JP2002229597A - Lpcパラメータのベクトル量子化装置 - Google Patents

Lpcパラメータのベクトル量子化装置

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JP2002229597A
JP2002229597A JP2001367692A JP2001367692A JP2002229597A JP 2002229597 A JP2002229597 A JP 2002229597A JP 2001367692 A JP2001367692 A JP 2001367692A JP 2001367692 A JP2001367692 A JP 2001367692A JP 2002229597 A JP2002229597 A JP 2002229597A
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lpc
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JP2001367692A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Yasunaga
和敏 安永
Toshiyuki Morii
利幸 森井
Hiroyuki Ebara
宏幸 江原
Kazunori Mano
一則 間野
Yuusuke Hiwazaki
祐介 日和▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動通信システムのソフトウェア・ハー
ドウェア規模の増大を最小限に抑えつつ、パケット量の
増加に対応すること。 【解決手段】 UE101とTE106間で送受信され
るパケット量が増加した場合、RNCやSGSN、GG
SNを増設する代わりに、インターネットプロトコルの
処理だけを行うルータ装置により構成されるIPネット
ワークを増設して、増加したパケットを収容する。この
とき、BTS102において、W−CDMA方式の無線
回線制御処理および所定のレイヤ2処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネット通
信に代表されるパケット通信システムや、移動通信シス
テムなどの分野で、音声信号の伝送効率を高めるために
利用される音声符号化・復号化装置に適用するLPCパ
ラメータのベクトル量子化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インターネット通信に代表されるパケッ
ト通信システムや、移動通信システムなどで音声信号を
伝送する場合、音声信号の伝送効率を高めるため、圧縮
・符号化技術がよく使われる。これまでに多くの音声符
号化方式が開発されており、近年開発された低ビットレ
ート音声符号化方式の多くは、音声信号をスペクトル包
絡情報とスペクトルの微細構造情報とに分離し、分離し
た情報をそれぞれ圧縮・符号化する方式である。例え
ば、文献1(M.R.Schroeder, B.S.Atal, "Code Excited
Linear Prediction:High Quality Speech at Low Bit
Rate", IEEE proc.,ICASSP'85 pp.937-940)に記載され
たCELP方式がその一例である。
【0003】ここで、CELP方式の音声符号化装置の
概要について図8を用いて説明する。なお、入力音声信
号は、20ms程度の時間間隔で区切られた処理フレー
ムごとに、音声符号化装置に逐次入力されるものとす
る。
【0004】処理フレームごとに音声符号化装置に入力
された入力音声信号は、まず、LPC分析部11に供給
される。LPC分析部11は、入力音声信号をLPC
(Linear Predictive Coding)分析してLPC係数を得
て、得られたLPC係数をベクトル量子化してLPC符
号とし、このLPC符号を復号化して復号化LPC係数
を得る。
【0005】音源作成部14は、適応符号帳12及び固
定符号帳13から、それぞれ適応コードベクトル及び固
定コードベクトルを読み出して、LPC合成部15へ送
る。LPC合成部15は、音源作成部14から供給され
る適応コードベクトル及び固定コードベクトルを、LP
C分析部11より与えられる復号化LPC係数をフィル
タ係数にもつ全極型の合成フィルタでそれぞれ合成フィ
ルタリングし、合成適応コードベクトル及び合成固定コ
ードベクトルを得る。
【0006】比較部16は、LPC合成部15から出力
される合成適応コードベクトルと合成固定コードベクト
ルと入力音声信号との関係を分析して、合成適応コード
ベクトルに乗じる適応符号帳最適ゲインと合成固定コー
ドベクトルに乗じる固定符号帳最適ゲインをそれぞれ求
める。さらに、比較部16は、合成適応コードベクトル
に適応符号帳最適ゲインを乗じて得られるベクトルと、
合成固定コードベクトルに固定符号帳最適ゲインを乗じ
て得られるベクトルとを加算して合成音声ベクトルを
得、得られた合成音声ベクトルと入力音声信号との距離
計算を行う。
【0007】比較部16は、また、適応符号帳12が格
納している適応コードベクトルと、固定符号帳13が格
納している固定コードベクトルの全組合わせに対して音
源作成部14及びLPC合成部15を機能させて得られ
る多くの合成音声ベクトルと入力音声信号との距離計算
を行い、その中から距離を最小化する適応コードベクト
ルのインデクスと固定コードベクトルのインデクス求
め、各符号帳から出力されるコードベクトルのインデク
ス、インデクスに対応するそれぞれのコードベクトル、
並びにインデクスに対応する適応符号帳最適ゲイン及び
固定符号帳最適ゲインをパラメータ符号化部17へ送
る。
【0008】パラメータ符号化部17は、適応符号帳最
適ゲインと固定符号帳最適ゲインを符号化してゲイン符
号を得、得られたゲイン符号と、LPC分析部11から
与えられたLPC符号と、各符号帳のインデクスとを処
理フレームごとにまとめて出力する。
【0009】パラメータ符号化部17は、また、適応符
号帳のインデクスに対応する適応コードベクトルにゲイ
ン符号に対応する適応符号帳ゲインを乗じて得られるベ
クトルと、固定符号帳のインデクスに対応する固定コー
ドベクトルにゲイン符号に対応する固定符号帳ゲインを
乗じたベクトルとの2つベクトルを加算して駆動音源ベ
クトルを得、得られた駆動音源ベクトルで適応符号帳1
2内の古い適応コードベクトルを更新する。
【0010】なお、LPC合成部15における合成フィ
ルタリングは、線形予測係数や、高域強調フィルタや、
入力音声を長期予測分析して得られる長期予測係数を用
いた聴感重み付けフィルタを併用するのが一般的であ
る。また、適応符号帳と固定符号帳の最適インデクスの
探索、最適ゲインの算出、最適ゲインの符号化処理は、
フレームを更に分割したサブフレーム単位で行われるの
が一般的である。
【0011】次に、LPC分析部11が行う"LPC係
数のベクトル量子化"の処理概要について、図9を用い
てさらに詳しく説明する。なお、LPCコードブック2
2には、多くの処理フレームの入力音声信号を実際にL
PC分析して得られる多くのLPC係数に対してLBG
アルゴリズムを適用することで予め獲得された複数種類
の代表的LPC係数が格納されているものとする。LB
Gアルゴリズムに関しては、文献2(Y. Linde, A. Buz
o, R. M. Gray, "An Algorithm for Vector Quantizer
Design," IEEE trans. Comm., Vol. COM-28, No. 1, pp
84-95, Jan., 1980)に、その技術詳細が開示されてい
る。
【0012】図9のベクトル量子化装置に入力された量
子化ターゲット(処理フレーム区間の音声信号をLPC
分析して得たLPC係数が量子化ターゲットに相当す
る)は、距離計算部21に供給される。次に、距離計算
部21が、LPCコードブック22に格納されたLPC
コードベクトルと前記量子化ターゲットとのユークリッ
ド距離を下記式(1)により計算する。
【0013】
【数1】 ・・・式(1) ただし、式(1)において、XTは量子化ターゲット、
mはLPCコードブック内のm(1≦m≦M)番目の
LPCコードベクトル、iはベクトルの要素番号、Nは
ベクトルの次数(LPC分析次数と対応している)、d
mはXTとCmとの間のユークリッド距離である。
【0014】距離計算部21は、LPCコードブック2
2が格納する全てのLPCコードベクトルと量子化ター
ゲットとの間のユークリッド距離を逐次計算し、計算結
果をLPC符号探索部23へ逐次出力する。LPC符号
探索部23は、距離計算部21から供給されるそれぞれ
のユークリッド距離を大小比較し、ユークリッド距離を
最小化するLPCコードベクトルのインデクスをLPC
符号(処理フレームのスペクトル包絡情報を表現する符
号)として出力する。
【0015】一方、LPC符号から復号化LPC係数を
生成する(LPCパラメータの復号化処理)場合には、
LPC符号が示すインデクスと対応するLPCコードベ
クトルをLPCコードブックから読み出せばよい。な
お、LPC符号から復号化LPC係数を生成する処理
は、復号化LPC係数をフィルタ係数とする全極型のL
PC合成フィルタを構成するため、音声符号化装置及び
音声復号化装置の双方で行われるのが一般的である。
【0016】近年開発された多くの音声符号化・復号化
装置においては、LPC係数がそのままベクトル量子化
されることはなく、LPC係数は、それと一対一に相互
変換可能な周波数領域のパラメータであるLSF(Line
Spectral Frequency)パラメータやLSP(Line Spectra
l Pairs)パラメータに変換された後に、周波数領域でベ
クトル量子化されることが一般的である。LPC係数を
直接ベクトル量子化する場合よりも、周波数領域に変換
した後にベクトル量子化した方が量子化効率、補間特性
が高いためである。なお、LSF(もしくはLSP)パ
ラメータの特徴、LPC係数との相互変換方法について
は、文献3(F.Itakura, "Line Spectrum Representati
on of Linear Predictive Coefficients of Speech Sig
nals,"J. Acoust. Soc. Amer., vol57, p.S35, Apr.197
5)や、文献4(L. K. Paliwaland B. S. Atal, "Effici
ent Vector Quantization of LPC Parameter at 24 Bit
s/Frame," IEEE trans. on Speech and Audio Processi
ng, vol. 1, pp. 3-14, Jan. 1993)に開示されてい
る。
【0017】例えば、LSFパラメータをベクトル量子
化する場合には、LPC係数を変換して得られる周波数
領域のLSFパラメータLSFT[i](i=1,…,
N)が量子化ターゲットとしてベクトル量子化器に入力
される。この場合、LPCコードブックにLSFパラメ
ータ表現されたコードベクトルLSFm[i](i=
1,…,N)を格納しておけば、LPC係数をベクトル
量子化する場合と同様の手順で、LSFパラメータをベ
クトル量子化することが可能である。ただし、LSF
(もしくはLSP)パラメータをベクトル量子化する場
合には、LPC符号探索の尺度としては、上記式(1)
の代わりに下記式(2)の重み付きユークリッド距離d
mが使用されることが多い。
【0018】
【数2】 ・・・式(2) 重み付きユークリッド距離については、例えば、前記文
献4や文献5(A. Kataoka, T. Moriya and S. Hayash
i, "An 8-kb/s Conjugate Structure CELP (CS-CELP) S
peech Coder," IEEE trans. Speech and Audio Process
ing, vol. 4, No. 6, pp.401-411, Nov. 1996)や文献
6(R. Hagen, E. Paksoy, and A. Gersho,"Voicing-Spe
cific LPC Quantization for Variable-Rate Speech Co
ding," IEEE trans. Speech and Audio Processing, vo
l. 7, no. 5, pp.485-494, Sept.,1999)にその詳細が開
示されている。
【0019】なお、LPC符号から復号化LSFパラメ
ータを生成する処理(LSFパラメータの復号化処理)
についても、LPC符号から復号化LPC係数を生成す
る場合と同様の方法、すなわちLPC符号に係るLSF
コードベクトルをコードブックから読み出すことで実現
できる。ただしこの場合、LPC符号に基づいて読み出
された復号化LSFパラメータは周波数領域のパラメー
タである。したがって、全極型構造のLPC合成フィル
タのフィルタ係数を獲得するためには、復号化LSFパ
ラメータを復号化LPC係数に変換する必要が別途必要
となる。
【0020】CELP方式などの音声符号化・復号化装
置においては、音声信号の短時間的なスペクトル包絡情
報を表すLPCパラメータ(以下、LPC係数や、LP
C係数と相互変換可能なLSFなどのパラメータを"L
PCパラメータ"と総称する)は、ベクトル量子化器に
より圧縮・符号化されるのが一般的である。しかし、図
9のような単純な構成のベクトル量子化器をそのまま適
用した場合には、処理フレームごとに生じる量子化歪み
が大きくなり、良好な合成音声を得ることできない。そ
のため、「予測ベクトル量子化技術」、「多段ベクトル
量子化技術」、「スプリットベクトル量子化技術」な
ど、ベクトル量子化器の性能を向上させるための研究・
開発がこれまでに多くなされており、高性能なベクトル
量子化器を設計するためには、それら多くの技術を併用
することが不可欠となっている。
【0021】ところで、LPCパラメータのベクトル量
子化器を新たに設計(もしくは改良)した場合には、そ
の量子化器の性能を比較評価するための評価尺度が必要
となる。性能評価の際には、LPCパラメータが本来的
に音声信号の短時間的なスペクトル包絡情報を表現する
パラメータであることを考慮した評価尺度を用いること
が望ましい。そのため、量子化ターゲットをベクトル量
子化した際に生じる歪みを、LPCモデルのスペクトル
に対応したLPCケプストラム空間で比較する下記式
(3)のCD(Cepstral Distortion)や、FFT(Fas
t Fourier Transformation)スペクトル空間で比較する
下記式(4)のSD(Spectral Distortion)が評価尺
度としてよく利用される。
【0022】
【数3】 ・・・式(3) ただし、式(3)において、Lは評価データのフレーム
数、l(エル)はフレーム番号、NcはLPCケプスト
ラム次数(LPC分析次数Nが10次の場合、Ncは1
6次数程度であることが多い)、CEPt (l)[i]はl番
目処理フレームの量子化ターゲットを変換して得られる
LPCケプストラム、CEPq (l)[i]はl番目処理フレ
ームの復号化LPCパラメータを変換して得られるLP
Cケプストラムである。LPCケプストラムの特徴や、
LPC係数とLPCケプストラム間の相互変換方法は、
例えば文献7(M R.Shroeder, "Direct(Nonrecursive) R
elations Between Cepstrum and Predictor Coefficien
ts, "IEEE trans. on vol. ASSP-29, No.2, pp.297-30
1, Apr.,1981.)にその技術の詳細が開示されている。
