JP2002225725A - ステアリングホイール - Google Patents

ステアリングホイール

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JP2002225725A
JP2002225725A JP2001028858A JP2001028858A JP2002225725A JP 2002225725 A JP2002225725 A JP 2002225725A JP 2001028858 A JP2001028858 A JP 2001028858A JP 2001028858 A JP2001028858 A JP 2001028858A JP 2002225725 A JP2002225725 A JP 2002225725A
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Japan
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core
rim
weight
steering wheel
weight storage
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Application number
JP2001028858A
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English (en)
Inventor
Mikio Ochiai
幹雄 落合
Nobukazu Akaike
伸和 赤池
Izumi Sato
泉 佐藤
Shinya Suzuki
真也 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングホイールの振動特性を容易に向
上する。 【解決手段】 上シェル21と下シェル22とを組み合わせ
て、中空の芯金11を形成する。リム芯金部15の内部に、
複数の錘収納部Bを形成する。各錘収納部Bに、それぞ
れ球状の錘Wを自由に移動可能に収納する。錘Wは、金
属製のウェイト本体の周囲をゴム製の被覆部で覆って形
成する。ステアリングホイールが振動すると、各錘W
は、芯金11の振動に一瞬遅れて移動し、錘収納部Bの内
壁に当接し、振動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動特性を向上す
る錘を備えたステアリングホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車など乗り物の操縦に用いる
ステアリングホイールにおいて、エンジンの回転による
振動や走行時の路面からの振動がステアリングシャフト
の乗員側先端に止着されるステアリングホイールに伝わ
り、このステアリングホイールを振動させている。この
時、ステアリングホイールに固有の共振周波数において
振動の極大点が現れ、この周波数の振動の作用によりス
テアリングホイールが大きく振動し、このステアリング
ホイールを把持して操作する乗員に不快感を与える問題
を有している。
【0003】この点、例えば、実開昭62−64675
号公報、あるいは、実開平2−129967号公報に示
されるように、ステアリングホイールの内部に、ゴム脚
で支えた錘(ダンパ)を取り付け、固有共振周波数を調節
する制振装置が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成は、相
当の質量と体積とを有する錘をゴム脚で支え、かつ、錘
すなわちゴム脚上荷重を周囲の部材に衝突させないよう
に所定のストロークで進退させて制振性能を得るもので
あり、従って、ステアリングホイール全体としての質量
増大の問題が生じやすい。加えて、制振装置の占有体積
が大きく、制振装置を搭載できる位置は、実開平2−1
29967号公報に示されるように、ボス部などステア
リングホイールの限られた場所に過ぎず、あるいは、実
開昭62−64675号公報に示されるように、リム部
の直径の全体を使って配置されている。
【0005】しかしながら、ステアリングホイールに
は、エアバッグモジュールなどの衝突安全装置、あるい
は、ホーンスイッチをはじめとする各種操作機構を配置
する要請があり、また、把持操作の際にリム部の周方向
に均一でソフトな感触を実現し、また、好適な意匠を実
現する要請があるため、ボス部やリム部に錘を配置する
ことが困難になっている。
【0006】また、ボス部はステアリングホイールのス
テアリングシャフトへの止着基点であり、この止着基点
から離間したスポーク部やリム部に剛性を与えて振動を
抑制する設計により、振動を効果的に抑制できるもの
の、スポーク部やリム部は外力に対して好ましい潰れ変
形特性を有する必要があり、これら変形特性と振動特性
とを高次元で両立させる設計は、多数の設計と実験の繰
り返しの結果漸く完成されるもので、多額の開発投資と
研究期間とを要する困難な作業となっている。さらに、
リム部の一部分に、他の部分とは全く構造を異にする錘
を組み合わせる構成に関しては、技術的に克服すべき多
くの課題を新たに生じる問題を有している。
【0007】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、容易に製造でき、かつ、振動特性を容易に良好に
できるステアリングホイールを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のステアリ
ングホイールは、操向用シャフトに連結されるボス芯金
部と、把持操作のためのリム芯金部と、これらボス芯金
部とリム芯金部とを連結するスポーク芯金部とを備えた
芯金と、前記リム芯金部に設けられた中空状の錘収納部
と、この錘収納部に自由に移動可能で前記錘収納部の内
壁部に衝突可能に収納され、かつ、前記リム芯金部の長
手方向に沿って配列された複数の錘とを具備したもので
ある。
【0009】そして、この構成では、ステアリングホイ
ールが振動した際は、錘収納部に自由に移動可能に収納
された複数の錘が錘収納部の内壁部に衝突し、振動特性
が効率良く調整され、操作感が向上する。さらに、複数
の錘をリム芯金部の形状に沿って配列することにより、
