JP2002216699A - 電荷分布の解析方法、電磁場解析方法、荷電粒子光学系の設計方法、荷電粒子光学系、および荷電粒子線装置 - Google Patents

電荷分布の解析方法、電磁場解析方法、荷電粒子光学系の設計方法、荷電粒子光学系、および荷電粒子線装置

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JP2002216699A
JP2002216699A JP2001007719A JP2001007719A JP2002216699A JP 2002216699 A JP2002216699 A JP 2002216699A JP 2001007719 A JP2001007719 A JP 2001007719A JP 2001007719 A JP2001007719 A JP 2001007719A JP 2002216699 A JP2002216699 A JP 2002216699A
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JP2001007719A
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Erika Kanematsu
えりか 兼松
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子線または電磁波が照射された物質に
おける電荷分布およびポテンシャル分布を正確に解析で
きる電荷分布の解析方法、および、ポテンシャル分布の
解析方法、それらを用いた電磁場解析方法、荷電粒子光
学系の設計方法、荷電粒子光学系、および荷電粒子線装
置を提供すること。 【解決手段】 荷電粒子線または電磁波が照射された物
質における電荷分布またはポテンシャル分布を解析する
に当たり、モンテカルロ法と荷電粒子の拡散方程式を解
く方法とを組み合わせて荷電粒子の運動を追跡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線(電子
ビームやイオンビームなど)または電磁波(X線や光な
ど)が照射された物質における電荷分布の解析方法、そ
れを用いた電磁場解析方法、荷電粒子光学系の設計方
法、荷電粒子光学系、および荷電粒子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、物質中での荷電粒子の運動を
追跡するために、モンテカルロ法が用いられている。以
下の説明では、真空準位を荷電粒子の基準エネルギー
(0eV)とする。例えば荷電粒子線(電子ビームまた
はイオンビームなど)を物質表面に照射した場合、モン
テカルロ法で追跡される荷電粒子は、上記の照射によっ
て物質中に入射した電子またはイオン(入射粒子)や、
これらの入射粒子との散乱によって励起された電子(2
次電子)である。
【0003】上記の入射粒子は、図12のエネルギー準
位図に示すように、物質表面において任意の初期エネル
ギー(数100eV〜数100keV程度が多い)を持
っているが、物質中を運動するにつれて徐々にエネルギ
ーを失っていく。
【0004】入射粒子がエネルギーを失うのは、主に、
物質中の束縛電子に衝突して、その束縛電子を励起した
ときである。この非弾性散乱によって励起され自由にな
った電子が上記の2次電子に相当する。また、上記散乱
以外にもフォノン散乱など様々な反応でエネルギーを失
う。なお、物質中の荷電粒子(入射粒子や2次電子な
ど)が運動する過程では、上記の非弾性散乱だけでな
く、電子や原子核との弾性散乱も引き起こされる。弾性
散乱の場合、荷電粒子(入射粒子や2次電子など)はエ
ネルギーを失わない。
【0005】モンテカルロ法を用いて物質中での荷電粒
子(入射粒子や2次電子など)の運動を追跡する際に
は、運動の過程で引き起こされる散乱(弾性散乱または
非弾性散乱)を確率的事象と捉え、乱数を使って、荷電
粒子の運動を逐次計算する。これらモンテカルロ法によ
る計算は、荷電粒子のエネルギーが予め定めた計算打ち
切りのためのエネルギー以下になった時点で停止する。
打ち切りエネルギーは0eV以上のなるべく小さい値
(モンテカルロ法による散乱追跡結果に支障のない範
囲)に設定される。
【0006】また、モンテカルロ法による運動の追跡
は、1つ1つの荷電粒子(入射粒子や2次電子など)に
ついて個別に行われ、統計的なばらつきを小さくするた
めに、多数の入射粒子を想定して繰り返し行われる。想
定される入射粒子の数は、数千個〜数万個程度である。
モンテカルロ法による運動の追跡結果からポテンシャル
分布を計算することもできる。具体的には、図13のフ
ローチャートに示すように、モンテカルロ法による追跡
が終了する(ステップS51)と、この追跡結果から停
止した荷電粒子や正孔の分布が得られ、この分布に基づ
いてポテンシャル分布が計算される(ステップS5
2)。
【0007】さらに、上記のモンテカルロ法を用いた運
動の追跡によれば、物質表面から真空中に放出される電
子(2次電子や反射電子を含む。以下「放出電子」とい
う)の量、および、2次電子放出効率((放出電子の量)
÷(入射粒子の量))を求めることもできる。ちなみに、
物質表面から放出される2次電子のエネルギーは数eV
程度のものが多く、反射電子のエネルギーは上記の初期
