JP2002230549A - 画像処理方法およびその装置 - Google Patents

画像処理方法およびその装置

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JP2002230549A JP2001028804A JP2001028804A JP2002230549A JP 2002230549 A JP2002230549 A JP 2002230549A JP 2001028804 A JP2001028804 A JP 2001028804A JP 2001028804 A JP2001028804 A JP 2001028804A JP 2002230549 A JP2002230549 A JP 2002230549A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計測処理を高速化するとともに、高精度の計
測を行う。 【解決手段】 計測対象の濃淡画像が入力されると、制
御部8は、この画像上において濃度勾配方向を示す角度
データ(エッジコード)を抽出した後に、この抽出結果
を示す処理結果画像上にモデル画像と同サイズのマスク
を走査しつつ、各走査位置において、画素単位での不一
致度を順に算出しつつ累計する。この累計処理におい
て、所定のしきい値を越える不一致度が得られると累計
処理は打ち切られるが、累計処理が終了した走査位置で
は、不一致度が前記しきい値を下回る場合にその不一致
度によりしきい値が更新される。走査が終了すると、制
御部8は、その時点でのしきい値に相当する不一致度が
得られた走査位置をモデル画像に類似する輪郭パターン
の位置として特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータに
より濃淡画像データを処理する分野に属するもので、特
に、濃淡画像上で所定のモデル画像に類似する画像領域
を抽出するための方法および装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】濃淡画像上においてモデル画像に対する
類似度を抽出するための代表的な方法として、各画素の
濃度データを用いて正規化相関演算を行う方法が知られ
ている。しかしながらこの方法は、シェーディングの発
生や背景画像の変動による影響を受けやすいため、安定
した計測を行うのは困難である。
【0003】上記の問題を解決するために、出願人は、
先般、処理対象の濃淡画像とモデル画像との間で濃度勾
配方向のパターンを比較することによって画像間の類似
度を計測する方法を提案した(特開平9−54828号
公報)。この方法における類似度Rは、モデル画像上の
各画素における濃度勾配方向Mθ(x,y)および濃度
勾配の強度Mw(x,y)、計測対象の濃淡画像の各画
素における濃度勾配方向Iθ(x,y)を用いてつぎの
(1)式を実行することにより求められる。
【0004】
【数1】
【0005】上記(1)式において、mx,myは、
x,yの各軸方向におけるモデル画像の画素数(モデル
画像のサイズ)であり、分母の部分はモデル画像におけ
る濃度勾配強度の総和を示す。また(1)式の分子の部
分は、モデル画像と計測対象画像との間で対応する画素
毎に濃度勾配方向の差に対する評価値f(Iθ(x,
y)−Mθ(x,y))を算出した上で、この評価値を
モデル画像側の濃度勾配強度Mw(x,y)により重み
づけし、さらに画素毎の算出結果を累計する処理を意味
する。なお、前記評価値を求める関数f(ω)は、ωの
値が0に近いときに大きくなるように設定されており、
たとえばf(ω)=cosω と定義される。
【0006】上記(1)式の類似度Rによれば、計測対
象の画像とモデル画像との各対応画素間において濃度勾
配方向の差が小さい場合に大きな類似度が得られる。特
にモデル画像上で濃度勾配強度が大きい画素に対応する
評価値に大きな重みがかけられる一方、モデル画像上で
濃度勾配強度が小さい画素に対応する評価値の重みは小
さくなるので、計測対象の画像上にモデル画像と同様の
輪郭パターンがあれば、シェーディングなどのノイズの
影響を受けずに高い類似度を得ることができる。
【0007】さらに出願人は、上記方法による類似度の
算出処理を高速化するために、前記(1)式の分子部分
に相当する演算処理において、評価値の累計処理を行う
都度、その累計結果を2種類のしきい値と比較し、累計
結果がこれらしきい値により規定される数値範囲を外れ
た場合に累計処理を打ち切るようにすることを提案した
(特開平10−162143号公報)。
【0008】図13は、特開平10−162143号公
報に開示された類似度の算出処理手順を示す。図中、S
T2〜6のループでは、前記(1)式の分子部分の累計
処理に相当する途中類似度rの算出処理を行うととも
に、この途中類似度rを前記2種類のしきい値と比較し
ている。ST3,4に示すしきい値Θ1(i),Θ
2(i)は、それぞれ下記の(2)(3)式により求め
られるもので、たとえば(2)(3)式におけるθ1を
0.8、θ2を0.6とすることにより、Θ1(i)>
Θ2(i)となるように設定される。
【0009】
【数2】
【0010】
【数3】
【0011】上記したアルゴリズムでは、モデル画像の
濃度勾配強度により重みづけされたしきい値Θ1(i),
Θ2(i)により途中類似度rの値をチェックしてい
る。途中類似度rが各しきい値の示す範囲内にある場合
は、ST2〜6のループを続けて実行し、ループを終了
した時点でST7に進む。ST7では、前記ループにお
ける途中類似度rの累計値をモデル画像のエッジ強度の
総和ΣMw(i)で割ることにより、前記(1)式の演
算結果に相当する類似度Rを算出する。一方、途中類似
度rが高い方のしきい値よりも大きくなった場合(ST
3の判定が「NO」の場合)、または途中類似度rが低
い方のしきい値よりも小さくなった場合(ST4の判定
が「NO」の場合)は、途中類似度rの加算処理を打ち
切ってST7に移行する。すなわち画像間における濃度
勾配方向が十分に類似する場合、または類似度が低い場
合には、演算処理が早い段階で打ち切られ、ST7にお
いておよその類似度が算出されることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のアルゴリズムで
は、途中類似度rの加算処理を行う毎に(2)(3)式
の演算によりしきい値Θ1(i),Θ2(i)を算出する
必要がある。したがって入力画像上でモデル画像に類似
する画像領域を抽出する処理を行う場合は、入力画像上
に前記モデル画像を走査しながら図13のアルゴリズム
を繰り返し行わなければならないが、アルゴリズムを繰
り返す都度、前記(2)(3)式も繰り返されることに
なるため、その繰り返し分だけ処理が遅くなる。すなわ
ち、前記アルゴリズムには、濃淡画像上にモデル画像を
走査しながら濃度勾配方向を順に比較してゆく場合に、
各走査位置における演算処理を十分に高速化できないと
いう欠点がある。
【0013】さらに上記のアルゴリズムでは、途中類似
度rの演算処理を打ち切った場合は、類似度Rの値を正
確に求めることは不可能となる。言い換えれば、モデル
画像に対する類似度が最も高くなる画像領域を抽出する
必要がある場合には、上記のアルゴリズムを使用できな
いということになる。
【0014】この発明は上記問題点に着目してなされた
もので、モデル画像との濃度勾配方向の比較処理を順次
行いながらモデル画像に対応する画像領域を抽出する処
理について、比較処理のための演算を大幅に高速化する