リム芯金部への形状の適合性が向上し、製造が容易にな
り、製造コストが低減される。
【0010】請求項2記載のステアリングホイールは、
操向用シャフトに連結されるボス芯金部と、把持操作の
ための中空状のリム芯金部と、これらボス芯金部とリム
芯金部とを連結するスポーク芯金部とを第1の半シェル
及びこの第1の半シェルに組み合わされた第2の半シェ
ルとで構成した芯金と、前記リム芯金部に一体に設けら
れた中空状の錘収納部と、この錘収納部に移動可能で前
記錘収納部の内壁部に衝突可能に収納され、かつ、前記
リム芯金部の長手方向に沿って配列された複数の錘とを
具備したものである。
【0011】そして、この構成では、錘収納部に移動可
能に収納された複数の錘が錘収納部の内壁部に衝突し、
振動特性が調整され、操作感が向上する。錘収納部は、
第1の半シェルと第2の半シェルとを組み合わせた中空
状のリム芯金部に容易に一体に形成され、リム部の触
感、外観、あるいは変形特性の向上が容易になる。さら
に、複数の錘をリム芯金部の形状に沿って配列すること
により、リム芯金部への形状の適合性が向上し、製造が
容易になり、製造コストが低減される。
【0012】請求項3記載のステアリングホイールは、
請求項1または2記載のステアリングホイールにおい
て、錘収納部は、リム芯金部において、スポーク芯金部
と前記リム芯金部との連結カ所から最も離間した位置を
含む位置に配置されたものである。
【0013】そして、この構成では、振動特性が効率良
く調整され、操作感が向上する。
【0014】請求項4記載のステアリングホイールは、
請求項1ないし3いずれか記載のステアリングホイール
において、錘と錘収納部の内壁部との間に位置する消音
部材を備えたものである。
【0015】そして、この構成では、錘が消音部材を介
して錘収納部の内壁部に当接するため、異音の発生が低
減ないし防止される。
【0016】請求項5記載のステアリングホイールは、
請求項1ないし4いずれか記載のステアリングホイール
において、錘収納部は、リム部の上側に配置され、スポ
ーク芯金部とリム芯金部との連結カ所は、前記錘収納部
より下側に配置されたものである。
【0017】そして、この構成では、振動特性を調整し
て操作感を向上しつつ、ステアリングホイールの上側に
前方を視認するスペースが確保され、視認性が向上す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のステアリングホイ
ールの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】図2において、1は自動車のステアリング
ホイールで、このステアリングホイール1は、ステアリ
ングホイール本体2と、このステアリングホイール本体
2の乗員側に装着されるセンタパッドであるエアバッグ
装置(エアバッグモジュール)4となどを備えている。
なお、ステアリングホイール1は、操向用シャフトであ
る車体側のステアリングシャフトに装着され、このステ
アリングシャフトは、通常傾斜した状態で車両に備えら
れるものであり、自動車の直進状態において、位置F近
傍が上端部かつ前端部となるものであるが、以下、ステ
アリングホイール1の構成を説明する際は、エアバッグ
装置4側である乗員側すなわち正面側を上側、乗員側の
反体側すなわちステアリングシャフト側である車体側す
なわち背面側を下側、車両の前側すなわち前側上方のフ
ロントガラス側を前側、車両の後側すなわち後側下方を
後側あるいは手前側とし、また、ステアリングシャフト
の軸芯を操作軸Oとして説明する。
【0020】そして、ステアリングホイール本体2の全
体形状は、例えば略円環状をなし、グリップ部あるいは
リング部などとも呼ばれる把持操作のための円環状のリ
ム部5と、このリム部5の内側に位置してステアリング
シャフトに固定されるボス部6と、これらリム部5とボ
ス部6とを連結する複数の、本実施の形態では3本のス
ポーク部7とを備えている。
【0021】また、このステアリングホイール本体2の
構造は、芯金11と、この芯金11の一部を覆う被覆部12及
び下カバー(ロアカバー)14とを備えている。
【0022】そして、図1ないし図4に示すように、芯
金11は、ハンドル芯金とも呼びうるもので、ステアリン
グホイール本体2の全体形状に応じて、リム部5を補強
するリム芯金部15と、このリム芯金部15の内側に位置し
てボス部6を補強するボス芯金部(ボスプレート部)16
と、スポーク部7を補強し、すなわち、これらリム芯金
部15とボス芯金部16とを連結する複数の、本実施の形態
では3本のスポーク芯金部17とを備えた形状をなし、乗
員側に面する第1の半シェルとしての上シェル21と、車
体側に面する第2の半シェルとしての下シェル22とを組
み合わせ、内側に中空部Aを形成し、この中空部Aの一
部を錘収納部Bとした中空状に形成されている。そし
て、リム芯金部15及びボス芯金部16は、断面閉管状の中
空状に形成されているとともに、ボス芯金部16には、中
空部の内側に一部を挟持してシャフト固定部を構成する
ボス体23を固定している。また、以下、リム芯金部15と
スポーク芯金部17との接続部分を外側接続部18、ボス芯
金部16とスポーク芯金部17との接続部分を内側接続部19
として説明する。
【0023】そして、上下のシェル21,22は、鋼板をプ
レス成形したもので、例えば、それぞれ、厚さ寸法1.
0mmのSPCE鋼板を深絞成形して一体に形成されてい
る。そして、上下のシェル21,22は、リム芯金部15の外
周および内周に沿ったリム縁部結合部15a、スポーク芯
金部17の両側に沿ったスポーク縁部結合部17a、及び、
ボス芯金部16の外周に沿ったボス縁部結合部16aで結合
されている。
【0024】そして、上シェル21は、リム上部31、スポ
ーク上部32、ボス上部33を備えている。そして、このボ
ス上部33の中央には、円孔33aが形成されているととも
に、この円孔33aを中心とする円周上に等間隔に複数、
例えば3カ所に位置して、下方に突出する突起33bが形
成され、さらに、この突起33bの外周側に位置して、円
孔33aを中心として、上側に断面略U字状に突出する円
環状の突起部である連結部33cが円孔33aと同心状に形成
されている。なお、この連結部33cの内側は、連結部33c
