JP2002214269A - 温度変化測定装置 - Google Patents

温度変化測定装置

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JP2002214269A JP2001040921A JP2001040921A JP2002214269A JP 2002214269 A JP2002214269 A JP 2002214269A JP 2001040921 A JP2001040921 A JP 2001040921A JP 2001040921 A JP2001040921 A JP 2001040921A JP 2002214269 A JP2002214269 A JP 2002214269A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基準クロック発振器を恒温槽に入れなくて
も,また,クロック信号の周波数が安定になるまで待た
なくても,被測定温度を乱すことなく高い精度で温度変
化を測定し得る温度変化測定装置を提供する. 【解決手段】 発振周波数の温度係数が大きな第1の水
晶振動子とその発振回路と分周回路により第1の分周信
号を作成し,発振周波数の温度係数が小さな第2の水晶
振動子とその発振回路と分周回路により第2の分周信号
を作成し,第1と第2の水晶振動子を互いに接近して設
け,両者の分周周期の周期時間差信号をゲート信号とし
て基準クロック発振器の出力信号をカウントし,そのカ
ウント値から演算で被測定温度の変化を求める.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,発振周波数の温度
係数が大きな第1の水晶振動子と,発振周波数の温度係
数が小さな第2の水晶振動子を互いに接近して設け,各
々の発振周波数を分周して得た分周信号の周期時間差を
求め,その周期時間差の間に基準クロック発振手段の出
力信号をカウントして,該カウント値から演算により温
度の変化を求める温度変化測定装置に関する.
【0002】
【従来の技術】精密な温度変化測定装置として,発振周
波数の温度係数が大きな水晶振動子を水晶温度センサと
して用い,その水晶温度センサを接続した発振回路の発
振周波数を分周し,分周信号によってゲートタイムを作
成し,そのゲートタイムの間に発生する基準クロック発
振器のクロック信号をカウントして温度を測定する装置
が知られている.
【0003】この種の温度変化測定装置は,一般に,図
1で示すように,水晶温度センサとしての水晶振動子
1,それを発振させる発振回路2,その発振周波数信号
を分周する分周器3,その分周信号に基づきゲートタイ
ムを作成するゲート回路5,基準クロックを発生する基
準クロック発振器4,ゲートタイム間に発生するクロッ
ク信号をカウントするカウンタ6,及びカウンタ6のカ
ウント値に基づき,演算により温度に換算するマイクロ
コンピュータ7等から構成されている.
【0004】また,特公平10−2742642号公報
には,図2で示すように,測定する温度に応じた周波数
信号を発生する温度測定用の水晶振動子と,基準となる
水晶振動子とを有する2つの発振回路を発振させ,それ
らの発振周波数を分周する分周周期を同期して発生さ
せ,周期時間差信号を作成し,その周期時間差信号を利
用する温度変化測定装置が記載されている.その温度変
化測定装置では,同期して発生させる相互の分周信号の
周期時間差信号をゲート時間とし,基準クロック発振器
の出力信号をカウントして,該カウント値から演算によ
り温度を求める.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図1で示すような構成
の温度変化測定装置では,基準クロック発振器4のクロ
ック周波数の安定性が測定精度に大きく影響する.その
ため,電源を入れてからクロックの周波数が安定になる
まで測定を待つ必要があった.また,そのクロック信号
の周波数は周囲の温度変化の影響で変動しやすく,従来
は,クロック信号の周波数を安定化するため,基準クロ
ック発振器4を消費電力が多い恒温槽に入れていた.こ
のため,商用電源がない場所では高精度の温度変化の測
定ができなかった.
【0006】また,図2で示すような構成の温度変化測
定装置では,短い時間を特定する分周周期の周期時間差
信号を得る場合に,水晶温度センサを有する発振回路
(温度測定用発振器11)とその分周回路(分周器1
2),基準となる水晶振動子を有する発振回路(基準発
振器18)とその分周回路(分周器19)の少なくとも
1つを,同期信号でリセットする必要がある.このた
め,発振器や分周回路(図2の,11,12,18,1
9)が同期信号でリセットされる毎に,1デジットのデ
ジタル誤差が生じその1デジットの時間間隔に対応した
ゲートタイムの誤差が生じる.測定に使用する水晶温度
センサや基準となる水晶振動子の発振周波数が低い場
合,リセットに伴うゲートタイムの誤差が大きくなる.
そのため,そのゲートタイム間にカウントする基準クロ
ックのカウント値に大きな誤差が生じ,測定した温度変
化の分解能が悪くなってしまう.
【0007】高い分解能の温度変化の測定を行うために
は,水晶温度センサや基準となる水晶振動子の発振周波
数を高くすればよいが,これらの発振周波数を高くする
と温度変化の測定に関与する発振回路の発熱量が多くな
り,その回路で発生した熱が被測定温度を乱し,精度の
高い温度変化の測定ができない欠点があった.
【0008】一方,図2で示すような構成の温度測定装
置では,温度測定用の発振器11が設置されている周囲
の温度と,基準発振器18が設置されている周囲の温度
との間に大きな差がある場合,基準発振器18の温度の
変化に伴う発振周波数の乱れの影響で分周周期が乱さ
れ,その結果として周期時間差信号の幅が変動し,測定
した温度に誤差が生じる.