とともに、モデル画像に対する類似度が最大となる画像
領域を高精度で求めることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、濃淡画像上
に所定のモデル画像上の濃度勾配方向を示すモデルデー
タを走査しつつ前記濃淡画像上の濃度勾配方向とモデル
データとを比較し、各走査位置における比較結果に基づ
き前記濃淡画像上において前記モデル画像に対応する画
像領域を抽出する方法に適用されるもので、モデルデー
タの各走査位置において、モデルデータに対する濃度勾
配方向の不一致度を画素単位で順に算出しつつ累計する
とともに、不一致度の累計結果が過去の走査位置で得ら
れた最小の不一致度を上回ったときは累計処理を打ち切
り、累計処理が完了した時点の不一致度が前記最小の不
一致度を下回るときは、その不一致度により前記最小の
不一致度を更新する。そしてモデルデータの走査が終了
したとき、この時点での最小の不一致度が得られた走査
位置により前記モデル画像に対応する画像領域を特定す
るようにしている。
【0016】前記モデルデータは、モデル画像に含まれ
る所定数の画素について、それぞれその画素における濃
度勾配方向を画素の位置に対応づけたデータ群として設
定することができる。たとえば、モデル画像の各構成画
素毎にその画素を境とする濃度勾配の方向を示す角度デ
ータを抽出し、この角度データを各画素の配列に沿って
並べたデータ列(通常の画像データと同様の構成のも
の)をモデルデータとすることができる。このような構
成のモデルデータを使用する場合、「画素単位での濃度
勾配方向の不一致度」は、モデルデータの一要素と濃淡
画像上の対応画素との濃度勾配方向の差の大きさに基づ
き求めることができる。さらに画素毎の濃度勾配方向の
不一致度を累計することにより、一走査位置におけるモ
デルデータと濃淡画像との濃度勾配方向の不一致度が求
められることになる。
【0017】なお、画素単位での不一致度の算出におい
ては、前記(1)式に示した従来の類似度の算出方法と
同様に、モデル画像における濃度勾配強度により不一致
度に重みづけを行うか、または、モデル画像上で濃度勾
配強度が所定値以上の画素に対する不一致度のみが有効
となるようにするのが望ましい。またモデルデータを作
成する時点で濃度勾配強度の小さい画素におけるデータ
を除くようにすれば、不一致度の算出対象となるデータ
を削減して、演算処理に要する時間をより一層短縮する
ことができる。
【0018】上記の方法によれば、不一致度の累計処理
過程において、不一致度の累計結果がそれぞれ最小の不
一致度を上回った時点で累計処理を打ち切るので、既に
処理を終えた走査位置よりも不一致度が大きくなる走査
位置に対する演算処理時間を短縮することができる。ま
た前記図13のアルゴリズムと比較すると、累計処理の
都度、しきい値を求めるための演算処理を行う必要がな
くなる分だけ演算処理を高速化することができる。
【0019】さらに、累計処理を最後まで実行した場合
の不一致度が最小の不一致度を下回る場合には、その不
一致度により最小の不一致度を更新するので、濃度勾配
方向のパターンがモデルデータに類似する画像領域の出
現によって不一致度の最小値が引き下げられる。よっ
て、より高い類似度を持つ画像領域が出現する都度、不
一致度の最小値が引き下げられて、不一致度の累計処理
がより早い段階で打ち切られるようになり、演算処理時
間をより短くすることが可能になる。また走査が終了し
た時点での最小の不一致度が得られた走査位置は、モデ
ルデータに最も類似する濃度勾配方向のパターンを有す
ることになるから、この走査位置においてモデルデータ
に対応させた画像領域を抽出対象の画像領域として特定
することにより、濃淡画像上においてモデル画像に最も
類似する画像領域を高精度で抽出することができる。
【0020】なお、最小の不一致度を一旦更新した後
に、他の走査位置においてこの最小の不一致度と同値の
不一致度が得られた場合に、これら2箇所の走査位置を
それぞれ最小の不一致度を得た走査位置として記憶する
ようにすれば、モデル画像に対し最大の類似度を持つ画
像領域が複数存在する場合にも、各画像領域を抽出する
ことが可能となる。
【0021】さらにこの発明では、前記モデルデータの
走査が終了した時点の最小の不一致度に基づき、前記モ
デル画像に対応する画像領域とモデル画像との類似度を
算出することができる。なお、前記「画像領域とモデル
画像との類似度」は、「画像領域内の濃度勾配方向とモ
デルデータとの類似度」と言い換えることができる。こ
の類似度が高いほど、前記画像領域内の輪郭パターン
は、モデル画像上の対象物の輪郭パターンに類似するも
のとなる。
【0022】前記したように、最小の不一致度の更新処
理を行った走査位置では、モデルデータの全ての要素に
対する不一致度の累計処理を行っているから、不一致度
が精度良く求められていることになる。したがって前記
モデル画像に対応する画像領域を特定した後に、前記最
小のしきい値によりこの画像領域とモデル画像との類似
度を求めることにより、前記モデル画像に対する類似度
が最も高い画像領域について、その領域の位置およびモ
デル画像に対する類似度を精度良く求めることができ
る。
【0023】この発明の好ましい態様では、前記最小の
不一致度をしきい値として設定して、各走査位置におけ
る比較処理を行う。すなわちモデルデータの走査開始時
点でしきい値に所定の初期値を設定しておき、以後、各
走査位置において、画素単位で不一致度を算出しつつ累
計するとともに、不一致度を累計する都度その累計結果
を前記しきい値と比較して、しきい値を上回る不一致度
が得られたときは累計処理を打ち切り、累計処理が完了
した時点の不一致度がしきい値を下回るときはその不一
致度により前記しきい値を更新する。そしてモデルデー
タの走査が終了したとき、この時点のしきい値に相当す
る不一致度が得られた走査位置により前記モデル画像に
対応する画像領域を特定する。
【0024】上記態様によれば、モデルデータの走査開
始時点で初期値を設定した後は、累計処理結果に応じて
所定の走査位置でしきい値を更新するだけであり、前記
図13のアルゴリズムのようにしきい値を求めるための
演算処理を行う必要はない。このように最小の不一致度
を示すしきい値を設定すると、走査を開始した直後から
モデルデータに対する類似度が極端に低い走査位置に対
する演算を途中で打ち切ることができるので、演算時間
をより一層短縮することが可能となる。
【0025】さらにこの発明は、濃淡画像を入力する画
像入力手段と、前記入力された濃淡画像上における濃度
勾配の方向を抽出する濃度勾配方向抽出手段と、前記入
力された濃淡画像上に所定のモデル画像上の濃度勾配方
向を示すモデルデータを走査しつつ前記濃淡画像上の濃
度勾配方向とモデルデータとを比較し、各走査位置にお
ける比較結果に基づき前記濃淡画像上において前記モデ
ル画像に対応する画像領域を抽出するマッチング手段と
を具備する画像処理装置に適用することができる。この
場合のマッチング手段には、前記モデルデータの各走査
位置において、モデルデータに対する濃度勾配方向の不
一致度を画素単位で順に算出して累計する手段と、前記
不一致度を累計する都度、その累計結果を過去の走査位
置で得られた最小の不一致度と比較する手段と、前記累
計処理の途中で前記最小の不一致度を上回る不一致度が
得られたとき、累計処理を打ち切ってモデルデータをつ
ぎの走査位置に移行させる手段と、前記累計処理が完了
した時点での不一致度が前記最小の不一致度を下回った
