JP2002229023A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】光源の実装作業の煩雑化を招くといった不具合
を生じさせることなく、画像の再現性を良くすることが
できるフロントライト方式のカラー液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】反射型のカラー液晶パネル１と、少なくと
も１つの光源３と、この光源３から発せられた光をカラ
ー液晶パネル１に対してその正面から照射させるように
導く導光板２と、を具備している、カラー液晶表示装置
Ａであって、光源３は、Ｒ，Ｇ，Ｂの各色の光を発する
３種類のＬＥＤチップ３０が１纏めに樹脂パッケージさ
れたワンパッケージ型のＬＥＤ光源である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、フロントライト
方式のカラー液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、カラー液晶表示装置としては、モ
ノクロタイプの液晶表示装置と同様に、フロントライト
方式を採用した反射型のものが種々提案されている。こ
の方式の液晶表示装置は、バックライト方式を採用した
半透過型の液晶表示装置とは異なり、液晶パネルを透過
する光を大幅に減衰させる半透過反射板を用いないため
に、その分だけ表示画面を明るくすることができ、表示
画像の高コントラスト化ならびに電力消費量の抑制を図
ることができる。

【０００３】フロントライト方式を採用した液晶表示装
置のカラー化を図る場合においても、液晶パネルを照明
するための光源としては、電力消費量が少なく、かつ所
定箇所への実装が容易な取り扱い性の良いものにするこ
とが要請される。そこで、従来においては、上記光源と
して、たとえば白色ＬＥＤが用いられていた。白色ＬＥ
Ｄから発せられる光を利用すれば、カラー液晶パネルに
具備されている赤、青、緑（以下「Ｒ，Ｇ，Ｂ」と略称
する）のカラーフィルタのそれぞれが所定波長の光を透
過させることとなり、カラー表示が可能である。上記光
源としては、白色ＬＥＤに代えて、Ｒ，Ｇ，Ｂの各色の
光を発する３つのＬＥＤを用いることも可能であるが、
これら３つのＬＥＤを所定の箇所に個々に実装していた
のでは、その手間が煩雑となり、製造コストが高くなる
不具合がある。これに対し、白色ＬＥＤを用いる手段に
よれば、１個の光源でカラー化に対応することが可能で
あり、上記不具合を解消することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように白色ＬＥＤを用いた場合には、次に述べるよう
に、画像の色彩の再現性に劣るという不具合を生じてい
た。すなわち、従来用いられていた白色ＬＥＤの発光強
度の一例を図７に示す。同図に示す白色ＬＥＤの発光強
度は、青色に近い４５０ｎｍ前後の波長域が最大となっ
ている。これと比較すると、５２０ｎｍ前後および６５
０ｎｍ前後の緑色や赤色の波長域の発光強度はかなり低
くなっている。このため、従来のカラー液晶表示装置で
は、青色の画素が赤や緑の画素よりも高輝度になり易
く、カラー画像の再現性が劣るものとなっていた。

【０００５】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、光源の実装作業の煩雑化を招く
といった不具合を生じさせることなく、画像の再現性を
良くすることができるフロントライト方式のカラー液晶
表示装置を提供することをその課題としている。

【０００６】

【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。

【０００７】本願発明によって提供されるカラー液晶表
示装置は、反射型のカラー液晶パネルと、少なくとも１
つの光源と、この光源から発せられた光を上記カラー液
晶パネルに対してその正面から照射させるように導く導
光板と、を具備している、カラー液晶表示装置であっ
て、上記光源は、Ｒ，Ｇ，Ｂの各色の光を発する３種類
のＬＥＤチップが１纏めに樹脂パッケージされたワンパ
ッケージ型のＬＥＤ光源であることを特徴としている。

【０００８】本願発明によれば、上記ＬＥＤ光源の３種
類のＬＥＤチップからは、Ｒ，Ｇ，Ｂのそれぞれの光が
発せられるために、上記ＬＥＤ光源から発せられるトー
タルの光としては、Ｒ，Ｇ，Ｂのそれぞれの光量に大き
なバラツキがないものにすることができる。したがっ
て、従来とは異なり、Ｒ，Ｇ，Ｂのうちのいずれかの画
素が他のいずれかの画素よりも高輝度になり易くなると
いったことを適切に防止し、カラー画像の再現性を高め
ることができる。また、上記ＬＥＤ光源は、３種類のＬ
ＥＤチップが１纏めに樹脂パッケージされたものである
から、上記３種類のＬＥＤチップを個別に実装するよう
な必要はなく、その実装作業も容易化され、製造コスト
の上昇を抑制することができる。

【０００９】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記ＬＥＤ光源は、上記３種類のＬＥＤチップを収
容し、かつそれらＬＥＤチップを覆う透明樹脂が充填さ
れた凹部を有するパッケージング樹脂を備えているとと
もに、このパッケージング樹脂の上記凹部を規定する複
数の面は、受けた光の反射が可能な白色面とされてい
る。

