JP2002203774A - 電子ビーム照射方法と電子ビーム照射装置 - Google Patents
電子ビーム照射方法と電子ビーム照射装置Info
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- JP2002203774A JP2002203774A JP2000402147A JP2000402147A JP2002203774A JP 2002203774 A JP2002203774 A JP 2002203774A JP 2000402147 A JP2000402147 A JP 2000402147A JP 2000402147 A JP2000402147 A JP 2000402147A JP 2002203774 A JP2002203774 A JP 2002203774A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子ビームの散乱を効果的に回避し、しかも
大掛かりな真空チェンバを設けることを回避することが
できるようにした電子ビーム照射装置を提供する。 【解決手段】 電子ビームの被照射体の支持体4と、電
子ビーム出射部を有する電子ビーム照射ヘッド部6とを
有して成り、このヘッド部6には、その電子ビーム出射
部すなわち電子ビーム出射孔5の周囲に、ヘッド部6を
電子ビームの被照射体3に対し所要の微小間隙dをもっ
て浮上させると共に、電子ビーム出射部と電子ビームの
被照射体3との間の、電子ビーム通路部に限定的に真空
空間を形成するための非接触真空シール部を構成する差
動静圧浮上手段22が設けられた構成とする。このよう
にして、上述した真空空間外において、電子ビームの被
照射体に気体を接触させて、この被照射体に帯電した電
荷を消失ないしは減少させる構成とするものである。
大掛かりな真空チェンバを設けることを回避することが
できるようにした電子ビーム照射装置を提供する。 【解決手段】 電子ビームの被照射体の支持体4と、電
子ビーム出射部を有する電子ビーム照射ヘッド部6とを
有して成り、このヘッド部6には、その電子ビーム出射
部すなわち電子ビーム出射孔5の周囲に、ヘッド部6を
電子ビームの被照射体3に対し所要の微小間隙dをもっ
て浮上させると共に、電子ビーム出射部と電子ビームの
被照射体3との間の、電子ビーム通路部に限定的に真空
空間を形成するための非接触真空シール部を構成する差
動静圧浮上手段22が設けられた構成とする。このよう
にして、上述した真空空間外において、電子ビームの被
照射体に気体を接触させて、この被照射体に帯電した電
荷を消失ないしは減少させる構成とするものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性レジストに
対する電子ビーム照射によってパターン露光を行う電子
ビーム露光装置、あるいは走査型電子顕微鏡、電子ビー
ム蒸着装置等に適用することのできる電子ビームの照射
方法と電子ビーム照射装置に係わる。
対する電子ビーム照射によってパターン露光を行う電子
ビーム露光装置、あるいは走査型電子顕微鏡、電子ビー
ム蒸着装置等に適用することのできる電子ビームの照射
方法と電子ビーム照射装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】情報記録としての情報ピット、あるいは
トラック案内溝等のグルーブなどの微細凹凸が形成され
る光ディスク等の情報記録媒体においては、その微細凹
凸を有する樹脂基板の作製は、射出成形あるいはいわゆ
る2P法(Photopolymerization 法) 等によって形成さ
れる。
トラック案内溝等のグルーブなどの微細凹凸が形成され
る光ディスク等の情報記録媒体においては、その微細凹
凸を有する樹脂基板の作製は、射出成形あるいはいわゆ
る2P法(Photopolymerization 法) 等によって形成さ
れる。
【0003】これらの基板作製のための、射出成形、あ
るいは2P法に用いるスタンパの原盤作製は、例えばガ
ラス基板上に形成したフォトレジスト層に対してパター
ン露光がなされ、これを現像することによって微細凹凸
を形成して構成する。そして、この原盤上に例えばニッ
ケルメッキがなされ、このメッキ層を剥離してスタン
パ、あるいはスタンパを得るためのマスタスタンパもし
くはマザースタンパ等の形成がなされる。
るいは2P法に用いるスタンパの原盤作製は、例えばガ
ラス基板上に形成したフォトレジスト層に対してパター
ン露光がなされ、これを現像することによって微細凹凸
を形成して構成する。そして、この原盤上に例えばニッ
ケルメッキがなされ、このメッキ層を剥離してスタン
パ、あるいはスタンパを得るためのマスタスタンパもし
くはマザースタンパ等の形成がなされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
情報記録媒体において、より一層の高密度化が求めら
れ、これに応じて、上述した原盤の微細凹凸パターン
も、より微細化が求められている。このため、例えば上
述した原盤作製におけるフォトレジスト層に対する露光
パターンも、より微細化が要求され、このフォトレジス
トに対する露光は、従前において一般的に用いられてい
たレーザ光照射における光学的限界から、より微細スポ
ットの絞り込みに対応できる電子ビーム照射への移行が
盛んである。
情報記録媒体において、より一層の高密度化が求めら
れ、これに応じて、上述した原盤の微細凹凸パターン
も、より微細化が求められている。このため、例えば上
述した原盤作製におけるフォトレジスト層に対する露光
パターンも、より微細化が要求され、このフォトレジス
トに対する露光は、従前において一般的に用いられてい
たレーザ光照射における光学的限界から、より微細スポ
ットの絞り込みに対応できる電子ビーム照射への移行が
盛んである。
【0005】一方、上述したフォトレジストに対する電
子ビーム露光装置をはじめとする例えば走査型電子顕微
鏡(SEM)や、電子ビームを用いた各種蒸着装置等に
おける電子ビーム照射装置においては、その電子ビーム
の経路中に気体分子が存在すると、これによって電子が
散乱されてしまい、微小ビームスポットへの絞り込みを
阻害することから、電子ビーム照射装置においては例え
ば10-5Pa程度以上の高真空度に保持することが必要
となる。
子ビーム露光装置をはじめとする例えば走査型電子顕微
鏡(SEM)や、電子ビームを用いた各種蒸着装置等に
おける電子ビーム照射装置においては、その電子ビーム
の経路中に気体分子が存在すると、これによって電子が
散乱されてしまい、微小ビームスポットへの絞り込みを
阻害することから、電子ビーム照射装置においては例え
ば10-5Pa程度以上の高真空度に保持することが必要
となる。
【0006】通常、上述した電子ビーム照射装置におい
ては、そのシステム全体を、真空雰囲気中に置く場合が
殆どであり、大きな真空チャンバーや、きわめて高価な
高真空と高排気速度を持つ排気系、例えばイオンポン
プ、クライオポンプ等の設置、更に前段にロードロック
室が必要とされてくる。したがって、電子ビーム照射装
置は、これに付帯する真空装置等によって、全体がきわ
めて大型化され、大重量化、設置場所、設備が大掛かり
となり、高価格化に伴いコスト高を来す。また、ワーク
すなわち電子ビーム照射体の対象物交換の度毎に高真空
が破壊されることから、再び高真空度化するために要す
る時間が大きくなっていわゆるタクトタイムが長くな
る。
ては、そのシステム全体を、真空雰囲気中に置く場合が
殆どであり、大きな真空チャンバーや、きわめて高価な
高真空と高排気速度を持つ排気系、例えばイオンポン
プ、クライオポンプ等の設置、更に前段にロードロック
室が必要とされてくる。したがって、電子ビーム照射装
置は、これに付帯する真空装置等によって、全体がきわ
めて大型化され、大重量化、設置場所、設備が大掛かり
となり、高価格化に伴いコスト高を来す。また、ワーク
すなわち電子ビーム照射体の対象物交換の度毎に高真空
が破壊されることから、再び高真空度化するために要す
る時間が大きくなっていわゆるタクトタイムが長くな
る。
【0007】更に、電子ビームを照射することから、対
象物(ワーク)が帯電することがないように、電荷を除
去する放電路の形成を必要とする。しかしながら、電子
を被照射体上に走査させるために、被照射体の支持体
に、移動機構を設ける場合、放電路の設置が、より装置
の複雑化を来す場合がある。特に、電子ビーム被照射体
が、絶縁体による場合、電子ビームの射による電子の蓄
