JP2002214243A - 液流制御方法、液流制御機構及び該液流制御機構を備えたバイオセンサ - Google Patents

液流制御方法、液流制御機構及び該液流制御機構を備えたバイオセンサ

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JP2002214243A
JP2002214243A JP2001012487A JP2001012487A JP2002214243A JP 2002214243 A JP2002214243 A JP 2002214243A JP 2001012487 A JP2001012487 A JP 2001012487A JP 2001012487 A JP2001012487 A JP 2001012487A JP 2002214243 A JP2002214243 A JP 2002214243A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バルブやポンプ等の機械的機構を用いることな
く、液体試料の流れを制御することができる液流制御方
法、液流制御機構及び該機構を備えたバイオセンサの提
供。 【解決手段】紫外線を透過するシリコンウェハ等の基板
2内に形成された液体試料4の流路3の内壁に、光触媒
機能を有する酸化チタン等の金属酸化膜7が形成され、
流路3の少なくとも一部を覆うように液晶パネル等の光
スイッチング素子5が形成され、光スイッチング素子5
上部に設けられた紫外線照射装置6から出射され、金属
酸化膜7に入射する紫外線の光量を光スイッチング素子
5で制御し、紫外線の光量に応じて金属酸化膜表面の親
水性を変化させることにより、前記液体の流れが制御さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体制御方法、液
体制御機構及び該液体制御機構を備えたバイオセンサに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体微細加工技術を応用したマ
イクロマシン技術により、化学、生化学用マイクロセン
サが製作されるようになってきている。このようなマイ
クロセンサでは、液体試料の流れる流路や検出部等を基
板上に集積することができるため、センサの小型化、低
価格化を実現することができる。また、流路の微小化に
より計測に必要な液体試料の量を低減することができる
ため、廃液の削減も図ることができる。一方、上記マイ
クロセンサでは、少ない液体試料の量で正確な測定を行
うために、液体試料の流れを正確に制御することが求め
られる。
【0003】上述したマイクロセンサを用いて、例えば
血液や体液等の液体試料に含まれる成分の測定を行う場
合、採取した血液や体液等の液体試料を微小な流路を介
して直接検出部に導き、検出部により成分の測定を行っ
た後、液体試料を排出する方式が広く採用されている。
このような方式による測定では、例えば液体試料を連続
流とし、液体試料が検出部表面を通過している間に特定
成分の測定が行われる。
【0004】生体試料等に含まれる各種成分の測定方法
として、酵素反応と電気化学反応とを組み合わせた測定
方法が広く用いられている。例えば、溶液中の化学物質
を酵素の触媒反応により過酸化水素に変換し、この過酸
化水素を酸化還元反応により計測するバイオセンサが汎
用化している。例えばグルコースバイオセンサは、グル
コースをグルコースオキシダーゼ(GOX)によって酸
化し、グルコノラクロンと過酸化水素とする。発生する
過酸化水素はグルコース濃度に比例することから、この
過酸化水素の発生量を測定することによって試料中のグ
ルコース量を定量する。
【0005】上記微小な流路が形成されるマイクロセン
サを用いて、粘度が大きい液体試料を測定する場合に
は、流路の壁面の材料と液体試料との物理化学的作用に
より液体試料がスムーズに流動しない場合があり、液体
試料が流路内で滞溜したり、検出部表面近傍における測
定対象成分の濃度が変動しやすくなってしまう。そして
濃度の変動により測定精度が低下し、測定値が不安定に
なってしまうという問題が生じる。
【0006】この問題点に対して、従来は流路内に疎水
機能を発揮するフッ素樹脂を形成して液体試料をスムー
ズに流す方法が用いられている。しかしながら、流路内
にフッ素樹脂処理を施しても、わずかながらフッ素樹脂
に液体試料が反応し吸着してしまうために、この方法で
液体試料をスムーズに流すには限界があった。特に、酵
素層を備えたセンサを用いた場合、測定サンプルによっ
ては測定精度の低下、測定値の不安定化、測定溶液の壁
面への吸着および付着が著しく生じるという問題があっ
た。
【0007】そこで、本願発明者は先願において、流路
内壁に光触媒機能を有する金属酸化膜を形成し、金属酸
化膜に紫外線を照射することによってその表面を親水性
にし、液体試料を流路内で滞ることなくスムーズに流す
ことができるバイオセンサを開示している。通常、表面
の親水性が向上すると、水等の液体に対する親和性が向
上して液体試料が吸着するが、親水性が更に向上して超
親水性になると、水等の液体が反応し、液体試料が逆に
全く付着しなくなる。上記先願はこの原理を応用したも
のであり、この金属酸化膜の超親水性により、優れた測
定精度、安定した測定感度および迅速な応答性を実現す
るとともに、繰り返し測定または連続測定における感度
低下を抑制することができる。
【0008】上記バイオセンサについて、図14及び図
15を参照して説明する。図14は、本願発明者の先願
において開示したバイオセンサの構造を示す上面図であ
り、図15は、図14のC−C′線における断面図であ
る。図に示すように、先願に係るバイオセンサ23は、
シリコンウェハ2a等の基板にフォトリソグラフィー技
術及びエッチング技術を用いて流路3となる微小な溝を
形成し、溝の所定の位置に酵素層を備えた検出部9を形
成し、その上部を紫外線を透過するガラスウェハ2b等
の基板で覆った後、検出部9以外の溝の内壁に酸化チタ
ン等の金属酸化膜7を形成して製造される。そして、外
