JP2002206161A - 装飾成形部材およびその製造方法 - Google Patents
装飾成形部材およびその製造方法Info
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Abstract
表面に、金属蒸着法によって形成された薄膜は、硬度や
密着性に乏しかった。また、硬質カーボン薄膜は、硬度
や耐食性に優れていたが、黒色のみであり、デザイン性
に乏しかった。 【解決手段】 前記成形部材の表面に導電性の中間層を
形成することで、成膜対象物に導電性が必要なスパッタ
リング法、イオンプレーティング法、およびプラズマC
VD法を用いた装飾薄膜の形成を行い、強固な薄膜や、
模様形状を有するデザイン性の高い薄膜を形成した。
Description
る、壷、皿、コップ、玩具、置物、装飾品、および建材
に類する、装飾成形部材とその製造方法に関するもので
ある。
磁器の表面に、金属蒸着によって金属薄膜を形成した製
品が数多く製造された。また、金属製食器類の表面に、
生体との適合性が良好であり、化学的に非常に安定な高
硬度のカーボン薄膜を形成し、食器類に耐磨耗性、耐食
性を付与する方法が、特開昭60−14821号公報な
どに開示されている。
着法によって形成した金属薄膜は、一般に非金属材料に
対する密着力が弱く、硬度も小さい。また、高硬度のカ
ーボン薄膜は、特開昭60−14821号公報に開示さ
れているような金属、特に導電体に対して薄膜を形成す
ることは容易であるが、本発明における非金属材料、特
に非導電体に対して薄膜を形成することは困難であっ
た。
は、金属蒸着法によって形成した金属薄膜が、さまざま
な色調の発色が可能なのに対し、通常の高硬度のカーボ
ン薄膜は、主として黒色のみを呈し、あまりに色彩に乏
しい。
ォーク、ナイフ等の食器類との接触や繰り返される洗浄
等によって、磨耗してしまう程度の硬度であり、非金属
鉱物からなる床材などの建材も使用によって磨耗しやす
いものであり、磨耗したガラス製品や陶磁器は、かなり
見栄えの悪いものである。
ガラス製品や陶磁器、および非金属鉱物等の材質からな
る成形部材の表面側に、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法、またはプラズマCVD法による装飾薄膜
を形成し、耐磨耗性、耐食性、デザイン性等の機能性を
付加した装飾成形部材とその製造方法を提供することを
目的とする。
な従来技術における課題、および目的を達成するために
発明なされたものであり、陶器、磁器、ガラス、セラミ
ックス、非金属鉱物の中の少なくとも一つの材質からな
る、壷、皿、コップ、玩具、置物、装飾品、建材に類す
る成形部材の表面側に、金、白金、銀、パラジウム、チ
タン、アルミ二ウム、タンタル、ハフニウム、バナジウ
ム、ジルコニウム、クロム、炭素、シリコンの中の少な
くとも一つの物質、またはこれらの物質の化合物、合
金、水素化物、窒化物、炭化物、酸化物、窒炭化物、酸
窒化物、酸炭化物、酸窒炭化物からなる装飾薄膜を形成
してなることを特徴とし、この構成により、非導電体、
または非金属である前記成形部材の表面側にカラーバリ
エーション、デザイン性、耐食性、耐磨耗性、などの選
択した機能性を付加することができる。
側の少なくとも一部分に形成されていることを特徴と
し、この構成により、装飾薄膜に切欠きや模様などを設
けてデザイン性を格段に向上することが可能となる。
面との間に、一層以上の中間層を形成していることを特
徴とし、この構成により、非導電体、および非金属であ
る前記成形部材と装飾薄膜との密着力を強化、前記成形
部材の耐食性の向上、または前記成形部材の表面と前記
装飾薄膜との間にかかる表面応力の緩和、などを行うこ
とができる。
チタン、バナジウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニ
ウム、シリコンの中の少なくとも一つの物質、またはこ
れらの物質の合金、化合物、窒化物、炭化物、酸化物、
窒炭化物、酸窒化物、酸炭化物、酸窒炭化物であること
を特徴とし、この構成により、中間層の材質を選択する
ことで、前記成形部材と前記中間層との密着、前記中間
層と前記装飾薄膜との密着、および前記成形部材表面の