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記の点に鑑
みてなされたもので,基準クロック発振器を,消費電力
が多く商用電源を必要とする恒温槽に入れなくても,ま
た,クロック信号の周波数が安定化するまで待たなくて
も,更に,被測定温度を乱すことなく,高精度で温度変
化を測定し得る温度変化測定装置を提供することを目的
とする.
【0010】このために,本発明の温度変化測定装置
は,発振周波数の温度係数が大きな第1の水晶振動子
と,発振周波数の温度係数が小さな第2の水晶振動子
と,該第1の水晶振動子を有する第1の発振回路と,該
第2の水晶振動子を有する第2の発振回路と,該第1の
発振回路の周波数信号を分周する第1の分周回路と,該
第2の発振回路の周波数信号を分周する第2の分周回路
と,該第1と第2の分周回路から出力される分周信号の
周期時間差信号を作成する周期時間差信号発生手段と,
基準クロック発振手段と,該基準クロック発振手段より
出力される基準クロックをカウントするカウント手段
と,該周期時間差信号により特定された時間だけ,該基
準クロック発振手段より出力される基準クロックを該カ
ウント手段に送るゲート回路と,該クロック信号のカウ
ント値から演算により温度変化を求める演算手段と,を
備え,前記2つの水晶振動子を互いに接近して配置して
おき,該第1と第2の分周信号より作成した該周期時間
差信号で特定される時間の間に,該基準クロック発振手
段の出力信号をカウントして,該カウント値から演算に
より温度を求めるように構成される.
【0011】望ましくは,発振周波数の温度係数が大き
な水晶温度センサとしての第1の水晶振動子と,発振周
波数の温度係数が小さな基準となる第2の水晶振動子の
少なくとも一方の水晶振動子が低い発振周波数を有し,
該水晶振動子を有する発振回路の発熱量が少ないように
構成される.
【0012】具体的には,本発明の温度変化測定装置
は,図3の構成図に示すように,水晶温度センサ20を
有する水晶温度センサ発振回路21と,水晶温度センサ
発振回路21から出力された周波数信号を分周する分周
回路22と,水晶温度センサ20と接近して設ける基準
となる水晶振動子23を有する基準水晶発振回路24
と,基準水晶発振回路24から出力された基準周波数信
号を分周する分周回路25と,前記2つの分周回路2
2,25から出力される分周信号相互の周期時間差信号
を発生する周期時間差信号発生手段26と,周期時間差
信号により特定された時間の間だけ,基準クロック発振
手段27からのクロック信号をカウント手段であるカウ
ンタ29に送るゲート回路28と,カウンタ29からカ
ウント値を取り込み,そのカウント値に基づいて被測定
温度を演算する演算手段30と,を備えて構成される.
【0013】
【発明の作用効果】上記構成の温度変化測定装置では,
測定しようとする温度に応じた周波数信号が,水晶温度
センサ20を有する水晶温度センサ発振回路21から出
力されて,分周回路22に送られ,所定の分周比で分周
される.一方,水晶温度センサ20と接近して配置され
た基準となる水晶振動子23を有する基準水晶発振回路
24から出力された基準周波数信号は分周回路25に送
られ,所定の分周比で分周される.2つの分周回路2
2,25から出力される分周信号は,図3の構成図に示
すように,周期時間差信号発生手段26に送られ,そこ
で,2つの分周信号の周期時間差Tsをもつ周期時間差
信号がつくられる.この周期時間差信号は,温度変化に
伴い発振周波数が大きく変わる水晶温度センサ20と,
温度変化に伴い発振周波数があまり変化しない基準とな
る水晶振動子23との,2つの水晶振動子の温度変化に
対応した周波数変化の情報を有しており,この周期時間
差信号を用いて被測定温度の変化を求める.なお,望ま
しくは,水晶温度センサ20と基準となる水晶振動子2
3の発振周波数を分周した結果が,相互に近い周波数と
なったり,一方が他方の整数倍に近い周波数になるよう
に2つの分周回路22,25を構成し,幅の狭い周期時
間差信号を得る.
【0014】この温度変化の情報を有する周期時間差信
号はゲート回路28に送られ,ゲート回路28は周期時
間差信号により特定された時間(周期時間差Ts:後に
Ta,Tbと記す)の間だけ,基準クロック発振手段2
7からのクロック信号をカウンタ29に送り,カウンタ
29はそのクロック信号をカウントする.そして,演算
手段30がそのカウント値を取り込み,その値から演算
により被測定温度の変化を求める.
【0015】本発明によれば,水晶温度センサ発振回路
21からの周波数信号のみで,基準クロック発振手段2
7からのクロック信号のゲート信号を設定するのではな
く,互いに接近して設けた水晶温度センサを有する水晶
温度センサ発振回路21からの周波数信号を分周した分
周信号と,基準となる水晶振動子を有する基準水晶発振
回路24からの基準周波数信号を分周した分周信号との
周期時間差をとり,温度変化の情報を2つの水晶振動子
の分周信号の周期時間差信号として得て,その信号をゲ
ート信号として利用する.被測定温度の変化の情報を2
つの水晶振動子の発振周波数の変化より得ているし,特
定される時間間隔がわずかである周期時間差信号を利用
することにより,後述するように従来の方法とは異な
り,基準となる水晶振動子の発振周波数の不安定さや,
基準クロック発振手段27からのクロック信号の不安定
さの影響をあまり受けずに,安定した高精度の温度変化
の測定を行うことができる.