【0023】
【数4】 ・・・式(4) ただし式(4)において、Lは評価データのフレーム
数、l(エル)はフレーム番号、KはFFT点数、SP
t (l)(ωj)はl番目処理フレームの量子化ターゲット
のFFTパワースペクトラム、SPq (l)(ωj)はl番
目処理フレームの復号化LPCパラメータのFFTパワ
ースペクトラム、ωj=2πj/Kである。SDの特徴は、
例えば、前記文献4にその技術の詳細が開示されてい
る。
【0024】式(3)のCDや式(4)のSDは、いず
れも処理フレームごとに生じる量子化歪みを評価データ
全体に渡って加算した後、加算結果を評価データ内のフ
レーム数で平均したものである。したがって、CDやS
Dが小さいほど、ベクトル量子化器の性能は高いことと
なる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】LPCパラメータをベ
クトル量子化する場合、ユークリッド距離式(1)や、
重み付きユークリッド距離式(2)が符号探索の基準尺
度として利用されている。一方、LPCパラメータのベ
クトル量子化器の性能は、式(3)記載のCDや式
(4)記載のSDを尺度として評価されることが一般的
である。すなわち、これまでに開発されたLPCパラメ
ータのベクトル量子化器においては、ベクトル量子化器
が符号探索の際に利用する基準尺度と、ベクトル量子化
器の性能評価に用いる評価尺度とが異なっている。その
ため、LPCパラメータをベクトル量子化して選択され
たLPC符号が、評価尺度であるCDやSDを実際に最
小化するインデクスであるとは限らず、このことが高性
能なベクトル量子化器を構成する上で課題となってい
る。
【0026】上記課題に対する最も簡単な解決方法案と
しては、LPCコードベクトルを相互変換可能なLPC
ケプストラムコードベクトル(もしくはFFTパワース
ペクトラムコードベクトル)に予め変換してからコード
ブックに格納しておき、次に、量子化ターゲットが入力
されるたびにそれをLPCケプストラム(もしくはFF
Tパワースペクトラム)に変換し、CD(もしくはS
D)を距離尺度としてLPCケプストラムコードベクト
ル(もしくはFFTパワースペクトラムコードベクト
ル)を選択すれば良いよう考えられる。
【0027】しかしながら、上記解決方法案では、コー
ドベクトルを格納するためのメモリ容量が大幅に増加し
てしまう。さらに、低ビットレート音声符号化方式にお
いて頻繁に利用される「予測ベクトル量子化技術」や
「多段ベクトル量子化技術」を併用したベクトル量子化
器を考えた場合、LPCケプストラムと相互変換性のな
いベクトル(予測残差ベクトルや量子化誤差ベクトル)
をコードブックに格納しておく必要があるので、上記解
決方法案を採用することはできない。
【0028】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、LPCパラメータのベクトル量子化器の量子化性
能を高め、音声符号化・復号化装置における合成音声の
品質向上を図ることができるLPCパラメータのベクト
ル量子化装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明のLPCパラメー
タのベクトル量子化装置は、(重み付き)ユークリッド
距離を尺度としてコードベクトルを予備選択する予備選
択手段と、スペクトル空間の歪みを尺度としてコードベ
クトルを本選択する本選択手段と、を具備し、前記予備
選択手段は、音声信号のLPCパラメータを量子化ター
ゲットとして入力する入力手段と、多数のコードベクト
ルを格納するコードブックと、前記コードブックが格納
するコードベクトルを逐次読み出す読出し手段と、前記
ターゲットベクトルとコードベクトルとの(重み付き)
ユークリッド距離を計算する計算手段と、前記計算され
た(重み付き)ユークリッド距離の大小関係を比較する
比較手段と、大小比較の結果に基づいてコードブックが
格納する多数のコードベクトルを少数個のコードベクト
ルに予備選択する予備選択手段と、を有する構成を採
る。
【0030】本発明のLPCパラメータのベクトル量子
化装置において、コードベクトルを本選択する本選択手
段は、音声信号のLPCパラメータをスペクトル空間内
の信号に変換する第1変換手段と、前記コードベクトル
を予備選択する予備選択手段によって予備選択された少
数個のコードベクトル全てをスペクトル空間内の信号に
変換する第2変換手段と、音声信号のLPCパラメータ
と予備選択により残された少数個のコードベクトルとの
間の歪みをスペクトル空間内でそれぞれ算出する算出手
段と、前記スペクトル空間内での歪みを最小化するコー
ドベクトルを予備選択されたコードベクトルの中から特
定する特定手段と、特定されたコードベクトルに係るイ
ンデクスを音声信号のスペクトル包絡情報を表現するL
PC符号として出力する出力手段と、を有する構成を採
る。
【0031】これらの構成によれば、コードブックが格
納する多数のコードベクトルを、(重み付き)ユークリ
ッド距離を尺度とする予備選択手段により、少数個のコ
ードベクトルに減らすことができ、さらには、予備選択
によって残された少数個のコードベクトルから、量子化
ターゲットとのスペクトル空間内の歪みを最小化するコ
ードベクトルを1つ選択することが可能になる。
【0032】また、本発明の適用による"演算量の増加
分"は、予備選択候補数を制御することで自由に制御す
ることが可能である。したがって、LPC符号探索に要
する演算量を大幅に増加させることなく、より高性能な
(スペクトル空間内での歪み量を小さくできる)LPC
パラメータのベクトル量子化装置を構成することが可能
となる。また、本発明のベクトル量子化装置を音声符号
化・復号化装置に適用することで、より高品質な合成音
声を得ることが可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、LPC符号を選
択する際に好適な尺度でLPC符号を予備選択し、その
予備選択されたLPC符号に対して、LPC符号を評価
する際に好適な尺度でLPC符号を本選択することによ
り、ベクトル量子化装置で選択されるLPC符号と評価
尺度を最小化するLPC符号との間の合致性を高めるこ
とで量子化性能を高め、音声符号化・復号化装置におけ
る合成音声の品質向上を図ることである。
【0034】以下、本発明の実施の形態について、添付
図面を参照して詳細に説明する。
【0035】(実施の形態1)本発明に係るLPCパラ
メータのベクトル量子化装置について、図1を用いて説
明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るベクトル
量子化装置の構成を示すブロック図である。
【0036】このベクトル量子化装置は、LSFコード
ベクトルを格納するLSFコードブック101と、LS
Fコードブック101のLSFコードベクトルと量子化
ターゲットベクトルとの間の距離計算を行う距離計算部
102と、距離計算部102で求められた距離に基づい
てLPC符号の予備選択を行うLPC符号予備選択部1
03と、LSFパラメータをLPC係数に変換するLS
F・LPC係数変換部104,106と、LPC係数を
LPCケプストラムに変換するLPC係数・LPCケプ
ストラム変換部105,107と、LPCケプストラム
空間での歪み評価結果に基づいてLPC符号を本選択す
るLPC符号本選択部108とを備えている。
【0037】なお、上記構成のベクトル量子化装置にお
いて、LSFコードブック101には、LBGアルゴリ
ズムによって予め獲得されたM個のLSFコードベクト
ルが格納されているものとする。また、本実施の形態に
おけるLPCパラメータのベクトル量子化装置において
は、処理フレーム区間の音声信号をLPC分析してLP
C係数を得て、得られたLPC係数をさらに変換して得
られるLSFパラメータが、量子化ターゲットとして入
力されるものとする。以下、量子化ターゲットをLSF
T[i](i=1,…,N)と記号表現することもある。
また、NはLPC分析次数である。
【0038】ベクトル量子化装置に入力された量子化タ
ーゲット(LSFT[i](i=1,…,N))は、ま
ず、距離計算部102及びLSF・LPC係数変換部1
06へ供給される。一方、LSFコードブック101
は、LPC符号予備選択部103から供給された指示情
報(インデクスmが情報として供給される)に対応する
LSFコードベクトルLSFm[i](i=1,…,N)
を距離計算部102へ供給する。
【0039】距離計算部102は、量子化ターゲットベ
クトル(LSFT[i](i=1,…,N))とLSFコ
ードベクトル(LSFm[i](i=1,…,N))との
間の重み付きユークリッド距離を上記式(2)により計
算し、計算結果dmをLPC符号予備選択部103へ出
力する。LPC符号予備選択部103は、インデクスm
に係る距離dmを受理した後、LSFコードブック10
1に対して、次のインデクス(m+1)に係るLSFコ
ードベクトルを出力するよう指示する。
【0040】LPC符号予備選択部103での処理は、
LSFコードブック101が格納するすべてのLSFコ
ードベクトル(ここでは、総数がM個であるとする)と
量子化ターゲットと重み付きユークリッド距離とがLP
C符号予備選択部103に出力されるまで、M回繰り返
して行われるものとする。このため、LPC符号予備選
択部103の処理の完了時点においては、LPC符号予
備選択部103には、M個の距離dm(m=1,…,
M)が入力されることとなる。
【0041】LPC符号予備選択部103は、入力され
たM個の重み付きユークリッド距離を大小比較し、その
値を小さくするインデクスを上位からS個選択(本実施
の形態において、Sの値は予め設定されていることとす
る)し、Ncand[j](j=1,…,S)に記録する(N
cand[j]には、1からMまでのインデクスのいずれかが
記録される)。そして、Ncand[j](j=1,…,S)
に記録されたインデクスをLSFコードブック101に
指示し、該当するLSFコードベクトルLSF Ncand[j]
[i](i=1,…,N、j=1,…,S)をLSFコー
ドブック101から受け取る。そして、受け取ったS個
のLSFコードベクトルをLSF・LPC係数変換部1
04へ出力する。
【0042】LSF・LPC係数変換部104は、LP
C符号予備選択部103より供給されたS個(予備選択
数)のLSFコードベクトルLSFNcand[j][i](i=
1,…,N、j=1,…,S)を、それぞれLPC係数
に変換してLPCNcand[j][i](i=1,…,N、j=
1,…,S)を得て、得られたS個のLPC係数をLP
C係数・LPCケプストラム変換部105へ出力する。
【0043】LPC係数・LPCケプストラム変換部1
05は、LSF・LPC係数変換部104より供給され
たS個のLPC係数 LPCNcand[j][i](i=1,
…,N、j=1,…,S)を、それぞれLPCケプスト
ラムに変換してCEPNcand[j][i](i=1,…,N
c、j=1,…,S:NcはLPCケプストラム次数)
を得て、得られたS個のLPCケプストラムをLPC符
号本選択部108へ出力する。
【0044】一方、LSF・LPC係数変換部106
は、量子化ターゲットLSFT[i](i=1,…,N)
をLPC係数に変換してLPCT[i](i=1,…,
N)を得て、得られたLPC係数をLPC係数・LPC
ケプストラム変換部107へ出力する。LPC係数・L
PCケプストラム変換部107は、LSF・LPC係数
変換部106より供給されたLPC係数LPCT[i]
(i=1,…,N)をLPCケプストラムに変換して、
CEPT[i](i=1,…,Nc)を得て、得られたL
PCケプストラムをLPC符号本選択部108へ出力す
る。
【0045】そして、LPC符号本選択部108は、L
PC係数・LPCケプストラム変換部105より供給さ
れるCEPNcand[j][i](i=1,…,Nc、j=1,
…,S)と、LPC係数・LPCケプストラム変換部1
07より供給されるCEPT[i](i=1,…,N、j
=1,…,S)との間の歪みを下記式(5)により計算
し、それぞれの計算結果をDj(j=1,…,S)に保
持する。
【0046】
【数5】 ・・・式(5) そしてDj(j=1,…,S)をそれぞれ大小比較し、
Djを最小化する番号jを1つ特定し(特定されたjを
Jとここでは表現する)、特定されたJに係るNcand
[J]を当該処理フレームのLPC符号(処理フレーム
内の音声信号のスペクトル包絡情報を表現するための符
号)として出力する。なお、上記式(5)の最小化を基
準として選択した「J」と、上記式(3)のCDを最小
化を基準として選択した場合に得られるLPC符号
(「J'」とする)が同一になることは、式(5)と式
(3)の関係より明らかである。
【0047】なお、本実施の形態の説明においては、説
明に一般性を持たせるため、LSFコードブック101
が格納するLSFコードベクトルの個数をM、LPC符
号予備選択部103が予備選択するコードベクトルの数
をS個として説明を行っている。このうち、上記Mの値
は、LPCパラメータのベクトル量子化装置に配分され
るビット数によって決まる。例えば、図1に示すベクト
ル量子化装置に、例えばフレームあたり21ビットのビ
ットが配分された場合には、Mの値は、221といった非
常に大きな数になる。また、上記Sの値は、自由に設定
することが可能であるが、経験的に、もしくは、事前の
性能評価試験を通して8、16もしくは32あたりに設
定されることが多い。
【0048】次に、図1に示すベクトル量子化装置から
出力されるLPC符号(Ncand[J])から復号化LPC
係数を生成する処理(LPCパラメータの復号化処理と
もいう)を、図2に示すLPCパラメータの復号化装置
を用いて説明する。ただし、図2に示す復号化装置は、
ベクトル量子化装置内と同じLSFコードブック201
と、LSFコードブック201からLSFコードベクト
ルを読み出すコードベクトル読み出し部202とを備え
ている。
【0049】図2に示すLPCパラメータの復号化装置
に入力されたLPC符号(Ncand[J])は、まず、コー
ドベクトル読み出し部202へ供給される。次に、コー
ドベクトル読み出し部202は、LPC符号(Ncand
[J])に対応するLSFコードベクトルを出力するよう
に、LSFコードブック201へ指示する。すると、L
SFコードブック201は、LSFNcand[J][i](i=
1,…,N)をコードベクトル読み出し部202へ出力
する。コードベクトル読み出し部202は、LSFコー
ドブック201から供給されたベクトルを復号化LSF
パラメータとして出力する。
【0050】なお、上記LPCパラメータ復号化装置か
らの出力される復号化LSFパラメータはLSF空間の
信号であるため、全極型のLPC合成フィルタを構成す
るためには、前記復号化LSFパラメータをLPC係数
空間の信号である復号化LPC係数に変換する処理が別
途必要である。
【0051】以上説明したLPCパラメータのベクトル
量子化装置によれば、量子化ターゲットであるLSFパ
ラメータをベクトル量子化する際に、LSFコードブッ
クが格納する多数のLSFコードベクトルから、重み付
きユークリッド距離を尺度として、予め設定した少数個
のコードベクトルに予備選択することが可能であり、予
備選択によって残された少数個のLSFコードベクトル
からは、CD最小化を尺度として最終的な符号を本選択
することが可能になる。
【0052】したがって、上記実施の形態によるベクト
ル量子化装置を用いると、LPC符号探索に要する演算
量を大幅に増加させることなく、従来技術の課題(ベク
トル量子化装置で選択されるLPC符号と、CDを最小
化するコードベクトルのインデクスとが一致しないこと
が多くあるという課題)を緩和することができ、LPC