機能改質などを選択的に向上することができる。
ス、非金属鉱物の中の、少なくとも一つの材質からな
る、壷、皿、コップ、玩具、置物、装飾品、建材に類す
る成形部材の表面側に、装飾薄膜を形成した装飾成形部
材の製造方法において、前記成形部材の表面にドライメ
ッキ処理によって、金、白金、銀、パラジウム、チタ
ン、アルミ二ウム、タンタル、ハフニウム、バナジウ
ム、ジルコニウム、クロム、炭素、シリコンの中の少な
くとも一つの物質、またはこれらの物質の化合物、合
金、水素化物、窒化物、炭化物、酸化物、窒炭化物、酸
窒化物、酸炭化物、酸窒炭化物からなる装飾薄膜を形成
する装飾薄膜形成工程を含むことを特徴とし、この構成
により、非導電体、または非金属である前記成形部材の
表面側に、金属、または硬質カーボンからなる薄膜を、
容易に形成することができる。
部材の表面を清浄化する清浄化処理工程を含むことを特
徴とし、この構成により、前記成形部材の表面へ薄膜を
形成したとき、装飾薄膜の密着力や耐候性の信頼度をあ
げることができる。
レーティング法、スパッタリング法、またはプラズマC
VD法であることを特徴とし、この構成により、前記成
形部材に従来の金属蒸着法によって形成されていた薄膜
よりも、強固な薄膜を形成することができる。
グ処理、またはエッチング処理によって、部分的に欠落
した部分を有する装飾薄膜を形成する工程を含むことを
特徴とし、この構成により、前記装飾薄膜を模様形状
に、または必要部分のみに形成することができ、デザイ
ン性を格段に向上することができる。
形成する前記装飾薄膜形成工程の前に、前記装飾部材の
表面側に、金、ニッケル、銅、チタン、バナジウム、ジ
ルコニウム、クロム、ゲルマニウム、シリコンの中の少
なくとも一つの物質、またはこれらの物質の合金、化合
物、窒化物、炭化物、酸化物、窒炭化物、酸窒化物、酸
炭化物、酸窒炭化物からなる中間層を形成する中間層形
成工程を含むことを特徴とし、この構成により、前記成
形部材の表面改質や、前記装飾薄膜の密着力向上等を目
的とした中間層を形成することが可能となり、非導電
体、または非金属である前記成形部材の表面側に、金
属、または硬質カーボンからなる薄膜を、容易に形成す
ることができるようになる。
例と図面とに基づいて説明するが、本発明は実施例に限
定するものではない。
法を図1から図11に示す。図1は本発明における成形
部材と装飾薄膜、および中間層の基本的構造を示す概略
断面図である。図2から図11は本発明の実施例1から
実施例5に示される装飾成形部材の外観図、および薄膜
構成の概略断面図である。
形部材1の表面に直接形成されている場合と、図1
(b)に示すように、装飾薄膜2は中間層3を介して成
形部材1の表面に形成されている場合とがある。
グ法により形成され、このことにより、成形部材1が非
金属材料、特に非導電体であっても、金属蒸着法による
金属薄膜より強い密着力を得ることができる。また、成
形部材1の表面に形成した中間層3を導電体の薄膜をす
ることで、成形部材1の表面を導電体にすることができ
るので、通常のイオンプレーティング法やプラズマCV
D法による薄膜形成を容易に行うことができるようにな
る。
2との双方との密着が得られる材質を使用することで、
成形部材1との強固な密着が得られない装飾薄膜2であ
っても、強固な密着が得ることができ、中間層3の機能
性を選択することで、成形部材1の表面の耐食性などを
向上するなど、機能性を付加することができる。
部材1と中間層3との密着性、金属薄膜の外観品質、な
らびに耐候信頼性を向上するために、成形部材1を清浄
化する清浄化処理を行うことが好ましい。清浄化処理と
しては、成形部材1の表面の脱脂、パーティクルや塵埃
を除去するために、例えば中性洗剤や純水による清浄化
処理等があげられる。
必要に応じて、基板表面の水分や二酸化炭素、酸化炭
素、水素等の残存ガス分子を除去する、いわゆるイオン
ボンバードを行うことが可能である。このイオンボンバ
ードを行う場合には、例えば成形部材をカソードにして
適当な対極と共に、真空装置内に配置して、真空装置内
を1.0×10-1torr〜1.0×10-5torrの
真空として数十から数百ボルトの電圧を印加して、空気
またはArガスなどを導入して行えばよい。