【0016】精度の高い温度変化の測定を行うには,温
度の測定に関与する発振回路の発熱量を少なくし,その
熱で被測定温度を乱さない構成が望ましい.水晶温度セ
ンサとしての水晶振動子や基準となる水晶振動子をCM
OSで発振させると消費電力を抑えることができるが,
発振周波数が高くなりCMOSのスイッチング回数が増
すと発振回路の発熱量が多くなってしまう.したがっ
て,温度の測定に関与する発振回路を構成する水晶振動
子の発振周波数はできる限り低いことが望ましい.
【0017】次に,従来の温度変化測定装置(図1)
と,本発明の温度変化測定装置(図3)との測定温度の
分解能,及び,測定誤差(測定精度)の違いを説明す
る.
【0018】図1の温度変化測定装置の水晶振動子1と
して,現在市販されている水晶温度センサ(例えば,セ
イコーエプソン社製HTS−206)を使用したとす
る.この水晶温度センサは,セイコーエプソン社のカタ
ログデータ(QUARTZ CRYSTAL製品カタロ
グ1996/1997)によれば,負の温度係数を持
ち,温度の増加に伴い1℃あたり約30ppm発振周波
数が減少する.このため,図1の装置では,35℃のと
きに水晶温度センサの発振周波数を分周して得たゲート
回路5のゲート時間が1秒であった場合,温度が38.
33℃に変わると,温度の上昇に相当する割合で分周信
号の周期が長くなる.水晶温度センサの分周信号の周期
の変化は,1℃あたり, 30ppm x(38.33−35.0)≒100pp
m 長くなり,1秒であったゲート時間が約100ppm
(0.0001秒)長い1.0001秒となる.一方,
スイスETA社の水晶温度センサMT1は,カタログデ
ータ(スイスETA社,日本代理店光進センテック株式
会社)によれば,正の温度係数を持ち,温度の上昇に伴
い1℃あたり約35ppmの割合で発振周波数が増加す
る.したがって,この水晶温度センサを用いて温度変化
の測定を行う場合は,逆に,分周信号の周期は,温度の
上昇と共に,1℃あたり, 35ppm x(38.33−35.0)≒116.6
ppm 短くなる.以下では,温度の上昇と共に分周周期が長く
なるHTS−206を例にして記載する.
【0019】基準クロック発振器4の周波数を1MHz
とすると,図1で示した温度変化測定装置の場合,被測
定温度が35℃の時のゲート時間が1秒であるから,ゲ
ート時間内のカウント値は, 1MHzx1秒=1,000,000 カウントとなり,被測定温度が38.33℃になると発
振周波数が低くなり,周波数の変化に対応してゲート時
間が長くなり,先に述べたように1.0001秒とな
る.そして,そのゲート時間内のカウント値は, 1MHzx1.0001秒=1,000,100 カウントとなる.つまり,被測定温度が3.33℃増加
すると,カウント値が100多くなり,温度変化に換算
した場合,1カウントあたり0.0333℃の分解能で
温度変化が測定できる.デジタル信号を取り扱う測定で
はデジタル誤差が1カウント相当あるため,測定誤差は
約0.033℃である.
【0020】一方,図3に示す本発明の温度変化測定装
置において,水晶温度センサ(HTS−206)を使用
し,その水晶温度センサ20を有する水晶温度センサ発
振回路21と,その分周回路22を,図1と同じ割合で
分周したとすると,35℃の時の分周周期(ゲート時
間)Ttは図1の場合と同様に1秒であり,38.33
℃になると,先の例と同様に分周信号の周期が長くなり
1.0001秒になる.
【0021】また,図3において水晶温度センサ20と
接近して設ける基準となる水晶振動子23(例えば,セ
イコーエプソン社製の音叉型水晶振動子C−2−TYP
E)も35℃から38.33℃に変化し,その水晶振動
子を有する基準水晶発振回路24と,その分周回路25
により得られる分周周期Tqも変化する.35℃のとき
にこの音叉型水晶振動子の発振周波数を分周した基準と
なる分周周期Tqが1.01秒であったとする.セイコ
ーエプソン社のカタログデータ(QUARTZCRYS
TAL製品カタログ1996/1997)によれば,3
5℃近傍ではこの水晶振動子の発振周波数は,1℃あた
り約0.5ppm減少するため,温度が38.33℃に
変わるとこの水晶振動子の分周周期Tqは, 0.5ppm x(38.33−35.00)≒1.6
7ppm の割合で長くなり,35℃のとき1.01秒であったゲ
ート時間が,38.33℃では1.67ppm(0.0
0000169秒)だけ長い1.01000169秒と
なる.
【0022】TtとTqの2つの分周周期が重なった直
後からのタイムチャートを図4で示す.上部に示した3
5℃の時には,分周周期の周期時間差Taは, Ta=1.01−1.00=0.01 秒であるが,下部に示した38.33℃の時には,分周
周期の周期時間差Tbは, Tb=1.01000169−1.0001=0.00
990169 秒と,35℃の時より短くなる.
