JP2002201319A - 植物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物、及びその製造方法 - Google Patents

植物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物、及びその製造方法

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JP2002201319A
JP2002201319A JP2001329368A JP2001329368A JP2002201319A JP 2002201319 A JP2002201319 A JP 2002201319A JP 2001329368 A JP2001329368 A JP 2001329368A JP 2001329368 A JP2001329368 A JP 2001329368A JP 2002201319 A JP2002201319 A JP 2002201319A
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plant
polyolefin
resin
based filler
filler
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JP2001329368A
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Keisuke Hashimoto
圭祐 橋本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形物の表面への塗装等の特別な施工を必要
とすることなく、屋外用の用途に適した高い耐候性を有
する植物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物、及
びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 植物系充填材に対して、ポリオレフィン
より親和性を有する樹脂により被覆された粒子状の植物
系充填材が、ポリオレフィン系樹脂中に分散されてなる
ことを特徴とする植物系充填材含有ポリオレフィン系樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂及び植物系充填材を主成分として含有するポリオレ
フィン系樹脂組成物、及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂
に木粉等の植物系充填材を配合した樹脂組成物について
は既に、特公平3−64553号公報に開示されてい
る。しかし、この開示されている従来の樹脂組成物の成
形物では、まだ耐候性について問題があり、屋外用の用
途等に使用するのは不適当である。このため、上記した
従来の複合樹脂組成物の成形物については、その表面
に、塗料や高耐候性の樹脂の被覆膜を設けるなどの対策
が必要とされた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した塗料
や高耐候性の被覆膜は、成形物が複雑な形状である場合
には十分に形成出来ず、また、成形物に対する切断等の
加工や、運搬、施工時に剥がれる恐れがある。この被覆
膜の剥がれが生じ易く、その剥がれ部分から耐候劣化が
進むという問題がある。
【0004】そこで、本発明は、上記した問題点を解消
し、成形物の表面への塗装等の特別な施工を必要とする
ことなく、屋外用の用途に適した高い耐候性を有する植
物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物、及びその
製造方法を提供することを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、植物系充填材に対して、ポリオレフィン系樹脂より
親和性を有する樹脂により被覆された粒子状の植物系充
填材が、ポリオレフィン系樹脂中に分散されてなる植物
系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物である。
【0006】本発明の樹脂組成物によれば、ポリオレフ
ィン系樹脂よりも植物系充填材に対し親和性を有する樹
脂により前記植物系充填材が被覆されており、植物系充
填材の劣化を効果的に防止できるから、この組成物を材
料として高耐久性の成形物を得ることができる。
【0007】また、当該植物系充填材の粒子の樹脂被覆
物は、ポリオレフィン系樹脂中に分散されてなるから、
易成形性や耐久性等のポリオレフィン系樹脂の長所と、
暖かみや保温性、木質調の外観等の植物性充填材の長所
とを有する成形物を得ることができる。
【0008】植物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組