エネルギーと同じである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たモンテカルロ法による運動の追跡では、エネルギーが
所定の計算打ち切りエネルギー以下となった荷電粒子
は、その場で停止することになり、物質中の全電荷分布
(モンテカルロ法で追跡不可能な真空準位以下のエネル
ギー準位にいる電荷も含めた分布)は、非平衡で不安定
な状態で、計算が終了していることになる。
【0009】したがって、正確な電荷分布およびポテン
シャル分布を求めることはできなかった。なお、このよ
うな問題は、電磁波(X線や光など)を物質表面に照射
した場合にも同様に生じる。本発明の目的は、荷電粒子
線または電磁波が照射された物質における電荷分布およ
びポテンシャル分布を正確に解析できる電荷分布の解析
方法、および、ポテンシャル分布の解析方法、それらを
用いた電磁場解析方法、荷電粒子光学系の設計方法、荷
電粒子光学系、および荷電粒子線装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の解析方法は、荷
電粒子線または電磁波が照射された物質における電荷分
布またはポテンシャル分布を解析する方法であって、モ
ンテカルロ法と荷電粒子の拡散方程式を解く方法とを組
み合わせて荷電粒子の運動を追跡するものである。この
解析方法によれば、物質における正確な電荷分布および
ポテンシャル分布を求めることができる。
【0011】本発明の電磁場解析方法は、上記した解析
方法を用いて物質表面におけるポテンシャル分布を求
め、物質表面におけるポテンシャル分布を条件として上
記物質表面を含む所定空間の電磁場を解析するものであ
る。本発明の荷電粒子光学系の設計方法は、上記した電
磁場解析方法を用いて、荷電粒子光学系の収差を解析す
るものである。
【0012】本発明の荷電粒子光学系は、上記した荷電
粒子光学系の設計方法を用いて設計された光学系であ
る。本発明の荷電粒子線装置は、上記した荷電粒子光学
系を備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。
【0014】(第1実施形態)第1実施形態の解析方法を
実現する装置は、専用のコンピュータでも良いし、解析
プログラムがインストールされた汎用のコンピュータで
も良い。なお、汎用のコンピュータに解析プログラムを
インストールするには、解析プログラムが記録された記
録媒体(CD−ROM,MO,ROMなど)を用いれば良
い。または、インターネットを介してダウンロード可能
な搬送波(解析プログラムを含む)を用いても良い。
【0015】さて、第1実施形態の解析方法について説
明する。第1実施形態の解析方法は、図1に示すフロー
チャートの手順にしたがって上記のコンピュータが実行
する。図1を用いて第1実施形態の解析方法を詳細に説
明する前に、第1実施形態の解析方法の骨子を説明して
おく。第1実施形態では、電子ビームが物質に照射され
た場合を例に説明する。この場合、上記の照射によって
物質中に入射した電子(入射電子)は、図2のエネルギ
ー準位図に示すように、物質表面において任意の初期エ
ネルギー(数100eV〜数100keV程度)を持っ
ているが、物質中の束縛電子との非弾性散乱(束縛電子
の励起)などを繰り返しながら徐々にエネルギーを失っ
ていく。
【0016】第1実施形態の解析方法では、入射電子の
エネルギーが予め設定した打ち切りエネルギーα以下と
なるまで、モンテカルロ法を用いて入射電子の運動を追
跡する。打ち切りエネルギーは真空準位以上の値に設定
される。なお、入射電子が物質中を運動する過程では、
上記の非弾性散乱だけでなく、電子や原子核との弾性散
乱も引き起こされる。
【0017】このため、モンテカルロ法を用いて入射電
子の運動を追跡する際には、運動の過程で引き起こされ
る散乱(弾性散乱または非弾性散乱)に対して乱数を使
い、入射電子のエネルギーが上記打ち切りエネルギーα
以下となるまで、入射電子の運動を逐次計算する。この
ような運動の追跡は、1つ1つの入射電子について個別
に行われ、統計的なばらつきを小さくするために、多数
(数千個〜数万個)の入射電子について繰り返し行われ
る。
【0018】そして、モンテカルロ法を用いて多数の入
射電子の運動を追跡した結果、各々の入射電子が物質中
のどの位置でエネルギーα以下となり停止しているかを
知ることができる。また、入射電子との非弾性散乱によ
って励起された2次電子についても同様の追跡を行い、
エネルギーα以下になった電子(入射電子,2次電子を
含めた全電子)の分布、および、2次電子が抜けた孔で
ある正孔の分布が得られる。
【0019】さらに、これらの電子,正孔の分布に基づ
いて、物質における3次元的な電荷分布を求めることが
できる(図1のステップS11参照)。また、求められ
た電荷分布に基づいて、物質における3次元的なポテン
シャル分布を求めることもできる(図1のステップS1
2参照)。ポテンシャル分布を求めるに当たっては、次
のポアソン方程式(1)が用いられる。すなわち、上記の
電荷分布をポアソン方程式(1)の電荷密度ρに代入する
ことで、静電ポテンシャルψを計算することができる。
εは誘電率である。
【0020】∇ψ=−ρ/ε …(1) ところで、このようにして得られた物質中での3次元的