【0023】基準クロック発振手段27の周波数を図1
の基準クロック発振器4の場合と同じく1MHzとする
と,被測定温度が35℃から38.33℃に変化する
と,ゲート時間の差が,Ta(0.01秒)から,Tb
(0.00990165秒)に変化し,35℃のとき, 1MHzx0.01秒=10,000 カウントであったカウント値が,38.33℃では, 1MHzx0.00990169秒≒9,902 カウントとなる.つまり,被測定温度が3.33℃増加
すると,カウント値が, 10,000−9,902=98 カウント多くなり,温度変化に換算した場合,1カウン
トあたり0.0339℃の温度変化に相当する.この値
は,従来の方法による1カウント当たり0.0333℃
の温度変化と同等であるし,測定温度の分解能及びデジ
タル誤差も約0.034℃で従来の方法と同等である.
つまり,本発明の温度測定方法においても,従来の方法
と同じ分解能で温度変化の測定が行える.
【0024】一方,図1の従来の温度変化測定装置にお
いて,1MHzであった基準クロック発振器4のクロッ
ク信号の周波数が不安定になり10Hz増加したとす
る.この場合,ゲート回路5のゲート時間が1秒である
ため,カウンタ6のカウント値は, 10Hzx1秒=10 カウントとなり,10カウントだけ多くなる.この10
カウントは基準クロック発振器4の乱れによる誤差で,
温度に換算すると0.333℃相当の測定誤差になる.
【0025】また,図2の従来の温度変化測定装置にお
いて,1MHzであった基準発振器18のクロック信号
の周波数が不安定になり10Hz減少(10ppm相
当)したとする.この場合,分周器19を介して得た分
周周期が10ppm相当長くなり,基準クロック発振器
14の周波数出力がゲート回路15を介してカウンタ1
6でカウントされる割合が増える.その割合は10pp
m相当で,基準クロック発振器14の出力周波数が,図
1の場合と同様に1MHzであったとすると, 1MHzx10ppm秒=10 カウントとなり,10カウントだけ多くなる.この10
カウントは基準発振器18の乱れによる誤差で,温度に
換算すると0.333℃相当の測定誤差になる.
【0026】これに対し,図3で示すような本発明の温
度変化測定装置では,図4で示したように,35℃と3
8.33℃の何れの場合も,周期時間差Ts(ゲート回
路28のゲート時間)は約0.01秒であり,図3で示
した基準クロック発振手段27のクロック信号の周波数
の乱れが図1で示した基準クロック発振器4と同じく,
1MHzであった発振周波数が,10Hz増加したとす
ると,基準クロック発振手段27のクロック信号の乱れ
によるカウンタ29のカウント値の増加は, 10Hzx0.01秒=0.1 カウントとなり,デジタル誤差である1カウント以下と
なる.つまり,測定誤差はデジタル誤差と同じく0.0
34℃相当で,基準クロック発振手段27のクロック信
号の乱れによる影響は無視できる程度に小さい.周期時
間差Tsを上記0.01秒より短くなるよう構成すれ
ば,上述した場合より基準クロック発振手段27の乱れ
の割合が大きくても,温度変化の測定誤差をデジタル誤
差より小さくできる.
【0027】図5は,基準となる水晶振動子の発振周波
数を分周した分周周期Tq′が,図4で示した分周周期
Tqの1/N倍である場合についての信号レベルの変化
の図である.図4と同様に,水晶温度センサの発振周波
数を分周した分周周期Ttと,基準となる水晶振動子の
発振周波数を分周した分周周期Tq′の分周周期が重な
った時刻から,1回目の分周周期の周期時間差信号が生
じるまでの,35℃(Ta)及び38.33℃(Tb)
におけるTt,Tq′の信号レベルの変化を示した.
【0028】図5のタイムチャートで,35℃の時の水
晶温度センサの分周信号がLレベルからHレベルに変わ
った後,基準となる水晶振動子の分周信号がLレベルか
らHレベルに変わるまでの時間は,図4のタイムチャー
トと同様に,Taである.また,38.33℃の時の水
晶温度センサの分周信号がLレベルからHレベルに変わ
った後,基準となる水晶振動子の分周信号がLレベルか
らHレベルに変わるまでの時間は,図4のタイムチャー
トと同様に,Tbである.つまり,図5において分周周
期Tq′がTqの1/N倍になっただけで,周期時間差
TaやTbは,図4におけると同様に取り扱うことがで
き,温度変化に換算した場合,1カウントあたり0.0
339℃の温度変化となる.また,基準クロック発振手
段27の出力周波数が乱れた場合でも,温度測定の分解
能は同じであり,基準クロック発振手段27の乱れによ
る測定誤差を,温度測定のデジタル誤差より小さくでき
る.
【0029】このように,温度変化の情報を持つ幅の狭
いゲート信号を得ることができれば,恒温槽等を用いて
基準クロック発振手段27の出力周波数を安定化しなく
ても,精度の高い温度変化の測定を行うことができる.
また,電源を入れた後,基準クロック発振手段27の出
力周波数が安定になるまで待たなくても,精度の高い温
度変化の測定を行うことができる.消費電力が多い恒温
槽を必要としなければ,商用電源がない野外であって
も,電池を電源とする温度変化測定装置で,精度の高い
温度変化の測定ができる.
【0030】さらに,本発明では,発振周波数の温度係
数が大きな第1の水晶振動子(水晶温度センサ)と,発
振周波数の温度係数が小さな第2の水晶振動子を互いに
接近して設け,被測定温度の変化に対応する各々の発振
周波数を分周して得た分周信号の周期時間差を求め,そ
の周期時間差(ゲート時間)の間に基準クロック発振手
段27の出力信号をカウントして,該カウント値から演
算により温度を求める.このため,図3や図4で得た分
周周期の周期時間差(ゲート時間)は,被測定温度の変
化に対応する水晶温度センサと基準となる水晶振動子の
双方の温度変化の情報を有し,周期時間差は被測定温度
の変化に対応して変化する.
