JP2002202027A - インジェクタ - Google Patents

インジェクタ

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JP2002202027A
JP2002202027A JP2001001692A JP2001001692A JP2002202027A JP 2002202027 A JP2002202027 A JP 2002202027A JP 2001001692 A JP2001001692 A JP 2001001692A JP 2001001692 A JP2001001692 A JP 2001001692A JP 2002202027 A JP2002202027 A JP 2002202027A
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housing
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ice
injector
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JP2001001692A
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English (en)
Inventor
Keiji Minamino
圭史 南野
Mutsumi Tsujino
睦 辻野
Toru Sato
佐藤  亨
Takashi Okada
岡田  隆
Jun Yamada
潤 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リッチスパイク現象の発生を抑制し、燃焼状
態の安定化を図ることができるインジェクタを提供す
る。 【解決手段】 液化石油ガスを噴射するための噴射口2
2を、ハウジング11に往復動可能に保持されたバルブ
18に一体的に設けられたプレート部20に形成する。
プレート部20は、ハウジング11の外側において、前
記燃料通路に連通した筒状部15と密接した状態でガイ
ドされている。バルブ18の振動に伴ってバルブ受け部
16の突起24と噴射口22との間に液化石油ガスが通
過可能な隙間が形成され、該ガスが噴射される。前記ガ
スの気化時に生成され噴射口22や筒状部15の内周側
に付着した氷は、バルブ18の振動に伴うプレート部2
0の振動により振るい落とされたり掻き落とされたりし
て除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両用エ
ンジンに搭載されるインジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジン燃焼室に供給するた
めの混合気(燃料と空気との混合気)を生成するための
装置として、燃料噴射装置(インジェクタ)が知られて
いる。このインジェクタは、内部から外部に向けて液体
燃料を噴射することで、該液体燃料を気化させて燃焼し
やすい状態にする。
【0003】図4には、この種のインジェクタの、燃料
が噴射される噴射口側の部分の一例が示されている。図
4に示すように、インジェクタ50のハウジング51内
には、ソレノイドコイル52及びバルブ53が配設され
ている。バルブ53はハウジング51の軸線方向(図4
では上下方向)に往復動可能に収容されており、バネ5
4によって噴射口55を閉じる方向に付勢された状態に
なっている。ソレノイドコイル52が通電されていない
状態では、該ソレノイドコイル52に磁力が発生してい
ないため、バルブ53がバネ54によって噴射口55側
に押し付けられ、バルブ室56において噴射口55が閉
塞された状態となる。ソレノイドコイル52が通電状態
になると、バルブ53がソレノイドコイル52の磁力に
引きつけられて、バネ54の押圧力に抗して上方にスラ
イド移動し、噴射口55が開かれた状態になる。この状
態では、図示しないプレッシャレギュレータによって加
圧されて同じく図示しない燃料タンク側からバルブ室5
6に導入された液体燃料が噴射口55を介して外部に噴
射され得る状態になる。噴射口55を介してハウジング
51外部に噴射された液体燃料は、高圧な状態から開放
されることにより気化され、ハウジング51外部の空気
と混ざり合って燃焼に適した混合気状態になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記液体燃
料が気化される際には、その気化のために気化熱が奪わ
れるため、噴射口55周辺は急激に冷却されることにな
る。さらに、気化後の膨張により冷却された前記燃料が
ハウジング51の噴射口55周辺に回り込んで付着する
