように、上下対称に設けているが、必
ずしも上下対称に設ける必要はなく、例えば上面から下
面に斜めに形成されていても良い。
【0139】次に、メッキ法、スパッタ法、蒸着法等に
より、前記貫通孔内に、ヒーター材230i、例えばボ
ロンナイトライドを埋め込んだ後、ヒーター材230i
を焼結させる。前記ヒーター材230iを埋め込む方法
は、上記メッキ法、スパッタ法、蒸着法に限らず、例え
ば焼結させたヒーター材230iを精度良く加工し、前
記貫通孔内に隙間なく設置しても良い。
【0140】そして、スパッタ法、蒸着法等により、前
記電極基材200の内壁面全面に、例えば無電界メッキ
法により、下地金属203、例えば銅薄膜を形成する。
更に、電界メッキ法により、前記下地金属203上にル
テニウム膜を形成し、加熱処理して、金属被膜202、
例えば酸化ルテニウムを形成する。
【0141】その後、例えば、機械的加工により、前記
酸化ルテニウム膜202及び前記銅薄膜203の積層膜
を、所定間隔をもって精度良く、筒軸に沿って8分割し
て、各偏向電極201iを形成する。
【0142】次に、前記電極基材200における各偏向
電極201iに対向し、且つ前記ヒーター材230i間
に位置する側面部に、各々、各偏向電極201iの銅薄
膜203に達する偏向電圧導入端子用の貫通孔2061
〜2068を形成する。
【0143】次いで、前記偏向電極導入端子用の貫通孔
206iの内壁面に、膜厚約1.0μmの銅層207を
メッキし、更に、膜厚約0.5μmの金層208をメッ
キして、前記偏向電極201iの銅薄膜203に電気的
に接続した偏向電圧導入端子205iを、各々、作製す
る。その後、前記電極基材200の上下面において、所
定のヒーター部材230i同士を電気的に接続し、且つ
上面において、例えばヒーター材2301及び2302
ヒーター電力導入端子235を設けて、図10乃至図1
2に示すような静電偏向器を作製してなる。
【0144】前記偏向電極導入端子用の貫通孔206i
は、前記偏向電極101iの形成工程後である必要はな
く、例えば、前記円筒状の電極基材200の形成後に予
め形成しておいても良い。この場合には、その後のヒー
ター材230i及び偏向電極201iの形成工程におい
て、各材料が付着しないようにレジスト等の保護部材で
塞いでおけば良い。そして、前記ヒーター材230i及
び偏向電極201iの形成工程後にこの部材を除去して
偏向電極導入端子205iを設ければ良い。
【0145】また、前記ヒーター材を埋め込む貫通孔2
36iは、前記偏向電極201i及び前記偏向電極導入
端子205iの形成工程前である必要はなく、例えば、
前記偏向電極201i及び前記偏向電極導入端子205
iの形成工程後に形成しても良い。この場合には、ヒー
ター材230iの形成工程において、ヒーター材が付着
しないように、前記偏向電極201i及び前記偏向電極
端子205iの表面をレジスト等の保護部材で被覆して
おけば良い。そして、前記ヒーター材230iの形成工
程後にこの部材を除去すれば良い。
【0146】この電子ビーム露光装置のクリーニング方
法は、上記第3の実施形態の場合と同様に、まず、第1
のクリーニング方法としては、電子ビーム露光装置の通
常の動作を停止し、ヒーターを加熱した状態で、装置外
部に設けられた反応性ガス供給系から反応性ガス供給管
を介して活性酸素ガスを前記静電偏向器の近傍に供給す
ることにより行う。
【0147】また、第2のクリーニング方法としては、
電子ビーム露光装置を通常動作させた状態で、且つヒー
ターを加熱した状態で、装置外部の反応性ガス供給系か
ら前記反応性ガス供給管を介して活性酸素ガスを前記静
電偏向電極の近傍に供給することにより行う。
【0148】上記いずれのクリーニング方法において
も、偏向電極がヒーターにより加熱さているため、各偏
向電極表面に付着したコンタミネーションは、活性酸素
と炭素との反応が促進されて、効率よく洗浄除去され
る。
【0149】上記実施形態によれば、上記第3の実施形
態と同様に、他の部品に熱的影響を与えることなく、偏
向電極の表面に付着したカーボンコンタミネーション