部から流路3内壁の金属酸化膜7に紫外線を照射するこ
とにより、金属酸化膜7の超親水性を発揮させて液体試
料4をスムーズに流すことを可能としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記構造のバイオセン
サ23を用いることにより、流路3内の液体試料4の流
れをスムーズにすることができるが、このバイオセンサ
23を用いて実際に液体試料の測定を行うためには、バ
イオセンサ23中の検出部9に液体試料4を一定の流速
で導かなければならないが、微小な流路3内に注入され
た液体試料4の流速を制御することは極めて難しいこと
が知られている。これは、液体試料4と流路3の壁面と
が反応して物理化学的な吸着が生じているためである。
【0010】そこで、図16に示すように、流路3にポ
ンプ25やバルブ24等を接続し、圧力を調整すること
によって液体試料4の流速を制御することは可能ではあ
るが、微量な液体試料4を精度良く動かすことが可能な
ポンプは極めて高価であり、また、バイオセンサ23自
体の小型化を図っても、バイオセンサ23に接続される
バルブ24やポンプ25等は非常に大きいものであるた
め、システム全体の小型化を図ることはできない。
【0011】また、上記バルブ24やポンプ25等には
液体試料4が直接接触するため、異なる種類の試料を測
定しようとした場合、前に測定した液体試料4がバルブ
24やポンプ25内部に残ってしまい、正確な測定を行
うことができなかった。このバルブ24やポンプ25内
部に残留した液体試料4を取り除くためにバルブ24や
ポンプ25等の分解洗浄を行うとすると、測定の準備に
時間がかかってしまい、異なる種類の液体試料4を連続
的に測定することができなくなってしまうという問題も
ある。
【0012】このように、上記バイオセンサのような化
学、生化学用マイクロセンサでは、センサの小型化、低
価格化を図り、流路の微小化により計測に必要な液体試
料の量を低減することはできるが、システム全体として
の小型化、性能向上のためには、ポンプ、バルブ等の液
体試料の流速を制御する機構の小型化、高性能化が必須
の条件となる。
【0013】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、バルブやポンプ等の機
械的機構を用いることなく、液体試料の流れを制御する
ことができる液流制御方法及び液流制御機構を提供する
ことにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、システム全
体の小型化、高性能化を図り、測定の場所や時間を問わ
ず簡便かつ正確に成分を測定することが可能なバイオセ
ンサを提供することにある。
【0015】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液流制御方法は、内壁が光触媒機能を有す
る金属酸化膜で被覆された液体の流路に照射する紫外線
の光量を変化させることにより、該光量に応じた前記金
属酸化膜表面の親水性の変化を利用して、前記流路を流
れる前記液体の流速を制御するものである。
【0016】また、本発明の液流制御方法は、内壁が光
触媒機能を有する金属酸化膜で被覆された液体の流路に
照射する紫外線の光量を前記流路に沿って変化させるこ
とにより、該光量に応じた前記金属酸化膜表面の親水性
の変化を利用して、前記液体を前記流路に沿って移動さ
せるものである。
【0017】また、本発明の液流制御方法は、紫外線を
透過する基板内に、内壁が光触媒機能を有する金属酸化
膜で被覆された液体の流路を有し、前記流路の少なくと
も一部を覆う領域に配設された紫外線の透過光量を制御
する透過率制御手段によって前記液体の流れを制御する
方法であって、前記透過率制御手段上部に予め設けられ
た光源から出射され、前記金属酸化膜に入射する紫外線
の光量を、前記透過率制御手段で制御し、該光量に応じ
て前記金属酸化膜表面の親水性を変化させることによ
り、前記液体の流れを制御するものである。
【0018】本発明においては、前記流路を流れる前記
液体の流速が一定の値となるように、前記透過率制御手
段の透過率を調整する構成とすることができる。
【0019】また、本発明においては、前記透過率制御
手段が透過率の相異なる複数の領域からなり、各々の領
域の透過率を前記流路に沿って徐々に変化させることに
より、前記液体を前記流路に沿って移動させる構成とす
ることもできる。
【0020】また、本発明においては、前記液体が流れ
る流路が、複数の流路に分岐する分岐点を有し、前記液
体とは混合しない所定の液体溜を前記複数の流路間で移
動させることにより、前記液体を流す流路を選択する構
成とすることもできる。
【0021】また、本発明においては、前記液体が流れ
る流路に、前記液体とは混合しない所定の液体溜が移動
可能な分岐路が形成され、前記液体溜を前記分岐路内で
往復移動させると共に、該往復移動に同期させて前記流
路の上流又は下流に紫外線を照射することにより、前記
液体と前記液体溜との間の空間の圧力差によって前記液
体の流れを制御する構成とすることもできる。
【0022】また、本発明の液流制御機構は、紫外線を
透過する基板内に形成された液体の流路の内壁に光触媒
機能を有する金属酸化膜が形成され、前記流路の少なく
とも一部を覆う領域に紫外線の透過光量を制御する透過
率制御手段が配設された液流制御機構であって、前記透
過率制御手段上部に予め設けられた光源から出射され、
前記金属酸化膜に入射する紫外線の光量が前記透過率制
御手段によって制御され、該光量に応じて前記金属酸化
膜表面の親水性が変化して前記液体の流れが制御される
ものである。
【0023】本発明においては、前記金属酸化膜が、酸
化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、三酸化
タングステン、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、酸化ス
ズのいずれかを含むことことが好ましい。
