JP2002208553A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線装置

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JP2002208553A
JP2002208553A JP2001002285A JP2001002285A JP2002208553A JP 2002208553 A JP2002208553 A JP 2002208553A JP 2001002285 A JP2001002285 A JP 2001002285A JP 2001002285 A JP2001002285 A JP 2001002285A JP 2002208553 A JP2002208553 A JP 2002208553A
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charged particle
particle beam
magnetic field
sensitive substrate
cylindrical member
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JP2001002285A
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English (en)
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Atsushi Yamada
篤志 山田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空チャンバー内を高度の真空に保つことが
でき、かつ、リニアモーターが発生する磁場やその他の
外部磁場が、荷電粒子線光学系に与える影響を少なくし
た荷電粒子線露光装置を提供する。 【解決手段】 感応基板4に対して鏡筒1と反対側に
は、インバー等の高透磁率材料で形成された筒状部材5
が、鏡筒1に対向するように設けられている。筒状部材
5は円筒形で、その直径は、鏡筒2の最下部の直径とほ
ぼ同程度とされ、その長さは直径の3倍以上とされてい
る。感応基板4の下側や、感応基板4と鏡筒1の間の空
間から光軸近傍に入り込もうとするリニアモーターの磁
場やその他の外部磁場は、筒状部材5に引き込まれ、こ
れらの磁場が光軸へ流出する度合いが低減される。よっ
て、感応基板4の上を通る電子線には影響を与えなくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、荷電粒子線を利
用してマスクやレチクルに形成されたパターンをウェハ
等の感応基板に露光転写したり、直接感応基板にパター
ンを描画したりするために使用される荷電粒子線装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子線を利用してレチクルに形成さ
れたパターンをウェハ等に露光転写する荷電粒子線露光
装置は、露光転写するパターンの線幅を細くでき、それ
により半導体デバイス等の集積度を上げることができる
ので、次世代のステッパーとして開発が進められてい
る。
【0003】このような荷電粒子線露光装置の中で、最
も進んだものは分割露光方式を使用したものである。分
割露光方式においては、露光転写されるべきエリアを複
数の部分(サブフィールドと呼ばれる)に分けてレチク
ルを作成し、1つのサブフィールドについて一括露光転
写を行い、レチクルとウェハを共に移動させながら、順
次異なるサブフィールドを転写して、全体として1枚の
ウェハへの露光転写を行っている。
【0004】この方法を採用した場合、レチクルとウェ
ハのそれぞれを、光軸をZ軸とした場合、X−Y方向に
移動させる必要がある。このため、レチクルとウェハ
は、それぞれレチクルステージ、ウェハステージと呼ば
れるステージに搭載されて移動される。そして、レチク
ルステージ、ウェハステージの駆動には、振動や塵埃を
発生しないリニアモーターが使用されるようになってき
ている。
【0005】リニアモーターを各ステージの駆動に使用
する場合、その磁石が発生する磁場が荷電粒子線光学系
に与える影響が問題となる。すなわち、リニアモーター
の磁石により発生する磁場が、荷電粒子と作用し、ロー
レンツ力によりその軌道が変わる。
【0006】このような問題を解決する方法として、従
来は、各ステージを駆動するリニアモーターを真空チャ
ンバーの外側に設け、真空チャンバーを高透磁率の材料
により製造することにより、リニアモーターの発生する
磁場を、荷電粒子線に及ぼさないような方法が考えられ
ていた。