成物について用いることができるポリオレフィン系樹脂
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポ−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これ
らは単独又は2種以上を混合して用いてもよい。また、
耐候性の点ではポリエチレンが好ましい。また、機械的
強度やコスト的な点では、ポリプロピレンが好ましい。
いずれも、リサイクル性という点でも好ましい。
【0009】植物系充填材としては、材木、パルプ、セ
ルロース、紙、合板、パーチクルボード、MDF、LV
L、竹材等の切削屑;研磨屑、鋸屑、木粉のような粉砕
物;籾殻等の穀物乃至果実の殻又はその粉砕物;ジュー
ト、ケナフ等の植物繊維又はその粉砕物等が挙げられ、
これらは単独又は2種以上の混合物として用いることが
出来る。上記植物系充填材の中でも、ポリオレフィン樹
脂中に容易に均一分散出来るという点で木粉が好まし
い。
【0010】上記植物系充填材の比率は、成形出来る範
囲で任意に設定出来るが、触感などの木質感といった点
では、植物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物
中、25〜65重量%が好ましい。25重量%未満の場
合では触感がプラスチックに近くなってしまう。また、
65%重量を超えると耐候性が低下する恐れがある。
【0011】本発明の樹脂組成物において、ポリオレフ
ィン系樹脂よりも植物系充填材に対し親和性を有する樹
脂とは以下の内容を意味する。第一に、用いられるポリ
オレフィン系樹脂と溶融混練した後、室温下で相溶しな
いものである。このような樹脂は、ポリオレフィン系樹
脂と植物系充填材と共に混練すると、植物系充填材表面
を覆う構造をとる。高分子同志の相溶性を数値化するの
は困難であるが例えば、溶解性パラメーター値(以下、
SP値)では、用いるポリオレフィン系樹脂のSP値に
近似したSP値を持つ樹脂は適さず、用いるポリオレフ
ィン系樹脂のSP値より大きなSP値を有する樹脂が好
ましい。
【0012】第二に、軟化温度が、用いられるポリオレ
フィン系樹脂の軟化温度付近もしくはそれ以下のもので
ある。ポリオレフィン系樹脂と植物系充填材と共に混練
する時に溶融していないと植物系充填材表面を覆う構造
がとれないからである。さらに好ましくは、ポリオレフ
ィン系樹脂に対して相溶化度が全くないものより、分子
中にエチレンユニットを有する等、ポリオレフィン系樹
脂にも親和性を有する樹脂が好ましい。
【0013】上記植物系充填材に対し親和性を有する樹
脂の具体例としては例えば、エチレン−酢酸ビニル共重
合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体のビニルエステル
の部分ケン化化合物;エチレンビニルアルコール共重合
体;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル等のアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリビニルアルコー
ル等のビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン等のポリビニ
リデン系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹
脂;ポリエーテル系樹脂;ポリ尿素系樹脂などが挙げら
れ、これらの単独又は2種以上を混合して用いることが
出来る。
【0014】上記樹脂中、植物系充填材とオレフィン系
樹脂との界面親和性が良好であるという点から特に、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のビニルエステルの部分ケン化化合物、エチレン
−ビニルアルコール共重合体、及びエチレン− (メタ)
アクリル酸 (エステル) 共重合体を単独又は2種以上の
混合物として用いることが好ましい。
【0015】本発明の植物系充填材含有ポリオレフィン
系樹脂組成物にはさらに、顔料、光安定剤、酸化防止剤
及び植物系充填材に対する変色防止剤等の添加剤が含有
されていることが好ましい。上記添加剤を含有させるこ
とにより、得られる成形体のさらなる耐候性や外観品質
の向上が発揮される。
【0016】上記顔料としては例えば、酸化チタン、ベ
ンガラ、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄
系ブラウン、コバルトブルー、チタン−コバルト系グリ
ーン、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック、黄
鉛、モリブデートオレンジ、紺青カーボンブラック等の
