JP2002208480A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

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JP2002208480A
JP2002208480A JP2001001952A JP2001001952A JP2002208480A JP 2002208480 A JP2002208480 A JP 2002208480A JP 2001001952 A JP2001001952 A JP 2001001952A JP 2001001952 A JP2001001952 A JP 2001001952A JP 2002208480 A JP2002208480 A JP 2002208480A
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Tadashi Inoue
上 直 史 井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ELディスプレイパネルにおける必要な
蒸着区割と蒸着マスクの位置ずれによる発光層の不均一
を抑制し、高精細化を図った発光素子を提供する。 【解決手段】 本発明のEL素子の製法は、(a)基板
上に第1電極、絶縁層を順次積層形成した後に、所定部
位を開口してなるマスクを、該絶縁層上部に、密着また
は近接して配置し、(b)電子線ビームをマスク上部よ
り照射して、マスクの開口部に対応する位置に第1の区
画から絶縁層を除去し、(c)マスクをそのままにして
第1の有機エレクトロルミネッセンス媒体を堆積させ、
絶縁層の除去された前記第1の区画において露出する第
1電極上に第1の色の発光層を形成し、(d)同様にマ
スクを該絶縁層上部に、密着または近接して配置する
が、マスクの開口部の位置は第2の区画を露出させる位
置にマスクを配置する工程、さらに(b)、(c)工程
を繰り返して発光層を形成し第1電極上に各色の発光層
を形成する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光素子およびそ
の製造方法に関するものであり、詳しくは本発明は、電
流の注入によって発光する有機化合物材料のエレクトロ
ルミネッセンス(以下、「EL」とも記する。)3色の
発光層を使った3画素で1つのカラー画素を構成する発
光層への電荷の注入時に光を発する有機エレクトロルミ
ネッセンス素子(有機EL素子)からなる有機EL(ele
ctro luminescence)ディスプレイデバイスおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、非常に薄く、マトリッ
クス状にアドレス可能であり、非常に低電圧でも駆動可
能であるという長所がある。また、有機EL素子は、視
野角が広く、プラスティックのような可撓性(flexible)
透明基板上にも形成可能であり、このため次世代の平板
ディスプレイ(Flat Panel Display: FPD)に適した素子
として期待されている。また、現況においてFPDの主
流であるLCD(LiquidCrystal Display)に比べてバッ
クライト(backlight)を必要としないため、電力消耗が
少ないという長所もある。
【0003】上記のような長所を持つ有機EL素子は、
一般的に無機EL素子とは動作原理の面で大きな違いが
ある。無機EL素子は、高い電界によって加速された電
子が発光体(luminescent impurity)に衝突して励起さ
れ、励起された発光体が基底状態に落ちながら発光する
のに対して、有機EL素子は、陰極及び陽極から各々注
入された電子と正孔とが結合して生成されたエクシトン
(exciton)が励起状態から基底状態に落ちながら発光す
るものであり、発光効率、輝度の面で無機EL素子より
も優れた特性が得られる。
【0004】さらに、このような有機EL素子に用いら
れる有機EL材料の発光寿命の改善、発光色の多様化と
いった研究開発が進み、フルカラーの有機ELディスプ
レイデバイスの実用化も近づいている。フルカラーの有
機ELディスプレイデバイスの構造としては、(1)発
光層の面内に、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色の
発光画素を配置し、隣接する各色1個づつの3つの画素
で1つのカラー画素を形成する方法(以下、「3色発光
法」と称する。)、(2)単一色、例えば青色の発光層
を用い、この上部に設けられた、RGB3色への色変換
層(B→R変換、B→G変換、B→B変換)と組み合わ
せることでカラー化する方法(以下、「色変換法」と称
する。)、および(3)RGBの3色のスペクトラムを
含む光、例えば白色光を発する発光層を用い、その上部
に、RGBの各色へのカラーフィルター層を形成してカ
ラー化する方法(以下、「白色法」と称する。)が知ら
れている。
【0005】このうち、3色発光法は、原理的には、寿
命、色純度および発光効率といった点で、色変換法およ
び白色法より優れたものである。しかしながら、3色発
光法による有機ELディスプレイデバイスに関しては、
その素子形成工程に起因して以下のような問題が指摘さ
れていた。まず第1に、有機EL素子に用いられる発光
層となる有機膜は、概して、水分に弱く、また有機溶剤
や薬品に対する耐久性にも乏しいものである。3色発光
法の場合、発光材料の異なる3画素を同一基板上に形成