の外側より低い位置に配置されている。さらに、ボス上
部33の両側部と後側部とには、エアバッグ装置4の高さ
位置を規制する座部37が上側に突出して形成されてい
る。
【0025】また、スポーク上部32は、ボス上部33の両
側部及び後側部から上側に傾斜して延設され、長手方向
に沿って幅方向の寸法は略一定であるが、外側接続部18
の近傍では、この外側接続部18に向かい、滑らかに連続
的に幅寸法が拡大するスポーク芯金上径大部32aが形成
されている。
【0026】さらに、リム上部31は、平面円環状に形成
され、両側の外側接続部18の近傍では、必要に応じて、
高さ寸法が他の部分より大きいリム芯金上径大部が形成
される。
【0027】また、リム上部31には、各外側接続部18か
ら最も離間した点である位置Fを略中央として、リム部
5の周方向に所定の間隔を介し、下側すなわちリム芯金
部15の内側に向かって突出する突起である複数のビード
35が所定間隔で一体に形成されている。また、全てのビ
ード35を同形状としてもよいが、本実施の形態では、各
ビード35のうち、周方向の両端に位置する端部ビード35
aは、周方向の中心側に向かって略垂直な係止面を設け
た平面三角形状で、他のビード35は、周方向の両端部に
略垂直な係止面を設けた平面四角形状である断面矩形状
に形成されている。さらに、断面矩形状の各ビード35の
うち、中央に位置する中央ビード35bのみ、他のビード3
5に比べて周方向に沿って長手寸法が大きく形成されて
いる。
【0028】また、両側の内側接続部19近傍には、ボス
上部33とスポーク上部32とに連続して、取付座38を構成
するブラケット39が一体に形成されている。そして、各
ブラケット39は、水平な板状をなし、それぞれ複数の通
孔39a,39bが形成されている。
【0029】さらに、ボス上部33の縁部、リム上部31、
及び各スポーク上部32は、例えばリム上部31について図
4に示すように、平板状の基部41と、この基部41の縁部
から下方に延設された縦壁部42とが形成されているとと
もに、この縦壁部42の下端に連続して、水平な板状の上
フランジ部及びこの上フランジ部の外側の端部から下側
に延設された巻締部となどを設けた塑性変形可能な包持
部44が形成されている。
【0030】一方、下シェル22は、上シェル21と同様
に、リム下部51、スポーク下部52、ボス下部53を備えて
いる。そして、このボス下部53の中央には、ボス上部33
の円孔33aより径寸法の大きい円孔53aが形成されている
とともに、この円孔53aを中心とする円周上に等間隔に
複数、例えば3カ所に位置して、上方に突出する突起53
bが形成されている。なお、これら突起53bは、ボス上部
33の突起33bに対して60度ずれた位置に形成されてい
る。さらに、この突起53bの外周側に位置し、円孔53aを
中心として、上側に断面略U字状に突出する円環状の連
結部53cが円孔53aと同心状に形成されている。そして、
この下シェル22の連結部53cは、上シェル21の連結部33c
内に嵌合などして収容されるように、上シェル21の連結
部33cよりも外径は小さく、かつ、内径は大きく形成さ
れている。また、内側接続部19近傍には、すなわち、ボ
ス上部33の両側部と後側部とには、ボス上部33の座部37
に対向して、図示しないセルフタッピングビスが螺合す
る孔部53dが形成されている。
【0031】また、スポーク下部52は、ボス下部53の両
側部及び後側部から上側に傾斜して延設され、長手方向
に沿って幅方向の寸法は略一定であるが、外側接続部18
の近傍では、この外側接続部18に向かい、滑らかに連続
的に幅寸法が拡大するスポーク芯金下径大部52aが形成
されている。
【0032】さらに、リム下部51は、平面円環状で、必
要に応じて、両側の外側接続部18の近傍では、高さ寸法
が他の部分より大きいリム芯金下径大部が形成される。
【0033】また、リム下部51には、各外側接続部18か
ら最も離間した点である位置Fを略中央として、リム部
5の周方向に所定の間隔を介し、上側すなわちリム芯金
部15の内側に向かって突出する突起である複数のビード
55が所定間隔で一体に形成されている。また、全てのビ
ード55を同形状としてもよいが、本実施の形態では、各
ビード55のうち、周方向の両端に位置する端部ビード55
aは、周方向の中心側に向かって略垂直な係止面を設け
た平面三角形状で、他のビード55は、周方向の両端部に
略垂直な係止面を設けた平面四角形状である断面矩形状
に形成されている。さらに、断面矩形状の各ビード55の
うち、中央に位置する中央ビード55bのみ、他のビード5
5に比べて周方向に沿って長手寸法が大きく形成されて
いる。
【0034】また、両側の内側接続部19近傍には、ボス
下部53とスポーク下部52とに連続して、取付座38を構成
するブラケット59が一体に形成されている。そして、各
ブラケット59は、水平な板状をなし、それぞれ複数の通
孔59a,59bが形成されている。
【0035】さらに、リム下部51、各スポーク下部52、
及びボス下部53の縁部は、例えばリム芯金部15について
図4に示すように、平板状の基部61と、この縁部から上
方に延設された縦壁部62とが形成されているとともに、
この縦壁部62の上端に連続して、水平な板状のフランジ
部64が形成されている。
【0036】また、ボス体23は、鉄材を、鍛造、鋳造、
あるいはNC工作機械を用いてNC切削加工などして成
形したもので、本実施の形態では、鍛造により、略円筒
状をなす筒状部23aと、略円板状をなすボスフランジ部2
3bとが一体に製造されている。そして、筒状部23aの内
面部には、ステアリングシャフトの先端側の外周部に形
成された波状突起に歯合する突起部(セレーション部)
23cが刻設されている。また、ボスフランジ部23bの外周
部には、等間隔に6カ所、半円形に切り欠かれたノッチ
部23dが形成されている。さらに、筒状部23aの下端部に
は、矩形状の凹部であるキャンセル部23eが形成されて
いる。なお、このキャンセル部23eは、図示しないステ
アリングコラム側に設けられた、方向指示器のランプの
操作レバーを自動復帰させるキャンセルピンに係合する
ものである。
【0037】そして、この芯金11は、ボス体23を間に挟