積が大となって負の帯電が生じたり、電子ビーム衝撃に
よる2次電子放出によって正に帯電する。そして、この
ように、電子ビームの被照射体が帯電すると、これによ
って電子ビーム通路に不安定な電界を発生させ、電子ビ
ームの飛翔に乱れを生じさせ、本来の照射位置から不安
定にずれるとか、充分に絞り込んだスポットが得られな
いなどの問題が生じる。また、この帯電された被照射体
を、この照射作業を終了して外気にさらした瞬間に塵埃
等を付着して汚染、汚損を生じるなどの問題がある。
象物(ワーク)が帯電することがないように、電荷を除
去する放電路の形成を必要とする。しかしながら、電子
を被照射体上に走査させるために、被照射体の支持体
に、移動機構を設ける場合、放電路の設置が、より装置
の複雑化を来す場合がある。特に、電子ビーム被照射体
が、絶縁体による場合、電子ビームの射による電子の蓄
積が大となって負の帯電が生じたり、電子ビーム衝撃に
よる2次電子放出によって正に帯電する。そして、この
ように、電子ビームの被照射体が帯電すると、これによ
って電子ビーム通路に不安定な電界を発生させ、電子ビ
ームの飛翔に乱れを生じさせ、本来の照射位置から不安
定にずれるとか、充分に絞り込んだスポットが得られな
いなどの問題が生じる。また、この帯電された被照射体
を、この照射作業を終了して外気にさらした瞬間に塵埃
等を付着して汚染、汚損を生じるなどの問題がある。
【0008】本発明においては、上述したフォトレジス
トに対するパターン露光をはじめとして、SEMそのほ
か、各種電子ビーム照射装置を具備する装置における、
その電子ビーム照射装置の簡易化、小型軽量化、これに
伴う設置場所の占有空間の縮小、タクトタイムの短縮化
を図り、更に、電子ビームの被照射体の電荷の蓄積を効
果的に排除することができるようにして、安定して微小
スポットの電子ビーム照射を行うことができ、また被照
射体の帯電による汚染、汚損等の問題の解決を図るもの
である。
トに対するパターン露光をはじめとして、SEMそのほ
か、各種電子ビーム照射装置を具備する装置における、
その電子ビーム照射装置の簡易化、小型軽量化、これに
伴う設置場所の占有空間の縮小、タクトタイムの短縮化
を図り、更に、電子ビームの被照射体の電荷の蓄積を効
果的に排除することができるようにして、安定して微小
スポットの電子ビーム照射を行うことができ、また被照
射体の帯電による汚染、汚損等の問題の解決を図るもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による電子ビーム
照射方法は、電子ビーム出射部と、電子ビームの被照射
体との間において、この電子ビームの通路部を限定的に
真空空間とし、電子ビームの照射状態において、その真
空空間外で、電子ビームの被照射体に気体を接触させ
て、この被照射体に帯電した電荷を消失ないしは減少さ
せるようにする。
照射方法は、電子ビーム出射部と、電子ビームの被照射
体との間において、この電子ビームの通路部を限定的に
真空空間とし、電子ビームの照射状態において、その真
空空間外で、電子ビームの被照射体に気体を接触させ
て、この被照射体に帯電した電荷を消失ないしは減少さ
せるようにする。
【0010】また、本発明による電子ビーム照射装置
は、電子ビームの被照射体の支持体と、電子ビーム出射
部を有する電子ビーム照射ヘッド部とを有して成る。こ
のヘッド部には、電子ビーム出射部の周囲に、ヘッド部
を電子ビームの被照射体に対し所要の微小間隙をもって
浮上させると共に、電子ビーム出射部と電子ビームの被
照射体との間の、電子ビーム通路部に限定的に真空空間
を形成するための非接触真空シール部を構成する差動静
圧浮上手段が設けられた構成とする。このようにして、
上述した真空空間外において、電子ビームの被照射体に
気体を接触させて、この被照射体に帯電した電荷を消失
ないしは減少させる構成とするものである。
は、電子ビームの被照射体の支持体と、電子ビーム出射
部を有する電子ビーム照射ヘッド部とを有して成る。こ
のヘッド部には、電子ビーム出射部の周囲に、ヘッド部
を電子ビームの被照射体に対し所要の微小間隙をもって
浮上させると共に、電子ビーム出射部と電子ビームの被
照射体との間の、電子ビーム通路部に限定的に真空空間
を形成するための非接触真空シール部を構成する差動静
圧浮上手段が設けられた構成とする。このようにして、
上述した真空空間外において、電子ビームの被照射体に
気体を接触させて、この被照射体に帯電した電荷を消失
ないしは減少させる構成とするものである。
【0011】上述したように、本発明方法においては、
電子ビーム出射部から電子ビームの被照射体に向かう電
子ビームの飛翔通路に限定的に真空空間を形成すること
によって、真空化は、容易に、高真空度に保持できるも
のであり、更に、この電子ビームの照射状態において、
その真空空間外で、電子ビームの被照射体に気体を接触
させて、この被照射体に電子ビームを照射することによ
って発生した電荷を消失ないしは減少させるようにした
ことによって、被照射体に向かう電子ビームが、被照射
体の帯電によって不安定となることを回避することがで
きる。
電子ビーム出射部から電子ビームの被照射体に向かう電
子ビームの飛翔通路に限定的に真空空間を形成すること
によって、真空化は、容易に、高真空度に保持できるも
のであり、更に、この電子ビームの照射状態において、
その真空空間外で、電子ビームの被照射体に気体を接触
させて、この被照射体に電子ビームを照射することによ
って発生した電荷を消失ないしは減少させるようにした
ことによって、被照射体に向かう電子ビームが、被照射
体の帯電によって不安定となることを回避することがで
きる。
【0012】また、本発明装置においては、電子ビーム
の出射部を有するヘッド部に、その電子ビーム出射部の
周囲を、被接触真空シールすることによって、電子ビー
ム出射部から電子ビームの被照射体に向かう電子ビーム
の飛翔通路に限定的に真空空間を形成するようにしたこ
とから、此処における真空化は、容易に、高真空度に保
持できる。そして、この高真空度空間外においては、電
子ビームの被照射体が気体に接触するようになされてい
ることから、被照射体表面の各部位において、電子ビー
ムの照射が終了してこの照射部の高真空度空間外に引き
出された部位が逐次気体にさらされることから、この気
体によって被照射体に電子ビームの照射によって発生し
た電荷を中和もしくは放散させることができ、たとえ電
子ビームの被照射体が、絶縁体である場合においても、
これに帯電した電荷を効果的に消失ないしは減少させる
ことができるものである。
の出射部を有するヘッド部に、その電子ビーム出射部の
周囲を、被接触真空シールすることによって、電子ビー
ム出射部から電子ビームの被照射体に向かう電子ビーム
の飛翔通路に限定的に真空空間を形成するようにしたこ
とから、此処における真空化は、容易に、高真空度に保
持できる。そして、この高真空度空間外においては、電
子ビームの被照射体が気体に接触するようになされてい
ることから、被照射体表面の各部位において、電子ビー
ムの照射が終了してこの照射部の高真空度空間外に引き
出された部位が逐次気体にさらされることから、この気
体によって被照射体に電子ビームの照射によって発生し
た電荷を中和もしくは放散させることができ、たとえ電
子ビームの被照射体が、絶縁体である場合においても、
これに帯電した電荷を効果的に消失ないしは減少させる
ことができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による電子ビーム照射方法
の一実施形態とこれを実施する本発明装置の一実施形態
を説明する。この実施形態においては、例えば光ディス
ク製造用スタンパの原盤作製において、例えばガラス基
板上に塗布されたフォトレジスト層に対する電子ビーム
描画によるパターン露光を行う電子ビーム照射方法と、
この場合の露光装置における電子ビーム照射装置であ
る。しかしながら、本発明はこのような露光方法および
露光装置に限定されるものではなく、走査型電子顕微
鏡、電子ビーム衝撃による蒸着装置等における電子ビー
ム照射方法および装置に適用することができるなど、こ
の実施形態およびこの例に限定されるものではない。図
1は、この実施形態の電子ビーム照射装置の一例の概略
構成図を示し、図2は、その要部の概略断面図を示し、
図3は、その電子ビーム照射ヘッド部の正面図を示す。
の一実施形態とこれを実施する本発明装置の一実施形態
を説明する。この実施形態においては、例えば光ディス
ク製造用スタンパの原盤作製において、例えばガラス基
板上に塗布されたフォトレジスト層に対する電子ビーム