する必要があり、このためには最低でも3回、発光層を
加工しなければならない。電子デバイスの加工方法とし
ては、フォトリソグラフィー法が一般的なものではある
が、周知のように、フォトリソグラフィー法において用
いられるレジストは多量の有機溶剤を含み、また現像液
は一般に水溶液である。従って、フォトリソグラフィー
法によって各色画素をパターニングして形成すると、発
光層の有機膜が、素子加工工程においてこれらの水分や
有機溶剤等に多数回曝されることとなるため、発光寿命
が短くなる、微細パターンの形成ができない等、素子の
特性を大きく劣化させてしまうことになるため、採択し
難しい。
【0006】また、3色発光法による有機ELディスプ
レイデバイスを製造する方法としては、蒸着マスクを用
いた方法も考えられる。例えば、基板上に第1電極を形
成した後、所定部位の開口された蒸着マスクを第1電極
上に配置して、開口部に第1の色の有機EL材料を蒸着
させ、その後順次蒸着マスクの開口部を移動して残りの
各色の有機EL材料を蒸着させるといったものである。
しかしながら、この方法によると、蒸着マスクと基板間
との密着不要による蒸着物の回りこみや、あるいは強制
的に蒸着マスクと基板とを密着させたことによる有機E
L発光層の損傷の問題等が生じる。
【0007】このため、従来、このような3色発光法に
よる有機ELディスプレイデバイスを製造する方法とし
ては、例えば、特開平8−227276号公報、特開平8-31598
1号公報などに示されるように、基板上に第1電極を形
成した後、その上部にポリイミド等の絶縁性物質を堆積
させ、この絶縁性物質による層を、一般的なフォトリソ
グラフィー法およびウェットまたはドライエッチング法
を用いてパターニングして、第1電極層の各発光画素形
成部を露出させるようにこれ以外の部位において基板よ
り突出する複数の隔壁を形成する方法が用いられてい
た。このような隔壁の形成後、所定の開口部を有する蒸
着マスクを前記隔壁上部に配置し、マスクの開口部が前
記複数の隔壁間の開口部の一部に整合し、かつ隔壁間の
開口部の他の部位はマスクの実部により遮蔽されるもの
として、当該開口位置において第1電極層上に第1の色
の有機EL材料を蒸着させ、その後順次蒸着マスクの開
口部を移動して残りの各色の有機EL材料を蒸着させる
ものである。
【0008】このように絶縁性物質による隔壁を形成す
る方法においては、上記したような蒸着マスクと基板間
との密着不要による蒸着物の回りこみや、あるいは強制
的に蒸着マスクと基板とを密着させたことによる有機E
L発光層の損傷といった問題は生じ難いが、画素パター
ンが微細化してくると、隔壁上に蒸着マスクを整合して
配置することが困難となる。また、当該隔壁の形成は、
フォトリソグラフィー法を用いて行われているが、この
加工工程において隔壁等に残留した水分や有機溶剤等の
影響によって、各発光画素を構成する有機EL材料が劣
化し、発光寿命等の素子性能が低下してしまう問題があ
った。特に、上記公報においては、各発光画素上に形成
される第二電極間の隣接間隔を大きなものとし、電極間
の短絡を防止するために当該隔壁の上部にオーバーハン
グ部を設ける技術が開示されているが、このように異方
性にエッチングできる材料は、比較的吸水性の高いフォ
トレジスト等の有機物であることが多く、このようなオ
ーバーハング部を設ける技術を採択すると、上記したよ
うな問題はより顕著となるものである。
【0009】さらに、3色発光法による有機ELディス
プレイデバイスの素子形成工程における上記したような
問題点を解決するために、特開2000-12220号公報におい
ては、上記したような隔壁の形成において、第1電極上
部に形成したフォトレジスト等の絶縁性物質をレーザー
ビームを用いてパターニングする方法が提唱されてい
る。
【0010】このようにレーザービームを用いてパター
ニングする方法によれば、隔壁等への水分や有機溶剤等
の残留による発光層の劣化の問題はほぼ解消されるもの
であると思われる。しかしながら、この特開2000-12220
号公報に開示される技術をもってしても、上記したよう
な別の問題点、すなわち、有機EL材料を堆積させる上
で、隔壁上に蒸着マスクを整合して配置することが困難
となるという点は未だ、解決できないものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は改良
された有機EL素子およびその製造方法を提供すること
を課題とする。本発明はまた、有機ELディスプレイパ
ネルにおける必要な蒸着区割と蒸着マスクの位置ずれに
よる発光層の不均一を抑制し、高精細化を図った発光素
子およびその製造方法を提供することを課題とする。本
発明はさらに、生産の歩留りと製品寿命の改善を図って
なる発光素子およびその製造方法を提供することを課題
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数色の発光
層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法であって、該素子における発光層の形成が、(a)基
板上に第1電極、絶縁層を順次積層形成した後に、所定
部位を開口してなるマスクを、該絶縁層上部に、密着ま
たは近接して配置し、(b)光ないし電子線ビームをマ
スク上部より照射して、マスクの開口部の位置する第1
の区画において、絶縁層を除去し、(c)さらに、マス
クを同位置に保持した状態で、第1の有機エレクトロル
ミネッセンス媒体を堆積させて、絶縁層の除去された前