【００１０】このような構成によれば、上記各ＬＥＤチ
ップを上記透明樹脂により適切に保護できるのに加え、
上記各ＬＥＤチップから発せられた光については、上記
透明樹脂を透過させることによって適切に外部に出射さ
せることができる。上記各ＬＥＤチップから発せられた
光のうち、上記パッケージング樹脂の凹部を規定する複
数の面に向けて進行した光は、それら複数の面によって
高い反射率で反射される。したがって、この光をＬＥＤ
光源の正面に向けて進行させることも可能となり、上記
各ＬＥＤチップから発せられる光を導光板内に効率良く
入射させることができる。

【００１１】本願発明の他の好ましい実施の形態におい
ては、上記ＬＥＤ光源は、上記３種類のＬＥＤチップの
各電極に導通接続された複数の導体を具備しており、か
つこれら複数の導体のそれぞれの一部は、上記パッケー
ジング樹脂の底部に位置する面実装用の端子部とされて
いる。

【００１２】このような構成によれば、上記ＬＥＤ光源
を所定の箇所に実装する場合には、たとえばハンダリフ
ローの手法を用いた面実装が可能となり、その実装作業
が一層容易となる。

【００１３】本願発明のその他の特徴および利点につい
ては、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明
らかになるであろう。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。

【００１５】図１〜図４は、本願発明の一実施形態を示
している。図１によく表われているように、本実施形態
のカラー液晶表示装置Ａは、フロントライト方式を採用
した反射型の液晶表示装置であり、カラー液晶パネル１
と、導光板２と、複数のＬＥＤ光源３とを具備して構成
されている。

【００１６】カラー液晶パネル１としては、従来より既
知のものが用いられている。すなわち、このカラー液晶
パネル１は、ガラス製などの一対の基板１０ａ，１０ｂ
間に液晶１２を封入したものであり、それら一対の基板
１０ａ，１０ｂの各内面には複数の電極１４ａ，１４ｂ
や配向膜１３ａ，１３ｂが設けられている。基板１０ａ
の内面には、Ｒ，Ｇ，Ｂのそれぞれの色彩のカラーフィ
ルタ１５（１５Ｒ，１５Ｇ，１５Ｂ）やブラックマトリ
クス１７がさらに設けられている。基板１０ａおよび各
電極１４ａは透明であり、液晶１２内に対してこのカラ
ー液晶パネル１の正面から光が進行できるようになって
いる。各電極１４ｂは、受けた光を反射可能な材質から
なり、カラー液晶パネル１の正面から液晶１２を通過し
てきた光を受けると、この光を上記正面に向けて反射す
る反射板としての役割をも果たすようになっている。も
ちろん、各電極１４ｂを反射板として役立たせるのに加
え、またはこれに代えて、カラー液晶パネル１の背面部
に反射板を設けた構成とすることもできる。基板１０
ａ，１０ｂの各外面には、偏光板１６ａ，１６ｂが積層
して設けられている。

【００１７】導光板２は、カラー液晶パネル１の正面に
配置されており、アクリル樹脂またはポリカーボネート
などの透明な樹脂からなる矩形の平板状である。ただ
し、この導光板２のうち、カラー液晶パネル１に対面す
る下面２３には、半球状の複数の凸部２０が設けられて
いる。各凸部２０の外面を含め、この導光板２の上面２
２や各側面は、鏡面である。

【００１８】図２および図３によく表われているよう
に、ＬＥＤ光源３は、赤色ＬＥＤチップ３０（３０
Ｒ）、緑色ＬＥＤチップ３０（３０Ｇ）および青色ＬＥ
Ｄチップ３０（３０Ｂ）を一纏めに樹脂パッケージした
構成とされている。より具体的には、このＬＥＤ光源３
は、銅などの金属からなる複数の導体３１，３２を具備
しており、各ＬＥＤチップ３０は、導体３１上に導電接
着剤を介してボンディングされている。これにより、各
ＬＥＤチップ３０の下面の電極は、第１の導体３１と導
通している。各ＬＥＤチップ３０の上面の電極は、ワイ
ヤＷを介して導体３２に導通接続されている。導体３
１，３２の一部は、白色のパッケージング樹脂３３内に
埋設されている。複数の導体３１，３２のうち、パッケ
ージング樹脂３３の外部に露出している部分の一部は、
パッケージング樹脂３３の底部に位置する面実装用の小
板状の端子部３１ａ，３２ａとされている。各ＬＥＤチ
ップ３０は、パッケージング樹脂３３に形成された凹部
３３ｂ内に配置されており、かつこの凹部３３ｂ内に充
填されたエポキシ樹脂などの透明樹脂３４によって覆わ
れている。凹部３３ｂを規定する複数の壁面３３ｃは、
いずれも光の反射率が高い白色面である。したがって、
このＬＥＤ光源３においては、各ＬＥＤチップ３０から
発せられた光のうち、各壁面３３ｃに到達した光につい
ては、これを高い反射率で反射させて、このＬＥＤ光源
３の正面（図２では上方）に向けて効率良く進行させる
ことが可能である。