子などを除去するために、成形部材0を加熱する加熱処
理を行うことが望ましく、この加熱処理は、減圧下、好
ましくは真空下で行うのが望ましい。この場合、加熱温
度としては、成形部材1の材質にもよるが、陶器やガラ
スの場合不純物揮発温度100℃以上、好ましくは10
0℃〜120℃、真空装置内を1.0×10-3torr
〜1.0×10-5torrの真空下として行うのが望ま
しい。
層3を介さずに硬質カーボン薄膜を形成するとき、電極
を成形部材1に接触させて設置すると、硬質カーボン薄
膜が電極の付近にグラデーション状に形成され、模様状
の硬質カーボン薄膜形成することも可能でり、これによ
り、硬度をはじめとする機能性を損なうことなくデザイ
ン性を飛躍的に高めることが可能となる。
については、基本的には以下の実施例においても同様で
ある。具体的な装飾成形部材の作製例としては、以下の
通りである。
であり、このコップの外側壁面に、装飾薄膜である金色
窒化チタン薄膜を形成した装飾成形部材を得るための製
造方法を図2と図3で説明する。図2は本発明の実施例
1に示される装飾成形部材の外観斜視図である。図3は
本発明の実施例1に示される装飾成形部材の薄膜構成の
概略断面図である。
具体的には脱脂剤と純水による清浄化処理を行い、この
コップ4を真空装置内にセットし、真空装置内の圧力が
3.0×10-5torrになるまで排気し、この圧力下
で10分間加熱した。
よる清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲット
の構成物質をチタンとし、真空装置内が1.7×10-3
torrになるまでアルゴンガスを導入し、コップ4に
−30Vの電位を印加した。コップ4の外側壁面にチタ
ン薄膜5をスパッタリング法により厚さ0.2μm前後
まで形成し、続いて真空装置内に窒素ガスを3.0×1
0-3torrになるまで導入し、電子銃により蒸発源の
チタンを融解させ、コップ4の外側壁面のチタン薄膜5
の上面に窒化チタン薄膜6をイオンプレーティング法に
より厚さ0.5μm前後まで形成し、真空装置内からコ
ップ4を取り出し、装飾部材を作製した。このとき、成
形部材にあたるのがコップ4、装飾薄膜にあたるのが窒
化チタン薄膜6、中間層にあたるのがチタン薄膜5とな
っている。
に金色色調の薄膜を有しており、この金色薄膜の硬度が
非常に高いため擦り傷などが付きにくくなっていた。ま
た、ガラス製のコップと窒化チタン薄膜との密着力は非
常に強く、粘着テープを貼り付けて剥がす剥離試験で
は、まったく剥がれてはこなかった。
製のコップをそのまま使用しているが、求められるデザ
インなどによって、表面にブラスト処理による凹凸模様
や、切削研磨による模様を形成してから、清浄化処理を
行い、装飾薄膜を形成することを選択しても良い。
を、装飾薄膜として金色の窒化チタン薄膜を使用してい
るが、成形部材に、陶器の器、セラミックス製の玩具、
石材の建材などを用いても良く、また装飾薄膜として、
炭化チタン薄膜、硬質カーボン薄膜などを用いても同様
の密着強度、耐食性、耐傷性等の効果が得られることは
言うまでもない。
は、表面に平滑性を有しているため、埃や汚れ等が付き
にくくなっていた。
この壷の外側壁面に、装飾薄膜である硬質カーボン薄膜
をグラデーション状に形成した装飾成形部材を得るため
の製造方法を図4と図5で説明する。図4は本発明の実
施例2に示される装飾成形部材の真空装置内でのマスキ
ング状態を示す外観斜視図である。図5は本発明の実施
例2に示される装飾成形部材の外観斜視図である。
的には脱脂剤と純水による清浄化処理を行い、この壷7
を真空装置内にセットした。このとき、電極8を壷7の
低面に接触させ、片底面の円筒状マスキング9を、底面
を上に向け、電極8に接触しないように、壷7の上から
かぶせている。またこの円筒状マスキング9の底面直径
は、壷7の水平断面の最大直径より5mm大きく、円筒
状マスキング9の側壁面には無作為に円形の穴10があ
いている。つづいて、真空装置内の圧力が3.0×10
-5torrになるまで排気し、この圧力下で10分間加
熱した。
よる清浄化処理を行った後、真空装置内のガス導入口か
ら炭化水素ガスとしてメタンガスを導入し、真空装置内