記第1の区画において露出する前記第1電極上に第1の
色の発光層を形成し、次いで、(d)上記と同様にマス
クを該絶縁層上部に、密着または近接して配置するが、
マスクの開口部の位置は第2の区画を露出させる位置と
して、上記(b)、(c)工程と同様な処理を行って、
該第2の区画において第1電極上に第2の色の発光層を
形成し、(e)その後、さらに所期の色数の発光層が形
成されるまで、マスクの開口部により露出される位置を
移動させながら、上記(b)、(c)工程と同様な処理
を逐次繰り返して残りの各区画においても、第1電極上
に各色の発光層を形成することを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0013】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法の好ましい実施態様においては、各
色の発光層を形成するのに用いる上記マスクが、各色に
共通するものであり、1つの色の発光層の形成後に、マ
スクの開口部の位置を次の所定位置へと移動させて、次
の色の発光層の形成を行うものである。本発明の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法においては、前
記光ないし電子線ビームが、エキシマーレーザー、特に
KrFレーザーであることが好ましい。
【0014】さらに、上記課題は、複数色の発光層を有
する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該素
子における発光層の形成が、(a)基板上に第1電極、
絶縁層を順次積層形成した後に、所定部位を開口してな
るマスクを、該絶縁層上部に、密着または近接して配置
し、(b)光ないし電子線ビームをマスク上部より照射
して、マスクの開口部の位置する第1の区画において、
絶縁層を除去し、(c)さらに、マスクを同位置に保持
した状態で、第1の有機エレクトロルミネッセンス媒体
を堆積させて、絶縁層の除去された前記第1の区画にお
いて露出する前記第1電極上に第1の色の発光層を形成
し、次いで、(d)上記と同様にマスクを該絶縁層上部
に、密着または近接して配置するが、マスクの開口部の
位置は第2の区画を露出させる位置として、上記
(b)、(c)工程と同様な処理を行って、該第2の区
画において第1電極上に第2の色の発光層を形成し、
(e)その後、さらに所期の色数の発光層が形成される
まで、マスクの開口部により露出される位置を移動させ
ながら、上記(b)、(c)工程と同様な処理を逐次繰
り返して残りの各区画においても、第1電極上に各色の
発光層を形成することを特徴とする本発明の有機エレク
トロルミネッセンス素子によっても解決されるものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】このように、本発明の製造方法に
おいては、絶縁層の除去マスクと発光層の蒸着マスクと
を共通にし、同位置にて両加工を行う。従って、両者間
における位置合わせが不要であり、その位置ずれは生じ
ない。このため、有機EL素子デバイスの高精細化が可
能である。
【0016】また、絶縁層の除去にレーザーに代表され
る光ないし電子線ビームを用いるものであるため、この
加工工程において絶縁層に水分、有機溶媒等が吸収され
ることはなく、絶縁層からの残留水分、ガスの発生によ
る発光層の劣化という問題を防ぐことができる。従って
ディスプレイの製造不良率、寿命の改善が期待される。
【0017】さらに本発明においては、絶縁層の除去に
おいて、マスクを絶縁層に密着または、好ましくは10
0μm以下、特に好ましくは10〜100μmの範囲内
に近接させて配置することにより、隔壁として残る絶縁
層は開口部が狭く、基板上に形成される第1電極、例え
ば、ITO陽極の面がより広く形成する事も可能であ
り、それにより発光層上面に形成される第2電極である
陰極と前記ITO陽極との電気的ショートを防ぐ絶縁ス
ペースを設けることができる。
【0018】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細
に説明する。本発明の有機EL素子は、複数色の発光層
を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
基本的には、透明基板上に形成された第1電極としての
透明電極(陽極)と、第2電極(陰極)との間に、複数
の有機EL材料からなる複数色の発光層を介在させたも
のである。
【0019】本発明の有機EL素子においては、透明基
板上に形成される第1電極としての透明電極(陽極)と
しては、例えばITO(In−Sn−Oxide),Z
nO,CuSなどの無機系材料、あるいは有機系透明導
電性材料を、ガラスなどの透明基板上に、蒸着やスパッ
タリングなどの方法により薄膜を形成させたものが用い
られる。この透明電極のパターン化は、フォトリソグラ
フィーなどの通常の微細加工、あるいは光ないし電子線
ビームを用いたエッチング加工などによって形成され
る。一方、第2電極(陰極)としては、金属単体又は金
属合金などの金属系材料が用いられるが、電子の注入効
率が高く、劣化の少ない材料が好ましく、特にMg−A
g合金やAl−Li合金などの金属合金が好適である。
該第2電極(陰極)は、これらの金属系材料を蒸着やス
パッタリングなどの方法により、後述の発光層上に薄膜
を形成させることによって作製することができる。
【0020】本発明の有機EL素子のその積層構造自体
は特に限定されるものではなく、例えば、発光層と各電