とき、その不一致度により前記最小の不一致度を更新す
る手段と、前記モデルデータの走査が終了したとき、こ
の時点での最小の不一致度が得られた走査位置により前
記モデル画像に対応する画像領域を特定する手段とが設
定される。
【0026】前記画像入力手段は、たとえば撮像装置に
より撮像された画像を入力するためのインターフェース
やA/D変換回路などにより構成される。また濃度勾配
方向抽出手段およびマッチング手段は、各手段の処理を
実行するためのソフトウェアが組み込まれたコンピュー
タにより構成することができる。ただし、各手段は、必
ずしもソフトウェアに限らず、ハードウェアにより実現
することもできる。(たとえば濃度勾配方向抽出手段
は、濃淡画像上の局所領域内の濃度勾配方向を抽出する
ためのエッジ抽出用フィルタが設定された微分回路とし
て構成可能である。またマッチング手段における不一致
度の算出処理や比較処理も、それぞれ個別の演算回路に
より実行させることができる。)
【0027】なお、上記の画像処理装置には、画像入力
手段により入力された濃淡画像について、濃度勾配方向
抽出手段やマッチング手段の処理対象となる計測対象領
域の指定を受け付ける手段を付加することができる。こ
の場合、指定された計測対象領域内の画像のみが処理さ
れて、その計測領域内においてモデル画像に最も類似す
る画像領域が抽出されるようになる。ただしこの手段は
必須のものではなく、入力された濃淡画像全体を処理の
対象としても差し支えない。
【0028】また上記の画像処理装置においても、前記
したように、最小の不一致度を示すしきい値を設定し、
各走査位置において不一致度の累計結果をしきい値と比
較しつつ、最小の不一致度が得られる都度、その値によ
りしきい値を更新するように構成することができる。こ
の場合のマッチング手段には、前記モデルデータの各走
査位置において、モデルデータに対する濃度勾配方向の
不一致度を画素単位で順に算出して累計する手段、前記
不一致度が累計される都度その累計結果を所定のしきい
値と比較する手段、前記累計処理の途中で前記しきい値
を上回る不一致度が得られたとき、累計処理を打ち切っ
てモデルデータをつぎの走査位置に移行させる手段、前
記累計処理が完了した時点での不一致度が前記しきい値
を下回ったとき、その不一致度により前記しきい値を更
新する手段、前記モデルデータの走査が終了したとき、
この時点のしきい値に相当する不一致度が得られた走査
位置により前記モデル画像に対応する画像領域を特定す
る手段、の各手段が設けられる。
【0029】さらに上記態様の画像処理装置において
は、前記不一致度の累計結果と比較されるしきい値を初
期設定するためのデータを入力する手段と、入力された
データに基づき前記しきい値の初期値を設定する手段を
設けることができる。なお入力されるデータは、不一致
度のしきい値そのものでも良いが、モデル画像に対する
類似度としてのしきい値を入力した後に、この入力デー
タから不一致度のしきい値を初期設定してもよい。上記
構成を付加した装置においては、ユーザーが所望のしき
い値を設定できるから、ノイズの混入などによりモデル
画像との類似度が低い画像についても、設定の変更によ
ってモデル画像に対応する画像領域を抽出することがで
きる。しかも初期値よりも不一致度の小さい画像領域が
あれば、その画像領域を抽出することができるから、し
きい値の初期値を厳密に設定しなくとも、モデル画像に
最も類似する画像領域を抽出することが可能となる。
【0030】さらにこの発明の画像処理装置には、画像
入力手段により入力された濃淡画像に対しモデル画像と
する画像領域の指定を受け付ける手段と、指定された画
像領域を切り出してモデル画像として登録する手段とを
設けることができる。この構成によれば、計測処理に先
立ち、対象物のモデルを撮像して得た濃淡画像を取り込
んで、その画像上の任意の画像領域をモデル画像として
登録することができる。ただし、モデル画像を登録する
ための構成は上記に限らず、たとえば、他の装置で作成
されたモデル画像を通信または所定の記録媒体を介して
取り込んで登録するようにしてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施例にか
かる画像処理装置の構成を示す。この画像処理装置1
は、濃淡画像上において、あらかじめ登録されたモデル
に輪郭パターンが類似する対象物を抽出するためのもの
で、画像入力部2,画像メモリ3,画像出力部4,タイ
ミング制御部5,キャラクタ・グラフィックメモリ6,
文字メモリ7,制御部8,モニタ9,I/Oポート10
などにより構成される。
【0032】画像入力部2は、図示しないアナログカメ
ラからの濃淡画像信号を取り込むためのインターフェイ
ス回路,前記濃淡画像信号をディジタル変換するための
A/D変換回路,ノイズカット用のフィルタ回路などに
より構成される。なお前記カメラはアナログカメラに限
らず、ディジタルカメラを用いてもよい。
【0033】前記画像メモリ3は、画像入力部2により
取り込まれたディジタル量の濃淡画像データ(以下単
に、「画像」という。)のほか、前記モデル画像や計測
処理の過程で生成される処理結果を画像データの形式に
編集したデータ(以下、「処理結果画像」という。)を
記憶する。キャラクタ・グラフィックメモリ6には、一
連の処理により抽出された対象物の位置を示すポインタ
などのデータが、文字メモリ7には、前記対象物の抽出
位置を示す座標やその対象物と前記モデルとの類似度な
どを示すテキストデータが、それぞれ格納される。これ
らメモリ3,6,7は、それぞれアドレス/データバス
11を介して制御部8に接続され、制御部8からの指示
に応じたデータを、タイミング制御部5からのタイミン
グ信号に応じて画像出力部4またはアドレス/データバ
ス11に出力する。
【0034】前記制御部8は、CPU12,ROM1
3,RAM14を主体とし、このほかに後記する計測処
理手順を示す制御プログラムがインストールされたハー
ドディスク15を具備する。CPU12は、ハードディ
スク15内の制御プログラムに基づき、アドレス/デー
タバス11を介して各メモリに対する情報の読書きを行
いつつ目的とする計測処理を実行する。
【0035】前記画像出力部4は、モニタ9に対し、画
像入力部2より入力した画像のほか、モデル画像,処理
結果画像,計測結果を示すポインタや文字情報などを単
独または合成した状態で与え、画面上に表示させる。I
/Oポート10は、キーボード,マウスなどの入力部
や、外部記憶装置,伝送部のような出力部に接続され、
入力部からの各種設定データを入力したり、計測結果を
外部に出力する際に用いられる。
【0036】この実施例では、計測処理に先立ち、前記
モデルを撮像して得られた画像上でユーザーによる領域
の指定を受け付け、この指定された画像領域内の画像デ
ータを切り出してモデル画像として登録するようにして
いる。さらにこの実施例では、前記モデル画像の各画素
につき、濃度勾配強度や濃度勾配方向を抽出した後、こ
れらの抽出結果を、それぞれ画素の位置に対応づけた形
式の処理結果画像として編集した後、各処理結果画像を
モデルデータとして画像メモリ3内に登録するようにし
ている。
【0037】一方、計測対象の画像については、ユーザ
ーによる計測対象領域の指定を受け付けた後、この計測
対象領域における各画素毎の濃度勾配方向を抽出する。
この抽出結果は、前記モデルデータと同様の処理結果画
像として編集され、画像メモリ3に保存される。さらに
この実施例の計測処理では、前記計測対象領域における