無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン、縮合多環顔料等
の有機系顔料など一般的に用いられているものが挙げら
れる。
【0017】上記光安定剤としては例えば、ベンゾトリ
アトール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート
系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系
ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤;ニッケル錯体等の
消光剤など、一般的に用いられているものが挙げられ
る。上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止
剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系
酸化防止剤等、一般的に用いられているものが挙げられ
る。
【0018】上記植物系充填材の変色防止剤としては、
セミカルバジド化合物など、一般的に用いられているも
のが挙げられる。
【0019】本発明の植物系充填材含有ポリオレフィン
系樹脂組成物には、さらに、必要に応じて、滑剤、難燃
剤、補強材、非植物系充填材、発泡剤、発泡助剤、着色
剤、帯電防止剤、酸化防止剤乃至老化防止剤、熱安定剤
などを任意的な添加物として配合しても良い。
【0020】上記滑剤としては例えば、流動パラフィ
ン、天然パラフィン、マイクロワックス等の炭化水素
系;ステアリン酸等の脂肪酸系;ステアリン酸アミド、
パルチミン酸アミド、メチレンビスステアロアミド等の
脂肪酸アミド系;ブチルアレート、硬化ヒマシ油、エチ
レングリコールモノステアレート等のエステル系;セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール
系;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸鉛等の金属石鹸系等が挙げられる。
【0021】上記難燃剤としては例えば、リン酸エステ
ル、含ハロゲンリン酸エステル、縮合リン酸エステル、
ポリリン酸エステル、ポリリン酸塩、赤リンなどのリン
系;三酸化アンチモン、グアニジン塩等の無機系;テト
ラブロモビスビスフェノールAトリブロモフェノール等
の反応型のもの等が挙げられる。
【0022】上記補強材としては例えば、ガラス繊維、
炭素繊維等が挙げられる。
【0023】上記非植物系充填材としては例えば、大理
石粉、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機系、金
属粉の金属系のもの等が挙げられる。
【0024】上記発泡剤としては例えば、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸ソーダ等の無機系発泡剤;ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、N−N’−ジニトロソテレフタ
レートアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−ト
ルエンスルホニルヒドラジド、p, p’−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’−ジスル
ホンヒドラジドフェニルスルホン、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾジカルボンアミド、アゾシカルボンアミ
ド、アゾジカルボン酸バリウム、ジエチルアゾジカルボ
キシレート等の有機系発泡剤等が挙げられる。ポリオレ
フィン系樹脂組成物に上記発泡剤を添加して例えば、押
出機により押し出しつつ発泡させたり、成形後に発泡さ
せたりすることで木質感をより向上させることも可能で
ある。
【0025】請求項5記載の本発明は、植物系充填材に
対し親和性を有する樹脂に、前記した顔料、光安定剤、
酸化防止剤、及び植物系充填材に対する変色防止剤の中
から選択された1種以上を添加し溶融混練物とした後、
この溶融混練物、植物系充填物及びポリオレフィン系樹
脂を溶融混練することを特徴とする上記植物系充填材含
有ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法である。
【0026】ポリオレフィン系樹脂と、植物系充填物に
対し親和性を有する樹脂とをドライブレンドした後に、
上記添加物を配合し、これを溶融混練して当該樹脂組成
物を得ることも可能であるが、上記製造方法によれば植
物系充填物に対し親和性を有する樹脂が、これらの添加
物の存在によって劣化して変色し易い植物系充填材の周
りをより確実に被覆した構成を得ることが出来る。
【0027】また、請求項6記載の本発明は、植物系充