ことにより、この噴射口55周辺の冷却が促進される。
その結果、ハウジング51の噴射口55周辺には、該ハ
ウジング51の雰囲気中に含まれる水分が冷却されて噴
射口55周辺に着氷した状態になる。
【0005】この現象によって生成された氷Aには前記
燃料が混入している。この氷Aが成長してある程度大き
くなった後にハウジング51から剥がれ落ちると、該氷
Aに含まれていた燃料が該氷Aの融解にともなって前記
混合気と混ざり合い、該混合気の空燃比が急激にリッチ
な状態となる。この空燃比の急激なリッチ化は、前記エ
ンジン燃焼室においてリッチスパイク現象が発生する原
因となる。リッチスパイク現象が発生すると、前記エン
ジン燃焼室における燃焼が不安定になる。
【0006】本発明の目的は、リッチスパイク現象の発
生を抑制し、燃焼状態の安定化を図ることができるイン
ジェクタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、液体燃料を噴射するた
めの噴射口を、燃料通路が内設されたハウジング、また
は、該ハウジングに往復動可能に保持されるとともに前
記噴射口を開閉するための動作を行うバルブに形成した
インジェクタであって、前記バルブに氷除去部を一体的
に設け、前記バルブの移動に伴う前記氷除去部の振動に
より、前記噴射口側に付着した氷を除去するようにした
ことを要旨とする。
【0008】この発明では、バルブとともに氷除去部を
振動させて積極的に噴射口側に付着した氷を除去する
(振るい落としたり掻き落としたりする)ため、氷の成
長を抑制することができる。したがって、前記氷に混入
していた燃料が、成長した前記氷の融解に伴って混合気
(燃料と空気との混合気)と混ざり合うことで空燃比が
急激にリッチな状態となることが抑制されるため、リッ
チスパイクの発生が抑えられ、燃焼状態が安定する。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、プレート状に形成されるとともに前記
噴射口が形成された前記氷除去部を前記ハウジングの外
側に配設し、前記燃料通路に連通するとともに前記氷除
去部を該氷除去部と密接した状態でガイドする筒状部を
前記ハウジングの外側に設け、前記バルブの移動に伴っ
て前記ハウジング側と前記噴射口との間に前記液体燃料
が通過可能な隙間が形成されるように構成したことを要
旨とする。
【0010】この発明によれば、前記液体燃料は、燃料
通路、筒状部、及び、ハウジングの外側において前記筒
状部と密接した状態で往復動するプレート状の氷除去部
に形成された噴射口を介してインジェクタから噴射され
る。前記氷は前記ハウジングの外側において付着するた
め、前記氷除去部が前記ハウジングの外側に配設される
ことで、該氷除去部による直接的な前記氷の除去が容易
になる。すなわち、前記インジェクタが、氷の除去に適
した構成となる。噴射された燃料の気化熱などにより生
成される氷は、インジェクタ側(筒状部の内周側や氷除
去部の外側)に付着したとしても、前記氷除去部の振動
(往復動)により、その成長が抑制される。したがっ
て、混合気の急激なリッチ化、ひいては、リッチスパイ
クの発生の抑制が可能になる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記噴射口が前記ハウジングに設けら
れ、前記氷除去部が、前記噴射口を前記ハウジングの外
側から開閉するための蓋部とされ、前記バルブの移動に
伴って前記蓋部と前記噴射口との間に前記液体燃料が通
過可能な隙間が形成されるように構成されたことを要旨
とする。
【0012】この発明によれば、前記液体燃料は、ハウ
ジングに設けられた噴射口と、該噴射口を前記ハウジン
グの外側から開閉する蓋部との隙間を介してインジェク
タから噴射される。つまり、氷除去部を、氷が付着する
ハウジングの外側に配設することができるため、前記氷
除去部による直接的な前記氷の除去が容易になり、前記
インジェクタが前記氷の除去に適した構成となる。ま
た、熱収支の関係において、一定気化熱に対し、冷却さ
れる面積が大きくなるため、ハウジング先端部の温度低
下を抑制することができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記噴射口が前記ハウジングの先端部
分に設けられ、該先端部分の外周側が、前記噴射口側ほ
ど小径になるように所定のテーパ角度でテーパ状に形成
されたことを要旨とする。
【0014】この発明によれば、噴射口が設けられたハ
ウジングの先端部分の外周側を、該噴射口側ほど小径に
なるように所定のテーパ角度でテーパ形状にすること
で、該噴射口から噴射された燃料の該ハウジングへの付