濃度勾配方向のパターンをモデルデータと比較し、モデ
ルデータに類似度が最も高くなる画像領域を抽出するよ
うにしている。
【0038】ここでこの実施例における濃度勾配強度、
濃度勾配方向の抽出方法について説明する。なお、濃度
勾配の抽出結果は、画像上のエッジの位置を表すものと
なるので、以下の説明では、濃度勾配強度を「エッジ強
度」、濃度勾配方向を示すデータを「エッジコード」と
呼ぶことにする。
【0039】濃淡画像上の一画素における濃度勾配は、
その画素を中心として濃度の変化する方向と変化量とを
示すベクトルとして表される。この濃度勾配の抽出は、
一般に、濃淡画像上に所定大きさのマスクを走査しつ
つ、このマスクにソーベルオペレータのようなエッジ抽
出用フィルタを作用させてx,yの各軸方向毎に分解さ
れた濃度勾配を抽出することによって行われる。座標
(x,y)の位置の画素におけるエッジ強度Ei(x,
y)は、各軸方向毎の濃度勾配Ex(x,y),Ey
(x,y)をつぎの(4)式にあてはめることによって
算出される。
【0040】
【数4】
【0041】つぎにこの実施例では、エッジコードとし
て、濃度勾配方向に直交する方向が所定の基準方向に対
してなす角度を求めるようにしている。図2は、対象物
の輪郭部分の一部を拡大して示したものである。図中、
Eは、着目対象の画素であり、Fはこの画素における濃
度勾配の方向を、Cは前記ベクトルFに直交する方向
を、それぞれ示す。なお図示例では、濃度勾配の方向
を、濃度の高い方から低い方へと向かう方向として表し
ているが、この方法を逆転して示しても良い。
【0042】この実施例では、画素Eからx軸の正方向
に向かうベクトルBを基準の方向とし、ベクトルCをベ
クトルBから半時計回り方向に見たときの角度Ec
(x,y)をエッジコードとしている。このエッジコー
ドEc(x,y)は、濃度勾配Ex(x,y),Ey
(x,y)の値に応じて下記〜のいずれかの式によ
って求められる。
【0043】 Ex(x,y)>0 および Ey
(x,y)≧0のとき、 Ec(x,y)=atan(Ey(x,y)/Ex
(x,y)) Ex(x,y)>0 および Ey(x,y)<0
のとき、 Ec(x,y)=360+atan(Ey(x,y)/
Ex(x,y)) Ex(x,y)<0のとき、 Ec(x,y)=180+atan(Ey(x,y)/
Ex(x,y)) Ex(x,y)=0 および Ey(x,y)>0
のとき、 Ec(x,y)=0 Ex(x,y)=0 および Ey(x,y)<0
のとき、 Ec(x,y)=180
【0044】なおこの実施例では、ソフトウェア処理に
よりマスクを走査して前記濃度勾配Ex(x,y),E
y(x,y)を抽出し、さらにエッジ強度Ei(x,
y)やエッジコードEc(x,y)を求めているが、こ
れに限らず、専用の微分回路により、画像メモリ3への
画像入力に並行させて濃度勾配Ex(x,y),Ey
(x,y)を求め、さらに専用の演算回路でエッジ強度
Ei(x,y)やエッジコードEc(x、y)を求める
ようにしてもよい。また濃度勾配方向を示すデータは、
前記エッジコードEc(x,y)に限らず、たとえばベ
クトルFの方向そのものをベクトルBに対する角度とし
て表しても良い。
【0045】またエッジ抽出用のマスクの大きさは、計
測目的によって任意の大きさに設定することができる。
マスクが大きくなるほど濃度勾配の微小な変化がカット
されるので、抽出されるエッジを対象物の主要な輪郭パ
ターンに限定したい場合は、比較的大きなマスクを使用
すればよい。
【0046】この実施例では、前記エッジコードの抽出
結果を示す処理結果画像上にモデル画像に応じたサイズ
のマスクを走査しつつ、マスク内のエッジコードのパタ
ーンとモデルデータとの不一致度を算出してゆき、不一
致度が最小となる走査位置を前記モデルデータに最も類
似する画像領域の位置、すなわちモデル画像上のモデル
の輪郭パターンに最も類似する輪郭パターンの位置とし
て特定するようにしている。
【0047】前記エッジコードの不一致度は、マスク内
の画素毎の不一致度を順に算出して累計した値に相当す
る。画素単位でのエッジコードの不一致度は、マスク内
の一画素におけるエッジコードとこの画素に対応するモ
デルデータとの差に基づいて算出される。具体的にはエ
ッジコードの差が大きくなるほど不一致度が大きくなる
のが望ましいが、前記エッジコードの差の大きさに応じ
て不一致度の値を段階的に変化させるようにしてもよ
い。またエッジコードの不一致度を算出する処理の目的
は、前記モデル画像上の輪郭パターンに類似する輪郭パ
ターンを抽出することにあるから、モデル画像上でエッ
ジ画素として認定できる画素に対する不一致度のみが有
効となるのが望ましい。
【0048】上記の点に鑑み、この実施例では、一走査
位置における不一致度urをつぎの(5)式により算出
するようにしている。なお、以下の説明では、モデル画
像上の各画素の座標を(X,Y),モデル画像のサイズ
をLX,LYとし、計測対象の画像上のマスクの設定位
置(マスクの先頭画素に対応する座標位置)を(i,
j)とする。
【0049】
【数5】
【0050】上記(5)式において、Ic(X+i,Y
+j)は、マスク内の着目画素におけるエッジコード
を、Mc(X,Y)は着目画素に対応するモデルのエッ
ジコードを、Mw(X,Y)は着目画素に対応するモデ
ルのエッジ強度を、それぞれ示す。また関数hは、前記
画素単位の不一致度を示すもので、(6)式または
(7)式に示すように設定される。また関数gは、前記
モデルのエッジ強度Mw(X,Y)の値に基づき、不一
致度h(θ)を有効または無効にするためのもので、
(8)式のように定義される。
【0051】
【数6】
【0052】
【数7】
【0053】
【数8】
【0054】上記(6)式によれば、着目画素における
エッジコードとモデルのエッジコードとの差θが90°
または270°のとき、不一致度h(θ)は最小値0と
なり、θが0°または180°に近づくにつれて、不一
致度h(θ)は最大値1に近くなる。また(7)式によ
れば、θが0°から±45°までの範囲にあるとき、不
一致度h(θ)は最大値の1となり、θが135°から
225°までの範囲にあるとき、不一致度h(θ)は最
小値の−1となる。
【0055】なお、不一致度ur(i,j)の算出式
は、上記に限らず、つぎの(9)(10)式を用いても
よい。この場合の不一致度h´(θ)は、−180°か
ら180°の間で変動することになる。
【0056】
【数9】
【0057】
【数10】
【0058】以下、前記不一致度ur(i,j)を用い
てモデルに類似する輪郭パターンを抽出するための具体
的なアルゴリズムを説明する。図3は、前記モデル画像
およびモデルデータを設定、登録するための処理手順を
示す。まずST1では、対象物のモデルを撮像して得た
画像を取り込む。この画像は、画像メモリ3に一時保存
されるとともにモニタ9に表示されるもので、ユーザー
による領域指定操作が行われると、ST2で、指定され
た領域をモデル画像の切り出し領域として設定する。
【0059】つぎのST3では、この領域内の画像デー
タをモデル画像として切り出し、前記画像メモリ3内に
登録する。そしてST4では、このモデル画像の各画素
について前述した方法によりエッジ強度Mw(X,
Y),エッジコードMc(X,Y)を算出し、それぞれ
の算出結果をモデルデータとして画像メモリ3内に登録
する。
【0060】図4は、計測処理の一連の手順を示す。な
お、この手順は、前記図3の手順によりモデルデータを
登録した後に、任意の回数だけ繰り返し実行することが