は、反応ガスの活性酸素と炭素との反応が促進されて効
率よく除去することができる。そのため、静電型電極の
表面をチャージアップすることが無い状態を実現し、高
精度な描画を長時間維持することが可能となる静電偏向
器を供給することが可能となる。
【0150】また、このような静電偏向器を用いた電子
ビーム露光装置においては、高精度な描画を長時間維持
することが可能となる。 (第5の実施形態)本実施形態は、上記第3及び第4の
実施形態の静電偏向器において、偏向電極に対して効率
よくヒーターの熱を伝達し、且つ静電偏向器から外部へ
の熱伝達を抑制するようにしたものである。
【0151】以下、図13を参照して本実施形態に係わ
る静電偏向器について説明する。図13は、静電偏向器
の電極基材の構造を模式的に示す斜視図で、偏向電極、
ヒーター、偏向電圧導入端子、及びヒーター電力端子等
は図示を省略している。
【0152】図13に示すように、本実施形態では、筒
状電極基材300の筒壁に複数、例えば6個の空洞35
0が、筒軸に沿って設けられ、且つ筒を貫通して上下面
を連通している。この空洞350の各々は、互いに等間
隔で、且つ筒軸に対称に配置されている。また、この空
洞350の各々は、図示略のヒーターと前記電極基材の
外側面との間に配置されている。
【0153】ここでは、図示していないが、上記第3及
び第4の実施形態と同様に、偏向電極は、前記筒状電極
基材300の内壁面に形成され、偏向電圧導入端子は、
電極基材300の側面部において偏向電極の裏面と電気
的に接続される。
【0154】また、上記第3の実施形態と同様に、ヒー
ターは、前記電極基材300の内壁面に設けられ、ヒー
ター電力導入端子は、前記電極基材300の側面部に設
けられる、或いは上記第4の実施形態と同様に、電極基
材300の筒壁内に埋め込み形成され、ヒーター電力導
入端子は、筒上面に設けられる。
【0155】なお、前記ヒーター電力端子は、前記電極
基材の筒上面に必ずしも設ける必要はなく、筒下面、側
面、若しくはそれらを組み合わせて設けても良い。
【0156】この実施形態によれば、上記第3及び第4
の実施形態と同様な効果の他に次のような効果が得られ
る。
【0157】一般に、静電偏向器はコラム内へ設置さ
れ、偏向電極及びヒーターは、各々、偏向電圧導入端子
及びヒーター電力導入端子を介して外部の部品と接して
いる。そのため、偏向電極に付着したコンタミネーショ
ンを除去するためにヒーターを加熱した際、熱が外部の
部品やコラムに伝達されるが、外部の部品やコラムは耐
熱性に乏しく、不具合を生じる恐れがある。
【0158】しかし、本実施形態では、ヒーターと電極
基材の外側面との間に空洞を設けて、熱が伝達される方
向の電極基材の断面積を小さくしているため、偏向電圧
導入端子及びヒーター電力導入端子を介して外部の部品
やコラムに伝達される熱量が抑制される。 (第6の実施形態)本実施形態は、上記第5の実施形態
と同様に、上記第3及び第4の実施形態の静電偏向器に
おいて、偏向電極に対して効率よくヒーターの熱を伝達
し、且つ静電偏向器から外部への熱伝達を抑制するよう
にしたものである。
【0159】以下、図14を参照して本実施形態に係わ
る静電偏向器について説明する。図14(a)は、静電
偏向器の電極基材の構造を模式的に示す上面図、図14
(b)は、静電偏向器の電極基材の構造を模式的に示す
斜視図で、いずれの図においても、偏向電極、ヒータ
ー、偏向電圧導入端子、及びヒーター電力端子等は図示
を省略している。
【0160】図に示すように、本実施形態では、円筒状
の電極基材400が、放射状のフィン構造に形成されて
いる。即ち、円筒状電極基材400を、偏向電圧導入端
子の部分を残して、それ以外の壁面部分400aを内面
方向に切削することにより、電極基材400は、肉薄円
筒部400bとこの肉薄円筒部400bから放射状に延
びるフィン部分400cとを有する構造に形成されてい
る。この外側部から内面へ切削は、熱伝達方向の電極基
材の断面積を小さくするために、ヒーターを筒壁内に埋
め込んでいる場合には、ヒーター近傍まで切削すること