パラメータのベクトル量子化装置の性能を向上させるこ
とが可能になる。
【0053】なお、本実施の形態によれば、本発明によ
るベクトル量子化装置と、従来技術説明の項で説明した
ベクトル量子化装置とを比較した場合、本発明によるベ
クトル量子化装置の方が、若干符号探索に要する演算量
が増加する。演算量増加分は以下の6つに整理される。 (1)量子化ターゲットをLPC係数に変換する演算量 (2)(1)によるLPC係数をLPCケプストラムに
変換する演算量 (3)予備選択されたコードベクトルをLPC係数に変
換する演算量 (4)(3)によるLPC係数をLPCケプストラムに
変換する演算量 (5)(2)と(4)によるLPCケプストラム間の歪
みを計算する演算量 (6)(5)による歪みを大小比較し、歪みを最小化す
るコードベクトルのインデクを特定するための演算量 この場合、上記演算量増加分の大小は、概ね予備選択し
て残すコードベクトルの候補数で制御することができる
((1)から(6)の演算量を実質的に支配するのは、
(3),(4),(5),(6)であり、これらが予備
選択の候補数に直接依存するため)。すなわち、本発明
のベクトル量子化装置によれば、LPC符号探索に要す
る演算量の増加分と、ベクトル量子化装置の性能向上と
のトレードオフの関係を、LPC符号予備選択部103
に設定する予備選択候補数の増減で自由に調整可能であ
る。このように、本実施の形態によれば、LPC符号探
索に要する演算量の増加分に配慮しながらベクトル量子
化装置の性能向上を図ることが可能となる。
【0054】さらに、本実施の形態では、LPC符号予
備選択部が残すLSFコードベクトルの候補数が予め決
められている場合について説明しているが、例えば重み
付きユークリッド距離にしきい値を設定しておき、設定
したしきい値より重み付きユークリッド距離が小さい候
補を予備選択後の候補として残すなど、他の予備選択方
法を用いることも可能であり、その場合にも同様の効果
・作用を得ることが可能である。
【0055】また、本実施の形態では、LPC符号予備
選択部が上記式(2)の重み付きユークリッド距離を尺
度としてLSFコードベクトルの予備選択を行う場合に
ついて説明しているが、例えば、前記文献4内の数
(8)や数(10)など、上記式(2)と数式的に異な
る重み付きユークリッド距離を用いる場合についても本
発明は実施可能であり、その場合にも、本実施の形態と
同様の効果・作用を得ることができる。
【0056】なお、重み付きユークリッド距離の"重み"
についても、これまでに様々な算出方法が提案(例え
ば、LSFパラメータの隣接する要素間の距離に応じて
重み付けを行う文献5に記載の方法や、量子化ターゲッ
トのパワースペクトルに応じて重み付けを行う文献6に
記載の方法など)されているが、本発明は"重み"の算出
方法の如何に関わらず適用可能であり、その場合にも同
様の効果・作用を得ることができる。
【0057】また、本発明の実施の形態では、ベクトル
量子化装置に入力されるLPCパラメータがLSFであ
る場合について説明しているが、LSPパラメータ、P
ARCOR係数、LPC係数など、音声信号の短時間的
なスペクトル包絡情報を表現する他のパラメータが、タ
ーゲットベクトルとしてベクトル量子化装置に入力され
る場合についても、本発明は適用可能であり、その場合
にも同様の効果・作用を得ることができる。
【0058】ただし、例えばLSPが量子化ターゲット
として入力される場合には、LSF・LPC係数変換部
104,106をLSP・LPC係数変換部に、LSF
コードブック101をLSPコードブックに変更してお
く必要がある。
【0059】また、本発明の実施の形態では、符号本選
択部がCD(Cepstral Distortion)を尺度として最終
的なLPC符号を特定する場合について説明している
が、LPC係数・LPCケプストラム変換部(105,
107)を、LPC係数からFFTパワースペクトラム
を計算する機能を有するLPC係数・FFTパワースペ
クトラム算出部に置きかえ、さらにLPC符号本選択部
108が行う計算式を上記式(5)から、式(4)の平
方根内部の計算式に置きかえれば、SD(Spectral Dis
tortion)を最終的なLPC符号を特定する尺度として
用いることも可能であり、この場合にも同様の効果・作
用を得ることができる。
【0060】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、CELP方式やVocoder方式などの音声符号化・復
号化装置における音声信号の短時間的なスペクトル包絡
情報の符号化・復号化する箇所に本ベクトル量子化装置
を適用することが好適であることが分かる。
【0061】(実施の形態2)本実施の形態では、予測
ベクトル量子化技術、多段ベクトル量子化技術、スプリ
ットベクトル量子化技術を併用したLPCパラメータの
ベクトル量子化装置に、本発明に係る技術を適用した際
のベクトル量子化装置の構成、処理手順、その効果・作
用について説明する。
【0062】なお、ベクトル量子化装置の構成は、音声
符号化・復号化装置全体のビットレートや、その中でL
PCパラメータのベクトル量子化装置に配分されるビッ
ト数に大きく依存する。ここでは、説明を簡単化するた
め、20ms間隔の処理フレームあたり21ビットのビ
ット情報が割り当てられたベクトル量子化装置を具体例
として以下の説明を進める。
【0063】さらに、具体的には、当該説明で利用する
ベクトル量子化装置では、3次のMA(Moving Averag
e)予測技術を用い、処理フレーム当たり4セット(切
替情報として2ビット必要)のMA予測係数が使われる
こととする。また、当該説明で利用するベクトル量子化
装置は、2段ベクトル量子化技術を用いることとする。
さらに、当該説明で利用するベクトル量子化装置では、
2段ベクトル量子化装置の第2段目にスプリットベクト
ル量子化技術が使われているものとする。なお、1段目
ベクトル量子化器、2段目低次成分のベクトル量子化
器、及び2段目高次成分のベクトル量子化器それぞれに
は、7ビット、6ビット、及び6ビットがそれぞれ割り
当てられているものとする。
【0064】図3は、本発明の実施の形態2に係るベク
トル量子化装置の構成を示すブロック図である。図3に
示すように、本発明に係る技術を適用した3次MA予測
を用いた2段スプリット構成のベクトル量子化装置は、
重み算出部301と、予測係数コードブック302と、
MA予測器303と、予測残差算出部304と、1段目
コードブック305と、1段目距離計算部306と、1
段目VQ予備選択部307と、1段目VQ残差計算部3
08と、2段目低次コードブック309と、2段目低次
距離計算部310と、2段目高次距離計算部311と、
2段目高次コードブック312と、2段目低次符号探索
部313と、2段目高次符号探索部314と、予測残差
復号化部315と、復号化LSF生成部316と、LS
F・LPC係数変換部317,319と、LPC係数・
LPCケプストラム変換部318,320と、LPC符
号本選択部321とを備えている。
【0065】図3の説明においては、まず始めに、LS
Fパラメータが入力されてから、1段目ベクトル量子化
器のターゲットベクトルが得られるまでの処理(重み算
出部301、予測係数コードブック302、MA予測器
303、予測残差算出部304に係る処理)を詳細に説
明する。
【0066】図3のベクトル量子化装置に入力されたL
SFパラメータは、重み算出部301、予測残差算出部
304及びLSF・LPC係数変換部319へ供給され
る。重み算出部301は、LSFパラメータに基づいて
重み付きユークリッド距離計算時に利用する"重み"を算
出し、この重みを1段目距離計算部306、2段目低次
距離計算部310及び2段目高次距離計算部311に出
力する。
【0067】なお、重み算出部301で"重み"を算出す
る方法としては、LSFパラメータの隣接する要素間の
距離に応じて"重み"を算出する文献5に記載の方法や、
LSFパラメータのパワースペクトルに応じて"重み"を
算出する文献6に記載の方法などを利用することができ
る。本発明の実施の形態では、"重み"の算出には特に限
定を加えないものとする。
【0068】MA予測器303は、復号化予測残差格納
部322が格納している過去3フレーム分の復号化予測
残差ベクトルと、予測係数コードブック302が格納し
ている3次のMA予測係数を用いて予測ベクトルを算出
し、算出した予測ベクトルを予測残差算出部304へ出
力する。
【0069】なお、予測ベクトルを算出・出力する上記
処理は、予測係数コードブック302が格納している4
セットの3次MA予測係数それぞれについて行うことと
する。したがって、MA予測器303からは、トータル
4種類の予測ベクトルが出力されることとなる。また、
MA予測器303に格納されている4セットの予測係数
は、任意に初期設定した4セットのMA予測係数に対
し、文献8(S. P. Lloyd, "Least Square Quantizatio
n in PCM," IEEE trans. Inform. Theory IT-28,pp. 12
9-137, 1982)などに開示されている一般化Lloydアルゴ
リズムを適用して予め獲得されたものである。以降で
は、説明をわかり易くするため、4セットの3次MA予
測係数をMAk[j][i]と記号表示することもある。
【0070】ただし、上記記号表示において、k(=
1,…,4)は3次MA予測係数のセット番号に対応し
ており、j(=0, …,3)はフレーム番号に対応して
おり(j=0が現処理フレーム、j=1が現処理フレー
ムより1つ過去の処理フレーム、j=2が現処理フレー
ムより2つ過去の処理フレーム、j=3が現処理フレー
ムより3つ過去の処理フレーム)、i(=1,…,N:
NはLPC分析次数)は予測係数のベクトル要素番号に
対応している。
【0071】予測残差算出部304は、まずLSFパラ
メータから、平均LSF格納部323が格納している平
均LSFパラメータ(AV[i],i=1,…,N)を差
分する。なお、前記の平均LSFパラメータ(AV
[i],i=1,…,N)は、複数フレームにわたる音声
信号全体のLSPパラメータを平均化して求まるパラメ
ータであり、実際の符号化・復号化処理を行う以前の段
階で予め獲得され、平均LSF格納部323に格納され
ているものとする。そして次に、前記差分によって得ら
れたベクトルから、MA予測器303から供給された予
測ベクトルを差分して予測残差ベクトルを算出し、算出
された予測残差ベクトルを1段目ベクトル量子化器のタ
ーゲットベクトルとして、1段目距離計算部306、1
段目VQ残差計算部308、復号化LSF生成部316
へ出力する。
【0072】なお、予測残差ベクトルの算出の算出・出
力を行う上記処理は、4セットのMA予測係数それぞれ
の場合について行われる。従って、予測残差算出部30
4からは、1段目ベクトル量子化器のターゲットベクト
ルが、トータル4種類出力されることとなる。
【0073】ここでまでで、LSFパラメータが入力さ
れてから、1段目ベクトル量子化器のターゲットベクト
ルが得られるまでの処理を詳細に説明した。次に、2段
ベクトル量子化器における1段目ベクトル量子化器の処
理(1段目コードブック305、1段目距離計算部30
6、1段目VQ予備選択部307、1段目VQ残差計算
部308に係る処理)を詳細に説明する。
【0074】1段目コードブック305は、128種類
の予測残差コードベクトルを格納している。なお、12
8種類の予測残差コードベクトルは、量子化ターゲット
を算出するまでの上記一連の処理を、多くの処理フレー
ム内の音声信号に対して行い、多くの予測残差ベクトル
を得て、得られた多くの予測残差ベクトルに対してLB
Gアルゴリズムを適用して予測残差ベクトルの代表的な
サンプルを128種類抽出し、抽出された128種類の
代表的なベクトルに対して前記文献8などに開示されて
いる一般化Lloydアルゴリズムをさらに適用して予め獲
得されたものである。
【0075】1段目距離計算部306は、予測残差算出
部304より供給された1段目ベクトル量子化器のター
ゲットベクトル(Xk[i],i=1,…,N)と、1段
目コードブック305から読み出したインデクスmの予
測残差コードベクトル(Cm[i],i=1,…,N)に
MA予測係数の現処理フレーム成分(MAk[0][i],
i=1,…,N)を乗じたベクトル(MAk[0][i]*
m[i],i=1,…,N)との間の重み付きユークリ
ッド距離を下記式(6)により算出し、算出された距離
の値を1段目VQ予備選択部307に出力する。
【0076】
【数6】 ・・・式(6) ただし、式(6)において、w[i]は重み算出部301
で算出した"重み"、kはMA予測係数のセット番号(k
=1,…,4)、mは1段目のコードブック内の予測残
差コードベクトルのインデクス(m=1,…,128)
である。
【0077】1段目距離計算部306における上記重み
付きユークリッド距離の計算は、1段目コードブック3
05が格納している128種類(m=1,…,128)
の予測残差コードベクトル(Cm[i],i=1,…,
N)と、予測残差算出部304から供給されるターゲッ
トベクトル(Xk[i],i=1,…,N)を生成する際
に利用した4セット(k=1,…,4)のMA予測係数
の全組み合わせ(512=128×4)について行われ
る。したがって、1段目距離計算部306から、1段目
VQ予備選択部307には全部で512個の距離dk,m
(k=1,…,4、m=1,…,128)が出力され
る。
【0078】1段目VQ予備選択部307は、1段目距
離計算部306から供給される前記512個の距離d
k,m(k=1,…,4、m=1,…,128)を小さい
順にソーティングし、距離を小さくするk(4セットあ
る3次MA予測係数のうち、どの3次予測係数セットを
使ったか)とm(128種類ある1段目コードブック3
05内のコードベクトルのうち、どのコードベクトルを
使ったか)の組み合わせ情報を、予め設定されたN1番
目までN1cand_k[j]とN1cand_m[j](j=1,…,
N1)にそれぞれ記録し、記録したN1cand_k[j]とN
1cand_m[j](j=1,…,N1)を、1段目VQ残差
計算部308、予測残差復号化部315及び復号化LS
F生成部316へ出力する。
【0079】1段目VQ残差算出部308は、1段目V
Q予備選択部307より供給されるN1通りのN1cand
_k[j]とN1cand_m[j](j=1,…,N1)の組み合
わせ情報に対応する3次予測係数セット(予測係数コー
ドブック302から読み出す)と1段目コードブック内
のコードベクトル(1段目コードブック305から読み
出す)を使って、予備選択選択処理を行った後に残存す
る1段目VQ残差ベクトルXj (2)[i](i=1,…,
N、j=1,…,N1)を下記式(7)によりN1通り
算出し、算出したN1通りのベクトルを、2段目低次距
離計算部310及び2段目高次距離計算部311へ出力
する。
【0080】
【数7】 なお、本実施の形態では、2段目ベクトル量子化器は、
1段目VQ残差ベクトルを低次成分(i=1,…,N
L)と高次成分(i=NL+1,…,N)に分解(スプ
リット)し、分解によって得られたそれぞれのベクトル
を個別にベクトル量子化するスプリット構成になってい
る。
【0081】したがって、1段目VQ残差ベクトル算出
部308で算出されたXj (2)[i](i=1,…,N、j
=1,…,N1)は、2段目ベクトル量子化器の構成に
合わせた形で2段目低次距離計算部310及び2段目高
次数距離計算部311に出力されることとなる。具体的
には、Xj (2)[i](i=1,…,NL、j=1,…,N
1)が2段目低次距離計算部310に出力され、Xj (2)
[i](i=NL+1,…,N、j=1,…,N1)が2