できる。まずST5では処理対象の画像を入力する。こ
の入力画像も、前記モデル画像登録時の入力画像と同様
に、画像メモリ3に一時保存されるとともに、モニタ9
に表示される。
【0061】つぎのST6では、ユーザによる領域の指
定操作を受け付けて、指定された領域を計測対象領域と
して設定する。ついでST7では、この計測対象領域内
の各画素につき、エッジコードIc(x,y)を算出す
る。この算出結果は、前記エッジコードの処理結果画像
として画像メモリ3内に保存される。
【0062】ST8では、前記エッジコード画像上にモ
デル画像に対応する大きさのマスクを走査しつつ、走査
位置毎に前記(5)式に相当する累計演算処理を行っ
て、モデルデータに対するエッジコードの不一致度ur
(i,j)が最小となる走査位置およびその不一致度を
求める。ST9では、この最小の不一致度に基づき、前
記モデルデータに対するエッジコードの類似度を算出す
る。そしてST10では、前記モニタ9上の入力画像に
重ねて、ST8,9の処理結果を示すポインタや文字情
報を表示し、しかる後に処理を終了する。
【0063】図5は、前記ST8のマッチング処理にお
ける詳細な手順を、st1〜10の符号により示す。な
お、同図において、urは一走査位置における不一致度
を、ur#minは不一致度と比較するためのしきい値を、
それぞれ示す。
【0064】図5では、まずst1で、前記しきい値u
r#minを初期設定した後、つぎのst2,3で、マスク
の設定位置を示すカウンタj,iを計測対象領域の先頭
画素の座標(x1,y1)を示す値に設定する。
【0065】つぎのst4は、前記(5)式に相当する
累計演算処理を行うためのものである。この処理の詳細
は図6に示しているので、以下、図6を用いて説明す
る。図6の手順においては、まず最初のst4−1で不
一致度urの初期値を0に設定した後、st4−2,4
−3でY,Xをそれぞれ0に設定することにより、マス
ク内の先頭画素に着目する。
【0066】つぎのst4−4におけるur#XYは、前
記着目画素における不一致度である。この不一致度ur
#XYは、具体的にはつぎの(11)式により求められ
る。
【0067】
【数11】
【0068】前記st4−4では、この画素単位の不一
致度ur#XYを求めるとともに、この算出結果を前記不
一致度urに加算して、その加算値により不一致度ur
の値を更新している。この更新された不一致度urが前
記しきい値ur#minよりも小さい場合は、つぎのst4
−5が「YES」となり、st4−6〜4−7またはs
t4−6〜4−9からst4−3の手順によって着目画
素を動かした後、再びst4−4を実行する。上記の処
理がX=LX,Y=LYとなるまで続いた場合は、マス
ク内のすべての画素について不一致度ur#XYが累計さ
れるので、マスク全体の不一致度urが精度良く求めら
れることになる。
【0069】一方、st4−3〜4−9のループが終了
する前に、不一致度urが前記しきい値ur#min以上に
なった場合は、st4−5が「NO」となり、残りの累
計処理を打ち切って処理を終了する。
【0070】図5に戻って、上記の手順により、一走査
位置における不一致度urが求められると、st5にお
いて、この不一致度urを再び前記しきい値ur#minと
比較する。ここで前記図6の手順において累計処理が打
ち切られている場合は、ur≧ur#minであるから、図
5の判定は「NO」となり、ST7〜8またはST7〜
10からST3の手順により前記マスクをつぎの走査位
置に移動させた後、上記と同様の不一致度演算処理を実
行する。
【0071】一方、図6のst4−3〜4−9のループ
が最後まで実行されており、最終の不一致度urがしき
い値ur#minよりも小さい場合は、st5の判定が「Y
ES」となり、st6を実行してからマスクを移動させ
てつぎの不一致度演算処理を行う。st6では、前記不
一致度urによりしきい値ur#minを更新するととも
に、現在のマスクの設定位置(i,j)をモデルデータ
へのマッチング位置(sx,sy)として設定する。
【0072】以下同様にして、i,jの値が計測対象領
域の最後尾の画素(x2,y2)になるまでst3〜1
0のループを実行する。これによりモデルデータへの不
一致度urがより小さい値になる都度、この不一致度u
rによりしきい値ur#minの値が引き下げられ、かつマ
ッチング位置(sx,sy)が更新される。したがって
マスクの走査が終了した時点のマッチング位置(sx,
sy)は、前記計測対象領域において、モデルデータに
最も類似するエッジコードのパターンを含む画像領域の
位置を示すものとなる。
【0073】なお、上記手順には明記していないが、不
一致度のしきい値ur#minが一旦更新された後に、累計
処理後の不一致度urがしきい値ur#minと同値になる
走査位置が出現した場合は、マッチング位置(sx,s
y)を更新する際に、更新前のマッチング位置も保持す
るのが望ましい。さらに走査の終了した時点で複数のマ
ッチング位置が保持されている場合は、これらのマッチ
ング位置をすべて有効とするのが望ましい。
【0074】前記図13に示した従来の手順では、累計
処理の都度、しきい値を求めるための演算を行う必要が
あったが、この実施例では、しきい値ur#minに所定の
初期値を設定した後は、累計処理結果を用いてしきい値
ur#minを更新すれば良いので、演算処理をより高速化
できる。しかも走査の過程でしきい値ur#minが引き下
げられるにつれて、累計処理が早い段階で打ち切られる
ようになるので、モデルデータに類似しない画像領域に
対する演算処理時間をより一層短縮できる。また走査が
終了した時点のしきい値ur#minにより、前記モデルデ
ータに最も類似する走査位置(sx,sy)における類
似度Rを精度良く求めることができる。
【0075】なお前記図4のST9における類似度をR
とすると、この類似度Rは、(5)式の不一致度演算式
を使用している場合は(12)式により、(9)式の不
一致度演算式を使用している場合は(13)式により、
それぞれ求めることができる。
【0076】
【数12】
【0077】
【数13】
【0078】ところで前記不一致度のしきい値ur#min
の初期値は固定値としても良いが、計測処理に先立ち、
ユーザーが任意の値を設定できるようにするのが望まし
い。このようにしきい値ur#minを可変設定できるよう
にすれば、計測対象の画像とモデル画像との間に高い類
似度が認められない場合でも、しきい値ur#minを高め
の値に設定することによって、画像上で最も類似度の高
い画像領域を抽出することができ、ノイズの多い画像に
ついての計測精度を高めることができる。(画像の状態
によっては、しきい値値ur#minをゼロ設定してもよ
い。)しかもしきい値ur#minよりも不一致度が小さく
なる画像領域を抽出できるので、しきい値ur#minを厳
密に設定しなくとも、計測対象領域内においてモデルに
最も類似する輪郭パターンを抽出することができる。な
お、ユーザーが指定するしきい値は、不一致度そのもの
のしきい値に限らず、モデル画像に類似すると判定する
場合の最小の類似度を指定しても良い。
【0079】さらに上記画像処理装置1においては、計
測処理の一部を変更または新たな処理を付加することに
より、演算処理をより高速化したり、計測処理における
ロバスト性を高めることができる。以下、実施可能な各
態様について順に説明する。図7は、エッジ強度に基づ
いてエッジコードのモデルデータの個数を削減する場合
の手順である。なお、この手順は、前記図3と同様の処