が最も好ましいが、ヒーターまで切削しても問題はな
い。
【0161】ここでは、図示していないが、偏向電極
は、前記肉薄円筒部400bの内壁面に、上記第3及び
第4の実施形態と同様の構成に形成され、偏向電圧導入
端子は、前記フィン部分400cにおいて、上記第3及
び第4の実施形態と同様の構成、即ち、その側面部から
前記肉薄円筒部400bを貫通して偏向電極の裏面と電
気的に接続される。
【0162】また、上記第3の実施形態と同様に、ヒー
ターは、前記肉薄円筒部400bの内壁面に設けられ、
ヒーター電力導入端子は、前記肉薄円筒部400bの側
面部に設けられる、或いは上記第4の実施形態と同様
に、筒壁内に埋め込み形成され、ヒーター電力導入端子
は、筒上面に設けられる。
【0163】なお、前記ヒーター電力端子は、前記電極
基材の筒上面に必ずしも設ける必要はなく、筒下面、側
面、若しくはそれらを組み合わせて設けても良い。
【0164】この実施形態によれば、上記第5の実施形
態と同様に、円筒状の電極基材の壁面を内側方向に切削
して、ヒーターから電極基材の外側面に熱が伝達される
方向の電極基材の断面積を小さくしているため、偏向電
圧導入端子及びヒーター電力導入端子を介して外部の部
品やコラムに伝達される熱量が抑制される。 (第7の実施の形態)次に、本発明の第7の実施形態に係
わる電子ビーム露光装置ついて説明するが、電子ビーム
露光装置の基本的な構成は、上記第1の実施形態の図1
に示す構成と同一であるので、説明は省略し、上記第1
の実施の形態と異なる静電偏向器の構成について説明す
る。
【0165】以下、図15を参照して本実施形態におけ
る静電偏向器の構成について詳細に述べる。図15
(a)は、静電偏向器の外観構成を示す斜視図、図15
(b)は、静電偏向器の上面図、図15(c)は、図1
5(b)におけるE−E’線に沿った縦断面図である。
【0166】図に示すように、中空円筒状の電極基材4
0と、この電極基材40内部に形成された8個の偏向電
極411〜418及び各偏向電極41i(i=1〜8)に
電圧を供給する偏向電圧導入端子451〜458よって構
成されている。
【0167】前記電極基材40としては、この実施形態
では、例えば、約108Ωcmと比抵抗の高い導電性セ
ラミクスを用いている。
【0168】各偏向電極41iの各々は、図15(b)
に示すように、夫々、同一形状に形成され、且つ前記電
極基材40の中空円筒内部に互に電気的に絶縁されて筒
軸対称に配置固定されている。
【0169】また、前記偏向電極41iの各々は、少な
くとも表面に導電性酸化物を有する金属皮膜42が直接
又は間接的に形成されてなる。
【0170】この実施形態では、前記金属皮膜42とし
ては、酸化ルテニウムが用いられ、前記酸化ルテニウム
42は、前記電極基板40の導電性セラミクス表面に、
下地金属としての銅薄膜43を介して形成してなる。
【0171】また、前記偏向電圧導入端子45i(i=
1〜8)の各々は、各偏向電極41iに対向する前記電
極基材40の円筒側面部に各々設けた貫通孔46を介し
て各偏向電極41iの各銅薄膜43に電気的に接続され
ている。
【0172】次に、前記静電偏向器の作製方法を具体的
に説明する。
【0173】まず、導電性セラミクスを研削加工して同
心度、真円度の良い、内径が約1.0cm、肉厚が約
5.0cm、長さが約2.0cmの中空円筒状の電極基
材40を形成する。
【0174】その後、前記電極基材40の円筒側面の所
定位置に、円筒内部にまで達する直径約0.3cmの貫
通孔46を形成する。
【0175】次いで、電極基材40の円筒内面に、無電
解メッキして、膜厚約1μmの銅薄膜43を形成する。
更に、電解メッキして、ルテニウム膜を形成し、加熱処
理により、酸化ルテニウム膜42を形成する。
【0176】その後、例えば、機械的加工により、前記
銅薄膜43と前記酸化ルテニウム42の積層膜を、約
0.1cmの間隔をもって精度良く、8分割して、幅約
0.9cm、長さ約2.0cmを有する偏向電極41i
を作製する。
【0177】次いで、前記貫通孔46の内壁面に、膜厚
約1.0μmの銅層47をメッキし、更に、膜厚約0.