填材に対して親和性を有する樹脂に、前記した顔料、光
安定剤、酸化防止剤及び植物系充填材に対する変色防止
剤の中から選択される1種以上を添加して溶融混練する
ことにより、樹脂ペレットを得る工程、前記樹脂ペレッ
ト、植物系充填物、及びポリオレフィン系樹脂を溶融混
練する工程よりなることを特徴とする請求項1〜4記載
の植物系充填材含有ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
方法である。上記過程を経ることにより得られる成形物
に対して、より高耐候性が発揮される。
【0028】本発明の樹脂組成物の製造方法に用いられ
る装置としては例えば、加熱装置を備えたミキサー、ニ
ーダー、ロール、押出機等の一般的な加熱混合装置等が
挙げられる。
【0029】また、本発明の樹脂組成物を原料として成
形物を得るための製造方法としては例えば、押出成形
法、射出成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、スタ
ンピング成形法、トランスファ成形法等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、上記成形方法により例え
ば、シート、フィルム、パイプ、異形成形品、型物等の
成形物とすることが出来る。
【0030】(作 用)本発明の耐候性向上の機構は、
以下のように考えられる。一般の植物系充填材含有ポリ
オレフィン系樹脂組成物は、製造過程で植物系充填材が
熱によって褐色の分解物を生じる。それが雨等で溶出し
変色となる。マトリックス樹脂と植物系充填材の界面に
クラック等が存在すると、さらに変色の進行が早くな
る。本発明では、植物系充填材の表面を植物系充填材に
対し親和性を有する樹脂が覆うことで、上記の褐色成分
が、ポリオレフィンよりも親和性の高い樹脂に留まり溶
出しにくくなると共に、マトリックス樹脂と植物系充填
材の界面にクラックが生じないことで耐候性が向上す
る。
【0031】さらに、植物系充填材は光によっても変色
し易く一般には、樹脂中に顔料等の光遮蔽材や紫外線吸
収剤やHALSといった光安定剤、その他植物系充填材
の変色を防ぐ添加物が配合されている。しかし、上記の
方法では、添加物が成形体全体に均質に分布するため、
変色の原因となる表面付近の植物系充填材は、添加剤に
低濃度でしか保護されていないこととなる。さらに大量
の添加剤を加えた場合、耐候性の向上は期待出来るが、
成形体内部に存在する添加物は耐候性向上に何ら寄与し
ないので大量の無駄な添加物が生じることとなる。
【0032】本発明では、植物系充填材を植物系充填材
に対し親和性を有する樹脂が被覆し、さらにこの被覆層
に顔料等の光遮蔽材、紫外線吸収剤、HALSといった
光安定剤、その他植物系充填材の変色を防ぐ添加物等を
配合出来るので光劣化する表面付近でも植物系充填材表
面に充分な添加剤濃度が得られ、より効果的にかつ経済
的に植物系充填材を保護出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施例1)エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体79重量部、酸化チタン20重量部、劣化防
止剤(商品名「AL−103」、共同薬品社製)1重量
部を、ロールミルで混練して樹脂組成物のペレットを得
た。このペレット30重量部、ポリプロピレン(商品名
「ノバテックPP」、日本ポリケム社製)60重量部、
木粉(100メッシュパス)150重量部、茶色顔料
(マスターバッチ)10重量部とを押出成形機に投入
し、溶融混練して押し出して、厚み3mmのシート状成
形物を得た。
【0034】(実施例2)エチレン−酢酸ビニル共重合
体の部分ケン化化合物(商品名「メルセンH」、東ソー
社製)79重量部、酸化チタン20重量部、劣化防止剤
(商品名「AL−103」、共同薬品社製)1重量部と
をロールミルで混練して樹脂組成物のペレットを得た。
このペレット30重量部、ポリプロピレン(商品名「ノ
バテックPP」、日本ポリケム社製)60重量部、木粉
(100メッシュパス)150重量部、茶色顔料(マス
ターバッチ)10重量部とを押出成形機に投入し、溶融
混練して押し出して、厚み3mmのシート状成形物を得
た。
【0035】(実施例3)エチレン−ビニルアルコール
共重合体(商品名「エバール」、株式会社クラレ製)7
9重量部、酸化チタン20重量部、劣化防止剤(商品名
「AL−103」、共同薬品社製)1重量部をロールミ
ルで混練して樹脂組成物のペレットを得た。このペレッ
ト30重量部、ポリプロピレン(商品名「ノバテックP
P」、日本ポリケム社製)60重量部、木粉(100メ
ッシュパス)150重量部、茶色顔料(マスターバッ
チ)10重量部とを押出成形機に投入し、溶融混練して
押し出して、厚み3mmのシート状成形物を得た。
【0036】(実施例4)エチレン−アクリル酸エチル