描画によるパターン露光を行う電子ビーム照射方法と、
この場合の露光装置における電子ビーム照射装置であ
る。しかしながら、本発明はこのような露光方法および
露光装置に限定されるものではなく、走査型電子顕微
鏡、電子ビーム衝撃による蒸着装置等における電子ビー
ム照射方法および装置に適用することができるなど、こ
の実施形態およびこの例に限定されるものではない。図
1は、この実施形態の電子ビーム照射装置の一例の概略
構成図を示し、図2は、その要部の概略断面図を示し、
図3は、その電子ビーム照射ヘッド部の正面図を示す。
【0014】この電子ビーム照射装置においては、図1
に示すように、いわゆる電子ビームコラム1と、電子ビ
ーム2が照射される被照射体3を支持する支持体4と、
被電子ビーム照射体3に対して微小間隔dをもって対向
し、被照射体3に電子ビーム2を照射する電子ビーム出
射部の電子ビーム出射孔5を有する電子ビーム照射ヘッ
ド部6とを有して成る。
に示すように、いわゆる電子ビームコラム1と、電子ビ
ーム2が照射される被照射体3を支持する支持体4と、
被電子ビーム照射体3に対して微小間隔dをもって対向
し、被照射体3に電子ビーム2を照射する電子ビーム出
射部の電子ビーム出射孔5を有する電子ビーム照射ヘッ
ド部6とを有して成る。
【0015】電子ビームコラム1は、例えば電子銃11
と、これより放出された電子ビーム2を収束するコンデ
ンサ電子レンズ12と、電子ビーム変調手段13と、中
央にアパーチャ14を有する制限板15と、偏向手段1
6と、フォーカス調整手段17と、対物電子レンズ18
とを有する。
と、これより放出された電子ビーム2を収束するコンデ
ンサ電子レンズ12と、電子ビーム変調手段13と、中
央にアパーチャ14を有する制限板15と、偏向手段1
6と、フォーカス調整手段17と、対物電子レンズ18
とを有する。
【0016】電子ビーム変調手段13は、例えば相対向
する偏向電極板より成り、これら間に所要の電圧を印加
することによって電子ビーム2を偏向して、制限板15
のアパーチャ14を透過させたり、アパーチャ14外に
向けて偏向することによって制限板15によって遮断す
るオン・オフ変調を行うようになされている。
する偏向電極板より成り、これら間に所要の電圧を印加
することによって電子ビーム2を偏向して、制限板15
のアパーチャ14を透過させたり、アパーチャ14外に
向けて偏向することによって制限板15によって遮断す
るオン・オフ変調を行うようになされている。
【0017】また、偏向手段16は、これによって電子
ビームを、電子ビームの被照射体3において例えば往復
微小移動させるいわゆるウォブリングさせるための偏向
を行う。この偏向手段16も、例えば相対向する偏向電
極板より成り、これら電極間にウォブリング信号を入力
する。
ビームを、電子ビームの被照射体3において例えば往復
微小移動させるいわゆるウォブリングさせるための偏向
を行う。この偏向手段16も、例えば相対向する偏向電
極板より成り、これら電極間にウォブリング信号を入力
する。
【0018】また、フォーカス調整手段17と、対物電
子レンズ18は、それぞれ例えば電磁コイルより構成さ
れて、これらフォーカス調整手段17および対物電子レ
ンズ18によって、電子ビーム2が、電子ビーム照射ヘ
ッド6の電子ビーム出射孔5を通じて、被電子ビーム照
射体3上にフォーカシングされるようになされている。
この場合、フォーカス調整手段17には、例えばフォー
カシングサーボ信号が印加される。
子レンズ18は、それぞれ例えば電磁コイルより構成さ
れて、これらフォーカス調整手段17および対物電子レ
ンズ18によって、電子ビーム2が、電子ビーム照射ヘ
ッド6の電子ビーム出射孔5を通じて、被電子ビーム照
射体3上にフォーカシングされるようになされている。
この場合、フォーカス調整手段17には、例えばフォー
カシングサーボ信号が印加される。
【0019】また、電子ビームコラム1は、例えば低真
空対応走査型電子顕微鏡で用いられているコラムのよう
に、電子ビームの発射側では、幾分低真空度とされるも
のの、電子銃11側で高真空度する真空度に勾配を有す
る構成とすることもでき、この場合には、より安定して
電子ビーム照射を行うことができる。
空対応走査型電子顕微鏡で用いられているコラムのよう
に、電子ビームの発射側では、幾分低真空度とされるも
のの、電子銃11側で高真空度する真空度に勾配を有す
る構成とすることもでき、この場合には、より安定して
電子ビーム照射を行うことができる。
【0020】一方、電子ビーム照射ヘッド部6は、例え
ば図2および図3に示すように、電子ビーム出射孔5に
連通する電子ビーム通路20を有する例えばセラミック
もしくは金属より成るブロック21を有してなる。ま
た、このヘッド部6を形成するブロック21には、電子
ビームの被照射体3との対向面に開口する1つ以上、こ
の例においては、第1および第2のリング状気体吸引溝
61および62が、電子ビーム出射孔5を中心にしてそ
の外周に同心的に形成される。
ば図2および図3に示すように、電子ビーム出射孔5に
連通する電子ビーム通路20を有する例えばセラミック
もしくは金属より成るブロック21を有してなる。ま
た、このヘッド部6を形成するブロック21には、電子
ビームの被照射体3との対向面に開口する1つ以上、こ
の例においては、第1および第2のリング状気体吸引溝
61および62が、電子ビーム出射孔5を中心にしてそ
の外周に同心的に形成される。
【0021】そして、ブロック21の、第1および第2
のリング状気体吸引溝61および62の外周に、電子ビ
ーム照射ヘッド6の差動静圧浮上手段22すなわちいわ
ゆる静圧軸受が設けられる。ブロック21、すなわち電
子ビーム照射ヘッド部6は、電子ビームコラム1の固定
部40に、ベローズ等の伸縮結合機構41によって連結
されて、この伸縮結合機構41の伸縮によって電子ビー
ム照射ヘッド部6が、矢印aに示す軸心方向に移動可能
に保持される。
のリング状気体吸引溝61および62の外周に、電子ビ
ーム照射ヘッド6の差動静圧浮上手段22すなわちいわ
ゆる静圧軸受が設けられる。ブロック21、すなわち電
子ビーム照射ヘッド部6は、電子ビームコラム1の固定
部40に、ベローズ等の伸縮結合機構41によって連結
されて、この伸縮結合機構41の伸縮によって電子ビー
ム照射ヘッド部6が、矢印aに示す軸心方向に移動可能
に保持される。
【0022】そして、この電子ビーム照射ヘッド部6が
移動可能にされたことによって、電子ビーム照射ヘッド
部6と電子ビームの被照射体3との間隔が、後述するよ
うに静圧浮上手段22の動作によって常時例えば電子ビ
ームの被照射体3の厚さむら等に依存することなく一定
の間隔に保持できるようになされる。この場合、この伸
縮結合機構41内は気密的に構成され、かつこの伸縮結
合機構41内を通じて、電子ビームコラム1からの電子
ビーム2が、何ら阻害されることなく、電子ビーム通路
20に通ずるようになされる。
移動可能にされたことによって、電子ビーム照射ヘッド
部6と電子ビームの被照射体3との間隔が、後述するよ
うに静圧浮上手段22の動作によって常時例えば電子ビ
ームの被照射体3の厚さむら等に依存することなく一定
の間隔に保持できるようになされる。この場合、この伸
縮結合機構41内は気密的に構成され、かつこの伸縮結
合機構41内を通じて、電子ビームコラム1からの電子
ビーム2が、何ら阻害されることなく、電子ビーム通路
20に通ずるようになされる。
【0023】そして、例えば電子ビーム通路20、第1
および第2の気体吸引溝61および62に、それぞれ排
気手段すなわち真空ポンプを連結する。この場合、電子
ビーム通路20に連結する排気手段50は、高い真空度
が得られる、例えばクライオポンプ、ターボ分子ポン
プ、イオンスパッタポンプ等の例えば10-8 [Pa] の真
空能力を有する排気手段50を用い、電子ビーム通路2
0を1×10-4 [Pa] 程度に真空引きする。そして、中
心側、すなわち電子ビーム出射孔5に近接する気体吸引
溝ほど高い真空度に排気ができる排気手段を連結する。
すなわち、第1の気体吸引溝61には、例えば1×10
-1 [Pa] 程度の真空度に、第2の気体吸引溝62には、
例えば5×103 [Pa] 程度の真空度が得られる排気手
段51および52を連結する。
および第2の気体吸引溝61および62に、それぞれ排
気手段すなわち真空ポンプを連結する。この場合、電子
ビーム通路20に連結する排気手段50は、高い真空度
が得られる、例えばクライオポンプ、ターボ分子ポン
プ、イオンスパッタポンプ等の例えば10-8 [Pa] の真