【００１９】図４によく表われているように、各ＬＥＤ
光源３は、導光板２内に光を入射させることができるよ
うに導光板２の側面２１ａに対向して設けられている。
同図においては、２つのＬＥＤ光源３が用いられている
が、その具体的な数は、カラー液晶パネル１や導光板２
のサイズに応じて適宜変更することが可能であり、とく
に限定されるものではない。たとえば、導光板２内の入
射光量を多くしたい場合には、導光板２の側面２１ａに
加え、他の３つの側面２１ｂ〜２１ｄのいずれかまたは
全部に複数のＬＥＤ光源３を対向させるようにしてもか
まわない。

【００２０】次に、上記構成のカラー液晶表示装置Ａの
作用について説明する。

【００２１】まず、図１において、ＬＥＤ光源３を点灯
駆動させると、このＬＥＤ光源３から発せられた光は、
導光板２の側面２１ａから導光板２内に入射する。導光
板２内に入射した光は、導光板２の上面２２や下面２３
の平面部分による全反射を繰り返しながら側面２１ｂに
向けて進行していく。この進行過程において、各凸部２
０の外面に到達する光については、この外面に対する入
射角が導光板２の材質によって特定される全反射臨界角
よりも小さくなり易く、この導光板２の外部に下向きに
出射させることができる。

【００２２】導光板２からカラー液晶パネル１に照射さ
れた光は、カラー液晶パネル１の内部を下方に向けて進
行した後に、各電極１４ｂに到達すると、この電極１４
ｂによって上方に反射され、液晶表示装置Ａの正面に出
射する。Ｒ，Ｇ，Ｂの各色のカラーフィルタ１５を通過
した光が液晶表示装置Ａの正面に出射することにより、
Ｒ，Ｇ，Ｂの各色の画素が表示されることとなり、フル
カラーの画像表示が可能となる。

【００２３】３種類のＬＥＤチップ３０のそれぞれの発
光強度は、たとえば図５の実線で示すような分布となっ
ている。ＬＥＤ光源３の発光強度は、上記３種類のＬＥ
Ｄチップ３０の発光強度をトータルしたものとなり、６
５０ｎｍ前後の赤色域、５２０ｎｍ前後の緑色域、およ
び４７０前後の青色域のいずれにおいてもその発光強度
を大きくし、かつそれらの値を略同一に揃えることが可
能である。一方、カラーフィルタ１５が電極１４ｂによ
って反射された光を上向きに透過させるときの分光透過
率については、図５の破線で示すように、Ｒ，Ｇ，Ｂの
各波長域についての透過率の最大値を略同一に揃えるこ
とができる。したがって、本実施形態においては、Ｒ，
Ｇ，Ｂの各カラーフィルタ１５を透過する光量を略同一
にして、Ｒ，Ｇ，Ｂのいずれかの画素が他のいずれかの
画素よりも高輝度にならないようにすることができる。
その結果、表示画像全体が赤みを帯びた色、青みを帯び
た色、あるいは緑みを帯びた色にならないようになり、
画像の再現性が高められる。

【００２４】一方、ＬＥＤ光源３は、３種類のＬＥＤチ
ップ３０が一纏めに樹脂パッケージされたものであるか
ら、カラー液晶表示装置Ａの製造に際しては、３種類の
ＬＥＤチップ３０のそれぞれを個別に所定の位置に実装
する必要はなく、それらを一括して所定の位置に実装す
ることができる。また、その実装に際しては、たとえば
ハンダリフローの手法を用いてＬＥＤ光源３を所定の箇
所に面実装可能であり、その作業を自動化することもで
きる。したがって、ＬＥＤ光源３の実装作業が煩雑化す
ることを防止し、カラー液晶表示装置Ａの製造コストの
上昇を抑制することもできる。

【００２５】なお、このカラー液晶表示装置Ａは、反射
型であるため、ＬＥＤ光源３を点灯駆動させない場合に
は、外光を利用した画像表示を行わせることもできる。
外光を利用する場合には、外光が導光板２およびカラー
液晶パネル１内を順次下向きに進行した後に電極１４ｂ
によって上向きに反射されることにより、その光が上記
各部を上記とは逆に透過して液晶表示装置Ａの正面に出
射することとなる。