着を抑制することができる。したがって、前記ハウジン
グ先端部分における前記氷の成長、ひいては、該氷に混
入していた燃料が該氷の融解に伴って混合気(燃料と空
気との混合気)と混ざり合うことによる空燃比の急激な
リッチ化、即ち、リッチスパイクの発生が抑えられる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一項に記載の発明において、前記液体燃料は、
液化石油ガスであることを要旨とする。液化石油ガス
は、高圧下において液状に保たれており、前記噴射口か
らの噴射時には、それが一気に低圧状態に開放されるこ
とになる。この大きな圧力差により、液化石油ガスは大
きく膨張し、その際には該ガスによって大量の熱が周囲
から奪われる。つまり、液化石油ガスを液体燃料とする
インジェクタにおいては、請求項1〜4のいずれか一項
に記載の発明の効果が特に有用に発揮される。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0017】図1(a)及び(b)に示すように、イン
ジェクタ10のハウジング11には、その中心部分に、
バネ室12が区画形成されている。バネ室12の周囲に
はソレノイド室13が区画形成されており、該ソレノイ
ド室13には、ソレノイドコイル14が配設されてい
る。ソレノイドコイル14は図示しない給電装置に接続
され、該給電装置からの給電により磁力を発生し得る構
成となっている。
【0018】ハウジング11の外側には、先端部分(図
1(a)における下方の部分)に円筒状の筒状部15が
延設されている。また、ハウジング11の前記先端部分
であって筒状部15の内側には、略円筒状のバルブ受け
部16が延設されている。バルブ受け部16の内側に
は、バネ室12とハウジング11外部とを連通する連通
孔17が形成されている。
【0019】ハウジング11には、バルブ18が、該ハ
ウジング11の軸線方向(図1では上下方向)に沿って
往復動可能に保持されている。図1(a)及び図2に示
すように、バルブ18は、アーマチャ部19及びプレー
ト部20と、両者の中心部分同士を連結するロッド部2
1とを備えている。アーマチャ部19は、その外径がバ
ネ室12の内径にほぼ等しい円板状に形成されている。
ロッド部21は円柱状を呈しており、その外径は、連通
孔17の内径にほぼ等しくなるように設定されている。
プレート部20は、その外径が筒状部15の内径に等し
い円板状に形成されている。
【0020】図1(a)、(b)及び図2に示すよう
に、プレート部20には、ロッド部21側と反ロッド部
21側とを連通する4つの噴射口22が形成されてい
る。噴射口22は、プレート部20のロッド部21側に
おいてはロッド部21に近接した箇所において開口さ
れ、反ロッド部21側においては前記箇所よりも該プレ
ート部20の外周寄りの箇所において開口されている。
つまり、噴射口22は、プレート部20においてロッド
部21側から反ロッド部21側に向かうにしたがってプ
レート部20の外周側に向かうように形成されている。
【0021】バルブ18は、ロッド部21が連通孔17
に貫挿された状態で、アーマチャ部19がバネ室12
に、プレート部20が筒状部15内に収容されるように
なっている。バネ室12において、アーマチャ部19の
下側には、圧縮バネ23が配設されており、該圧縮バネ
23によってバルブ18が上方(図1(a)における上
方)に向けて付勢されるようになっている。バルブ18
は、プレート部20がバルブ受け部16に当接すること
でその上方への移動が規制されるようになっている。バ
ルブ受け部16の先端(図1(a)における下端)に
は、噴射口22のロッド部21側の開口と対応する箇所
に半球状の突起24が噴射口22と同数だけ形成されて
いる。プレート部20がバルブ受け部16に当接してバ
ルブ18の上方への移動が規制されたとき、突起24が
噴射口22に入り込むようにして(突起24が噴射口2
2に入り込んだ状態で)該噴射口22を閉塞するように
なっている。つまり、バルブ18は、圧縮バネ23によ
って、噴射口22が閉塞される方向に付勢されている。
【0022】バネ室12には、図示しない燃料タンク側
から、液体燃料としての液化石油ガスが導入されるよう
になっている。バネ室12内の圧力は、図示しないプレ
ッシャレギュレータによって高圧に維持されている。バ
ネ室12に導入された液化石油ガスは、連通孔17とロ
ッド部21との隙間を介して筒状部15の内周側に導入
されるようになっている。なお、バネ室12及び連通孔
17によって、ハウジング11に内設されるとともに筒
状部15に連通する燃料通路が構成されている。
【0023】前記給電装置からの給電によりソレノイド
コイル14が励磁されると、アーマチャ部19がその磁