【0031】したがって,予め,互いに接近して設けた
水晶温度センサと基準となる水晶振動子の発振回路を分
周して温度変化の情報を有する周期時間差を得て,その
周期時間差と,その時の温度変化との関係を求めておけ
ば,水晶温度センサと基準となる水晶振動子を発振させ
て分周信号を作成し,その分周信号の周期時間差を測定
し,予め求めた関係に基づき,その周期時間差から被測
定温度の変化を演算で求めることができる.
【0032】図5で示したタイムチャートでは,Ttの
分周周期1回の間に,Tq′の分周周期はN回発生する
が,基準となる水晶振動子の発振周波数の分周周期T
q′をN倍した時間が,水晶温度センサの発振周波数を
分周した分周周期Ttより若干長いため,分周周期Tt
の立ち上がりから分周周期Tq′のN回目の立ち上がり
までの周期時間差(ゲート時間)が,時間の経過と共に
大きくなる.その大きさが分周周期Tq′に相当する時
間差より大きくなると,分周周期Ttの立ち上がりの直
後に分周周期Tq′のN−1回目の立ち上がりが発生す
る.言い換えると,分周周期Ttの立ち上がりから,そ
の後に発生する分周周期Tq′の立ち上がりまでの分周
周期の周期時間差(ゲート時間)は,基準となる水晶振
動子の発振周波数を分周して得た分周周期Tq′より大
きくなることはない.つまり,分周周期Tq′の時間間
隔が狭くなるような構成にしておけば,幅の狭い周期時
間差信号(ゲート信号)を何時でも得ることができる.
なお,周期時間差信号の発生する時間の間隔から,周期
時間差信号がN回目の立ち上がりかN−1回目の立ち上
がりで発生したかを区別でき,その割合を考慮しつつ演
算して被測定温度の変化を求める.
【0033】先に述べたように,分周周期の周期時間差
であるゲート時間が短いと,基準クロック発振手段27
からのクロック信号が温度変化等で乱れても,温度測定
の誤差を小さくでき,基準クロック発振手段27を恒温
槽に入れ,その発振周波数を安定化する必要がない.こ
のため,消費電力を少なくでき,商用電源がない場所で
も温度変化の測定が行える.また,従来の温度測定方法
のように,基準クロック発振手段27の出力が安定にな
るまで待つ必要はなく,電源を入れた直後であっても温
度変化を測定することができる.
【0034】図3,図4,及び図5では水晶温度センサ
20の発振周波数を分周した分周周期Ttが,基準とな
る水晶振動子23の発振周波数を分周した分周周期T
q,あるいは,Tq′のN倍より若干長い場合について
述べた.ここでは図示しないが,前者の分周周期Tt
が,後者の分周周期TqやTq′のN倍より若干短くな
るようにしてもよい.また,図5の例とは逆に,水晶温
度センサの発振周波数の分周周期をTt′と短くし,T
t′のM倍であるTtが基準となる水晶振動子の発振周
波数を分周した分周周期Tqに近くなる構成にしてもよ
く,幅の狭い周期時間差信号を作成できれば,その周期
時間差信号を利用して温度変化の測定が行える.一方,
図3,図4,及び図5では分周信号の立ち上がりを利用
して周期時間差信号を作成したが,2つの分周周期の立
ち下がりを利用したり,一方の分周信号の立ち上がり
と,他方の分周信号の立ち下がりを利用して周期時間差
信号を作成してもよい.
【0035】さらに,本発明による構成の温度変化測定
装置であれば,温度変化を測定する際に,特公平10−
2742642号公報に記載されているように,水晶温
度センサや基準となる水晶振動子を有する発振回路,そ
れらの分周回路をリセットする必要がなく,後述するよ
うにリセットに伴うデジタル誤差が生じない.このた
め,発振周波数が低い,水晶温度センサや基準となる水
晶振動子を用いる構成の温度変化測定装置が製作でき,
温度測定に関与する発振回路の発熱を抑えることができ
る.つまり,本発明による温度変化測定装置であれば,
被測定温度に影響を与えないため,高精度の温度変化の
測定ができる.
【0036】特公平10−2742642号公報におい
て,例えば,水晶温度センサとして,HTS−206を
用いるとする.カタログデータによればHTS−206
の発振周波数は,25℃の時に40KHzである.この
水晶温度センサを有する発振回路とその出力信号の分周
回路を同期信号によりリセットする場合,周期時間差信
号に,最大で, 1/40,000=25(μ sec) 相当のデジタル誤差が生じる.図4や図5の基準クロッ
ク発振手段27と同様に,図2において1MHzの周波
数出力をもつ基準クロック発振器14からのクロック信
号を,この周期時間差信号の間にカウントすると, 1MHzx25μ sec=25(カウント) となり,周期時間差信号のデジタル誤差の間に最大で2
5カウント相当のカウント誤差が生じる.つまり,同期
信号で発振回路や分周回路がリセットされる毎に温度変
化に換算して,0.833℃相当のデジタル誤差が生じ
る.一方,本発明の図4や図5の例では,測定誤差は
0.034℃であり,前記した公報に記載された方法に
よる測定誤差の僅か4%である.