【0024】また、本発明においては、前記透過率制御
手段が液晶パネルからなり、前記基板がシリコン基板か
らなることが好ましい。
【0025】また、本発明のバイオセンサは、上記液流
制御機構に、液体試料中の特定成分を検出する酵素層を
有する検出部を備えたものである。
【0026】このように本発明の構成によれば、流路内
の所定の部分のみ金属酸化膜の親水性を向上させて液体
試料を流れやすくすることができ、この方法を応用して
流路に照射される紫外線の量を変化させることによって
ポンプ等の機械的機構を設けることなく、液体試料を一
定の流速で精度良く流すことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る液流制御機構は、そ
の好ましい一実施の形態において、紫外線を透過するシ
リコンウェハ等の基板内に形成された液体試料の流路の
内壁に、光触媒機能を有する酸化チタン等の金属酸化膜
が形成され、流路の少なくとも一部を覆うように紫外線
の透過光量を制御する液晶パネル等の光スイッチング素
子が形成され、光スイッチング素子上部に設けられた紫
外線照射装置から出射され、金属酸化膜に入射する紫外
線の光量を光スイッチング素子で制御し、紫外線の光量
に応じて金属酸化膜表面の親水性を変化させることによ
り、前記液体の流れが制御されるものである。
【0028】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。
【0029】[実施例1]まず、本発明の第1の実施例
に係る液流制御機構及び液流制御方法について、図1及
び図2を参照して説明する。図1は、本発明の液流制御
機構を模式的に示す斜視図であり、図2は、その断面図
である。
【0030】図1に示すように、本実施例の液流制御機
構1は、紫外線を透過し、微細加工が可能なシリコン、
ガラス、プラスチック等の基板2に液体試料4が流れる
微小な流路3が形成されている。そして、流路3の上部
には液晶パネル等の光スイッチング素子5が形成され、
外部からの電圧印加によってパネルの透過率が変化する
ように形成されている。更に、光スイッチング素子5の
上部には紫外線ランプ等の紫外線照射装置6が設けられ
ている。
【0031】また、図2に示すように、基板2に形成し
た流路3の内壁には酸化チタン等の金属酸化膜7が形成
されており、この金属酸化膜7に紫外線が照射される
と、金属酸化膜7の表面エネルギーが変化して超親水性
となり、液体試料4が流路3内で移動しやすくなる。
【0032】ここで、光スイッチング素子5の透過率を
図の右側で小さく、左側で大きく設定し、液体試料4が
その境界領域に配置されている場合について説明する
と、紫外線照射装置6から出射した紫外線は光スイッチ
ング素子5の左側のみを透過し、その下部領域の金属酸
化膜7のみに照射される(図2中の透過光を示す矢印が
長いほど金属酸化膜7に照射される紫外線の量が多くな
る)。すると、紫外線が照射された金属酸化膜7が超親
水性を示し、液体試料4は金属酸化膜7にはじかれて移
動しやすくなる結果、液体試料4は図の右側(矢印方
向)に押し出されるように動くことになる。
【0033】このように、微小な流路3の内壁に金属酸
化膜7を形成し、液体試料4を動かそうとする領域の金
属酸化膜7に紫外線を照射することにより、表面エネル
ギーの変化によって親水性を制御し、液体試料4を動か
すことができるため、ポンプ等の機械的機構を用いるこ
となく、液体試料の流れを制御することが可能になる。
そして、ポンプ等の機械的機構を必要としないことによ
り、システム全体の小型化を図ることができ、ポンプ等
の内部に液体試料が残留するという従来の問題を解決す
ることができる。
【0034】なお、液体試料としては、液体であれば特
に限定されないが、例えば、人を含む生体の皮膚、粘膜
等の上皮上の液体試料とすることができ、具体的には、
汗、血液、浸出液、間質液、尿等が例示される。測定対
象となる液体試料中の成分は、例えば、グルコース、乳
酸、尿酸、コレステロール、コリン、胆汁酸等が挙げら
れる。
【0035】なお、本実施例では、説明の便宜上、光ス
イッチング素子5の透過率を2つの領域で変化させて、
紫外線照射装置6から出射した紫外線の照射量を2段階
に分ける構造について説明したが、本発明は、流路3内
壁に設けた金属酸化膜7に照射される紫外線の量を変え
ることができる構成であれば良く、光スイッチング素子
5に変えて透過率の異なるフィルタを各々の領域に設け
ても良い。また、流路3の断面形状、大きさ等は図の形
状に限定されるものではなく、液体試料4の種類、粘
度、紫外線照射装置6の光量、光スイッチング素子5の
透過率等を総合的に勘案して適宜設定することができ
る。
【0036】[実施例2]次に、本発明の第2の実施例
に係る液流制御方法、液流制御機構及び該液体制御機構
を備えたバイオセンサについて、図3乃至図8を参照し
て説明する。図3乃至図5は、第2の実施例に係るバイ
オセンサの構造を模式的に示す図であり、図3は上面
図、図4は説明のために上部のガラスウェハの一部を取
り除いた状態を示す図であり、図5は、流路及び検出部
を形成するシリコンウェハの上面図である。また、図6
は、図3のA−A′線、B−B′線における断面図であ
り、図7は、本実施例の液流制御方法で液体試料を動か
す様子を模式的に示す図である。また、図8は、液体試
料の特定成分を検出する酵素層を備えた検出部の構造を
示す断面図である。
【0037】まず、図3乃至図6を参照して、本実施例
の液流制御機構及び該機構を備えたバイオセンサの構造
について説明する。本実施例のバイオセンサ8は、微細
加工が可能なシリコンウェハ2a等に微小な溝が形成さ
れ、溝の内壁には酸化チタン等の金属酸化膜7が形成さ
れている。また、流路3の中央近傍には液体試料4中の
特定成分を検出する検出部9が設けられており、検出部
9には微細加工技術を用いて配線10と電極パッドと1
1とが接続されている(図5参照)。
【0038】そして、シリコンウェハ2a上には、紫外
線を透過するガラスウェハ2b等が陽極接合装置等によ