な電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布(ψ)は、モンテ
カルロ法による運動の追跡をエネルギーαで打ち切った
結果として得られたものであり、動的な分布の一瞬にす
ぎない。つまり、物質中での3次元的な電荷分布(ρ)お
よびポテンシャル分布(ψ)は、上記した入射電子,2次
電子,正孔が物質中をさらに運動すれば、その運動に応
じて変化していく。
【0021】第1実施形態の解析方法では、モンテカル
ロ法による運動の追跡をエネルギーαで打ち切った後、
次のようにして、物質中での低エネルギーの入射電子,
2次電子,正孔の運動と、この運動に応じた電荷分布
(ρ)およびポテンシャル分布(ψ)の時間変化とを追跡す
る。ここでの追跡は、図2のエネルギー準位図におい
て、エネルギーα以下の低エネルギー領域に相当する。
【0022】さて、物質中で電子や正孔が運動するとい
うことは、物質中を電流が流れることに他ならない。第
1実施形態の解析方法では、物質中での電子および正孔
の運動を電流と捉えて、エネルギーα以下の低エネルギ
ー領域における電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布
(ψ)の時間変化を追跡する。電子密度をne(>0)と
し、電子による電流密度をjeとすると、電子に関して
次の連続の方程式(2)が成り立つ。e(>0)は素電荷で
ある。連続の方程式(2)の左辺第1項は電流密度je
発散を表し、第2項は電荷密度(−ene)の時間変化を
表している。
【0023】∇・je−e(∂ne/∂t)=0 …(2) ただし、連続の方程式(2)の電流密度jeは、次の式
(3)を満足するものとする。μeは移動度、ψは静電ポ
テンシャル、kはボルツマン定数、Tは温度である。 je=−eμe[ne∇ψ−(kT/e)∇ne] …(3) 式(3)において、右辺第1項は、電場(−∇ψ)によって
流れるドリフト電流を表している。「eμee」は電気
伝導率に相当する。また、右辺第2項は、電子の密度勾
配(∇ne)によって流れる拡散電流を表している。「μe
kT/e」は拡散係数に相当する。
【0024】同様に、正孔密度をnh(>0)とし、正孔
による電流密度をjhとすると、正孔に関して次の連続
の方程式(4)が成り立つ。e(>0)は素電荷である。連
続の方程式(4)の左辺第1項は電流密度jhの発散を表
し、第2項は電荷密度(enh)の時間変化を表してい
る。 ∇・jh+e(∂nh/∂t)=0 …(4) ただし、連続の方程式(4)の電流密度jhは、次の式
(5)を満足するものとする。μhは移動度、ψは静電ポ
テンシャル、kはボルツマン定数、Tは温度である。
【0025】 jh=−eμh[nh∇ψ+(kT/e)∇nh] …(5) 式(5)において、右辺第1項は、電場(−∇ψ)によって
流れるドリフト電流を表している。「eμhh」は電気
伝導率に相当する。また、右辺第2項は、正孔の密度勾
配(∇nh)によって流れる拡散電流を表している。「μh
kT/e」は拡散係数に相当する。
【0026】このように、エネルギーα以下の低エネル
ギー領域において、電子および正孔が、物質中のポテン
シャル分布(ψ)に起因する電場(−∇ψ)に応じて運動す
る(ドリフト電流)と共に、自身の密度勾配(∇ne,∇
h)に応じて運動する(拡散電流)と考えると、物質中
での電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布(ψ)の時間変
化は、上記した3つの式(1),(2),(4)からなる連立方
程式を解くことにより求められる。
【0027】式(1)の電荷密度ρと、式(2)の電子密度
eと、式(4)の正孔密度nhとの関係は、次の式(6)で
表される。 ρ=e(nh−ne) …(6) なお、3つの式(1),(2),(4)からなる連立方程式を解
く際の初期値は、モンテカルロ法による運動の追跡を打
ち切った時点(エネルギーα以下)での電荷分布(ρ)お
よびポテンシャル分布(ψ)である。
【0028】また、電子および正孔の電場(−∇ψ)に応
じた運動(ドリフト電流)と密度勾配(∇ne,∇nh)に
応じた運動(拡散電流)とは、時間の経過と共に釣り合
いがとれて行き、最終的には平衡状態に落ち着く。した
がって、上記した電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布
(ψ)の時間変化を求めることにより、予め設定した時間
後の電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布(ψ)を求める
こともできる(図1のステップS13参照)。
【0029】次に、図1を用いて、第1実施形態の解析
方法を詳細に説明する。コンピュータは、まず、モンテ
カルロ法で入射電子の運動を追跡するための各種設定を
行う。入射電子が運動する場(ポテンシャル分布)とし
て、電子ビームが照射される前のポテンシャル分布(ψ)
を想定し、物質中の電場に応じたポテンシャル分布(ψ)
を初期設定する(ステップS10)。
【0030】そして、ステップS10で設定したポテン
シャル分布(ψ)に基づき、モンテカルロ法を用いて入射
電子の運動追跡を行う(ステップS11)。このときの