の圧力が1.0×10-1torrになるように調節す
る。続いて電極8に−1KVのカソード電圧を印加し、
プラズマCVD法により最大厚さを1.0μmとした硬
質カーボン薄膜11を部分的に形成し、真空装置内から
壷7を取り出し、装飾部材を作製した。このとき、成形
部材にあたるのが壷7、装飾薄膜にあたるのが硬質カー
ボン薄膜11となっている。
黄色からなるまだらのグラデーション模様の薄膜を有し
ており、デザイン性の高いものになっていた。また、磁
器である壷と硬質カーボン薄膜との密着力は非常に強
く、粘着テープを貼り付けて剥がす剥離試験では、まっ
たく剥がれてはこなかった。
膜としてグラデーション模様の硬質カーボン薄膜を使用
しているが、成形部材に、ガラス製の器、陶器の皿、セ
ラミックス製の玩具、石材の建材などを用いても良く、
また装飾薄膜として、炭化チタン薄膜、黒色のみの硬質
カーボン薄膜などを用いても同様の密着強度、耐傷性等
の効果が得られることは言うまでもない。
う前に、樹脂等によってマスキングを施し、硬質カーボ
ン薄膜に模様形状の切欠き、または薄膜の形成されない
範囲を設けても良い。
は、表面に平滑性を有しているため、埃や汚れ等が付き
にくくなっており、耐食性が高いため、長時間たっても
色調等に変化の現れないものとなっていた。
この壷の外側壁面に、装飾薄膜である硬質カーボン薄膜
を部分的に形成した装飾成形部材を得るための製造方法
を図6と図7で説明する。図6は本発明の実施例3に示
される装飾成形部材の外観斜視図である。図7は本発明
の実施例3に示される装飾成形部材の薄膜構成の概略断
面図である。
る清浄化処理を行った、磁器である壷12の表面上部
に、アルミ箔をカッティングした模様形状のマスキング
を施した後、この壷12を真空装置内にセットし、真空
装置内の圧力が3.0×10-5torrになるまで排気
し、この圧力下で10分間加熱した。
よる清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲット
をチタンとシリコンとし、真空装置内の圧力が3.0×
10 -3torrになるようにアルゴンガスを導入した。
つづいて、壷12の外側壁面にチタン薄膜13をスパッ
タリング法により厚さ0.2μm前後まで形成し、さら
に、チタン薄膜13の上面にシリコン薄膜14をスパッ
タリング法により厚さ0.2μm前後まで形成した。
水素ガスとしてメタンガスを導入し、真空装置内の圧力
が1.0×10-1torrになるように調節する。続い
て壷12に13.56MHzの発信周波数を有する40
0Wの高周波電圧を印加し、プラズマCVD法により、
壷12の外側壁面に形成したシリコン薄膜14の上面に
厚さ1.0μmの硬質カーボン薄膜15を形成し、真空
装置内から壷12を取り出し、マスキングを取り外し、
装飾部材を作製した。このとき、成形部材にあたるのが
壷12、装飾薄膜にあたるのが硬質カーボン薄膜15、
中間層にあたるのがチタン薄膜13、およびシリコン薄
膜14となっている。
有しており、露出している磁器の表面と相まってデザイ
ン性の高いものになっていた。また、磁器である壷とチ
タン薄膜、チタン薄膜とシリコン薄膜、および、シリコ
ン薄膜と硬質カーボン薄膜、の密着力は強く、粘着テー
プを貼り付けて剥がす剥離試験では、まったく剥がれて
はこなかった。
膜として部分的に形成された黒色の硬質カーボン薄膜を
使用しているが、成形部材に、ガラス製の器、陶器の
皿、セラミックス製の玩具、石材の建材などを用いても
良く、また装飾薄膜として、銀色の炭化チタン薄膜、金
色の窒化チタン薄膜などを用いても同様の密着強度、耐
食性、耐傷性等の効果が得られることは言うまでもな
い。
は、表面に平滑性を有しているため、埃や汚れ等が付き
にくくなっており、耐食性が高いため、長時間たっても
色調等に変化の現れないものとなっていた。
この皿の表面に、装飾薄膜である金銅合金薄膜を部分的
に形成した装飾成形部材を得るための製造方法を図8と
図9で説明する。図8は本発明の実施例4に示される装
飾成形部材の外観斜視図である。図9は本発明の実施例
4に示される装飾成形部材の薄膜構成の概略断面図であ
る。
体的には脱脂剤と純水による清浄化処理を行い、この皿
16を真空装置内にセットし、真空装置内の圧力が3.