理を実行した後に行われるもので、ここでは各ステップ
をST401〜411の符号で示す。
【0080】図中のNは、モデルデータの登録数を示す
カウンタであり、Mc´(N)は、削減後のモデルデー
タを表す一次元配列である。この手順では、まずST4
01でカウンタNを初期値の0に設定した後、ST40
2,403でY,Xの値をそれぞれ0に設定することに
よって、モデル画像の先頭画素に着目する。
【0081】つぎのST404では、前記着目画素のエ
ッジ強度Mw(X,Y)をしきい値MLと比較する。こ
こでエッジ強度Mw(X,Y)が前記しきい値ML以上
であれば、ST404が「YES」となってST405
に進み、前記着目画素のエッジコードMc(X,Y)を
有効なモデルデータのN番目の要素Mc´(N)として
設定する。
【0082】つぎのST406におけるMA(N)は、
モデル画像上において前記N番目のモデルデータに対応
する画素の位置を表す1次元配列である。このST40
6では、MA(N)の値として、着目画素の画素位置
(X,Y)をX軸方向に沿う1次元配列上の位置に置き
換えた値Y*LX+Xを設定する。さらにST407で
は、つぎのモデルデータの登録に備えてNの値をインク
リメントする。
【0083】一方、前記エッジ強度Mw(X,Y)がし
きい値MLを下回る場合には、ST405〜407の処
理をスキップすることで、着目画素のモデルデータを登
録対象から除外する。
【0084】以下、ST408〜409またはST40
8〜411からST403の手順により、着目画素を動
かしながら同様の処理を繰り返す。こうしてST403
〜410のループがLX*LY回実行されると、モデル
画像上でエッジ強度がしきい値MLを越える画素のエッ
ジコードを順に配列したモデルデータが作成される。
【0085】つぎに、この実施例における計測処理の主
要な流れは前記図4,5に示したのと同様であるが、図
5のST4において、前記図6の手順に代えてつぎに示
す図8の手順が実行される。(図8では、各手順をst
´4−1〜st´4−6の符号により示す。)なお以下
の説明では、図8の手順を実行するために、計測対象の
画像上のエッジコードを、マスクの走査方向(x軸方
向)に沿って並べた一次元配列Ic´(P)を作成して
いるものとする。
【0086】図8では、st´4−1において、不一致
度urに初期値0を設定した後、st´4−2で、カウ
ンタKに初期値0を設定する。つぎのst´4−3で
は、前記一次元配列Ic´(P)からモデルデータのK
番目の要素MC´(K)に対応するデータIc´(i*
dx+i+MA(K))を読み出して、つぎの(14)
式により不一致度ur#Kを算出し、この値を不一致度u
rに加算した値により不一致度urを更新する。なお、
(14)式において、dxは、計測対象領域のx軸方向
における画素数である。
【0087】
【数14】
【0088】つぎのst´4−4では、加算後の不一致
度urを前記しきい値ur#minと比較する。ここで不一
致度urがしきい値ur#minを下回れば、st´4−
5,4−6においてKの値を更新してst´4−3に戻
り、つぎの要素に対応する不一致度ur#Kを算出して前
記不一致度urに加算する。以下、同様にして、着目画
素を順に動かしながら、モデルデータの各要素に対応す
る不一致度を算出しつつ累計する。ただしこの累計処理
の過程で不一致度urがしきい値ur#min以上になった
場合は、st´4−4が「YES」となって、累計処理
が打ち切られる。
【0089】上記図7,8の手順によれば、モデルデー
タをエッジ強度がしきいを越える画素のデータに絞り込
むので、不一致度の演算処理対象のデータ数を大幅に削
減することができ、演算処理をさらに高速化することが
できる。
【0090】つぎに図9の実施例では、前記エッジ強度
による選別に加え、あらかじめユーザーにより指定され
た画像領域内のデータをモデルデータから省くようにし
ている。なお、図9も、前記図7と同様のモデルデータ
の登録処理手順を示すもので、ここでは各手順をST´
401〜412の符号により示す。
【0091】この実施例では、ST´401〜403に
おいて、前記図7の手順と同様にN,Y,Xの値を初期
設定した後に、ST´404でフラグMm(X,Y)の
値をチェックしている。このフラグMm(X,Y)は、
着目画素が前記ユーザーの指定した画像領域(以下、
「計測除外領域」という。)に含まれるか否かを示すデ
ータであって、計測除外領域内に含まれる場合はMm
(X,Y)=1に設定され、含まれない場合はMm
(X,Y)=0に設定される。
【0092】ST´404において、前記フラグMm
(X,Y)が0であれば、ST´405に進んでエッジ
強度Mw(X,Y)をしきい値MLと比較する。その後
は、前記図7のST405以下と同様であり、着目画素
のエッジ強度Mw(X,Y)がしきい値ML以上であれ
ば、その画素のエッジコードMc(X,Y)を有効なモ
デルデータとして登録する(ST´406〜408)。
一方、フラグMm(X、Y)が1の場合は、ST´40
4が「NO」となり、以下の処理をスキップすることで
着目画素をモデルデータから除外する。なお、このよう
な手順によりモデルデータを作成した場合も、前記図
7,8の実施例と同様の手順で計測処理を実行する。
【0093】図10は、前記計測除外領域の設定例を示
す。なお図中、M1,M2は、モデル画像であるが、こ
こでは画像上のエッジのみを模式化して示す。図10
(1)のモデル画像M1には、矩形状の本体部分の両側
に水平ラインが連結した構成の輪郭パターンが現れてお
り、両側の水平ラインを含むように2つの計測対象領域
20a,20bが設定されている。このような設定によ
れば、水平ラインを示すエッジがモデルデータから除去
されるので、水平ラインの有無や位置にかかわらず、登
録されたモデルデータと同様の矩形状の輪郭線を精度良
く抽出することができる。
【0094】図10(2)のモデル画像M2には、矩形
状の輪郭パターンが現れており、この矩形の内側に計測
対象領域20cが設定されている。この設定によれば、
表面に地模様などによる濃度勾配のばらつきが見られる
対象物についても、その表面の部分が計測対象から除外
されるので、画像間における濃度勾配の差異による影響
を受けずにモデルに類似する輪郭線を精度良く抽出する
ことができる。
【0095】よってこの実施例では、処理の必要がない
画像を除いたモデルデータを設定することにより、不一
致度の算出回数を減らして処理を高速化することができ
る。また周囲環境やノイズの影響を受けずに、目的の対
象物が含まれる画像領域を精度良く抽出することができ
る。
【0096】さらにつぎの実施例では、前記図7または
図9の手順によりモデルデータを削減した後に、計測処
理において、処理対象の画像上のエッジ強度に応じて不
一致度の算出方法を変更することにより、計測処理のよ
り一層の高速化とロバスト性の向上を実現したものであ
る。
【0097】図11は、計測処理において、各着目画素
のエッジ強度に応じて不一致度を算出する手順を示す。
なお、この実施例においても、計測処理の主要な手順
は、図4,5と同様であり、図5のST4において図1
1の手順を実行することになる。(図11では、各手順
をst*4−1〜st*4−9の符号により示す。)ただ
しこの実施例では、図4に示した計測処理手順のST7
において、エッジコードIc(x,y)とともにエッジ
強度Iw(x,y)を抽出する必要がある。
【0098】この実施例では、図11の手順を実行する