打ち切りエネルギーはαに設定される。その結果、エネ
ルギーα以下を持つ電子の分布と正孔の分布とが得ら
れ、3次元的な電荷分布(ρ)が求められる。次に、コン
ピュータは、ステップS11で求めた電荷分布(ρ)を上
記ポアソン方程式(1)に代入し、3次元的なポテンシャ
ル分布(ψ)を求める(ステップS12)。
【0031】さらに、ステップS11,S12で求めた
電荷分布(ρ),ポテンシャル分布(ψ)を初期値として用
い、上記したポアソン方程式(1)と、電子に関する連続
の方程式(2)と、正孔に関する連続の方程式(4)とから
なる連立方程式を解くことにより、電荷の拡散を計算す
る(ステップS13)。
【0032】その結果、電荷分布(ρ)およびポテンシャ
ル分布(ψ)が時間と共に変化する様子や、予め設定した
時間後の電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布(ψ)が求
められる。以上のように、第1実施形態の解析方法で
は、エネルギーαからフェルミレベルまでのエネルギー
領域において、ポアソン方程式と連続の方程式とを用い
て電荷の拡散を計算するため、電子(入射電子,2次電
子)や正孔の運動を正確に追跡することができる。した
がって、正確な電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布
(ψ)を求めることができる。
【0033】(第2実施形態)第2実施形態の解析方法
は、図3に示すフローチャートの手順にしたがって上記
のコンピュータが実行する。第2実施形態でも、電子ビ
ームが物質に照射された場合を例に説明する。第2実施
形態の解析方法の特徴は、図3のステップS20に示す
ように、入射電子が運動する場(ポテンシャル分布)と
して、どのようなポテンシャル分布(ψ)を初期設定する
かである。第2実施形態の解析方法では、物質中の電場
だけでなく、異種の物質を接触させたときに生じる界面
電位差も考慮してポテンシャル分布(ψ)を初期設定す
る。
【0034】ここで、図4(a)に示す物質Aと図4(b)
に示す物質Bとを接触させた場合のポテンシャル分布に
ついて説明しておく。図4(a),(b)は、物質A,Bのエ
ネルギー準位図である。一般に、異なる物質Aと物質B
とは、フェルミ準位が異なっている(Φa≠Φb)。フ
ェルミ準位は、真空準位から仕事関数の分だけ低いエネ
ルギーの準位に相当する。例えば、物質Aの仕事関数W
aの方が物質Bの仕事関数Wbより大きい場合、物質A
のフェルミ準位Φaの方が物質Bのフェルミ準位Φbよ
り低くなる。フェルミ準位の差(Φa−Φb)は通常数
eV程度以下である。
【0035】そして、フェルミ準位が異なる物質Aと物
質Bを接触させた場合には、両者のフェルミ準位が一致
するように、フェルミ準位の高い方から低い方へ電子が
移動し、結果として、物質Aと物質Bとの境界面に局所
的なポテンシャル分布(界面電位差)が生じる。図5
は、物質Aと物質Bとを接触させた場合のエネルギー準
位図である。物質Aと物質Bとの境界面には、図5に太
い波線で示すように、接触前のフェルミ準位の差(Φa
−Φb)に応じた局所的なポテンシャル分布(ψab)が
生じている。このポテンシャル分布(ψab)は、例えば、
物質A,Bが金属どうしであれば、接触電位差を反映し
たものであり、それぞれp型,n型半導体であれば、p
n接合の空乏層におけるビルト・イン・ポテンシャルに
相当する。
【0036】このポテンシャル分布(ψab)は、物質中
に電場が存在しないと仮定した場合の分布である。物質
Aと物質Bとの境界面における分布の形状(勾配)は、
2つの物質の表面での仕事関数の差より求められる。ま
た、上記した電子および正孔の拡散を平衡状態まで解く
ことにより求めることもできる。この場合、上記した式
(2),(4)における左辺第2項の時間による微分項を0
とおき、式(1),(2),(4)により求める。
【0037】第2実施形態の解析方法では、上記した異
種の物質を接触させたときに生じる界面電位差(Φa−
Φb)に応じたポテンシャル分布(ψab)に対し、物質
中の電場に応じたポテンシャル分布を重畳することによ
り、電子ビームが物質に照射される前のポテンシャル分
布(ψ)を求め、このポテンシャル分布(ψ)を入射電子が
運動する場(ポテンシャル分布)として初期設定する
(図3のステップS20)。
【0038】そして、コンピュータは、ステップS20
で初期設定したポテンシャル分布(ψ)に基づき、モンテ
カルロ法を用いて入射電子の運動追跡を行う(ステップ
S21)。第2実施形態において電子ビームは物質Bの
側から照射される。入射電子は、物質Bの表面(図5)
において任意の初期エネルギー(例えば数100eV〜
数100keV程度)を持っているが、物質(A,B)中
の束縛電子との非弾性散乱(束縛電子の励起)などを繰
り返しながら徐々にエネルギーを失っていき、計算打ち
切りエネルギーβ以下になるまで追跡される。
【0039】また、物質Bから入射した電子は、物質A
に入ると、ポテンシャル勾配による電場の力を受けて、
物質Bにいるときよりエネルギーが小さくなり、逆に、
物質Aから物質Bに行くと、エネルギーが増加する。こ
のようにして、モンテカルロ法による追跡を行った結
果、エネルギーβ以下の電子の分布と、正孔の分布とが