って貼り付けられて流路3が形成され、流路3に沿って
その上部領域には、紫外線の透過量を制御する液晶パネ
ル5a等のスイッチング素子が形成されている。そし
て、液晶パネル5aの上部に設けられた紫外線照射装置
6から出射した紫外線は、液晶パネル5aに印加する電
圧により定められる透過率に従って透過し、ガラスウェ
ハ2bを通って流路3の内壁に設けられた金属酸化膜7
に入射し、金属酸化膜7を活性化する。
【0039】次に、上記構成のバイオセンサ8の具体的
製造方法について以下に説明する。まず、所望の大き
さ、例えば4インチ程度の大きさのシリコンウェハ2a
上に、公知のリソグラフィー技術を用いて流路3となる
領域が露出するようにレジストパターンを形成し、フッ
酸、硝酸及び酢酸の混酸等のエッチング液を用いて露出
したシリコンウェハ2aをエッチングし、流路3となる
溝をシリコンウェハ2aを横断するように形成する。こ
こで、流路3の幅及び深さは、粘性の大きい液体試料4
をスムーズに流し、検出部9を形成することができる寸
法であればよいが、少量の試料を検出するためにデッド
ボリュームを低減させたものが好ましい。
【0040】なお、シリコンのエッチングは上記以外の
エッチング液を用いても良く、エッチング液の種類、濃
度、温度等を調整することによって流路3の断面を矩
形、円形、台形等の所望の形状に加工することも可能で
ある。また、液体試料4の流量、流速等を正確に制御す
るために精密な寸法が要求される場合には、ウェットエ
ッチングに代えてドライエッチング法を用いることもで
きる。
【0041】次に、流路3の所定の位置に液体試料4の
特定成分を検出する検出部9を形成する。この検出部9
としては、アンペロメトリック型検出方式やポテンシオ
メトリック型検出方式の電気化学センサ等を使用するこ
とができ、具体的には酵素の触媒反応で生成した電極活
性物質やイオン等を検出できるセンサ等を使用すること
ができるが、検出部9はこれらに限定されるものではな
い。
【0042】なお、アンペロメトリック型検出方式の酵
素センサとしては、例えば、グルコース、乳酸、尿酸、
コレステロール、コリン、胆汁酸等の検出が可能なセン
サがあり、また、ポテンシオメトリック型検出方式のイ
オン感受性電界効果型トランジスタを用いたセンサとし
ては、例えば、水素イオン濃度、ナトリウムイオン、カ
リウムイオン、塩素イオン等のイオン成分の測定が可能
なセンサがある。
【0043】検出部9の形成方法としては、まず、検出
部9を構成する電極(作用極12)を、白金をターゲッ
ト材としてスパッタリング法等により形成し、その上に
作用極12との密着性を向上させるための結合層13を
介して、測定対象成分に応じて選択される酵素が固定化
された固定化酵素層14及び液体試料4を制限的に透過
させる制限透過層15を順次形成する(図8参照)。こ
の流路3内に形成される検出部9の厚さは、液体試料4
の流れを阻害しない厚さに設定することが好ましく、例
えば、1μm以下が好ましい。
【0044】この固定化酵素層13に用いられる酵素と
しては、乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿酸酸化
酵素、ガラクトース酸化酵素、ラクトース酸化酵素、ス
クロース酸化酵素、エタノール酸化酵素、メタノール酸
化酵素、スターチ酸化酵素、アミノ酸酸化酵素、モノア
ミン酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン酸化酵
素およびピルビン酸酸化酵素等の酵素が挙げられる。こ
れらの酵素を単独で用いても2種類以上を同時に用いて
もよい。
【0045】次に、検出部9をレジストで保護し、流路
3の内面に光触媒機能を持つ金属酸化膜7を形成する。
形成方法としては、金属酸化膜7をターゲット材とした
スパッタ法や、酸化物を分散させた無機バインダー溶液
の溶液中に浸漬する方法、スピンコート法、あるいは、
シリンジ等を用いて流路3内部に防汚処理層材料の溶液
を導入する方法等がある。この金属酸化膜7により超親
水性の機能が発揮され、流路3内での液体試料の移動が
円滑となり、液体試料4が流路3内で滞溜したり、液体
試料の流れが不均一となって測定精度や測定安定性が低
下するといった問題を解決することができる。
【0046】この光触媒機能を持つ金属酸化膜7の材料
としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ス
トロンチウム、三酸化タングステン、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、酸化スズ等を用いることができ、これら
の光触媒機能を有する物質を単体又は複数併用して金属
酸化膜7が形成される。なお、この金属酸化膜7の厚さ
は、1μm以上であることが好ましい。
【0047】そして、検出部9を覆ったレジストを剥離
した後、シリコンウェハ2a表面に、予め流路3となる
部分に金属酸化膜7を形成したガラスウェハ2b等を、
少なくとも流路3上面を覆うように被せて(本実施例で
は、シリコンウェハ2aと略同じ大きさのガラスウェハ
2bを使用)、これらを陽極接合装置等を用いて接合し
てその内壁に金属酸化膜7が被覆された流路3が形成さ
れる。なお、金属酸化膜7の形成に際し、シリコンウェ
ハ2a表面にガラスウェハ2bを被せた後、流路3内に
一括して金属酸化膜7を形成してもよい。
【0048】次に、流路3上部を覆うようにガラスウェ
ハ2b上に液晶パネル5aを配設する。この液晶パネル
5aは、一般に表示デバイスとして用いられている液晶
表示装置を用いることができ、ガラス等からなる2枚の
透明基板に液晶を狭持し、透明基板に形成した透明電極
に電圧を印加することによって液晶の配向方向を制御
し、透過率を変化させるものであり、液晶の制御方法は
TN方式、IPS方式等任意に選択することができる。
【0049】次に、上記構造のバイオセンサ8で液体試
料4の制御を行う方法について、図7を参照して説明す
る。図7は、紫外線の透過量を制御する液晶パネル5a