空能力を有する排気手段50を用い、電子ビーム通路2
0を1×10-4 [Pa] 程度に真空引きする。そして、中
心側、すなわち電子ビーム出射孔5に近接する気体吸引
溝ほど高い真空度に排気ができる排気手段を連結する。
すなわち、第1の気体吸引溝61には、例えば1×10
-1 [Pa] 程度の真空度に、第2の気体吸引溝62には、
例えば5×103 [Pa] 程度の真空度が得られる排気手
段51および52を連結する。
【0024】また、差動静圧浮上手段22すなわち静圧
軸受は、電子ビームの被照射体3との対向部にリング状
に構成される。例えば、ブロック21の電子ビームの被
照射体3との対向面に開口し、外側の気体吸引溝、図示
の例では第2の気体吸引溝62の更に外周に、電子ビー
ム出射孔5を中心とするリング状に形成される。この差
動静圧浮上手段22は、例えば上述したリング状の圧縮
気体通路22aと、この開口を埋込むように配置した通
気パッド22bが配置された構成とし得る。
軸受は、電子ビームの被照射体3との対向部にリング状
に構成される。例えば、ブロック21の電子ビームの被
照射体3との対向面に開口し、外側の気体吸引溝、図示
の例では第2の気体吸引溝62の更に外周に、電子ビー
ム出射孔5を中心とするリング状に形成される。この差
動静圧浮上手段22は、例えば上述したリング状の圧縮
気体通路22aと、この開口を埋込むように配置した通
気パッド22bが配置された構成とし得る。
【0025】リング状圧縮気体通路22aには、圧縮気
体供給源53からの圧縮気体が、イオナイザ80によっ
て正または負にイオン化されて、例えば5×105 [P
a] で供給するようになされる。一方、被照射体3に対
向して、その帯電量を検出する測定センサ81が配置さ
れ、これによって検出した帯電量の情報を、イオナイザ
80のコントローラ82に入力し、被照射体3の帯電量
に応じて差動静圧浮上手段22に送り込まれる気体のイ
オン化の制御がなされる。
体供給源53からの圧縮気体が、イオナイザ80によっ
て正または負にイオン化されて、例えば5×105 [P
a] で供給するようになされる。一方、被照射体3に対
向して、その帯電量を検出する測定センサ81が配置さ
れ、これによって検出した帯電量の情報を、イオナイザ
80のコントローラ82に入力し、被照射体3の帯電量
に応じて差動静圧浮上手段22に送り込まれる気体のイ
オン化の制御がなされる。
【0026】差動静圧浮上手段22への気体は、例えば
窒素(N)もしくは不活性ガスで軽量原子のヘリウム
(He),ネオン(Ne),アルゴン(Ar)を用いる
ことが望ましい。このガスは、後述するように、電子ビ
ーム通路20に入り込むことはないが、不測の事態が生
じて、この気体が電子ビーム通路20に入り込んだ場合
においても、電子銃11の電子放出カソード材を劣化さ
せることがないようにすることが望ましい。
窒素(N)もしくは不活性ガスで軽量原子のヘリウム
(He),ネオン(Ne),アルゴン(Ar)を用いる
ことが望ましい。このガスは、後述するように、電子ビ
ーム通路20に入り込むことはないが、不測の事態が生
じて、この気体が電子ビーム通路20に入り込んだ場合
においても、電子銃11の電子放出カソード材を劣化さ
せることがないようにすることが望ましい。
【0027】また、通気パッド22bは、静圧軸受面積
当たりの負荷容量が高く、剛性が高くとれる金属多孔質
パッドによることが望ましい。
当たりの負荷容量が高く、剛性が高くとれる金属多孔質
パッドによることが望ましい。
【0028】上述の電子ビーム照射ヘッド部6におい
て、各部の寸法を例示すると、例えば電子ビーム出射孔
5の直径は200μm〜1mm程度、電子ビーム出射孔
5の中心から第1のリング状気体吸引溝61までの距離
D1 は約2.5mm、第1のリング状気体吸引溝61の
幅W1 は4mm〜5mm程度、第1および第2のリング
状気体吸引溝61および62間の間隔D2 は約2mm、
第2のリング状気体吸引溝62の幅W2 は約2mm、第
2のリング状気体吸引溝62と静圧浮上手段22との間
の間隔D3 は約2mm、静圧浮上手段22の幅W3 は5
mm〜10mm程度、静圧浮上手段22からブロック2
1の周面まで距離(幅)D4 は約2mm程度に選定する
ことができる。
て、各部の寸法を例示すると、例えば電子ビーム出射孔
5の直径は200μm〜1mm程度、電子ビーム出射孔
5の中心から第1のリング状気体吸引溝61までの距離
D1 は約2.5mm、第1のリング状気体吸引溝61の
幅W1 は4mm〜5mm程度、第1および第2のリング
状気体吸引溝61および62間の間隔D2 は約2mm、
第2のリング状気体吸引溝62の幅W2 は約2mm、第
2のリング状気体吸引溝62と静圧浮上手段22との間
の間隔D3 は約2mm、静圧浮上手段22の幅W3 は5
mm〜10mm程度、静圧浮上手段22からブロック2
1の周面まで距離(幅)D4 は約2mm程度に選定する
ことができる。
【0029】そして、図示しないが、例えば電子ビーム
コラム1との連結側端部近傍、あるいは電子ビーム照射
ヘッド部6の電子ビームコラム1との連結側端部近傍等
に、電子ビーム通路を開閉するゲートバルブを設け得
る。
コラム1との連結側端部近傍、あるいは電子ビーム照射
ヘッド部6の電子ビームコラム1との連結側端部近傍等
に、電子ビーム通路を開閉するゲートバルブを設け得
る。
【0030】一方、電子ビームの被照射体3の支持体4
は、例えば真空チャック、あるいは静電チャックによる
吸着手段23を有するターンテーブル構成とする。そし
て、このターンテーブルは、スピンドル軸24によっ
て、電子ビームの被照射体3の板面の中心軸を中心に回
転することができるようになされると共に、矢印bに示
すように、回転中心軸と直交する面に沿う直線方向に移
動できる構成とする。この回転および直線移動によっ
て、電子ビームの被照射体3の照射面が、電子ビーム2
に対して移行し、電子ビーム2が電子ビームの被照射体
3の照射面に対して、スパイラル状あるいは同心円上に
走査することができるようになされる。
は、例えば真空チャック、あるいは静電チャックによる
吸着手段23を有するターンテーブル構成とする。そし
て、このターンテーブルは、スピンドル軸24によっ
て、電子ビームの被照射体3の板面の中心軸を中心に回
転することができるようになされると共に、矢印bに示
すように、回転中心軸と直交する面に沿う直線方向に移
動できる構成とする。この回転および直線移動によっ
て、電子ビームの被照射体3の照射面が、電子ビーム2
に対して移行し、電子ビーム2が電子ビームの被照射体
3の照射面に対して、スパイラル状あるいは同心円上に
走査することができるようになされる。
【0031】そして、この直線方向の移動を行う駆動手
段としては、電子ビームへの影響を回避するように、磁
気フリー駆動が可能な超音波リニアモータ、磁気シール
ド型ボイスコイルモータ等を用いることが望ましい。ま
た、この駆動は、10ナノメートル以下の分解能を持つ
リニアスケールからのフィードバック制御による駆動を
行うようにすることが望ましい。
段としては、電子ビームへの影響を回避するように、磁
気フリー駆動が可能な超音波リニアモータ、磁気シール
ド型ボイスコイルモータ等を用いることが望ましい。ま
た、この駆動は、10ナノメートル以下の分解能を持つ
リニアスケールからのフィードバック制御による駆動を
行うようにすることが望ましい。
【0032】また、スピンドル軸24は、静圧空気軸受
によって軸受けされた構成とすることが望ましく、この
ようにして、滑らかな回転ができるようにして、回転
(速度)精度を高めることができ、電子ビーム2の照射
パターン精度を向上させることができる。
によって軸受けされた構成とすることが望ましく、この
ようにして、滑らかな回転ができるようにして、回転
(速度)精度を高めることができ、電子ビーム2の照射
パターン精度を向上させることができる。
【0033】また、このスピンドルの駆動モータについ
ても、電子ビームに影響を与えることがないように、駆
動部が磁気シールドされたブラシレスモータを用いて、
直接回転駆動構成とすることが望ましい。
ても、電子ビームに影響を与えることがないように、駆
動部が磁気シールドされたブラシレスモータを用いて、
直接回転駆動構成とすることが望ましい。
【0034】電子ビームの被照射体3は、例えば図4A
に示すように、全体として高い平板性と、表面平滑性に
すぐれた基板31上に、レジスト32が塗布されて成
る。例えば記録媒体製造用原盤を構成する場合は、ガラ
ス基板、石英基板、シリコンウエハー等の基板31にフ