得られ、3次元的な電荷分布(ρ)が求められる。
【0040】次に、コンピュータは、図3のステップS
21で求めた電荷分布(ρ)を上記ポアソン方程式(1)に
代入し、3次元的なポテンシャル分布(ψ)を求める(ス
テップS22)。以上のように、第2実施形態の解析方
法では、異種の物質を接触させたときに生じる界面電位
差(Φa−Φb)に応じた局所的なポテンシャル分布
(ψab)を考慮して電子ビーム照射前のポテンシャル分
布(ψ)を初期設定するため、電子(入射電子,2次電子)
や正孔の運動をより正確に追跡できる。したがって、電
荷分布(ρ)およびポテンシャル分布(ψ)もより正確に求
めることができる。
【0041】(第3実施形態)第3実施形態の解析方法
は、図6に示すフローチャートの手順にしたがって上記
のコンピュータが実行する。第3実施形態の解析方法
は、上記した第1実施形態の解析方法(図1のフローチ
ャート)と第2実施形態の解析方法(図3のフローチャ
ート)とを組み合わせたものである。
【0042】具体的には、図6のステップS30は、図
3のステップS20と同じである。つまり、異種の物質
を接触させたときに生じる界面電位差(Φa−Φb)に
応じた局所的なポテンシャル分布(ψab)を求め(図
7)、入射電子が運動する場(ポテンシャル分布)とし
て、上記の局所的なポテンシャル分布(ψab)を考慮し
た電子ビーム照射前のポテンシャル分布(ψ)を初期設定
する。図7は、物質Aと物質Bとを接触させた場合のエ
ネルギー準位図である。
【0043】また、図6のステップS31〜S33は、
図1のステップS11〜S13と同じである。入射電子
および生成した2次電子は、打ち切りエネルギーα以下
になるまで、モンテカルロ法により追跡される。このと
き、電場による力も飛行中に受けるため、電子は、物質
Aから物質Bに、または物質Bから物質Aに行くと、エ
ネルギーを増減させることになる。このような追跡を1
つ1つ行った結果、エネルギーα以下の電子の分布と、
正孔の分布とが得られ、3次元的な電荷分布(ρ)が求め
られる。
【0044】次に、コンピュータは、図6のステップS
31で求めた電荷分布(ρ)を上記ポアソン方程式(1)に
代入し、3次元的なポテンシャル分布(ψ)を求める(ス
テップS32)。さらに、ステップS31,S32で求
めた電荷分布(ρ),ポテンシャル分布(ψ)を初期値とし
て用い、上記したポアソン方程式(1)と、電子に関する
連続の方程式(2)と、正孔に関する連続の方程式(4)と
からなる連立方程式を解く(ステップS33)。その結
果、所定時間後の電荷分布(ρ)およびポテンシャル分布
(ψ)が求められる。
【0045】以上のように、第3実施形態の解析方法で
は、異種の物質を接触させたときに生じる界面電位差
(Φa−Φb)に応じた局所的なポテンシャル分布(ψ
ab)を考慮して電子ビーム照射前のポテンシャル分布
(ψ)を初期設定すると共に、エネルギーα以下の低エネ
ルギー電荷に対して電荷の拡散まで計算するため、電子
(入射電子,2次電子)や正孔の運動を正確に追跡するこ
とができる。したがって、正確な電荷分布(ρ)およびポ
テンシャル分布(ψ)を求めることができる。
【0046】上記第1〜第3実施形態は、3次元の電荷
分布またはポテンシャル分布を求めることを例に説明し
たが、同様の方法で、2次元以下の次元における分布を
求めることもできる。 (第4実施形態)第4実施形態は、上記した解析方法(図
1,図3,図6のフローチャート)の何れかを用いた電子
光学系の設計方法に関する。電子光学系は、電子ビーム
の照射によって物質表面から放出された電子(2次電子
や反射電子など)を所定面に結像する光学系である。
【0047】第4実施形態の設計方法は、図8に示すフ
ローチャートの手順にしたがって上記のコンピュータが
実行する。コンピュータは、まず、上記した解析方法
(図1,図3,図6のフローチャート)の何れかを用い
て、物質中における電子(入射電子,2次電子)や正孔の
運動を正確に追跡し、物質中の正確なポテンシャル分布
(ψ)を求める(ステップS40)。そして、次のステッ
プS41では、上記ステップS40で求めた3次元的な
ポテンシャル分布(ψ)に基づいて、物質の表面における
ポテンシャル分布(ψs)を正確に求める。ステップS4
0で求めたポテンシャル分布(ψ)が2次元以下の場合
も、同様に、その結果に基づいて、物質表面のポテンシ
ャル分布(ψs)を求めることができる。
【0048】次に、コンピュータは、上記ステップS4
1で求めた物質表面のポテンシャル分布(ψs)など、各
種の境界条件を設定し(ステップS42)、設定された
境界条件に基づいて、電子光学系の電磁場解析を行う
(ステップS43)。物質表面の正確なポテンシャル分
布(ψs)を境界条件として用いるため、高分解能な電磁
場解析が行える。
【0049】さらに、コンピュータは、高分解能な電磁
場解析(ステップS43)の結果を用いて、設計対象で
ある電子光学系の収差を算出する(ステップS44)。
そして、コンピュータは、算出した電子光学系の収差が
許容範囲内か否かを判別し(ステップS45)、許容範
囲外であれば上記ステップS42に戻って境界条件の設
定を変更する。コンピュータは、境界条件の設定を変更
しながらステップS42〜S45の処理を繰り返し、電