【0037】前記した公報に記載された方法では,被測
定温度に与える影響を少なくするため,水晶温度センサ
や基準となる水晶振動子の発振周波数を低くすれば低く
するほど発熱量は少なくなるが,同期信号でリセットさ
れる際のデジタル誤差が増加してしまう.
【0038】図4で示したタイムチャートで分かるが,
2つの分周周期TtとTqとの周期時間差信号Taの幅
は時間の経過と共に大きくなる.図5のタイムチャート
においてもTtとTq′との周期時間差信号Taの幅が
時間の経過と共に大きくなる.図6にその変化の概略を
模式的に示す.
【0039】図6において,分周信号が重なった図の破
線で示した時刻から,m回目の周期時間差信号をゲート
信号として得たカウント値をM,m+1回目の周期時間
差信号をゲート信号として得たカウント値をM+M′と
すると,m回目からm+1回目の周期時間差信号の間に
得られたカウント値は, (M+M′)−M=M′ となる.このカウント値を用いて演算で被測定温度の変
化を求める.周期時間差信号の幅が変わっても,相前後
する周期時間差信号の間に得られたカウント値の相互の
差が分かれば,被測定温度の変化を演算により求めるこ
とができる.
【0040】図6で示した周期時間差信号の幅は,時間
の経過と共に被測定温度の変化に対応して変わるが,そ
の幅は,図5のTq′の幅を越えることはない.したが
って,Tqの時間間隔に比べてTq′の時間間隔が小さ
くなるように構成すれば,基準クロック発振手段の出力
周波数が乱れても,その乱れが,測定結果に影響を与え
ることはない.
【0041】水晶温度センサ20として負の温度係数を
持つセイコーエプソン社のHTS−206を例にて記載
し,周期時間差信号の幅が時間の経過と共に大きくなる
ことを述べた(図6参照).仮に,正の温度係数を持つ
スイスETA社のMT1を利用した場合であっても,被
測定温度の上昇と共に周期時間差信号の幅が狭くなるだ
けで,その周期時間差信号を利用することで被測定温度
の変化を測定できる.また,温度係数が正である水晶温
度センサ20(MT1)と接近して,基準となる水晶振
動子23として温度係数が負である水晶温度センサ(H
TS−206)を設け,正と負の温度係数を持つペアの
水晶温度センサで温度変化測定装置を構成してもよい.
この場合には,被測定温度の変化に対して周期時間差信
号の幅が変わる割合が大きくなり,両者の温度係数の絶
対値を加算した割合で温度変化を検出できる温度変化測
定装置が製作できる.
【0042】
【発明の実施例】以下,本発明の実施例を図面に基づい
て説明する.
【0043】第1実施例 図7は第1実施例の温度変化測定装置の主要回路図であ
り,水晶温度センサ40を有する水晶温度センサ発振回
路41と分周回路42,基準となる水晶振動子43を有
する基準水晶発振回路44と分周回路45,2つの分周
回路から出力される分周信号の周期時間差を持つ周期時
間差信号を発生する周期時間差信号発生手段46として
のDタイプフリップフロップ,ゲート回路48,基準ク
ロック発振手段47,カウンタ49,及び,演算手段5
0から構成される.
【0044】図7の回路において,25℃における発振
周波数が40KHzである水晶温度センサ40を水晶温
度センサ発振回路41と分周回路42を内蔵する集積回
路MC14521に接続し分周信号を得る.また,水晶
温度センサ40に接近して25℃における発振周波数が
4MHzである基準となる水晶振動子43を設け,基準
水晶発振回路44と分周回路45を内蔵する集積回路M
C14521に接続し分周信号を得る.そして,2つの
分周信号を周期時間差信号発生手段46としてのDタイ
プフリップフロップ用集積回路HC74に接続し,周期
時間差信号を得る.
【0045】そして,水晶温度センサ40を接続した上
方の集積回路MC14521の10番ピンから,内蔵の
発振回路で発振した40KHzの周波数信号が,同じ集
積回路に内蔵された分周回路で218分周され,6.5
536秒の時間間隔を持つ分周信号が発生する.
【0046】一方,25℃のときの発振周波数が4MH
zである基準となる水晶振動子43を,下方のMC14
521に接続すれば,周波数が100倍であるから,集
積回路に内蔵された発振回路と分周回路の作用により下
方の集積回路の10番ピンから,上方の回路の場合の1
/100の時間間隔である0.065536秒の分周信
号が発生する.
【0047】このようにして得た2つの分周信号を,図
7で示す構成の周期時間差信号発生手段46であるDタ
イプフリップフロップ回路に送り,上方の6.5536
秒の分周周期の信号でDタイプフリップフロップの出力
信号をHレベルにし,その出力信号を,下方の0.06
5536秒の分周周期の信号でLレベルにする.このよ
うにしてDタイプフリップフロップ回路により時間間隔
が短い周期時間差信号を作成し,その信号をゲート回路
48に送り,周期時間差信号により特定された時間(周
期時間差Ts)だけ,基準クロック発振手段47からの
クロック信号をカウンタ49に送りカウントする.そし
て,そのカウント値を読み取り,演算手段50により被
測定温度を求める.周期時間差信号の長さが実時間の1
%であるため,基準クロック発振手段47のクロック信
号が乱れた場合でも,その乱れの影響を図1の例で示し
た従来の測定方法の場合の測定誤差の1%に抑えること
ができる.