んだ状態で、上下のシェル21,22を突き合わせて連結し
て構成され、リム芯金部15の前端部のリム上部31とリム
下部51との間に、端部ビード35a,55aの係止面を長手方
向の両端部として、中空部Aの一部に対向する上下のビ
ード35,55で区画された複数の錘収納部Bが構成され、
各錘収納部Bにそれぞれ錘(ウェイト)Wが収納される。
【0038】そして、各錘収納部Bに収納される錘W
は、それぞれ球状であり、球状のウェイト本体W1と、
このウェイト本体W1の外周部の略全面を覆う消音部材
としての被覆部W2とにより構成されている。そして、
この錘Wの外形形状は、各錘収納部Bの内形形状より僅
かに小さく、例えば、本実施の形態では、錘Wの外面と
リム芯金部15の内壁部との隙間は片側0.5mmであり、
すなわち、錘Wの外形は、リム芯金部15の内寸より高
さ、幅、弧状の全長のいずれも1mmずつ小さく形成され
ている。また、この錘Wは、錘収納部Bすなわちリム芯
金部15には連結されておらず、少なくともリム部5の周
方向に所定のストロークで自由に移動可能に収納されて
いる。すなわち、錘Wは、錘収納部Bで揺動し、リム芯
金部15の内壁部に衝突可能に収納されている。すなわ
ち、上下のビード35,55は、球状の錘Wを小さいストロ
ークで保持できる間隔に配置されている。
【0039】そして、ウェイト本体W1は、例えば、
鉄、鉛、銅、真鍮などの金属を鋳造、鍛造などして形成
し、あるいは、セラミックなどを利用して形成する。
【0040】また、被覆部W2は、各種のゴム、例え
ば、シリコーンゴム、天然ゴム(NR)、エチレン・プロピ
レンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ク
ロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム
などを利用して形成する。また、エステン(商品名 B
Fグリッドリッチ社製品:ウレタン系エラストマー)、
ハイトレル(商品名 デュポン社製品:エステル系エラ
ストマー)、住友TPE(商品名 住友化学社製品:オ
レフィン系等各種エラストマー)など軟質なプラスチッ
クを用いて形成することもできる。実施例では、硬度5
0(JIS-A)のシリコーンゴムを使用した。好適な硬度はJ
IS-Aスケールの30〜90である。
【0041】そして、この被覆部W2は、例えば金型に
ウェイト本体W1をインサートした状態で、プレス成
形、射出成形などして、ウェイト本体W1に一体的に密
着して成形されている。
【0042】そして、この芯金11の製造工程は、上シェ
ル21のボス上部33と下シェル22のボス下部53との間にボ
ス体23を配置し、リム上部31とリム下部51との間の各錘
収納部Bにそれぞれ錘Wを配置して、上下のシェル21,
22を重ね合わせる。この時、ボス体23の筒状部23aをボ
ス下部53の円孔53aから下方に突出させるとともに、ボ
スフランジ部23bがボス上部33とボス下部53との間に挟
まれ、さらに、ボスフランジ部23bの6カ所のノッチ部2
3dに、1つおきに上下から突起33b,53bが係合し、上下
のシェル21,22及びボス体23の回転方向の位置決めがな
される。
【0043】また、上下のシェル21,22を重ねた状態
で、例えばリム芯金部15について図4に示すように、下
シェル22の縁部に沿って設けられたフランジ部64が、上
シェル21の縁部に沿って設けられた包持部44に収容され
る。この状態で、包持部44の巻締部をヘミング加工し、
上下のシェル21,22を結合する。すなわち、自動機を用
いたヘミングにより、縦壁である巻締部を内傾させ、さ
らに、巻締部に力を加えて折り返し、下シェル22のフラ
ンジ部64を平行に包み込むように変形させて下面側まで
巻き付けてリム縁部結合部15aを形成し、上下のシェル2
1,22を結合する。この状態で、リム芯金部15及びスポ
ーク芯金部17は断面閉管状となり、内側に中空部A及び
錘収納部Bが形成される。なお、例えばリム芯金部15の
リム縁部結合部15aについては、所定間隔でいわゆるポ
ンチ打ちを行うなどして凹部を形成し、上下のシェル2
1,22を係合して周方向に回り止めすることもできる。
【0044】また、ボス芯金部16は、上下の連結部33
c,53cが密着して嵌合するなどして一方が他方に収容さ
れ、かつ、固着はされない状態で固定され、この連結部
33c,53cの内側かつボス体23の外側に位置して、外力に
より変形可能な弱部(中間弱部)Xが形成される。ま
た、この弱部Xの断面形状は、リム芯金部15及びスポー
ク芯金部17の中空部の断面形状に対して、広幅で小丈、
すなわち、操作軸Oに沿った方向である高さ方向の寸法
は小さく、操作軸Oと直交する方向である幅方向の寸法
は大きく形成されている。
【0045】さらに、ボス体23は、所定の位置で下シェ
ル22にスポット溶接などして固着される。なお、ボス体
23は、上下のシェル21,22の一方に固着する他、、上下
のシェル21,22の両方に固着することもできる。
【0046】また、この状態で、リム芯金部15とスポー
ク芯金部17とが連結される外側接続部18に連続し、スポ
ーク芯金部17には、他の部分より幅方向に寸法が大きく
断面積が拡大されたスポーク芯金径大部67が構成され
る。また、必要に応じて、両側の外側接続部18に連続
し、リム芯金部15の両側部には、他の部分より高さ方向
に寸法が大きく断面積が拡大されたリム芯金径大部が構
成される。
【0047】さらに、この状態で、上下のブラケット3
9,59が位置合せして重ねられ、取付座38が構成され
る。そして、この取付座38には、通孔39a,59aが互いに
連通する位置決め孔38aと、通孔39b,59bが互いに連通
する取付孔38bとが構成される。
【0048】そして、このように構成された芯金11に対
し、図2に示すように、被覆部12及び下カバー14を装着
して、ステアリングホイール本体2が構成される。
【0049】そして、被覆部12は、上下に分割されたリ
ムカバー71,72を備え、これらリムカバー71,72をリム
芯金部15及びスポーク芯金部17の一部に被せて覆う。上
下のリムカバー71,72は、例えばポリプロピレン樹脂を
射出成形して形成している。さらに、必要に応じて、例