段目高次距離計算部311に出力される。
【0082】ここまでで、2段ベクトル量子化器におけ
る1段目ベクトル量子化器の処理を詳細に説明した。次
に、2段目ベクトル量子化器における2段目ベクトル量
子化器の処理(2段目低次コードブック309、2段目
低次距離計算部310、2段目高次距離計算部311、
2段目高次コードブック312、2段目低次符号探索部
313、2段目高次符号探索部314に係る処理)につ
いて詳細に説明する。
【0083】2段目低次コードブック309は、64種
類の2段目低次コードベクトル(C2Lm2L[i],i=
1,…,NL、m2L=1,…,64)を格納してい
る。なお、前記64種類のコードベクトルは、1段目V
Q残差ベクトルを算出する1段目ベクトル量子化器の最
後の処理までを、多くの処理フレーム内の音声信号につ
いて行い、多くの1段目VQ残差ベクトルの低次成分を
得て、得られた多くの予測残差ベクトル低次成分に対し
てLBGアルゴリズムを適用して1段目VQ残差ベクト
ル低次成分の代表的なサンプルを64種類抽出し、抽出
された64種類の代表的なベクトル低次成分に対して前
記文献8などに開示されている一般化Lloydアルゴリズ
ムをさらに適用して予め獲得されたものである。
【0084】一方、2段目高次コードブック312は、
2段目低次コードブック309が1段目VQ残差コード
ベクトル低次成分を獲得するのと同様の方法をベクトル
高次成分に適用して獲得した64種類の2段目高次コー
ドベクトル(C2Hm2H[i],i=NL+1,…,N、
m2H=1,…,64)を格納している。
【0085】2段目低次距離計算部310は、1段目V
Q残差計算部308より供給された1段目VQ残差分ベ
クトルの低次成分Xj (2)[i](i=1,…,NL、j=
1,…,N1)と、2段目低次コードブック309から
読み出したインデクスm2Lの2段目低次コードベクト
ル(C2Lm2L[i],i=1,…,NL)にMA予測係
数の現処理フレーム成分(MAN1cand_k[j][0][i],
i=1,…,NL)を乗じたベクトル(MA
N1cand_k[j][0][i]*C2Lm2L[i],i=1,…,N
L)との間の重み付きユークリッド距離を下記式(8)
により算出し、算出された距離の値d2Lj,m2Lを2段
目低次符号探索部313に出力する。
【0086】
【数8】 ただし、式(8)におけるw[i]は式(6)と同一の"
重み"である。
【0087】なお、2段目低次距離計算部310では、
各jに対して、2段目低次コードブック309が格納す
る64種類のコードベクトルに対して上記式(8)の距
離計算が行われ、求められた重み付きユークリッド距離
d2Lj,m2L(j=1,…,N1、m2L=1,…,6
4)は全て、2段目低次符号探索部313に出力される
ものとする(全部でN1*64個のd2Lj,m2Lが出力
される)。
【0088】2段目高次距離計算部311は、2段目低
次距離計算部310と同様の処理をベクトル高次数成分
に対して行い、重み付きユークリッド距離d2H
j,m2H(j=1,…,N1、m2H=1,…,64)を
2段目高次符号探索部314に出力する(トータルN1
*64個のd2Hj,m2Hが出力される)。
【0089】2段目低次符号探索部313は、2段目低
次距離計算部310から供給される重み付きユークリッ
ド距離d2Lj,m2L(j=1,…,N1、m2L=1,
…,64)について、距離を最小化するインデクスm2
Lを各jごとに1つ特定し、特定したN1個(j=1,
…,N1)のインデクスをそれぞれN2Lcand[j](j
=1,…,N1)に記録し、記録したN1個のN2Lca
nd[j](j=1,…,N1)を予測残差復号化部315
へ出力する。
【0090】2段目高次符号探索部314は、2段目高
次距離計算部311から供給される重み付きユークリッ
ド距離d2Hj,m2H(j=1,…,N1、m2H=1,
…,64)について、距離を最小化するインデクスm2
Hを各jごとに1つ特定し、特定したN1個(j=1,
…,N1)のインデクスをN2Hcand[j](j=1,
…,N1)に記録し、記録したN1個のN2Hcand[j]
(j=1,…,N1)を予測残差復号化部315へ出力
する。
【0091】ここまでが、2段目ベクトル量子化器にお
ける2段目ベクトル量子化器の処理の詳細説明である。
なお、上記の2段目ベクトル量子化器の処理を終えた時
点で、予測残差復号化部315には、以下の4情報の組
み合わせ情報が、N1通り(j=1,…,N1)供給さ
れていることとなる。 (1)N1cand_k[j]:4セットあるMA予測係数のど
れが予備選択されたか (2)N1cand_m[j]:128種類の1段目コードベク
トルのどれが予備選択されたか (3)N2Lcand[j]:64種類の2段目低次コードベ
クトルのどれが予備選択されたか (4)N2Hcand[j]:64種類の2段目高次コードベ
クトルのどれが予備選択されたか 本実施の形態における以降の説明では、これまでの処理
よって予測残差復号化部315に供給されているN1通
りの組み合わせ情報の中から、CDを最小化する組み合
わせ情報の組み合わせ番号を特定する処理(予測残差復
号化部315、復号化LSF生成部316、LSF・L
PC係数変換部317,319、LPC係数・LPCケ
プストラム変換部318,320、LPC符号本選択部
321に係る処理)について詳細に説明する。
【0092】予測残差復号化部315は、3種類のイン
デクス情報(N1cand_m[j]、N2Lcand[j]及びN2
Hcand[j])に対応するコードベクトル(C
N1cand_m[j]、C2LN2Lcand[j]及びC2
N2Hcand[j])を、1段目コードブック305、2段目
低次コードブック309及び2段目高次コードブック3
12からそれぞれ読み出し、それらを用いて下記式
(9)によりN1個(J=1,…,N1)の復号化予測
残差分ベクトルCqj[i](i=1,…,N)を算出
し、算出した復号化予測残差ベクトルを記録保持すると
ともに、復号化LSF生成部316に出力する。
【0093】
【数9】 ただし、式(9)において、C2LN2Lcand[j][i]=
0.0(i=NL+1,…,N)、C2H
N2Hcand[j][i]=0.0(i=1,…,N)である。
【0094】予測残差復号化部315は、また、N1ca
nd_k[j](j=1=1,…,N1)を復号化LSF生成
部316に出力する。
【0095】復号化LSF生成部316は、予測残差復
号化部315より供給されたN1cand_k[j](j=1,
…,N1)に対応するMAN1cand_k[j][0][i]を予測
係数コードブック302から読み出し、前記読み出した
MAN1cand_k[j][0][i]と、平均LSF格納部323
から読み出した平均LSFパラメータAV[i](i=
1,…,N)と、予測残差算出部304から供給された
量子化ターゲットベクトルのN1cand_k[j]に係るX
N1cand_k[j][j]と、予測残差復号化部315より供給
されたCqj[i](i=1,…,N)を用いた下記式
(10)により、N1個(j=1,…,N1)の復号化
LSFパラメータ(以下、LSFqj[i],j=1,
…,N1、i=1,…,Nとする)を算出し、算出した
復号化LSFパラメータをLSF・LPC係数変換部3
17に出力する。
【0096】
【数10】 LSF・LPC係数変換部317は、復号化LSF生成
部316より供給されたN1個(j=1,…,N1)の
復号化LSFパラメータ(LSFqj[i],j=1,
…,N1、i=1,…,N)を、それぞれ復号化LPC
係数(以下、LPCqj[i],j=1,…,N1、i=
1,…,Nとする)へ変換し、LPC係数・LPCケプ
ストラム変換部318に出力する。
【0097】LPC係数・LPCケプストラム変換部3
18は、LSF・LPC係数変換部317より供給され
たN1個(j=1,…,N1)の復号化LPC係数(L
PCqj[i],i=1,…,N)を、それぞれ復号化L
PCケプストラム(以下、QCEPj[i],i=1,
…,Nc、j=1,…,N1とする)に変換し、LPC
符号本選択部321に出力する。
【0098】LSF・LPC係数変換部319は、LS
FパラメータをLPC係数に変換し、LPC係数・LP
Cケプストラム変換部320に出力する。LPC係数・
LPCケプストラム変換部320は、LSF・LPC係
数変換部319より供給されたLPC係数をLPCケプ
ストラム(以下、CEPt[i],i=1,…,Ncとす
る)へ変換し、LPC符号本選択部321に出力する。
【0099】LPC符号本選択部321は、まずLPC
係数・LPCケプストラム変換部320から供給される
LPCケプストラム係数(CEPt[i],i=1,…,
Nc)と、LPC係数・LPCケプストラム変換部31
8から供給されるN1個(j=1,…,N1)の復号化
LPCケプストラム(QCEPj[i],i=1,…,N
c、j=1,…,N1)との距離DISj(j=1,
…,N1)を下記式(11)により算出し、算出したN
1個のDISjを大小比較して、それを最小化する番号
「J」を1つ特定する。
【0100】
【数11】 なお、上記式(11)の最小化を番号特定の基準尺度に
利用した場合と、式(3)のCDの最小化を番号特定の
基準尺度に利用した場合とでは、同一の番号が選択され
ることは式(11)と式(3)の関係より明らかであ
る。
【0101】そして、特定された番号「J」に係る以下
の4つの情報、すなわち (1)N1cand_k[J]:4セットあるMA予測係数のう
ちどれが最適か(2ビット使用) (2)N1cand_m[J]:128種類の1段目コードベク
トルの中でどれが最適か(7ビット使用) (3)N2Lcand[J]:64種類の2段目低次コードベ
クトルの中でどれが最適か(6ビット使用) (4)N2Hcand[J]:64種類の2段目高次コードベ
クトルの中でどれが最適か(6ビット使用) をまとめたもの21ビットの情報を、当該処理フレーム
のLPC符号(処理フレーム区間のスペクトル包絡情報
を表現するための符号)として出力する。
【0102】LPC符号探索では、DISjを最小化す
る番号Jを予測残差復号化部315へ供給する。そし
て、予測残差復号化部315は、保持格納しているN1
個(j=1,…,N1)の復号化予測残差分ベクトルC
j[i](i=1,…,N)の中から、番号Jに係るベ
クトルCqJ[i](i=1,…,N)を選択して復号化
予測残差格納部322に出力する。
【0103】復号化予測残差格納部322は、格納して
いる過去複数フレーム分の復号化予測残差ベクトルのう
ち(本実施の形態では、3次のMA予測を行っているの
で、過去3フレーム分の復号化予測残差ベクトルが格納
されている)、最も古い復号化予測残差ベクトルを破棄
し、予測残差復号化部315より新たに供給されるCq
J[i](i=1,…,N)を、次の処理フレームにおけ
るMA予測用に新たに保持する。
【0104】以上までの説明が、LSFパラメータがベ
クトル量子化装置に入力されてから、LPC符号が出力
されるまでの一連の処理内容である。一方、前記のベク
トル量子化装置から出力されるLSFパラメータの復号
化装置(さらにそれを変換して得られるLPC係数の復
号化装置)は、LPC符号を分解して得られる4つのイ
ンデクス情報(N1cand_k[J]、N1cand_m[J]、N2
Lcand[J]、N2Hcand[J])に分解する工程と、LP
C符号を分解する工程によって得られる各インデクス情
報をもとに復号化予測残差ベクトルを算出する工程と、
前記の復号化予測残差ベクトルを算出する工程によって
得られる復号化予測残差ベクトルをもとに復号化LSF
ベクトルを生成する工程と、によって構成することが可
能である。具体的には、まず、LPC符号を分解する工
程によって、LPC符号が4つのインデクス情報(N1
cand_k[J]、N1cand_m[J]、N2Lcand[J]、N2H
cand[J])に分解される。次に、復号化予測残差ベクト
ルを算出する工程において、インデクス情報N1cand_m
[J]に基づいて、1段目コードベクトルCN1cand_m [J]
を、1段目コードブック305から読み出し、次に、イ
ンデクス情報N2Lcand[J]に基づいて、2段目低次コ
ードベクトルC2LN2Lcand[J]を2段目低次コードブッ
ク309から読み出し、さらに、インデクス情報N2H
cand[J]に基づいて、2段目高次コードベクトルC2H
N2Hcand[J]を2段目高次コードブック312から読み出
し、それら読み出した3つのベクトルに対して式(9)
記載の加算処理を行えば、LPC符号に対応する復号化
予測残差ベクトルCqJ[i](i=1,…,N)を得る
ことができる。そして、復号化LSFベクトルを生成す
る工程において、インデクス情報N1cand_k[J]に対応
するMAN1cand_k[J][0][i]を予測係数コードブック
302から読み出し、前記読み出したMA
N1cand_ k[J][0][i]と、平均LSF格納部323から
読み出した平均LSFパラメータAV[i](i=1,
…,N)と、予測残差算出部304から供給された量子
化ターゲットベクトルのN1cand_k[J]に係るX
N1cand_k[J]と、予測残差復号化部315より供給され
たCqJ[i](i=1,…,N)を用いた式(10)に
より、最終的な復号化LSFパラメータ(以下、LSF
J[i],i=1,…,Nとする)を得ることができ
る。なお、復号化したLSFパラメータを、さらに復号
化LPC係数に変換する場合には、前記の復号化LSF
ベクトルを生成する工程の後に、LSF・LPC係数変
換部317と同じ機能を有する工程をさらに具備すれば
よい。
【0105】以上のように詳細に説明してきた3次MA
予測を用いた2段スプリット構造のベクトル量子化装置
によれば、LSFパラメータをベクトル量子化する際
に、重み付きユークリッド距離を尺度として符号の予備
選択を行い、予備選択によって残された候補に対して
は、CD(Cepstram Distortion)を基準尺度として最
適な符号を選択することが可能になる。
【0106】したがって、上記実施の形態によるベクト
ル量子化装置を用いると、LPC符号探索に要する演算
量を大幅に増加させることなく、従来技術の課題(ベク
トル量子化装置で選択されるLPC符号と、CDを最小
化するコードベクトルのインデクスとが一致しないこと
が多くあるという課題)を緩和することができ、LPC
パラメータのベクトル量子化装置の性能を向上させるこ
とが可能になる。
【0107】なお、本発明に係るベクトル量子化装置に
よれば、1段目VQ予備選択部307で予備選択するコ
ードベクトルの数を制御することで、実施の形態1と同
様に、LPC符号探索に要する演算量の増加分を自由に
制御することができる。すなわち、本発明の実施によ
り、LPC符号探索に要する演算量の増加分に配慮しな
がらベクトル量子化器の性能向上を図ることが可能とな
る。
【0108】また、本実施の形態では、1段目VQ予備
選択部307が残すコードベクトルの候補数N1が予め
決められている場合(N1は、実験を通して、もしくは
経験的に、8、16、32、64といった値に決められ
ることが多い)について説明しているが、例えば、重み
付きユークリッド距離にしきい値を設定しておき、設定
したしきい値より重み付きユークリッド距離が小さい候
補を予備選択後の候補として残すなど、他の予備選択方
法を用いることも可能であり、その場合にも同様の効果
・作用を得ることが可能である。
【0109】また、本実施の形態では、1段目VQ予備
選択部307が上記式(2)の重み付きユークリッド距
離を尺度としてコードベクトルの予備選択を行う場合に
ついて説明しているが、例えば、前記文献4内の数
(8)や数(10)など、上記式(2)と数式的に異な