極との間に、それぞれ正孔輸送層,電子注入層などを積
層した多層構造のものであってもよい。この有機EL素
子の素子構成としては、例えば基板/透明電極(陽極)
/発光層/金属系電極(陰極)、基板/透明電極(陽
極)/発光層/電子輸送層/金属系電極(陰極)、基板
/透明電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層
/金属系電極(陰極)、基板/透明電極(陽極)/正孔
輸送層/発光層/金属系電極(陰極)、などを挙げるこ
とができる。さらに、これら各層間に、発光効率を高め
る、エッチング時における各層の損傷を防止する等の目
的から、中間層や保護層を設けても良い。
【0021】この発光層に用いられる有機EL材料の種
類については特に制限はなく、従来有機EL素子におけ
る発光材料として公知のものを用いることができる。ま
た、複数色の発光層としても、一般的には、赤(R)、
緑(G)、青(B)の3色により構成されるが、必ずし
も、このようなRGBの3色に限られるものではなく、
より多色あるいはより少ない2色によるものとしても、
RGBとは異なる、例えば、シアン、マゼンダ、イエロ
ーといった別の色素の組合せあってもよい。
【0022】発光層の材料は、電界印加時に陽極または
正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができ
ると共に、陰極または電子注入層、電子輸送層から電子
を注入することができる機能や、注入された電荷を移動
させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発色さ
せる機能を有する層を形成することができるものであれ
ばよい。このような発光層を形成する化合物としては、
例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾー
ル誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン
誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘
導体、テトラフェニレンブタジエン誘導体、ナフタルイ
ミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ぺリノ
ン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導
体、ヒラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビ
ススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、
ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、
スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、
8-キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表さ
れる各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレ
ン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物などが
挙げられる。特に遷移金属錯体が好ましく、中でもイリ
ジウム錯体が好ましい。発光層の膜厚特に限定されるも
のではないが、通常1nm〜5nmの範囲のものが好ま
しく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好
ましくは10nm〜50nmである。
【0023】正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極か
ら正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陽極から
注入された電子を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。その具体例としては、カルバゾール
誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリ
ールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘
導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチルベン誘導体、シ
ラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルア
ミン化合物、芳香族ジメチリディン化合物、ポリフィリ
ン化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバ
ゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリ
ゴマー、ポリチオフェンなどの導電性高分子オリゴマー
等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に
限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲
のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであ
り、さらに好ましくは10nm〜500nmである。正
孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の一種または2
種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成ま
たは異種組成の複数層からなる多層構造であってもよ
い。
【0024】電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極か
ら電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい、その具体例としては、トリアゾール
誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導
体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオ
ピランジオキシド誘導体、カルボジイミド有導体、フル
オレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導
体、ナフタレンペリレン誘導体などの複素環テトラカル
ボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8-キノリノール
誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキ
サゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に
代表される各種金属錯体等を挙げられる。電子注入層、
電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通
常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好まし
くは5nm〜1μm、であり、さらに好ましくは10n
m〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述
した材料の一種または二種以上からなる単層構造であっ
てもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる
多層構造であってもよい。
【0025】また絶縁層を形成する材料としては、特に
限定されるものではないが、例えばポリイミド、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチ
レン、クロロトリフロオロエチレンとジクロロジフルオ
ロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少
なくとも一種類のコモノマーとを含むモノマー混合物を
共重合させて得られる共重合体等の有機高分子物質、シ
リコンオキサイドやシリコン窒化物等の無機物化合物な
どを例示することができる。このうち、後述するエッチ
ングに用いられる光ないし電子線ビームの波長に対し高
い吸収ピークを有し効率よく除去できるものであるもの
が好ましく、必要に応じて光感応剤等を配合することも
できる。また、この絶縁層は、最終的な有機EL素子製
品において各色の発光画素間の空間を埋めるものとして
存在するが、この際、各色の発光画素による発光を鮮明
とする上で、この画素間の空間部は黒色ないし暗色であ
ることが望ましく、このため、絶縁層を形成する材料
は、好ましくは黒色ないし暗色を呈していることが望ま
しい。このような黒色ないし暗色を呈する絶縁材料とし
ては、例えば、上記したような有機高分子中に、酸化チ
タン、絶縁加工処理されたカーボンブラック等の着色剤
を適当量配合したもの等を例示することができる。
【0026】形成できるその他の層としては、例えば、
後述するような光ないし電子線レーザーによる絶縁層の
エッチングの際に、第1電極層の損傷を防止する目的か
ら、第1電極層と絶縁層との間に設けられる第1電極層
の保護層を挙げることができ、この保護層を形成する材
質の例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、A
g、Al、TiおよびNiなどの金属;MgO、Si
O、SiO2、Al23,GeO、NiO、CaO、B
aO、Fe23、Y23およびTiO2などの金属酸化
物、MgF2、LiF、AlF3およびCaF2等の金属
フッ化物;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
メタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、
ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、
テトラフルオロエチレンと少なくとも一種類のコモノマ
ーを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合
体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体な
どを用いることができる。
【0027】また、発光層による発光色の補正のため
に、積層構造体中に、カラーフィルター層を設けること
も可能である。さらに第2電極を形成して素子構造とし
た後に、各発光層への湿気を遮断するように、パネルの
全面を覆う保護膜を形成することも可能である。ここ
で、この保護膜は吸湿剤又はその混合物を含み得る。
【0028】図1は、本発明の一実施形態における有機