の表示と流路3内に導入された液体試料4の移動する方
向との関係を示す図である。
【0050】図7に示すように、液晶パネル5aは図の
左側端部の黒表示(又は中間調表示)から右側端部の白
表示の間で徐々に透過率が大きくなるように制御されて
おり、図の左側の黒表示領域では紫外線照射装置6から
出射した紫外線は液晶パネル5aによって減光されるた
め、金属酸化膜7の親水性の程度は小さく、液体試料4
は動きにくい状態となっている。これに対して、図の右
側の白表示領域に向かうほど紫外線の透過量は大きくな
り、その透過量に応じて金属酸化膜7が活性化されるた
めに、徐々に親水性の度合いが高まり、液体試料4は動
きやすくなっている。従って、図の左側の液体試料4は
超親水性を示す右側領域に押し出されるように矢印方向
に移動するため、ポンプ等の機械的機構を設けなくても
液体試料4を所定の方向に流し続けることができる。
【0051】そして、照射する紫外線の量を多くした
り、液晶パネル5aの透過率を全体的に大きくしたり、
また、流路3の大きさを液体試料4の粘度にあわせて最
適化する等により、液体試料4の流速を早めることがで
き、これらのパラメータを調整することによって任意の
流速を実現することができる。なお、液晶パネル5aの
グラデーションを逆にすれば、液体試料4の流れる方向
を逆にすることができ、また、流路3全体にわたって紫
外線を遮光すれば液体試料4の動きを止めることもでき
る。
【0052】このように本実施例のバイオセンサ8は、
微細加工技術を応用してシリコンウェハ2aに直接、流
路3となる溝を形成し、溝の所定の位置に検出部9を同
様に微細加工技術を応用して一体的に形成した後、流路
3内壁に光触媒機能を有する金属酸化膜7を形成し、更
に流路3に沿って液晶パネル5a等の光スイッチング素
子を設けて入射する紫外線の量を変化させることによ
り、流路3内の金属酸化膜7の親水性の程度を変化させ
ることができ、ポンプ等の機械的機構を設けなくても液
体試料を任意の流速で任意の方向に移動させることがで
きる。従って、液体試料の成分を検出するシステム全体
の小型化を図ることができ、また、測定精度及び測定安
定性を向上させることができる。
【0053】なお、上記実施例では、ガラスウェハ2b
の上面から紫外線を照射する構造を示したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、液晶パネル5a
をシリコンウェハ2aの裏面側に配置し、裏面側から紫
外線を照射することもできる。この場合には、ガラスウ
ェハ2b部分には紫外線を透過する材料を用いる必要が
なくなるため、例えば、金属酸化膜が表面に形成された
金属材料をシリコンウェハ2aに貼り合わせてバイオセ
ンサ8の強度を高めたりすることもできる。
【0054】また、シリコンウェハ2aに溝を形成する
方法として、シリコンウェハ2aに予め検出部9からの
信号を処理する信号処理回路を形成しておき、流路3と
なる部分以外に半導体や絶縁膜等を堆積して流路3を形
成することもできる。この構造の場合は、信号処理部と
検出部9と流路3とを一体的に形成することができるた
め、検出部9と信号処理回路との間を配線で接続する必
要がなくなり、配線の引き回しによって検出部9からの
微少な信号にノイズが重畳して信号の検出精度が低下す
る等の問題を回避することができ、また、マイクロセン
サ自体の小型化を図ることができる。
【0055】更に、シリコンウェハ2aに形成した溝内
部を有機材料等で埋設し、シリコンウェハ2a全面に金
属、半導体、絶縁体等の膜を形成し、その後、有機溶剤
で溝内部の有機材料を溶解することによって流路3を形
成することもできる。この構造の場合は、流路3上に更
にマイクロマシンや処理回路等を積層することができ、
バイオセンサ8の高機能化を図ることができる。
【0056】[実施例3]次に、本発明の第3の実施例
に係る液体試料測定システムの構造について、図9を参
照して説明する。図9は、前記した第2の実施例で示し
たバイオセンサを組み込んだ液体試料測定システムの構
成を模式的に示す図である。
【0057】前記した実施例のバイオセンサ8は、たと
えば図9に示すような測定システムに組み込んだ形態で
使用される。図9に示す測定システムでは、流路3の両
端にチューブ18a、18bが接続されており、一方の
チューブ18aの先端には接続管19を介して体液採取
セル17が取り付けられ、体液採取セル17は皮膚16
に装着されている。
【0058】ここで、バイオセンサ8上部の液晶パネル
5aの透過率を図の左側から右側に向かって小さくなる
ように設定することにより、紫外線照射装置6から出射
した紫外線によって図の左側の金属酸化膜7が活性化さ
れ、流路3内の液体試料4を図の右側に向かって移動さ
せることができる。従って、ポンプ等の機械的機構を設
けなくても一定の流速で体液を流すことができる。そし
て、採取された体液は、体液採取セル17内から接続管
19、チューブ18aを通り、バイオセンサ8内に送り
込まれて検出部9で分析され、分析後はチューブ18b
を通り、外部に排出される。
【0059】このように、本実施例の液体試料測定シス
テムは、図16に示す従来のシステムと比較して、ポン
プ25やバルブ24等の機械的機構を設ける必要がない
ため、システム全体の小型化を実現することができ、ま
た、ポンプ25やバルブ24内部に残留した液体試料4
によって測定精度が低下したり、ポンプ等の交換を行わ
なければならないといった問題を回避することができ
る。
【0060】なお、本実施例では、機械的なポンプを設
けることなく、金属酸化膜7の親水性の効果のみによっ
て液体試料を移動させる構造について記載したが、金属
酸化膜7の効果のみでは液体試料4の制御が困難な場合
は、機械的なポンプを併用することもできる。この場
合、紫外線のON/OFF制御又は照射量を調整するこ
とによって、流路3内の液体試料4の流れ易さを変える
ことができ、液体試料4の流速を微調整することも可能
であり、測定精度を更に高めることができる。
【0061】[実施例4]次に、本発明の第4の実施例