【0007】分割露光転写方式以外の露光転写方式の荷
電粒子線露光装置、荷電粒子線により直接感応基板に描
画を行う荷電粒子線描画装置等においても、感応基板を
載せたステージをリニアモーターによって駆動するもの
には同じ問題があり、同じような対策を施すことが考え
られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感応基
板を搭載するステージ本体は、真空チャンバー内に設置
することが不可欠であるので、その駆動機構であるリニ
アモーターを真空チャンバー外に設け、かつ、真空チャ
ンバー内を必要な真空度に保つことは、可動部が真空チ
ャンバーを貫くことになるので、技術的に困難であり、
複雑な機構を必要とする問題があった。また、磁気シー
ルドを完全に行うことも困難であった。
【0009】また通常、感応基板を搭載するステージの
下側には荷電粒子線の軌道が存在し得ないため、磁気シ
ールドに関してそれほど注意されていなかったが、こち
らの方向から侵入する磁場が荷電粒子線の軌道に影響を
与えることがあった。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、真空チャンバー内を高度の真空に保つことがで
き、かつ、リニアモーターが発生する磁場やその他の外
部磁場が、荷電粒子線光学系に与える影響を少なくした
荷電粒子線露光装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、荷電粒子線を用いて感応基板にパター
ンの描画や露光転写を行う荷電粒子線装置であって、感
応基板を搭載するステージの下側に高透磁率材料からな
る筒状部材を配置したことを特徴とする荷電粒子線装置
(請求項1)である。
【0012】本手段においては、ステージの下側に高透
磁率材料からなる筒状部材を配置することにより、鏡筒
の下側から鏡筒内及び鏡筒とステージ間の空間に入り込
もうとする磁場を、この高透磁率材料により引き込んで
光軸への流出を低減する。よって、リニアモーターの磁
石による磁界やその他の外部磁界により、荷電粒子線光
学系が影響を受けるのを防止することができる。従っ
て、リニアモーターを真空チャンバー内に設けることが
可能となる。その結果、可動部が真空チャンバーを貫通
することがなくなるので、真空チャンバー内の真空度を
高度に保つことが容易になる。
【0013】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記筒状部材の幅が、鏡筒の
直径と同程度であることを特徴とするもの(請求項2)
である。
【0014】本手段においては、鏡筒の下側から鏡筒内
及び鏡筒とステージ間の空間に入り込もうとする磁場
を、より効果的にステージの下側に引き込むことがで
き、荷電粒子線光学系が影響を受けるのを防止する効果
が大きくなる。
【0015】なお、「鏡筒の直径と同程度」とは、筒状
部材の最大幅が、鏡筒の外壁磁性体において最も太い部
分の+10%以下で、かつ、筒状部材の最小幅が、鏡筒
の外壁磁性体において最も細い部分の−10%以上の範
囲をいう。例えば、筒状部材が正方形の場合、対角線の
長さが、鏡筒の外壁磁性体において最も太い部分の+1
0%以下で、かつ、一辺の長さが、鏡筒の外壁磁性体に
おいて最も細い部分の−10%以上の範囲にあるような
ことをいう。
【0016】筒状部材の幅が、前記範囲より大きすぎて
も小さすぎても、鏡筒と筒状部材の間にできる隙間から
磁場が鏡筒内に入り込みやすくなるので、前記範囲とす
ることが好ましい。
【0017】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、前記筒状部材
の長さが、その幅の3倍以上であることを特徴とするも
の(請求項3)である。
【0018】筒状部材の長さが、その幅の3倍未満であ
ると、外部からの磁場が筒状部材の下部からこの筒状部
材のシールドを通り、感応基板面に達してしまうことが
ある。よって、本手段では、筒状部材の長さを、その幅
の3倍以上として、このようなことの発生を防ぐ。これ
により、電子線露光装置の場合、ウェハ面より上側への
磁場の漏洩によるビームの位置ずれを1nm以下にするこ
とができる。
【0019】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、前
記筒状部材の形状が円筒であることを特徴とするもの
(請求項4)である。
【0020】本手段においては、シールド部材である筒
状部材を軸対象とすることにより、シールド効果を軸対
象とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態
の例である荷電粒子線露光装置の感応基板付近の断面図