ELディスプレイパネルの製造工程を示す工程断面図で
ある。まず、図1(a)に示すように、ガラス板等の透
光性基板10上にITO等の透明層をパターニングして
ストライプ状の第1電極12を形成し、次いで図1
(b)に示すようにその上部に絶縁層14を形成する。
【0029】次いで、第1電極12上に、複数色の発光
層16を1色づつ順次形成していくが、その手順として
は次のようにして行う。発光層16として、例えば赤色
(R)16R、緑色(G)16G、および青色(B)1
6Cの3色を形成し、R、G、Bの順で、発光層の形成
を行うとすれば、先ず、図1(c)に示すように、R色
区画を開口した蒸着マスク18を絶縁層14に密着また
は極めて近接せしめて配置し、光ないし電子線ビーム照
射にて、露出したR色区画の絶縁層14を取り除く。こ
の時使用する光ないし電子線ビームの出力エネルギーを
調整することで、金属製の蒸着マスクとITO陽極を損
傷せずに絶縁層のみを取り除くことが可能である。次い
で、図1(d)に示すように、蒸着マスク18を同位置
に保持したまま、絶縁層14が除去され第1電極12の
露出した区画部位20Rに、前記したような赤色(R)
発光材料を蒸着により堆積させ、R色発光層16Rを形
成する。次いで、図1(e)〜図1(f)に示すよう
に、蒸着マスク18をG色区画を開口する所定の位置に
移動し、上記R色区画と同様の光ないし電子線ビーム照
射によるG色区画の絶縁層14除去および除去部位へG
色発光材料蒸着によるG色発光層16Gの形成をおこな
い、さらに図1(g)〜図1(h)に示すように、蒸着
マスク18をB色区画を開口する所定の位置に移動し、
同様の処理を繰り返してB色発光層16Gの形成を行
う。
【0030】その後、図1(i)に示すように各RGB
発光層上部に、第2電極22としての金属材料を堆積さ
せて前記ITO電極と直交するストライプ状の陰極を形
成することで、素子を製造する。なお、図1に示す実施
態様においては、基板/第1電極/発光層/第2電極と
いう積層構造の場合を例にとり、積層方法を示したが、
これ以外の積層構造の場合であっても、適宜、追加され
る層を積層する工程を増やす変更を加えるのみで、同様
にして製造することができる。
【0031】また、本発明の製造方法において、絶縁層
14の厚さとしては、0.1〜5μm、より好ましくは
0.3〜2μm程度のものとすることが望ましく、この
絶縁層14のレーザービーム等によるエッチングによっ
て形成される絶縁隔壁の高さを同数値範囲のものとする
ことができる。また、各画素間に存在する当該絶縁隔壁
の厚さ(隣接するRGBの各画素間の間隔)としては、
0.5〜100μm、より好ましくは、10〜60μm
程度のものとすることが望ましい。さらにRGBの各発
光素子の区画の大きさとしては、10μm角〜300μ
m角に相当する程度とすることが好ましく、またその形
状としては長方形の形状とすることが好ましい。
【0032】次に、本発明において絶縁層の除去のため
に用いられる光ないし電子線ビーム照射条件について説
明する。本発明の絶縁層の除去に用いられる光ないし電
子線ビームとしては、絶縁層を形成する物質を有効に加
工できるものであれば、特に限定されるものではなく、
波長10nm〜20μmのレーザービーム(赤外線,可
視光線,紫外線,X線)を発振できるものであれば、い
ずれのものであってもよい。このようなレーザーとして
は、例えば炭酸ガスレーザー,一酸化炭素レーザー,H
Fレーザー,ヨウ素レーザー,YAGレーザー,ガラス
レーザー,YLFレーザー,アレクサンドライトレーザ
ー,半導体レーザー,色素レーザー,窒素レーザー,エ
キシマーレーザー,X線レーザー,自由電子レーザーな
どが挙げられ、また、高調波素子などを用いて波長変換
したものを使用することもできる。
【0033】これらの中で、波長の短いものほどビーム
を微細に絞ることができるので好ましく、特に紫外レー
ザーは熱的な寄与の少ないアブレーション現象による加
工を行うことができるので最適である。このような条件
を満たすレーザーとしては、エキシマーレーザーが知ら
れており、KrFレーザー、ArFレーザー、F2レー
ザーが好ましく、このうち特にKrFレーザーが好まし
い。
【0034】ここでいうアブレーション加工法とは、レ
ーザービームを固体物質表面に照射した際、このレーザ
ーエネルギーを吸収した物質が大きなエネルギーをもつ
フラグメントとして飛散する現象、すなわちレーザーア
ブレーション現象を利用して微細加工を施す方法のこと
である。このレーザーアブレーション現象は、1980
年初頭に見出され、レーザー特有の多光子過程により生
じるものと考えられている。エキシマーレーザーに代表
される高いエネルギーをもつ紫外レーザーを、例えばポ
リマーに照射した場合には、通常の化学結合を解離し、
余剰エネルギーはフラグメントの飛散に用いられるた
め、熱的作用の小さい過程によりエッチングが行われ、
周囲に熱的影響を与えないシャープな微細加工が可能と
なる。このような現象はポリマー分子に限らず、通常の
有機固体においても起こるものと考えられる。
【0035】このレーザとしては、さらに、連続発振モ
ードよりはパルスモードとすることが好ましい。連続発
振モードを使用すれば、熱的劣化によって素子が損傷さ
れる虞が高いからである。また、使用する光ないし電子
線ビームのパワー及びパルス反復回数は、絶縁層のみを
除去する程度に調整すべきであり、第1電極に損傷を与
えるような過度の照射は避けるべきである。
【0036】また本発明においては、レーザーの発振方
式としては、パルス発振方式が有利である。連続発振方