えば牛革などの天然皮革あるいは人工皮革などの表皮材
73をリムカバー71,72の外周に巻き付けて縫合し、リム
カバー71,72の全体を被覆する。
【0050】また、下カバー14は、例えば合成樹脂にて
ボス芯金部16及びスポーク芯金部17の一部を覆う形状に
一体に形成され、図示しないセルフタッピングビスを所
定の通孔に下側から挿入し、下シェル22の孔部53dに螺
合してビス止めする。なお、下シェル22の孔部53dに対
向する上シェル21の座部37は、このセルフタッピングビ
スのねじ部が孔部53dを突き抜けて上側に突出した場合
にも、このねじ部が上シェル21に当接しないように避け
る機能を有している。
【0051】さらに、この下カバー14には、芯金11の取
付座38に対向して、作業用通孔14aが形成されている。
【0052】また、エアバッグ装置4は、金属製のベー
スプレート4aに、図示しない袋状のエアバッグ及びこの
エアバッグにガスを供給するインフレータを取り付け、
さらに、エアバッグが膨張展開する圧力で破断するカバ
ー体4bで上側を覆って構成されている。また、ベースプ
レート4aには、下側に向かうねじ孔を有した両側一対の
ナット部が固設されているとともに、これらナット部の
近傍に位置して、位置決め突起が設けられている。
【0053】そして、このエアバッグ装置4は、芯金11
のボス芯金部16上に重ねられ、ベースプレート4aが上シ
ェル21の座部37上に当接して高さ方向に位置決めされる
とともに、位置決め突起を取付座38の位置決め孔38aに
挿入して、水平方向(横方向)に位置決めされる。な
お、位置決め孔38aを構成する上下の通孔39a,59aは、
下シェル22の通孔59aが上シェル21の通孔39aより大きく
形成され、通孔39aに挿入された位置決め突起が下シェ
ル22に当接して干渉されることがないようになってい
る。そして、この状態で、下カバー14の作業用通孔14a
を介して下側から挿入されたボルト75を、取付座38の取
付孔38bを介して、ベースプレート4aのナット部に螺合
することにより、エアバッグ装置4がステアリングホイ
ール本体2に固定され、ステアリングホイール1が構成
される。
【0054】そして、自動車の衝突などの場合には、エ
アバッグ装置4が作動し、乗員の前方にエアバッグを展
開して、前側に投げ出される乗員を拘束し、衝撃を緩和
する。また、このエアバッグ装置4の動作に関わらず、
乗員がステアリングホイール1に衝突した場合には、芯
金11が変形すなわちセルフアライニングし、衝撃を吸収
する。この時、この芯金11は、ボス芯金部16の外周部は
連結部33c,53cにより補強されているとともに、この連
結部33c,53cに連続するリム芯金部15及びスポーク芯金
部17は閉管状をなし、さらに包持結合構造がリブ構造と
なり強度が大きい。さらに、リム芯金部15とスポーク芯
金部17とが連結される外側接続部18には、断面積が拡大
されたスポーク芯金径大部67及び必要に応じてリム芯金
径大部が形成され、かつ、スポーク芯金径大部67は、滑
らかな扇状をなして断面積が拡大されているため、外側
接続部18への応力の集中を抑制できる。このため、ボス
芯金部16の、ボス体23のボスフランジ部23bの周縁部が
弱部となって変形が集中し、外力に対してステアリング
ホイール本体2の全体形状を保持しつつ、スポーク芯金
部17のいわば付け根の部分の角度が変化して衝撃を吸収
し、衝撃吸収特性が容易に良好になる。
【0055】そして、本実施の形態のステアリングホイ
ール1によれば、ステアリングホイール1に生じる振動
を効果的に抑制し、ステアリングホイール1の振動特性
を特定の周波数に共振点をもたないフラットなものと
し、さらに、このような特性の周波数帯域を広く確保す
ることが可能になり、ステアリングホイール1の操作感
を向上できる。
【0056】すなわち、本実施の形態のステアリングホ
イール1によれば、アイドリング時及び高速走行時を想
定した振動のいずれのピーク値についても、他の構成よ
り振動を抑制できる。なお、乗用車のアイドリング時の
共振点は個々の車両によりそれぞれ異なるが、通常20
Hz〜40Hzの範囲に有り、また、高速走行の際の共振点
はおよそ100Hz前後になる。
【0057】そして、この振動抑制の作用は、芯金11の
錘収納部Bに固定されずに収納された錘Wが、芯金11の
振動すなわち移動に一瞬遅れて移動し、芯金11の錘収納
部Bの内壁に当接すなわち接離し、衝突することによ
り、すなわち、芯金11の振動における往復運動に僅かに
遅れて錘Wが振動方向への移動を妨げる往復運動をする
ためと考えられる。
【0058】また、複数の錘Wを用いたため、特に、本
実施の形態では複数の球状の錘Wを用いたため、錘をス
テアリングホイール1のリム芯金部の形状に合わせて曲
率などを精密に形成する必要がなく、製造を容易にし
て、製造コストを低減できる。また、同一の錘Wを異な
る車種などの種々の異なる曲率を有するステアリングホ
イールに対して適用できるため、異なる曲率のリム部の
それぞれの曲率に合わせた高度の寸法精度の錘を制作す
る煩から解放され、汎用性を向上でき、製造コストを低
減できる。さらに、錘Wの個数を適宜選択することによ
り、適する振動特性を容易に設定できる。
【0059】なお、錘Wと錘収納部Bの内壁との間隔
は、上記の実施の形態のように、両側で1.0mm程度、
より好ましくは、0.6mm程度、最大でも2.0mmとす
ることにより、幅寸法の小さいリム芯金部15への錘Wの
組み込みを容易にできる。
【0060】また、鋼板製のリム芯金部15と鉄などの金
属製の棒材であるウェイト本体W1とが直接衝突する
と、騒音を生じるおそれがあるが、本実施の形態では、
ウェイト本体W1を被覆部W2で覆って揺動ストロークを
規制したため、異音の発生を低減ないし防止できる。但
し、被覆部W2は、上記の騒音を防止できる限りでウェ
イト本体W1が芯金11の内壁に衝突するエネルギーを減
衰させないものが好ましい。被覆部W2は、例えば、ゴ
ムの他、ウェイト本体W1の表面にクロス、不織布を貼
着などして形成しても良く、また、長尺の袋状の部材で
構成し、内側にウェイト本体W1を挿入した後、接着あ
るいは縫合などして挿入口を閉じることもできる。ま
た、ウェイト本体W1の表面に糸を巻き、軟質の樹脂を