ォトレジスト32が形成される。そして、このレジスト
32に対して、上述した本発明による電子ビーム照射装
置からの電子ビーム2をパターン照射することによっ
て、その後のレジスト32に対する現像によってパター
ン化できる潜像を形成する。
に示すように、全体として高い平板性と、表面平滑性に
すぐれた基板31上に、レジスト32が塗布されて成
る。例えば記録媒体製造用原盤を構成する場合は、ガラ
ス基板、石英基板、シリコンウエハー等の基板31にフ
ォトレジスト32が形成される。そして、このレジスト
32に対して、上述した本発明による電子ビーム照射装
置からの電子ビーム2をパターン照射することによっ
て、その後のレジスト32に対する現像によってパター
ン化できる潜像を形成する。
【0035】また、本発明装置において、電子ビーム照
射ヘッド部6と電子ビームの被照射体3の表面(すなわ
ち電子ビーム照射面)との間隔dは、例えば5μm程度
に狭小な間隔とされる。
射ヘッド部6と電子ビームの被照射体3の表面(すなわ
ち電子ビーム照射面)との間隔dは、例えば5μm程度
に狭小な間隔とされる。
【0036】上述の本発明方法および本発明装置によっ
て、電子ビームの被照射体3に電子ビームの描画を行う
場合について説明する。先ず、支持体4上すなわちター
ンテーブル上に電子ビームの被照射体3を載置し、吸着
手段23によって吸着保持する。この状態で、電子ビー
ム照射ヘッド部6を、電子ビームの被照射体3の電子ビ
ーム照射面、すなわちレジストの塗布面に近づける。こ
のとき、静圧浮上手段22は動作状態とされて通気パッ
ド22bから気体噴出がなされた状態にあるが、第1お
よび第2のリング状気体吸引溝61および62において
は、気体吸引動作を行わない状態として置く。このよう
にして、静圧浮上手段22からの噴出気体が、電子ビー
ムの被照射体3の電子ビーム照射面に吹きつけられるこ
とによって、電子ビーム照射ヘッド部6が、この照射面
に衝突ないしは接触することが回避された状態で、電子
ビーム照射ヘッド部6を、電子ビームの被照射体3の電
子ビーム照射面に対し、その間隔が、上述した間隔dよ
り大とするか、これに近い粗調整状態で接近させる。
て、電子ビームの被照射体3に電子ビームの描画を行う
場合について説明する。先ず、支持体4上すなわちター
ンテーブル上に電子ビームの被照射体3を載置し、吸着
手段23によって吸着保持する。この状態で、電子ビー
ム照射ヘッド部6を、電子ビームの被照射体3の電子ビ
ーム照射面、すなわちレジストの塗布面に近づける。こ
のとき、静圧浮上手段22は動作状態とされて通気パッ
ド22bから気体噴出がなされた状態にあるが、第1お
よび第2のリング状気体吸引溝61および62において
は、気体吸引動作を行わない状態として置く。このよう
にして、静圧浮上手段22からの噴出気体が、電子ビー
ムの被照射体3の電子ビーム照射面に吹きつけられるこ
とによって、電子ビーム照射ヘッド部6が、この照射面
に衝突ないしは接触することが回避された状態で、電子
ビーム照射ヘッド部6を、電子ビームの被照射体3の電
子ビーム照射面に対し、その間隔が、上述した間隔dよ
り大とするか、これに近い粗調整状態で接近させる。
【0037】この状態で、第1および第2のリング状気
体吸引溝61および62の吸引動作、すなわち真空排気
の調整を行って、静圧浮上手段22による正の気体圧力
と、第1および第2のリング状気体吸引溝61および6
2による負の圧力の差動によって間隔dが所定の狭小間
隔、例えば5μmとなるように設定する。そして、リン
グ状気体吸引溝61および62の真空度が、所定の値ま
で上がった後、電子ビームコラム1等に設けたゲートバ
ルブを開け、電子ビーム出射孔5から電子ビーム2を電
子ビームの被照射体3上に照射する。
体吸引溝61および62の吸引動作、すなわち真空排気
の調整を行って、静圧浮上手段22による正の気体圧力
と、第1および第2のリング状気体吸引溝61および6
2による負の圧力の差動によって間隔dが所定の狭小間
隔、例えば5μmとなるように設定する。そして、リン
グ状気体吸引溝61および62の真空度が、所定の値ま
で上がった後、電子ビームコラム1等に設けたゲートバ
ルブを開け、電子ビーム出射孔5から電子ビーム2を電
子ビームの被照射体3上に照射する。
【0038】そして、電子ビームの被照射体3の回転お
よび直線移行を行うことにより、電子ビーム2を、電子
ビームの被照射体3上に、すなわちレジストに、スパイ
ラル状あるいは円上の軌跡をもって照射する。このとき
目的とする電子ビームの照射パターンに応じた変調信号
を電子ビーム変調手段13に印加することによって、電
子ビームをオン・オフして目的とする照射パターンをス
パイラル状あるいは円上に形成する。そして、このと
き、この軌跡をウォブリングさせる場合には、上述した
偏向手段16に、所要のウォブリング信号を印加するこ
とによって、所望の電子ビームウォブリングを行うこと
ができる。
よび直線移行を行うことにより、電子ビーム2を、電子
ビームの被照射体3上に、すなわちレジストに、スパイ
ラル状あるいは円上の軌跡をもって照射する。このとき
目的とする電子ビームの照射パターンに応じた変調信号
を電子ビーム変調手段13に印加することによって、電
子ビームをオン・オフして目的とする照射パターンをス
パイラル状あるいは円上に形成する。そして、このと
き、この軌跡をウォブリングさせる場合には、上述した
偏向手段16に、所要のウォブリング信号を印加するこ
とによって、所望の電子ビームウォブリングを行うこと
ができる。
【0039】このとき、電子ビームの被照射体3に対す
る電子ビーム出射孔5に連通する電子ビームの通路20
が排気手段50によって排気されて真空状態にあり、一
方、静圧浮上手段22から気体噴出がなされているが、
両者間すなわち電子ビーム出射孔5の周囲には、リング
状気体吸引溝61および62が形成されていることか
ら、この気体が、これらリング状気体吸引溝61および
62によって吸引され、電子ビーム出射孔5に至ること
が回避される。すなわち、静圧浮上手段22からの気体
は、まず、第2のリング状気体吸引溝62によって多く
が吸収されるが、更に上述の構成では、第1のリング状
気体吸引溝61で吸収される。そして、このとき、電子
ビーム照射ヘッド部6と、電子ビームの被照射体3との
間隔dが、狭小であることから、第2のリング状気体吸
引溝62と第1のリング状気体吸引溝61との間の通気
コンダクタンスは小さく、更に第2のリング状気体吸引
溝62と電子ビーム出射孔5との間隔D1 を必要に応じ
て上述したように例えば5mm程度に大きくして置くこ
とによって、また第1のリング状気体吸引溝61の真空
度を大きくしたことによって、これら第2のリング状気
体吸引溝62と電子ビーム出射孔5との間のコンダクタ
ンスは、極めて小さくされることから、電子ビーム出射
孔5へのガス分子が洩れ込みは殆ど回避される。
る電子ビーム出射孔5に連通する電子ビームの通路20
が排気手段50によって排気されて真空状態にあり、一
方、静圧浮上手段22から気体噴出がなされているが、
両者間すなわち電子ビーム出射孔5の周囲には、リング
状気体吸引溝61および62が形成されていることか
ら、この気体が、これらリング状気体吸引溝61および
62によって吸引され、電子ビーム出射孔5に至ること
が回避される。すなわち、静圧浮上手段22からの気体
は、まず、第2のリング状気体吸引溝62によって多く
が吸収されるが、更に上述の構成では、第1のリング状
気体吸引溝61で吸収される。そして、このとき、電子
ビーム照射ヘッド部6と、電子ビームの被照射体3との
間隔dが、狭小であることから、第2のリング状気体吸
引溝62と第1のリング状気体吸引溝61との間の通気
コンダクタンスは小さく、更に第2のリング状気体吸引
溝62と電子ビーム出射孔5との間隔D1 を必要に応じ
て上述したように例えば5mm程度に大きくして置くこ
とによって、また第1のリング状気体吸引溝61の真空
度を大きくしたことによって、これら第2のリング状気
体吸引溝62と電子ビーム出射孔5との間のコンダクタ
ンスは、極めて小さくされることから、電子ビーム出射
孔5へのガス分子が洩れ込みは殆ど回避される。
【0040】このようにして、電子ビーム照射ヘッド部
6の電子ビーム出射孔5の外周に、いわば、非接触真空
シール部が構成され、これによってかこまれた内部の電
子ビーム通路を高真空に保持でき、しかもこの電子ビー
ム出射孔5から導出されて電子ビームの被照射体3に向
かう飛翔通路においても高い真空下に保持できる。
6の電子ビーム出射孔5の外周に、いわば、非接触真空