子光学系の収差が許容範囲内となるように最適化してい
く。
【0050】ここで、電子光学系の設計と、上記のステ
ップS41で求められる物質表面のポテンシャル分布
(ψs)との関係について、図9を用いて説明する。図9
(a),(b)に示す電子光学系31は、物質表面32のポ
テンシャル分布(ψs)が一様であると仮定して設計され
たものである。この場合、物質表面32のポテンシャル
分布(ψs)が実際に一様であれば(図9(a))、物質表
面32からの放出電子(2次電子や反射電子など)33は
何れも所定の像面34で結像する。
【0051】しかし、物質表面32のポテンシャル分布
(ψs)が一様でない場合には(図9(b))、ポテンシャ
ル分布(ψs)が乱れている箇所の付近35において局所
的な場の乱れが発生し、物質表面32からの放出電子
(2次電子や反射電子など)33の軌道は物質表面32で
曲げられてしまう。このため、一様なポテンシャル分布
(ψs)を仮定して設計された電子光学系31では、物質
表面32からの放出電子33を設計通りに像面34に結
像させることができない(収差発生)。
【0052】これに対し、上記した第4実施形態の設計
方法は、物質中における正確なポテンシャル分布(ψ)
(図9のステップS40)に基づいて、物質表面32に
おけるポテンシャル分布(ψs)を求め(ステップS4
1)、このポテンシャル分布(ψs)を境界条件として用
いて電子光学系を最適化設計する(ステップS42〜S
45)。図9(c)に示す電子光学系36は、第4実施形
態の設計方法を用いて設計された収差補正後の光学系で
ある。
【0053】このため、図9(c)に示すように、物質表
面32のポテンシャル分布(ψs)が一様でなく、ポテン
シャル分布(ψs)が乱れている箇所の付近35において
局所的な場の乱れが発生した場合でも、物質表面32か
らの放出電子33を電子光学系36によって設計通りに
像面34に結像させることができる。
【0054】以上のように、第4実施形態の設計方法で
は、上記した解析方法(図1,図3,図6のフローチャー
ト)の何れかによって求められたポテンシャル分布(ρ)
を用いて電子光学系を設計するため、高精度な電子光学
系を得ることができる。なお、上記した第4実施形態で
は、物質中および表面のポテンシャル分布を用いている
が、電磁場解析に用いるのは、物質中および表面の電荷
分布でも良い。
【0055】(第5実施形態)本発明の第5実施形態は、
第4実施形態の設計方法(図8のフローチャート)を用
いて精度良く設計された電子光学系(後述するカソード
レンズ14,電磁プリズム13,二次光学系16)と、こ
れらの電子光学系を組み込んだ装置(図10の写像型電
子顕微鏡10)とに関する。
【0056】写像型電子顕微鏡10は、図10に示すよ
うに、筐体10aの内部に、電子銃11と一次光学系1
2と電磁プリズム13とカソードレンズ14とステージ
15と二次光学系16とMCP(Micro Channel Plate)
検出器17とが設けられ、筐体10aの外部に光写像光
学系18とCCDカメラ19とが設けられたものであ
る。また、筐体10aの一部分(MCP検出器17と光
写像光学系18との間)は蛍光面10bとなっている。
さらに、筐体10aの内部は真空状態である。写像型電
子顕微鏡10による観察対象の試料22(物質)は、ス
テージ15上に載置される。
【0057】第5実施形態の写像型電子顕微鏡10の中
で、上記した第4実施形態の設計方法(図8のフローチ
ャート)を用いて設計された電子光学系は、カソードレ
ンズ14と電磁プリズム13と二次光学系16とであ
る。この写像型電子顕微鏡10において、電子銃11か
ら射出された電子ビーム21は、一次光学系12を通過
して電磁プリズム13に入射し、電磁プリズム13によ
って軌道が変更された後、カソードレンズ14を通過し
て試料22に照射される。
【0058】試料22に電子ビーム21が照射される
と、試料22の表面から真空中には、試料22の表面形
状や材質分布などに応じて、2次電子,後方散乱電子,
反射電子が放出される。以下、2次電子,後方散乱電
子,反射電子を総じて「放出電子23」という。この放
出電子23は、カソードレンズ14と電磁プリズム13
と二次光学系16とを順に通過してMCP検出器17上
に投影される。
【0059】ここで、カソードレンズ14と電磁プリズ
ム13と二次光学系16とが上記した第4実施形態の設
計方法(図8のフローチャート)を用いて高精度に設計
されているため、試料22の表面のポテンシャル分布
(ψs)が一様でなくても、試料22の表面からの放出電
子23は何れも、MCP検出器17の検出面に結像する
(図9(c)参照)。
【0060】また、検出面に結像した放出電子23は、
MCP検出器17の内部を通過することにより電流量が
増幅され、蛍光面10bに衝突する。蛍光面10bでは
放出電子23が光子に変換され、この光子が光写像光学
系18を介してCCDカメラ19に入射する。上記のよ
うに、試料22の表面からの放出電子23は何れもMC
P検出器17の検出面に結像するため、第5実施形態の
写像型電子顕微鏡10では、CCDカメラ19から出力
される画像信号に基づいて、試料22の表面に関する鮮
明な画像を取り込むことができる。その結果、試料22
の表面を精度良く観察または検査できる。