塗布などして糸がほぐれないように固定することもでき
る。
【0061】さらに、錘Wすなわち錘収納部Bは、リム
芯金部15の、リム芯金部15とスポーク芯金部17との連結
カ所から最遠の位置に配置したため、振動を効果的に抑
制できる。
【0062】また、芯金11は、上下のシェル21,22を重
ねて結合したシェル構造であり、少なくともリム芯金部
15を中空状に形成し、この中空部Aを利用してビード3
5,55を形成するのみで複数の錘収納部Bを構成してお
り、いわば芯金11に一体的に錘収納部Bを形成したた
め、構造が簡単で製造コストを低減でき、軽量化及び強
度の向上が容易に図られるとともに、リム芯金部15の内
部空間を利用することにより、把持部であるリム部5の
形状に影響を与えることが少なく、触感や操作性及び意
匠性の優れたステアリングホイール1を容易に実現でき
る。さらに、取り付け場所としてリム部5を利用するこ
とにより、制振構造がボス部を占有することなく、ステ
アリングホイール1の空間を有効に利用でき、あるい
は、ステアリングホイールの小型化が可能になる。
【0063】さらに、この構成では、上下のリムカバー
71,72の構造を錘Wのために変化させる必要がなく、リ
ムカバー71,72の取り付け作業を容易にして、製造コス
トを低減できる。なお、芯金11を覆う被覆部は、予め形
成された所定形状に形成されたリムカバー71,72により
構成される被覆部12に代えて、芯金11の周囲に発泡ポリ
ウレタン製の被覆部をインサート成形で一体的に形成す
ることもできるが、このような発泡表皮の肉厚も錘Wの
配設のために小さくする必要がなく、発泡表皮の肉厚が
薄いために生じるいわゆる底づき感を生じさせず、触感
を良好に維持することができる。
【0064】さらに、芯金11は、上下のシェル21,22を
重ねて構成した中空状であるため、振動特性の向上とと
もに、潰れ変形特性の向上を容易に調整でき、振動特性
と潰れ変形特性とを両立させる設計を容易にできる。
【0065】また、効果的に振動を抑制できるため、錘
Wの質量を少なくすることも可能であり、ステアリング
ホイール1の全体としての軽量化も容易となり、車両の
軽量化と慣性モーメント低減による操縦性の改善も容易
にできる。
【0066】また、上記の実施の形態のように、ステア
リングホイール1をステアリングシャフトに取り付けた
状態で、スポーク部7とリム部5との連結カ所が、リム
部5の円周方向の下側に偏在して配置され、リム部5の
円周方向の上側に、メーター視認用の空間を確保できる
ステアリングホイール1において、錘Wをリム部5の円
周方向の上側に配置することにより、従来より広い周波
数で帯域でフラットな振動特性が得られ、通常のエンジ
ンや走行などによる入力に対して不快な共振を抑制で
き、操作感を向上できる構成と、良好な視認性とを両立
できる。
【0067】また、リム部5の錘収納部Bに収納した錘
Wにより、ステアリングホイール1の質量のバランスを
調整し、回転操作時のバランスを容易に良好にできる。
【0068】なお、芯金11及び錘Wは上記の構成に限ら
れず、他の構成を採ることもできる。例えば、錘W及び
芯金11の錘収納部Bは適宜の形状及び個数を採ることが
可能である。
【0069】例えば、図4などに示す球状の錘Wを用い
た構成において、図5に示すように、上下の半シェル2
1,22を球面状に突設させ、各錘収納部Bの内壁を略球
面状に形成することもできる。
【0070】また、錘Wは、ウェイト本体W1の外周部
の全面を被覆部W2で覆う形態の他、一部のみを覆うこ
とも可能であり、例えば、ウェイト本体W1の外周部
に、ドット状に並べた被覆部W2を形成することもでき
る。
【0071】また、錘Wは、球状の他、図6及び図7に
示すように、円柱状すなわち短い丸棒状、さらには、ス
トレート状すなわち直棒状とすることもできる。そし
て、この錘Wの形状においても、曲率を合わせずにリム
部5の錘収納部Bに組み込むことが可能であり、上記の
図1ないし図4に示す構成と同様の作用効果を奏するこ
とができる。
【0072】また、リム芯金部15の形状は、図6などに
示す円弧状の他、円柱状など所定の長手寸法を有する錘
Wを用いる場合などには、図8に示すように、各錘収納
部Bを短い直線状とし、リム芯金部15を短い直線を組み
合わせた弧状近似とすることもできる。
【0073】さらに、鋼板をプレス成形した2シェル構
造の芯金11について、錘の形状、配置などは種々の形態
を採ることができる。
【0074】例えば、芯金11の錘収納部Bの一部に別体
の部材を配置することもでき、例えば、図9に示すよう
に、錘収納部Bの上シェル21側に、硬質の樹脂製の挿入
体81を固定して配置することもできる。この実施の形態
では、錘Wは、図4などに示す実施の形態より小径の球
状、直方体状、棒状などに形成され、芯金11に直接当接
し、あるいは挿入体81を介して芯金11に当接して、振動
特性を調整する。
【0075】また、錘Wの形状は、錘収納部Bの内面形
状に沿ったものに限られず、例えば、三角波状(ジグザ
グ状)などとして、所定の当接部を形成し、錘収納部B
の上下の内壁部に所定のストロークで当接可能にするこ
ともできる。また、錘Wの形状は、三角波状の他、矩形
波状、あるいは曲線の波状などとすることもできる。
【0076】さらに、錘Wは、複数のウェイト本体W1
を備えることもでき、例えば、図10に示すように、2
本の丸棒状のウェイト本体W1を、結束部材を兼ねた被
覆部W2により、長手方向の複数カ所で包みあるいは束
ねて、例えば、両端部と中央部とで束ねて、錘Wを構成
することもできる。また、この結束部材を兼ねた被覆部
W2は、単純な環状のものの他、複数のウェイト本体W1
間に突出する突条部を中央部に設け、ウェイト本体W1
を安定させることもできる。
【0077】また、錘Wは、ウェイト本体W1に消音部
材としての被覆部W2を一体的に形成する他、消音部材
をウェイト本体W1とは別体としたセパレートタイプと
することもできる。例えば、図11に示すように、ウェ
イト本体W1には被覆部を設けず、錘収納部Bの内面
に、消音部材としての被覆部W2を設けることもでき
る。また、この被覆部W2は、図11に示すように、錘
収納部Bの内面の全周を覆って形成する他、図12に示