5μmの金層48をメッキして、前記偏向電極41iの
銅薄膜43に電気的に接続した偏向電圧導入端子45i
を作製する。このようにして、静電偏向器を作製してな
る。
【0178】本実施形態の電子ビーム露光装置によれ
ば、電極の表面を酸化ルテニウムで覆っているので、静
電偏向器にコンタミネーションが付着して、ビームドリ
フトが増加した場合、活性酸素を用いで、電極の表面を
in-situ洗浄することにより、炭素系のコンタミネーシ
ョンを除去することができる。
【0179】一方、静電偏向器の偏向電極表面を被覆し
ている酸化ルテニウムは、導電性酸化物であるため、チ
ャージアップ等の問題は発生しない。このことは、図1
6の走査線電子顕微鏡(SEM)写真から明らかであ
る。
【0180】図16は、酸化ルテニウムが電子ビームに
よってチャージアップしないことを説明するための図
で、図16(a)は、酸化ルテニウムの中央部分の領域
Aに電子ビームを照射している状態を示す図、図16
(b)は、酸化ルテニウムの中央部分を電子ビームで6
0秒間照射した直後、その中央部分の電子ビーム照射領
域Aとその周辺の電子ビームを照射しなかった領域Bと
をSEMにより観察したSEM写真である。
【0181】即ち、図16(b)に示すよう、酸化ルテ
ニウムが電子ビームにより、チャージアップする場合、
SEM写真には、チャージのよる領域が電位コントラス
トにより、非チャージアップ領域と異なったコントラス
トで観察される。しかし、電子ビームを照射した中央部
分の領域(電子ビーム照射領域)Aと電子ビームを照射
しなかった周辺部(電子ビーム非照射領域)Bとのコン
トラストの変化は観察されない。これは、電子ビームに
より、酸化ルテニウムがチャージアップしないことを示
している。
【0182】また、酸化ルテニウムと活性酸素との化学
反応が、ルテニウムそのものと活性酸素との化学反応に
比べて、約1/3と極めて弱い。そのため、酸化テルニ
ウムは、前記in-situ洗浄を繰返しても、活性酸素との
化学反応によってエッチングされ難く、公知技術による
前記白金族の金属皮膜よるものに比べて、長期間に亘っ
て酸化防止機能を失うことがない。
【0183】以上のことから、本実施形態に係わる静電
偏向器並びにそれを用いた電子ビーム露光装置によれ
ば、コンタミネーションを除去することができ、静電偏
向器の電極表面をチャージアップすることがない状態を
実現し、高精度な露光を長時間維持することが可能とな
る。
【0184】なお、本実施形態では、酸化ルテニウム薄
膜は、電解メッキ法により形成したが、スパッタリング
法により形成してもよいことは勿論である。また、本実
施形態では、静電偏向器の電極の表面を、酸化ルテニウ
ムで被覆したが、酸化ルテニウムに限るものではなく、
導電性の酸化物であればよい。具体的には、二酸化バナ
ジウム(VO2)、二酸化クロム(CrO2)、二酸化モ
リブデン(MoO2)、二酸化タングステン(WO2)、
二酸化レニウム(ReO2)、二酸化ニオブ(Nb
2)、二酸化ルテニウム(RuO2)、二酸化ロジウム
(RhO2)、二酸化イリジウム(IrO2)、二酸化パ
ラジウム(PdO2)、二酸化白金(PtO2)、二酸化
オスミウム(OsO2)等の導電性金属酸化物、ランタ
ンニッケル複合酸化物(LaNiO3)やバナジン酸ス
トロンチウム(SrVO3)、バナジン酸カルシウム
(CaVO3)、鉄酸ストロンチウム(SrFeO 3)、
チタン酸ランタン(LaTiO3)、ランタンストロン
チウムニッケル複合酸化物(LaSrNiO4)クロム
酸ストロンチウム(SrCrO3)、クロム酸カルシウ
ム(CaCrO3)、ルテニウム酸カルシウム(CaR
uO3)、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRu
3)、イリジウム酸ストロンチウム(SrIrO3)等
の導電性複合酸化物が好ましく用いることができる。
【0185】また、本実施形態では、静電偏向器につい
て記述したが、本発明は、偏向器への適用に限定され
ず、アパーチャ等、コラム中の他の部品についても適用
できることは勿論である。
【0186】なお、本発明は、上記実施形態の静電偏向
器に限定されるものではなく、静電レンズに適用でき
る。即ち、静電レンズの場合には、電極を複数に分割せ
ず、1個で構成すれば良い。
【0187】また、本発明は、上述した各実施形態を組
み合わせても良い。例えば、上記第1の実施形態に第
3、4、5,6の実施形態を、また第3の実施形態に第
4,5,6の実施形態を、また第4の実施形態に第5、
6の実施形態を、また第5及び第6の実施形態に第7の
実施形態を組み合わせても良い。
【0188】また、上記第1乃至第7の実施形態におい
て、偏向電極を構成する金属被膜として、第7の実施形