【0048】第1実施例ではDタイプフリップフロップ
回路により周期時間差信号を作成し,基準クロック発振
手段47から出力されるクロック信号をカウンタ49で
カウントしたが,演算手段50としてのマイクロコンピ
ュータで2つの分周信号の論理レベルを直接読み取っ
て,一方の立ち上がりから他方の立ち下がりまでの時間
をゲート信号とし,その間にカウンタ49でカウントさ
れるクロック信号をカウントし,そのカウント値を読み
取ってもよい.また,このゲート信号間にマイクロコン
ピュータに内蔵されたカウンタでクロック信号をカウン
トしてもよい.一方,先に述べたように,2つの分周信
号の周期時間差信号の幅が狭ければ,基準となるクロッ
ク信号の乱れはほとんど測定結果に影響を与えない.し
たがって,周期時間差信号により特定される時間内にマ
イクロコンピュータ用の水晶振動子による発振回路の出
力信号をカウントしても,あるいは,マイクロコンピュ
ータのシステムクロックをソフトウエアでカウントして
も,測定結果の誤差を小さくできる.
【0049】第2実施例 図8は第2実施例の温度変化測定装置の主要部の回路図
であり,水晶温度センサ60を有し,水晶温度センサ発
振回路61と分周回路62を内蔵したMC14521,
基準となる水晶振動子63と基準水晶発振回路64と分
周回路65を内蔵した基準水晶発振器71(SPG86
50E),及び,2つの分周回路から出力される分周信
号の論理を読み取って作動するPICから構成される.
【0050】PICは,米国のMicrochip T
echnology Incorporatedの製品
で,8ビットのマイクロコントローラーで,水晶発振子
を発振させる回路,カウンタ,メモリーを内蔵してお
り,双方向の複数のI/Oポートを有し,スリープモー
ド,外部割り込みによるウエイクアップモード等の機能
を有している.
【0051】図8で示した構成の回路では,図7の回路
と同様に,25℃における発振周波数が40KHzであ
る水晶温度センサ60を水晶温度センサ発振回路61と
分周回路62を内蔵する集積回路MC14521に接続
し分周信号を得る.また,原発振周波数が32.768
KHzであるセイコーエプソン社の水晶発振器SPG8
650Eを,水晶温度センサ60に接近して設け,基準
となる水晶振動子63としてSPG8650Eに内蔵さ
れた内蔵水晶振動子,同じく内蔵された基準水晶発振回
路64,及び分周回路65で分周信号を得る.そして,
2つの分周信号をPICに接続する.
【0052】図8の構成の回路において,水晶温度セン
サ60を有するMC14521の分周信号を割り込み信
号とし,スリープ状態のPICをウエイクアップさせ,
PICのソフトウエアでシステムクロックをカウントし
つつ,水晶発振器SPG8650Eの出力信号の信号レ
ベルの変化をソフトウエアで監視し,この信号のレベル
がLからHに変化すると同時にシステムクロックのカウ
ントを中止する.そして,システムクロックのカウント
値から演算で被測定温度の変化を求め,演算が終了した
ら演算結果を外部に送出し,PICをスリープモードに
戻し,消費電力を抑えつつ,次の温度変化の測定に備え
る.
【0053】水晶温度センサを有するMC14521の
分周信号がLレベルからHレベルになる毎に割り込みが
発生し,PICでシステムクロックのカウント値を読み
取り演算により被測定温度を求める.分周周期の周期時
間差の幅が時間の経過と共に大きくなった場合でも,連
続する割り込み毎のカウント値の差を演算に用いれば,
連続する割り込み時間の間の被測定温度の変化を求める
ことができる.
【0054】図9で,水晶温度センサの周波数信号をM
C14521で分周した分周信号Tt(最上段)とSP
G8650Eの分周信号Tqの信号レベルの変化(上
段)と,周期時間差信号Ts(中段),及び,最上段の
信号の立ち上がりでスリープ状態のPICがウエイクア
ップし,システムクロック等をカウントしたり演算処理
をするタイミングPw(下段)を示す.図5の説明で述
べたように,時間が経過すると共に2つの分周周期のタ
イミングがずれ,PICがシステムクロック等をカウン
トしたり演算する時間が長くなるが,一定の時間が経過
し,周期時間差信号が長くなると,中段の信号レベルの
N回目の分周周期ではなく,N−1回目の分周周期で周
期時間差信号が作成され,PICがシステムクロック等
をカウントする時間が短くなる.
【0055】−方,図9の最下段のPw′で示すよう
に,SPG8650EのN−1回目の信号レベルの立ち
上がりでPICをウエイクアップさせ,最上段の水晶温
度センサの分周信号を監視しつつ,その分周信号の立ち
上がりから上段の基準となる水晶振動子の分周信号の立
ち上がりまでの周期時間差信号の間,システムクロック
等をカウントしてもよい(図中に斜線を入れた時間の
間).このようにすれば,ウエイクアップ直後でPIC
用のクロック信号の発振周波数が不安定なときに,PI
Cでシステムクロック等をカウントする状態を避けるこ
とができ,精度よく温度変化の測定ができる.
【0056】図6で説明した構成の回路の温度変化測定
装置や,図8の第2実施例の構成の温度変化測定装置で
は,分周周期毎に得られた隣り合うカウント値の差を演
算に用いて被測定温度を求めたが,5回目とか10回目
のように決められた回数の間のカウント値の差を演算に
用いれば,5回ないし10回の分周回数に比例した時間
間隔の間の被測定温度が求められる.このように離れた
時間のカウント値の差を演算に用いれば,時間間隔を長
くできるため,測定温度の分解能が高くなるし,測定精
度も向上する.