0×10-5torrになるまで排気し、この圧力下で1
0分間加熱した。
よる清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲット
をジルコニウムとし、真空装置内の圧力が3.2×10
-3torrになるように、アルゴンガスと酸素ガスとが
体積比で1:1になるようにを導入した。つづいて、皿
16の表面に透明な酸化ジルコニウム薄膜17をスパッ
タリング法により厚さ0.2μm前後まで形成した。
し、皿16の表面の模様形状を除いた部分に樹脂による
マスキングを施し、マスキングを乾燥した後、清浄化処
理、具体的には脱脂剤と純水による清浄化処理を行い、
この皿16をふたたび真空装置内にセットし、真空装置
内の圧力が3.0×10-5torrになるまで排気し、
この圧力下で10分間加熱した。
よる清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲット
を、体積比で4:1になるように金と銅を混ぜた金銅合
金とし、真空装置内の圧力が1.7×10-3torrに
なるように、アルゴンガスを導入した。つづいて、皿1
6の表面に赤味がかった金銅合金薄膜18をスパッタリ
ング法により厚さ0.5μm前後まで形成した。
し、マスキングを有機溶媒で溶解除去し、皿16の表面
に、清浄化処理、具体的には脱脂剤と純水による清浄化
処理を行い、この皿16を真空装置内にセットし、真空
装置内の圧力が3.0×10-5torrになるまで排気
し、この圧力下で10分間加熱した。
る清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲットを
ジルコニウムとし、真空装置内の圧力が3.2×10-3
torrになるように、アルゴンガスと酸素ガスとが体
積比で1:1になるようにを導入し、皿16の表面に透
明な酸化ジルコニウム薄膜19をスパッタリング法によ
り厚さ0.5μm前後まで形成した後、真空装置内から
皿16を取り出し、装飾部材を作製した。このとき、成
形部材にあたるのが皿16、装飾薄膜にあたるのが金銅
合金薄膜18、中間層にあたるのが酸化ジルコニウム薄
膜17となっている。
帯びた金色薄膜を有しており、他の部分は酸化ジルコニ
ウム薄膜が透明であるため、陶器である皿の表面が露出
しているかのようなデザインとなっていた。また、陶器
である皿と酸化ジルコニウム薄膜、および、酸化ジルコ
ニウム薄膜と金銅合金薄膜、の密着力は強く、粘着テー
プを貼り付けて剥がす剥離試験では、まったく剥がれて
はこなかった。また、出来上がった皿は、酸化ジルコニ
ウム薄膜の硬度が非常に高いため、ナイフやフォークな
どの食器類によるキズがつきにくいものとなっていた。
膜として部分的に形成された赤金色の金銅合金薄膜を使
用しているが、成形部材に、ガラス製の器、磁器製品、
セラミックス製の玩具、石材の建材などを用いても良
く、また装飾薄膜として、金色の窒化チタン薄膜、黒色
の硬質カーボン薄膜などを用いても同様の密着強度、耐
食性等の効果が得られることは言うまでもない。
に、必要に応じて装飾薄膜の上面に、透明な酸化ジルコ
ニウム薄膜や、半透明の薄い炭化チタン薄膜などの表面
保護層を形成し、硬度や耐食性などの機能性を付加して
も良い。
床材であり、この床材の上側表面に、装飾薄膜である硬
質カーボン薄膜を部分的に形成した装飾成形部材を得る
ための製造方法を図10と図11で説明する。図10は
本発明の実施例5に示される装飾成形部材の外観斜視図
である。図11は本発明の実施例5に示される装飾成形
部材の薄膜構成の概略断面図である。
形状を除いた部分に、エポキシ樹脂によるマスキングを
スクリーン印刷で施し、マスキングを乾燥した後、清浄
化処理、具体的にはメタノールによる清浄化処理を行
い、この床材20を真空装置内にセットし、真空装置内
の圧力が3.0×10-5torrになるまで排気し、こ
の圧力下で30分間加熱した。
よる清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲット
をシリコンとし、真空装置内の圧力が2.0×10-3t
orrになるように炭化水素ガスであるエチレンガスを
導入した。つづいて、床材20の上側表面に炭化シリコ