態で記述した導電性酸化物、もしくは導電性複合酸化物
を用いても良いことは言うまでもない。
【0189】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
によれば、静電偏向器、静電レンズ等の電極表面に付着
したコンタミネーションを容易に除去することができ
る。
【0190】また、請求項25乃至32に記載の発明に
よれば、静電偏向器、静電レンズ等の電極表面に付着し
たコンタミネーションを除去することができ、チャージ
アップすることが殆どない状態を実現し、高精度なビー
ム位置の制御を長時間維持することが可能で、且つ前記
in-situ洗浄を繰返しても、反応性ガスとの化学反応に
よってエッチングされ難く、長期間に亘って酸化防止機
能を失うことがなく、高精度なビーム位置の制御が可能
な電子ビーム照射を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる電子ビーム露光装置
の基本的な構成を示す概念図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる静電偏向器の
構成を示す図で、図2(a)は斜視図、図2(b)は上
面図、図2(c)は図2(b)のA−A’線に沿う縦断
面図。
【図3】図2(b)のB−B’線に沿う縦断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係わる静電偏向器単
体を複数段組み合わせて構成した静電偏向器の構成を模
式的に示す縦断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係わる複数段の静電
偏向器単体を一体形成した静電偏向器の構成を模式的に
示す縦断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係わる静電偏向器の
構成を示す図で、図6(a)は斜視図、図6(b)は上
面図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係わる静電偏向器の
構成を示す図で、図7(a)は図6(b)のC−C’線
に沿う縦断面図、図7(b)は、ヒーターの構成を模式
的に示す図。
【図8】第3の実施形態に係わる静電偏向器の製作工程
を示す要部の模式図。
【図9】第3の実施形態に係わる静電偏向器の製作工程
を示す要部の模式図。
【図10】本発明の第4の実施形態に係わる静電偏向器
を示す斜視図、
【図11】本発明の第4の実施形態に係わる静電偏向器
を示す図、図11(a)は、図10(b)の上面図、図
11(b)は、図10(a)の下面図。
【図12】図11(a)のD−D’線に沿う断面図。
【図13】本発明の第5の実施形態に係わる静電偏向器
の電極基材の構造を模式的に示す斜視図。
【図14】本発明の第6の実施形態に係わる静電偏向器
の電極基材の構造を模式的に示す図で、図14(a)は
上面図、図14(b)は、斜視図。
【図15】本発明の第7の実施形態に係わる静電偏向器
の構成を示す図で、図15(a)は斜視図、図15
(b)は上面図、図15(c)は図9(b)のE−E’
線に沿う縦断面図。
【図16】酸化ルテニウムの静電偏向器における電荷の
チャージ状態を説明するための図で、図16(a)は電
子ビームの照射状態図、図16(b)は電子ビーム照射
後の酸化ルテニウムを走査電子顕微鏡(SEM)で見た
観察像。
【符号の説明】
10…チャンバー 11…試料(ウエハ) 12…マーク台 13…可動ステージ 20…コラム 21…電子銃 22…電子ビーム 23…コンデンサーレンズ 24…第1成形アパーチャ 25…投影レンズ 26…CPアパーチャ 27…CP選択偏向器 28…縮小レンズ 29…対物レンズ 30…対物偏向器 31…ブランキング偏向器 32…ブランキングアパーチャ 33…検出器 40、60、100、200、300、400…電極基
材 41i、61i、101i,201i、201i(i=
1〜8) 331…偏向電極 42、62、102、202…金属皮膜(酸化ルテニウ
ム) 43、63、103、203…下地金属(銅薄膜) 45i、65i、105i,205i(i=1〜8) 332…偏向電圧導入端子 46、65i、106i、136i,206i(i=1
〜8)…貫通孔 47、67、107、207…銅層 48、68、108、208…金層 70、333…ガス供給通路 80…シールド 85…ホルダー 90…反応性ガス供給管 116…ブランキング偏向回路 117…レンズ制御回路 118…CP選択回路 119…ビーム偏向回路 120…検出信号処理回路 121…ステージ制御回路 122…制御コンピュータ 123…パターンデータデコーダ 124…パターンデータメモリ 130i(i=1〜8)、230…ヒーター 131i(i=1〜8)…絶縁膜 135i(i=1〜8)、235…ヒーター電力導入端