前に、計測対象の画像上のエッジ強度およびエッジコー
ドの抽出結果を、それぞれマスクの走査位置に沿う一次
元配列IW´(P),IC´(P)として保存する。図
11では、まず不一致度urに初期値0を設定した後、
カウンタKに初期値0に設定する(st*4−1,
2)。つぎのst*4−3では、マスクの設定位置
(i,j)と前記Kの値とに基づいて着目画素の位置P
を算出し、続くst*4−4で、この画素のエッジ強度
Iw´(P)を所定のしきい値ILと比較する。
【0099】前記エッジ強度Iw´(P)がしきい値I
L以上であれば、st*4−4が「YES」となってs
*4−5に移行する。このst*4−5では、前記図8
のst´4−3と同様に、前記(14)式により着目画
素に対する不一致度ur#Kを求めた上で不一致度urに
加算する処理を行う。
【0100】一方、エッジ強度IW´(P)がしきい値
ILを下回る場合は、st*4−4が「NO」となって
st*4−6に進み、前記不一致度urに固定値VLを
加算する処理を行う。なお、VLの値は、(14)式に
おいて得られる最大の不一致度に合わせて「1」とする
のが望ましい。(st*4−5において、不一致度ur#
Kを前記(9)式に基づいて算出する場合は、VL=1
80とするのが望ましい。)
【0101】以下の手順は、図8のst´4−4〜st
´4−6と同様であり、st*4−3〜st*4−9の処
理を所定回数繰り返すことにより、不一致度urがしき
い値ur#min以上になった場合は、累計処理を打ち切
り、不一致度urがしきい値を下回る場合は、モデルデ
ータの最後のデータに対応する画素になるまで不一致度
urを累計する。
【0102】上記図11の手順は、既に、抽出すべきエ
ッジに対応するデータのみから成るモデルデータが作成
されていることを前提に実行されるので、たとえば背景
部分の画像などエッジが含まれない領域においては、不
一致度の算出式を使用せずに最大の不一致度「1」を加
算することにより、不一致度ur#Kを求める演算を実行
する必要がなくなる。しかも最大の不一致度を加算する
ことにより、早い段階で不一致度urをしきい値ur#m
inに到達させて累計処理を打ち切ることができるから、
演算処理をより一層高速化でき、精度の高い計測処理を
行うことができる。
【0103】さらに上記した各実施例においては、モデ
ル画像や計測対象の画像を縮小した上で前記エッジ強度
やエッジコードを抽出することで、データ数を削減し、
処理をさらに高速化することができる。なおデータ数の
削減は、濃淡画像上でエッジ強度やエッジコードを算出
してから間引き処理を行うことによっても可能である
が、このような処理を行った場合、エッジに相当する画
素が間引かれて、計測に必要なデータが欠落してしまう
虞がある。
【0104】図12は、濃淡画像について、エッジ強度
の抽出結果を間引きした場合の処理(図中、(1)
(2)(3)の流れにより示す。)と、原画像を縮小し
てからエッジ強度を抽出した場合の処理(図中、(1)
(4)(5)の流れにより示す。)とにおける処理結果
の違いを示す。図中、(1)(4)の濃淡画像におい
て、各矩形はそれぞれ一画素分のデータに対応するもの
で、白抜きの矩形(□)は濃度の高い背景部分の画素
を、黒塗りの矩形(■)は対象物に対応する濃度の低い
画素を、それぞれ示す。また(2)(3)(5)のエッ
ジ強度画像(エッジ強度の抽出結果を示す処理結果画
像)については、エッジ強度がしきい値より低い画素を
白抜きの矩形により示し、しきい値以上のエッジ強度を
具備する画素を黒抜きの矩形により示す。
【0105】図12は、点線の○印に示すように、2画
素おきに処理対象の画素を設定して他の画素を間引いた
場合の処理結果を示している。濃淡画像上でエッジ強度
を抽出してから間引き処理を行った場合、(2)のエッ
ジ抽出画像上で2画素分の幅を持つエッジが抽出されて
いるにも関わらず、このエッジの部分がすべて間引きさ
れてしまい、最終の処理結果である(3)のエッジ強度
画像では、計測に必要なエッジが全く含まれない状態と
なっている。これに対し、濃淡画像を縮小してからエッ
ジ強度を抽出した場合は、(4)の縮小画像に対象物,
背景の双方に対応する画素が残されるから、(5)のエ
ッジ強度画像上にもエッジの画素が残されるようにな
り、エッジコードによるマッチング処理を行うことが可
能となる。
【0106】なお、上記の方法でデータを削減した場合
には、計測対象領域においてモデル画像に対応する位置
を正確に抽出することはできないので、まず削減された
データにより計測対象領域全体を処理して、モデルに対
応する輪郭パターンのおよその位置を求めた後、この抽
出位置の周辺について原画像データを用いた計測処理を
行って前記輪郭パターンの位置を正確に求めるのが望ま
しい。このような処理によれば、計測対象領域全体に対
し、詳細なサーチを行う必要がなくなるので、計測処理
時間を大幅に短縮することができ、かつ計測精度も維持
することができる。
【0107】
【発明の効果】上記したようにこの発明では、計測対象
の濃淡画像上にモデル画像上の濃度勾配方向を示すモデ
ルデータを走査してモデルデータに類似する走査位置を
抽出する場合に、各走査位置において画素単位での不一
致度を求めつつ累計処理を行うとともに、この累計処理
において過去の走査位置で得られた最小の不一致度を上
回る不一致度が得られたときは累計処理を打ち切る一
方、累計処理が完了した時点の不一致度が最小の不一致
度を下回るときはその不一致度により不一致度の最小値
を更新するようにした。よって不一致度の累計を行う都
度、比較対象のしきい値を求める演算を行う必要がなく
なるから、濃度勾配方向を比較するための演算を大幅に
高速化することができる。しかもモデルデータとの類似
度が高い画像領域の出現によって不一致度の最小値が引
き下げられるようになるから、より高い類似度を持つ画
像領域が出現する都度、不一致度の最小値が引き下げら
れて不一致度の累計処理が早い段階で打ち切られるよう
になり、演算処理時間をより一層高速化することができ
る。また走査が終了した時点での最小の不一致度が得ら
れた走査位置によりモデル画像に対応する画像領域を特
定するので、画像上においてモデル画像に最も類似する
輪郭パターンの位置を精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる画像処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】エッジコードの表し方を示す説明図である。
【図3】モデル画像およびモデルデータの登録処理手順
を示すフローチャートである。
【図4】計測処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図4のST8における詳細な手順を示すフロー
チャートである。
【図6】図5のst4における詳細な手順を示すフロー
チャートである。
【図7】モデルデータを削減する場合の処理手順を示す
フローチャートである。
【図8】図7の手順により登録されたモデルデータとの
不一致度を求める場合の手順を示すフローチャートであ
る。
【図9】図7の処理に、計測除外領域の設定に応じてモ
デルデータを削減する処理を加味した場合の手順を示す
フローチャートである。
【図10】計測除外領域の設定例を示す説明図である。
【図11】計測対象の画像上のエッジ強度に基づき不一
致度の算出方法を変更する場合の手順を示すフローチャ
ートである。
【図12】計測対象のデータ数を削減するための2種類
の処理について、処理結果の違いを示す説明図である。