ン薄膜21をスパッタリング法により厚さ0.2μm前
後まで形成した。
水素ガスとしてエチレンガスを導入し、真空装置内の圧
力が1.0×10-1torrになるように調節する。続
いて床材20に13.56MHzの発信周波数を有する
400Wの高周波電圧を印加し、プラズマCVD法によ
り炭化シリコン薄膜21の上面に厚さ1.0μmの硬質
カーボン薄膜22を形成し、真空装置内から床材20を
取り出し、マスキングを有機溶媒で溶解除去し、床材2
0の表面に、清浄化処理、具体的にはメタノールによる
清浄化処理を行い、この床材20を真空装置内にセット
し、真空装置内の圧力が3.0×10-5torrになる
まで排気し、この圧力下で30分間加熱した。
よる清浄化処理を行った後、スパッタリングターゲット
をジルコニウムとし、真空装置内の圧力が3.2×10
-3torrになるように、アルゴンガスと酸素ガスとが
体積比で1:1になるようにを導入し、床材20の表面
に透明な酸化ジルコニウム薄膜23をスパッタリング法
により厚さ0.5μm前後まで形成した後、真空装置内
から床材20を取り出し、装飾部材を作製した。このと
き、成形部材にあたるのが大理石からなる床材20、装
飾薄膜にあたるのが硬質カーボン薄膜22、中間層にあ
たるのが炭化シリコン薄膜21となっている。
黒色薄膜を有しており、他の部分は酸化ジルコニウム薄
膜が透明であるため、大理石である床材の表面が露出し
ているかのようなデザインとなっていた。大理石である
床材と炭化シリコン薄膜、炭化シリコン薄膜と硬質カー
ボン薄膜、および、大理石である床材と酸化ジルコニウ
ム薄膜、の密着力は強く、粘着テープを貼り付けて剥が
す剥離試験では、まったく剥がれてはこなかった。ま
た、出来上がった床材は、硬質カーボン薄膜と酸化ジル
コニウム薄膜の硬度が非常に高いため、スリキズ等がつ
きにくいものとなっており、耐食性の非常に高いものと
なっていた。
を、装飾薄膜として部分的に形成された黒色の硬質カー
ボン薄膜を使用しているが、成形部材に、ガラス製の
器、磁器製品、セラミックス製の玩具などを用いても良
く、また装飾薄膜として、金色の窒化チタン薄膜、金薄
膜などを用いても同様の装飾性、耐食性、効果が得られ
ることは言うまでもない。
に、必要に応じて装飾薄膜の上面に、透明な酸化ジルコ
ニウム薄膜や、半透明の薄い炭化チタン薄膜などの表面
保護層を形成し、硬度や耐食性などの機能性を付加して
も良い。
器、ガラス、セラミックス、非金属鉱物の中の、少なく
とも一つ材質からなる、壷、皿、コップ、玩具、置物、
装飾品、建材に類する成形部材の表面側に、金、白金、
銀、パラジウム、チタン、アルミ、タンタル、ハフニウ
ム、バナジウム、ジルコニウム、クロム、炭素、シリコ
ンの中の少なくとも一つの物質、またはこれらの物質の
化合物、合金、水素化物、窒化物、炭化物、酸化物、窒
炭化物、酸窒化物、酸炭化物、酸窒炭化物からなる装飾
薄膜によって形成されている。
だには、中間層が形成されている場合があり、前記装飾
薄膜は、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
またはプラズマCVD法などのドライメッキ処理にて形
成されている。
面に、金属蒸着法によって形成されていた装飾薄膜より
も、格段に強固な装飾薄膜を形成することができる。ま
た、装飾薄膜、および中間層の材質を、目的に応じて選
択することで、成形部材への機能性の付加、装飾薄膜の
カラーバリエーションの選択、成形部材表面と装飾薄膜
との応力緩和などを行うことができる。
側の少なくとも一部分に形成されているので、装飾薄膜
の必要部分への選択形成や、模様形状の装飾薄膜形成な
どを行うことができ、さらに、真空装置内において、局
部の電極を用いる事により、黒色のみからなる硬質カー
ボン薄膜のデザイン性やガラーバリエーションの向上な
どを図ることができる。
れば、汚れのつきにくいガラス製のコップ、ナイフなど
の食器類で傷のつきにくい皿、汚れがつきにくくデザイ
ン性に富んだ壷、傷のつきにくい模様付き大理石の床
材、などの外観品質が良く商品性に優れた非導電体、お
よび非金属の装飾部材を提供できる。
によれば、特別な処理装置を使用することなく、従来の