子 140…溝 141、230i…ヒーター材 310…溝 320…シールド部分 321…シールド電極 322…シールド電極端子 323…蓋 330…偏向器単体部分 350…空洞 400a…壁面部分 400b…肉薄部分 400c…フィン部分 A…電子ビーム照射領域 B…非電子ビーム照射領域 G…活性酸素ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 541D 541Z (72)発明者 杉原 和佳 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝マイクロエレクトロニクスセン ター内 Fターム(参考) 2H097 AA03 BA01 BA10 CA16 GB00 LA10 5C033 CC02 GG02 5C034 BB02 BB04 5F056 AA40 CB11 EA06

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成され、且つ互
    いに電気的に分離された複数の偏向電極と、 前記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏
    向電圧導入端子と、前記筒状基材にその外側面から内部
    に向かい、且つ上、下面の少なくとも一方面まで延びる
    反応性ガス供給通路と、 を具備してなることを特徴とする静電偏向器。
  2. 【請求項2】電子ビームを発生する電子銃と前記電子ビ
    ームを制御する静電偏向器を有する電子ビーム照射装置
    において、前記静電偏向器は、 筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成され、且つ互
    いに電気的に分離された複数の偏向電極と、 前記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏
    向電圧導入端子と、前記筒状基材にその外側面から内部
    に向かい、且つ上、下面の少なくとも一方面まで延びる
    反応性ガス供給通路と、 を具備し、 前記静電偏向器の反応性ガス通路に反応性ガス供給管が
    接続されてなることを特徴とする電子ビーム照射装置。
  3. 【請求項3】筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成されたレンズ
    電極と、 前記レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子と、 前記筒状基材にその外側面から内部に向かい、且つ上、
    下面の少なくとも一方面まで延びる反応性ガス供給通路
    と、 を具備してなることを特徴とする静電レンズ。
  4. 【請求項4】電子ビームを発生する電子銃と前記電子ビ
    ームを制御する静電レンズを有する電子ビーム照射装置
    において、前記静電レンズは、 筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成されたレンズ
    電極と、 前記レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子と、 前記筒状基材にその外側面から内部に向かい、且つ上、
    下面の少なくとも一方面まで延びる反応性ガス供給通路
    と、 を具備し、 前記静電レンズの反応性ガス通路に反応性ガス供給管が
    接続されてなることを特徴とする電子ビーム照射装置。
  5. 【請求項5】前記反応性ガス供給通路は、前記静電偏向
    器又は前記静電レンズの上、下面にまで延びていること
    を特徴とする請求項2又は請求項4に記載の電子ビーム
    照射装置。
  6. 【請求項6】筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成されヒーター
    と、 前記ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒状基材の筒軸に
    沿って形成され、且つ互いに電気的に分離された複数の
    偏向電極と、 前記ヒーターに、電気的に接続されたヒーター電力導入
    端子と、 前記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏
    向電圧導入端子と、 を具備してなることを特徴とする静電偏向器。
  7. 【請求項7】前記ヒーターは、少なくとも1個からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の静電偏向器。