力によって引きつけられ、バルブ18が圧縮バネ23の
押圧力に抗して下方に所定のストロークだけスライド移
動するようになっている。このバルブ18のスライド移
動により噴射口22の前記開口とバルブ受け部16の突
起24との間に隙間が生じると、筒状部15の内周側に
導入された前記液化石油ガスが噴射口22を介して外部
に噴射される。なお、バルブ18は、前記スライド移動
において、プレート部20の下面(反ロッド部21側の
面)が筒状部15の先端(下端)にほぼ一致した状態と
なるまで下方(図1(a)における下方)に移動するよ
うになっている。
【0024】一方、この状態から、前記給電装置からの
給電が停止されてソレノイドコイル14が消磁される
と、バルブ18は圧縮バネ23の押圧力により上方にス
ライド移動するようになっている。このバルブ18のス
ライド移動によりプレート部20がバルブ受け部16に
当接して噴射口22の前記開口が突起24によって閉塞
されると、液化石油ガスの噴射口22を介した外部への
噴射が停止される。
【0025】本実施形態のインジェクタ10の燃料噴射
量に関するコントロールは、図示しない制御装置による
前記給電装置からソレノイドコイル14への給電時間制
御によって行われる。この給電時間制御は、前記給電装
置からソレノイドコイル14への断続的な給電における
給電時間と非給電時間との割合の制御(デューティ制
御)によって実現される。この断続的な給電により、バ
ルブ18は振動する。
【0026】ところで、インジェクタ10の噴射口22
側においては、前記液化石油ガスが外部に噴射されて気
化されることによって気化熱が奪われるため、噴射口2
2周辺は急激に冷却されることになる。さらに、インジ
ェクタ10内の高圧状態から開放された前記液化石油ガ
スは膨張し、それ自体が低温な状態になる。そのため、
低温な状態にある気化後の前記液化石油ガスがプレート
部20外側(図1(a)では下側)における筒状部15
の内周面や該プレート部20外周域に回り込んで付着す
ることにより、これらの部分の冷却が促進される。その
結果、前記筒状部15の内周面やプレート部20の外周
域などのインジェクタ10の噴射口22側の部分は、該
インジェクタ10の雰囲気中に含まれる水分が冷却され
て着氷した状態になる。しかし本実施形態のインジェク
タ10では、バルブ18のプレート部20が筒状部15
の内周面に密接した状態で振動するように構成されてい
るため、前述の氷はプレート部20から振るい落とされ
るとともに筒状部15の内周面から掻き落とされる。
【0027】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) プレート部20を振動させて、プレート部20
や筒状部15の内周面に付着した氷を積極的に振るい落
としたり掻き落としたりするようにした。このため、プ
レート部20や筒状部15の内周面に付着した氷の成長
を抑制することができる。したがって、前記氷に混入し
ていた液化石油ガスが、成長した前記氷の融解に伴って
混合気(前記燃料と空気との混合気)と混ざり合うこと
で空燃比が急激にリッチな状態となることが抑制され
る。その結果、リッチスパイク現象の発生が抑えられ、
燃焼状態が安定する。
【0028】また、プレート部20や筒状部15の内周
面に氷が付着した状態のままエンジン停止により燃料噴
射が停止された場合などには、プレート部20や筒状部
15の内周面の温度上昇に伴って氷が融解して水とな
り、これが噴射口22近傍に付着した状態となることが
ある。例えば、この状態のインジェクタ10が寒冷地な
どの低温下で放置されて冷却されると、前記水が再び氷
結して噴射口22が塞がれた状態となることがある。こ
の再氷結による噴射口22の閉塞は、インジェクタ10
の再駆動、即ち、前記エンジンの再始動の妨げとなる。
本実施形態のインジェクタ10では、前記再氷結の原因
となる残留氷が前もって除去されることになるため、こ
の不具合の発生をも抑えることが可能になる。
【0029】(2) 燃料噴射時には、プレート部20
が常時振動する構成となっている。このため、前記燃料
噴射時には、プレート部20や筒状部15の内周面に付
着した氷が、常にプレート部20の振動によって振るい
落とされたり掻き落とされたりして除去される。したが
って、前記氷の成長が効果的に抑制される。
【0030】(3) プレート部20をハウジング11
の外側に配設し、該プレート部20に形成した噴射口2
2を介して燃料噴射が行われるようにした。液化石油ガ
スの気化時に生成される氷はハウジング11の外側にお
いて付着するため、プレート部20がハウジング11の
外側に配設されることで、プレート部20による直接的