スパッタリング装置、イオンプレーティング装置、プラ
ズマCVD装置をもちいて非導電体、および非金属に強
固な装飾薄膜を形成することができる。
ング材質も、一般に良く知られた方法と材質を使用する
ことができるため、容易に装飾薄膜の必要部分への選択
形成や、模様形状の装飾薄膜形成などを行うことがで
き、デザイン性やガラーバリエーションの向上などを図
ることができる。
間層の基本的構造を示す概略断面図である。
外観図である。
構成を示す概略断面図である。
装置内でのマスキング状態を示す外観斜視図である。
斜視図である。
外観図である。
構成を示す概略断面図である。
外観図である。
構成を示す概略断面図である。
す外観図である。
膜構成を示す概略断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 陶器、磁器、ガラス、セラミックス、非
金属鉱物の中の少なくとも一つの材質からなる、壷、
皿、コップ、玩具、置物、装飾品、建材に類する成形部
材の表面側に、金、白金、銀、パラジウム、チタン、ア
ルミ二ウム、タンタル、ハフニウム、バナジウム、ジル
コニウム、クロム、炭素、シリコンの中の少なくとも一
つの物質、またはこれらの物質の化合物、合金、水素化
物、窒化物、炭化物、酸化物、窒炭化物、酸窒化物、酸
炭化物、酸窒炭化物からなる装飾薄膜を形成してなるこ
とを特徴とする装飾成形部材。 - 【請求項2】 前記装飾薄膜が、前記成形部材表面側の
少なくとも一部分に形成されていることを特徴とする請
求項1記載の装飾成形部材。 - 【請求項3】 前記装飾薄膜と、前記成形部材の表面と
の間に、一層以上の中間層を形成していることを特徴と
する請求項1または請求項2のいずれかに記載の装飾成
形部材。 - 【請求項4】 前記中間層が、金、ニッケル、銅、チタ
ン、バナジウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニウ
ム、シリコンの中の少なくとも一つの物質、またはこれ
らの物質の合金、化合物、窒化物、炭化物、酸化物、窒
炭化物、酸窒化物、酸炭化物、酸窒炭化物であることを
特徴とする請求項3記載の装飾成形部材。 - 【請求項5】 陶器、磁器、ガラス、セラミックス、非
金属鉱物の中の、少なくとも一つの材質からなる、壷、
皿、コップ、玩具、置物、装飾品、建材に類する成形部
材の表面側に、装飾薄膜を形成した装飾成形部材の製造
方法において、前記成形部材の表面にドライメッキ処理
によって、金、白金、銀、パラジウム、チタン、アルミ
二ウム、タンタル、ハフニウム、バナジウム、ジルコニ
ウム、クロム、炭素、シリコンの中の少なくとも一つの
物質、またはこれらの物質の化合物、合金、水素化物、
窒化物、炭化物、酸化物、窒炭化物、酸窒化物、酸炭化
物、酸窒炭化物からなる装飾薄膜を形成する装飾薄膜形
成工程を含むことを特徴とする装飾成形部材の製造方
法。 - 【請求項6】 前記装飾薄膜形成工程の前に、成形部材
の表面を清浄化する清浄化処理工程を含むことを特徴と
する請求項5記載の装飾成形部材の製造方法。 - 【請求項7】 前記ドライメッキ処理が、イオンプレー
ティング法、スパッタリング法、またはプラズマCVD
法であることを特徴とする請求項5記載の装飾成形部材
の製造方法。 - 【請求項8】 前記装飾薄膜形成工程が、マスキング処
理、またはエッチング処理によって、部分的に欠落した
部分を有する装飾薄膜を形成する工程を含むことを特徴
とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の装飾成
形部材の製造方法。 - 【請求項9】 前記装飾部材の表面側に装飾薄膜を形成
する前記装飾薄膜形成工程の前に、前記装飾部材の表面
側に、金、ニッケル、銅、チタン、バナジウム、ジルコ
ニウム、クロム、ゲルマニウム、シリコンの中の少なく
とも一つの物質、またはこれらの物質の合金、化合物、
窒化物、炭化物、酸化物、窒炭化物、酸窒化物、酸炭化
物、酸窒炭化物からなる中間層を形成する中間層形成工
程を含むことを特徴とする請求項5から請求項8のいず
れかに記載の装飾成形部材の製造方法。
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