  8. 【請求項8】前記ヒーターは、前記偏向電極と同数に分
    割されて前記筒状基材の筒軸に沿って形成されてなり、
    且つ前記偏向電極の各々と相対して配置されてなること
    を特徴とする請求項6に記載の静電偏向器。
  9. 【請求項9】筒状基材と、 前記筒状基材の筒壁内に筒軸に沿って埋め込み形成され
    ヒーターと、 前記筒状基材の筒内面に筒軸に沿って形成され、且つ互
    いに電気的に分離された複数の偏向電極と、 前記ヒーターに、電気的に接続されたヒーター電力導入
    端子と、 前記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏
    向電圧導入端子と、 を具備してなることを特徴とする静電偏向器。
  10. 【請求項10】前記ヒーターは、前記筒壁の上下面に貫
    通して設けられた複数の貫通孔内にヒーター材が埋め込
    まれ、且つ筒壁の上下面において隣接するヒーター材を
    直列接続して構成してなることを特徴とする請求項9に
    記載の静電偏向器。
  11. 【請求項11】前記電極基材の外側面と前記ヒーターと
    の間における前記電極基材の筒壁部分に筒軸に沿って空
    洞を更に設けたことを特徴とする請求項6又は9に記載
    の静電偏向器。
  12. 【請求項12】前記電極基材は、その外側面と前記ヒー
    ターとの間における筒壁部分が筒軸方向に除去されてフ
    ィン構造をなすことを特徴とする請求項6又は9に記載
    の静電偏向器。
  13. 【請求項13】筒状基材の内壁に溝を形成する第1工程
    と、 前記溝内に高抵抗物質を埋め込んでヒーターを形成する
    第2工程と、 前記ヒーター上面を含む前記筒状基材の内壁に絶縁膜を
    形成する第3工程と、 前記絶縁膜上に前記筒状基材の筒軸に沿って分割されて
    複数の偏向電極を形成する第4工程と、 前記ヒーターと電気的に接続するヒーター電力導入端子
    を形成する第5工程と、 前記偏向電極と電気的に接続する偏向電圧導入端子を形
    成する第6工程と、 を具備する静電偏向電極の形成方法。
  14. 【請求項14】前記第1工程の前記溝及び前記第2工程
    のヒーターは、前記筒状基材の筒軸に沿って複数に分割
    した各領域にそれぞれ形成してなり、前記第4の偏向電
    極は、前記ヒーターと同数で、且つ前記ヒーターと相対
    して形成してなることを特徴とする前記請求項9に記載
    の静電偏向電極。
  15. 【請求項15】筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成されたヒータ
    ーと、 前記ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒状基材の筒軸に
    沿って形成されたレンズ電極と、 前記ヒーターに電気的に接続されたヒーター電力導入端
    子と、 前記レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子と、 を具備してなることを特徴とする静電レンズ。
  16. 【請求項16】筒状基材と、 前記筒状基材の筒壁内に筒軸に沿って埋め込み形成され
    ヒーターと、 前記筒状基材の筒内面に筒軸に沿って形成されたレンズ
    電極と、 前記ヒーターに、電気的に接続されたヒーター電力導入
    端子と、 前記レンズ電極に電気的に接続されたレンズ電圧導入端
    子と、 を具備してなることを特徴とする静電レンズ。
  17. 【請求項17】前記ヒーターは、前記筒壁の上下面に貫
    通して設けられた複数の貫通孔内にヒーター材が埋め込
    まれ、且つ筒壁の上下面において隣接するヒーター材を
    直列接続して構成してなることを特徴とする請求項12
    に記載の静電レンズ。
  18. 【請求項18】前記電極基材の外側面と前記ヒーターと
    の間における前記電極基材の筒壁部分に筒軸に沿って空
    洞を更に設けたことを特徴とする請求項15又は16に
    記載の静電レンズ。
  19. 【請求項19】前記電極基材は、その外側面と前記ヒー
    ターとの間における筒壁部分が筒軸方向に除去されてフ
    ィン構造をなすことを特徴とする請求項15又は16に
    記載の静電レンズ。
  20. 【請求項20】筒状基材の内壁に溝を形成する第1工程
    と、 前記溝内に高抵抗物質を埋め込んでヒーターを形成する
    第2工程と、 前記ヒーター上面を含む前記筒状基材の内壁に絶縁膜を
    形成する第3工程と、 前記絶縁膜上に前記筒状基材の筒軸に沿ってレンズ電極