【００２６】本願発明に係るカラー液晶表示装置の各部
の具体的な構成は、上述の実施形態に限定されず、種々
に設計変更自在である。

【００２７】本願発明でいうＬＥＤ光源は、Ｒ，Ｇ，Ｂ
の各色の光を発する３種類のＬＥＤチップを１纏めに樹
脂パッケージしたものであればよく、３種類のＬＥＤチ
ップの具体的な配置などは種々に変更することができ
る。また、このＬＥＤ光源は、必ずしも面実装型のもの
として構成されていなくてもよく、たとえばパッケージ
ング樹脂の外部に複数本のピン状の端子が突出した形態
とされていてもよい。

【００２８】本願発明は、ＬＥＤ光源から発せられた光
を導光板内に入射させるための具体的な構造もとくに限
定されず、たとえば図６に示すような手段を採用するこ
ともできる。同図に示す手段においては、導光板２の一
側方に略バー状の導光部材８を配置し、かつこの導光部
材８の一端面８０ａに対向するようにＬＥＤ光源３を設
けている。この手段においては、ＬＥＤ光源３から発せ
られた光が一端面８０ａから導光部材８内に入射する
と、その光は導光部材８他端面８０ｂに向けて進行す
る。この進行過程において、導光部材８の一側面８１に
設けられている凹状面８２に光が到達すると、この光は
急激にその進行方向が変更されるように反射される結
果、導光部材８の他側面８３から出射し、導光板２内に
入射する。このような構成によれば、ＬＥＤ光源３を個
数を１つにした場合であっても、導光板２の内部にはそ
の一側面２１ａの全長域から光を入射させることが可能
となり、カラー液晶パネルの全域における光量分布の均
一化を図るのに好ましいものとなる。

【００２９】本願発明に係るカラー液晶表示装置は、液
晶の種類や液晶パネルの駆動方式も問わない。導光板と
しては、上記実施形態の半球状の凸部２０に代えて、複
数の円柱状や角錐状の凸部を備えたもの、あるいは導光
板の上面（液晶パネルとは反対の面）に複数の傾斜面を
設けることによって各傾斜面で全反射された光が導光板
の下面（液晶パネルに対面する面）から液晶パネルに向
けて出射するようにしたものなどを採用することが可能
であり、その具体的な構成も問わない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明に係るカラー液晶表示装置の一実施形
態を示す断面図である。

【図２】図１に示すカラー液晶表示装置に適用されてい
るＬＥＤ光源の断面図である。

【図３】図２に示すＬＥＤ光源の透視斜視図である。

【図４】ＬＥＤ光源と導光板との位置関係を示す斜視図
である。

【図５】本願発明の実施形態において用いられたＬＥＤ
光源の相対発光強度とカラーフィルタの分光透過率とを
示す図である。

【図６】ＬＥＤ光源から導光板内に光を入射させる構造
の他の例を示す概略平面図である。

【図７】従来用いられていた白色ＬＥＤの発光スペクト
ルを示す図である。

【符号の説明】

Ａ カラー液晶表示装置 １ カラー液晶パネル ２ 導光板 ３ ＬＥＤ光源 １５ カラーフィルタ ３０ ＬＥＤチップ ３１ａ，３２ａ 面実装用の端子部 ３３ パッケージング樹脂 ３３ｂ 凹部 ３３ｃ 壁面４ ３４ 透明樹脂

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 虎間 みのり 京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム株 式会社内 Ｆターム(参考） 2H091 FA02Y FA23X FA45X GA01 LA15 5G435 AA04 BB12 BB15 CC09 CC12 EE23 EE27 GG27

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反射型のカラー液晶パネルと、少なくと
   も１つの光源と、この光源から発せられた光を上記カラ
   ー液晶パネルに対してその正面から照射させるように導
   く導光板と、を具備している、カラー液晶表示装置であ
   って、 上記光源は、Ｒ，Ｇ，Ｂの各色の光を発する３種類のＬ
   ＥＤチップが１纏めに樹脂パッケージされたワンパッケ
   ージ型のＬＥＤ光源であることを特徴とする、カラー液
   晶表示装置。
2. 【請求項２】 上記ＬＥＤ光源は、上記３種類のＬＥＤ
   チップを収容し、かつそれらＬＥＤチップを覆う透明樹
   脂が充填された凹部を有するパッケージング樹脂を備え
   ているとともに、このパッケージング樹脂の上記凹部を
   規定する複数の面は、受けた光の反射が可能な白色面と
   されている、請求項１に記載のカラー液晶表示装置。
3. 【請求項３】 上記ＬＥＤ光源は、上記３種類のＬＥＤ
   チップの各電極に導通接続された複数の導体を具備して
   おり、かつこれら複数の導体のそれぞれの一部は、上記
   パッケージング樹脂の底部に位置する面実装用の端子部
   とされている、請求項２に記載のカラー液晶表示装置。