シール部が構成され、これによってかこまれた内部の電
子ビーム通路を高真空に保持でき、しかもこの電子ビー
ム出射孔5から導出されて電子ビームの被照射体3に向
かう飛翔通路においても高い真空下に保持できる。
【0041】このとき、被照射体3が、フォトレジスト
層におけるように、絶縁性を有する場合、これに対する
電子ビーム2の照射によって、被照射体3表面にその照
射電子が蓄積されて負に帯電したり、あるいは電子ビー
ムの衝撃によって2次電子放出がなされて正に帯電した
りした場合、被照射体3の各部位は、上述した電子ビー
ムの走査、すなわち描画が終了するとその高真空に保持
された空間から真空度の低い、すなわち気体が存在する
空間に引き出されて、気体に接触することから、この気
体との接触によって、被照射体3の表面の電荷を、中和
もしくは気体によって雰囲気の導電性が高められて伝搬
放散させることができる。
層におけるように、絶縁性を有する場合、これに対する
電子ビーム2の照射によって、被照射体3表面にその照
射電子が蓄積されて負に帯電したり、あるいは電子ビー
ムの衝撃によって2次電子放出がなされて正に帯電した
りした場合、被照射体3の各部位は、上述した電子ビー
ムの走査、すなわち描画が終了するとその高真空に保持
された空間から真空度の低い、すなわち気体が存在する
空間に引き出されて、気体に接触することから、この気
体との接触によって、被照射体3の表面の電荷を、中和
もしくは気体によって雰囲気の導電性が高められて伝搬
放散させることができる。
【0042】特に、上述したように、電子ビーム照射ヘ
ッド部6を、被照射体3の表面から浮上させる静圧浮上
手段22を設けた構成としたことによって、この手段2
2から気体の噴出がなされることから、この気体が被照
射体3に有効に接触し、これによって上述した電荷の中
和、ないしは搬送放散を効果的に行うことができる。ま
た、更に、上述した構成におけるように、イオナイザ8
0を設け、しかも、被照射体3の電荷量を検出する帯電
量測定センサ81を設けて、被照射体3の帯電量を検出
し、この検出信号によってイオナイサコントローラ82
によるイオナイザ80による極性およびイオン化量の選
定を行う構成とすることによって、被照射体3における
帯電を過不足なく消失することができるものである。
尚、これらイオナイザ80、イオナイサコントローラ8
2、帯電量測定センサ81は、それぞれ従来周知のもの
を用いることができるものである。
ッド部6を、被照射体3の表面から浮上させる静圧浮上
手段22を設けた構成としたことによって、この手段2
2から気体の噴出がなされることから、この気体が被照
射体3に有効に接触し、これによって上述した電荷の中
和、ないしは搬送放散を効果的に行うことができる。ま
た、更に、上述した構成におけるように、イオナイザ8
0を設け、しかも、被照射体3の電荷量を検出する帯電
量測定センサ81を設けて、被照射体3の帯電量を検出
し、この検出信号によってイオナイサコントローラ82
によるイオナイザ80による極性およびイオン化量の選
定を行う構成とすることによって、被照射体3における
帯電を過不足なく消失することができるものである。
尚、これらイオナイザ80、イオナイサコントローラ8
2、帯電量測定センサ81は、それぞれ従来周知のもの
を用いることができるものである。
【0043】上述したように、本発明方法によれば、電
子ビームの飛翔通路部に限定的に高真空度の真空空間を
形成するようにしたことから、真空化を短時間で容易に
行うことができる。そして、特に本発明方法において
は、その被照射体に、例えばイオン化した気体の接触に
よってその帯電を消失ないしは減少させるものであるか
ら、電子ビーム照射に伴う、被照射体に発生した電荷を
効果的に除電することができることから、この帯電によ
る電子ビームの飛翔に乱れを発生させたり、ビームスポ
ットの形状に乱れを生じさせるような現象の発生を回避
できる。
子ビームの飛翔通路部に限定的に高真空度の真空空間を
形成するようにしたことから、真空化を短時間で容易に
行うことができる。そして、特に本発明方法において
は、その被照射体に、例えばイオン化した気体の接触に
よってその帯電を消失ないしは減少させるものであるか
ら、電子ビーム照射に伴う、被照射体に発生した電荷を
効果的に除電することができることから、この帯電によ
る電子ビームの飛翔に乱れを発生させたり、ビームスポ
ットの形状に乱れを生じさせるような現象の発生を回避
できる。
【0044】また、本発明装置によれば、電子ビームの
飛翔通路部に限定的に高真空度の真空空間を形成するよ
うにして、他部においては、さほど高真空度にとするこ
とがない構成としたことによって、システム全体を、真
空雰囲気中に置く場合に比し、小型、簡易な装置とな
る。
飛翔通路部に限定的に高真空度の真空空間を形成するよ
うにして、他部においては、さほど高真空度にとするこ
とがない構成としたことによって、システム全体を、真
空雰囲気中に置く場合に比し、小型、簡易な装置とな
る。
【0045】更に、電子ビーム照射に伴う、被照射体に
発生した電荷を効果的に除電することができることか
ら、この帯電による電子ビームの飛翔に乱れを発生させ
たり、ビームスポットの形状に乱れを生じさせるような
現象の発生を回避できる。
発生した電荷を効果的に除電することができることか
ら、この帯電による電子ビームの飛翔に乱れを発生させ
たり、ビームスポットの形状に乱れを生じさせるような
現象の発生を回避できる。
【0046】上述した本発明装置を用いて、例えば微細
凹凸パターンを有する記録媒体を、例えば射出成型ある
いは2P法によって構成するための原盤およびスタンパ
ーを作製する場合を、図4を参照して説明する。先ず図
4Aに示すように、全体として高い平板性と、表面平滑
性にすぐれた基板31が用意され、その平滑面に、レジ
スト32が所要の厚さに均一に塗布される。この基板3
1は、ガラス基板、石英基板、シリコンウエハー等の基
板等によって構成され、レジスト32は、例えばポジ型
あるいはネガ型のフォトレジストによって構成すること
ができる。
凹凸パターンを有する記録媒体を、例えば射出成型ある
いは2P法によって構成するための原盤およびスタンパ
ーを作製する場合を、図4を参照して説明する。先ず図
4Aに示すように、全体として高い平板性と、表面平滑
性にすぐれた基板31が用意され、その平滑面に、レジ
スト32が所要の厚さに均一に塗布される。この基板3
1は、ガラス基板、石英基板、シリコンウエハー等の基
板等によって構成され、レジスト32は、例えばポジ型
あるいはネガ型のフォトレジストによって構成すること
ができる。
【0047】このレジスト32に対して、前述した本発
明装置を用いて、上述した手順によって、目的とする微
細凹凸パターンに対応するパターンに電子ビーム照射を
行い、その後現像処理して電子ビームが照射された部
分、もしくは非照射部分を除去してレジスト32に微細
パターン71を形成する。このようにしてレジスト32
の微細パターン71による微細凹凸パターンを有する原
盤72を得る。
明装置を用いて、上述した手順によって、目的とする微
細凹凸パターンに対応するパターンに電子ビーム照射を
行い、その後現像処理して電子ビームが照射された部
分、もしくは非照射部分を除去してレジスト32に微細
パターン71を形成する。このようにしてレジスト32
の微細パターン71による微細凹凸パターンを有する原
盤72を得る。
【0048】図4Cに示すように、この原盤72上に、
Niメッキ等を施し、これを原盤72から剥離して図4
Dに示すように、微細凹凸パターン73を有するスタン
パー74を作製する。そして、これによって射出成型あ
るいは2P法等によって図示しないが、微細凹凸パター
ンを有する記録媒体を得る。
Niメッキ等を施し、これを原盤72から剥離して図4
Dに示すように、微細凹凸パターン73を有するスタン
パー74を作製する。そして、これによって射出成型あ
るいは2P法等によって図示しないが、微細凹凸パター
ンを有する記録媒体を得る。
【0049】上述した例では、原盤によってスタンパー
を転写作製した場合であるが、複数のスタンパーを転写
複製するマスタースタンパーを作製することも、またこ
のマスタースタンパーを転写作製するマザースタンパー
を得ることもできる。また、ある場合は、基板31が記
録媒体自体を構成する基板であってこの上に上述した方
法によってパターン化されたレジスト32を形成し、こ
れをマスクとして基板に、例えばRIE(反応性イオン
エッチング)エッチングを行って記録媒体を直接的に形
成することもできるし、同様に、スタンパー、マスター