に係る液流制御方法について、図10及び図11を参照
して説明する。図10及び図11は、本実施例に係る液
流制御方法を説明するための液晶パネルの表示を模式的
に示す図である。
【0062】前記した第1乃至第3の実施例では、流路
3の全長にわたって液晶パネル5aを設け、液晶パネル
5aの各領域の透過率を各々設定した状態で一定に保
ち、液体試料4を一定方向に流す場合について説明した
が、本発明の液流制御方法では、液晶パネル5aは流路
3の全長にわたって形成することは必ずしも必要ではな
く、流路3の一部に形成して、この部分の金属酸化膜7
に照射される紫外線の量を変化させても液体試料4全体
を流動させることができる。その場合には、液体試料4
を効率よく動かすために、液晶パネル5aの表示も一定
の周期で変化させることが好ましい。
【0063】例えば、液晶パネル5aを3つの領域に分
割して液体試料4を動かす場合について、図10を参照
して説明する。まず、初期状態において、図10(a)
に示すように、図の右端の領域のみ白表示とし、一定の
間隔をおいて(b)に示すように白表示領域5bを図の
左側に移動させると、液晶パネル5a下部の液体試料4
はこの白表示領域5bの移動につられて同様に図の左側
に移動する。次に、(c)に示すように、一定の間隔を
おいて更に白表示領域5bを左端に移動させると液体試
料4も同様に左に移動する。そして(d)に示すよう
に、この動作を繰り返すことによって液晶パネル5a下
部の液体試料4を強制的に動かすことができ、液晶パネ
ル5aを流路3の一部に設けた場合であっても、表示を
切り替える間隔を調整することにより液体試料4の流速
を正確に制御することができる。
【0064】また、図11に示すように、液晶パネル5
aの表示領域を白表示領域5bと黒表示領域5cと中間
調表示領域5dの3つに分けて、同様に各領域を一定方
向に移動させると、更に液体試料4の動きをスムーズに
することができる。
【0065】なお、本実施例では、液晶パネルを3つの
領域に分割する例について説明したが、分割数や表示を
切り替えるタイミング等は液体試料の流れ易さを考慮し
て適宜設定することができ、表示の移動方向を逆転させ
たり、全体を黒表示とすることにより、液体試料4の流
れる方向を任意に変えたり、流れを止めるといった複雑
な制御が可能になる。
【0066】[実施例5]次に、本発明の第5の実施例
に係る液流制御機構及び液流制御方法について、図12
及び図13を参照して説明する。図12は、本発明の液
流制御方法を利用して形成したバルブの構造及び動作を
示す図であり、図13は、本発明の液流制御方法を利用
して形成したポンプの構造及び動作を示す図である。
【0067】まず、図12を参照して、本発明の液流制
御方法を利用したバルブの構造について説明すると、T
字状に形成された流路の一端(図では下端)に液体試料
の成分の校正を行う検出部20が設けられ、流路の右端
のサンプル液流入口21aからは成分を測定するサンプ
ル液が送り込まれ、左端の校正液流入口21bからは校
正液が送り込まれる。ここで、通常はT字の接続部に機
械的に動作するバルブを設けて検出部20と接続する流
路を選択するが、本実施例では、サンプル液及び校正液
と相混ざり合わない液体(例えば、オリーブオイル等)
からなるバルブ用液体4aを分岐路近傍に導入し、前記
した実施例で示した方法でこのバルブ用液体4aを図の
左右に動かして一方の流路を遮断するようにしている。
【0068】例えば、図12(a)では、校正液側にバ
ルブ用液体4aがあるために検出部20にはサンプル液
が導入されており、検出部20の校正が必要になった
ら、流路上に設けた液晶パネルと紫外線照射装置によっ
て図の左側に向かって紫外線照射量が多くなるように設
定してバルブ用液体4aを右方向に動かす(図12
(b)参照)。すると、今度はサンプル液側の流路が遮
断されるために、校正液を検出部20に導入することが
できる。
【0069】このように、液体試料を一定方向に連続的
に動かすだけでなく、所定の部分に設置した液体を往復
運動させることによって、液体にバルブと同様の機構を
持たせることができる。そして、液体にバルブ機能を持
たせてバイオセンサ内に一体的に形成することにより、
液体が流れる流路を短くすることができ、少ない量で正
確な測定を行うことができる。また、機械的に動作する
バルブを用いる場合に生じていたバルブ内に液体が滞留
して測定精度を劣化させるという問題を回避することが
できる。なお、図12では、2方向(図の右方向と左方
向)に分岐する流路間でバルブ用液体4aを動かす構成
について説明したが、分岐数、分岐方向は図の構成に限
られるものではなく、2以上の複数の方向に分岐する任
意の構成に適用することができる。
【0070】次に、図13を参照して、本発明の液流制
御方法を利用したポンプの構造について説明すると、T
字状に形成された流路の左端にポンプの機能を有するポ
ンプ用液体4bが配置され、前記した実施例に示した方
法でポンプ用液体4bを図の左右方向に往復運動させる
構造になっている。
【0071】このような構造のポンプ機構を用いて、流
路の右端の液体試料流入口22aから下端の液体試料流
出口22bに向かって液体試料4を流す場合について説
明する。まず、図13(a)に示すように、ポンプ用液
体4bを図の左側に移動させると共に図の右側領域の流
路に紫外線を照射して金属酸化膜7を活性化すると、ポ
ンプ用液体4bと液体試料4との間に空間が減圧され、
液体試料4はポンプ用液体4bに引っ張られるように図
の左側に移動する。
【0072】次に、図13(b)に示すように、ポンプ
用液体4bを図の右側に移動させると共に図の下側領域
の流路に紫外線を照射して金属酸化膜7を活性化する
と、ポンプ用液体4bと液体試料4との間に空間が加圧
され、液体試料4はポンプ用液体4bに押し出されるよ
うに図の右側に移動しようとするが、右側の流路には紫
外線は照射されておらず液体が流れにくく、下側は紫外
線照射によって流れやすくなっているため、液体試料4
は矢印で示すように下側に移動する。この動作を繰り返