共重合体(商品名「エバフレックスEEA」、三井・デ
ュポンポリケミカル社製)79重量部、酸化チタン20
重量部、劣化防止剤(商品名「AL−103」、共同薬
品社製)1重量部をロールミルにて混練し、ペレットと
した。このペレット30重量部、ポリプロピレン(商品
名「ノバテックPP」、日本ポリケム社製)60重量
部、木粉(100メッシュパス)150重量部、茶色顔
料(マスターバッチ)10重量部を押出成形機で混練、
成形し厚さ3mmのシート状成形物を得た。
【0037】(実施例5)エチレン−酢酸ビニル共重合
体79重量部、酸化チタン20重量部、劣化防止剤(商
品名「AL−103」、共同薬品社製)1重量部をロー
ルミルにて混練し、ペレットとした。このペレット30
重量部、ポリエチレン(商品名「ノバテックHD」、日
本ポリケム社製)60重量部、木紛(100メッシュパ
ス)150重量部、茶色顔料(マスターバッチ)10重
量部を押出成形機で混練、成形し厚さ3mmのシート状
成形物を得た。
【0038】(実施例6)エチレン−酢酸ビニル共重合
体79重量部、酸化チタン20重量部、劣化防止剤(商
品名「AL−103」、共同薬品社製)1重量部をロー
ルミルにて混練し、ペレットとした。このペレット12
重量部、ポリエチレン(商品名「ノバテックHD」、日
本ポリケム社製)120重量部、木粉(100メッシュ
パス)60重量部、茶色顔料(マスターバッチ)8重量
部を押出成形機で混練、成形し厚さ3mmのシート状成
形物を得た。
【0039】(実施例7)エチレン−酢酸ビニル共重合
体79重量部、酸化チタン20重量部、劣化防止剤(商
品名「AL−103」、共同薬品社製)1重量部をロー
ルミルにて混練し、ペレットとした。このペレット8重
量部、ポリエチレン(商品名「ノバテックHD」、日本
ポリケム社製)144重量部、木粉(100メッシュパ
ス)40重量部、茶色顔料(マスターバッチ)8重量部
を押出成形機で混練、成形し厚さ3mmのシート状成形
物を得た。
【0040】(比較例)ポリプロピレン(商品名「ノバ
テックPP」、日本ポリケム社製)83.7重量部、木
粉(100メッシュパス)150重量部、茶色顔料(マ
スターバッチ)10重量部、酸化チタン6重量部、劣化
防止剤(商品名「AL−103」、共同薬品社製)0.
3重量部を押出成形機に投入し、溶融混練して押し出し
て厚み3mmのシート状成形物を得た。
【0041】上記実施例1〜7と、比較例の配合成分に
ついて、後述の製造方法で分かり易いように、植物系充
填材に対する被覆層以外の配合組成と、植物系充填材に
対する被覆層の配合組成とに分けて表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜7、及び比較例の成形物を、長
さ120mm、幅20mmの大きさとし、これらを試料
とした。各試料に耐候性促進試験をそれぞれ行い、その
試験後の色差(△E)を測定した。その結果を表2に示
した。なお、耐候性促進試験は、JIS A 1415
に従った。それらの結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果から、実施例の試料では比較例
の試料と比較して、いずれも、低い色差であったことが
分かる。色差がより低いことは、耐候性が向上し、成形
物の製品寿命がそれだけより長いことを示すから、成形
物をより経済的に利用することが出来ると共に、廃棄頻
度が低下することになるから、環境に対する負荷を低減
出来る。また、実施例5、6は、オレフィン系樹脂とし
てポリエチレンを用いたものであるが、ポリプロピレン
よりも耐候性に優れることが分かる。
【0046】
【表3】
【0047】また、表3には、ポリオレフィン、木紛、
植物系充填材に対する被覆層樹脂、顔料マスターバッチ
の配合比率 (重量%) を示した。実施例5、6、7は、
植物系充填材として用いる木粉の配合比率がそれぞれ6
0重量%、30重量%、20重量%である。表2の耐候
性促進試験の結果から、植物系充填材として用いている
木粉の配合比率が少ない方が耐候性に優れることが分か
る。
【0048】又、実施例5、6、7の木質感の触感を評
価すべく、それぞれのサンプル表面を80メッシュのサ
ンドペーパーで切削し、任意に選んだ10人にそれぞれ
のサンプルを触ってもらい評価した。それらの結果を表
4に示した。
【0049】
【表4】
【0050】表4の結果から木粉の比率が30重量%以
上では木質感のある触感であるが、20重量%では、プ
ラスチック感を感じる人が半数を超える結果となった。
【0051】(電子顕微鏡による観察結果)尚、実施例
5、6において得られたシート状成形物の微細構造を電
子顕微鏡で観察した結果を以下に述べる。先ず、上記成
形体を、4酸化ルテニウムで染色した後、薄膜を作製
し、透過型電子顕微鏡で観察した。染色によりエチレン
−酢酸ビニル共重合体のみが着色されて見えた。その結