スタンパー、マザースタンパーを直接的に形成する場合
に適用することもできる。
を転写作製した場合であるが、複数のスタンパーを転写
複製するマスタースタンパーを作製することも、またこ
のマスタースタンパーを転写作製するマザースタンパー
を得ることもできる。また、ある場合は、基板31が記
録媒体自体を構成する基板であってこの上に上述した方
法によってパターン化されたレジスト32を形成し、こ
れをマスクとして基板に、例えばRIE(反応性イオン
エッチング)エッチングを行って記録媒体を直接的に形
成することもできるし、同様に、スタンパー、マスター
スタンパー、マザースタンパーを直接的に形成する場合
に適用することもできる。
【0050】尚、上述した本発明装置の例では、排気手
段50〜52を設けた場合であるが、共通の排気手段に
よって構成することもできるし、更には図示しないが、
電子ビームコラム1に設けられる排気手段を共用する構
成とすることもできる。そのほか、本発明装置は、図示
の例に限らず、種々の変更を行うことができる。
段50〜52を設けた場合であるが、共通の排気手段に
よって構成することもできるし、更には図示しないが、
電子ビームコラム1に設けられる排気手段を共用する構
成とすることもできる。そのほか、本発明装置は、図示
の例に限らず、種々の変更を行うことができる。
【0051】また、上述した例では、主としてレジスト
に対する電子ビームのパターン照射を行う場合に適用す
る電子ビーム照射装置について説明したが、本発明は、
この例に限られるものではなく、電子ビーム照射装置を
具備する各種装置、例えば反射型走査電子顕微鏡等に適
用することもできる。
に対する電子ビームのパターン照射を行う場合に適用す
る電子ビーム照射装置について説明したが、本発明は、
この例に限られるものではなく、電子ビーム照射装置を
具備する各種装置、例えば反射型走査電子顕微鏡等に適
用することもできる。
【0052】
【発明の効果】上述したように、本発明方法によれば、
電子ビーム通路に限定した領域で高真化を行うおとか
ら、その真空度を短時間で充分高めることができる。そ
して、同時に被照射体に気体を接触させて帯電の消滅な
いしは減少を図るので、この帯電による電子ビームの影
響を回避でき、高い精度をもって電子ビームの照射を行
うことができる。
電子ビーム通路に限定した領域で高真化を行うおとか
ら、その真空度を短時間で充分高めることができる。そ
して、同時に被照射体に気体を接触させて帯電の消滅な
いしは減少を図るので、この帯電による電子ビームの影
響を回避でき、高い精度をもって電子ビームの照射を行
うことができる。
【0053】また、本発明装置においては、差動静圧浮
上手段によっていわば真空シールがなされ、電子ビーム
の飛翔通路部に限定的に高真空度の真空空間を形成する
ようにして、他部においては、さほど高真空度にとする
ことがない構成としたことによって、システム全体を、
真空雰囲気中に置く場合に比し、大きな真空チャンバー
や、きわめて高価な高真空と高排気速度を持つ排気系を
設置したりする大掛かりな装置を必要としない。すなわ
ち、電子ビーム照射装置に付帯する真空装置等によっ
て、全体がきわめて大型化され、大重量化、設置場所、
設備が大掛かりとなり、高価格化に伴いコスト高を来す
不都合を回避できる。
上手段によっていわば真空シールがなされ、電子ビーム
の飛翔通路部に限定的に高真空度の真空空間を形成する
ようにして、他部においては、さほど高真空度にとする
ことがない構成としたことによって、システム全体を、
真空雰囲気中に置く場合に比し、大きな真空チャンバー
や、きわめて高価な高真空と高排気速度を持つ排気系を
設置したりする大掛かりな装置を必要としない。すなわ
ち、電子ビーム照射装置に付帯する真空装置等によっ
て、全体がきわめて大型化され、大重量化、設置場所、
設備が大掛かりとなり、高価格化に伴いコスト高を来す
不都合を回避できる。
【0054】また、電子ビーム照射体の交換に際しての
高真空化に必要とすることに伴うタクトタイムの短縮化
を図ることができる。
高真空化に必要とすることに伴うタクトタイムの短縮化
を図ることができる。
【0055】更に、電子ビームの被照射体が、絶縁性材
料である場合において、電子ビーム照射に伴って、前述
したように、照射電子の蓄積によって、あるいは照射電
子の衝撃による2次電子の発生によって正電荷の蓄積が
生じた場合において、電子ビーム照射通路以外において
は、高真空度に保持されていないことから、この電荷を
効果的に除電することができる。したがって、被照射体
3における帯電によって電子ビームの飛翔に乱れを発生
させたり、ビームスポットの形状に乱れを生じさせるよ
うな現象の発生を回避でき、正確に安定した、電子ビー
ム照射、例えば電子ビーム描画を行うことができる。し
たがって、例えば光ディスク等の原盤作製等のフォトレ
ジストに対するパターン露光を正確に行うことができ、
高記録密度原盤作製を高精度に、歩留り良く製造するこ
とができる。
料である場合において、電子ビーム照射に伴って、前述
したように、照射電子の蓄積によって、あるいは照射電
子の衝撃による2次電子の発生によって正電荷の蓄積が
生じた場合において、電子ビーム照射通路以外において
は、高真空度に保持されていないことから、この電荷を
効果的に除電することができる。したがって、被照射体
3における帯電によって電子ビームの飛翔に乱れを発生
させたり、ビームスポットの形状に乱れを生じさせるよ
うな現象の発生を回避でき、正確に安定した、電子ビー
ム照射、例えば電子ビーム描画を行うことができる。し
たがって、例えば光ディスク等の原盤作製等のフォトレ
ジストに対するパターン露光を正確に行うことができ、
高記録密度原盤作製を高精度に、歩留り良く製造するこ
とができる。
【0056】更に、本発明においては、電子ビーム照射
ヘッド部が、差動静圧浮上手段によって浮上されて、電
子ビームの被照射体と所要の距離を保持する構成とした
ことから、被照射体に厚さむらが存在する場合において
もヘッド部との間隔を一定に保持できることから、確実
に所要のパターン描画を行うことができるものである。
ヘッド部が、差動静圧浮上手段によって浮上されて、電
子ビームの被照射体と所要の距離を保持する構成とした
ことから、被照射体に厚さむらが存在する場合において
もヘッド部との間隔を一定に保持できることから、確実
に所要のパターン描画を行うことができるものである。
【0057】また、上述したように、差動静圧浮上手段
からの気体を利用することによって、電子ビームの被照
射体の電荷を除電するようにすることによって、この除
電のための特段の装置を設けることを回避できることか
ら、装置の膨大化、複雑化を回避することができる。特
に、被照射体の支持体を可動構成とする場合において、
除電装置を設ける構成とすることは、より装置全体の複
雑化を来すことになるが、本発明によれば、このな不都
合を回避できるものである。
からの気体を利用することによって、電子ビームの被照
射体の電荷を除電するようにすることによって、この除
電のための特段の装置を設けることを回避できることか
ら、装置の膨大化、複雑化を回避することができる。特
に、被照射体の支持体を可動構成とする場合において、
除電装置を設ける構成とすることは、より装置全体の複
雑化を来すことになるが、本発明によれば、このな不都
合を回避できるものである。
【0058】そして、このように被照射体の帯電を効果
的に排除することができるようにしたことによって、電
子ビーム照射作業を終了して、この被照射体を外気にさ
らした場合における、塵埃等の付着を回避でき、これに
よる汚染、汚損を効果的に回避できる。
的に排除することができるようにしたことによって、電
子ビーム照射作業を終了して、この被照射体を外気にさ
らした場合における、塵埃等の付着を回避でき、これに
よる汚染、汚損を効果的に回避できる。
【0059】上述したように、装置の簡略、小型化が図
られ、安定した電子ビームの照射動作、帯電防止等を行
うことができることから、本発明装置によれば、多くの
製品の歩留りの向上、コストの低廉化を図ることができ
るなど、工業的に多くの利益をもたらすことができるも
のである。
られ、安定した電子ビームの照射動作、帯電防止等を行
うことができることから、本発明装置によれば、多くの
製品の歩留りの向上、コストの低廉化を図ることができ
るなど、工業的に多くの利益をもたらすことができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子ビーム照射装置の一例の概略