【図13】濃度勾配方向の類似度を算出するための従来
の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像処理装置 2 画像入力部 8 制御部 12 CPU

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測対象の濃淡画像上に所定のモデル画
    像上の濃度勾配方向を示すモデルデータを走査しつつ前
    記濃淡画像上の濃度勾配方向とモデルデータとを比較
    し、各走査位置における比較結果に基づき前記濃淡画像
    上において前記モデル画像に対応する画像領域を抽出す
    る画像処理方法であって、 前記モデルデータの各走査位置において、モデルデータ
    に対する濃度勾配方向の不一致度を画素単位で順に算出
    しつつ累計するとともに、不一致度の累計結果が過去の
    走査位置で得られた最小の不一致度を上回ったときは累
    計処理を打ち切り、累計処理が完了した時点の不一致度
    が前記最小の不一致度を下回るときはその不一致度によ
    り最小の不一致度を更新し、 前記モデルデータの走査が終了したとき、この時点での
    最小の不一致度が得られた走査位置により前記モデル画
    像に対応する画像領域を特定することを特徴とする画像
    処理方法。
  2. 【請求項2】 計測対象の濃淡画像上に所定のモデル画
    像上の濃度勾配方向を示すモデルデータを走査しつつ前
    記濃淡画像上の濃度勾配方向とモデルデータとを比較
    し、各走査位置における比較結果に基づき前記濃淡画像
    上において前記モデル画像に対応する画像領域を抽出す
    る画像処理方法であって、 前記モデルデータの各走査位置において、モデルデータ
    に対する濃度勾配方向の不一致度を画素単位で順に算出
    しつつ累計するとともに、不一致度を累計する都度その
    累計結果を所定のしきい値と比較して、前記しきい値を
    上回る不一致度が得られたときは累計処理を打ち切り、
    累計処理が完了した時点の不一致度が前記しきい値を下
    回るときはその不一致度により前記しきい値を更新し、 前記モデルデータの走査が終了したとき、この時点のし
    きい値に相当する不一致度が得られた走査位置により前
    記モデル画像に対応する画像領域を特定することを特徴
    とする画像処理方法。
  3. 【請求項3】 前記モデルデータは、モデル画像に含ま
    れる所定数の画素について、それぞれその画素における
    濃度勾配方向を画素の位置に対応づけたデータ群により
    成り、 前記画素単位で算出される濃度勾配方向の不一致度は、
    前記モデルデータの一要素と濃淡画像上の対応画素との
    濃度勾配方向の差の大きさに基づく数値データである請
    求項1または2に記載された画像処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された画像処理方法にお
    いて、 前記モデルデータの走査が終了した時点の最小の不一致
    度に基づき前記モデル画像に対応する画像領域とモデル
    画像との類似度を算出する処理を実行する画像処理方
    法。
  5. 【請求項5】 濃淡画像を入力する画像入力手段と、 前記入力された濃淡画像上における濃度勾配の方向を抽
    出する濃度勾配方向抽出手段と、 前記入力された濃淡画像上に所定のモデル画像上の濃度
    勾配方向を示すモデルデータを走査しつつ前記濃淡画像
    上の濃度勾配方向とモデルデータとを比較し、各走査位
    置における比較結果に基づき前記濃淡画像上において前
    記モデル画像に対応する画像領域を抽出するマッチング
    手段とを具備し、 前記マッチング手段は、 前記モデルデータの各走査位置において、モデルデータ
    に対する濃度勾配方向の不一致度を画素単位で順に算出
    して累計する手段と、 前記不一致度が累計される都度、その累計結果を過去の
    走査位置で得られた最小の不一致度と比較する手段と、 前記累計処理の途中で前記最小の不一致度を上回る不一
    致度が得られたとき、累計処理を打ち切ってモデルデー
    タをつぎの走査位置に移行させる手段と、 前記累計処理が完了した時点での不一致度が前記最小の
    不一致度を下回ったとき、その不一致度により最小の不
    一致度を更新する手段と、 前記モデルデータの走査が終了したとき、この時点での
    最小の不一致度が得られた走査位置により前記モデル画
    像に対応する画像領域を特定する手段とを具備して成る
    画像処理装置。
  6. 【請求項6】 濃淡画像を入力する画像入力手段と、 前記入力された濃淡画像上における濃度勾配の方向を抽
    出する濃度勾配方向抽出手段と、 前記入力された濃淡画像上に所定のモデル画像上の濃度
    勾配方向を示すモデルデータを走査しつつ前記濃淡画像
    上の濃度勾配方向とモデルデータとを比較し、各走査位
    置における比較結果に基づき前記濃淡画像上において前
    記モデル画像に対応する画像領域を抽出するマッチング
    手段とを具備し、 前記マッチング手段は、 前記モデルデータの各走査位置において、モデルデータ
    に対する濃度勾配方向の不一致度を画素単位で順に算出
    して累計する手段と、 前記不一致度が累計される都度、その累計結果を所定の
    しきい値と比較する手段と、 前記累計処理の途中で前記しきい値を上回る不一致度が
    得られたとき、累計処理を打ち切ってモデルデータをつ
    ぎの走査位置に移行させる手段と、 前記累計処理が完了した時点での不一致度が前記しきい
    値を下回ったとき、その不一致度により前記しきい値を
    更新する手段と、 前記モデルデータの走査が終了したとき、この時点のし
    きい値に相当する不一致度が得られた走査位置により前
    記モデル画像に対応する画像領域を特定する手段とを具
    備して成る画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記モデルデータは、モデル画像に含ま
    れる所定数の画素についてそれぞれその画素における濃
    度勾配方向を画素の位置に対応づけたデータ群により成
    り、 前記画素単位での濃度勾配方向の不一致度は、前記モデ
    ルデータの一要素と濃淡画像上の対応画素との濃度勾配
    方向の差の大きさに基づき算出される請求項5または6
    に記載された画像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載された画像処理
    装置において、 前記不一致度の累計結果と比較されるしきい値を初期設
    定するためのデータを入力する手段と、この手段により
    入力されたデータに基づき前記しきい値の初期値を設定
    する手段とを具備して成る画像処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載された画像処理装置にお
    いて、 前記モデルデータの走査が終了した時点での最小の不一
    致度に基づき、前記モデル画像に対応する画像領域とモ
    デル画像との類似度を算出する類似度算出手段を具備し
    て成る画像処理装置。
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