果、木粉表面を染色されたエチレン−酢酸ビニル共重合
体が覆っていることが確認された。
【0052】また、同様に上記サンプル内部について、
2次電子顕微鏡を用いた反射電子像を観察した。反射電
子像は観察面の組成が観察出来、本サンプルの場合、酸
化チタンに含まれるチタン原子が光って見えた。その結
果、木粉表面に選択的に酸化チタンが存在することが確
認された。
【発明の効果】上述したように本発明から、次のような
効果が発揮される。即ち本発明の植物系充填材含有ポリ
オレフィン系樹脂組成物では、植物系充填材の表面を樹
脂被覆層で覆うように構成し、植物系充填物の耐候劣化
を効果的に防ぐことが出来るようにしたから、この樹脂
組成物から得られる成形物は、優れた耐候性を保持させ
ることが可能となった。これによって、当該組成物の成
形物によれば、従来の植物系充填材含有組成物の成形物
では適用出来なかった屋外用部材としての利用が可能と
なった。
【0053】また、本発明の植物系充填材含有ポリオレ
フィン系樹脂組成物によれば、高い耐候性を有する成形
物を得ることが出来るから、成形物表面に対する塗装や
被覆加工などの後加工が不要であると共に、塗装などに
より成形物表面の木質感を損なうことがないので、優れ
た木質感を有する成形物製品をより安価に提供すること
が出来る。
【0054】また、本発明に係る製造方法によれば、植
物系充填材の表面を各種の添加剤を含む樹脂皮膜で確実
に被覆出来るので、上記効果をより十分にかつ安定した
状態で、本発明の植物系充填材含有ポリオレフィン系樹
脂組成物に保持させることが出来る。又、表面処理され
た植物系充填材料を含む樹脂組成物の場合は、成形工程
の前に植物系充填材を処理する別工程が必要となる。こ
の場合、工程が増え前処理装置が必要となるばかりでな
く、植物系充填材にとって焼けによる変色等の悪影響を
与える加熱処理が必要となる。本発明では植物系充填材
を前処理することがないので、より植物系充填材に変色
等の悪影響を及ぼさない製造が可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物系充填材に対して、ポリオレフィン系
    樹脂より親和性を有する樹脂により被覆された粒子状の
    植物系充填材が、ポリオレフィン系樹脂中に分散されて
    なることを特徴とする植物系充填材含有ポリオレフィン
    系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】植物系充填材の比率が、上記樹脂組成物
    中、25〜65重量%である請求項1記載の植物系充填
    材含有ポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】植物系充填材に対し親和性を有する樹脂
    が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体のビニルエステルの部分ケン化物、エチレ
    ン−ビニルアルコール共重合体、エチレン− (メタ) ア
    クリル酸 (エステル) 共重合体の群から選択される1種
    以上である請求項1、又は2記載の植物系充填材含有ポ
    リオレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンで
    ある請求項1〜3記載の植物系充填材含有ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】植物系充填材に対し親和性を有する樹脂
    に、顔料、光安定剤、酸化防止剤及び植物系充填材に対
    する変色防止剤の中から選択された1種以上を添加し、
    溶融混練物とした後、この溶融混練物、植物系充填物、
    及びポリオレフィン系樹脂を溶融混練することを特徴と
    する請求項1〜4記載の植物系充填材含有ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】植物系充填材に対して親和性を有する樹脂
    に、前記した顔料、光安定剤、酸化防止剤及び植物系充
    填材に対する変色防止剤の中から選択される1種以上を
    添加して溶融混練することにより樹脂ペレットを得る工
    程、 前記樹脂ペレット、植物系充填物、及びポリオレフィン
    系樹脂を溶融混練する工程よりなることを特徴とする請
    求項1〜4記載の植物系充填材含有ポリオレフィン系樹
    脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109135112A (zh) * 2018-08-08 2019-01-04 佛山市禅城区钜艺塑料厂 一种聚氯乙烯塑料母粒及其制备工艺

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