【0061】(第6実施形態)本発明の第6実施形態は、
図11に示すように、第5実施形態と同様の写像型電子
顕微鏡40に、上記した解析方法(図1,図3,図6のフ
ローチャート)の何れかを実現する装置(コンピュータ
41)を接続した例に関する。写像型電子顕微鏡40の
構成は、図10に示す写像型電子顕微鏡10と同じであ
るため、その説明を省略する。
【0062】写像型電子顕微鏡40に接続されたコンピ
ュータ41は、上記した解析方法(図1,図3,図6のフ
ローチャート)の何れかを用いて、電子ビーム照射時の
試料22の表面におけるポテンシャル分布(ψs)を解析
するCPUを内蔵している。さらに、コンピュータ41
は、観察対象である試料22の構造や、試料22に照射
される電子ビーム21の電流条件など、各種の観察条件
を制御またはモニターするCPUも内蔵している。
【0063】したがって、コンピュータ41では、CC
Dカメラ19から出力される画像信号に基づいて試料2
2の表面に関する画像を観察しながら、リアルタイムで
試料22の画像の解釈を行うことができる。例えば、試
料22の欠陥を検査する場合には、CCDカメラ19か
らの画像の見え方で欠陥を判別しなければならないた
め、画像の観察と同時に、上記した解析方法(図1,図
3,図6のフローチャート)の何れかを用いて試料22
の表面の解析も行えば、画像の見え方の変化がチャージ
アップによるものか欠陥によるものか判別することがで
き、精度良い検査が可能になる。また、CCDカメラ1
9から出力される画像信号に対する画像処理を適切に行
うこともでき、検査精度の向上が図られる。
【0064】さらに、上記した解析方法(図1,図3,図
6のフローチャート)の何れかによって試料22の表面
におけるポテンシャル分布(ψs)を解析した結果に基づ
き、電子光学系(カソードレンズ14,電磁プリズム1
3,二次光学系16)の諸条件を微調整することもでき
る。なお、上記した実施形態では、電子ビームを物質
(試料)に照射する例をあげて説明したが、その他の荷
電粒子線(イオンビームなど)を照射する場合や、電磁
波(X線,光など)を照射する場合にも本発明は適用で
きる。
【0065】試料としては、半導体素子(ICやLSI
などの半導体チップ)を製造する途中工程における所定
パターンが形成されたウエハが挙げられる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の解析方法
によれば、モンテカルロ法と荷電粒子の拡散方程式を解
く方法とを組み合わせることによって、物質中の電荷の
拡散まで考慮することができ、正確な電荷分布およびポ
テンシャル分布を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の解析方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図2】第1実施形態の解析方法を説明するためのエネ
ルギー準位図である。
【図3】第2実施形態の解析方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図4】フェルミ準位が異なる物質Aと物質Bのエネル
ギー準位図である。
【図5】第2実施形態の解析方法を説明するためのエネ
ルギー準位図である。
【図6】第3実施形態の解析方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】第3実施形態の解析方法を説明するためのエネ
ルギー準位図である。
【図8】第4実施形態の設計方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図9】電子光学系の設計と物質表面のポテンシャル分
布(ψs)との関係について説明する図である。
【図10】第5実施形態の写像型電子顕微鏡10の全体
構成図である。
【図11】第6実施形態の写像型電子顕微鏡40の全体
構成図である。
【図12】従来の解析方法を説明するためのエネルギー
準位図である。
【図13】従来の解析方法の手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
10,40 写像型電子顕微鏡 11 電子銃 12 一次光学系 13 電磁レンズ 14 カソードレンズ 15 ステージ 16 二次光学系 17 MCP検出器 18 光写像光学系 19 CCDカメラ 21 電子ビーム 22 試料 23 放出電子 31,36 電子光学系 41 コンピュータ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線または電磁波が照射された物
    質における荷電粒子の分布を解析する方法であって、 モンテカルロ法と荷電粒子の拡散の時間変化を逐次算出
    する方法とを組み合わせて、前記荷電粒子の運動を追跡
    することを特徴とする電荷分布の解析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した電荷分布の解析方法
    において、 前記モンテカルロ法を用いて所定の荷電粒子追跡計算の
    打ち切りエネルギーまで前記荷電粒子の運動を追跡する
    追跡工程と、 前記追跡工程で得られた追跡結果を用いてポアソン方程
    式と連続の方程式との連立方程式を解くことにより、前