すように、錘収納部Bの内面の一部を覆って形成するこ
ともできる。
【0078】また、錘Wは、錘収納部Bの内部で自由に
移動可能とする他、例えば、被覆部W2と一体あるいは
別体に形成した変形可能な脚部を特定方向に設け、錘W
を錘収納部Bに連結して支持することもできる。例え
ば、図13に示すように、被覆部W2から一方向あるい
は複数方向例えば図の左右方向に脚部W4を突設し、各
脚部W4の先端部を上下のシェル21,22間に挟んで包持
部44で固定することもできる。この図13に示す構成で
は、ウェイト本体W1は、図の上下方向に振動して錘収
納部Bの内壁部に当接し、振動特性を向上できる。ま
た、脚部W4は、先端部に係合部を設け、一方のシェル
としての上シェルに設けた通孔に弾性変形させながら圧
入して一部を錘収納部B外側に引き出し係合することな
どもできる。
【0079】また、上記の各実施の形態のように、錘収
納部B内の被覆部W2の内周側あるいは外周側の少なく
とも一方に空間部を形成する他、極めて柔らかい被覆部
W2を用い、錘収納部Bの内壁部とウェイト本体W1との
間の少なくとも一部の全周を保持させることもできる。
このような被覆部W2は、例えば、ウェイト本体W1の外
周にシート状の一対のウレタンを巻いて対向させる他、
錘収納部Bに高発泡かつ低密度のポリウレタンを注入し
て形成することもできる。
【0080】また、錘Wは、錘収納部Bの内壁すなわち
リム芯金部15の平板状の基部41あるいは縦壁部42に当接
させる他、これら基部41あるいは縦壁部42などから屈曲
などして形成した部分に衝突させることもできる。例え
ば、一方のシェルから切り起こした部分の縁部に錘Wを
衝突させて振動特性を向上することもできる。
【0081】また、芯金11を構成する上下のシェルは、
鉄製(Fe)の鋼板をプレス成形して形成する他、一方また
は両方を、例えば、マグネシウム(Mg)合金、アルミニウ
ム合金(Al)などを用いてダイカスト成形あるいはプレス
成形などしてもよく、さらに、硬質なプラスチックを用
いて形成することもできる。また、リム芯金部15につい
て、上下のシェル21,22を互いに略同形状に形成する
他、互いに異なる形状としてもよく、例えば、一方を容
器状とし、他方はこの容器の開口部を覆う蓋部とするこ
ともできる。
【0082】例えば、図14に示すように、合金をダイ
カスト成形などしてリム芯金部ともいい得る断面略U字
状の上シェル101を形成するとともに、この上シェル101
の長手方向に沿った開口部を平板状の底板(蓋)である下
シェル102で覆い、溶接などして芯金11を構成すること
もできる。なお、この様な構成の芯金11の場合には、リ
ム芯金部15などを覆う被覆部12は、インサート成形によ
るポリウレタンなどよりも、図2に示すように、射出成
形したポリプロピレン製の樹脂カバーであるリムカバー
が適している。なお、断面略U字状の上シェル101を用
いる構成において、脚部などの手段により、制振方向す
なわち錘Wの振動方向を図の左右方向に規制するのであ
れば、リム芯金部15は必ずしも閉じた環状とせず、底板
となる下シェル102を省略することもできる。
【0083】また、このように異形の上下のシェル10
1,102を用いる構成においても、被覆部W2から一側に
脚部を突設し、この脚部の先端部に設けた係合部を一方
のシェルとしての上シェル101に設けた通孔に弾性変形
させながら圧入して一部を錘収納部B外側に引き出し係
合して、錘Wを支持し、対向する壁部間で往復運動させ
ることができる。
【0084】さらに、脚部の先端部に固定部を設け、こ
の固定部を加硫接着あるいは他の接着剤を用いた接着な
どにより、底板である下シェル102などに接着すること
もできる。また、底板である下シェル102を金型にイン
サートし、インサート成形により固定部を下シェル102
に一体的に固着することもできる。
【0085】また、上記の各実施の形態では、例えば図
1に示す実施の形態では、芯金11を構成する上下のシェ
ル21,22に一体にビード35,55を形成し、いわば芯金11
に一体的に複数の錘収納部Bを形成したが、上下のシェ
ルとは別体に設けたケースを用い、このケースに設けた
複数の錘収納部にそれぞれ錘を収納したダンパーユニッ
トを形成し、このダンパーユニットをリム芯金部の中空
部に装着することもできる。
【0086】例えば、図15に示すように、ダンパーユ
ニット111は、ケース112と複数の錘Wとを備え、さら
に、ケース112は、ケース本体114とカバー115とを備え
ている。そして、ケース本体114は、アルミ合金をダイ
カスト成形などして、あるいは、ナイロン樹脂を射出成
形して、全体として弧状に形成され、長手方向に沿っ
て、底部と四方に周壁を有し上方を開口した錘収納部
(セル)Bが複数連続的に形成されている。そして、各錘
収納部Bに錘Wを収納した状態で、上方の開口はカバー
115で閉じられ、液密などにシールされて、ダンパーユ
ニット111が構成されている。例えば、ケース本体114が
樹脂の場合には、カバー115を同種の樹脂で形成し、摩
擦熱を利用したいわゆるフリクション溶着により気密に
開口を閉じる。そして、このように構成されたダンパー
ユニット111は、芯金11のリム部5に沿って取り付けら
れて、振動抑制作用を奏する。また、このようなダンパ
ーユニット111は、例えば低粘度のウレタン反応液を用
いても、このようなウレタン反応液がケース112内に侵
入することはなく、錘Wの所望の動作を確保できる。そ
こで、このようなダンパーユニット111とともに、芯金1
1に一体に例えば発泡ポリウレタンの表皮を被覆形成す
ることもできる。
【0087】なお、ステアリングホイール1の構成は、
上記のものに限られず、例えば、スポーク部7すなわち
スポーク芯金部17は、3本の構成の他、1本、2本、あ
るいは4本以上とすることもできる。また、芯金11を覆
う被覆部12は、予め形成した部材を取り付ける他、芯金
11を金型に装着した状態で樹脂を射出してインサート成
形することもできる。
【0088】
【発明の効果】請求項1記載のステアリングホイールに
よれば、ステアリングホイールが振動した際は、錘収納
部に自由に移動可能に収納された複数の錘が錘収納部の
内壁部に衝突し、振動特性を効率良く調整し、操作感を