式では、ステージを駆動させることにより、比較的自由
に加工操作を行うことができるが、アブレーション現象
が生じにくく、熱的蓄積が起こるため、加工精度などの
問題が生じ、所望の微細加工を行うことが困難である。
一方、パルス発振方式では、パルス間隔とステージの駆
動速度を考慮してレーザービームを照射する必要がある
が、パルス的にレーザービームを照射することにより、
アブレーション現象を起こすことができ、熱的損傷の少
ない微細加工を行うことができるので、このパルス発振
方式が有利である。パルス幅は短いほど、熱的な損傷を
少なくすることができるため、有利である。パルス幅と
しては100μ秒以下が望ましく、より好ましくは10
0ナノ秒以下、さらに好ましくはピコ秒,フェムト秒で
ある。
【0037】さらに上記実施態様においては、各有機E
L発光層の堆積方法として、蒸着法を例示したが、発光
層の形成方法としては、このような蒸着法に特に限定さ
れるわけではなく、これ以外にも、印刷法、特にインク
ジェット方式等のその他の公知の手法を採択することは
可能である。このようにして製造される本発明に係る有
機EL素子は、非常に高精度な素子構造を有するものと
することができ、輝度、発光寿命等の諸性能において優
れたものとなるが、代表的には、例えば、250cd・m2
以上の高い輝度といった特性を発揮し得るものである。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、複数
色の発光層を有する有機EL素子を高精度を持って、生
産効率高く製造することができ、また得られる素子は、
輝度、発光寿命等の諸性能において優れたものとなる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。
【0040】
【実施例1】まず、ガラス板よりなる透光性基板上に形
成したITOをパターニングしてストライプ状の第1電
極(膜厚100μm)を形成し、洗浄した後、その上部に
絶縁性ポリマー(ポリイミド)を、スピンコーティング
によって乾燥膜厚が1μmの厚さとなるように塗布して
絶縁層を形成した。
【0041】次いで、この絶縁層上部に、330×320μm
の大きさの矩形の開口部を複数有するステンレス鋼製マ
スクを、絶縁層に密着して配置し、その上部からKrF
エキシマレーザーを照射して、マスク開口部における絶
縁層を除去した。マスクを同位置に保持したまま、絶縁
層の除去された部位に、正孔輸送層としてのTPD(N,
N'-ジフェニル-N,N'-ジ(m-トリル)ベンジジン)を5
0nm厚で、次いで、赤色(R)発光層として、アルミ
ニウム-トリス(キノリン−8−オレイト)(通称Alq)
に4重量%量の10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポリ
フィン(通称TPP)をドープしたものを40nm厚で、
さらに電子輸送層として1,3,4-トリアゾール誘導体を2
0nm厚で、蒸着により堆積させた。
【0042】その後、前記マスクを移動させて、上記と
同様にKrFエキシマレーザー照射により絶縁層を除去
し、形成された緑色(G)発光画素形成のため孔部に、
正孔輸送層としてのTPDを50nm厚で、次いで、G色
発光層として、ビス(10-ホドロキシベンゾ[h]キノ
リネート)ベリリウム(通称Bebq)を40nm厚で、さ
らに電子輸送層として1.3,4-トリアゾール誘導体を20
nm厚で、蒸着により堆積させ、さらに前記マスクを移
動させ、KrFエキシマレーザー照射により絶縁層を除
去し、形成された青色(B)発光画素形成のため孔部
に、正孔輸送層としてのPDAを50nm厚で、次い
で、B色発光層として、(N,N-ジサリシリデン-1,6-ヘ
キサンジアミネート)Zn(II)に3重量%のペリレンを
ドープしたものを40nm厚で、さらに電子輸送層とし
て1,3,4-トリアゾール誘導体を20nm厚で、蒸着によ
り堆積させた。
【0043】その後、各RGB発光層上部に、Mg−A
gを100nm厚で堆積させて前記ITO電極と直交す
るストライプ状の陰極を形成した。このようにして形成
されたフルカラー有機EL素子の電極間に8Vの電圧を
印加したところ、選択された部分が明るく発光し、また
発光輝度の半減寿命は50℃環境下で1600時間であ
った。
【0044】
【実施例2】上記実施例1と同様に、ガラス板よりなる
透光性基板上に形成したITOをパターニングしてスト
ライプ状の第1電極(膜厚100μm)を形成し、洗浄し
た後フッ化ビニリデン(アルドリッチ社製)をスピンコ
ーティングによって乾燥膜厚が50nmの厚さとなるよ
うに塗布して中間層を形成し、さらにその上部に絶縁性
ポリマー(ポリイミド)を、スピンコーティングによっ
て乾燥膜厚が800nmの厚さとなるように塗布して絶
縁層を形成した。
【0045】次いで、この絶縁層上部に、330×320μm
の大きさの矩形の開口部を複数有するステンレス鋼製マ
スクを、絶縁層に密着して配置し、その上部からKrF
エキシマレーザーを-照射して、マスク開口部における
絶縁層を除去した。なお、この実施例2においては実施
例1におけるものより絶縁層の膜厚が薄いものであった
が、前記中間層の存在によって、レーザー照射時におけ
るITO電極の損傷は有効に防止された。マスクを同位
置に保持したまま、絶縁層の除去された部位に、正孔輸
送層としてのTPDを50nm厚で、次いで、赤色
(R)発光層として、アルミニウム-トリス(キノリン-
8-オレイト(通称Alq)に4重量%の量の10,15,20-