構成図である。
構成図である。
【図2】本発明による電子ビーム照射装置の一例の要部
の概略断面図である。
の概略断面図である。
【図3】本発明による電子ビーム照射装置の一例の電子
ビーム照射ヘッド部の正面図である。
ビーム照射ヘッド部の正面図である。
【図4】A〜Dは、本発明装置を適用して記録媒体製造
用原盤を製造する製造工程図である。
用原盤を製造する製造工程図である。
1・・・電子ビームコラム、2・・・電子ビーム、3・
・・電子ビームの被照射体、4・・・電子ビームの被照
射体の支持体、5・・・電子ビーム出射孔、6・・・電
子ビーム照射ヘッド部、11・・・電子銃、12・・・
コンデンサ電子レンズ、13・・・電子ビーム変調手
段、14・・・アパーチャ、15・・・制限板、16・
・・偏向手段、17・・・フォーカス調整手段、18・
・・対物電子レンズ、20・・・通路、21・・・ブロ
ック、22・・・差動静圧浮上手段、22a・・・リン
グ状圧縮気体供給路、22b・・・通気パッド、31・
・・基板、32・・・レジスト、40・・・固定部、4
1・・・伸縮接合機構、50,51,52・・・排気手
段、53・・・圧縮気体供給源、61・・・第1のリン
グ状気体吸引溝、62・・・第2のリング状気体吸引
溝、71・・・微細パターン、72・・・原盤、73・
・・微細凹凸パターン、74・・・スタンパー、80・
・・イオナイザ、81・・・帯電量測定センサ、82・
・・イオナイサコントローラ
・・電子ビームの被照射体、4・・・電子ビームの被照
射体の支持体、5・・・電子ビーム出射孔、6・・・電
子ビーム照射ヘッド部、11・・・電子銃、12・・・
コンデンサ電子レンズ、13・・・電子ビーム変調手
段、14・・・アパーチャ、15・・・制限板、16・
・・偏向手段、17・・・フォーカス調整手段、18・
・・対物電子レンズ、20・・・通路、21・・・ブロ
ック、22・・・差動静圧浮上手段、22a・・・リン
グ状圧縮気体供給路、22b・・・通気パッド、31・
・・基板、32・・・レジスト、40・・・固定部、4
1・・・伸縮接合機構、50,51,52・・・排気手
段、53・・・圧縮気体供給源、61・・・第1のリン
グ状気体吸引溝、62・・・第2のリング状気体吸引
溝、71・・・微細パターン、72・・・原盤、73・
・・微細凹凸パターン、74・・・スタンパー、80・
・・イオナイザ、81・・・帯電量測定センサ、82・
・・イオナイサコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 541G (72)発明者 稲垣 敬夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H097 AA03 CA16 EA01 HA04 HB04 LA20 5C034 BB06 5D121 BB21 BB38 5F056 AA03 CB05 CB32 DA23 EA12 EA14 EA16
Claims (10)
- 【請求項1】 電子ビーム照射方法にあって、 電子ビーム出射部と、電子ビームの被照射体との間にお
いて、上記電子ビームの通路部を限定的に真空空間と
し、 電子ビームの照射状態において、上記真空空間外で、上
記電子ビームの被照射体に気体を接触させて、該被照射
体に帯電した電荷を消失ないしは減少させるようにした
ことを特徴とする電子ビーム照射方法。 - 【請求項2】 上記被照射体に接触させ、帯電した電荷
を消失ないしは減少させる気体が、正または負にイオン
化された不活性気体であることを特徴とする請求項1に
記載の電子ビーム照射方法。 - 【請求項3】 上記被照射体が絶縁体であることを特徴
とする請求項1に記載の電子ビーム照射方法。 - 【請求項4】 上記被照射体が、フォトレジスト層を有
する基板であり、該フォトレジスト層に対し、上記電子
ビーム照射によってパターン露光がなされるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム照射方
法。 - 【請求項5】 電子ビームの被照射体の支持体と、電子
ビーム出射部を有する電子ビーム照射ヘッド部とを有
し、 該ヘッド部の、上記電子ビーム出射部の周囲に、該ヘッ
ド部を上記電子ビームの被照射体に対し所要の微小間隙
をもって浮上させると共に、上記電子ビーム出射部と上
記電子ビームの被照射体との間の、電子ビーム通路部に
限定的に真空空間を形成するための非接触真空シール部
を構成する差動静圧浮上手段が設けられ、 上記真空空間外において、上記電子ビームの被照射体に
気体を接触させて、該被照射体に帯電した電荷を消失な
いしは減少させるようにしたことを特徴とする電子ビー
ム照射装置。 - 【請求項6】 上記被照射体に帯電した電荷を消失ない
しは減少させる気体が、上記差動静圧浮上手段からの噴
出気体であることを特徴とする請求項5に記載の電子ビ
ーム照射装置。 - 【請求項7】 上記気体が、正または負にイオン化され
た不活性気体であることを特徴とする請求項5または6
に記載の電子ビーム照射装置。 - 【請求項8】 上記被照射体が絶縁体であることを特徴
とする請求項5、6または7に記載の電子ビーム照射装
置。 - 【請求項9】 上記支持体は、上記電子ビーム照射ヘッ
ド部に対して上記電子ビームの被照射体を相対的に移動
する移動機構を具備し、上記電子ビームが、上記被照射
体上を走査するようになされたことを特徴とする請求項
5、6、7または8に記載の電子ビーム照射装置。 - 【請求項10】 上記被照射体が、フォトレジスト層を
有する基板であり、該フォトレジスト層に対し、上記電
子ビーム照射によってパターン露光がなされるものであ
ることを特徴とする請求項5、6、7、8または9に記
載の電子ビーム照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000402147A JP2002203774A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 電子ビーム照射方法と電子ビーム照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000402147A JP2002203774A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 電子ビーム照射方法と電子ビーム照射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002203774A true JP2002203774A (ja) | 2002-07-19 |
Family
ID=18866488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000402147A Pending JP2002203774A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 電子ビーム照射方法と電子ビーム照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002203774A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006016613A1 (ja) | 2004-08-11 | 2006-02-16 | Hitachi High-Technologies Corporation | 走査型電子顕微鏡 |
-
2000
- 2000-12-28 JP JP2000402147A patent/JP2002203774A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006016613A1 (ja) | 2004-08-11 | 2006-02-16 | Hitachi High-Technologies Corporation | 走査型電子顕微鏡 |
US7459681B2 (en) | 2004-08-11 | 2008-12-02 | Hitachi High-Technologies Corporation | Scanning electron microscope |
US8698080B2 (en) | 2004-08-11 | 2014-04-15 | Hitachi High-Technologies Corporation | Scanning electron microscope |
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