る重み付きユークリッド距離を用いる場合についても本
発明は実施可能であり、その場合にも、本実施の形態と
同様の効果・作用を得ることができる。
【0110】なお、重み付きユークリッド距離の"重み"
についても、これまでに様々な算出方法が提案(例え
ば、文献5に記載のLSFパラメータの隣接する要素間
の距離に応じて重み付けを行う方法や、文献6に記載の
量子化ターゲットのパワースペクトルに応じて重み付け
を行う方法など)されているが、本発明は"重み"の算出
方法の如何に関わらず適用可能であり、その場合にも同
様の効果・作用を得ることができる。
【0111】また、本実施の形態では、入力ベクトルが
LSFパラメータである場合について説明しているが、
LSPパラメータ、PARCOR係数、LPC係数な
ど、音声信号の短時間的なスペクトル包絡情報を表現す
る他のパラメータをベクトル量子化する場合にも、本実
施形態は適用可能であり、その場合にも同様の効果・作
用を得ることができる。
【0112】また、本実施の形態では、LPC符号本選
択部321がCD(Cepstral Distortion)を尺度とし
て最終的なLPC符号を特定する場合について説明して
いるが、LPC係数・LPCケプストラム変換部31
8,320を、LPC係数からFFTパワースペクトラ
ムを計算する機能を有するLPC係数・FFTパワース
ペクトラム算出部に置きかえ、さらにLPC符号本選択
部321が行う計算式を上記式(11)から、上記式
(4)の平方根内部の計算式に置きかえることで、SD
(Spectral Distortion)をLPC符号選択部の最終尺
度として用いることも可能であり、この場合にも同様の
効果・作用を得ることができる。
【0113】また、本実施の形態では、説明を簡単にす
るため、"3次MA予測を用いた2段スプリット構造"と
いう特定の構造のベクトル量子化器を例に挙げて説明し
ているが、本実施の形態は、今回の例以外の構造を有す
るLPCパラメータのベクトル量子化装置に対しても適
用可能であり、その場合にも、同様の作用・効果を得る
ことができる。
【0114】以上説明した本実施の形態に係る発明は、
CELP方式やVocoder方式などの音声符号化・復号化
装置における音声信号の短時間的なスペクトル包絡情報
を符号化・復号化する箇所に適用することが好適であ
る。
【0115】(実施の形態3)図4は、実施の形態3に
係るベクトル量子化装置の構成を示すブロック図であ
る。なお、図4に示すベクトル量子化装置において、実
施の形態2で説明した図3と共通する部分には、図3と
同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0116】図4に示すベクトル量子化装置は、図3の
ベクトル量子化装置に、低次スケーリング係数コードブ
ック350及び高次スケーリング係数コードブック36
0を追加した構成をとる。なお、図4では、図面を見や
すくするために、301〜306及び316〜323の
各構成部分を省略する。
【0117】なお、実施の形態2における説明と同様、
ベクトル量子化装置の構成は、音声符号化・復号化装置
全体のビットレートや、その中でLPCパラメータのベ
クトル量子化装置に配分されるビット数に大きく依存す
る。ここでは、説明を簡単化するため、20ms間隔の
処理フレームあたり21ビットのビット情報が割り当て
られたものとする。
【0118】また、本実施の形態で説明するベクトル量
子化装置においても、3次のMA(Moving Average)予
測技術を用い、処理フレーム当たり4セット(切替情報
として2ビット必要)のMA予測係数が使われることと
する。また、本実施の形態で説明するベクトル量子化装
置は、2段ベクトル量子化技術を用いることとする。さ
らに、本実施の形態で説明するベクトル量子化装置で
は、2段ベクトル量子化装置の第2段目にスプリットベ
クトル量子化技術が使われているものとする。なお、1
段目ベクトル量子化器、2段目低次成分のベクトル量子
化器、及び2段目高次成分のベクトル量子化器それぞれ
には、7ビット、6ビット及び6ビットがそれぞれ割り
当てられているものとする。
【0119】図4のベクトル量子化装置においては、ま
ず始めに、LSFパラメータが入力されてから、1段目
ベクトル量子化器のターゲットベクトルが得られるまで
の処理(重み算出部301、予測係数コードブック30
2、MA予測器303、予測残差算出部304に係る処
理)が行われる。なお、当該処理の詳細は、実施の形態
2における該当箇所の処理と同一であるとし、本実施の
形態では説明を省略する。
【0120】図4のベクトル量子化装置においては、次
に、2段ベクトル量子化器における1段目ベクトル量子
化器の処理(1段目コードブック305、1段目距離計
算部306、1段目VQ予備選択部307、1段目VQ
残差計算部308に係る処理)が行われる。
【0121】以下、本実施の形態のベクトル量子化装置
の2段ベクトル量子化器における前記の1段目ベクトル
量子化器の処理を詳細に説明する。
【0122】1段目コードブック305は、128種類
の予測残差コードベクトルを格納している。なお、12
8種類の予測残差コードベクトルは、量子化ターゲット
を算出するまでの上記一連の処理を、多くの処理フレー
ム内の音声信号に対して行い、多くの予測残差ベクトル
を得て、得られた多くの予測残差ベクトルに対してLB
Gアルゴリズムを適用して予測残差ベクトルの代表的な
サンプルを128種類抽出し、抽出された128種類の
代表的なベクトルに対して前記文献8などに開示されて
いる一般化Lloydアルゴリズムをさらに適用して予め獲
得されたものである。
【0123】1段目距離計算部306は、予測残差算出
部304より供給された1段目ベクトル量子化器のター
ゲットベクトル(Xk[i],i=1,…,N)と、1段
目コードブック305から読み出したインデクスmの予
測残差コードベクトル(Cm[i],i=1,…,N)に
MA予測係数の現処理フレーム成分(MAk[0][i],
i=1,…,N)を乗じたベクトル(MAk[0][i]*
m[i],i=1,…,N)との間の重み付きユークリ
ッド距離を式(6)により算出し、算出された距離の値
を1段目VQ予備選択部307に出力する。なお、1段
目距離計算部306における重み付きユークリッド距離
の計算は、1段目コードブック305が格納している1
28種類(m=1,…,128)の予測残差コードベク
トル(Cm[i],i=1,…,N)と、予測残差算出部
304から供給されるターゲットベクトル(Xk[i],
i=1,…,N)を生成する際に利用した4セット(k
=1,…,4)のMA予測係数の全組み合わせ(512
=128×4)について行われる点も、実施の形態2と
同様である。したがって、本実施の形態においても、1
段目距離計算部306からは、1段目VQ予備選択部3
07には全部で512個の距離dk,m(k=1,…,
4、m=1,…,128)が出力されることになる。
【0124】1段目VQ予備選択部307は、1段目距
離計算部306から供給される前記512個の距離d
k,m(k=1,…,4、m=1,…,128)を小さい
順にソーティングし、距離を小さくするk(4セットあ
る3次MA予測係数のうち、どの3次予測係数セットを
使ったか)とm(128種類ある1段目コードブック3
05内のコードベクトルのうち、どのコードベクトルを
使ったか)の組み合わせ情報を、予め設定されたN1番
目までN1cand_k[j]とN1cand_m[j](j=1,…,
N1)にそれぞれ記録する。そして、1段目VQ予備選
択部307は、記録したN1cand_k[j]とN1cand_m
[j](j=1,…,N1)を、1段目VQ残差計算部3
08、予測残差復号化部315及び復号化LSF生成部
316へ出力する。また、本実施の形態では、1段目V
Q予備選択部307は、N1cand_m[j](j=1,…,
N1)を、低次スケーリング係数コードブック350
と、高次スケーリング係数コードブック360へも出力
する。
【0125】1段目VQ残差計算部308は、1段目V
Q予備選択部307より供給されるN1通りのN1cand
_k[j]とN1cand_m[j](j=1,…,N1)の組み合
わせ情報に対応する3次予測係数セット(予測係数コー
ドブック302から読み出す)と1段目コードブック内
のコードベクトル(1段目コードブック305から読み
出す)を使って、予備選択選択処理を行った後に残存す
る1段目VQ残差ベクトルXj (2)[i](i=1,…,
N、j=1,…,N1)を式(7)によりN1通り算出
し、算出したN1通りのベクトルを、2段目低次距離計
算部310及び2段目高次距離計算部311へ出力す
る。
【0126】なお、本実施の形態でも実施の形態2と同
様に、2段目ベクトル量子化器は、1段目VQ残差ベク
トルを低次成分(i=1,…,NL)と高次成分(i=
NL+1,…,N)に分解(スプリット)し、分解によ
って得られたそれぞれのベクトルを個別にベクトル量子
化するスプリット構成になっているものとする。
【0127】したがって、1段目VQ残差ベクトル計算
部308で算出されたXj (2)[i](i=1,…,N、j
=1,…,N1)は、2段目ベクトル量子化器の構成に
合わせた形で2段目低次距離計算部310及び2段目高
次数距離計算部311に出力されることとなる。具体的
には、Xj (2)[i](i=1,…,NL、j=1,…,N
1)が2段目低次距離計算部310に出力され、Xj (2)
[i](i=NL+1,…,N、j=1,…,N1)が2
段目高次距離計算部311に出力される。
【0128】以上が、2段ベクトル量子化器における1
段目ベクトル量子化器の処理の説明である。
【0129】図4のベクトル量子化装置においては、次
に、2段目ベクトル量子化器における2段目ベクトル量
子化器の処理(2段目低次コードブック309、低次ス
ケーリング係数コードブック350、2段目低次距離計
算部310、2段目高次距離計算部311、高次スケー
リング係数コードブック360、2段目高次コードブッ
ク312、2段目低次符号探索部313、2段目高次符
号探索部314に係る処理)が行われる。従って、本実
施の形態でも、次に、2段ベクトル量子化器における前
記の2段目ベクトル量子化器の処理を詳細に説明する。
【0130】なお、2段目低次コードブック309は6
4種類の2段目低次コードベクトル(C2Lm2L[i],
i=1,…,NL、m2L=1,…,64)を格納し、
2段目高次コードブック312は64種類の2段目高次
コードベクトル(C2Hm2H[i],i=NL+1,…,
N、m2H=1,…,64)を格納しているものとす
る。
【0131】また、低次スケーリング係数コードブック
350は、1段目コードブック305が格納している予
測残差コードベクトル数と同数(本実施の形態では12
8種類)の低次スケーリング係数(SF_low[j], j=
1, 2, …, N1)を格納する機能と、1段目VQ予備
選択部307から供給されるN1cand_m[j]に対応する
低次スケーリング係数(SF_low[N1cand_m[j]])を
2段目低次距離計算部310および予測残差復号化部3
15へ出力する機能を備えている。また、高次スケーリ
ング係数コードブック360は、1段目コードブック3
05が格納している予測残差コードベクトル数と同数
(本実施の形態では128種類)の低次スケーリング係
数(SF_high[j], j=1, 2, …, N1)を格納する
機能と、1段目VQ予備選択部307から供給されるN
1cand_m[j]に対応する低次スケーリング係数(SF_h
igh[N1cand_m[j]])を2段目高次距離計算部311
および予測差復号化部315へ出力する機能を備えてい
る。なお、低次スケーリング係数(SF_low[j], j=1,
2,..,N1)と、高次スケーリング係数(SF_high[j], j=
1,2,…,N1)には、LBGアルゴリズムおよび一般化Lloy
dアルゴリズムからなる学習工程によって予め獲得され
た0.5〜2.0の範囲内の値がそれぞれ格納されてい
るものとする。
【0132】2段目低次距離計算部310は、1段目V
Q残差計算部308より供給された1段目VQ残差分ベ
クトルの低次成分Xj (2)[i](i=1,…,NL、j=
1,…,N1)と、2段目低次コードブック309から
読み出したインデクスm2Lの2段目低次コードベクト
ル(C2Lm2L[i],i=1,…,NL)に低次スケー
リング係数コードブック350から供給されるSF_low
[N1cand_m[j]]とMA予測係数の現処理フレーム成分
(MAN1cand_k[j][0][i],i=1,…,NL)を乗
じたベクトル( MAN1cand_k[j][0][i]*SF_low
[N1cand_m[j]]*C2Lm2L[i],i=1,…,N
L)との間の重み付きユークリッド距離を下記式(1
2)により算出し、算出された距離の値d2Lj,m2L
2段目低次符号探索部313に出力する。
【0133】
【数12】 ただし、式(12)におけるw[i]は式(6)と同一
の"重み"である。
【0134】なお、2段目低次距離計算部310では、
1段目VQ予備選択部307で特定されたN1個のjそ
れぞれについて、2段目低次コードブック309が格納
する64種類のコードベクトルに対して上記式(12)
の距離計算が行われ、求められた重み付きユークリッド
距離d2Lj,m2L(j=1,…,N1、m2L=1,
…,64)は全て、2段目低次符号探索部313に出力
されるものとする(全部でN1*64個のd2Lj,m2L
が出力される)。
【0135】2段目高次距離計算部311は、1段目V
Q残差計算部308より供給された1段目VQ残差分ベ
クトルの高次成分Xj (2)[i](i=NL+1, …,N、
j=1,…,N1)と、2段目高次コードブック312
から読み出したインデクスm2Hの2段目高次コードベ
クトル(C2Hm2H[i],i=NL+1,…,N)に高
次スケーリング係数コードブック360から供給される
SF_high[N1cand_m[j]]とMA予測係数の現処理フ
レーム成分(MAN1cand_k[j][0][i],i=NL+
1,…,N)を乗じたベクトル( MAN1cand_k[j][0]
[i]*SF_high[N1cand_m[j]]*C2Hm2H[i],i
=NL+1,…,N)との間の重み付きユークリッド距
離を下記式(13)により算出し、算出された距離の値
d2Hj,m2Hを2段目高次符号探索部314に出力す
る。
【0136】
【数13】 ただし、式(13)におけるw[i]は式(6)と同一
の"重み"である。
【0137】なお、2段目高次距離計算部311では、
1段目VQ予備選択部307で特定されたN1個のjそ
れぞれについて、2段目高次コードブック312が格納
する64種類のコードベクトルに対して上記式(13)
の距離計算が行われ、求められた重み付きユークリッド
距離d2Hj,m2H(j=1,…,N1、m2H=1,
…,64)は全て、2段目高次符号探索部314に出力
されるものとする(全部でN1*64個のd2Hj,m2H
が出力される)。
【0138】2段目低次符号探索部313は、2段目低
次距離計算部310から供給される重み付きユークリッ
ド距離d2Lj,m2L(j=1,…,N1、m2L=1,
…,64)について、距離を最小化するインデクスm2
Lを各jごとに1つ特定し、特定したN1個(j=1,
…,N1)のインデクスをそれぞれN2Lcand[j](j
=1,…,N1)に記録し、記録したN1個のN2Lca
nd[j](j=1,…,N1)を予測残差復号化部315
へ出力する。
【0139】2段目高次符号探索部314は、2段目低
次距離計算部310から供給される重み付きユークリッ
ド距離d2Hj,m2H(j=1,…,N1、m2H=1,
…,64)について、距離を最小化するインデクスm2