【0057】更に,図8で示した構成の回路の場合,P
ICは周期時間差信号がアクティブである短い時間だけ
能動的で電力を消費するが,電力を消費しないスリープ
状態である時間が長く,温度変化測定装置全体の消費電
力を少なくできる.図8の構成の回路の場合,分周周期
Ttを6.5536秒間隔に,他の分周周期Tq′を
0.065536秒に設定し,基準クロック発振器の出
力周波数を4MHzにしたとすると,0.25mW程度
(DC5V,50μA)の消費電力で,約0.0013
℃程度の分解能の温度変化の測定を約6.6秒間隔で行
える.詳述すると,図4や図5の例では測定間隔が1
秒,基準クロックの発振周波数が1MHzについて記述
したが,上記のような構成にすると,分周周期が6.5
536倍長くなり,基準クロックの周波数が4倍になる
ため,測定した温度の分解能が,4x6.5536=2
6.2144倍と,図4や図5の場合より約26倍向上
し,0.0333℃の約26倍に相当する約0.001
3℃の分解能になる.
【0058】更に,図8で示した構成の回路では,2つ
の水晶振動子(水晶温度センサ,PIC用水晶振動
子),発振用のコンデンサー,及び,3つの16ピンの
集積回路(MC14521,基準水晶発振器:SPG8
650E,PIC)で回路全体を構成でき,安価な温度
変化測定装置が製作できる.分解能が高く,小型である
ことと,電池を電源として長時間作動するため,産業上
の利用価値が高い.
【0059】第1実施例や第2実施例で示した回路の場
合,使用部品を一体化して1つのチップ状のICにする
ことは容易で,親指程度の大きさの小型の温度変化測定
装置が製作できる.
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の温度変化測定装置のブロック図であ
る.
【図2】 従来の他の温度変化測定装置のブロック図で
ある.
【図3】 本発明の温度変化測定装置のブロック図であ
る.
【図4】 本発明の分周信号の周期時間差を示すタイミ
ングチャートである.
【図5】 本発明の分周信号の周期時間差を示す他のタ
イミングチャートである.
【図6】 本発明の分周信号の周期時間差の幅が時間の
経過と共に変化する様子を示すタイミングチャートであ
る.
【図7】 本発明の第1実施例の温度変化測定装置の主
要回路図である.
【図8】 第2実施例の温度変化測定装置の主要回路図
である.
【図9】 第2実施例に係わる温度変化測定装置の各部
におけるタイミングチャートを示す図である.
【符号の説明】
1…水晶振動子 2…発振回路 3…分周器 4…基準クロック発振器 5…ゲート回路 6…カウンタ 7…マイクロコンピュータ 11…温度測定用発振器 12…分周器 13…周期時間差発生回路 14…基準クロック発振器 15…ゲート回路 16…カウンタ 17…演算手段 18…基準発振器 19…分周器 20…水晶温度センサ 21…水晶温度センサ発振回路 22…分周回路 23…基準となる水晶振動子 24…基準水晶発振回路 25…分周回路 26…周期時間差信号発生手段 27…基準クロック発振手段 28…ゲート回路 29…カウンタ 30…演算手段 40…水晶温度センサ 41…水晶温度センサ発振回路 42…分周回路 43…基準となる水晶振動子 44…基準水晶発振回路 45…分周回路 46…周期時間差信号発生手段 47…基準クロック発振手段 48…ゲート回路 49…カウンタ 50…演算手段 60…水晶温度センサ 61…水晶温度センサ発振回路 62…分周回路 63…基準となる水晶振動子 64…基準水晶発振回路 65…分周回路 66…周期時間差信号発生手段 67…基準クロック発振手段 68…ゲート回路 69…カウンタ 70…演算手段 71…基準水晶発振器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振周波数の温度係数が大きな第1の水
    晶振動子と,発振周波数の温度係数が小さな第2の水晶
    振動子と,該第1の水晶振動子を有する第1の発振回路
    と,該第2の水晶振動子を有する第2の発振回路と,該
    第1の発振回路の周波数信号を分周する第1の分周回路
    と,該第2の発振回路の周波数信号を分周する第2の分
    周回路と,該第1と第2の分周回路から出力される分周
    信号の周期時間差信号を作成する周期時間差信号発生手
    段と,基準クロック発振手段と,該基準クロック発振手
    段より出力される基準クロックをカウントするカウント
    手段と,該周期時間差信号により特定された時間だけ,
    該基準クロック発振手段より出力される基準クロック
    を,該カウント手段に送るゲート回路と,該クロック信
    号のカウント値から演算により温度変化を求める演算手
    段と,を備え,前記2つの水晶振動子を互いに接近して
    配置しておき,該第1と第2の分周信号より作成した該
    周期時間差信号で特定される時間だけ,該基準クロック
    発振手段の出力信号をカウントして,該カウント値から
    演算により温度変化を求めることを特徴とする温度変化
    測定装置.
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の2つの水晶振動子の少
    なくとも一方の水晶振動子が低い発振周波数を有し,該
    水晶振動子を有する発振回路の発熱量が少ないことを特
    徴とする温度変化測定装置.
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