な前記氷の除去が容易になる。すなわち、インジェクタ
10が前記氷の除去に適した構成となる。
【0031】(4) バルブ18の往動時には、プレー
ト部20の下面が筒状部15の先端にほぼ一致した状態
となるまで下方に移動するように構成した。これによれ
ば、プレート部20外側における筒状部15の内周面に
付着した氷をほぼ全て掻き落とすことができる。
【0032】(5) 本実施形態では、液体燃料とし
て、液化石油ガスを用いている。液化石油ガスは、高圧
下において液状に保たれており、噴射口22からの噴射
時には、それが一気に低圧状態に開放されることにな
る。この大きな圧力差により、液化石油ガスは大きく膨
張し、その際には該ガスによって大量の熱が周囲から奪
われる。つまり、液化石油ガスを液体燃料とするインジ
ェクタ10においては、前記氷が生成されやすい状態と
なっている。したがって、本実施形態のインジェクタ1
0を液化石油ガスの噴射に用いることは、燃焼の安定化
を図る上において特に有用であるといえる。
【0033】(6) プレート部20がバルブ受け部1
6に当接してバルブ18の上方への移動が規制されたと
き、突起24が噴射口22に入り込んだ状態で該噴射口
22を閉塞するようにした。これによれば、突起24が
形成されていない状態の(プレート部20との当接部が
平面状の)バルブ受け部16で噴射口22を塞ぐように
した場合に比較して、シール性を向上させることが可能
になる。
【0034】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態を図3に従って説明する。この第2の実施形態
のインジェクタ30は、前記第1の実施形態においてハ
ウジング11の前記先端部分の形状及びバルブ18のプ
レート部20の形状を変更したものであり、その他の点
では第1の実施形態のインジェクタ10と同一の構成に
なっている。従って、第1の実施形態と共通する構成部
分については図面上に同一符号を付して重複した説明を
省略する。
【0035】図3に示すように、インジェクタ30のハ
ウジング31の先端部分(図3における下方の部分)に
は、連通孔17を介してバネ室12と連通する噴射口3
2が形成されている。噴射口32の内径は連通孔17の
内径よりも大きく設定されている。ハウジング31の先
端部分の外周側は、噴射口32側ほど小径になるように
所定のテーパ角度でテーパ状に形成されている。なお、
バネ室12及び連通孔17によって、ハウジング31に
内設されるとともに噴射口32側に連通する燃料通路が
構成されている。
【0036】バルブ33の下端側には、ロッド部21に
よってアーマチャ部19(図3では図示を省略)と連結
された蓋部34が配設されている。蓋部34は、ロッド
部21側ほど小径になるように設定された円錐台状に形
成されている。ロッド部21はこの円錐台状の蓋部34
の中心部分に立設された状態となっている。蓋部34の
ロッド部21側の最小径部分の径は噴射口32の開口の
内径よりも小さく設定されている。また、蓋部34の下
端側である反ロッド部21側の最大径部分の径は噴射口
32の開口の内径よりも大きく設定されている。
【0037】バルブ33は、圧縮バネ23の押圧力によ
って蓋部34の外周面が噴射口32の開口部分に当接す
ることでその上方への移動が規制されるようになってい
る。蓋部34の外周面が前記開口部分に当接してバルブ
33の上方への移動が規制されたとき、蓋部34の前記
外周面と噴射口32の前記開口部分との間の隙間がなく
なって噴射口32が閉塞されるようになっている。すな
わち、この実施形態のインジェクタ30は、蓋部34に
よって噴射口22がハウジング31の外側から開閉され
るように構成されている。
【0038】前記給電装置からの給電によりソレノイド
コイル14が励磁されると、この磁力作用によりバルブ
33が圧縮バネ23の押圧力に抗して下方にスライド移
動するようになっている。このスライド移動により噴射
口32の前記開口部分と蓋部34の前記外周面との間に
隙間が生じると、連通孔17を介してバネ室12側から
噴射口32側に導入された液化石油ガスGが前記隙間を
介して外部に噴射される。
【0039】一方、この状態から、前記給電装置からの
給電が停止されてソレノイドコイル14が消磁される
と、バルブ33は圧縮バネ23の押圧力により上方にス
ライド移動するようになっている。このスライド移動に
より蓋部34の前記外周面が噴射口32の前記開口部分
に当接して噴射口22が閉塞されると、液化石油ガスG
の外部への噴射が停止される。
【0040】また、この実施形態のインジェクタ30に
おいても、燃料噴射量に関するコントロールは、前記第
1の実施形態のインジェクタ10と同様に、ソレノイド