Hを各jごとに1つ特定し、特定したN1個(j=1,
…,N1)のインデクスをN2Hcand[j](j=1,
…,N1)に記録し、記録したN1個のN2Hcand[j]
(j=1,…,N1)を予測残差復号化部315へ出力
する。
【0140】以上が、2段目ベクトル量子化器における
2段目ベクトル量子化器の処理の説明である。なお、上
記の2段目ベクトル量子化器の処理を終えた時点で、予
測残差復号化部315には、以下の4情報の組み合わせ
情報が、N1通り(j=1,…,N1)供給されている
こととなる。 (1)N1cand_k[j]:4セットあるMA予測係数のど
れが予備選択されたか (2)N1cand_m[j]:128種類の1段目コードベク
トルのどれが予備選択されたか (3)N2Lcand[j]:64種類の2段目低次コードベ
クトルのどれが予備選択されたか (4)N2Hcand[j]:64種類の2段目高次コードベ
クトルのどれが予備選択されたか 本実施の形態における以降の説明では、これまでの処理
よって予測残差復号化部315に供給されているN1通
りの組み合わせ情報の中から、CDを最小化する組み合
わせ情報の組み合わせ番号を特定する処理(予測残差復
号化部315、復号化LSF生成部316、LSF・L
PC係数変換部317,319、LPC係数・LPCケ
プストラム変換部318,320、LPC符号本選択部
321に係る処理)について詳細に説明する。
【0141】予測残差復号化部315は、供給されたイ
ンデクス情報N1cand_m[j]に基づいて、1段目コード
ベクトルCN1cand_m[j]と、低次スケーリング係数SF_
low[N1cand_m[j]]と、高次スケーリング係数SF_hi
gh[N1cand_m[j]]とを、それぞれ、1段目コードブッ
ク305、低次スケーリング係数コードブック350、
高次スケーリング係数コードブック360から読み出
し、さらに、供給されインデクス情報N2Lcand[j]に
基づいて、2段目低次コードベクトルC2LN2Lc and[j]
を2段目低次コードブック309から読み出し、さら
に、供給されインデクス情報N2Hcand[j]に基づい
て、2段目高次コードベクトルC2HN2Hcand[ j]を2段
目高次コードブック312から読み出し、それらを用い
た及び下記式(14)によりN1個(J=1,…,N
1)の復号化予測残差ベクトルCqj[i](i=1,
…,N)を算出し、算出した復号化予測残差ベクトルを
記録保持するとともに、復号化LSF生成部316に出
力する。
【0142】
【数14】 ただし、式(14)において、C2LN2Lcand[j][i]=
0.0(i=NL+1,…,N)、C2H
N2Hcand[j][i]=0.0(i=1,…,N)である。
【0143】予測残差復号化部315は、また、N1ca
nd_k[j](j=1=1,…,N1)を復号化LSF生成
部316に出力する。
【0144】復号化LSF生成部316は、予測残差復
号化部315より供給されたN1cand_k[j](j=1,
…,N1)に対応するMAN1cand_k[j][0][i]を予測
係数コードブック302から読み出し、前記読み出した
MAN1cand_k[j][0][i]と、平均LSF格納部323
から読み出した平均LSFパラメータAV[i](i=
1,…,N)と、予測残差算出部304から供給された
量子化ターゲットベクトルのN1cand_k[j]に係るX
N1cand_k[j][i]と、予測残差復号化部315より供給
されたCqj[i](i=1,…,N)を用いた式(1
0)により、N1個(j=1,…,N1)の復号化LS
Fパラメータ(以下、LSFqj[i],j=1,…,N
1、i=1,…,Nとする)を算出し、算出した復号化
LSFパラメータをLSF・LPC係数変換部317に
出力する。
【0145】LSF・LPC係数変換部317は、復号
化LSF生成部316より供給されたN1個(j=1,
…,N1)の復号化LSFパラメータ(LSFq
j[i],j=1,…,N1、i=1,…,N)を、それ
ぞれ復号化LPC係数(以下、LPCqj[i],j=
1,…,N1、i=1,…,Nとする)へ変換し、LP
C係数・LPCケプストラム変換部318に出力する。
【0146】LPC係数・LPCケプストラム変換部3
18は、実施の形態2と同様に、LSF・LPC係数変
換部317より供給されたN1個(j=1,…,N1)
の復号化LPC係数(LPCqj[i],i=1,…,
N)を、それぞれ復号化LPCケプストラム(以下、Q
CEPj[i],i=1,…,Nc、j=1,…,N1と
する)に変換し、LPC符号本選択部321に出力す
る。
【0147】LSF・LPC係数変換部319は、LS
FパラメータをLPC係数に変換し、LPC係数・LP
Cケプストラム変換部320に出力する。LPC係数・
LPCケプストラム変換部320は、LSF・LPC係
数変換部319より供給されたLPC係数をLPCケプ
ストラム(以下、CEPt[i],i=1,…,Ncとす
る)へ変換し、LPC符号本選択部321に出力する。
【0148】LPC符号本選択部321は、まずLPC
係数・LPCケプストラム変換部320から供給される
LPCケプストラム係数(CEPt[i],i=1,…,
Nc)と、LPC係数・LPCケプストラム変換部31
8から供給されるN1個(j=1,…,N1)の復号化
LPCケプストラム(QCEPj[i],i=1,…,N
c、j=1,…,N1)との距離DISj(j=1,
…,N1)を式(11)により算出し、算出したN1個
のDISjを大小比較して、それを最小化する番号
「J」を1つ特定し、特定した番号「J」に係る以下の
4つの情報、すなわち (1)N1cand_k[J]:4セットあるMA予測係数のう
ちどれが最適か(2ビット使用) (2)N1cand_m[J]:128種類の1段目コードベク
トルの中でどれが最適か(7ビット使用) (3)N2Lcand[J]:64種類の2段目低次コードベ
クトルの中でどれが最適か(6ビット使用) (4)N2Hcand[J]:64種類の2段目高次コードベ
クトルの中でどれが最適か(6ビット使用) をまとめた21ビットの情報を、当該処理フレームのL
PC符号(処理フレーム区間のスペクトル包絡情報を表
現するための符号)として出力する。
【0149】LPC符号本選択部321は、また、実施
の形態2と同様に、DISjを最小化する番号Jを予測
残差復号化部315へ供給する。
【0150】そして、予測残差復号化部315は、保持
格納しているN1個(j=1,…,N1)の復号化予測
残差分ベクトルCqj[i](i=1,…,N)の中か
ら、番号Jに係るベクトルCqJ[i](i=1,…,
N)を選択して復号化予測残差格納部322に出力す
る。
【0151】復号化予測残差格納部322は、格納して
いる過去複数フレーム分の復号化予測残差ベクトルのう
ち(本実施の形態では、3次のMA予測を行っているの
で、過去3フレーム分の復号化予測残差ベクトルが格納
されている)、最も古い復号化予測残差ベクトルを破棄
し、予測残差復号化部315より新たに供給されるCq
J[i](i=1,…,N)を、次の処理フレームにおけ
るMA予測用に新たに保持する。
【0152】以上までの説明が、LSFパラメータがベ
クトル量子化装置に入力されてから、LPC符号が出力
されるまでの一連の処理内容である。
【0153】一方、前記のベクトル量子化装置から出力
されるLSFパラメータの復号化装置(さらにそれを変
換して得られるLPC係数の復号化装置)は、LPC符
号を分解して得られる4つのインデクス情報(N1cand
_k[J]、N1cand_m[J]、N2Lcand[J]、N2Hcand
[J])に分解する工程と、LPC符号を分解する工程に
よって得られる各インデクス情報をもとに復号化予測残
差ベクトルを算出する工程と、前記の復号化予測残差ベ
クトルを算出する工程によって得られる復号化予測残差
ベクトルをもとに復号化LSFベクトルを生成する工程
と、によって構成することが可能である。具体的には、
まず、LPC符号を分解する工程によって、LPC符号
が4つのインデクス情報(N1cand_k[J]、N1cand_m
[J]、N2Lcand[J]、N2Hcand[J])に分解され
る。次に、復号化予測残差ベクトルを算出する工程にお
いて、インデクス情報N1cand_m[J]に基づいて、1段
目コードベクトルCN1cand_m[J]と、低次スケーリング
係数SF_low[N1cand_m[J]]と、高次スケーリング係
数SF_high[N1cand_m[J]]を、それぞれ、1段目コ
ードブック305、低次スケーリング係数コードブック
350、高次スケーリング係数コードブック360から
読み出し、次に、インデクス情報N2Lcand[J]に基づ
いて、2段目低次コードベクトルC2LN2Lcand[J]を2
段目低次コードブック309から読み出し、さらに、イ
ンデクス情報N2Hcand[J]に基づいて、2段目高次コ
ードベクトルC2HN2Hcand[J]を2段目高次コードブッ
ク312から読み出し、それら読み出した3種類のベク
トルと2種類のスケーリング係数を用いて式(14)記
載の積和処理を行えば、LPC符号に対応する復号化予
測残差ベクトルCqJ[i](i=1,…,N)を得るこ
とができる。そして、復号化LSFベクトルを生成する
工程において、インデクス情報N1cand_k[J]に対応す
るMAN1cand_k[J][0][i]を予測係数コードブック3
02から読み出し、前記読み出した MA
N1cand_k[J][0][i]と、平均LSF格納部323から
読み出した平均LSFパラメータAV[i](i=1,
…,N)と、予測残差算出部304から供給された量子
化ターゲットベクトルのN1cand_k[J]に係るX
N1cand_k [J]と、予測残差復号化部315より供給され
たCqJ[i](i=1,…,N)を用いた式(10)に
より、最終的な復号化LSFパラメータ(以下、LSF
J[i],i=1,…,Nとする)を得ることができ
る。なお、復号化したLSFパラメータを、さらに復号
化LPC係数に変換する場合には、前記の復号化LSF
ベクトルを生成する工程の後に、LSF・LPC係数変
換部317と同じ機能を有する工程をさらに具備すれば
よい。
【0154】以上詳細に説明してきた低次スケーリング
係数コードブック350と、高次スケーリング係数コー
ドブック360と、をさらに具備する3次MA予測を用
いた2段スプリット構造のベクトル量子化装置によれ
ば、2段目コードベクトルの復号ベクトル全体に占める
寄与分を1段目のベクトル量子化処理において(予備)
選択されたコードベクトルCN1cand_m[j](実際には、
コードベクトルCN1cand_ m[j]に係るインデクスN1can
d_m[j])に適応させて制御することことが可能になり、
それによって量子化歪みを低減化することできるように
なるが可能になるとともに、重み付きユークリッド距離
を尺度として符号の予備選択を行い、予備選択によって
残された候補に対しては、CD(Cepstram Distortio
n)を基準尺度として最適な符号を選択することが可能
になるので、従来のベクトル量子化装置に比べ、高い精
度でLSFパラメータをベクトル量子化することができ
る。
【0155】なお、本実施の形態に係るベクトル量子化
装置によれば、1段目VQ予備選択部307で予備選択
するコードベクトルの数を制御することで、実施の形態
2と同様に、LPC符号探索に要する演算量の増加分を
自由に制御することができる。すなわち、本実施の形態
により、LPC符号探索に要する演算量の増加分に配慮
しながらベクトル量子化器の性能向上を図ることが可能
となる。
【0156】また、本実施の形態では、1段目VQ予備
選択部307が残すコードベクトルの候補数N1が予め
決められている場合(N1は、実験を通して、もしくは
経験的に、8、16、32、64といった値に決められ
ることが多い)について説明しているが、例えば、重み
付きユークリッド距離にしきい値を設定しておき、設定
したしきい値より重み付きユークリッド距離が小さい候
補を予備選択後の候補として残すなど、他の予備選択方
法を用いることも可能であり、その場合にも同様の効果
・作用を得ることが可能である。
【0157】また、本実施の形態では、1段目VQ予備
選択部307が上記式(2)の重み付きユークリッド距
離を尺度としてコードベクトルの予備選択を行う場合に
ついて説明しているが、例えば、前記文献4内の数
(8)や数(10)など、上記式(2)と数式的に異な
る重み付きユークリッド距離を用いる場合についても本
発明は実施可能であり、その場合にも、本実施の形態と
同様の効果・作用を得ることができる。
【0158】なお、重み付きユークリッド距離の"重み"
についても、これまでに様々な算出方法が提案(例え
ば、文献5に記載のLSFパラメータの隣接する要素間
の距離に応じて重み付けを行う方法や、文献6に記載の
量子化ターゲットのパワースペクトルに応じて重み付け
を行う方法など)されているが、本発明は"重み"の算出
方法の如何に関わらず適用可能であり、その場合にも同
様の効果・作用を得ることができる。
【0159】また、本実施の形態では、入力ベクトルが
LSFパラメータである場合について説明しているが、
LSPパラメータ、PARCOR係数、LPC係数な
ど、音声信号の短時間的なスペクトル包絡情報を表現す
る他のパラメータをベクトル量子化する場合にも、本実
施形態は適用可能であり、その場合にも同様の効果・作
用を得ることができる。
【0160】また、本実施の形態では、LPC符号本選
択部321がCD(Cepstral Distortion)を尺度とし
て最終的なLPC符号を特定する場合について説明して
いるが、LPC係数・LPCケプストラム変換部31
8,320を、LPC係数からFFTパワースペクトラ
ムを計算する機能を有するLPC係数・FFTパワース
ペクトラム算出部に置きかえ、さらにLPC符号本選択
部321が行う計算式を上記式(11)から、上記式
(4)の平方根内部の計算式に置きかえることで、SD
(Spectral Distortion)をLPC符号選択部の最終尺
度として用いることも可能であり、この場合にも同様の
効果・作用を得ることができる。
【0161】また、本実施の形態では、説明を簡単にす
るため、"スケーリング係数を伴う3次MA予測を用い
た2段スプリット構造"という特定の構造のベクトル量
子化器を例に挙げて説明しているが、本実施の形態は、
今回の例以外の構造を有するLPCパラメータのベクト
ル量子化装置に対しても適用可能であり、その場合に
も、同様の作用・効果を得ることができる。
【0162】以上説明した本実施の形態に係る発明は、
CELP方式やVocoder方式などの音声符号化・復号化
装置における音声信号の短時間的なスペクトル包絡情報
を符号化・復号化する箇所に適用することが好適であ
る。
【0163】(実施の形態4)図5は、本発明の実施の
形態4に係る音声信号送信装置及び受信装置の構成を示
すブロック図である。図5において、音声信号は、送信
装置の入力装置401によって電気的信号に変換され、
A/D変換装置402に出力される。A/D変換装置4
02は、入力装置401から出力された(アナログ)信
号をディジタル信号に変換し、音声符号化装置403に
出力する。
【0164】音声符号化装置403は、A/D変換装置
402から出力されたディジタル音声信号を後述する音
声符号化方法を用いて符号化し、符号化情報をRF変調
装置404に出力する。RF変調装置404は、音声符
号化装置403から出力された音声符号化情報を電波な
どの伝播媒体に載せて送出するための信号に変換し、送
信アンテナ405へ出力する。送信アンテナ405は、
RF変調装置404から出力された出力信号を電波(R
F信号)として送出する。
【0165】送信装置から送信されたRF信号は、受信