    記荷電粒子の拡散を解き、前記荷電粒子の分布を計算す
    る工程とを備えたことを特徴とする電荷分布の解析方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した電荷分布の解析方法
    において、 前記物質が2種類以上の異材料が隣接して配置されてな
    る場合に、 前記モンテカルロ法を用いて運動を追跡する際に考慮す
    るポテンシャル分布は、前記異材料を接触させたときに
    生じる界面電位差を反映して設定されることを特徴とす
    る電荷分布の解析方法。
  4. 【請求項4】 荷電粒子線または電磁波が照射された物
    質における荷電粒子の分布を解析する方法であって、 モンテカルロ法を用いて所定の荷電粒子追跡計算の打ち
    切りエネルギーまで前記荷電粒子の運動を追跡する追跡
    工程を備え、 前記物質が2種類以上の異材料が隣接して配置されてな
    る場合に、 前記モンテカルロ法を用いて運動を追跡する際に考慮す
    るポテンシャル分布は、前記異材料を接触させたときに
    生じる界面電位差を反映して設定されることを特徴とす
    る電荷分布の解析方法。
  5. 【請求項5】 荷電粒子線または電磁波が照射された物
    質を含む所定領域におけるポテンシャル分布を解析する
    方法であって、 モンテカルロ法と荷電粒子の拡散の時間変化を逐次算出
    する方法とを組み合わせて、前記荷電粒子の運動を追跡
    することを特徴とするポテンシャル分布の解析方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載したポテンシャル分布の
    解析方法において、 前記モンテカルロ法を用いて所定の荷電粒子追跡計算の
    打ち切りエネルギーまで前記荷電粒子の運動を追跡する
    追跡工程と、 前記追跡工程で得られた追跡結果を用いてポアソン方程
    式と連続の方程式との連立方程式を解くことにより、前
    記荷電粒子の拡散を解き、前記荷電粒子の分布を計算す
    る工程とを備えたことを特徴とするポテンシャル分布の
    解析方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載したポテンシャル分布の
    解析方法において、 前記物質が2種類以上の異材料が隣接して配置されてな
    る場合に、 前記モンテカルロ法を用いて運動を追跡する際に考慮す
    るポテンシャル分布は、前記異材料を接触させたときに
    生じる界面電位差を反映して設定されることを特徴とす
    るポテンシャル分布の解析方法。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載した電荷分布の解析方法
    を用いて、 前記物質を含む所定領域のポテンシャル分布を算出する
    ことを特徴とするポテンシャル分布の解析方法。
  9. 【請求項9】 請求項5から請求項8の何れか1項に記
    載したポテンシャル分布の解析方法を用いて、そのポテ
    ンシャル分布のうち前記物質の表面におけるポテンシャ
    ル分布を特定し、前記物質の表面におけるポテンシャル
    分布を用いて前記物質を含む所定領域の電磁場を解析す
    ることを特徴とする電磁場解析方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電磁場解析方法を用
    いて、荷電粒子光学系の収差を解析することを特徴とす
    る荷電粒子光学系の設計方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載した荷電粒子光学系
    の設計方法を用いて設計されたことを特徴とする荷電粒
    子光学系。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の荷電粒子光学系を
    備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項4の何れか1項に
    記載した電荷分布の解析方法、または、請求項5から請
    求項8の何れか1項に記載したポテンシャル分布の解析
    方法を実現する手段を備えたことを特徴とする荷電粒子
    線装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または請求項13に記載し
    た荷電粒子線装置を用いて製造または検査されたことを
    特徴とする半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009510781A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド ラスターパターン生成器における配置効果補正
JP2014032835A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Hitachi High-Technologies Corp 走査透過電子顕微鏡

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