向上できる。さらに、複数の錘をリム芯金部の形状に沿
って配列することにより、リム芯金部への形状の適合性
が向上し、製造が容易になり、製造コストを低減でき
る。
【0089】請求項2記載のステアリングホイールによ
れば、錘収納部に移動可能に収納された複数の錘が錘収
納部の内壁部に衝突し、振動特性を調整し、操作感を向
上できる。錘収納部は、第1の半シェルと第2の半シェ
ルとを組み合わせた中空状のリム芯金部に容易に一体に
形成でき、リム部の触感、外観、あるいは変形特性を容
易に向上できる。さらに、複数の錘をリム芯金部の形状
に沿って配列することにより、リム芯金部への形状の適
合性が向上し、製造が容易になり、製造コストを低減で
きる。
【0090】請求項3記載のステアリングホイールによ
れば、請求項1または2記載の効果に加え、錘収納部
は、リム芯金部において、スポーク芯金部とリム芯金部
との連結カ所から最も離間した位置を含む位置に配置し
たため、振動特性を効率良く調整し、操作感を向上でき
る。
【0091】請求項4記載のステアリングホイールによ
れば、請求項1ないし3いずれか記載の効果に加え、錘
が消音部材を介して錘収納部の内壁部に当接するため、
異音の発生を低減ないし防止できる。
【0092】請求項5記載のステアリングホイールによ
れば、請求項1ないし4いずれか記載の効果に加え、錘
収納部をリム部の上側に配置し、スポーク芯金部とリム
芯金部との連結カ所を錘収納部より下側に配置したた
め、振動特性を調整して操作感を向上しつつ、ステアリ
ングホイールの上側に前方を視認するスペースを確保し
て視認性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステアリングホイールの一実施の形態
を示す一部の分解斜視図である。
【図2】同上ステアリングホイールを示す分解斜視図で
ある。
【図3】同上ステアリングホイールを示す図2のI−I
断面図である。
【図4】同上ステアリングホイールを示す図2のII−II
断面図である。
【図5】本発明のステアリングホイールの他の実施の形
態を示す図2のI−I相当位置の断面図である。
【図6】本発明のステアリングホイールのさらに他の実
施の形態を示す一部の分解斜視図である。
【図7】同上ステアリングホイールを示す図6のI−I
断面図である。
【図8】本発明のステアリングホイールのさらに他の実
施の形態を示す一部の斜視図である。
【図9】本発明のステアリングホイールのさらに他の実
施の形態を示す図6のII−II相当位置の断面図である。
【図10】本発明のステアリングホイールのさらに他の
実施の形態を示す図6のII−II相当位置の断面図であ
る。
【図11】本発明のステアリングホイールのさらに他の
実施の形態を示す図6のII−II相当位置の断面図であ
る。
【図12】本発明のステアリングホイールのさらに他の
実施の形態を示す図6のII−II相当位置の断面図であ
る。
【図13】本発明のステアリングホイールのさらに他の
実施の形態を示す図6のII−II相当位置の断面図であ
る。
【図14】本発明のステアリングホイールのさらに他の
実施の形態を示す図6のII−II相当位置の断面図であ
る。
【図15】本発明のステアリングホイールのさらに他の
実施の形態を示す一部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 11 芯金 15 リム芯金部 16 ボス芯金部 17 スポーク芯金部 21 第1の半シェルとしての上シェル 22 第2の半シェルとしての下シェル B 錘収納部 W 錘 W2 消音部材としての被覆部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 泉 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内 (72)発明者 鈴木 真也 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内 Fターム(参考) 3D030 DA74 DA76 DA78 DA79 DB08 DB35 DB48

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向用シャフトに連結されるボス芯金部
    と、把持操作のためのリム芯金部と、これらボス芯金部
    とリム芯金部とを連結するスポーク芯金部とを備えた芯
    金と、 前記リム芯金部に設けられた中空状の錘収納部と、 この錘収納部に自由に移動可能で前記錘収納部の内壁部
    に衝突可能に収納され、かつ、前記リム芯金部の長手方
    向に沿って配列された複数の錘とを具備したことを特徴
    とするステアリングホイール。
  2. 【請求項2】 操向用シャフトに連結されるボス芯金部
    と、把持操作のための中空状のリム芯金部と、これらボ
    ス芯金部とリム芯金部とを連結するスポーク芯金部とを
    第1の半シェル及びこの第1の半シェルに組み合わされ
    た第2の半シェルとで構成した芯金と、 前記リム芯金部に一体に設けられた中空状の錘収納部
    と、 この錘収納部に移動可能で前記錘収納部の内壁部に衝突
    可能に収納され、かつ、前記リム芯金部の長手方向に沿
    って配列された複数の錘とを具備したことを特徴とする
    ステアリングホイール。
  3. 【請求項3】 錘収納部は、リム芯金部において、スポ
    ーク芯金部と前記リム芯金部との連結カ所から最も離間
    した位置を含む位置に配置されたことを特徴とする請求
    項1または2記載のステアリングホイール。
  4. 【請求項4】 錘と錘収納部の内壁部との間に位置する
    消音部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし3い
    ずれか記載のステアリングホイール。
  5. 【請求項5】 錘収納部は、リム部の上側に配置され、 スポーク芯金部とリム芯金部との連結カ所は、前記錘収
    納部より下側に配置されたことを特徴とする請求項1な
    いし4いずれか記載のステアリングホイール。
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