装置の受信アンテナ406によって受信され、RF復調
装置407に出力される。RF復調装置407は、受信
アンテナ406から出力されたRF信号から音声符号化
情報を復調して音声復号化装置408に出力する。
【0166】音声復号化装置408は、RF復調装置4
07から出力された音声符号化情報を用いて、後述する
音声復号化方法により音声信号を復号してD/A変換装
置409に出力する。D/A変換装置409は、音声復
号化装置408から出力されたディジタル音声信号をア
ナログの電気的信号に変換し、出力装置410に出力す
る。出力装置410は、電気的信号を空気の振動に変換
し音波として人間の耳に聴こえるように出力する。
【0167】上記構成を有する音声信号送信装置及び受
信装置の少なくとも一方を備えることにより、移動通信
システムにおける基地局装置及び通信端末装置を構成す
ることができる。
【0168】前記音声信号送信装置は、音声符号化装置
403にその特徴を有する。図6は、音声符号化装置4
03の構成を示すブロック図である。図6において、入
力音声信号は、図5におけるA/D変換装置402から
出力される信号であり、前処理部501に入力される。
前処理部501では、入力音声信号に対して、DC(直
流)成分を取り除くハイパスフィルタ処理や後続する符
号化処理の性能改善につながるような波形整形処理やプ
リエンファシス処理を行い、処理後の信号をLPC分析
部502、加算器505及びパラメータ決定部513に
出力する(Xin)。
【0169】LPC分析部502は、Xinを用いて線形
予測分析を行い、その分析結果(線形予測係数)をLP
C量子化部503に出力する。LPC量子化部503
は、LPC分析部502から出力されたLPC係数を、
LSFパラメータに変換し、変換によって得られたLS
Fパラメータを本実施の形態1,2,3に示した方法で
ベクトル量子化し、ベクトル量子化によって得られたL
PC符号(L)を多重化部514に出力する。
【0170】LPC量子化部503は、また、本実施の
形態1,2,3に示したLPCパラメータ復号化方法に
より、LSF領域の復号化LPCパラメータを得て、さ
らに得られた復号化LPCパラメータ(LSF)を復号
化LPC係数に変換し、さらに前記変換によって得られ
る復号化LPC係数を合成フィルタ504に出力する。
【0171】合成フィルタ504は、前記復号化LPC
係数と加算器511から出力される駆動音源とを用いて
フィルタ合成を行い、合成信号を加算器505へ出力す
る。加算器505は、前記Xinと前記合成信号との誤差
信号を算出し、聴覚重み付け部512に出力する。
【0172】聴覚重み付け部512は、加算器505か
ら出力された誤差信号に対して聴覚的な重み付けを行
い、聴覚重み付け領域での前記Xinと前記合成信号との
歪みを算出し、パラメータ決定部513に出力する。パ
ラメータ決定部513は、聴覚重み付け部512から出
力された前記符号化歪みが最小となるように、適応音源
符号帳506と固定音源符号帳508と量子化利得生成
部507とから生成されるべき信号を決定する。
【0173】なお、聴覚重み付け部512から出力され
る符号化歪みの最小化だけでなく、前記Xinを用いた別
の符号化歪みを併用して前記3つの手段から生成される
べき信号を決定することにより、さらに符号化性能を改
善することもできる。
【0174】適応音源符号帳506は、過去に加算器5
11によって出力された音源信号をバッファリングして
おり、パラメータ決定部513から出力された信号
(A)によって特定される位置から適応音源ベクトルを
切り出して乗算器509に出力する。固定音源符号帳5
08は、パラメータ決定部513から出力された信号
(F)によって特定される形状を有するベクトルを乗算
器510に出力する。
【0175】量子化利得生成部507は、パラメータ決
定部513から出力された信号(G)によって特定され
る適応音源利得と固定音源利得とをそれぞれ乗算器50
9,510に出力する。
【0176】乗算器509は、量子化利得生成部507
から出力された量子化適応音源利得を、適応音源符号帳
506から出力された適応音源ベクトルに乗じて、加算
器511に出力する。乗算器510は、量子化利得生成
部507から出力された量子化固定音源利得を、固定音
源符号帳508から出力された固定音源ベクトルに乗じ
て、加算器511へ出力する。
【0177】加算器511は、利得乗算後の適応音源ベ
クトルと固定音源ベクトルとをそれぞれ乗算器509,
510から入力し、ベクトル加算をして合成フィルタ5
04及び適応音源符号帳506に出力する。
【0178】最後に、多重化部514は、LPC量子化
部503から量子化LPCを表す符号Lを入力し、パラ
メータ決定部513から適応音源ベクトルを表す符号A
及び固定音源ベクトルを表す符号F及び量子化利得を表
す符号Gを入力し、これらの情報を多重化して符号化情
報として伝送路へ出力する。
【0179】図7は、図5中の音声復号化装置408の
構成を示すブロック図である。図7において、RF復調
部407から出力された符号化情報は、多重化分離部6
01によって多重化されている符号化情報を個々の符号
情報に分離される。
【0180】分離されたLPC符号Lは、LPC復号化
部602に出力され、分離された適応音源ベクトル符号
Aは、適応音源符号帳605に出力され、分離された音
源利得符号Gは、量子化利得生成部606に出力され、
分離された固定音源ベクトル符号Fは、固定音源符号帳
607に出力される。
【0181】LPC復号化部602は、多重化分離部6
01から出力された符号L(実施の形態1,2,3にお
けるLPC符号のこと)から、上記実施の形態1,2,
3に示した復号化LPCパラメータの生成方法を利用し
て復号化LPCパラメータを獲得し、獲得した復号化L
PCパラメータを復号化LPC係数に変換し、変換によ
って得られる復号化LPC係数を合成フィルタ603に
出力する。
【0182】適応音源符号帳605は、多重化分離部6
01から出力された符号Aで指定される位置から適応音
源ベクトルを取り出して乗算器608に出力する。固定
音源符号帳607は、多重化分離部601から出力され
た符号Fで指定される固定音源ベクトルを生成し、乗算
器609に出力する。
【0183】量子化利得生成部606は、多重化分離部
601から出力された音源利得符号Gで指定される適応
音源ベクトル利得と固定音源ベクトル利得とを復号し、
乗算器608,609にそれぞれ出力する。乗算器60
8は、前記適応符号ベクトルに前記適応符号ベクトル利
得を乗算して、加算器610に出力する。乗算器609
は、前記固定符号ベクトルに前記固定符号ベクトル利得
を乗算して、加算器610に出力する。
【0184】加算器610は、乗算器608,609か
ら出力された利得乗算後の適応音源ベクトルと固定音源
ベクトルの加算を行い、合成フィルタ603に出力す
る。合成フィルタ603は、加算器610から出力され
た音源ベクトルを駆動信号として、LPC復号化部60
2から供給された復号化LPC係数をフィルタ係数にも
つ合成フィルタを用いてフィルタ合成を行い、合成した
信号を後処理部604に出力する。
【0185】後処理部604は、ホルマント強調やピッ
チ強調といったような音声の主観的な品質を改善する処
理や、定常雑音の主観的品質を改善する処理などを施し
た上で、最終的な復号音声信号として出力する。
【0186】このように、本発明に係るLPCパラメー
タのベクトル量子化装置を音声符号化・復号化装置に適
応することにより、従来のベクトル量子化装置を利用し
ていた音声符号化・復号化装置よりも、高品質な合成音
声を得ることが可能になる。
【0187】また、上記音声符号化・復号化装置は、デ
ィジタル無線通信システムにおける基地局装置や移動局
のような通信端末装置に適用することができる。これに
より、ディジタル無線通信システムにおいて、従来のベ
クトル量子化装置を利用した場合よりも、高品質な合成
音声を得ることが可能になる。
【0188】本発明は上記実施の形態1〜3に限定され
ず、種々変更して実施することが可能である。例えば、
上記実施の形態1,2,3に係るLPCパラメータのベ
クトル量子化/復号化は、ベクトル量子化装置や音声符
号化装置/音声復号化装置として説明しているが、これ
らのLPCパラメータのベクトル量子化/復号化をソフ
トウェアとして構成しても良い。例えば、上記LPCパ
ラメータのベクトル量子化/復号化のプログラムをRO
Mに格納し、そのプログラムにしたがってCPUの指示
により動作させるように構成しても良い。また、LPC
パラメータのベクトル量子化/復号化プログラムをコン
ピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、この記憶
媒体のLPCパラメータのベクトル量子化/復号化プロ
グラムをコンピュータのRAMに記録して、ベクトル量
子化プログラムにしたがって動作させるようにしても良
い。このような場合においても、上記実施の形態1,
2,3と同様の作用、効果を呈する。
【0189】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、音声信号の短時間的なスペクトル包絡情報を
表すLPCパラメータをベクトル量子化する際に、(重
み付き)ユークリッド距離を尺度としてコードベクトル
を少数個数に予備選択し、予備選択により残された少数
個のコードベクトル候補に対しては、CD(Cepstram Di
stortion)やSD(Spectral Distortion)といったスペ
クトラム空間の歪み量を基準尺度として符号探索(最終
的なLPC符号の特定)を行うことが可能となり、その
結果、(重み付き)ユークリッド距離だけを符号探索の
基準尺度にしていた従来のベクトル量子化装置より、高
性能な(CDやSDといったスペクトル空間上の歪みが
従来より小さくなる)ベクトル量子化装置を提供するこ
とができる。
【0190】さらに、本発明に係るLPCパラメータの
ベクトル量子化装置を音声符号化・復号化装置に適応す
ることにより、従来のベクトル量子化装置を利用してい
た音声符号化・復号化装置よりも、高品質な合成音声を
得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るLPCパラメータ
のベクトル量子化装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る復号化LPCパラ
メータの生成方法を説明するためのブロック図
【図3】本発明の実施の形態2に係るLSFパラメータ
のベクトル量子化装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係るLSFパラメータ
のベクトル量子化装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4に係る音声信号送信装置
及び音声信号受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態4に係る音声符号化装置の
構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4に係る音声復号化装置の
構成を示すブロック図
【図8】CELP方式の音声符号化装置の構成を示すブ
ロック図
【図9】従来のLPCパラメータのベクトル量子化装置
の基本構成を示すブロック図
【符号の説明】
101、201 LSFコードブック 102 距離計算部 103 LPC符号予備選択部 104、106 LSF・LPC係数変換部 105、107 LPC係数・LPCケプストラム変換
部 108 LPC符号本選択部 202 コードベクトル読み出し部 301 重み算出部 302 予測係数コードブック 303 MA予測器 304 予測残差算出部 305 1段目コードブック 306 1段目距離計算部 307 1段目VQ予備選択部 308 1段目VQ残差計算部 309 2段目低次コードブック 310 2段目低次距離計算部 311 2段目高次距離計算部 312 2段目高次コードブック 313 2段目低次符号探索部 314 2段目高次符号探索部 315 予測残差復号化部 316 復号化LSF生成部 317、319 LSF・LPC係数変換部 318、320 LPC係数・LPCケプストラム変換
部 321 LPC符号本選択部 322 復号化予測残差格納部 323 平均LSF格納部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森井 利幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 江原 宏幸 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 間野 一則 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 日和▲崎▼ 祐介 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5D045 CC02 DA02 DA11 5J064 AA01 BA13 BB01 BB03 BC01 BC21 BD02

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のコードベクトルを格納したコード
    ブックから逐次読み出された複数のコードベクトルと量
    子化ターゲットとの間の歪みを第1の歪み評価尺度を用
    いて計算する第1計算手段と、前記多数のコードベクト
    ルの中から前記第1の歪み評価尺度による歪み量を小さ
    くするコードベクトルを予備選択する予備選択手段と、
    予備選択されたコードベクトルそれぞれと前記量子化タ
    ーゲットとの間の歪みを前記第1の歪み評価尺度と異な
    る第2の歪み評価尺度を用いて計算する第2計算手段
    と、前記第2の歪み評価尺度による歪み量を最小化する
    コードベクトルを予備選択されたコードベクトルの中か
    ら特定し、特定されたコードベクトルのインデクス情報
    を出力する本選択手段と、を具備するLPCパラメータ
    のベクトル量子化装置。
  2. 【請求項2】 量子化ターゲットが、音声信号の短時間
    的なスペクトル包絡情報を表すLPCパラメータである
    請求項1記載のLPCパラメータのベクトル量子化装
    置。
  3. 【請求項3】 LPCパラメータが、処理フレーム区間
    内の音声信号を線形予測分析して得られるLPC係数で
    ある請求項2記載のLPCパラメータのベクトル量子化
    装置。
  4. 【請求項4】 LPCパラメータが、処理フレーム区間
    の音声信号を線形予測分析して得られるLPC係数を周
    波数領域のパラメータに変換して得られるパラメータで
    ある請求項2記載のLPCパラメータのベクトル量子化
    装置。
  5. 【請求項5】 LPCパラメータが、処理フレーム区間
    の音声信号を線形予測分析して得られるLPC係数を変
    換して得られるLSFパラメータである請求項2又は請
    求項4記載のLPCパラメータのベクトル量子化装置。
  6. 【請求項6】 LPCパラメータが、処理フレーム区間
    の音声信号を線形予測分析して得られるLPC係数を変
    換して得られるLSPパラメータである請求項2又は請
    求項4記載のLPCパラメータのベクトル量子化装置。
  7. 【請求項7】 コードブックから逐次読み出されたコー
    ドベクトルと量子化ターゲットとの間の歪みを計算する
    際に用いる第1の歪み評価尺度が、ユークリッド距離で
    ある請求項2から請求項6のいずれかに記載のLPCパ
    ラメータのベクトル量子化装置。