コイル14への前記給電時間制御(デューティ制御)に
よって行われている。このデューティ制御による断続的
な給電により、バルブ33は振動する。
【0041】なお、蓋部34の前記外周面の傾斜角度
(テーパ角度)及び噴射口32の前記開口部分の断面形
状は、噴射されて気化された燃料(この燃料は液体状態
では液化石油ガスGである)がハウジング31の外周側
に回り込み難いようにそれぞれ所定の角度及び形状に形
成されている。また、ハウジング31の前記先端部分の
外周側のテーパ角度は、噴射されて気化された前記燃料
がハウジング31の外周側に回り込んだとしても付着し
ない程度に設定されている。
【0042】本実施形態では、第1の実施形態に関する
上記の(5)と同様の効果の他に、以下のような効果を
得ることができる。 (7) ハウジング31の先端部分の外周側を、噴射口
32側ほど小径になるように所定のテーパ角度でテーパ
状に形成した。これによれば、噴射口32から噴射され
た前記燃料のハウジング31への回り込みによる付着を
抑制することができる。これによりハウジング31の先
端部分の前記燃料の付着による冷却が抑制され、該先端
部分への着氷が抑えられる。したがって、前記先端部分
における前記氷の成長、ひいては、該氷に混入していた
前記燃料が該氷の融解に伴って混合気(燃料と空気との
混合気)と混ざり合うことによる空燃比の急激なリッチ
化、即ち、リッチスパイクの発生が抑えられる。
【0043】(8) インジェクタ30は、蓋部34に
よって噴射口22がハウジング31の外側から開閉され
るように構成されている。つまり、蓋部34はハウジン
グ31の外側寄りに配置された状態になっている。液化
石油ガスGの気化時に生成される氷はハウジング31の
外側において付着し得るものであるため、蓋部34がハ
ウジング11の外側寄りに配置されることで、蓋部34
による直接的な前記氷の除去が容易になる。すなわち、
インジェクタ30は、前記氷の除去に適した構成とな
る。
【0044】(9) 蓋部34が振動しながら噴射口3
2を開閉するように構成されている。このため、蓋部3
4の外側やハウジング31外部に氷が付着したとして
も、前記振動により該氷が除去されるため、該氷の成長
の抑制が可能になる。したがって、前記氷に混入してい
た前記燃料が、成長した前記氷の融解に伴って混合気
(前記燃料と空気との混合気)と混ざり合うことで空燃
比が急激にリッチな状態となることが抑制される。その
結果、リッチスパイク現象の発生が抑えられ、燃焼状態
が安定する。
【0045】(10) 燃料噴射時には、プレート部2
0が常時振動する構成となっている。このため、前記燃
料噴射時には、蓋部34の外側やハウジング31外部に
氷が付着したとしても、該氷の成長が効果的に抑制され
る。
【0046】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ・ インジェクタ10,30は、液化石油ガス以外の、
例えば、ガソリン、軽油やアルコール燃料を噴射するた
めのものであってもよい。
【0047】・ 第1の実施形態では、プレート部20
に4つの噴射口22を形成したが、4つ以外の、例え
ば、3つでも5つでも6つでもよい。この場合、バルブ
受け部16の突起24が噴射口22に対応する場所に同
数だけ設けられていればよい。
【0048】・ 第1の実施形態では、バルブ18が、
プレート部20の下面が筒状部15の先端(下端)にほ
ぼ一致する位置までスライド移動するように構成されて
いたが、プレート部20の下面が筒状部15の先端より
も上方の位置までしかスライド移動しない構成であって
もよい。
【0049】・ 第1の実施形態において、バルブ受け
部16には突起24が形成されていなくてもよい。即
ち、突起24が設けられていない状態のバルブ受け部1
6の先端面(下端面)にて噴射口22のロッド部21側
の開口を閉塞するようにしてもよい。
【0050】・ 第1の実施形態では、バルブ18のロ
ッド部21を中心とした回転による噴射口22と突起2
4との位置ずれが起こらないように、該バルブ18の回
転防止を図るようにするとなおよい。例えば、バルブ1
8とハウジング11側とに、それぞれ互いに係合可能な
溝部と条部とをバルブ18の往復動方向に延びるように
設けて、両者の相対回転を防止するようにしてもよい。
【0051】・ 第2の実施形態における蓋部34の前
記外周面の傾斜角度(テーパ角度)及び噴射口32の前
記開口部分の断面形状は、噴射されて気化された燃料が
ハウジング31の外周側に回り込み難いように所定の角
度及び形状に形成されている必要はない。
【0052】・ 第2の実施形態において、ハウジング
31の先端部分の外周側は、テーパ形状に形成されてい