すと、液体試料4を右側の流入口22aから下側の流出
口22bに向かって連続的に流すことができる。
【0073】ここで、前記した第1乃至第3の実施例に
示した方法では、液体試料4を紫外線の強弱によって直
接動かすために、液体試料4の種類や粘度等に左右され
て流速を制御することが困難な場合がある。しかしなが
ら上述した方法によれば、紫外線照射によって制御する
のは予め配置した液体のみであるため、液体の動作を正
確に制御することができ、成分を測定する試料の種類や
粘度によらず、常に一定の流速で液体試料4を流すこと
ができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液流制御
方法、液流制御機構及び該制御機構を備えたバイオセン
サによれば、液体試料が流れる流路内壁に酸化チタン等
の金属酸化膜を設け、更に流路上部に紫外線の透過量を
調整する液晶パネル等の光スイッチング素子を設けるこ
とによって、流路内の所定の部分のみ金属酸化膜の親水
性を向上させて液体試料を流れやすくすることができ、
この方法を応用して流路に照射される紫外線の量を変化
させることによってポンプ等の機械的機構を設けること
なく、液体試料を一定の流速で精度良く流すことができ
る。
【0075】また、液晶パネルの各領域の透過率を一定
の周期で変化させることによって、液体試料の流れる方
向や流速を制御することができ、この構造をT字路に設
けることによって流路を選択するバルブの機能や強制的
に液体試料を流すポンプの機能を持たせることができ、
バイオセンサを用いた液体試料の成分検出システム全体
の小型化、高機能化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る液流制御機構を模
式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る液流制御機構を模
式的に示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る液流制御機構を備
えたバイオセンサの構造を示す上面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る液流制御機構を備
えたバイオセンサの構造を説明するために部分的にガラ
スウェハを取り除いた図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る液流制御機構を備
えたバイオセンサの構造を示す上面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る液流制御機構を備
えたバイオセンサの構造を示す図であり、(a)は図3
のA−A′線における断面図、(b)はB−B′線にお
ける断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る液流制御機構を備
えたバイオセンサの動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る液流制御機構を備
えたバイオセンサの検出部の構造を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る液体試料の成分検
出システムの構造を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施例に係る液流制御方法を
説明するための図である。
【図11】本発明の第4の実施例に係る液流制御方法を
説明するための図である。
【図12】本発明の第5の実施例に係る液流制御方法を
用いたバルブ機構を説明するための図である。
【図13】本発明の第5の実施例に係る液流制御方法を
用いたポンプ機構を説明するための図である。
【図14】従来のバイオセンサの構造を示す上面図であ
る。
【図15】従来のバイオセンサの構造を示す断面図であ
る。
【図16】従来のバイオセンサを用いた液体試料の成分
検出システムの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 液流制御機構 2 基板 2a シリコンウェハ 2b ガラスウェハ 3 流路 4 液体試料 4a バルブ用液体 4b ポンプ用液体 5 光スイッチング素子 5a 液晶パネル 5b 白表示領域 5c 黒表示領域 5d 中間調表示領域 6 紫外線照射装置 7 金属酸化膜 8 バイオセンサ 9 検出部 10 配線 11 電極パッド 12 作用極 13 結合層 14 固定化酵素層 15 制限透過層 16 皮膚 17 体液摂取セル 18a、18b チューブ 19 接続管 20 検出部 21a サンプル液流入口 21b サンプル液流出口 22a 液体試料流入口 22b 液体試料流出口 23 従来のバイオセンサ 24 バルブ 25ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/28 321 G05D 7/06 Z 27/327 G01N 35/06 D 37/00 101 A61B 5/14 310 // G05D 7/06 G01N 27/30 353Z Fターム(参考) 2G058 DA07 EA14 GA12 4C038 KK10 KL01 KL09 KM00 KM01 KY01 KY03 4G069 BA04A BA04B BA48A BB04A BB04B BB06A BC22A BC25A BC35A BC60A BC66A CD08 DA06 EA08 5H307 AA14 AA15 AA20 BB05 DD09 DD18 EE02 EE36

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内壁が光触媒機能を有する金属酸化膜で被
    覆された液体の流路に照射する紫外線の光量を変化させ
    ることにより、該光量に応じた前記金属酸化膜表面の親
    水性の変化を利用して、前記流路を流れる前記液体の流
    速を制御することを特徴とする液流制御方法。