  8. 【請求項8】 コードブックから逐次読み出されたコー
    ドベクトルと量子化ターゲットとの間の歪みを計算する
    際に用いる第1の歪み評価尺度が、重み付きユークリッ
    ド距離である請求項2から請求項6のいずれかに記載の
    LPCパラメータのベクトル量子化装置。
  9. 【請求項9】 予備選択されたコードベクトルそれぞれ
    と量子化ターゲットとの間の歪みを計算する際に用いる
    第2の歪み評価尺度が、周波数スペクトル空間での歪み
    量を評価する尺度である請求項2から請求項8のいずれ
    かに記載のLPCパラメータのベクトル量子化装置。
  10. 【請求項10】 予備選択されたコードベクトルそれぞ
    れと量子化ターゲットとの間の歪みを計算する際に用い
    る第2の歪み評価尺度が、ケプストラム歪み(CD)で
    ある請求項9記載のLPCパラメータのベクトル量子化
    装置。
  11. 【請求項11】 予備選択されたコードベクトルそれぞ
    れと量子化ターゲットとの間の歪みを計算する際に用い
    る第2の歪み評価尺度が、スペクトラム歪み(SD)で
    ある請求項9記載のLPCパラメータのベクトル量子化
    装置。
  12. 【請求項12】 予備選択手段において予備選択される
    コードベクトルの数が予め特定されている請求項2から
    請求項11のいずれかに記載のLPCパラメータのベク
    トル量子化装置。
  13. 【請求項13】 予備選択手段において、第1の歪み評
    価尺度による歪み量にあらかじめしき値を設定してお
    き、当該設定したしきい値より第1の評価尺度による歪
    み量が小さくなるコードベクトルを予備選択する請求項
    2から請求項12のいずれかに記載のLPCパラメータ
    のベクトル量子化装置。
  14. 【請求項14】 請求項2から請求項13のいずれかに
    記載のベクトル量子化装置によって出力されるインデク
    ス情報を入力する入力手段と、前記ベクトル量子化装置
    におけるコードブックと同一のコードブックと、前記コ
    ードブックに格納された複数のコードベクトルから任意
    のコードベクトルを読み出す読出し手段と、を具備し、
    前記インデクス情報に対応するコードベクトルを前記コ
    ードブックから読み出し、読み出したコードベクトルを
    復号化LPCパラメータとして出力するLPCパラメー
    タ復号化装置。
  15. 【請求項15】 多数のLSFコードベクトルを格納し
    たLSFコードブックから逐次読み出したコードベクト
    ルと量子化ターゲットとの間のユークリッド距離を計算
    する距離計算手段と、前記ユークリッド距離を小さくす
    るコードベクトルのインデクスを予備選択すると共に、
    予備選択されたインデクスにそれぞれ対応する復号化L
    SFパラメータを生成するLPC符号予備選択手段と、
    前記復号化LSFパラメータそれぞれを復号化LPC係
    数に変換する第1LSF・LPC係数変換手段と、前記
    復号化LPC係数をそれぞれLPCケプストラムに変換
    する第1LPC係数・LPCケプストラム変換手段と、
    量子化ターゲットであるLSFパラメータをLPC係数
    に変換する第2LSF・LPC係数変換手段と、前記量
    子化ターゲットを変換して得られたLPC係数をLPC
    ケプストラムに変換する第2LPC係数・LPCケプス
    トラム変換手段と、前記第1及び第2LPC係数・LP
    Cケプストラム変換手段より供給される量子化ターゲッ
    トを変換して得られたLPCケプストラムと復号化LS
    Fパラメータを変換して得られたLPCケプストラムと
    の間のケプストラム歪み(CD)をそれぞれ計算し、前
    記ケプストラム歪みを最小化するLPCケプストラムに
    係るLSFコードベクトルのインデクスをLPC符号と
    して出力するLPC符号本選択手段と、を具備するLP
    Cパラメータのベクトル量子化装置。
  16. 【請求項16】 多数のLSFコードベクトルを格納し
    たLSFコードブックから逐次読み出したコードベクト
    ルと量子化ターゲットとの間のユークリッド距離を計算
    する距離計算手段と、前記ユークリッド距離を小さくす
    るコードベクトルのインデクスを予備選択すると共に、
    予備選択されたインデクスにそれぞれ対応する復号化L
    SFパラメータを生成するLPC符号予備選択手段と、
    前記復号化LSFパラメータそれぞれを復号化LPC係
    数に変換するLSF・LPC係数変換手段と、前記復号
    化LPC係数それぞれからFFTパワスペクラムを算出
    する第1LPC係数・FFTパワースペクトラム算出手
    段と、量子化ターゲットであるLSFパラメータをLP
    C係数に変換するLSF・LPC係数変換手段と、前記
    量子化ターゲットを変換して得られたLPC係数からF
    FTパワースペクトルを算出する第2LPC係数・FF
    Tパワースペクトラム算出手段と、前記第1及び第2L
    PC係数・FFTパワースペクトラム算出手段より供給
    される量子化ターゲットを変換して得られたFFTパワ
    ースペクトラムと復号化LSFパラメータを変換して得
    られたFFTパワースペクトラムとの間のスペクトラム
    歪み(SD)をそれぞれ計算し、前記スペクトラム歪み
    を最小化するFFTパワースペクトラムに係るLSFコ
    ードベクトルのインデクスをLPC符号として出力する
    LPC符号本選択手段と、を具備するLPCパラメータ
    のベクトル量子化装置。
  17. 【請求項17】 請求項15又は請求項16記載のLS
    Fパラメータのベクトル量子化装置によって出力される
    LPC符号を入力する入力手段と、ベクトル量子化の際
    に利用したコードブックと同一のコードブックと、前記
    コードブックに格納された複数のコードベクトルから任
    意のコードベクトルを読み出す手段と、を備え、前記入
    力されるLPC符号に対応するコードベクトルを前記コ
    ードブックから読み出し、復号化LPCパラメータとし
    て出力するLPCパラメータ復号化装置。
  18. 【請求項18】 予測ベクトル量子化を行う請求項2か
    ら請求項13のいずれかに記載のLPCパラメータのベ
    クトル量子化装置。
  19. 【請求項19】 スプリットベクトル量子化を行う請求
    項2から請求項13のいずれかに記載のLPCパラメー
    タのベクトル量子化装置。
  20. 【請求項20】 予測ベクトル量子化及びスプリットベ
    クトル量子化を行う請求項2から請求項13のいずれか
    に記載のLPCパラメータのベクトル量子化装置。
  21. 【請求項21】 3次MA予測ベクトル量子化、2段ベ
    クトル量子化、及びスプリットベクトル量子化を行い、
    量子化ターゲットとして入力されるLPCパラメータを
    ベクトル量子化してLPC符号を出力する請求項2から
    請求項13のいずれかに記載のLPCパラメータのベク
    トル量子化装置。
  22. 【請求項22】 入力LSFパラメータから予め格納さ
    れた平均LSFパラメータを差分することにより差分ベ
    クトルを算出し、前記差分ベクトルに対する予測ベクト
    ルを算出し、前記差分ベクトルから前記予測ベクトルを
    さらに差分することにより予測残差ベクトルを算出し、
    予測残差ベクトルをベクトル量子化してLPC符号を出
    力する2段スプリット構成のベクトル量子化装置であっ
    て、 前記予測残差ベクトルを、1段目符号帳が格納している
    複数の予測残差ベクトルを用いて重みつきユークリッド
    距離を歪み評価尺度としてベクトル量子化する1段目ベ
    クトル量子化手段と、 前記1段目ベクトル量子化手段によって生じる1段目V
    Q残差ベクトルを、2段目低次コードブックが格納して
    いる複数の1段目VQ残差ベクトルの低次成分と、2段
    目高次コードブックが格納している1段目VQ残差ベク
    トルの高次成分とを用いて、ケプストラム歪み(CD)
    を歪み評価尺度としてベクトル量子化する2段目ベクト
    ル量子化手段と、 を具備するLSFパラメータのベクトル量子化装置。
  23. 【請求項23】 入力LSFパラメータから予め格納さ
    れた平均LSFパラメータを差分することにより差分ベ
    クトルを算出し、前記差分ベクトルに対する予測ベクト
    ルを算出し、前記差分ベクトルから前記予測ベクトルを
    さらに差分することにより予測残差ベクトルを算出し、
    予測残差ベクトルをベクトル量子化してLPC符号を出
    力する2段スプリット構成のベクトル量子化装置であっ
    て、 前記予測残差ベクトルを、1段目符号帳が格納している
    複数の予測残差ベクトルを用いて、重みつきユークリッ
    ド距離を歪み評価尺度としてベクトル量子化する1段目
    ベクトル量子化手段と、 前記1段目ベクトル量子化手段によって生じる1段目V
    Q残差ベクトルを、低次スケーリング係数コードブック
    が格納している1段目符号帳に格納された予測残差ベク
    トルと同数種類の低次スケーリング係数と、高次スケー
    リング係数コードブックが格納している1段目符号帳に
    格納された予測残差ベクトルと同数種類の高次スケーリ
    ング係数と、2段目低次コードブックが格納している複
    数の低次コードベクトルと、2段目高次コードブックが
    格納している高次コードベクトルとを用いて、ケプスト
    ラム歪み(CD)を歪み評価尺度としてベクトル量子化
    する2段目ベクトル量子化手段と、 を具備するLSFパラメータのベクトル量子化装置。
  24. 【請求項24】 請求項21記載のLPCパラメータの
    ベクトル量子化装置が出力するLPC符号を入力し、入
    力された前記LPC符号に基づいて復号化LPCパラメ
    ータを生成するLPCパラメータ復号化装置。
  25. 【請求項25】 請求項22記載のベクトル量子化装置
    が出力したLPC符号をインデクス情報に分解し、この
    インデクス情報をもとに復号化予測残差ベクトルを算出
    し、この復号化予測残差ベクトルをもとに復号化LSF
    パラメータを生成するLSFパラメータ復号化装置であ
    って、 前記インデクス情報と対応する1段目コードベクトル
    と、2段目低次コードベクトルと、2段目高次コードベ
    クトルと、をそれぞれのコードブックからそれぞれ読み
    出し、前記読み出した3つのコードベクトルを加算する
    ことによって復号化予測残差ベクトル生成するLSFパ
    ラメータ復号化装置。
  26. 【請求項26】 請求項23記載のベクトル量子化装置
    が出力したLPC符号をインデクス情報に分解し、この
    インデクス情報をもとに復号化予測残差ベクトルを算出
    し、この復号化予測残差ベクトルをもとに復号化LSF
    パラメータを生成するLSFパラメータ復号化装置であ
    って、 前記インデクス情報と対応する1段目コードベクトル
    と、2段目低次コードベクトルと、2段目高次コードベ
    クトルと、低次スケーリング係数と、高スケーリング係
    数と、をそれぞれのコードブックからそれぞれ読み出
    し、前記読み出した3つのコードベクトルと、2つのス
    ケーリング係数を積和することによって復号化予測残差
    ベクトル生成するLSFパラメータの復号化装置。
  27. 【請求項27】 請求項25記載のLSFパラメータ復
    号化装置にて生成された復号化LSFパラメータを復号
    化LPC係数に変換する機能を具備するLPC係数の復
    号化装置。
  28. 【請求項28】 請求項26記載のLSFパラメータ復
    号化装置にて生成された復号化LSFパラメータを復号
    化LPC係数に変換するLPC係数の復号化装置。
  29. 【請求項29】 LPCパラメータのベクトル量子化プ
    ログラムを格納し、コンピュータにより読み取り可能な
    記録媒体であって、前記LPCパラメータのベクトル量
    子化プログラムは、多数のコードベクトルを格納したコ
    ードブックから逐次読み出された複数のコードベクトル
    と量子化ターゲットとの間の歪みを第1の歪み評価尺度
    を用いて計算する手順と、前記多数のコードベクトルの
    中から前記第1の歪み評価尺度による歪み量を小さくす
    るコードベクトルを予備選択する手順と、予備選択され
    たコードベクトルそれぞれと前記量子化ターゲットとの
    間の歪みを前記第1の歪み評価尺度と異なる第2の歪み
    評価尺度を用いて計算する手順と、前記第2の歪み評価
    尺度による歪み量を最小化するコードベクトルを予備選
    択されたコードベクトルの中から特定し、特定されたコ
    ードベクトルのインデクス情報を出力する手順と、を有
    する記録媒体。
  30. 【請求項30】 LPCパラメータのベクトル復号化プ
    ログラムを格納し、コンピュータにより読み取り可能な
    記録媒体であって、前記LPCパラメータのベクトル復
    号化プログラムは、請求項29記載の記録媒体によって
    出力されるインデクス情報に対応するコードベクトルを
    コードブックから読み出す手順と、読み出したコードベ
    クトルを復号化LPCパラメータとして出力する手順
    と、を有する記録媒体。
  31. 【請求項31】 請求項2から請求項13、請求項1
    5、請求項16,請求項18から請求項21のいずれか
    に記載のLPCパラメータのベクトル量子化装置を用い
    て、入力音声信号のスペクトル特性を量子化・符号化す
    る手段と、入力音声信号の周期成分を表す適応音源符号
    帳と、固定音源符号帳と、前記固定音源符号帳及び前記
    適応音源符号帳から生成される音源ベクトルと前記パラ
    メータとを用いて合成音声信号を合成する手段と、入力
    音声信号と前記合成音声信号との歪みが小さくなるよう
    に前記固定符号帳及び前記適応符号帳からの出力を決定
    する手段と、を具備する音声符号化装置。
  32. 【請求項32】 請求項14、請求項17、請求項24
    のいずれかに記載のLPCパラメータ復号化装置を用い
    て、音声符号化装置によって符号化されたスペクトル特
    性を表すパラメータを復号する手段と、固定音源符号帳
    と、合成音声信号の周期成分を表す適応音源符号帳と、
    前記音声符号化装置において決定された音源ベクトルを
    前記固定音源符号帳及び前記適応音源符号帳から復号
    し、復号された音源ベクトルと前記パラメータとから合
    成音声信号を合成する手段と、を具備する音声復号化装
    置。
  33. 【請求項33】 請求項31記載の音声符号化装置を備
    えた音声信号送信装置。
  34. 【請求項34】 請求項32記載の音声復号化装置を備
    えた音声信号受信装置。
  35. 【請求項35】 請求項33記載の音声信号送信装置又
    は請求項34記載の音声信号受信装置を備えた基地局装
    置。
  36. 【請求項36】 請求項33記載の音声信号送信装置又
    は請求項34記載の音声信号受信装置を備えた通信端末
    装置。
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