テトラフェニル-21H,23H-ボルフィン(通称TPP)
をドープしたものを40nm厚で、さらに電子輸送層と
して1,3,4-トリアゾール誘導体を20nm厚で、さらに
色補正のための赤色カラーフィルター層を300nm厚
で、蒸着により堆積させた。
【0046】その後、前記マスクを移動させて、上記と
同様にKrFエキシマレーザー照射により絶縁層を除去
し、形成された緑色(G)発光画素形成のため孔部に、
正孔輸送層としてのPDAを50nm厚で、次いで、G
色発光層として、4,4'-N,N'-ジカルバゾール-ジフェニ
ルに対して6.4重量%の量のトリス(2-フェニルピリ
ジン)イリジウムをドープしたものを40nm厚で、電
子輸送層として1,3,4-トリアゾール誘導体を20nm厚
で、さらに色補正のための緑色カラーフィルター層を3
00nm厚で蒸着により堆積させ、さらに前記マスクを
移動させ、KrFエキシマレーザー照射により絶縁層を
除去し、形成された青色(B)発光画素形成のため孔部
に、正孔輸送層としてのPDAを50nm厚で、次い
で、B色発光層として、(N,N'-ジサリシリデン-1,6-ヘ
キサンジアミレート)Zn(II)に3重量%の量のペリ
レンをドープしたものを40nm厚で、電子輸送層とし
て1,3,4-トリアゾール誘導体を20nm厚で、さらに色
補正のための青色カラーフィルター層を400nm厚で
蒸着により堆積させた。
【0047】その後、各RGB発光層上部に、Mg−A
gを100nm厚で堆積させて前記ITO電極と直交す
るストライプ状の陰極を形成した。このようにして形成
されたフルカラー有機EL素子の電極間に9Vの電圧を
印加したところ、選択された部分が明るく発光し、また
発光輝度の半減寿命は60℃環境下で1200時間であ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機EL素子の製造工程を示す断
面図である。一般的なパッシブアドレス(passive addre
ssing)の有機ELディスプレイパネルを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
10 透光性基板 12 第1電極 14 絶縁層 16、16R、16G、16B 発光層 18 蒸着マスク 22 第2電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色の発光層を有する有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子の製造方法であって、該素子におけ
    る発光層の形成が、(a)基板上に第1電極、絶縁層を
    順次積層形成した後に、所定部位を開口してなるマスク
    を、該絶縁層上部に、密着または近接して配置し、
    (b)光ないし電子線ビームをマスク上部より照射し
    て、マスクの開口部の位置する第1の区画において、絶
    縁層を除去し、(c)さらに、マスクを同位置に保持し
    た状態で、第1の有機エレクトロルミネッセンス媒体を
    堆積させて、絶縁層の除去された前記第1の区画におい
    て露出する前記第1電極上に第1の色の発光層を形成
    し、次いで、(d)上記と同様にマスクを該絶縁層上部
    に、密着または近接して配置するが、マスクの開口部の
    位置は第2の区画を露出させる位置として、上記
    (b)、(c)工程と同様な処理を行って、該第2の区
    画において第1電極上に第2の色の発光層を形成し、
    (e)その後、さらに所期の色数の発光層が形成される
    まで、マスクの開口部により露出される位置を移動させ
    ながら、上記(b)、(c)工程と同様な処理を逐次繰
    り返して残りの各区画においても、第1電極上に各色の
    発光層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 各色の発光層を形成するのに用いる上記
    マスクが、各色に共通するものであり、1つの色の発光
    層の形成後に、マスクの開口部の位置を次の所定位置へ
    と移動させて、次の色の発光層の形成を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス
    素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光ないし電子線ビームが、エキシマ
    ーレーザーである請求項1または2に記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エキシマーレーザーがKrFレーザ
    ーである請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方
    法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 発光層材料として遷移金属錯体を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の
    方法により製造された有機エレクトロミネッセンス素
    子。
  7. 【請求項7】 発光層材料としてイリジウム錯体を用い
    ることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
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