    を形成する第4工程と、 前記ヒーターと電気的に接続するヒーター電力導入端子
    を形成する第5工程と、 前記レンズ電極と電気的に接続する電圧導入端子を形成
    する第6工程と、 を具備する静電レンズの形成方法。
  21. 【請求項21】電子ビームを発生する電子銃と前記電子
    ビームを制御する静電偏向器を有する電子ビーム照射装
    置において、前記静電偏向器は、 筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成されヒーター
    と、 前記ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒状基材の筒軸に
    沿って形成され、且つ互いに電気的に分離された複数の
    偏向電極と、 前記ヒーターに、電気的に接続されたヒーター電力導入
    端子と、 前記偏向電極の各々に、それぞれ電気的に接続された偏
    向電圧導入端子と、 を具備してなることを特徴とする電子ビーム照射装置。
  22. 【請求項22】電子ビームを発生する電子銃と前記電子
    ビームを制御する静電レンズを有する電子ビーム照射装
    置において、前記静電レンズは、 筒状基材と、 前記筒状基材の内壁面に筒軸に沿って形成されたヒータ
    ーと、 前記ヒーター上に絶縁膜を介して前記筒状基材の筒軸に
    沿って形成されたレンズ電極と、 前記ヒーターに電気的に接続されたヒーター電力導入端
    子と、 前記レンズ電極に電気的に接続された電圧導入端子と、 を具備してなることを特徴とする電子ビーム照射装置。
  23. 【請求項23】前記請求項13又は前記請求項14に記
    載の電子ビーム照射装置の通常動作を停止して状態で、
    反応性ガスを前記電子ビーム照射装置内に導入し、前記
    静電偏向器、又は前記静電レンズのヒーターを加熱し
    て、前記静電偏向器、又は前記静電レンズに付着してコ
    ンタミネーションを除去することを特徴とする電子ビー
    ム照射装置のクリーニング方法。
  24. 【請求項24】前記請求項13又は前記請求項14に記
    載の電子ビーム照射装置の通常動作中に、反応性ガスを
    前記電子ビーム照射装置内に導入し、前記静電偏向器、
    又は前記静電レンズのヒーターを加熱して、前記静電偏
    向器、又は前記静電レンズに付着してコンタミネーショ
    ンを除去することを特徴とする電子ビーム照射装置のク
    リーニング方法。
  25. 【請求項25】電子ビームを発生する電子銃と前記電子
    ビームを制御する静電偏向器を有する電子ビーム照射装
    置において、前記静電偏向器の電極表面が、導電性酸化
    物皮膜で覆われてなることを特徴とする電子ビーム照射
    装置。
  26. 【請求項26】前記静電偏向器の電極は、導電性酸化物
    からなることを特徴とする請求項17に記載の電子ビー
    ム照射装置。
  27. 【請求項27】前記静電偏向器の電極は、表面が導電性
    酸化物で被覆された金属からなることを特徴とする請求
    項25に記載の電子ビーム照射装置。
  28. 【請求項28】コラム内に、 少なくとも電子銃から発生した電子ビームを所望の大き
    さ、明るさに調整するコンデンサーレンズと、 試料面上の不必要な部分を露光しないために、ビームを
    偏向するブランキング機構と、 試料面上の電子ビームの形状を整形するアパーチャと、 試料面上に電子ビームをフォーカスする対物レンズと、 試料面上の電子ビームの位置を制御する静電偏向器とを
    具備した電子ビーム照射装置において、 前記電子ビーム装置のコラム内の部品表面が、導電性酸
    化物皮膜で被覆されてなることを特徴とする電子ビーム
    照射装置。
  29. 【請求項29】前記電子ビーム照射装置のコラム内の部
    品は、静電偏向器であることを特徴とする請求項28に
    記載の電子ビーム露光装置。
  30. 【請求項30】前記静電偏向器の電極は、導電性酸化物
    からなることを特徴とする請求項29に記載の電子ビー
    ム照射装置。
  31. 【請求項31】前記静電偏向器の電極は、表面が導電性
    酸化物で被覆された金属からなることを特徴とする請求
    項29に記載の電子ビーム照射装置。
  32. 【請求項32】前記導電性酸化物は、酸化ルテニウム、
    酸化イリジウム、酸化プラチナであることを特徴とする
    請求項28乃至31のいずれか1項に記載の電子ビーム
    照射装置。
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