  2. 【請求項2】内壁が光触媒機能を有する金属酸化膜で被
    覆された液体の流路に照射する紫外線の光量を前記流路
    に沿って変化させることにより、該光量に応じた前記金
    属酸化膜表面の親水性の変化を利用して、前記液体を前
    記流路に沿って移動させることを特徴とする液流制御方
    法。
  3. 【請求項3】紫外線を透過する基板内に、内壁が光触媒
    機能を有する金属酸化膜で被覆された液体の流路を有
    し、前記流路の少なくとも一部を覆う領域に配設された
    紫外線の透過光量を制御する透過率制御手段によって前
    記液体の流れを制御する方法であって、前記透過率制御
    手段上部に予め設けられた光源から出射され、前記金属
    酸化膜に入射する紫外線の光量を、前記透過率制御手段
    で制御し、該光量に応じて前記金属酸化膜表面の親水性
    を変化させることにより、前記液体の流れを制御するこ
    とを特徴とする液流制御方法。
  4. 【請求項4】前記流路を流れる前記液体の流速が一定の
    値となるように、前記透過率制御手段の透過率を調整す
    ることを特徴とする請求項3記載の液流制御方法。
  5. 【請求項5】前記透過率制御手段が透過率の相異なる複
    数の領域からなり、各々の領域の透過率を前記流路に沿
    って徐々に変化させることにより、前記液体を前記流路
    に沿って移動させることを特徴とする請求項3記載の液
    流制御方法。
  6. 【請求項6】所定の紫外線透過率の領域が、所定の時間
    間隔で前記流路に沿って徐々に移動するように前記透過
    率制御手段を制御することにより、前記液体を前記流路
    に沿って移動させることを特徴とする請求項4記載の液
    流制御方法。
  7. 【請求項7】前記液体が流れる流路が、複数の流路に分
    岐する分岐点を有し、前記液体とは混合しない所定の液
    体溜を前記複数の流路間で移動させることにより、前記
    液体を流す流路を選択することを特徴とする請求項3記
    載の液流制御方法。
  8. 【請求項8】前記液体が流れる流路に、前記液体とは混
    合しない所定の液体溜が移動可能な分岐路が形成され、
    前記液体溜を前記分岐路内で往復移動させると共に、該
    往復移動に同期させて前記流路の上流又は下流に紫外線
    を照射することにより、前記液体と前記液体溜との間の
    空間の圧力差によって前記液体の流れを制御することを
    特徴とする請求項3記載の液流制御方法。
  9. 【請求項9】前記金属酸化膜が、酸化チタン、酸化亜
    鉛、チタン酸ストロンチウム、三酸化タングステン、酸
    化第二鉄、三酸化二ビスマス、酸化スズのいずれかを含
    むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載
    の液流制御方法。
  10. 【請求項10】前記透過率制御手段が液晶パネルからな
    り、前記基板がシリコン基板からなることを特徴とする
    請求項3乃至9のいずれか一に記載の液流制御方法。
  11. 【請求項11】紫外線を透過する基板内に形成された液
    体の流路の内壁に光触媒機能を有する金属酸化膜が形成
    され、前記流路の少なくとも一部を覆う領域に紫外線の
    透過光量を制御する透過率制御手段が配設された液流制
    御機構であって、 前記透過率制御手段上部に予め設けられた光源から出射
    され、前記金属酸化膜に入射する紫外線の光量が前記透
    過率制御手段によって制御され、該光量に応じて前記金
    属酸化膜表面の親水性が変化して前記液体の流れが制御
    されることを特徴とする液流制御機構。
  12. 【請求項12】前記透過率制御手段が透過率の相異なる
    複数の領域を有し、各々の領域の透過率が前記流路に沿
    って徐々に変化するように設定されていることを特徴と
    する請求項11記載の液流制御機構。
  13. 【請求項13】所定の紫外線透過率の領域が、所定の時
    間間隔で前記流路に沿って徐々に移動するように、前記
    透過率制御手段の透過率が制御されることを特徴とする
    請求項12記載の液流制御機構。
  14. 【請求項14】前記液体が流れる流路が、複数の流路に
    分岐する分岐点を有し、前記液体とは混合しない所定の
    液体溜が前記複数の流路間で移動することにより、前記
    液体が流れる流路が選択されるバルブ機能を備えたこと
    を特徴とする請求項11記載の液流制御機構。
  15. 【請求項15】前記液体が流れる流路に、前記液体とは
    混合しない所定の液体溜が移動可能な分岐路が形成さ
    れ、前記液体溜が前記分岐路内で往復移動すると共に、
    該往復移動に同期させて前記流路の上流又は下流に紫外
    線を照射することにより、前記液体と前記液体溜との間
    の空間の圧力差によって前記液体の流れが制御されるポ
    ンプ機能を備えたことを特徴とする請求項11記載の液
    流制御機構。
  16. 【請求項16】前記金属酸化膜が、酸化チタン、酸化亜
    鉛、チタン酸ストロンチウム、三酸化タングステン、酸
    化第二鉄、三酸化二ビスマス、酸化スズのいずれかを含
    むことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一に
    記載の液流制御機構。
  17. 【請求項17】前記透過率制御手段が液晶パネルからな
    り、前記基板がシリコン基板からなることを特徴とする
    請求項11乃至16のいずれか一に記載の液流制御機
    構。
  18. 【請求項18】請求項11乃至17のいずれか一に記載
    の液流制御機構に、液体試料中の特定成分を検出する酵
    素層を有する検出部を備えことを特徴とするバイオセン
    サ。
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