なくてもよい。例えば、ハウジング31の軸線方向に沿
った外周面を有するように形成されていてもよい。
【0053】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (1) 請求項2に記載の発明において、前記バルブ
が、前記氷除去部が前記筒状部の先端にほぼ一致する位
置まで移動する。
【0054】(2) 請求項2に記載の発明において、
前記噴射口は、前記ハウジング側に設けられた突起が該
噴射口に入り込んだ状態で閉塞される。 (3) 請求項3または4に記載の発明において、前記
蓋部の外周面が所定のテーパ角度でテーパ状に形成され
ている。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5に記
載の発明によれば、インジェクタにおいて、リッチスパ
イク現象の発生を抑制し、燃焼状態の安定化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第1の実施形態のインジェクタの要部断
面図、(b)同じくインジェクタの先端部分の下面図。
【図2】同じくバルブの概略斜視図。
【図3】第2の実施形態のインジェクタの要部断面図。
【図4】従来技術におけるインジェクタの要部断面図。
【符号の説明】
10,30…インジェクタ、11,31…ハウジング、
12…燃料通路を構成するバネ室、15…筒状部、17
…燃料通路を構成する連通孔、18,33…バルブ、2
0…氷除去部としてのプレート部、22,32…噴射
口、24…突起、34…蓋部、G…液化石油ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000004695 株式会社日本自動車部品総合研究所 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 (74)上記1名の代理人 100105957 弁理士 恩田 誠 (72)発明者 南野 圭史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 辻野 睦 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 佐藤 亨 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 岡田 隆 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 山田 潤 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 3G066 AB02 AD07 BA32 CC01 CC20 CC37 CC40 CE22 CE34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体燃料を噴射するための噴射口を、燃
    料通路が内設されたハウジング、または、該ハウジング
    に往復動可能に保持されるとともに前記噴射口を開閉す
    るための動作を行うバルブに形成したインジェクタであ
    って、 前記バルブに氷除去部を一体的に設け、前記バルブの移
    動に伴う前記氷除去部の振動により、前記噴射口側に付
    着した氷を除去するようにしたインジェクタ。
  2. 【請求項2】 プレート状に形成されるとともに前記噴
    射口が形成された前記氷除去部を前記ハウジングの外側
    に配設し、前記燃料通路に連通するとともに前記氷除去
    部を該氷除去部と密接した状態でガイドする筒状部を前
    記ハウジングの外側に設け、前記バルブの移動に伴って
    前記ハウジング側と前記噴射口との間に前記液体燃料が
    通過可能な隙間が形成されるように構成した請求項1に
    記載のインジェクタ。
  3. 【請求項3】 前記噴射口が前記ハウジングに設けら
    れ、前記氷除去部が、前記噴射口を前記ハウジングの外
    側から開閉するための蓋部とされ、前記バルブの移動に
    伴って前記蓋部と前記噴射口との間に前記液体燃料が通
    過可能な隙間が形成されるように構成された請求項1に
    記載のインジェクタ。
  4. 【請求項4】 前記噴射口が前記ハウジングの先端部分
    に設けられ、該先端部分の外周側が、前記噴射口側ほど
    小径になるように所定のテーパ角度でテーパ状に形成さ
    れた請求項3に記載のインジェクタ。
  5. 【請求項5】 前記液体燃料は、液化石油ガスである請
    求項1〜4のいずれか一項に記載のインジェクタ。
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