である。図1において1は鏡筒、2はインバー、3はパ
ーマロイ、4は感応基板、5は筒状部材、6は光軸であ
る。
【0022】鏡筒1は、高透磁率材料であるインバー2
を主体として作られ、その内側には、さらに高透磁率の
材料であるパーマロイが貼り付けられて構成されてい
る。感応基板4に対して鏡筒1と反対側には、インバー
等の高透磁率材料で形成された筒状部材5が、鏡筒1に
対向するように設けられている。
【0023】筒状部材5は円筒形で、その直径は、鏡筒
2の下部コラム最大径の+10%以下、最小径の−10
%以上とされ、その長さは直径の3倍以上とされてい
る。感応基板4の下側や、感応基板4と鏡筒1の間の空
間から光軸近傍に入り込もうとするリニアモーターやそ
の他の外部磁場は、筒状部材5に引き込まれ、これらの
磁場の、光軸への流出が低減される。よって、感応基板
4の上を通る電子線への影響は少なくなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
実施例では、100kVの電子線投影露光装置のウェハステ
ージに設けられた駆動用モーターの磁場の影響を調査し
た。図2は、本発明の高透磁率材料からなる筒状部材を
設けなかった場合の磁束密度を示すもので、図3は、こ
のような筒状部材を設けた場合の磁束密度を示すもので
ある。
【0025】共に、横軸は光軸をZ軸方向とし、ウェハ
面をX−Y平面とした場合のZ軸方向の位置、縦軸はそ
の位置におけるX方向の磁束密度を示す。本例では、光
軸位置が0mのところにレチクルを配置し、光軸位置が
−0.6mのところにウェハを配置している。計算に使用
した鏡筒の直径は最大部分で450mm、最小部分で32mmで
あり、鏡筒とウェハ面の距離は28mmである。筒状部材は
円筒状とし、外径50mm、内径48mm、長さ160mmのパーマ
ロイで形成した。
【0026】図2、図3を見ると分かるように、本発明
の実施例においては、ウェハステージ近傍(光軸の−0.
6mの位置)の磁束密度(特に横方向)を抑制すること
ができるので、ビームドリフト量を低減することができ
る。またビームドリフト量が所望の値以内に入っている
場合にはモーターからの漏れ磁場の仕様値を大きく設定
することができるため、モーター製造のコストの削減に
つながる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、リニアモーターの磁石によ
る磁場やその他の外部磁場により、荷電粒子線光学系が
影響を受けるのを防止することができる。また、リニア
モーターを設ける場合、可動部が真空チャンバーを貫通
することがなくなるので、真空チャンバー内の真空度を
高度に保つことが容易になる。
【0028】請求項2に係る発明においては、荷電粒子
線光学系がリニアモーターの磁石による磁場やその他の
外部磁場により影響を受けるのを防止する効果が大きく
なる。
【0029】請求項3に係る発明においては、外部から
の磁場が筒状部材の下部からこの円筒部材のシールドを
通り、感応基板面に達してしまうのを確実に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例である荷電粒子線露光
装置の感応基板付近の断面図である。
【図2】本発明の高透磁率材料からなる筒状部材を設け
なかった場合の磁束密度を示す図である。
【図3】本発明の高透磁率材料からなる筒状部材を設け
た場合の磁束密度を示す図である。
【符号の説明】
1…鏡筒 2…インバー 3…パーマロイ 4…感応基板 5…筒状部材 6…光軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線を用いて感応基板にパターン
    の描画や露光転写を行う荷電粒子線装置であって、感応
    基板を搭載するステージの下側に高透磁率材料からなる
    筒状部材を配置したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子線露光装置で
    あって、前記筒状部材の幅が、鏡筒の直径と同程度であ
    ることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の荷電粒子
    線露光装置であって、前記筒状部材の長さが、その幅の
    3倍以上であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1
    項に記載の荷電粒子線装置であって、前記筒状部材の形
    状が円筒であることを特徴とする荷電粒子線装置。
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